JP4742452B2 - 壁紙の作成システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物における壁面の装飾に使用される建材用の壁紙の技術分野に属し、特に内装材や外装材として好適に用いられる壁紙の作成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建材用の壁紙は、住宅用の内装材や外装材をはじめ、オフィスビルや公共施設の内装材や外装材として幅広く利用されている。そして、壁紙のデザインは、木目柄や石目柄の他、抽象的な模様など多岐の絵柄にわたっており、その色調も様々である。
【0003】
このような壁紙を作成するためには、まず、木板、石板あるいは模様画などの原稿を用意し、この原稿上の画像を写真撮影した後、スキャナ装置などで入力してデジタル画像データとして取り込み、コンピュータを用いた製版処理が行われる。続いて、専用のグラビア輪転印刷機を使ってシート上に模様を印刷し、裁断工程やラミネート加工工程を行うことにより、壁紙が作成できる。このような工程によって作成された壁紙は、問屋、ハウスメーカ、工務店などの流通経路を経て、最終的な顧客のもとに搬入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの壁紙は、上述のような工程で作成されるため、商業的な観点からは、大ロット少品種の生産を行うことが前提とならざるを得ない。例えば、建材メーカは、売れ筋になるであろうと予想されるデザインの壁紙を大ロットで生産し、これをしばらくの期間にわたって在庫として保持するとともに、カタログに掲載して顧客からの注文を待つ必要がある。顧客は、このカタログの中から、自分の嗜好に合致したデザインの壁紙を選択し、工務店などを通じて発注する。注文を受けた壁紙は、倉庫から出荷され、流通過程にのって顧客のもとへ搬送される。当然、人気のない品種については、注文も少なく、長期間にわたって倉庫内に在庫をかかえてしまうことになる。したがって、このような生産及び流通の形態をとる以上、大ロット少品種にしなければ、商業上の採算はとれない。
【0005】
もちろん、ある程度のロット数の出荷が見込まれている場合には、受注生産を行うことも可能であるが、現在の生産及び流通のシステムでは、具体的には、50所帯以上が入居できる大規模なマンションに共通して使用される壁紙のように、相当数のロットが見込まれないと、受注生産による採算はとれない。また、現在の生産及び流通のシステムでは、このような受注生産を行った場合、かなり長い納期が必要になる。しかも、このように納期が長くなるのは、受注生産品だけに限ることではない。カタログに掲載されている既成の品目であっても、施工現場の近くの拠点倉庫に在庫がなければ、遠方の倉庫から取り寄せる必要が生じ、搬入までにかなりの納期が必要になることも少なくない。
【0006】
一方、顧客側の要望は、上述のような事情とは全く相反するものになる。まず、品種に関しては、建材メーカ側が用意したカタログに掲載されている品種だけでは不十分であり、顧客はある程度の妥協の上で、カタログ掲載品の中から好みのものを選択しているのが現状である。このため、一般の顧客からは、自分の趣向にできるだけ近いデザインの壁紙が入手できるように、より多数の品種を用意して欲しいという要望が強い。また、リフォームなどで、小面積の部分のみの壁紙を張り替えたいという要望もあり、小ロットでの購入を望む声も少なくない。しかも、納期に関しては、当然ながら、施工期間中に発注しても直ちに品物が入手できるように、短期間の納期が望まれている。
【0007】
このように、従来の壁紙の作成システムでは、提供者側の事情により、大ロット少品種の生産を行わざるを得ず、ある程度の納期も見込んでおく必要があるのに対し、顧客側からは、小ロット多品種の商品が短い納期で提供されることが切望されている。
【0008】
また、従来の壁紙は、前述したとおりグラビア輪転印刷により製造されている。そして、グラビア輪転印刷では版胴により印刷を行うため、壁紙の絵柄は繰り返しパターンとなる。したがって、従来の一般的な壁紙は、柄の寸法とレイアウト方向に制約がある。
【0009】
特に、床から天井に至る上下方向に2以上の別のデザインを有し、上下方向に周期のない画像を有する壁面、例えば図9のようなトリム柄を含んだような壁面に仕上げる場合、従来のグラビア輪転印刷では、一枚の連続体として製造することは不可能であり、柄の異なる複数の壁紙をそれぞれ切り取って上下方向に繋げて貼るしか方法がない。すなわち、天井と床の間は2〜2.4m前後から、ロビーの吹抜けのような場所では5m以上もあるが、版胴の幅及び円周ともそんなに大きなものは作れないからである。しかも、部屋によって天井と床の距離は異なっているため、仮に製版が可能としても、部屋毎に別々の版が必要になる。もちろん、上下方向に周期(<天井〜床間距離)を有する画像、例えば図10(B)の画像P1 のようなものは、グラビア輪転印刷機でも製造可能ではある。しかし、図10(B)のトリム画像(P2 )及び腰壁画像(P3 )のように現実の建材の内(外)装として上下方向の繰返し周期がないものについては製造不能であった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多品種・小ロット・短納期などの顧客側の要望に対応することができ、壁の床から天井までの間に上下方向の繰返し周期のない画像を含んだデザインを有する壁紙を作成するための壁紙の作成システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項に記載の壁紙の作成システムは、床から天井までの長さを有する長尺帯状の連続体で、上下方向に少なくとも2つ以上の区画に分割し、それぞれの区画に所定のデザインを付与してなり、且つ該デザインは少なくとも床から天井までの間に上下方向の周期を持たない画像を含んでなる壁紙を、顧客の要望に応じて作成するシステムであって、壁紙のデザインに関するデータをデータベースとして格納するデータベース格納手段と、顧客の要求する床から天井までの寸法と各区画毎の上下方向の寸法とを示す指示入力を受け付ける指示入力手段と、前記データベース内のデータ及び前記指示入力に基づいて、各区画毎に所定のデザインを選択し、それらを繋いだ画像データを作成する画像データ作成手段と、前記画像データに基づいて顧客が要求した全体のデザインを提示するデザイン提示手段と、顧客から特定の画像データに対する出力指示が与えられた時に、これを出力する画像データ出力手段と、を有する画像作成部と、前記画像データ出力手段から出力された画像データを入力する画像データ入力手段と、壁紙として利用可能な素材からなり印刷可能面を有する印刷基材シートを供給する印刷基材シート供給手段と、供給された印刷基材シートの印刷可能面上に、入力した画像データに基づいて無版印刷機を用いて印刷を行う印刷手段と、を有する壁紙作成部と、を備え、データベース格納手段内のデータベースが、壁紙のデザインに関する画像データとして、絵柄に関するデータと色調に関するデータとを有し、指示入力手段が、さらに顧客の嗜好に合致した絵柄及び色調を示す指示入力を受け付ける機能を有し、顧客に自分の嗜好に合致した絵柄を選択させ、続いて、好みの色調についての指示入力を受け付ける処理を行うことにより、画像データ作成手段が、データベースを利用して顧客の嗜好に合致した絵柄及び色調を持った画像データを作成することを特徴とする。
【0014】
請求項に記載の壁紙の作成システムは、請求項に記載の壁紙の作成システムにおいて、画像データ出力手段が、携帯可能なデータ記録媒体に画像データを書き込むことによってデータ出力を行う機能を有し、画像データ入力手段が、前記データ記録媒体から画像データを読み出すことによってデータ入力を行う機能を有することを特徴とする。
【0015】
