JP4741581B2 - 高脂血症治療の組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、第一活性成分としてアシピモックス(Acipimox)、及び第二活性成分としてアトルバスタチン(Atorvastatin)、或いはその薬理学に許容の塩、エステルまた溶媒化物を含有することを特徴として、高脂血症を治療するための新しい組成物に関する。
医薬科学の進歩に伴い、コレステロールや脂肪などを過量含有することは、心血管病患の主な原因ということが知られている。そのため、血脂を調節する薬剤の開発は心血管病患の予防と治療の重点になってきた。1980年代末から、多くの降血脂薬物が出現し、その中にスタチン(statin)系の薬物は好評を受けて、該系の薬物の臨床治療効果は別系の血脂調節薬物と比べてずっと優れていることが知られた。十年以上の間、いくつかの国際的な大規模な冠状動脈性硬化症の予防と治療試験の結果は、スタチン系薬物は冠状動脈性硬化症の発病率と死亡率を低減し、すでに形成された動脈性硬化斑塊の進行を緩めること、また減退することができることを確認して、冠状動脈性硬化症は不可逆だという伝統的な観念を打ち破った。「スタチン」に始まった血脂の革命は全世界に起こった。現在、医療技術における人々は、冠状動脈性硬化症の予防と治療に用いられる血脂調節薬の効果に十分自信をもっており、血脂調節治療は、21世紀において冠状動脈性硬化症の予防と治療に用いられる主要な手法となるだろう。
アトルバスタチン(Atorvastatin)は血脂調節薬であり、スタチン系の第三世代である。それは、完全に合成されたヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG-CoA)レダクターゼの抑制剤であり、1995年に初めて米国でカルシウム塩の形で発売された。その化学名称は[R-(R’,R’)]-2-(4-フルオロフェニル)-βδ-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-[(アニリン)カルボニル]-1-ヒドロ-ピロリル-1-ヘプタン酸カルシウム三水和物である。
Figure 0004741581
一般にアトルバスタチンは前記のカルシウム三水和物を指し、またアトルバスタチンカルシウムとして知られており、その用量・規格は一般にアトルバスタチン遊離酸に基づいて計算される。中国▲導▼医ネット(www.daoyi.com/drug/html/200009/6000000189670.html)によればその薬理効果の概要は以下のとおりである:
1.HMG-CoAレダクターゼを抑制すること。HMG-CoAレダクターゼはコレステロール合成酵素系のなかの限速酵素、その抑制作用によって、コレステロールの合成を低減する。アトルバスタチンはプラバスタチン(pravastatin)のように、経口投与による吸収後直ちに生体活性を示すが、ロバスタチン(Lovastatin )とシンバスタチン(simvastatin)はプロドラッグ(prodrug)であって、体内で代謝されてから生体活性を示す。そのため、アトルバスタチンはロバスタチンとシンバスタチンと比べてより速く作用を発揮することができる。該薬物のHMG-CoAレダクターゼに対する抑制作用は他の同系薬物に比べてより強い。アトルバスタチンのHMG-CoAレダクターゼに対する抑制作用の50%抑制濃度(IC50)は73nmol/Lであるが、プラバスタチンの場合は2650nmol/Lである。アトルバスタチンは80mg/dの用量で、プラバスタチンの場合は40mg/d、シンバスタチンの場合は40mg/dで、血漿のメチルジヒドロキシルペンタン酸(MVA)濃度をそれぞれ59%、32%、49%と低減させる。さらに、単独用量でアトルバスタチンのHMG-CoAレダクターゼに対する抑制作用は同系薬物に比べてより長く維持できる。
2.低密度リポタンパク質(LDL)受容体を増やすこと。アトルバスタチンはHMG-CoAレダクターゼに対する抑制作用によって血漿と組織細胞中のコレステロール濃度を低減し、肝臓内のLDL受容体密度も増やし得るために、血漿中の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)の除去を促進する。肝臓LDL受容体は超低密度リポタンパク質(VLDL)と結合することができ、VLDLの分解を促進して、トリグリセリド(TG)の濃度を減少させる。
3.超低密度リポタンパク質コレステロール(VLDL-C)の合成を抑制すること。コレステロールはVLDLの合成に必要な成分である。アトルバスタチンは、コレステロールの血漿濃度を減少させることによって、VLDLの合成と分泌を低減させる。VLDLはTGの携帯と運送に必要であり、VLDL-CはLDL-Cの前駆体であり、アトルバスタチンは、TG、VLDL-C、LDL-Cのレベルを低下させることができる。
