JP4743040B2 - 回転角度検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁束検出ギャップを通過する磁束密度を検出する磁気検出素子を用いて検出対象物の回転角度を検出する回転角度検出装置に関するものである。
[従来の技術]
従来より、ホールIC等の磁気検出素子を用いて検出対象物(被検出物)の回転角度を検出する回転角度検出装置が公知である(例えば、特許文献1及び2参照)。
この回転角度検出装置は、スロットルバルブ等の検出対象物の回転に伴って回転するロータに固定されたマグネット101と、このマグネット101と共に磁気回路を形成する回転角度センサ102とを備えている。この回転角度センサ102は、磁気検出素子104の中心とマグネット101の回転中心とを結ぶ基準線および検出対象物の回転軸を含んだ平面を境にして面対称(左右対称)となるように2分割された一対の分割ヨーク(ステータコア)103、およびこれらの分割ヨーク103の対向部111間に形成された磁束検出ギャップを通過する磁束密度に応じて出力が変化するホールIC等の磁気検出素子104等によって構成されている。
そして、回転角度センサ102は、マグネット101の回転角度に応じて磁束検出ギャップを通過する磁束密度(磁束検出ギャップに配置される磁気検出素子104を鎖交する磁束密度)が変化し、その磁束密度に応じて磁気検出素子104の出力が変化し、この磁気検出素子104の出力に基づいて検出対象物の回転角度を検出するようにしている。
ここで、一対の分割ヨーク103として、図11に示したように、左右対称形状の開放型分割ヨークが使用されており、一端側に、磁束検出ギャップを隔てて対向する対向部111を有している。
そして、一対の分割ヨーク103は、図11(a)に示したように、対向部111の図示下端部から、マグネット101との間に所定のエアギャップを形成するように延長されたヨーク開放側延長部112をそれぞれ有している。これらのヨーク開放側延長部112は、対向部111の図示下端部より磁気検出素子104から遠ざかる側に向けて図示左右方向に真っ直ぐに延びる肩部(直線部)113、この直線部113の両端部より略直角に折り曲げられた屈曲部114、この屈曲部114の図示下端部からヨーク開放端部116の先端面に向けて図示下方に真っ直ぐに延びる垂直部(直線部)115をそれぞれ有している(例えば、特許文献1参照)。
しかるに、特許文献1に記載の回転角度検出装置は、使用角度範囲のうちでマグネット101の回転角度が中間角度(例えば40deg)と最大角度(例えば80deg)との間で、磁気検出素子104から変曲点を有する膨らみのある出力が発生する。これは、マグネット101の回転角度が最大角度近傍の時に、マグネット101の磁極面との間にエアギャップを形成する直線部115が、屈曲部114の図示下端部からヨーク開放端部116の先端面に至るまで真っ直ぐに延びているからである。
すなわち、使用角度範囲の中間角度から最大角度に至るまで、マグネット101が回転しても、マグネット101の磁極面と直線部115の内側面との間に形成されるエアギャップが急激に増加する部分がなく、これにより磁気検出素子104から変曲点を有する膨らみのある出力が発生してしまうのである。したがって、使用角度範囲における中間角度と最大角度との間で、マグネット101の回転角度に対する磁気検出素子104の出力変化特性の直線性(リニアリティ)が低下してしまい、検出対象物の回転角度の検出精度が低下するという問題があった。
そこで、特許文献2に記載の回転角度検出装置においては、マグネット101の回転角度に対する磁気検出素子104の出力変化特性の直線性(リニアリティ)を向上させて回転角度の検出精度を向上させるという目的で、左右対称形状の開放型分割ヨークとして、図11(b)に示したような逆反り形状を採用している。
この一対の分割ヨーク103の各ヨーク開放側延長部112には、直線部113、この直線部113の両端部より逆反り部121に向けて逆U字状に湾曲する屈曲部119が設けられている。また、一対の分割ヨーク103の各逆反り部121は、マグネット側に凸な逆反り形状の円弧部を有している。
そして、特許文献2に記載の一対の分割ヨーク103の各逆反り部121は、マグネット101との間に形成されるエアギャップが最小となる位置を基準位置としたとき、この基準位置から磁気検出素子側の各屈曲部119の図示下端部に向けて所定の円弧長さ分だけ円弧状(逆反り形状)に湾曲するように延長されており、また、その基準位置から磁気検出素子側に対して反対側のヨーク開放端部116の先端面に向けて所定のヨーク開放側長さ(6mm)分だけ円弧状(逆反り形状)に湾曲するように延長されている。
この特許文献2に記載の回転角度検出装置は、一対の分割ヨーク103に屈曲部119および逆反り部121を有しているので、マグネット101が、マグネット101との間に形成されるエアギャップの最小状態からエアギャップが拡大する側に向けて所定の回転角度だけ回転すると、エアギャップが急激に増加する。これにより、使用角度範囲における中間角度と最大角度との間で、マグネット101の回転角度に対する磁気検出素子104の出力変化特性の直線性(リニアリティ)が改善され、検出対象物の回転角度の検出精度を向上させることができる。
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献2に記載の回転角度検出装置(従来の技術)においては、一対の分割ヨーク103の逆反り部121のヨーク開放側長さを6mmに設定している。
この場合、図5および図6(b)に示したように、マグネット101の回転角度が使用角度範囲における最小角度(0deg)のとき、すなわち、マグネット101の板長さ方向の軸線と磁気検出素子104の板長さ方向の軸線とが直線上に位置するときには、マグネット101の一方の磁極(N極)→図示左側の分割ヨーク103の逆反り部121→図示左側の分割ヨーク103の屈曲部119→図示左側の分割ヨーク103の直線部113→マグネット101の他方の磁極(S極)の経路で磁束が流れる磁気回路(A)が形成される。
また、マグネット101のN極→図示右側の分割ヨーク103の逆反り部121→図示右側の分割ヨーク103の屈曲部119→図示右側の分割ヨーク103の直線部113→マグネット101のS極の経路で磁束が流れる磁気回路(B)が形成される。このとき、磁束検出ギャップを磁束が通過しないため、磁気検出素子104の出力値は、図7に示したように、ほぼ0(ゼロ)となる。
次に、マグネット101を回転軸(回転中心)を中心にして回転角度0degの状態から40deg分だけ図示左回転させ、マグネット101の回転角度を使用角度範囲における中間角度(40deg)にした場合には、マグネット101のN極→図示左側の分割ヨーク103の逆反り部121→マグネット101のS極の経路で磁束が流れる磁気回路(A)が形成される。
また、マグネット101のN極→図示右側の分割ヨーク103の逆反り部121→図示右側の分割ヨーク103の屈曲部119→図示右側の分割ヨーク103の直線部113→図示右側の分割ヨーク103の対向部111→磁気検出素子104→図示左側の分割ヨーク103の対向部111→図示左側の分割ヨーク103の直線部113→図示左側の分割ヨーク103の屈曲部119→図示左側の分割ヨーク103の逆反り部121→マグネット101のS極の経路で磁束が流れる磁気回路(B)が形成される。
このとき、磁束検出ギャップを磁束が通過するが、磁気検出素子104の出力に影響のない(関係しない)磁気回路(A)を磁束が流れるため、磁束検出ギャップを通過する磁束量が少なくなり、磁気検出素子104を通過する磁束密度が減少し、磁気検出素子104の出力値は、図7に示したように、理想的な出力値よりも僅かに低下する。したがって、特許文献2に記載の回転角度検出装置(従来の技術)においては、使用角度範囲における中間角度(40deg)のときに、マグネット101の回転角度に対する磁気検出素子104の出力変化特性の直線性(リニアリティ)が低下する。
次に、マグネット101を回転軸(回転中心)を中心にして回転角度40degの状態から40deg分だけ図示左回転させ、マグネット101の回転角度を使用角度範囲における最大角度(80deg)にした場合には、マグネット101のN極→図示右側の分割ヨーク103の逆反り部121→図示左側の分割ヨーク103の逆反り部121→マグネット101のS極の経路で磁束が流れる磁気回路(A)が形成される。
また、マグネット101のN極→図示右側の分割ヨーク103の逆反り部121→図示右側の分割ヨーク103の屈曲部119→図示右側の分割ヨーク103の直線部113→図示右側の分割ヨーク103の対向部111→磁気検出素子104→図示左側の分割ヨーク103の対向部111→図示左側の分割ヨーク103の直線部113→図示左側の分割ヨーク103の屈曲部119→図示左側の分割ヨーク103の逆反り部121→マグネット101のS極の経路で磁束が流れる磁気回路(B)が形成される。
このとき、磁束検出ギャップを磁束が通過するが、磁気検出素子104の出力に影響のない(関係しない)磁気回路(A)を磁束が流れるため、磁束検出ギャップを通過する磁束量が少なくなり、磁気検出素子104を通過する磁束密度が減少し、磁気検出素子104の出力値は、図7に示したように、理想的な出力値よりも大きく低下する。したがって、特許文献2に記載の回転角度検出装置(従来の技術)においては、使用角度範囲における最大角度付近(80deg)のときに、マグネット101の回転角度に対する磁気検出素子104の出力変化特性の直線性(リニアリティ)が低下してしまう。
したがって、特許文献2に記載の回転角度検出装置(従来の技術)においては、使用角度範囲における中間角度付近から最大角度に至るまでの検出角度範囲で、磁気検出素子104に関係のない磁気回路(A)を流れる磁束量(磁束漏れ量)が大きく、磁気検出素子104の出力が理想的な出力値よりも低下してしまうため、マグネット101の回転角度に対する磁気検出素子104の出力変化特性の直線性(リニアリティ)を向上させて、検出対象物の回転角度の検出精度を向上させるという目的で、上記の使用角度範囲で必要な磁気検出素子104の出力値を得るためにはマグネット101の体格(または磁力強度)を大きくする必要がある。これにより、回転角度検出装置の体格が大型化し、車両等への搭載性を悪化させるという問題が生じる。