請求項に記載の壁紙の作成システムは、請求項1又は2に記載の壁紙の作成システムにおいて、画像作成部を、相互にネットワークで接続可能なサーバコンピュータとクライアントコンピュータとによって構成し、少なくともデータベース格納手段をサーバコンピュータ側に設け、クライアントコンピュータから前記ネットワークを介してサーバコンピュータ内のデータベースをアクセスできるようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項に記載の壁紙の作成システムは、請求項のいずれかに記載の壁紙の作成システムにおいて、壁紙作成部が、印刷済の印刷基材シートの印刷面上に表面保護シートを用いてラミネート加工するラミネート加工手段をさらに有することを特徴とする。
【0017】
請求項に記載の壁紙の作成システムは、請求項のいずれかに記載の壁紙の作成システムにおいて、印刷基材シート供給手段が、裏打紙上に樹脂コート層を形成してなる基材もしくは樹脂シート層からなる基材と、この基材表面に印刷可能面として形成された水性インキ受容層と、を有する印刷基材シートを供給する機能を有し、印刷手段が、微小なノズルから前記水性インキ受容層上に水性インキを吐出することにより印刷を行う機能を有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
(1)本発明の基本的な実施形態
図1は本発明の基本的な実施形態に係る壁紙の作成システムの構成を示すブロック図である。このシステムは、顧客の嗜好に合致したデザインを有する壁紙を、顧客の要望に応じて作成するシステムであり、その大きな構成要素は、画像作成部100と壁紙作成部200である。画像作成部100は、顧客の嗜好に合致したデザインの画像を作成する作業を行う部分であり、壁紙作成部200は、この作成された画像をシート上に印刷する作業を行う部分である。
【0020】
画像作成部100は、図示のとおり、データベース格納手段110、指示入力手段120、画像データ作成手段130、デザイン提示手段140、画像データ出力手段150によって構成されている。ここで、データベース格納手段110は、壁紙のデザインに関するデータをデータベースとして格納する手段である。この実施形態の場合、デザインに関するデータとして、壁紙の画像データが絵柄に関するデータと色調に関するデータとに分かれて格納されている。このデータベース格納手段110自体は、例えば、CD−ROMなどのデータ記録媒体によって構成することも可能であるが、ある程度の容量を持ったデータベースを格納するためには、ハードディスク装置などの大容量記憶装置を用いて構成するのが好ましい。なお、本発明で言う「データベース」とは、データ(画像データ)が随時読出可能な状態で記憶された形態を言う。よって、予め記憶された多数のデータを、検索プログラムにより所望の検索子(キーワード等)によって検索して読み出す、いわゆる狭義のデータベース以外に、顧客の持ち込んだ2枚の画像データを一旦記憶装置に記憶し、再度適当な時機に読み出して上下方向に分割した各区画に嵌め込むような形態も包含される。
【0021】
指示入力手段120は、顧客Cの要求を示す指示入力を受け付ける機能を持った構成要素である。具体的には、キーボードやマウスなどの入力機器と、顧客Cの操作に基づいて指示入力を認識するためのソフトウェアとの組み合わせにより実現される要素である。画像データ作成手段130は、データベース格納手段110内に格納されているデータベース内のデータ及び指示入力手段120から入力された指示入力に基づいて、顧客の要求するデザインを持った画像データを作成する処理を行う構成要素であり、具体的には、CPU(中央処理装置)や記憶装置等からなるハードウェアと画像データを取り扱うソフトウェアによって実現される要素である。デザイン提示手段140は、画像データ作成手段130が作成した画像データのうち、顧客が要求したデザインの画像データを用いて画像を提示する構成要素である。具体的には、CRT(陰極線管)、LCD(液晶表示装置)等のコンピュータ用のディスプレイ装置と、このディスプレイ装置の画面上に所定の画像を表示されるソフトウェアによって実現される要素である。
【0022】
画像データ出力手段150は、顧客から特定の画像データに対する出力指示が与えられた時に、これを画像データ10として出力する機能を持った構成要素であり、例えば、MOドライブ装置を画像データ出力手段150として用いた場合には、画像データ10はMOディスク(光磁気記録盤)なる記録媒体上に出力されることになる。もっとも、画像データ出力手段150は、何らかの記録媒体上に画像データ10を出力する装置に限定されるものではない。例えば、有線・無線を問わず何らかの通信経路上に画像データ10を出力する機能を持った装置を画像データ出力手段150として用いてもかまわない。
【0023】
一方、壁紙作成部200は、図示のとおり、画像データ入力手段210、印刷基材シート供給手段220、印刷手段230、ラミネート加工手段240によって構成されている。ここで、画像データ入力手段210は、画像データ出力手段150から出力された画像データを入力するための構成要素である。例えば、画像データ出力手段150がMOドライブ装置から構成され、画像データ10がMOドライブ上に出力される場合であれば、画像データ入力手段210としてもMOドライブ装置を用い、MOディスクから画像データ10を読みだすことができるようにしておけばよい。また、画像データ出力手段150が何らかの通信経路上に画像データ10を出力する場合には、この通信経路上に出力された画像データ10を受信する機能を持ったインターフェイス装置などを画像データ入力手段210として用いればよい。
【0024】
印刷基材シート供給手段220は、壁紙として利用可能な素材からなり印刷可能面を有する印刷基材シートを、印刷手段230に対して供給する構成要素である。印刷基材シートの具体的な構成例については後述する。印刷手段230は、こうして供給された印刷基材シートの印刷可能面上に、画像データ入力手段210が入力した画像データに基づいて印刷を行う構成要素である。この印刷基材シート供給手段220及び印刷手段230は、具体的には、例えば大判カラーインキジェットプリンタ、ホットメルト型インキジェットプリンタ等のインキジェットプリンタ、昇華転写式プリンタ、感熱熔融転写式プリンタなどの版(胴)を使用せずにデジタルデータを印刷できる無版印刷機によって構成することができる。
【0025】
ラミネート加工手段240は、印刷手段230から排出される印刷済の印刷基材シートの印刷面上に、表面保護シートを用いてラミネート加工を行う機能を持った装置であり、一般的なラミネート装置によって構成することができる。こうして、ラミネート加工が完了した印刷済の印刷基材シートは、目的となる壁紙として排出されることになる。なお、表面保護シート無しでも、壁紙として十分使用可能な場合には、ラミネート加工手段240による表面保護シートのラミネート加工を省略してもよいし、そのような壁紙のみを取扱うのであれば、ラミネート加工手段240自体を省略してもよい。
【0026】
図2はデータベース格納手段110内に格納されるデータベースの一例を示す説明図である。ここに示すデータベースは、壁紙のデザインに関するデータベースであり、絵柄に関するデータと色調に関するデータとによって構成されている。絵柄に関するデータは、図示のとおり、いくつかの階層構造によって分類されている。まず、大分類として、木目パターン(天然木の木目模様をモチーフとしたパターン)、石目パターン(天然石の表面や断面の模様をモチーフとしたパターン)、抽象パターン(人為的に作成された種々の模様パターン)の3分類が定義されており、続いて中分類として、例えば木目パターンについては、オーク材、チーク材、ブナ材、ヒノキ材、…といった種々の木材ごとの分類が定義されている。さらに、小分類として、例えばオーク材については、No.1,No.2,…というように、実際の絵柄を示す画像データが用意されている。
【0027】
