JP4743064B2 - コネクタ構造及びそれを有する電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタ構造及びそれを有する電子機器に係る。
従来、電子機器には、外部との信号授受のためのコネクタを備えたものがある。
また、機器の内部に離隔して配置された回路間を電気的に接続する手段としてもコネクタは多用される。
ここで、電子機器としてネットワークカメラを例に挙げると、ネットワークカメラはLANケーブルを接続するためのRJ45と称されるコネクタを備えている(以下、機器側のコネクタをレセプタクル,ケーブル側をプラグと称する)。
このRJ45のレセプタクルは、組み立て作業を容易にするために、配線基板に半田で機械的に固定されると共に基板上の配線パターンとも導通をとって接続されている場合が多い。
一方、LANケーブルは、その種類によって剛性の高いものがある。
具体的には、エンハンスドカテゴリ5や6に適合するLANケーブルにおいて内部にシールドを有しているものは、比較的剛性が高い。
このような剛性の高いケーブルのプラグをレセプタクルに挿入した場合、ケーブルを屈曲させにくいことから、設置したカメラからケーブルを希望の方向や位置に引き回すのが難しいという問題がある。
また、ケーブルを無理に屈曲させて引き回しをすると、レセプタクル側に継続的な負荷が加わり、基板の半田接続部に導通不良が発生したり、過剰な負荷の場合は接続部近傍が破壊する可能性が懸念される。
逆にケーブルをたるませて引き回すと、たるんだケーブルが外部に露出して外観上の品位が低下するという問題が生じる。
このような、コネクタに接続されるケーブルの配線作業性を考慮した技術として、特許文献1に記載されたコネクタ構造や、特許文献2に記載されたコネクタがある。
特開平6−163131号公報 特開2004−146134号公報
特許文献1に記載されたコネクタは、装置に取り付けられる基部と、この基部に対して45°傾斜した方向に向いたコネクタ部(レセプタクル)とを有し、さらにそのコネクタ部を基部に対して回動させることで、コネクタ部への挿入方向を90°の範囲で変更できる構成とされている。
一方、特許文献2に記載されたコネクタは、FPC用のコネクタであり、基板側ハウジングに対してプラグ側ハウジング部が水平−垂直間で回動可能とされているものである。これにより、FPC装着時にはプラグ側ハウジングを垂直に立てて挿入を容易にすると共に、挿入後に水平位置まで倒してコネクタの高さを抑えることで機器の薄型化が図れるよう構成されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたコネクタ構造においては、予めコネクタ部の回動位置を決めておき、その位置でのレセプタクルの向きに合致した方向からプラグを挿入する必要がある。
また、挿入した後にケーブルの出向方向を変える場合は、レセプタクルを回動させる必要がある。
そのため、プラグの挿入の際に、レセプタクルの向きに合わせてプラグを挿入する必要があり、作業が容易ではない。また、接続部位が見えない状態でプラグを挿入することは難しいので設置場所によっては作業が困難になる可能性がある。
また、ケーブルを接続した後の引き回し作業時にケーブルの出向方向を変更することが難しいという問題がある。
一方、特許文献2に記載されたコネクタを、例えばネットワークカメラなどの屋外機器に適用した場合にも同様に、プラグ側ハウジングの向きに合わせてケーブルを挿入する必要があり、接続部が見えない状態でプラグを挿入することが大変難しく、設置場所によっては作業が困難になる可能性がある。
また、あらかじめプラグ側ハウジングの向きを回動により決めておかなければならないので作業工数が多く、また、設置場所によっては作業が困難になる可能性がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ケーブルの接続作業と接続後の引き回し作業が容易なコネクタ構造及びそれを有する電子機器を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は次の1)〜3)の手段を有する。
1) プラグが挿入される開口部を一面に有するレセプタクルを支持する支持基板と、
前記支持基板を、前記支持基板に直交すると共に前記レセプタクルに対して前記一面の反対側に設定された回動軸の回りに回動自在に支持する回動支持体と、
記支持基板を前記回動軸方向から見た際に、前記回動軸と前記一面の両端部とをそれぞれ結ぶ2つの直線の間の領域に配置され、前記支持基板に対してその回動範囲を規制するよう係合した規制手段と、
を備え、