米国特許第6707292号明細書(第7−10頁、図1−図7) 特開2005−345250号公報(第1−13頁、図1−図7)
本発明の目的は、磁石の体格や磁力強度を大きくすることなく、磁気検出素子の出力を大きくすることのできる回転角度検出装置を提供することにある。また、磁石の回転角度に対する磁気検出素子の出力変化特性の直線性を向上させて、検出対象物の回転角度の検出精度を向上させることのできる回転角度検出装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、検出対象物の回転角度を検出する回転角度センサを、磁気回路の途中に形成される磁束検出ギャップに配置された磁気検出素子と、この磁気検出素子の中心と磁石の回転中心とを結ぶ基準線および検出対象物の回転軸を含んだ平面を境にして面対称(例えば左右対称)となるように2分割された一対の分割ヨークによって構成している。
そして、一対の分割ヨークの磁気検出素子側に対して反対側には、磁石との間に所定のエアギャップを形成するヨーク開放端部がそれぞれ設けられている。
そして、一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークと磁石との間に形成されるエアギャップが最小となる位置(一方の分割ヨークと磁石との間に最小エアギャップが形成される位置)を基準位置としたとき、検出対象物の使用角度範囲における、磁気検出素子が最大出力値を発生するときの磁石の回転角度での、磁石の外表面で磁気検出素子より最も遠い箇所と磁石の回転中心との間の、磁気検出素子側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離と、一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放端部の先端と基準位置との間の、磁気検出素子側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離とが略一致するように、磁石に対して一対の分割ヨークを配置している。
これによって、磁石の回転中心よりも磁気検出素子側に対して反対側に延びるヨーク開放側長さを従来の技術と比べて大きく短縮することができるので、磁気検出素子の出力に影響のない(関係しない)磁気回路側の磁気抵抗を増加させることができる。これに伴って、磁石より出た磁束を磁気検出素子の出力に影響を及ぼす磁気回路側に集中させることができる。すなわち、磁束検出ギャップ(磁気検出素子)に関係のない磁気回路側の磁気抵抗を増加させることで、一対の分割ヨークを流れる磁束を磁束検出ギャップに集中させ、磁気検出素子に効率良く鎖交させることにより、従来の技術と比べて磁気検出素子の出力を大きくする。これにより、磁石の体格や磁力強度を大きくすることなく、検出対象物の使用角度範囲で必要な磁気検出素子の出力を得ることができる。したがって、回転角度検出装置全体の体格の大型化を抑えることができるので、回転角度検出装置の搭載スペースを容易に確保することができる。
また、磁石の回転角度が、検出対象物の使用角度範囲(検出角度範囲)における中間角度付近の時の、従来の技術に対する磁気検出素子の出力状態(効率)を、磁石の回転角度が、検出対象物の使用角度範囲(検出角度範囲)における最大角度付近の時の、従来の技術に対する磁気検出素子の出力状態(効率)よりも落とすことができるので、磁石の回転角度に対する磁気検出素子の出力変化特性の直線性(リニアリティ)を向上させることができる。したがって、検出対象物の使用角度範囲(検出角度範囲)全体に渡って、検出対象物の回転角度の検出精度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、一対の分割ヨークの各ヨーク開放端部を、磁石を収容する磁石収容空間を隔てて対向して配置している。ここで、磁石として、その板長さ方向に着磁された板状マグネットを使用し、磁束検出ギャップを検出対象物の回転軸に対して垂直な半径方向に真っ直ぐに延びる一定幅のギャップとした場合には、板状マグネットの板長さ方向と磁束検出ギャップとが直交する際に、板状マグネットの板長さ方向の両磁極面(両着磁面)と一対の分割ヨークの各ヨーク開放端部との間に形成されるエアギャップが最小エアギャップとなる。
請求項3に記載の発明によれば、一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放端部を、基準位置から磁気検出素子側に対して反対側(一対の分割ヨークの各ヨーク開放端部の先端)に向けて所定のヨーク開放側長さ分だけ延長している。
請求項4に記載の発明によれば、一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放側長さとは、基準位置から一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放端部の先端に至るまでの距離のことである。
請求項5に記載の発明によれば、磁石の板厚が1.5mmで、磁石の板長さ方向に着磁された板状マグネットを採用している。なお、板状マグネットは、その板長さ方向が、検出対象物の回転軸(回転中心軸線)に対して垂直な半径方向に一致(対応)していても良い。この板状マグネットを用いた場合、一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放側長さ(L)を、0mmよりも長く、3.0mm以下の長さに設定している。
ここで、板状マグネットの回転角度に対する磁気検出素子の出力変化特性の直線性(リニアリティ)を向上させるためには、ヨーク開放側長さ(L)を0.5mmから3.0mmまでの範囲内に設定することが望ましい。また、ヨーク開放側長さ(L)を0.7mmから2.0mmまでの範囲内に設定することが更に望ましい。
請求項6に記載の発明によれば、一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放側長さを、検出対象物の使用角度範囲における中間角度付近から最大角度付近に至るまでの範囲で、磁束検出ギャップに関係のない磁気回路側(磁石より出た磁束が磁束検出ギャップ(磁気検出素子)を通過しない磁気回路側)の磁気抵抗が、磁束検出ギャップに関係のある磁気回路側(磁石より出た磁束が磁束検出ギャップ(磁気検出素子)を通過する磁気回路側)の磁気抵抗よりも大きくなるように設定している。これにより、磁石の体格や磁力強度を大きくすることなく、検出対象物の使用角度範囲で必要な磁気検出素子の出力を得ることができる。
また、磁石の回転角度が、検出対象物の使用角度範囲(検出角度範囲)における中間角度付近の時の、従来の技術に対する磁気検出素子の出力状態(効率)を、磁石の回転角度が、検出対象物の使用角度範囲(検出角度範囲)における最大角度付近の時の、従来の技術に対する磁気検出素子の出力状態(効率)よりも落とすことができるので、磁石の回転角度に対する磁気検出素子の出力変化特性の直線性(リニアリティ)を向上させることができる。したがって、検出対象物の使用角度範囲(検出角度範囲)全体に渡って、検出対象物の回転角度の検出精度を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、磁石を、磁石内部の磁力線の向きが互いに平行となるように(平行)着磁することにより、検出対象物の使用角度範囲(検出角度範囲)を大きくとった場合でも、磁石の回転角度に対する磁気検出素子の出力変化特性の直線性(リニアリティ)を向上することができる。また、磁石の回転角度が中間角度付近から最大角度付近に向けて増加する際に、一対の分割ヨークを流れる磁束が磁束検出ギャップに集中するので、磁気検出素子に効率良く鎖交させることができ、磁気検出素子の出力が大きくなる。
請求項8に記載の発明によれば、一対の分割ヨークに、磁束検出ギャップを隔てて対向する垂直部(対向部)を設け、この垂直部を、上記の平面と平行に設置している。この場合、一対の分割ヨークの両垂直部間に形成される磁束検出ギャップに、磁石の回転中心と磁気検出素子の中心とが略同一軸線上に位置するように、磁気検出素子を配置しても良い。
請求項9に記載の発明によれば、一対の分割ヨークに、磁束検出ギャップを隔てて対向する垂直部(対向部)、およびこの垂直部の端部からヨーク開放端部の先端に向けて延長されたヨーク開放側延長部を設けている。
請求項10に記載の発明によれば、ヨーク開放側延長部に、磁石側に凸な逆反り形状の円弧部を設けたことにより、使用角度範囲における中間角度と最大角度との間で、一対の分割ヨークの各ヨーク開放端部にストレート状の直線部を有する従来の技術と比べて、磁石の回転角度に対する磁気検出素子の出力変化特性の直線性(リニアリティ)を向上させることができる。したがって、検出対象物の使用角度範囲(検出角度範囲)全体に渡って、検出対象物の回転角度の検出精度を向上させることができる。
請求項11に記載の発明によれば、ヨーク開放側延長部に、垂直部の端部より磁気検出素子から遠ざかる側に向けて真っ直ぐに延びる直線部、およびこの直線部の端部より磁石側に凸な逆反り形状の円弧部に向けて逆U字状に湾曲する屈曲部を設けている。
すなわち、ヨーク開放側延長部に屈曲部および円弧部を有し、円弧部が磁石より遠ざかる側に円弧状に形成されている。また、この円弧部に連なる屈曲部に磁石との間に形成されるエアギャップの中で最大エアギャップが形成されるので、磁石との間に形成されるエアギャップの最小状態からエアギャップが拡大する側に向けて磁石が所定の回転角度だけ回転すると、エアギャップが急激に増加する。これにより、使用角度範囲における中間角度と最大角度との間で、磁石の回転角度に対する磁気検出素子の出力変化特性の直線性(リニアリティ)を向上させることができる。したがって、検出対象物の使用角度範囲(検出角度範囲)全体に渡って、検出対象物の回転角度の検出精度を向上させることができる。