一方、色調に関するデータとしては、この実施形態の場合、Y,M,C,Kの各色成分についての濃度値(この例では、8ビットで表現される0〜255までの濃度値)のデータが定義されている。この4つの色成分について、それぞれ所定の濃度値を決定さることにより、1つの色が決定されることになる。したがって、理論的には、256の4乗とおりの色が用意されていることになる。もっとも、このような色調に関するデータは、いわゆるデータベースとして個々のデータそのものを格納しておく必要はなく、色を定義するための手法が何らかの形式で記述されていればよい。データベース格納手段110内に格納されているデータベースは、上述した絵柄に関するデータのように、多数のデータそのものによって構成することもできるが、上述した色調に関するデータのように、何らかの形式で多数のデータを定義する情報によって構成することもできる。
【0028】
指示入力手段120は、顧客の嗜好に合致した各画像の絵柄と色調、天井から床に至る上下方向の寸法、上下方向に分割される2以上の区画の寸法、及び各区画に嵌め込むべき各画像の部分の位置を示す指示入力を受け付ける機能を有しており、顧客Cは、指示入力手段120に対して、自分がどのような絵柄を好み、どのような色調を好むか、という情報を指示入力として与える作業を行う。前述したように、指示入力手段120は、具体的には、キーボードやマウスなどの入力機器と、顧客Cの操作に基づいて指示入力を認識するためのソフトウェアとの組み合わせにより実現される。このソフトウェアは、例えば、次のような手順で、顧客Cの嗜好に合致した絵柄及び色調を示す指示入力を受け付ける。図9の如きデザインの壁紙を作成する場合を考える。まず、腰壁部分の画像P4 を決定する。そのために、ディスプレイ装置の画面上に、木目パターン、石目パターン、抽象パターンなる大分類を表示し、顧客Cにマウスクリックなどの操作を行わせ、好みの分類を選択させる。例えば、顧客Cが、木目パターンを選択したとすると、続いて、ディスプレイ装置の画面上に、木目パターンについての中分類であるオーク材、チーク材、ブナ材、ヒノキ材、といった木材名を表示し、顧客Cにマウスクリックなどの操作を行わせ、好みの木材を選択させる。例えば、顧客Cが、オーク材を選択したとすると、最後に、ディスプレイ装置の画面上に、小分類となるNo.1,No.2,…といった木目柄画像そのものを表示し、顧客Cにマウスクリックなどの操作を行わせ、好みの木目柄画像を選択させる。
【0029】
以上のような操作をさせることにより、顧客Cに、自分の嗜好に合致した絵柄を選択させることができたら、続いて、好みの色調についての指示入力を受け付ける処理を行う。これは、例えば、顧客Cが選択した絵柄を、標準的な色で着色された状態で画面に表示させ、顧客の嗜好に応じて、各部の色調を変更する処理を行わせるようにすればよい。例えば、図3に示すような木目柄Aが選択された場合であれば、とりあえず、この絵柄を標準色でディスプレイ画面上に表示し、特徴的な領域A1 ,A2 ,A3 のそれぞれについて、別個独立して色調を変更させるような操作を行わせればよい。色調の変更処理は、例えば、現在のYMCKの各濃度値を画面上に表示し、この濃度値をマウスドラッグ操作やキーボード操作によって変更するような操作入力を受け付けるようにしておけばよい。具体的な色調の変更処理は、YMCKの各色成分の濃度値そのものを変更する形式でもよいが、一般の顧客にとってより操作し易くするために、例えば、色相を赤緑方向の座標軸と黄青方向の座標軸とからなる二次元の色相空間上での変位ベクトルとして色相変更を指示したり、入力画像濃度値を示す座標軸と出力画像濃度値を示す座標軸とからなる二次元座標における曲(直)線として濃淡の階調(コントラスト)を変更する指示をする等の形式を採用してもよい。いずれにせよ、顧客Cは、指示入力手段120に対して所望の指示入力を与えることにより、自分の好みの絵柄を選択することができ、自分の好みの色調を指定することができる。別言すれば、絵柄と色調を指定することにより、自分の嗜好に合致した壁紙の画像を指定することができる。
【0030】
続いて、データベース格納手段110を用いて、上部トリム部の画像P1 、壁面上部の画像P2 、下部トリム部の画像P3 、腰壁部の画像P4 及び幅木部の画像P5 を、同様の手順、手法により順次決定していく。次に、天井から床に至る長さ(寸法)HCF、そのHCFを上下方向に区画した上部トリム部の寸法H1 、壁面上部の寸法H2 、下部トリム部の寸法H3 、腰壁部の寸法H4 及び幅木部の寸法H5 の値をキーボードから入力する。次いで、デジタイザー等を用いて各画像P1 〜P5 のうち寸法H1 〜H5 の区画に各々嵌め込む部分を指定する(切り抜く)。斯くして、画像データ作成手段130は、データベース格納手段110内のデータベースを利用して、顧客が指示した各画像P1 〜P5 の絵柄と色調、各区画の上下方向寸法H1 〜H5 及び天井から床に至る長さ(寸法)HCFに応じたデザインの画像データを作成する。デザイン提示手段140は、こうして作成された画像データに基づいて、ディスプレイ画面上に顧客が指定した図9の如き壁紙のデザインを提示する。なおここで、LC は天井と接する部分、LF は床と接する部分の境界線である。また、顧客Cは、必要があれば、さらに指示入力手段120に対して修正指示を与えることにより、このデザインを修正することができる。
【0031】
顧客Cは、提示されたデザインに最終的に満足した場合には、指示入力手段120に対して、この満足したデザインに対応する画像データを出力する旨の指示を与える。この指示は、画像データ作成手段130へと伝えられ、当該画像データが、画像データ出力手段150を介して、画像データ10として出力されることになる。前述したように、図1に示す例では、この画像データ10は、MOディスクなどのデータ記録媒体に出力された後、画像データ入力手段210によって、壁紙作成部200側に入力されることになる。もちろん、画像データ出力手段150と画像データ入力手段210とがケーブルなどでオンライン接続されている場合には、画像データ出力手段150からケーブル上に出力された画像データ10が、画像データ入力手段210によってそのまま取り込まれることになる。
【0032】
このようにして、顧客の嗜好に合致したデザインの画像データ10が、壁紙作成部200に与えられたら、インキジェットプリンタからなる無版印刷手段230によって、印刷基材シート供給手段220から長尺帯状の巻取として供給される印刷基材シート上に、このデザインの画像が印刷されることになる。そして、ラミネート加工手段240によって、印刷済みの印刷基材シートにラミネート加工が施され、壁紙として排出されることになる。こうして排出された壁紙は、顧客の嗜好に合致したデザイン(絵柄及び色調)を持ったシートであり、いわば受注生産された壁紙と同じである。印刷基材シート供給手段220が供給する印刷基材シートは、後述するように、壁紙として利用可能な素材からなり、かつ印刷可能面を有しているため、印刷手段230による印刷が可能になり、しかも最終的に排出される壁紙は、従来の一般的な壁紙と同等の品質を持ったシートになる。
【0033】
本発明に係る壁紙の作成システムでは、顧客Cは、膨大なバリエーションの中から、自分の嗜好に合致したデザインを選択することができるようになり、極めて多品種のデザインの中からの選択が可能になる。最近は、ディスプレイ画面上で画像に対するレタッチ処理を行うソフトウェアも多数市販されており、画像データ作成手段130として、このようなレタッチ処理を行うソフトウェアを組み込んでおけば、顧客Cは、予めデータベース格納手段110内に用意されていた絵柄に対して、様々な加工を施すことも可能になり、デザイン選択の範囲は無限に広がることになる。しかも、実際の壁紙は、印刷手段230による印刷処理によって作成されるため、どのような小ロットにも対応することが可能である。顧客Cは、嗜好に合致したデザインの壁紙を、必要な時に必要なだけ印刷すればよいので、小ロット多品種の壁紙を、極めて短い納期で入手することができるようになる。それに加えて、本発明においては、デジタル化された画像データをインキジェットプリンタ等の無版印刷によって印刷するため、版の円周や幅による印刷画像の制約はない。そのため、図9の如く、天井から床に至るHCFの全長(これは実用上製版できる版胴の寸法(円周或いは幅)を大きく越える)にわたって連続し、しかも繰返し周期を持たない画像P1 〜P5 を含む壁紙が入手できる。