4.動脈硬化を防止する作用。アトルバスタチンは血脂の減少、脂質浸潤の低減と泡沫細胞の生成によって、動脈硬化症の発病を遅らせることに有利である。また、アトルバスタチンは、動脈硬化症の斑塊の破裂を防止できる。そのうえ、体外試験はアトルバスタチンは血管平滑筋の増殖と遷移を抑制できることを証明した。動物試験によって、アトルバスタチンは2.5mg/kgの用量でウサギの動脈硬化症斑塊の面積を67%(P<0.05)減少させるが、同じ用量のロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチンはそのような作用を示さないことを明らかにした。アトルバスタチンはまた血小板の活性化、血粘度の低下、血液凝固の抑制などの作用を持つ。臨床研究により、22例の高脂血症患者に80mg/dの用量でアトルバスタチンを投与した後、血漿粘度は10%低下し、血液凝固因子VIIの活性は8%低下し、トロンボキサンA2(TXA2)による血小板集中率は11%減少したことが示された。以上の作用は動脈硬化症の防止に有利である。
一般に、アトルバスタチンの許容度は優れ、主な不良反応が軽微であって、ロバスタチンと比べて、アトルバスタチンは患者に対する許容度がより好ましい。
アシピモックス(Acipimox)は人工合成のニコチン酸の誘導体であり、脂肪組織の分解を抑制できて、脂肪組織から遊離脂肪酸の遊離を低減するため、肝臓中のトリグリセリド(TG)の合成を低減させる。さらに、アシピモックスは、超低密度リポタンパク質(VLDL)と低密度リポタンパク質(LDL)の合成を抑制して、血清中のトリグリセリド(TG)と総コレステロール(TC)の濃度を低下させる。アシピモックスはまた肝臓リパーゼの活性も抑制し、高密度リポタンパク質(HDL)の分解を低減する。アシピモックスは経口で速やかに吸収されて、使用後2時間内に血中濃度がピークに達し、半減期は2時間である。アシピモックスは血漿タンパク質に結合せず、代謝されずに主としてアシピモックスの形のまま排泄される。臨床でアシピモックスは効果的に高トリグリセリド症(IVタイプ)、高コレステロール血症(IIaタイプ)及び高トリグリセリド合併高コレステロール症(IIbタイプ)を治療することができる。アシピモックスは、安全、効果的で、許容度が優れる血脂調節薬物である。
現在、この領域での研究傾向は、作用メカニズムが違う二つの血脂調節薬物を配合剤にして、脂肪を減少する作用を拡大させると同時に、相乗作用を発揮させ、治療効果を高めたり、毒副作用を低減することを望んでいる。
米国特許US5260305Aには、プラバスタチン、HMG-CoAレダクターゼ抑制剤とニコチン酸、またその誘導体の組成物が開示され、具体的には5mg、10mg、20mg、40mgの各プラバスタチンと750mgのアシピモックスとからなる組成物の調製が開示されている。しかしながら、その特許には、それについての有益な効果、最も好ましい処方の薬理学試験データは開示されていない。
中国特許出願CN1425374Aにはアシピモックスとロバスタチンの組成物が開示され、その配合割合がアシピモックスとロバスタチンの重量比で25−50:1であり、好ましくは25:1あるいは37.5:1であることが開示されている。しかしながら、その特許には、アシピモックスとアトロバスタチンからなる組成物は述べられておらず、特に最も好ましい処方とこれに対応する薬理学試験データは開示されていない。
本発明の目的は、第一活性成分としてアシピモックス(Acipimox)、及び第二活性成分としてアトルバスタチン(Atorvastatin)、或いはその薬理学に許容の塩、エステルまた溶媒化物を含有する、高脂血症を治療するための新しい組成物を提供することにある。アシピモックスとアトルバスタチンの作用メカニズムが違って、そのために組成物にしてから血脂降下作用がより拡大される。そのうえ、上記の二つの薬物の併用による相乗作用があって、その血脂降下作用が同じ用量で単独に使用する場合より著しく優れている。さらに、組成物中のアトルバスタチン用量を適切に選択することによって、組成物は効果的に血脂降下作用を発揮しながら明らかな毒副作用を示さないようにすることができる。その間、都合のよいことに本組成物は一日にただ一回の使用で済み、患者の従順性を非常に増やし得る。さらに、本発明の組成物と先行技術であるUS5260305AとCN1425374Aの組成物とを比較することによって、予想外に、アシピモックスとアトルバスタチンの併用は血清総コレステロール、血清トリグリセリド、血清低密度リポタンパク質−コレステロールの低下に著しい相乗作用を示すことを発明者は見出した。さらに、アシピモックスとプラバスタチンの併用、アシピモックスとロバスタチンの併用に比べて、アシピモックスとアトルバスタチンの併用は、血脂降下作用、高密度リポタンパク質の増加作用がより強いことが示された。