なお、一対の分割ヨークとして、上記の平面を境にして面対称(左右対称)となるように2分割され、且つ一対の分割ヨークの磁気検出素子側に対して反対側(片側)が開放された左右対称形状の開放型分割ヨークを用いても良い。そして、一対の分割ヨークに、直線部、屈曲部および円弧部よりなる「て」の字状の開放型分割部を設けても良い。
請求項12に記載の発明によれば、磁石の回転中心を通り、検出対象物の回転軸に対して垂直な垂直線上に、磁気検出素子の中心が位置するように、一対の分割ヨーク間に形成される磁束検出ギャップに磁気検出素子を配置している。すなわち、磁石の回転中心と磁気検出素子の中心とが略同一軸線上に位置するように、磁束検出ギャップに磁気検出素子を配置している。
請求項13に記載の発明によれば、磁気検出素子は、上記の平面と平行に両感磁面を有し、2分割された一対の分割ヨーク(の垂直部)間に形成された磁束検出ギャップに配置されている。ここで、磁束検出ギャップとは、その磁石側端部から磁石よりも遠ざかる側に向けて検出対象物の回転軸に対して垂直な半径方向に真っ直ぐに延びる一定幅のギャップのことである。
そして、磁石として、その板長さ方向に着磁された板状マグネットを採用した場合、板状マグネットの回転角度が使用角度範囲における最小角度の際、例えば板状マグネットの板長さ方向(着磁方向)と磁束検出ギャップの軸線方向とが直線上に一致(一直線上に位置)する時の、磁気検出素子の出力は最小出力状態となる。また、板状マグネットの回転角度が使用角度範囲における最大角度の際、例えば板状マグネットの板長さ方向(着磁方向)と磁束検出ギャップの軸線方向とが略直交する時の、磁気検出素子の出力は最大出力状態となる。
本発明を実施するための最良の形態は、磁石の体格や磁力強度を大きくすることなく、磁気検出素子の出力を大きくするという目的を、検出対象物の使用角度範囲(検出角度範囲)における磁気検出素子の出力が最大値となる場合の、磁石の回転角度を使用角度範囲の最大角度としたとき、磁石の回転角度が使用角度範囲の最大角度となった際の磁石の外表面で磁気検出素子より最も遠い箇所と磁石の回転中心との間の、磁気検出素子側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離と、一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放端部の先端と基準位置との間の、磁気検出素子側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離とをほぼ合わせることで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図8は本発明の実施例1を示したもので、図1は回転角度検出装置を示した図で、図2および図3は吸気モジュールを示した図である。
本実施例の内燃機関の制御装置(エンジン制御システム)は、例えば二輪自動車用エンジン(内燃機関:以下エンジンと言う)の燃焼室に向けて燃料を噴射供給する電子制御式燃料噴射装置と、エンジンの吸気系統に組み込まれた吸気モジュールと、これらの各システムを関連して制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ:図示せず)とを備えている。その電子制御式燃料噴射装置は、電動式のフューエルポンプにより燃料(例えばガソリン)を一定の圧力に加圧してフューエルフィルタを介してインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)へ送り、最適なタイミングで燃料を噴射できるようにした装置(システム)である。
吸気モジュールは、二輪自動車等の車両のスロットルレバーまたはスロットルハンドル等のスロットル操作部品のスロットル操作量に基づいて、エンジンの燃焼室内に供給する吸入空気量(吸気量)を制御する吸気量制御装置(吸気通路開閉装置、システム)である。なお、スロットル操作量とは、四輪自動車においては、運転者のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル操作量)に相当する。
また、吸気モジュールは、エンジンの吸気ポートに接続するエンジン吸気管の途中に組み込まれたハウジングと、このハウジングの内部に開閉自在に収容されたスロットルバルブ(検出対象物)1と、このスロットルバルブ1と一体的に回動動作を行うバルブ軸であるシャフト2とを備えている。ここで、ハウジングは、エンジン吸気管の一部を構成する円筒形状のスロットルボデー11等によって構成されている。ここで、スロットルボデー11は、内部に断面円形状の吸気通路(以下スロットルボアと呼ぶ)12が形成されたスロットルボア壁部(以下円筒部と呼ぶ)13、およびこの円筒部13の吸気流方向に対して直交する回転軸方向(シャフト2の軸線方向)の両側に円筒状の軸受け部14等を有している。
本実施例の吸気モジュールは、スロットルボデー11の円筒部13の内部に開閉自在に収容されたバタフライ型バルブであるスロットルバルブ1を搭載している。このスロットルバルブ1は、その回転軸方向(直径方向)に延びるシャフト2に一体的に結合されている。このスロットルバルブ1は、吸入空気量を最小とする全閉位置から吸入空気量を最大とする全開位置までの使用角度範囲内において回転角度が変更されることで、エンジンの燃焼室内への吸入空気量を制御する。
シャフト2は、非磁性材料、例えば非磁性金属材料により略円柱形状に形成されている。そして、シャフト2の回転軸方向(軸線方向)の両端部は、スロットルボデー11の円筒部13の両側の軸受け部14に回転自在に収容されている。このシャフト2の回転軸方向の一端部は、図示右側の軸受け部14を貫通して、軸受け部14に連なる円筒状のシャフト嵌合部15の内部(中空部16)に回転自在に収容されている。また、シャフト2の回転軸方向の一端部には、シャフト2の回転軸(回転中心軸線)に対して直交する直径方向の垂直線上に略一文字状の溝部17が形成されている。
また、シャフト2の回転軸方向(軸線方向)の他端部は、図示左側の軸受け部14を貫通して、スロットルボデー11の外部に突出している。このシャフト2の回転軸方向の他端部には、アクセルレバー18がかしめ等により固定されている。このアクセルレバー18には、スロットルレバーまたはスロットルハンドル等のスロットル操作部品に連動するワイヤーケーブルが取り付けられている。また、スロットルボデー11の円筒部13とアクセルレバー18との間には、アクセルレバー18に対してスロットルバルブ1を全閉位置に戻す方向に付勢するスプリング荷重を与えるリターンスプリング19が装着されている。
ここで、スロットルボデー11は、非磁性材料(例えば熱可塑性樹脂等の樹脂材料)により樹脂一体成形(樹脂化)されている。このスロットルボデー11の図示右側の軸受け部14には、後述するスロットル開度センサ4を保持固定するセンサ保持部21が一体的に形成されている。センサ保持部21のうちの、スロットル開度センサ4の装着部(特にホールIC5の装着部)より側方には、スロットル開度センサ4をセンサ保持部21の所定の部位(特に磁束検出ギャップ)に挿入するための略長方形状のセンサ挿入孔22が形成されている。このセンサ挿入孔22の図示右端部は、開口している。これにより、センサ挿入孔22の開口部は、ホールIC5をセンサ保持部21の所定の部位(特に磁束検出ギャップ)に挿入するためのセンサ挿入口として機能する。なお、センサ挿入孔22の開口部は、ホールIC5をセンサ保持部21の所定の部位に組み付けた後に、樹脂材料よりなるカバープレート(センサカバー)23をセンサ保持部21の外壁面に熱溶着等により組み付けることで塞がれる。これにより、センサ保持部21内に水分等の異物が侵入することを防止できる。
ここで、本実施例の吸気モジュールは、スロットルバルブ1の回転角度(バルブ角度、スロットル開度)を電気信号に変換し、ECUへどれだけスロットルバルブ1が開かれているかを出力する非接触式の回転角度検出装置(スロットル開度検出装置)を搭載している。この回転角度検出装置は、スロットルバルブ1のシャフト2の回転軸方向の一端部に固定された薄板状磁石(永久磁石:以下マグネットと呼ぶ)3と、このマグネット3と共に磁気回路を形成し、マグネット3の回転角度に対するホールIC(後記する)の出力変化特性を利用してスロットルバルブ1の回転角度を検出するスロットル開度センサ(回転角度センサ)4とによって構成されている。
ここで、本実施例のECUは、スロットル開度センサ4の出力、つまりスロットル開度センサ4より出力された電気信号に対応した燃料噴射量を、エンジンの気筒に噴射供給するようにインジェクタの開弁期間を制御する噴射量制御を行うように構成されている。
マグネット3は、スロットル開度センサ4およびスロットルボデー(ハウジング)11に対して相対回転するマグネットロータを構成するもので、検出対象物としてのスロットルバルブ1の回転に伴って回転するように、スロットルバルブ1のシャフト2の回転軸方向の一端部に保持固定されている。具体的には、スロットルバルブ1のシャフト2に形成された一文字状の溝部17に接着剤等の固定手段を用いてマグネット3が保持固定されている。このマグネット3は、平面形状が正方形状(または長方形状)で、例えばサマリウム−コバルト(Sm−Co)磁石、ネオジウム(Nd)磁石等の希土類磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石が用いられ、長期間磁力を安定して発生し続ける直方体形状の永久磁石である。
本実施例のマグネット3は、板厚方向および板幅方向に対して略直交する板長さ方向の両端部が互いに極性が逆向きになるようにN極とS極とが着磁されている。また、マグネット3は、磁石内部の磁力線の向きが互いに平行となるように平行着磁されている。そして、マグネット3は、スロットルバルブ1のシャフト2の回転軸(回転中心軸線)に対して垂直な半径方向に着磁されている。これにより、マグネット3の着磁方向(板長さ方向)は、スロットルバルブ1のシャフト2の回転軸に対して垂直な直径方向と一致しており、マグネット3の板長さ方向の一方側の着磁面(磁極面)がN極とされ、また、マグネット3の板長さ方向の他方側の着磁面(磁極面)がS極とされている。