【0034】
(2)本発明の実用的な実施形態
図4は本発明に係る壁紙の作成システムをより実用に即した形態で実施した一例を示すブロック図である。ここに示す例は、建材会社X、印刷会社Y、施工業者Zの三者によって、本発明に係るシステムを利用した例である。従来の一般的なケースの場合、建材会社Xは壁紙を販売している企業であり、印刷会社Yはこの建材会社Xからの注文を受けて壁紙を製造している企業であり、施工業者Zは個々の地域で内装工事などを引き受けている企業である。
【0035】
既に従来技術において述べたように、壁紙を提供するための三者X,Y,Z間における従来の作業手順は、次のようなものである。まず、建材会社Xが売れ筋となるであろうと思われるデザインの企画を練り、印刷会社Yに対して、このデザインの壁紙を大ロットで発注し、これをカタログに掲載する。施工業者Zは、顧客にこのカタログを提示し、希望のデザインの壁紙を選ばせ、これを建材会社Xに発注する。建材会社Xは、施工業者Zの近隣の拠点倉庫から、注文を受けた壁紙を施工業者Z宛てに出荷する。もし、近隣の拠点倉庫に在庫がなければ、遠方の拠点倉庫からの取り寄せを行うことになる。こうして、注文して壁紙が施工業者Zに搬入されたら、施工業者Zは、この壁紙を用いて、施工現場Wでの施工作業を行う。以上は従来の一般的な作業手順であるが、このような手順を採る限り、商業上は大ロット少品目の提供しか行うことができず、施工業者Zへの壁紙の搬入まで、ある程度の納期が必要になる。また、顧客個人の希望する固有のデザインの壁紙を各個人毎に供給することも事実上不可能である。
【0036】
このような三者X,Y,Zについて、本発明に係る壁紙の作成システムを導入する場合の構成例が図4に示されている。この例の場合、各企業の各担当部署には、それぞれ次のような機器が設置されることになる。まず、印刷会社Yの建材部門には、サーバコンピュータ300を設置する。また、建材会社Xのショールームには、パソコン410、大判カラープリンタ420、MOドライブ装置430を設置する。ここで、サーバコンピュータ300とパソコン410とは、デジタル通信網のネットワーク350(例えば、インターネット)を介して接続されたおり、パソコン410は、サーバコンピュータ300に対するクライアントコンピュータとして機能する。さらに、施工業者Zの作業場には、パソコン510、大判カラープリンタ520、MOドライブ装置530、大判用ラミネータ540を設置する。
【0037】
この図4に示す実用的なシステムと図1に示す基本的なシステムとについて、個々の構成要素の関係を述べておくと次のとおりである。まず、印刷会社Yに設置されたサーバコンピュータ300は、図1に示すデータベース格納手段110に相当する構成要素である。したがって、このサーバコンピュータ300内には、壁紙のデザインに関するデータ、より具体的には、図2に示すような絵柄に関するデータと色調に関するデータがデータベースとして格納されていることになる。
【0038】
一方、建材会社Xに設置されたパソコン410は、図1に示す指示入力手段120、画像データ作成手段130、デザイン提示手段140として機能する構成要素である。パソコン410には、キーボード、マウスなどの入力装置や、ディスプレイなどの表示装置が備わっており、内部のハードディスクやメモリには、所定のソフトウェアがインストールされている。また、ネットワーク350を介して、サーバコンピュータ300内のデータベースをアクセスする機能も有している。したがって、このパソコン410によって、図1に示す指示入力手段120、画像データ作成手段130、デザイン提示手段140の機能を実現することができる。
【0039】
建材会社Xに設置された大判カラープリンタ420は、幅900mm程度の長尺帯状の巻取から供給される原紙にインキジェット方式で印刷する機能を持ったプリンタである。そのヘッド部分には、多数の微小なノズルが並んでおり、これらのノズルからYMCK各色のインキを吐出して印刷を行うことができる。一般的な紙製のロール紙を給紙して用いる大判カラープリンタとしては、既に種々のものが市販されているが、本発明で用いる大判カラープリンタ420は、壁紙として利用可能な素材からなり、表面に印刷可能面を有する印刷基材シート(具体的な構造については後述する)を給紙することができる給紙装置が付属している。この給紙装置は、巻取(ロール)状の印刷基材シートを給紙する装置であってもよいし、枚葉状(所定の長さに予め切断された状態)の印刷基材シートを給紙する装置であってもかまわない。結局、大判カラープリンタ420のプリンタ本体部は図1の印刷手段230に相当し、給紙装置の部分は図1の印刷基材シート供給手段220に相当することになる。この場合、図1の画像データ出力手段150は、パソコン410から大判カラープリンタ420へ、画像データを転送するインターフェイス装置ということになり、図1の画像データ入力手段210は、パソコン410から転送されてきた画像データを大判カラープリンタ420の本体部へと取り込むインターフェイス装置ということになる(MOドライブ装置430は、後述するように、別な観点からみたときの画像データ出力手段150となる)。
【0040】
かくして、建材会社X及び印刷会社Yに設置されたサーバコンピュータ300、パソコン410、大判カラープリンタ420によって、図1に示す基本システムにおける主要な構成要素が実現されていることになる(ラミネート加工手段240だけが欠けていることになるが、このラミネート加工手段240は、本発明を実施する上での必須構成要素ではない)。
【0041】
一方、図4に示す実施形態の場合、施工業者Zの作業場に設置されたパソコン510は、建材会社Xに設置されたパソコン410とは若干機能が異なっている。すなわち、パソコン410は、図1の指示入力手段120、画像データ作成手段130、デザイン提示手段140として機能する構成要素であるのに対し、パソコン510は、MOドライブ装置530が取り込んだ画像データを大判カラープリンタ520へと転送して印刷を行わせる仲介装置としての機能を果たすだけでよい。すなわち、MOドライブ装置530は、図1の画像データ入力手段210として機能し、MOディスク20に記録された画像データを読み込む作業を行うことになるが、読み込まれた画像データは、一旦、パソコン510に取り込まれた後、大判カラープリンタ520へと転送される。
【0042】
施工業者Zの作業場に設置された大判カラープリンタ520は、建材会社Xに設置された大判カラープリンタ420と同様のインキジェット方式のプリンタであり、図1の印刷基材シート供給手段220及び印刷手段230として機能する。施工業者Zの作業場には、さらに、大判用ラミネータ540が設置されている。この大判用ラミネータ540は、大判カラープリンタ520から排出される印刷済みの印刷基材シートの印刷面上に、表面保護シートを用いてラミネート加工を施す装置であり、図1のラミネート加工手段240に相当する装置である。ここでラミネート加工された印刷基材シートは、そのまま壁紙として排出されることとなる。施工業者Zは、この壁紙を用いて、施工現場Wでの施工を行うことになる。
【0043】
結局、建材会社Xに設置されたサーバコンピュータ300、印刷会社Yに設置されたパソコン410、MOドライブ装置430、施工業者Zに設置されたMOドライブ装置530、パソコン510、大判カラープリンタ520、大判用ラミネータ540によって、図1に示す基本システムにおける主要な構成要素が実現されていることになる。
【0044】
このように、図4に示す実施形態は、図1に示す基本的な実施形態との関連においては、2通りの観点から把握することができる。第1の観点から見た場合には、建材会社X及び印刷会社Yに設置された構成要素によって、図1のラミネート加工手段240以外の構成要素がすべて実現されていることになる。すなわち、パソコン410及びサーバコンピュータ300が画像作成部100に相当し、大判カラープリンタ420が壁紙作成部200に相当することになる(MOドライブ装置430は、この第1の観点から見た場合は、図1のシステムの構成要素にはならない)。この場合、大判カラープリンタ420が印刷基材シート供給手段220及び印刷手段230として機能し、パソコン410と大判カラープリンタ420との間のインターフェイス機器が、画像データ出力手段150及び画像データ入力手段210として機能し、画像データ10はオンラインにより、画像作成部100から壁紙作成部200へと転送されることになる。