前記規制手段は、前記回動範囲を前記2つの直線のなす角度未満となるよう規制するコネクタ構造である。
2) 筐体と、前記筐体内に配設された回路基板と、前記回路基板と外部の機器とを電気接続するコネクタ構造と、を有する電子機器であって、
前記コネクタ構造は1)に記載のコネクタ構造であることを特徴とする電子機器である。
3) 前記筐体は、前記プラグを先端に有するケーブルを前記筐体の外部から内部の前記レセプタクルに向け供給するために挿通する孔を有し、
前記レセプタクルは、前記孔から挿通された前記ケーブルの供給方向を含めた範囲で回動自在となっていることを特徴とする2)に記載の電子機器である。
本発明によれば、ケーブルの接続作業が容易であり、また、ケーブルを接続した後のその引き回し作業が容易である、という効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図7を用いて説明する。
図1は実施例の電子機器である監視用のドームカメラ150を示している。
このドームカメラ150は、透明で半球状のドーム部150Aと、底部150Baと周壁部150Bbとを有する本体部150Bと、からなる筐体150Cを備え、その内部に、カメラ部150D,回路基板108,この回路基板108と接続されたコネクタ基板102などが図示しないシャーシ109に固定されて収納されて構成されている。
また、コネクタ基板102にはRJ45コネクタのレセプタクル101が固定されている。
また、このレセプタクル101に接続されるLANケーブルを外部から挿通する孔として、底部150Baに第1の孔151aが、また、周壁部150Bbに第2の孔151bが設けられている。
図2は、このドームカメラ150が有するコネクタ構造160の実施例を説明する図である。
この図2において、上述したように、101はRJ45のコネクタにおけるレセプタクルであり、102はこのレセプタクル101が取り付けられたコネクタ基板であり、103はコネクタ基板102とメインとなる回路基板108とを電気接続するワイヤアッセンブリであり、104は基板102を保持するブラケットであり、109はこのブラケットが固定されるドームカメラ150側のシャーシである。
さらに具体的に説明する。
レセプタクル101は、後述するプラグ113が挿入される開口部101kが先端面である一面101bに形成され、さらに複数の端子からなる端子群101aを有しており、この端子群101aは、コネクタ基板102に対して取り付け孔102aを介して半田で固定されている。この半田の固定により、端子102aと図示しない銅箔配線パターンとが電気的にも接続されている。
コネクタ基板102の銅箔配線パターンはワイヤアッセンブリ103を介して回路基板108と電気的に接続されている。
このドームカメラ150においては、ワイヤアッセンブリ103は外部に露出せず長さも短いので強固なシールドは不要であり、また、剛性も低いので、後述するレセプタクル101がコネクタ基板102と一体に回動する動作を妨げるものではない。
コネクタ基板102は、2つのねじ141により、ブラケット104の基板保持部104a,104bに形成された雌ねじにねじ止めされることでブラケット104と一体化されている。
回路基板108は、シャーシ109側にねじ(図示せず)で固定されている。
この回路基板108は回路及び電子部品を備えてこのドームカメラ150の動作を司る機能などを有する。
ブラケット104は、基部104kとこの基部104kから折り曲げにより立ち上げられた腕状の上述した基板保持部104a,104bを有している。
基部104kには、貫通する丸孔104cと、この丸孔104cの中心軸CLを中心とする円弧状の貫通孔である円弧孔104dとが設けられている。
この丸孔104c及び円弧孔104dは、レセプタクル101aの先端面101bとは反対側となる位置に設けられている。
このブラケット104は、丸孔104c及び円弧孔104dを利用してシャーシ109に対し所定の範囲での回動が許容されるように一体化されている。
次に、この構造について図2,図3を参照して具体的に説明する。
ブラケット104の孔104cには、雄ねじ106aが挿通されたスペーサ107aが嵌合している。
ここでスペーサ107aの外径は、丸孔104cの径よりもわずかに小さく形成されているので、スペーサ107aは丸孔104cに対してその軸CLの回りに回動自在に嵌合している。
この状態で、雄ねじ106aがシャーシ109の雌ねじ109aに螺合することで、ブラケット104は、シャーシ109に対して軸CLの回りに回動自在に支持される。
一方、円弧孔104dには、雌ねじ106bが挿通されたスペーサ107bが嵌合している。