ここで、マグネット3は、その回転中心を中心にして、スロットルバルブ1の全閉位置から全開位置に至るまでの使用角度範囲で、中空部16、特にスロットル開度センサ4の内部に形成されるマグネット収容空間24にて回転可能とされている。このため、本実施例では、スロットルバルブ1が全閉開度の際に、図6(a)および図8(a)に示したように、マグネット3の回転角度が、スロットルバルブ1の使用角度範囲(検出角度範囲)における最小角度(例えば0deg)となる。
また、スロットルバルブ1が中間開度の際に、図6(a)および図8(b)に示したように、マグネット3の回転角度が、スロットルバルブ1の使用角度範囲における中間角度(例えば40deg)となる。また、スロットルバルブ1が全開開度の際に、図6(a)および図8(c)に示したように、マグネット3の回転角度が、スロットルバルブ1の使用角度範囲における最大角度(例えば80deg)となる。なお、マグネット3の回転角度が最大角度の状態の時にマグネット3の外表面の中で、後述する磁気検出素子であるホールIC5より最も遠い箇所(マグネット下端)には、エッジ部(マグネット最下端部)25が設けられている。
本実施例のスロットル開度センサ4は、スロットルボデー(ハウジング)11に固定されるステータを構成するもので、マグネット3の磁極面より出た磁束密度を検出するホールIC5と、左右対称形状となるように2分割された分割部間にホールIC5を配置した非円筒形状のステータコアとによって構成されている。ここで、ステータコアは、ホールIC5の板厚方向の中心(以下ホールIC中心と呼ぶ)とマグネット3の回転中心(以下マグネット中心と呼ぶ)とを結ぶ基準線およびスロットルバルブ1のシャフト2の回転軸(回転中心軸線)を含んだ平面を境にして面対称(左右対称)となるように2分割された分割部よりなる。なお、2分割された一方の第1分割部を第1分割ヨーク(第1ステータヨーク)6と呼び、また、2分割された他方の第2分割部を第2分割ヨーク(第2ステータヨーク)7と呼ぶ。そして、一対の第1、第2分割ヨーク6、7は、マグネット3の着磁面(磁極面)より出た磁束をホールIC5に集中させるための磁性体である。
ホールIC5は、磁気回路の途中、つまり一対の第1、第2分割ヨーク6、7間に形成される磁束検出ギャップを通過する磁束密度(ホールIC5を鎖交する磁束密度)に応じて出力が変化する非接触式の磁気検出素子を構成するホール素子と、このホール素子の出力を増幅する増幅回路とを一体化したIC(集積回路)であって、磁束検出ギャップを通過する磁束密度(ホールIC5に鎖交する磁束密度)に対応した電圧信号を出力する。なお、ホールIC5は、磁束密度に対する出力ゲイン調整、オフセット調整、温度特性の補正のプログラムを外部から電気トリミングする機能を有したり、断線、ショートの自己診断機能を有していても良い。
ホールIC5は、マグネット中心を通り、スロットルバルブ1のシャフト2の回転軸(回転中心軸線)に対して垂直な垂直線上に中心が位置するように、磁束検出ギャップに配置されている。すなわち、ホールIC5は、マグネット中心とホールIC中心とが略同一軸線上に位置するように、磁束検出ギャップに配置されている。また、ホールIC5は、ホールIC中心とマグネット中心とを結ぶ基準線およびスロットルバルブ1のシャフト2の回転軸(回転中心軸線)を含んだ平面と平行に一定幅の両感磁面を有している。これらの両感磁面は、ホールIC5の板厚方向の両側にそれぞれ設けられている。
ここで、本実施例では、センサ挿入孔22からホールIC5を差し込んで、一対の第1、第2分割ヨーク6、7間に形成される磁束検出ギャップにホールIC5を嵌め込むことで、スロットルボデー11のセンサ保持部21の所定の位置に組み付けられる。これにより、ホールIC5は、磁束検出ギャップに嵌め込まれて位置決めされ、ホールIC5のリード線(2本の出力取出用端子および1本の電源供給(給電)端子)がセンサ保持部21にインサート成形されたコネクタピン(ターミナル:図示せず)に抵抗溶接等の接合手段を用いて電気的および機械的に接続されている。
一対の第1、第2分割ヨーク6、7は、片側が開放された左右対称形状の開放型分割ヨークであって、鉄等の磁性材料(磁性体)によって形成されている。これらの第1、第2分割ヨーク6、7は、一端側(図示上方側)に、磁束検出ギャップを隔てて対向する対向部(垂直部)31、41をそれぞれ有し、これらの垂直部31、41間(磁束検出ギャップ)にホールIC5が配置されている。2つの垂直部31、41の図示下端部には、互いに遠ざかる側に略直角(L字状)に折り曲げられた2つの屈曲部32、42が設けられている。これらの屈曲部32、42は、後述する各ヨーク開放側延長部33、43の対向側端部に接続している。
また、一対の第1、第2分割ヨーク6、7は、ホールIC側に対して反対側(開放側)に、スロットルバルブ1の使用角度範囲における最大角度付近(例えば80deg近傍)で、マグネット3の着磁方向の両端部(両着磁面)との間に所定のエアギャップ(例えば最小エアギャップ)を形成するヨーク開放端部37、47をそれぞれ有している。これらのヨーク開放端部37、47は、スロットルバルブ1のシャフト2の回転軸方向の一端部およびマグネット3を回転自在に収容する非円形状のマグネット収容空間(磁石収容空間)24を隔てて対向して配置されている。2つのヨーク開放端部37、47の詳細は後述する。
また、一対の第1、第2分割ヨーク6、7は、2つの垂直部31、41の図示下端部である2つの屈曲部32、42から2つのヨーク開放端部37、47の先端に向けて延長された2つのヨーク開放側延長部33、43をそれぞれ有している。これらのヨーク開放側延長部33、43は、2つの屈曲部32、42を介して、2つの垂直部31、41の図示下端部に接続されている。また、2つのヨーク開放側延長部33、43は、スロットルバルブ1の使用角度範囲全体に渡ってマグネット3の着磁方向の両端部(両着磁面)との間に所定のエアギャップを形成する部分で、2つの垂直部31、41の図示下端部よりホールIC5から遠ざかる側に向けて真っ直ぐに延びる2つの直線部(両肩部)34、44、これらの直線部34、44の図示左右端部よりホールIC5から遠ざかる側に向けて逆U字状に湾曲する2つのU字部(U字状の屈曲部)35、45、およびこれらのU字部35、45よりホールIC5から遠ざかる側に向けて円弧状に湾曲する2つの円弧部36、46をそれぞれ有している。
2つの垂直部31、41は、各々がホールIC5の両感磁面に接触した状態で、磁束検出ギャップを隔てて互いに対向して配置されたホールIC保持部である。これらの垂直部31、41は、上記の開放型分割部よりも板幅が小さく、ホールIC中心とマグネット中心とを結ぶ基準線およびスロットルバルブ1のシャフト2の回転軸(回転中心軸線)を含んだ平面と平行に設置されている。また、2つの垂直部31、41は、2つの各直線部34、44の磁束検出ギャップ側の端部よりシャフト2およびマグネット3の回転中心軸線から遠ざかる側に略直角的に折り曲げられて設けられている。なお、一対の第1、第2分割ヨーク6、7は、少なくとも2つの垂直部31、41の対向面側がセンサ挿入孔22内で露出するように、センサ保持部21の内部にインサート成形されている。
2つの直線部34、44は、上記の平面に対して略直交する方向(水平方向、垂直方向)で、且つ互いに遠ざかる側に略ストレート状に垂直方向(図示左右方向)に延ばされている。また、2つの直線部34、44は、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の中で、マグネット3の着磁方向の一端部(N極)より垂直方向に最も離れた位置に設けられており、マグネット3の着磁方向の一端部(N極)との間には、最も大きいエアギャップが形成される。また、2つのU字部35、45は、2つの直線部34、44の図示左右端部より2つの円弧部36、46に向けて略鋭角的に折り曲げられて円弧部36、46の図示上端部に繋がる円弧状の屈曲部である。これらのU字部35、45は、マグネット3との間に、マグネット3の着磁方向の両端部と一対の第1、第2分割ヨーク6、7の各内周面との間に形成される全エアギャップの中で最も大きい最大エアギャップを形成する。
2つのU字部35、45は、マグネット側に対して反対側に凸なU字状で、2つの直線部34、44の図示左右端部より2つの円弧部36、46に向けて逆U字状に湾曲している。また、円弧部36、46は、マグネット側に凸な逆反り形状の円弧部であって、U字部35、45の図示下端部よりホールIC側に対して反対側(開放側)に円弧状に湾曲している。ここで、本実施例の第1分割ヨーク6は、直線部34、U字部35および円弧部36よりなる略「逆て」の字状の開放型分割部を構成している。また、本実施例の第2分割ヨーク7は、直線部44、U字部45および円弧部46よりなる略「て」の字状の開放型分割部を構成している。また、第1分割ヨーク6は、直線部34およびU字部35よりなる略「逆つ」の字状の分割部を構成し、第2分割ヨーク7は、直線部44およびU字部45よりなる略「つ」の字状の分割部を構成している。
磁束検出ギャップは、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の各垂直部31、41間に形成されたギャップであり、そのマグネット側端部からマグネット3よりも遠ざかる側に向けて、スロットルバルブ1のシャフト2の回転軸(回転中心軸線)に対して垂直な半径方向に真っ直ぐに延びる一定幅のギャップである。この磁束検出ギャップには、マグネット中心とホールIC中心とが同一軸線上に位置するように、ホールIC5が配置されている。また、磁束検出ギャップは、マグネット3と2つのヨーク開放端部37、47とのエアギャップが最小となる位置関係の際に、マグネット3の着磁方向に対して、ホールIC5の両感磁面に鎖交する磁束密度が比較的に大きくなる位置関係となるように、マグネット3と一対の第1、第2分割ヨーク6、7とで構成される磁気回路の途中に設けられている。