【0045】
一方、第2の観点から見た場合には、建材会社X、印刷会社Y、施工業者Zの三者に設置された構成要素によって、図1の構成要素がすべて実現されていることになる。すなわち、パソコン410、サーバコンピュータ300、MOドライブ装置430が画像作成部100に相当し(大判カラープリンタ420は、この第2の観点から見た場合は、図1のシステムの構成要素にはならない)、MOドライブ装置530、パソコン510(画像データの単なる中継点として機能する)、大判カラープリンタ520、大判用ラミネータ540が壁紙作成部200に相当することになる。この場合、MOドライブ装置430が画像データ出力手段150として機能し、MOドライブ装置530が画像データ入力手段210として機能することになり、画像データ10は、MOディスク20に格納されて壁紙作成部200へと引き渡されることになる。
【0046】
このように、図4に示す例には、本発明の2通りの実施形態が含まれていることになるが、顧客Cにとっての利便性を考えると、この図4に示す例は実用上非常に有用である。この図4に示す例における壁紙搬入までのプロセスは次のような手順で行われる。例えば、施工現場Wの住人である顧客Cが、ある一部屋についてのリフォームを行う際に、壁紙の張り替えを考えていたとしよう。この場合、顧客Cは、まず建材会社Xのショールームを訪問し、壁紙のデザインを決定する作業を行うことになる。すなわち、顧客Cは、パソコン410を用いて、印刷会社Yに設置されたサーバーコンピュータ300内のデータベースにアクセスし、(1)で述べたような操作により、所望の壁紙のデザインを決定する作業を行う(実用上は、パソコン410の操作は、顧客C自身ではなく、ショールームの専任の担当者が行うことになる)。
【0047】
なお、デザインを決定する操作中は、パソコン410のディスプレイ画面上で画像の絵柄と色調及び各画像の寸法と配置の確認を行うことができるが、ディスプレイ画面に表示されたデザインと、実際の壁紙上に表現されるデザインとは、色調などが微妙に異なっている。そこで、顧客Cは、一応、ディスプレイ画面上において自分の嗜好に合致したと思われるデザインが得られたら、当該デザインについての画像データを大判カラープリンタ420へと転送し、サンプルシート上に試し刷りを行い、このサンプルシート上でデザインを確認することも可能である。もちろん、大判カラープリンタ420における給紙装置として、本番用の印刷基材シート(壁紙として利用可能な素材からなるシートで、本来、施工業者Zの大判カラープリンタ520において使用されるシート)を給紙する装置を用いることにすれば、この試し刷りとして排出されたサンプルシートは、そのまま壁紙として利用できることになる。ただし、コストの点を考慮すると、あくまでも試し刷りとして出力させるサンプルシートに、本番用の印刷基材シートを用いてしまうと、かなりのコストがかかることになる。そこで、コストを低減させるためには、大判カラープリンタ420では、比較的安価な紙製のロール紙などを給紙するようにしてサンプルシート上への画像出力を行うようにするとよい。あるいは、大判カラープリンタ420の代わりに、A4判程度の事務用カラープリンタを用いてA4判のサンプルシートを出力するようにしてもよい。
【0048】
顧客Cは、自分の嗜好に合致したデザインのサンプルシートが得られるまで、パソコン410を用いて何度でもデザインを修正する作業を行うことができる。そして、最終的に、好みのデザインが得られたら、パソコン410に対して、このデザインについての画像データを、外部へ出力する旨の指示を与える。この指示を受けて、当該画像データが、MOドライブ装置430からMOディスク20へと出力される。以上で、顧客Cが建材会社Xのショールームで行い作業は完了である。顧客Cは、このMOディスク20を、作業結果としてそのまま持ち帰ることができる。
【0049】
続いて、顧客Cは、このMOディスク20を施工業者Zに渡して、施工を依頼すればよい。施工業者Zは、顧客Cから受け取ったMOディスク20内の画像データを、MOドライブ装置530を介してパソコン510へと読み込み、さらに、この画像データを大判カラープリンタ520へと転送して印刷を行う。もちろん、この大判カラープリンタ520では、本番用の印刷基材シートが給紙される。こうして、MOディスク20内の画像データに基づく画像が印刷されたら、さらに、大判用ラミネータ540によって印刷面に保護用のラミネート加工が施され、最終的な壁紙が排出される。この壁紙には、顧客Cの嗜好に合致したデザインが印刷されていることになる。
【0050】
なお、パソコン510には、MOディスク20内の画像データに基づいて、所望のサイズの画像を大判カラープリンタ520に印刷させる印刷制御用ソフトウェアをインストールしておくのが好ましい。そうすれば、施工業者Zは、実際の施工現場Wの天井から床に至る寸法HCFが設計値と異なっていたり、或いは部屋毎に寸法HCFが異なっていた場合であっても、各々実際の寸法に応じて所望の大きさの壁紙を印刷させることができ、印刷基材シートを無駄にしないですむ。
【0051】
例えば、一般的な壁紙の場合、従来は900mm幅で所定長(例えば、20m)を持ったロール状の壁紙として納品されるので、これを施工業者Zが必要な長さに裁断しながら、壁へ張り付ける作業を行ってゆくことになる。通常、若干の長さの余裕をみて発注を行うため、施工後にはいくらかの長さが余って無駄になる。本発明に係るシステムの場合、壁紙用の画像データとしては、せいぜい900mm×2400mm程度の面積をカバーする画像データを用意し、これをMOディスク20に格納するようにしておけば十分である。一般的な住宅の場合、天井高は2400mm以下であるので、施工業者Zが1枚の壁紙として印刷する必要がある壁紙の大きさは、せいぜい900mm×2400mm程度となるためである。もちろん、リピータブルな絵柄の場合、より小さな面積についての画像データだけを用意しておき、印刷時に同じ絵柄を繰り返し印刷するようにすればよい。
【0052】
パソコン510に、印刷サイズを制御するソフトウェアを用意しておけば、幅は900mmと固定であったとしても、印刷の長さは任意に設定することができるため、例えば、天井高が2150mmの部屋に壁紙を張る場合には、長さ2150mm分だけ印刷を行うようにすれば、印刷基材シートは全く無駄にならないですむ。このように、実際の施工現場Wで作業を行う施工業者Z自身が、必要な時に、必要な分量だけ、壁紙を印刷して利用できる点も、本発明に係るシステムの大きなメリットである。
【0053】
本発明に係る壁紙の作成システムが全国的に普及するようになれば、各地区の施工業者の作業場に、図4の施工業者Zと同等の設備が用意されるようになる。そうなれば、顧客Cがいずれの施工業者に依頼したとしても、全く同じ壁紙を用いた施工が期待できる。すなわち、建材会社Xのショールームで、一度、自分の嗜好に合致したデザインの画像データを作成してしまえば、これをMOディスク20に格納して保持することができ、このMOディスク20を施工業者に提出することにより、いつでも所望の壁紙を張らせることができるようになる。そのため、将来(例えば10年後)壁紙を張り替える必要が生じた場合でも、画像データを収納したMOディスクさえ保管されていれば、その画像データを基に最初の施工時と同じデザインの壁紙を必要な量だけ入手できる。
【0054】
これは、従来のシステムには無い利点である。従来のシステムでは、10年以上の長期間が経過すると、その壁紙自体の在庫はもとより、その壁紙の版や画像データさえも廃棄・抹消され同じデザインの壁紙の購入が全く不可能となることも有り得たからである。
【0055】