ここで、スペーサ107bの外径は、円弧孔104dの径方向の幅dよりもわずかに小さく形成されているので、スペーサ107bは円弧孔104dの開口部に沿って図3に示すA位置からB位置までの間で移動自在(矢印KD)に嵌合している。
この状態で、雄ねじ106bがシャーシ109の雌ねじ109bに螺合することで、ブラケット104は、シャーシ109に対する軸CL回りの回動が角度θの範囲で許容される。この角度θは、円弧孔104dにおける許容範囲の両端におけるねじ106bの中心CL2a,CL2bと軸CLとを結ぶ直線CLCL2a,CLCL2bとがなす角度である。
従って、ブラケット104に一体とされたコネクタ基板102及びレセプタクル101は、シャーシ109に対して軸CLの回りに角度θの範囲で回動自在とされている。
実施例のコネクタ構造においては、さらに、角度θの大きさがレセプタクル101の形状に応じて制限されているので図4を用いて具体的に説明する。
図4は、レセプタクル101が取り付けられたコネクタ基板104と、回動する軸CLと、円弧孔104dと、レセプタクル101に挿入されるプラグ113との互いの関係を説明するための平面図である。
ここでは、レセプタクル101において、プラグ113が挿入される先端面101b側の端部101c,101dの位置をそれぞれT1,T2とする。
図4の右方からLANケーブル112の先端のプラグ113をレセプタクル101に挿入する場合、レセプタクル101の向きに対してプラグ113がまっすぐ挿入可能であればそのまま容易に装着されるが、多くのケースにおいては、図4に示すように、レセプタクル101に対して斜め方向からプラグ113が挿入されるように接近する。
すると、プラグの先端面113aは、まずレセプタクル101の端部101dであるT2に当接する。
そして、この状態で、スペーサ107bを円弧孔104dの一端側に当接させた際のねじ106bの中心軸CL2bが、軸CLと端部T2とを結ぶ直線CLT2よりも下方(図4において)に位置するように設定されている。
また、同様に、スペーサ107bを円弧孔104dの他端側に当接させた際のねじ106bの中心軸CL2aが、軸CLと端部T1とを結ぶ直線CLT1よりも上方(図4において)に位置するように設定されている。
すなわち、ねじ106bの中心軸CL2a,CL2bに対して許容される移動範囲が、直線CLT1と直線CLT2との間の角度βの範囲内にあるように設定されている。すなわち、β>θである。
従って、プラグの先端面113aがレセプタクル101の端部T1及び端部T2のいずれかに当接した場合、図に示すように、レセプタクル101に加わる力Fによりレセプタクル101はプラグの挿入方向SHと合致させる方向に回動するので、プラグ113を極めて容易に装着することができる。
このように、プラグ113の装着時に、レセプタクル101がその挿入方向に誘導されるように回動するので、プラグ113の装着が極めて容易となる。
特に、その装着部位を直接視認できない場合に有効である。
また、このコネクタ構造によってLANケーブル112が装着された後は、図3に示す角度θの範囲内でLANケーブル112の引き出し方向が自由になるので、LANケーブル112の引き回し作業が楽になり、また、その引き回しに伴ってレセプタクル101に加わる負荷も減少するので、レセプタクル101やその周囲部材の破壊も防止でき、また、電気的接続の信頼性が向上する。
次に、このコネクタ構造の、図1で示したネットワークカメラ150への具体的適用例を図5,図6を用いて説明する。
図5(a)は詳細図であるが、理解を確実にするために要部のみを単純化して記載した模式図を図5(b)に示す。また、この図5は、図1の天地を逆にした状態で記載されている。
本体部150Bにおいて、第1及び第2の孔151a,151bは、同じ径方向に設けられている。また、レセプタクル101は、装置の小型化のため、この第1及び第2の孔の近傍に配置されるようシャーシ109に固定されている。
このドーム形状を有するネットワークカメラ150は、例えば、天井に設置され、ドーム部150Aを介してカメラ部150Dによって広範囲の画像監視を可能にするものである。
このネットワークカメラ150の設置においては、底部150Ba側を天井側にして固定される。また、他の機器と連絡するためのLANケーブルは、通常、天井に設けられた孔を介して天井裏から引き出されるが、天井が硬い場合などは、天井面を這わせて配線される。
従って、LANケーブルが天井裏から供給される場合は、底部150Baに設けられた第1の孔151aに挿通し、天井を這って供給される場合は、周壁部150Bbに設けられた第2の孔151bに挿通する。