これにより、本実施例のホールIC5は、マグネット3の板長さ方向(着磁方向)と磁束検出ギャップとが直線上に一致する際の、マグネット3の回転角度を、使用角度範囲における最小角度(例えば0deg)とし、マグネット3の板長さ方向(着磁方向)と磁束検出ギャップとが直交する際の、マグネット3の回転角度を、使用角度範囲よりも広い検出可能範囲における角度(例えば90deg)としたとき、マグネット3の回転角度が90degの時に、磁束検出ギャップを通過する磁束密度が最大となり、最大出力値を出力し、マグネット3の回転角度が0degの時に、磁束検出ギャップを通過する磁束密度が最小になり、最小出力値を出力する。
次に、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の2つのヨーク開放側延長部33、43、特に2つの円弧部36、46および2つのヨーク開放端部37、47の詳細を図1ないし図8に基づいて説明する。ここで、図4はマグネット3の回転角度が使用角度範囲における最大角度の時の磁束の流れを示した図である。
2つのヨーク開放側延長部33、43は、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の各ヨーク開放端側に、マグネット側に凸な逆反り形状の円弧部36、46をそれぞれ有している。本実施例では、2つのU字部35、45の図示下端部から2つのヨーク開放端部37、47の各先端面38、48に至るまでの、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の各ヨーク開放端側に円弧部36、46がそれぞれ設けられている。つまり、2つのヨーク開放端部37、47には、円弧部36、46が含まれている。
ここで、本実施例の2つの円弧部36、46は、マグネット3の周りに配置され、このマグネット3の磁束を集める部分であって、ホールIC側に対して反対側に、マグネット3との間に所定のエアギャップを形成する。また、2つの円弧部36、46および2つのU字部35、45は、エアギャップ最小状態からエアギャップが拡大する側に向けてマグネット3が所定の回転角度だけ回転するに従って、マグネット3の着磁方向の両着磁面と一対の第1、第2分割ヨーク6、7の内側面との間に形成されるエアギャップが急激に増加するように設けられている。そして、2つの円弧部36、46は、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の各U字部35、45の図示下端部に向けて互いに遠ざかるように反り返るように設けられている。
そして、本実施例の回転角度検出装置は、マグネット3に対して一対の第1、第2分割ヨーク6、7の2つのヨーク開放側延長部33、43、特に2つの円弧部36、46および2つのヨーク開放端部37、47を図1および図4に示した位置関係となるように配置している。
それは、マグネット3の着磁方向の両着磁面と一対の第1、第2分割ヨーク6、7の内側面との間に形成されるエアギャップが最小となる位置を基準位置(マグネット3の回転中心軸線に対して垂直な垂直線が交差する位置:ヨーク開放側長さ0mm)としたとき、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における最大角度の状態の時、すなわち、ホールIC5が使用角度範囲における最大出力状態(最大出力値)の時の、マグネット3の回転角度(例えば80deg)での、マグネット3のエッジ部(マグネット最下端部)25とマグネット3の回転中心(マグネット中心)との間の、ホールIC側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離と、2つの第1、第2分割ヨーク6、7のうちの少なくとも一方の第2分割ヨーク7のヨーク開放端部47の先端面(開放側ヨーク先端面)48と基準位置との間の、ホールIC側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離とが略一致するように、マグネット3に対して一対の第1、第2分割ヨーク6、7を配置している。
ここで、マグネット3のエッジ部25とマグネット中心との間の、ホールIC側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離と、ヨーク開放端部47の先端面48と基準位置との間の、ホールIC側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離とを略一致させるとは、マグネット3のエッジ部25とヨーク開放端部47の先端面48との直線距離が、0mmから1.5mmまでの範囲、望ましくは1.1mmから1.2mmまでの範囲のことである。この範囲は、マグネット3の板厚によって変わる。つまり、マグネット3の板厚が厚くなる程、範囲は大きくなる。
また、2つの第1、第2分割ヨーク6、7のうちの少なくとも一方の第2分割ヨーク7のヨーク開放端部47の先端面48とは、マグネット3の板長さ方向(着磁方向)の両磁極面のうちで、使用角度範囲における最大角度(ホールIC5が使用角度範囲における最大出力状態)の時に、図示下方側に位置する側の磁極面と対向する側(本例では第2分割ヨーク7)のヨーク開放端部47の先端面48のことである。
また、本実施例の回転角度検出装置は、マグネット3の回転角度が使用角度範囲よりも広い検出可能範囲における角度(例えば90deg)の時に、マグネット3の着磁方向の両着磁面と一対の第1、第2分割ヨーク6、7の内側面との間に形成されるエアギャップが最小となる位置を基準位置(マグネット3の回転中心軸線に対して垂直な垂直線が交差する位置:ヨーク開放側長さ0mm)としたとき、この基準位置からホールIC側の各U字部35、45の図示下端部に向けて所定の円弧長さ分だけ円弧状(逆反り形状)に湾曲するように延長されている。
また、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の各ヨーク開放端部37、47は、その基準位置からホールIC側に対して反対側(開放側)の先端面38、48に向けて所定のヨーク開放側長さ(L)分だけ円弧状(逆反り形状)に湾曲するように延長されている。ここで、ヨーク開放側長さ(L)とは、基準位置から2つのヨーク開放端部37、47の先端面38、48に至るまでの垂直方向の直線距離(2つのヨーク開放端部37、47の長さ)のことである。なお、基準位置から2つのヨーク開放端部37、47の先端面38、48に至るまでの距離を、2つのヨーク開放端部37、47の円弧の長さとしても良い。また、ヨーク開放端部37を基準位置(L=0mm)とし、ヨーク開放端部47を所定のヨーク開放側長さ(L)分だけ長くしても良い。
次に、マグネット3の回転角度(deg)、および一対の第1、第2分割ヨーク6、7の各ヨーク開放端部37、47の長さを種々変化させて、磁束検出ギャップを通過する磁束密度、つまりホールIC(IC部)5を鎖交する磁束密度がどのように変化するかについて調査した実験1について説明する。実験1は、マグネット3の回転角度(deg)に対して一対の第1、第2分割ヨーク6、7の各ヨーク開放端部37、47の長さ(ヨーク開放側長さ:L)を−1.5mm〜+6.0mmの範囲で変化させ、IC部磁束密度について調査したもので、その実験結果を図5のグラフに示した。
ここで、実験1で用いたマグネット3は、実施例1で使用する磁石と同様な規格で、その板厚および板幅が1.5mmで、且つその板長さが5.4mmで、その板長さ方向に着磁された薄板状マグネットであって、その板長さ方向が、スロットルバルブ1のシャフト2の回転軸(回転中心軸線)に対して垂直な半径方向に一致(対応)している。なお、マグネット3の板厚よりも板幅が長くても、また、短くてもどちらでも構わない。
また、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の2つのヨーク開放側延長部33、43、特に2つの円弧部36、46および2つのヨーク開放端部37、47の板幅は、マグネット3と略同様な1.5mm程度のものを用いている。なお、実施例1のヨーク開放側長さ(L)は1.1mmで、従来の技術(図11(b)参照)のヨーク開放側長さ(L)は6mmである。
図5のグラフからも確認できるように、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における「10deg」の場合には、ヨーク開放側長さ(L)が0mm〜3mmの範囲よりも大きくても小さくても磁束密度が少なく、ホールIC5の出力が小さくなる傾向にあることが分かる。なお、マグネット3の回転角度が「10deg」の時で最も効率が良いのは、つまり磁束検出ギャップを通過する磁束量が最大となりホールIC5の出力が最も大きくなるのは、ヨーク開放側長さ(L)が2.5mmの場合である。
また、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における「20deg」の場合には、ヨーク開放側長さ(L)が0mm〜3mmの範囲よりも大きくても小さくても磁束密度が少なく、ホールIC5の出力が小さくなる傾向にあることが分かる。なお、マグネット3の回転角度が「20deg」の時で最も効率が良いのは、ヨーク開放側長さ(L)が3mmの場合である。
また、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における「30deg」の場合には、ヨーク開放側長さ(L)が0.5mm〜3mmの範囲よりも大きくても小さくても磁束密度が少なく、ホールIC5の出力が小さくなる傾向にあることが分かる。なお、マグネット3の回転角度が「30deg」の時で最も効率が良いのは、ヨーク開放側長さ(L)が3mmの場合である。
また、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における中間角度である「40deg」の場合には、ヨーク開放側長さ(L)が0.5mm〜3mmの範囲よりも大きくても小さくても磁束密度が少なく、ホールIC5の出力が小さくなる傾向にあることが分かる。なお、マグネット3の回転角度が「40deg」の時で最も効率が良いのは、ヨーク開放側長さ(L)が2.5mmの場合である。