さらに必要に応じて、図4に示すシステムに料金の見積機能、或いはさらに料金の決裁(支払)機能を付加することもできる。見積を行う場合は、データベース格納手段中に記憶されている各画像毎の単価、印刷基材シート毎の単価、建設会社及び施工業者の手数料を予めクライアントコンピュータ或いはサーバコンピュータ内の記憶装置に入力しておき、顧客の選んだ画像及び各画像の使用面積、壁紙の所要面積とから顧客の支払うべき料金を算出し、クライアントコンピュータの表示装置上に表示し、顧客が諒承した旨を入力すると、顧客の銀行口座から建設会社及び施工業者の銀行口座に所定の料金が引き落とされる旨の指示がクライアントコンピュータから出力されるようにすればよい。なお、この際に料金の回収をより確実に行うために、顧客が料金の支払(口座からの引落し)の指示を入力する(或いは顧客の口座から建設会社及び施工業者の口座への料金の入金が確認される)前の段階では、データベース内の画像データは全データではなく、最低限、壁紙のデザインを確認するに足る程度にデータを間引いて画質を落としてクライアントコンピュータ及び大判カラープリンタに出力されるようにしておき、支払の指示(或いは口座への入金)が確認された時点で始めてデータベースから全画像データが大判カラープリンタ及び画像データ出力手段(MOディスク等)に出力されるようにしてもよい。
【0056】
本発明は、このような新たなビジネスモデルをも提案するものである。図1に示す構成において、画像データ出力手段150から画像データ入力手段210へ、画像データ10を引き渡すための手段として、MOディスク20のような携帯可能なデータ記録媒体を介在させるメリットは、上述したように、顧客CがMOディスク20を自分自身で保管でき、必要に応じて、このMOディスク20を施工業者に提出することにより、いつでも所望の壁紙を用いた施工を行わせることができるようになる点にある。顧客Cから見れば、建材会社Xのショールームにおいて、あたかも、オーダーメイドの壁紙をMOディスク20という容器に入れて購入してきたような感覚が得られる。
【0057】
(3)シートの具体的な構成例
続いて、本発明に係るシステムに用いられる印刷基材シート及び表面保護シートの具体的な構成例を述べておく。
【0058】
図5は図1に示すシステムにおける印刷基材シート供給手段220によって供給される印刷基材シート(図4のシステムの大判カラープリンタ420あるいは大判カラープリンタ520において給紙されるシート)の具体的な構成例を示す側断面図である。本発明に用いられる印刷基材シートは、壁紙として利用可能な素材からなること、印刷可能面を有していること、という2条件を満たしたシートである必要がある。図5に示す印刷基材シートはいずれもこの2条件を満足するシートである。
【0059】
図5(a)に示す印刷基材シート30の本体部分は、裏打紙31、樹脂コート層32及び水性インキ受容層33なる3層から構成されており、さらに、裏打紙31の下面には、粘着剤層34及び離型シート35が形成されている。裏打紙31は、印刷基材シート30の基本層として機能する層であり、この例では、秤量70〜90g/m2 程度の紙を用いている。実用上は、水酸化アルミニウム粉末などを添加して難燃処理を施しておくのが好ましい。その上にコートされた樹脂コート層32は、厚さ50〜200μm程度の樹脂であり、例えば、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などによって構成することができる。
【0060】
水性インキ受容層33は、水溶性インキを微小なノズルから吐出して印刷するインキジェットプリンタを用いることを前提とした印刷可能面を形成するための層であり、水性インキを受容することができる層であれば、どのような材質で構成してもかまわない。例えば、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂に、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルク等の粉末からなる体質顔料などを添加した組成物を用いて、水性インキ受容層33を構成することができる。水性インキ受容層33は、通常1〜5μm程度の厚さとする。粘着剤層34及び離型シート35は、印刷基材シート30に必ずしも必須の構成要素ではないが、施工時に糊の塗布が不要な壁紙を作成する場合に必要となる。粘着剤層34は、壁紙を貼り付ける時の糊として機能する粘着剤であれば、どのような材料でもかまわない。一般的には、アクリル樹脂系やゴム系の粘着剤を利用すればよい。離型シート35は、この粘着剤層34を保護するためのシートであり、例えば、シリコン樹脂コート紙などによって構成される。施工時には、この離型シート35を粘着剤層34から剥離して、粘着剤層34を露出状態にした上で、この粘着剤層34の面を壁に貼り付けることになる。もちろん、施工時に接着剤を塗布する場合は、粘着剤層34及び離型シート35は省略する(形成しない)。
【0061】
一方、図5(b)に示す印刷基材シート30は、図5(a)に示す裏打紙31及び樹脂コート層32を、樹脂シート36に置き換えた構成を有するものである。樹脂シート36は、50〜200μm程度の厚みを持った樹脂層であり、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリエステルなどの樹脂によって構成することができる。通常は、チタン白、カーボンブラック等の顔料を添加して、所望の色に着色すると共に隠蔽性(不透明)とする。水性インキ受容層33、粘着剤層34、離型シート35は図5(a)に示すのと同様である。
【0062】
図6は図1に示すシステムにおけるラミネート加工手段240において用いられる表面保護シートの具体的な構成例を示す側断面図である。図6(a)の例では、透明樹脂シート41の下面に粘着剤層42が形成され、さらにその下面に離型シート43が形成されている。透明樹脂シート41は、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリ弗化ビニリデンなどの弗化樹脂、その他、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィンなどの樹脂によって構成することができる。この例では、透明樹脂シート41の表面は平滑な平坦面となっている。一方、粘着剤層42は、1〜100μm程度の厚みを持った層であり、アクリル樹脂系、ゴム系などの粘着剤から構成される。離型シート43は、例えば、シリコン樹脂コート紙などによって構成され、ラミネート加工時には、離型シート43は粘着剤層42から剥離される。図6(b)は、表面保護シート40のもう1つの例を示すものである。この例では、透明樹脂シート41の表面には、凹凸模様45が形成されている。この凹凸模様は、公知のエンボス加工法によって形成されるものであり、木目導管溝、砂目、ヘアライン、花崗岩、劈開面等の凹凸形状からなる。透明樹脂シート41の厚みや材料は図6(a)と同様である。また、透明樹脂シートの裏面には、感熱型接着剤層44が形成されている。この感熱型接着剤層44は、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の熱可塑性樹脂、ブロックイソシアネート硬化剤とポリオールとからなる2液硬化型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂からなる。
【0063】
図7は、図5(a)に示す印刷基材シート30の上面に、インキジェット方式のプリンタを用いて印刷を行い、水性インキ受容層33上にインキ層50を付着させた後、図6(a)の表面保護シート40から離型シート43を剥離したものを用いて、ラミネート加工を施した状態を示す側断面図である。印刷基材シート30上のインキ層50は、粘着剤層42によって覆われて保護され、表面には透明樹脂シート41が形成されている。
【0064】
なお、図1に示す壁紙作成部200では、印刷手段230とラミネート加工手段240とが別個の構成要素となっており、図4に示す施工業者Z内の装置においても、大判カラープリンタ520と大判用ラミネータ540とが別個の装置となっているが、印刷手段230とラミネート加工手段240とを単一の装置として構成してもかまわない。