本発明の請求項1に係る高脂血症を治療する組成物は、a) 第一活性成分としてアシピモックス(Acipimox)、及びb)第二活性成分としてアトルバスタチン(Atorvastatin)、或いはその薬理学に許容の塩、エステル、溶媒化物を含有すると共に、上記第一活性成分と上記第二活性成分の重量比は(10〜80):1であることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記アトルバスタチンの薬理学に許容の塩はナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、また鉄塩の群から選ばれる塩であることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1において、上記アトルバスタチンの薬理学に許容のエステルは脂肪族アルコール、アリールアルコール、複素環のアルコールで形成されるエステルであることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1または2において、上記第二活性成分はアトルバスタチンのカルシウム塩であることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1〜4いずれか1項において、上記第一活性成分と上記第二活性成分の重量比は(10〜30):1であることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項において、上記第一活性成分と上記第二活性成分の重量比は30:1であることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1〜いずれか1項において、上記組成物は錠剤、カプセル剤、粒剤、丸剤、滴丸剤であることを特徴とするものである。
アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの併用は血清総コレステロール、血清トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールの降下に著しい相乗作用を有する。さらに、アシピモックスとプラバスタチン、アシピモックスとロバスタチンの併用に比べて、アシピモックスとアトルバスタチンの併用は血脂降下作用がより強く、高密度リポタンパク質コレステロールを増加させるのに相当に優位性がある。
本発明の組成物の一例はアシピモックスとアトルバスタチンカルシウム及びその薬理学に許容の添加物からなって、その中にアシピモックスとアトルバスタチンカルシウム(遊離酸で計算する、以下同じ)の重量比が10−80:1、好ましくは10−30:1、より好ましくは30:1である。該組成物の薬物製剤の剤形は錠剤、カプセル剤、粒剤、丸剤、滴丸剤などの固体製剤を含んで、本領域で公知の一般的な製剤方法によって製造することができる。本組成物を投与するとき、アシピモックスの含量は約200−750mgの日用量に相当し、アトルバスタチンカルシウムの含量は約5−80mg、好ましくは10−30mgの日用量に相当する。
本発明の組成物は固体製剤にする場合、例えば錠剤またカプセル剤にする時、治療効果を長い間得るためには、有効量のアシピモックスは徐放性部分にして、有効量のアトルバスタチンカルシウムとともに徐放性製剤、例えば徐放性錠剤、徐放性カプセルなどにすることが好ましい。よって、その薬理学に許容の添加物は、希釈剤として、例えばデンプン、乳糖、マンニトール、アルファ化デンプン、デキストリン、微晶セルロースを、崩壊剤として、例えばカルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムを、徐放剤として、例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-4M、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-15M;Eudragit RS-100、RL100、RS30D、RL30D、NE30D、及びSurelease(エチルセルロースの水分散体)を、粘着剤として例えばポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドンを、潤滑剤として例えばステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、微粉シリカゲルなどを含むことができる。
薬理学の研究によって、有効用量で単独にアシピモックス或いはアトルバスタチンカルシウムを使用する場合に比べて、本発明の組成物は、特に好ましい比で、毒性を増加させずに、驚くべき良好な効果を示すことが分かった。従って、本発明の組成物の安全製剤用量の範囲は広く、治療効果の維持する時間が長くて、包括的な効果が有利であり、使用に便利である。本発明の組成物は日に1、2回、好ましくは日に1回投与することができる。アシピモックスとプラバスタチンの併用、アシピモックスとロバスタチンの併用に比べて、本発明の組成物はまたより優れた血脂降下作用を示す。