また、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における「50deg」の場合には、ヨーク開放側長さ(L)が0mm〜3mmの範囲よりも大きくても小さくても磁束密度が少なく、ホールIC5の出力が小さくなる傾向にあることが分かる。なお、マグネット3の回転角度が「50deg」の時で最も効率が良いのは、ヨーク開放側長さ(L)が1.5mmの場合である。
また、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における「60deg」の場合には、ヨーク開放側長さ(L)が0mm〜3mmの範囲よりも大きくても小さくても磁束密度が少なく、ホールIC5の出力が小さくなる傾向にあることが分かる。なお、マグネット3の回転角度が「60deg」の時で最も効率が良いのは、ヨーク開放側長さ(L)が2mmの場合である。
また、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における「70deg」の場合には、ヨーク開放側長さ(L)が0mm〜3mmの範囲よりも大きくても小さくても磁束密度が少なく、ホールIC5の出力が小さくなる傾向にあることが分かる。なお、マグネット3の回転角度が「70deg」の時で最も効率が良いのは、ヨーク開放側長さ(L)が2mmの場合である。
また、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における最大角度である「80deg」の場合には、ヨーク開放側長さ(L)が0mm〜3mmの範囲よりも大きくても小さくても磁束密度が少なく、ホールIC5の出力が小さくなる傾向にあることが分かる。なお、マグネット3の回転角度が「80deg」の時で最も効率が良いのは、ヨーク開放側長さ(L)が1.5mmの場合である。
また、マグネット3の回転角度が使用角度範囲外の「90deg」の場合には、ヨーク開放側長さ(L)が0mm〜3mmの範囲よりも大きくても小さくても磁束密度が少なく、ホールIC5の出力が小さくなる傾向にあることが分かる。なお、マグネット3の回転角度が「90deg」の時で最も効率が良いのは、ヨーク開放側長さ(L)が1.5mmの場合である。
したがって、図5のグラフからも確認できるように、ヨーク開放側長さ(L)が0.5mmから3mmまでの範囲では、マグネット3の回転角度に関わらず、磁束密度が多くなるので効率が良く、また、ヨーク開放側長さ(L)が0.7mmから3mmまでの範囲では、マグネット3の回転角度に関わらず、磁束密度が更に多くなるので効率が更に良好となる傾向にあることが分かる。特にヨーク開放側長さ(L)が1.1mmから2mmまでの範囲では、効率が最も良好となる傾向にあることが分かる。そこで、実施例1では、図6(a)に示したように、ヨーク開放側長さ(L)を1.1mmに設定している。
また、本実施例の回転角度検出装置においては、ヨーク開放側長さ(L)を最適な値に設定することで、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の各ヨーク開放端部37、47の長さ、つまりヨーク開放側長さ(L)を、スロットルバルブ1の使用角度範囲における中間角度(例えば40deg)付近から最大角度付近(例えば80deg)に至るまでの範囲で、磁束検出ギャップに関係のない磁気回路(A)側の磁気抵抗が、磁束検出ギャップに関係のある磁気回路(B)側の磁気抵抗よりも大きくなるように設定している。これにより、マグネット3の体格や磁力強度を大きくすることなく、スロットルバルブ1の使用角度範囲で必要なホールIC5の出力を得ることができる。なお、磁気回路(A)側とは、図6および図8に示したように、マグネット3の板長さ方向(着磁方向)の一方側の磁極面より出た磁束が磁束検出ギャップ(ホールIC5)を通過しない磁気回路側のことである。また、磁気回路(B)側とは、マグネット3の板長さ方向(着磁方向)の一方側の磁極面より出た磁束が磁束検出ギャップ(ホールIC5)を通過する磁気回路側のことである。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の回転角度検出装置を備えた吸気モジュールの作用を図1ないし図8に基づいて簡単に説明する。
運転者によってスロットルレバーまたはスロットルハンドル等のスロットル操作部品が操作されると、スロットル操作部品にワイヤーケーブルを介して連結されたアクセルレバー18が回転する。これに伴って、運転者のスロットル操作量に応じてスロットルバルブ1がシャフト2の軸心(回転軸)を中心にして回転する。これにより、エンジンの燃焼室に連通するスロットルボア12が開かれるので、エンジン回転速度が運転者のスロットル操作量に対応した速度に変更される。このとき、スロットル開度センサ4のホールIC5より出力された電気信号(センサ信号)を入力したECUは、電子制御式燃料噴射装置に必要な制御目標値(燃料噴射時期や燃料噴射量等)を演算する。
ECUは、例えば吸気圧センサによってスロットルバルブ1よりも吸気流方向の下流側の吸気管圧力を検出して間接的に吸入空気量を演算し、この演算した吸入空気量と計測したエンジン回転速度とから基本噴射時間(基本噴射量)を計算する。そして、この基本噴射時間に、スロットル開度センサ4のホールIC5の出力値に応じた補正量(噴射量補正量)を加味して最終噴射時間(燃料噴射量、目標噴射量)を決定する。また、ECUは、エンジンの吸気工程前に燃料噴射が終了するように燃料噴射時期(タイミング、目標噴射時期)および燃料噴射量を最適化している。
次に、マグネット3の回転角度を、スロットルバルブ1の使用角度範囲における最小角度(例えば0deg)から中間角度(例えば40deg)を経て最大角度(例えば80deg)に至るまでの範囲で変化させて、ホールIC5の出力がどのように変化するかについて調査した実験2について説明する。実験2は、マグネット3の回転角度を変化させ、ホールIC5の出力状態について調査したもので、その実験結果を図7のグラフに示した。
図7のグラフにおいて、太い実線は、ヨーク開放側長さ(L)を1.1mmに設定した実施例1の回転角度検出装置の実験結果を示し、屈曲点の有る細い実線は、ヨーク開放側長さ(L)を6mmに設定した従来の技術(特許文献2に記載の回転角度検出装置)を示す。
ここで、実施例1の回転角度検出装置においては、スロットル開度センサ4のホールIC5に対して磁力を与えるマグネット3として、その板厚および板幅が1.5mmで、且つその板長さが5.4mmで、その板長さ方向に平行着磁された直方体形状の永久磁石を使用し、スロットル開度センサ4の一対の第1、第2分割ヨーク6、7として、片側が開放された開放ヨークを使用している。
そして、エンジンのアイドル運転時、つまりスロットルバルブ1の全閉時(スロットル開度が0%の時)には、スロットルバルブ1のシャフト2の回転軸方向の一端部に保持固定されたマグネット3の回転角度が、スロットルバルブ1の使用角度範囲(検出角度範囲)における最小角度(例えば0deg)となる。この場合には、マグネット3の板長さ方向の軸線とホールIC5の板長さ方向の軸線とが直線上に位置する(図6(a)および図8(a)参照)。
そして、ヨーク開放側長さ(L)を1.1mmに設定した実施例1の場合、図1、図4、図6(a)および図8(a)に示したように、マグネット3の着磁方向(板長さ方向)の一方側の磁極(例えばN極またはS極)→第1分割ヨーク6のヨーク開放側延長部33(ヨーク開放端部37の先端面38→円弧部36→U字部35→直線部34)→マグネット3の着磁方向(板長さ方向)の他方側の磁極(例えばS極またはN極)の経路で、マグネット3の磁極面より出た磁束が流れる磁気回路(A)が形成される。また、マグネット3のN極(またはS極)→第2分割ヨーク7のヨーク開放側延長部43(ヨーク開放端部47の先端面48→円弧部46→U字部45→直線部44)→マグネット3のS極(またはN極)の経路で、マグネット3の磁極面より出た磁束が流れる磁気回路(B)が形成される。
このとき、磁束検出ギャップ(ホールIC5)を磁束が通過しないため、ホールIC5の出力は、図7のグラフに示したように、ほぼ0(ゼロ)となる。あるいはマグネット3の着磁方向に対して、磁束検出ギャップを通過する磁束密度(ホールIC5に鎖交する磁束密度)が比較的に小さくなる位置関係となる。したがって、スロットルバルブ1の使用角度範囲(検出角度範囲)における最小角度(例えば0deg)の場合には、図7のグラフからも確認できるように、マグネット3の回転角度に対するホールIC5の出力がほぼ0となる。
次に、マグネット3をその回転中心を中心にして回転角度0degの状態から40deg分だけ図示左回転させ、マグネット3の回転角度を40degにした場合には、図1、図4、図6(a)および図8(b)に示したように、マグネット3のN極(またはS極)→第1分割ヨーク6のヨーク開放側延長部33(ヨーク開放端部37の先端面38→円弧部36)→マグネット3のS極(またはN極)の経路で、マグネット3の磁極面より出た磁束が流れる磁気回路(A)が形成される。また、マグネット3のN極(またはS極)→第2分割ヨーク7のヨーク開放側延長部43(ヨーク開放端部47の先端面48→円弧部46→U字部45→直線部44)→屈曲部42→垂直部41→ホールIC5→垂直部31→屈曲部32→第1分割ヨーク6のヨーク開放側延長部33(直線部34→U字部35→円弧部36)→マグネット3のS極(またはN極)の経路で、マグネット3の磁極面より出た磁束が流れる磁気回路(B)が形成される。
このとき、マグネット3の着磁方向に対して、磁束検出ギャップを通過する磁束密度(ホールIC5に鎖交する磁束密度)が比較的に中程度となる位置関係となる。これにより、スロットルバルブ1およびマグネット3の回転角度に対するホールIC5の出力は、図7のグラフに示したように、変化量に応じリニアに出力が増加する。