【0065】
図8は印刷手段とラミネート加工手段とを兼ね備えた装置の一例を示す側面図である。この装置では、市販のインキジェットプリンタ60の排紙経路に、ラミネート加工のための機構が付加されている。インキジェットプリンタ60から排出される印刷済みの印刷基材シート30の上面には、インキジェットプリンタ60のノズルから吐出されたインキ層50が載った状態となっている。この印刷基材シート30の上面に、表面保護シート70が重ねられた後、押圧ローラ80によって上下方向の押圧力が加えられることにより、印刷基材シート30と表面保護シート70とが接着されることになる。ここで用いられる表面保護シート70は、図6(a)に示す表面保護シート40から離型シート43を除去した構造、或いは図6(b)に示す構造を有し、ロール状の巻取75として供給される。表面保護シート40が図6(a)の如く粘着剤層を有する場合は、押圧ローラ80は室温のままで単に圧力のみを加える。一方、表面保護シート40が図6(b)の如く感熱型接着剤層を有する場合は、押圧ローラ80はローラ内に高温水蒸気を通す等の方法で加熱された加熱ローラとし、加圧と同時に加熱する。必要に応じて、押圧ローラ80の前後に赤外線輻射式等の方式のヒーター86を設置し、感熱型接着剤層の加熱活性化を助ける。押圧ローラ80の表面に凹凸模様の逆凹凸形状を付与しておくと、ここで凹凸模様45をエンボスとすることもできる。押圧ローラ80は、通常、表面保護シート側を金属ローラとし、印刷基材シート側をゴムローラとする。押圧ローラ80によって接着されたシートは、切断刃85によって所定位置で切断され、壁紙90として排出される。
【0066】
図4のシステムにおける大判カラープリンタ520と大判用ラミネータ540のように、プリンタとラミネータとをそれぞれ別個の装置として用意した場合、プリンタから排出された印刷済みの印刷基材シートをラミネータの導入口へと挿入する作業を行う必要がある。図8に示すように、両者を一体化した装置を用いるようにすれば、ラミネート加工までが完了した最終的な壁紙90が排出されるため、作業はかなり楽になる。
【0067】
(4)施工
一般に、壁紙は、幅900mm、長さが施工場所の天井高(通常、2〜2.4m程度)となるような単位矩形を1単位として、施工場所の壁に幅方向(水平方向)所望の枚数貼り付ける作業が行われる。したがって、上下方向に少なくとも2つ以上の区画に分割し、それぞれの区画に所定のデザインを付与した壁紙を作成するに際しては、指示入力手段に対して、顧客の要求する床から天井までの寸法と各区画の上下方向の寸法とを入力する。そして、画像データ作成手段では、この入力指示とデータベース内のデータに基づいて、各区画に所定のデザインを選択して繋いだ画像データを作成する。そして、この画像データに基づいて顧客が要求した全体のデザインを提示し、顧客から特定の画像データに対する出力指示が与えられた時に、画像データ出力手段によりこれを出力する。
【0068】
例えば、図9に示すように、上下方向に5分割したデザインの壁紙を作成する場合、1枚の壁紙の中において5つの分割画像P1 〜P5 を繋げる。そして、このような壁紙を横方向に隣接するように並べて壁に貼り付ければよい。
【0069】
従来の壁紙の作成システムでは、実用上、このような別のデザインが長さ方向に繋がった長尺帯状の壁紙の需要に応えることが困難である。すなわち、従来のシステムでは、一つの版胴上に全画像P1 〜P5 を配置できないため、5種類の各分割画像P1 〜P5 のそれぞれについて版を作成し、それぞれ別個の5本のロールに印刷することになるため、5種類の絵柄のロールを在庫として保有しなければならない。そして、施工時に5本の各ロールから各壁紙を所望の寸法H1 〜H5 だけ切り抜いて、壁面上において繋ぎ合わせながら貼ることになる。そのため、施工も非常に煩雑となる。このような従来の問題点は、本発明に係る壁紙の作成システムによって完全に解決される。すなわち、本発明に係るシステムでは、壁紙を在庫としてかかえる必要がなく、施工時に受注生産を行う形式になるため、施工時に、分割画像P1 〜P5 を繋げた大型画像をカラープリンタで印刷すれはよい。
【0070】
(5)その他の変形例
以上、本発明を図示するいくつかの実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の形態で実施可能である。
【0071】
例えば、図4に示す実施形態では、壁紙のデザインに関するデータベースを、印刷会社Yに設置されたサーバコンピュータ300内に格納し、これをネットワーク350を介してパソコン410からアクセスするようにしているが、データベース格納手段は、必ずしもサーバコンピュータに設置する必要はない。例えば、比較的小規模なデータベースであれば、CD−ROMに格納することも可能である。この場合は、このCD−ROMを本発明におけるデータベース格納手段110として用いることができる。図4の実施形態の場合、このCD−ROM内のデータベースをパソコン410から直接利用することができるので、ネットワーク350及びサーバコンピュータ300は不要になる。
【0072】
ただ、壁紙の絵柄の画像データは、かなりデータ容量が大きいため、CD−ROMに収容できる小規模なデータベースでは、顧客の要望に応じた多様な絵柄のバリエーションを提供することが困難である。したがって、実用上は、前述した実施形態のように、印刷会社Yなどにサーバコンピュータ300を設置し、このサーバコンピュータ300内にデータベースを格納するようにするのが好ましい。このように、サーバコンピュータ300内にデータベースを格納しておけば、非常に多数の種類の絵柄を提供できるというメリットが得られるだけでなく、データベースを一元管理することができるというメリットも得られる。例えば、印刷会社Y側で、流行に応じた新しいデザインの絵柄をこのデータベースに逐次追加する作業を行うようにすれば、顧客は、常に最新のデータベースを利用することができるようになる。
【0073】
また、図4の示す実施形態では、図1の画像作成部100の構成要素のうち、データベース格納手段110のみをサーバコンピュータ300側に設けているが、画像データ作成手段130をサーバコンピュータ300側の機能により実現するようにしてもよい。この場合、画像データを作成する実質的な処理は、サーバコンピュータ300側のプログラムによって実行されることになり、パソコン410は、指示入力手段120及びデザイン提示手段140としての機能を果たすだけでよい。現在、市販されている汎用パソコンは、OSソフトウェアとWebブラウザソフトウェアを標準装備しているものがほとんどである。サーバコンピュータ300として、Webサーバを用い、パソコン410に対してWebページを公開するようにすれば、指示入力手段120は、このWebページ上で指示入力を行うことができればよく、デザイン提示手段140は、このWebページ上の情報を提示することができればよいため、市販の汎用パソコンをそのままパソコン410として用いることが可能になる。
【0074】
なお、前述の説明では、パソコン510は、MOドライブ装置530が読み込んだ画像データを大判カラープリンタ520へと引き渡す仲介機能だけを備えていればよい、ということであったが、もちろん、パソコン510がパソコン410と全く同じ機能を持ったパソコンであってもかまわない。この場合、顧客Cは、建材会社Xのショールームに出向くことなしに、施工業者Zの作業場において、自分の嗜好に合致したデザインの画像データを作成する作業を行うことができるようになる。また、上述のように、サーバコンピュータ300側に画像データ作成手段130としての機能をもたせてしまえば、顧客Cは、自宅(施工現場W)の汎用パソコンのWebブラウザから、サーバコンピュータ300内のデータベースにアクセスし、所望のデザインの画像データを作成することができるため、施工業者Zの作業場へすら出向く必要はなくなる。
【0075】