このように、LANケーブルが2つの異なる方向から筐体内150cに入ってくる設置ケースがあるので、いずれのケースにおいても、接続が容易であり、また、接続後にレセプタクルなどに加わる力をできるだけ抑制する必要がある。
ここで、上述した実施例のコネクタ構造は、次のようにこのネットワークカメラ150に適用されているので、これらを実現する効果が得られる。
図6は、このネットワークカメラ150を、ドーム部150A及びカメラ部150Dを除いて筐体150Cの内部を俯瞰して見た斜視図である。
また、図7は、図6において、要部YS近傍において第1及び第2の孔151a,151bとレセプタクル101と軸CLなどとの関係がわかるように模式的に示した平面図である。
これらの図からわかるように、図3を用いて説明した回動許容角度θの各許容端での直線CLCL2a,CLCL2b上に、それぞれ第2の孔151b,第1の孔151aの中心が位置するように各部材の寸法や配置が設定されている。
従って、いずれの孔151a,151bからLANケーブル112が挿通供給されても、レセプタクル101はその供給方向を含めた範囲で回動自在となっているので、プラグ113の接続が容易であり、また、接続に関してレセプタクル101に加わる負荷を極めて効果的に抑制することができる。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
上述した実施例は、電子機器としてドーム型のネットワークカメラ150を説明したが、もちろん、これに限るものではなく、PAシステムや通信機器などを含めた種々の電子機器に適用できることは言うまでもない。
また、コネクタはRJ45のコネクタに限るものではないことも言うまでもない。
本発明の実施例である電子機器を説明するための外観斜視図である。 本発明の実施例であるコネクタ構造を説明するための分解図である。 本発明の実施例であるコネクタ構造を説明するための部分平面図である。 本発明の実施例であるコネクタ構造を説明するための平面図である。 本発明の実施例である電子機器の構造を説明するための分解図である。 本発明の実施例である電子機器の構造を説明するための斜視図である。 本発明の実施例である電子機器のコネクタ構造を説明するための模式的平面図である。
符号の説明
101 レセプタクル
101a 端子群
101b 先端面(一面)
101c 端部
101k 開口部
102 コネクタ基板
102a 取り付け孔
103 ワイヤアッセンブリ
104 ブラケット
104a,b 基板保持部
104c 丸孔
104d 円弧孔
104k 基部
106a,106b 雄ねじ
107a,107b スペーサ
108 回路基板
109 シャーシ
109a,109b 雌ねじ
112 LANケーブル
113 プラグ
113a 先端面
141 ねじ
150 ネットワークカメラ
150A ドーム部
150B 本体部
150Ba 底部
150Bb 周壁部
150C 筐体
150D カメラ部
151a,151b 第1,第2の孔
CL,CL2a,CL2b (中心)軸
CLT1,CLT2,CLCL2a,CLCL2b 直線
SH 挿入方向
T1,T2 端部
θ,β 角度

Claims (3)

  1. プラグが挿入される開口部を一面に有するレセプタクルを支持する支持基板と、
    前記支持基板を、前記支持基板に直交すると共に前記レセプタクルに対して前記一面の反対側に設定された回動軸の回りに回動自在に支持する回動支持体と、
    記支持基板を前記回動軸方向から見た際に、前記回動軸と前記一面の両端部とをそれぞれ結ぶ2つの直線の間の領域に配置され、前記支持基板に対してその回動範囲を規制するよう係合した規制手段と、
    を備え、
    前記規制手段は、前記回動範囲を前記2つの直線のなす角度未満となるよう規制するコネクタ構造。
  2. 筐体と、前記筐体内に配設された回路基板と、前記回路基板と外部の機器とを電気接続するコネクタ構造と、を有する電子機器であって、
    前記コネクタ構造は請求項1記載のコネクタ構造であることを特徴とする電子機器。
  3. 前記筐体は、前記プラグを先端に有するケーブルを前記筐体の外部から内部の前記レセプタクルに向け供給するために挿通する孔を有し、
    前記レセプタクルは、前記孔から挿通された前記ケーブルの供給方向を含めた範囲で回動自在となっていることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
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