次に、マグネット3をその回転中心を中心にして回転角度40degの状態から40deg分だけ図示左回転させ、マグネット3の回転角度を80degにした場合には、図1、図4、図6(a)および図8(c)に示したように、マグネット3のN極(またはS極)→第2分割ヨーク7のヨーク開放側延長部43(円弧部46→U字部45→直線部44)→屈曲部42→垂直部41→ホールIC5→垂直部31→屈曲部32→第1分割ヨーク6のヨーク開放側延長部33(直線部34→U字部35→円弧部36)→マグネット3のS極(またはN極)の経路で、マグネット3の磁極面より出た磁束が流れる磁気回路(B)が形成される。なお、図4に示したように、磁気回路(A)も形成されるが、ヨーク開放側長さ(L)を1.1mmに設定しているため、従来の技術(ヨーク開放側長さ(L)が6mm)と比べてヨーク開放側長さ(L)が極端に短く、磁気回路(B)側の磁気抵抗よりも磁気回路(A)側の磁気抵抗が非常に大きくなる。このため、マグネット3の磁極面より出た磁束の殆どは、磁気回路(B)を流れる。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例の回転角度検出装置においては、マグネット3より磁束を与えられる一対の第1、第2分割ヨーク6、7に、マグネット3との間に所定のエアギャップ(マグネット3の回転角度が増加するに従って狭くなる可変エアギャップ)を形成する2つのヨーク開放側延長部33、43をそれぞれ設けている。また、2つのヨーク開放側延長部33、43に、スロットルバルブ1の使用角度範囲における最大角度付近で、マグネット3との間に最小エアギャップを形成する2つの円弧部36、46および2つのヨーク開放端部37、47をそれぞれ設けている。
そして、本実施例の回転角度検出装置においては、ホールIC5が使用角度範囲における最大出力状態の時、すなわち、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における最大角度(例えば80deg)の時の、マグネット3のエッジ部25とマグネット中心との間の、ホールIC側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離と、ヨーク開放端部47の先端面48と基準位置との間の、ホールIC側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離とが略一致するように、マグネット3に対して一対の第1、第2分割ヨーク6、7を配置している。また、一対の第1、第2分割ヨーク6、7のヨーク開放側長さ(L)を最適な値(例えば1.1mm)に設定している。
これによって、基準位置から先端面38、48に至るまでの直線距離、つまり2つのヨーク開放端部37、47の長さに相当するヨーク開放側長さ(L)を、従来の技術(ヨーク開放側長さ(L)が6mmのもの)と比べて大きく短縮することができる。
これにより、スロットルバルブ1の使用角度範囲、特に使用角度範囲における中間角度付近から最大角度付近に至るまでの角度範囲において、ホールIC5の出力に影響を及ぼす磁気回路(B)側の磁気抵抗に比べて、ホールIC5の出力に影響のない(関係しない)磁気回路(A)側の磁気抵抗が増加する。このため、マグネット3の板長さ方向(着磁方向)の一方側の磁極面より出た磁束を、磁気回路(B)側に集中させることができる。
すなわち、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の2つのヨーク開放側延長部33、43を流れる磁束を磁束検出ギャップに集中させて、ホールIC5に効率良く鎖交させることにより、従来の技術と比べてホールIC5の出力を大きくする。これにより、マグネット3の体格や磁力強度を大きくすることなく、スロットルバルブ1の使用角度範囲で必要なホールIC5の出力を得ることができる。
したがって、回転角度検出装置全体の体格の大型化を抑えることができるので、回転角度検出装置の搭載スペースを容易に確保することができる。また、マグネット3の体格や磁力強度を大きくすることなく、マグネット3の回転角度に対するホールIC5の出力変化特性の直線性(リニアリティ)を向上させることができるので、スロットルバルブ1の回転角度の検出精度を向上させることができる。
また、本実施例の回転角度検出装置においては、ホールIC中心とマグネット中心とを結ぶ基準線およびスロットルバルブ1のシャフト2の回転軸(回転中心軸線)を含んだ平面を境にして面対称(左右対称)となるように2分割された一対の第1、第2分割ヨーク6、7の片側、つまりホールIC側に対して反対側を開放している。
そして、スロットルバルブ1の使用角度範囲におけるホールIC5の出力が最大出力状態となる場合の、マグネット3の回転角度を使用角度範囲の最大角度としたとき、マグネット3の回転角度が使用角度範囲の最大角度となった際のマグネット3の回転角度(例えば80deg)での、マグネット3のエッジ部25とマグネット中心との間の、ホールIC側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離と、ヨーク開放端部47の先端面48と基準位置との間の、ホールIC側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離とをほぼ合わせている。
このような構成を採用した場合には、図7のグラフに示したように、従来の技術の使用角度範囲における中間角度付近でのホールIC5の出力よりも、実施例1の使用角度範囲における中間角度付近でのホールIC5の出力(例えば中間出力値)の方が所定の増加分(中間角度付近の効率α)だけ、マグネット3の回転角度に対するホールIC5の出力が大きくなる。
また、図7のグラフに示したように、従来の技術の使用角度範囲における最大角度付近でのホールIC5の出力よりも、実施例1の使用角度範囲における最大角度付近でのホールIC5の出力(例えば最大出力値)の方が所定の増加分(最大角度付近の効率β)だけ、マグネット3の回転角度に対するホールIC5の出力が大きくなる。
ここで、スロットルバルブ1の使用角度範囲(検出角度範囲)を大きくとる場合、使用角度範囲における中間角度付近の効率αを、使用角度範囲における最大角度付近の効率βよりも落とすことができる。これによって、図7のグラフに示したように、マグネット3の回転角度に対するホールIC5の出力変化特性の直線性(リニアリティ)を向上させることができるので、スロットルバルブ1の使用角度範囲(検出角度範囲)全体に渡って、スロットルバルブ1の回転角度の検出精度を向上させることができる。
図9および図10は本発明の実施例2を示したもので、図9および図10は回転角度検出装置を示した図である。
実施例1では、ホールIC中心とマグネット中心とを結ぶ基準線およびスロットルバルブ1のシャフト2の回転軸(回転中心軸線)を含んだ平面に直交し、マグネット中心を通る水平線(垂直線)Sに平行となるように、一対の第1、第2分割ヨーク6、7のヨーク開放端部37、47の先端面38、48を形成している。
本実施例では、実施例1と異なり、一対の第1、第2分割ヨーク6、7のヨーク開放端部37、47の先端面(開放側ヨーク先端面)38、48を、上記の水平線(垂直線)Sに対して若干傾斜するように形成している。
また、本実施例の回転角度検出装置においては、マグネット3の着磁方向の両着磁面と一対の第1、第2分割ヨーク6、7の内側面との間に形成されるエアギャップが最小となる位置を基準位置としたとき、ホールIC5が使用角度範囲における最大出力状態の時、すなわち、マグネット3の回転角度が使用角度範囲における最大角度(例えば80deg)の時の、マグネット3のエッジ部25とマグネット中心との間の、ホールIC側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離と、第2分割ヨーク7のヨーク開放端部47の円弧部46の先端エッジ部(開放側ヨーク先端)49と基準位置との間の、ホールIC側に対して反対側に向かう基準線と平行な直線距離とが略一致するように、マグネット3に対して一対の第1、第2分割ヨーク6、7を配置している。
また、本実施例の回転角度検出装置は、マグネット3の回転角度が使用角度範囲よりも広い検出可能範囲における角度(例えば90deg)の時に、上記の基準位置からホールIC側に対して反対側(開放側)のヨーク開放端部37、47の先端面38、48または先端エッジ部39、49に向けて所定のヨーク開放側長さ(L)分だけ円弧状(逆反り形状)に延長されている。そして、本実施例では、ヨーク開放側長さ(L)を、実施例1と同様な値に設定している。これによって、実施例1と同様な作用効果を達成することができる。
[変形例]
本実施例では、本発明の回転角度検出装置を、スロットルバルブ1の回転角度に相当するスロットル開度を検出するスロットル開度検出装置に適用しているが、本発明の回転角度検出装置を、アクセルペダルの踏み込み量に相当するアクセル開度を検出するアクセル開度検出装置に適用しても良い。また、本発明の回転角度検出装置を、ハウジング内に形成される流体流路を開閉するバルブ(排気ガス還流量制御弁等の空気流量制御弁の弁体)の回転角度を検出する回転角度検出装置に適用しても良い。また、本発明の回転角度検出装置を、スロットルバルブ1を電動モータ等の動力源の駆動力を利用して開弁駆動するものに用いても良い。
本実施例では、磁石として、板状または柱状のマグネット3を用いたが、磁石として、細い針状または細い棒状の磁石を用いても良い。特に、互いに極性が逆向きになるように着磁される板長さ方向の両端部が細ければ細い程、マグネット3の回転角度に対するホールIC5の出力電圧のリニアリティ(ホールIC5の出力変化特性の直線性)を改善できる。なお、マグネット3として、ポリアミド樹脂(PA)、Nd、Fe、B粉末を焼結した樹脂磁石を用いても良い。また、磁石として、通電されると起磁力を発生する電磁石を用いても良い。また、磁石として、永久磁石とロータコア(磁性体)とで構成されるマグネットロータを用いても良い。