さらに、我々は、選別試験から、本発明の組成物中のアトルバスタチンの薬理学活性はその塩、エステル或いは溶媒化物とほとんど関係ないことを発見した。その血脂降下活性はアトルバスタチン遊離酸の量とのみ関連している。従って、本発明のアトルバスタチンはいずれの薬理学に許容の塩でもよく、すなわち、生理的に適当な塩であって、無機塩基及び有機塩基とから形成された塩、例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、鉄塩を含み、また、いずれのアトルバスタチンの薬理学に許容のエステルでもよく、すなわち、生理的に適当なエステルであって、脂肪アルコール、アリールアルコール、複素環のアルコールとから形成されたエステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、アリルエステル、フェニルエステルを含むことができる。
以下の実施例でさらに本発明の組成物およびその調製方法、治療効果を説明する。しかしながら、本発明の保護の範囲は以下の実施例に限られることはない。
(実施例1)
a. アシピモックス 200g
コントロール丸核 250g
7%PVP溶液(溶媒は90%のエタノール) 200g
調製工程:アシピモックスを120メッシュの篩に通過させ、処方量で量り取って、フィーダーに加えた。造粒コーティング機をスタートして、入風圧力0.5bar、入風温度30℃、スプレーガン圧力(CYL)3bar、霧化圧力(CAP1)0.8barの条件でコントロール丸核を加え、造粒して、原料供給速度4rpm、蠕動性ポンプ12%、回転パン速度145rpmの条件で、7%PVP溶液(溶媒は90%のエタノール)をスプレーした。造粒が終わった後、50℃で乾燥して排出した。
b. アトルバスタチンカルシウム 5g(遊離酸で計算した)
コントロール丸核 30g
7%PVP溶液(溶媒は90%のエタノール) 30g
調製工程:アトルバスタチンカルシウムを120メッシュの篩に通過させ、処方量で量り取って、フィーダーに加えた。造粒コーティング機をスタートして、入風圧力0.5bar、入風温度30℃、スプレーガン圧力(CYL)3bar、霧化圧力(CAP1)0.8barの条件でコントロール丸核を加え、造粒して、原料供給速度4rpm、蠕動性ポンプ6%、回転パン速度160rpmの条件で、7%PVP溶液(溶媒は90%のエタノール)をスプレーした。造粒が終わった後、45℃で乾燥して排出した。
c.aとbの工程で製造して得た丸を硬カプセル薬物に充填機で充填した。二つのカプセルあたり200mgのアシピモックスと5mgのアトルバスタチンカルシウム(遊離酸で計算した。すなわち、実際には5mgのアトルバスタチン遊離酸である。)が含まれる。
(実施例2)
a. アシピモックス 200g
乳糖 30g
カルボキシメチルスターチナトリウム 30g
微晶セルロース 18g
6%PVP無水エタノール 100g
ステアリン酸マグネシウム 2g
調製工程:アシピモックスを100メッシュの篩に通過させ、乳糖、カルボキシメチルスターチナトリウム、微晶セルロースを80メッシュの篩に通過させ、アシピモックス、乳糖、カルボキシメチルスターチナトリウム、微晶セルロースを処方量で量り取って均一に混合し、適量の6%PVP無水エタノールを加えて造粒した。造粒後、60℃で乾燥して、16メッシュの篩に通過させ、この乾燥顆粒中に処方量のステアリン酸マグネシウムを加えた。
b. アトルバスタチンカルシウム 10g(遊離酸で計算した)
ヒドロキシプロピルセルロース 15g
アルファ化デンプン 10g
6%PVP無水エタノール 30g
ベヘン酸のグリセリド 1g
調製工程:アトルバスタチンカルシウムを100メッシュの篩に通過させ、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化デンプンを80メッシュの篩に通過させ、アトルバスタチンカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化デンプンを処方量で量り取って均一に混合し、適量の6%PVP無水エタノールを加えて造粒した。造粒後、60℃で乾燥して、16メッシュの篩に通過させ、この乾燥顆粒中に処方量のベヘン酸のグリセリドを加えた。
c.aとbの工程で製造して得た顆粒を2層打錠機で打錠して2層錠剤を製造した。各錠剤には200mgのアシピモックスと10mgのアトルバスタチンカルシウム(遊離酸で計算した)が含まれている。
(実施例3)
a. アシピモックス 200g
乳糖 30g
カルボキシメチルスターチナトリウム 30g
微晶セルロース 18g
6%PVP無水エタノール 100g
ステアリン酸マグネシウム 2g
調製工程:アシピモックスを100メッシュの篩に通過させ、乳糖、カルボキシメチルスターチナトリウム、微晶セルロースを80メッシュの篩に通過させ、アシピモックス、乳糖、カルボキシメチルスターチナトリウム、微晶セルロースを処方量で量り取って均一に混合し、適量の6%PVP無水エタノールを加えて造粒した。造粒後、60℃で乾燥して、16メッシュの篩に通過させ、この乾燥顆粒中に処方量のステアリン酸マグネシウムを加えた。
b. アトルバスタチンカルシウム 20g(遊離酸で計算した)
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
アルファ化デンプン 20g