図4の実施形態では、画像データはMOディスク20に格納されて受け渡しがなされているが、もちろん、画像データはこのような記録媒体を介して受け渡しする必要はなく、オンラインで受け渡しを行うようにしてもかまわない。例えば、図4において、パソコン410とパソコン510とをインターネットなどを介してオンライン接続すれば、MOディスク20を介さずに、画像データを直接送受信することができるようになる。また、図4の実施形態では、施工業者Zの作業場と施工現場Wとが地理的に別々の位置にある例を示したが、もちろん、施工現場Wにパソコン510、大判カラープリンタ520、MOドライブ装置530、大判用ラミネータ540などの機器を持ち込むことができれば、施工現場Wを施工業者Zの作業場として利用することも可能である。
【0076】
また、図4に示す実施形態では、壁紙のデザインのもとになる画像(例えば図9のP1 〜P5 )は全て予めデータベース内に用意されており、顧客は単にそれを選ぶだけであった。これに対し、デザインのもとになる画像のうちの少なくとも1以上を顧客が持ち込んだ画像を使うようにしてもよい。この場合は、顧客が持ち込んだ画像の原稿をスキャナー等で読み込んでデジタルデータ化し、データベースに記憶させればよい。
【0077】
さらに、最近では、インキを噴霧するノズルが並べられたヘッドを、壁面に沿って移動させながら、壁面に対して直接描画を行う機能を持った印刷装置も利用されている。本発明を実施する上では、印刷手段として、このような直接描画式の印刷装置を用いることも可能である。
【0078】
図10に上下方向に分割された2以上の区画内に各種画像を嵌め込んで繋げた壁紙のデザインを例示する。このように、1枚ものでありながらも、種々の柄や画像を組み合わせることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、顧客の要望に応じて、小ロット多品種の壁紙を短い納期で供給することができ、しかも壁の寸法とレイアウト方向に制約のない所望のデザインを有する壁紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な実施形態に係る壁紙の作成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すシステムにおけるデータベース格納手段内に格納されるデータベースの一例を示す説明図である。
【図3】図2のデータベースに格納されている絵柄の一例を示す平面図とその点線で囲む部分の拡大図である。
【図4】本発明に係る壁紙の作成システムをより実用に即した形態で実施した一例を示すブロック図である。
【図5】図1に示すシステムにおける印刷基材シート供給手段によって供給される印刷基材シートの具体的な構成例を示す側断面図である。
【図6】図1に示すシステムにおけるラミネート加工手段において用いられる表面保護シート40の具体的な構成例を示す側断面図である。
【図7】図5に示す印刷基材シート上に図6に示す表面保護シートを貼り付けた状態を示す側断面図である。
【図8】図1に示すシステムにおける印刷手段とラミネート加工手段とを一体構造にした具体的な構成例を示す側面図である。
【図9】分割画像を繋げた壁紙のデザインの一例を示す平面図である。
【図10】別の壁紙のデザインを例示した平面図である。
【符号の説明】
10 画像データ
20 MOディスク
30 印刷基材シート
31 裏打紙
32 樹脂コート層
33 水性インキ受容層
34 粘着剤層
35 離型シート
36 樹脂シート
40 表面保護シート
41 透明樹脂シート
42 粘着剤層
43 離型シート
44 感熱型接着剤層
45 凹凸模様
50 インキ層
60 インキジェットプリンタ
70 表面保護シート
75 表面保護シートの巻取
80 押圧ローラ
85 切断刃
86 ヒーター
90 壁紙
100 画像作成部
110 データベース格納手段
120 指示入力手段
130 画像データ作成手段
140 デザイン提示手段
150 画像データ出力手段
200 壁紙作成部
210 画像データ入力手段
220 印刷基材シート供給手段
230 印刷手段
240 ラミネート加工手段
300 サーバコンピュータ
350 ネットワーク
410 パターン(クライアントコンピュータ)
420 大判カラープリンタ
430 MOドライブ装置
510 パソコン
520 大判カラープリンタ
530 MOドライブ装置
540 大判用ラミネータ
A 木目柄
1 〜A3 領域
C 顧客
P0 大柄画像
1 〜P5 分割画像
W 施工現場
X 建材会社(ショールーム)
Y 印刷会社(建材部門)
Z 施工業者(作業場)

Claims (5)

  1. 床から天井までの長さを有する長尺帯状の連続体で、上下方向に少なくとも2つ以上の区画に分割し、それぞれの区画に所定のデザインを付与してなり、且つ該デザインは少なくとも床から天井までの間に上下方向の周期を持たない画像を含んでなる壁紙を、顧客の要望に応じて作成するシステムであって、
    壁紙のデザインに関するデータをデータベースとして格納するデータベース格納手段と、顧客の要求する床から天井までの寸法と各区画毎の上下方向の寸法とを示す指示入力を受け付ける指示入力手段と、前記データベース内のデータ及び前記指示入力に基づいて、各区画毎に所定のデザインを選択し、それらを繋いだ画像データを作成する画像データ作成手段と、前記画像データに基づいて顧客が要求した全体のデザインを提示するデザイン提示手段と、顧客から特定の画像データに対する出力指示が与えられた時に、これを出力する画像データ出力手段と、を有する画像作成部と、前記画像データ出力手段から出力された画像データを入力する画像データ入力手段と、壁紙として利用可能な素材からなり印刷可能面を有する印刷基材シートを供給する印刷基材シート供給手段と、供給された印刷基材シートの印刷可能面上に、入力した画像データに基づいて無版印刷機を用いて印刷を行う印刷手段と、を有する壁紙作成部と、を備え
    データベース格納手段内のデータベースが、壁紙のデザインに関する画像データとして、絵柄に関するデータと色調に関するデータとを有し、指示入力手段が、さらに顧客の嗜好に合致した絵柄及び色調を示す指示入力を受け付ける機能を有し、顧客に自分の嗜好に合致した絵柄を選択させ、続いて、好みの色調についての指示入力を受け付ける処理を行うことにより、画像データ作成手段が、データベースを利用して顧客の嗜好に合致した絵柄及び色調を持った画像データを作成することを特徴とする壁紙の作成システム。
  2. 請求項に記載の壁紙の作成システムにおいて、画像データ出力手段が、携帯可能なデータ記録媒体に画像データを書き込むことによってデータ出力を行う機能を有し、画像データ入力手段が、前記データ記録媒体から画像データを読み出すことによってデータ入力を行う機能を有することを特徴とする壁紙の作成システム。
  3. 請求項1又は2に記載の壁紙の作成システムにおいて、画像作成部を、相互にネットワークで接続可能なサーバコンピュータとクライアントコンピュータとによって構成し、少なくともデータベース格納手段をサーバコンピュータ側に設け、クライアントコンピュータから前記ネットワークを介してサーバコンピュータ内のデータベースをアクセスできるようにしたことを特徴とする壁紙作成システム。
  4. 請求項のいずれかに記載の壁紙の作成システムにおいて、壁紙作成部が、印刷済の印刷基材シートの印刷面上に表面保護シートを用いてラミネート加工するラミネート加工手段をさらに有することを特徴とする壁紙の作成システム。
  5. 請求項のいずれかに記載の壁紙の作成システムにおいて、印刷基材シート供給手段が、裏打紙上に樹脂コート層を形成してなる基材もしくは樹脂シート層からなる基材と、この基材表面に印刷可能面として形成された水性インキ受容層と、を有する印刷基材シートを供給する機能を有し、印刷手段が、微小なノズルから前記水性インキ受容層上に水性インキを吐出することにより印刷を行う機能を有することを特徴とする壁紙の作成システム。
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