本実施例では、非接触式の磁気検出素子として、ホールIC5を用いた例を説明したが、非接触式の磁気検出素子として、ホール素子単体や、磁気抵抗素子を用いても良い。また、本実施例では、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の基準位置からホールIC側に対して反対側(開放側)のヨーク開放端部37、47の先端面38、48に向けて所定のヨーク開放側長さ(L)分だけ円弧状に延長しているが、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の基準位置からホールIC側に対して反対側(開放側)のヨーク開放端部37、47の先端面38、48に向けて所定のヨーク開放側長さ(L)分だけ直線状に延長しても良い。つまり、一対の第1、第2分割ヨーク6、7の基準位置から円弧部36、46の接線方向に直線状に延長しても良い。
本実施例では、検出対象物の使用角度範囲として、0deg〜80degを採用しているが、検出対象物の使用角度範囲として、−40deg〜+40deg、−80deg〜0deg等を採用しても良い。また、スロットルバルブ1の開弁作動方向を、マグネット3の回転中心を中心にして図示左回転方向としているが、スロットルバルブ1の開弁作動方向を、マグネット3の回転中心を中心にして図示右回転方向としても良い。また、検出対象物の使用角度範囲を実施例1及び2よりも大きくしても良い。この場合には、検出対象物の使用角度範囲として、0deg〜90deg、−80deg〜+80deg等を用いる。
回転角度検出装置を示した斜視図である(実施例1)。 吸気モジュールを示した断面図である(実施例1)。 図2のY−Y断面図である(実施例1)。 回転角度検出装置を示した正面図である(実施例1)。 マグネットの回転角度に対するIC部磁束密度とヨーク開放側長さとの関係を示したグラグである(実施例1、従来の技術)。 (a)は実施例1の磁束の流れを示した説明図で、(b)は従来の技術の磁束の流れを示した説明図である(実施例1、従来の技術)。 マグネットの回転角度に対するホールICの出力変化特性を示したグラフである(実施例1、従来の技術)。 (a)は0degの時の磁束の流れを示した説明図で、(b)は40degの時の磁束の流れを示した説明図で、(c)は80degの時の磁束の流れを示した説明図である(従来の技術、実施例1)。 回転角度検出装置を示した正面図である(実施例2)。 回転角度検出装置を示した正面図である(実施例2)。 (a)は特許文献1に記載の回転角度検出装置を示した斜視図で、(b)は特許文献2に記載の回転角度検出装置を示した斜視図である(従来の技術)。
符号の説明
1 スロットルバルブ(検出対象物)
2 シャフト
3 マグネット(磁石)
4 スロットル開度センサ(回転角度センサ)
5 ホールIC(非接触式の磁気検出素子)
6 第1分割ヨーク(磁性体の第1分割部)
7 第2分割ヨーク(磁性体の第2分割部)
24 マグネット収容空間(磁石収容空間)
25 マグネットのエッジ部(磁石の外表面で磁気検出素子より最も遠い箇所)
31 第1分割ヨークの垂直部(対向部)
33 第1分割ヨークのヨーク開放側延長部
34 第1分割ヨークの直線部(肩部)
35 第1分割ヨークのU字部(屈曲部)
36 第1分割ヨークの円弧部
37 第1分割ヨークのヨーク開放端部
38 第1分割ヨークのヨーク開放端部(円弧部)の先端面
39 第1分割ヨークのヨーク開放端部(円弧部)の先端エッジ部
41 第2分割ヨークの垂直部(対向部)
43 第2分割ヨークのヨーク開放側延長部
44 第2分割ヨークの直線部(肩部)
45 第2分割ヨークのU字部(屈曲部)
46 第2分割ヨークの円弧部
47 第2分割ヨークのヨーク開放端部
48 第2分割ヨークのヨーク開放端部(円弧部)の先端面
49 第2分割ヨークのヨーク開放端部(円弧部)の先端エッジ部

Claims (13)

  1. (a)検出対象物の回転に伴って回転すると共に、前記検出対象物の回転軸に対して垂直な半径方向に着磁された磁石と、
    (b)この磁石と共に磁気回路を形成し、前記検出対象物の回転角度を検出する回転角度センサと
    を備えた回転角度検出装置において、
    前記回転角度センサは、前記磁気回路の途中に形成される磁束検出ギャップを通過する磁束密度に応じて出力が変化する磁気検出素子と、
    この磁気検出素子の中心と前記磁石の回転中心とを結ぶ基準線および前記検出対象物の回転軸を含んだ平面を境にして面対称となるように2分割された一対の分割ヨークとを有し、
    前記一対の分割ヨークは、前記磁束検出ギャップに前記磁気検出素子を配置し、この磁気検出素子側に対して反対側に、前記磁石との間に所定のエアギャップを形成するヨーク開放端部をそれぞれ有し、
    前記一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークと前記磁石との間に形成されるエアギャップが最小となる位置を基準位置としたとき、
    前記検出対象物の使用角度範囲における、前記磁気検出素子が最大出力値を発生するときの前記磁石の回転角度での、
    前記磁石の外表面で前記磁気検出素子より最も遠い箇所と前記磁石の回転中心との間の、前記磁気検出素子側に対して反対側に向かう前記基準線と平行な直線距離と、
    前記一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放端部の先端と前記基準位置との間の、前記磁気検出素子側に対して反対側に向かう前記基準線と平行な直線距離と
    が略一致するように、前記磁石に対して前記一対の分割ヨークを配置したことを特徴とする回転角度検出装置。
  2. 請求項1に記載の回転角度検出装置において、
    前記一対の分割ヨークの各ヨーク開放端部は、前記磁石を収容する磁石収容空間を隔てて対向して配置されていることを特徴とする回転角度検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の回転角度検出装置において、
    前記一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放端部は、前記基準位置から前記磁気検出素子側に対して反対側に向けて所定のヨーク開放側長さ分だけ延長されていることを特徴とする回転角度検出装置。
  4. 請求項3に記載の回転角度検出装置において、
    前記一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放側長さとは、前記基準位置から前記一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放端部の先端に至るまでの距離のことであることを特徴とする回転角度検出装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の回転角度検出装置において、
    前記磁石は、その板厚が1.5mmで、その板長さ方向に着磁された板状マグネットであって、
    この板状マグネットの場合、前記一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放側長さをLとしたとき、
    前記ヨーク開放側長さは、0mm<L≦3.0mmの関係を満足するように設定されていることを特徴とする回転角度検出装置。
  6. 請求項3ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の回転角度検出装置において、
    前記一対の分割ヨークのうちの少なくとも一方の分割ヨークのヨーク開放側長さは、前記検出対象物の使用角度範囲における中間角度付近から最大角度付近に至るまでの範囲で、前記磁束検出ギャップに関係のない磁気回路側の磁気抵抗が、前記磁束検出ギャップに関係のある磁気回路側の磁気抵抗よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする回転角度検出装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の回転角度検出装置において、
    前記磁石は、前記磁石内部の磁力線の向きが互いに平行となるように着磁されていることを特徴とする回転角度検出装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の回転角度検出装置において、
    前記一対の分割ヨークは、前記磁束検出ギャップを隔てて対向する垂直部を有し、
    前記垂直部は、前記平面と平行に設置されていることを特徴とする回転角度検出装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の回転角度検出装置において、
    前記一対の分割ヨークは、前記磁束検出ギャップを隔てて対向する垂直部、およびこの垂直部の端部から前記ヨーク開放端部の先端に向けて延長されたヨーク開放側延長部を有していることを特徴とする回転角度検出装置。
  10. 請求項9に記載の回転角度検出装置において、
    前記ヨーク開放側延長部は、前記磁石側に凸な逆反り形状の円弧部を有していることを特徴とする回転角度検出装置。
  11. 請求項10に記載の回転角度検出装置において、
    前記ヨーク開放側延長部は、前記垂直部の端部より前記磁気検出素子から遠ざかる側に向けて真っ直ぐに延びる直線部、およびこの直線部の端部より前記円弧部に向けて逆U字状に湾曲する屈曲部を有していることを特徴とする回転角度検出装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の回転角度検出装置において、 前記磁気検出素子は、前記磁石の回転中心を通り、前記検出対象物の回転軸に対して垂直な垂直線上に中心を有していることを特徴とする回転角度検出装置。
  13. 請求項1ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の回転角度検出装置において、 前記磁気検出素子は、前記平面と平行に両感磁面を有していることを特徴とする回転角度検出装置。
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