6%PVP無水エタノール 50g
ベヘン酸のグリセリド 2g
調製工程:アトルバスタチンカルシウムを100メッシュの篩に通過させ、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化デンプンを80メッシュの篩に通過させ、アトルバスタチンカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化デンプンを処方量で量り取って均一に混合し、適量の6%PVP無水エタノールを加えて造粒した。造粒後、60℃で乾燥して、16メッシュの篩に通過させ、この乾燥顆粒中に処方量のベヘン酸のグリセリドを加えた。
c.aとbの工程で製造して得た顆粒を2層打錠機で打錠して2層錠剤を製造した。各錠剤には200mgのアシピモックスと20mgのアトルバスタチンカルシウム(遊離酸で計算した)が含まれている。
(実施例4)
a. アシピモックス 300g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース-4M 40g
微晶セルロース 30g
8%PVP無水エタノール 150g
ステアリン酸マグネシウム 2g
調製工程:アシピモックスを100メッシュの篩に通過させ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-4M、微晶セルロースを80メッシュの篩に通過させ、アシピモックス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-4M、微晶セルロースを処方量で量り取って均一に混合し、適量の8%PVP無水エタノールを加えて造粒した。造粒後、60℃で乾燥して、16メッシュの篩に通過させ、この乾燥顆粒中に処方量のステアリン酸マグネシウムを加えた。
b. アトルバスタチンカルシウム 20g(遊離酸で計算した)
カルボキシメチルセルロースナトリウム 30g
乳糖 20g
6%PVPの95%エタノール 50g
ステアリン酸マグネシウム 2g
調製工程:アトルバスタチンカルシウムを100メッシュの篩に通過させ、乳糖、カルボキシメチルセルロースナトリウムを80メッシュの篩に通過させ、アトルバスタチンカルシウム、乳糖、カルボキシメチルセルロースナトリウムを処方量で量り取って均一に混合し、適量の6%PVPの95%エタノールを加えて造粒した。造粒後、60℃で乾燥して、16メッシュの篩に通過させ、この乾燥顆粒中に処方量のステアリン酸マグネシウムを加えた。
c.aとbの工程で製造して得た顆粒を2層打錠機で打錠して2層錠剤を製造した。各錠剤には300mgのアシピモックスと20mgのアトルバスタチンカルシウム(遊離酸で計算した)が含まれている。
(実施例5)
a. アシピモックス 300g
コントロール丸核 250g
7%PVP溶液(溶媒は90%のエタノール) 200g
調製工程:アシピモックスを120メッシュの篩に通過させ、処方量で量り取って、フィーダーに加えた。造粒コーティング機をスタートして、入風圧力0.5bar、入風温度30℃、スプレーガン圧力(CYL)3bar、霧化圧力(CAP1)0.8barの条件でコントロール丸核を加え、造粒して、原料供給速度4rpm、蠕動性ポンプ12%、回転パン速度145rpmの条件で、7%PVP溶液(溶媒は90%のエタノール)をスプレーした。造粒が終わった後、50℃で乾燥して排出した。
b. aの工程で製造して得たアシピモックス丸
Surelease 90g
タルク粉末 1g
純水 50g
調製工程:aの工程で製造して得たアシピモックス丸を回転パンに加え、造粒コーティング機をスタートして、入風圧力1.0bar、入風温度30℃、CYL:3bar、CAP1:1.5bar、蠕動性ポンプ5%、回転パン速度180rpmの条件で、Sureleaseの純水溶液をスプレーした。造粒が終わった後、50℃で乾燥して排出した。
c.アトルバスタチンカルシウム丸は実施例1のbに記載の方法で製造した。そしてカプセル充填機を用いて、アトルバスタチンカルシウム丸を本実施例のbの工程で製造して得たアシピモックス丸と一緒に硬カプセルに充填した。二つのカプセルあたり300mgのアシピモックスと10mgのアトルバスタチンカルシウム(遊離酸で計算した)が含まれる。
(実施例6)
a. アシピモックス 300g
コントロール丸核 300g
7%PVP溶液(溶媒は90%のエタノール) 200g
調製工程:アシピモックスを120メッシュの篩に通過させ、処方量で量り取って、フィーダーに加えた。造粒コーティング機をスタートして、入風圧力0.5bar、入風温度30℃、CYL:3bar、CAP1:0.8barの条件でコントロール丸核を加え、造粒して、原料供給速度4rpm、蠕動性ポンプ12%、回転パン速度145rpmの条件で、7%PVP溶液(溶媒は90%のエタノール)をスプレーした。造粒が終わった後、50℃で乾燥して排出した。
b. aの工程で製造して得たアシピモックス丸
エチルセルロース 40g
ステアリン酸 70g
ポリエチレングリコール-6000 6g
タルク粉末 12g
95%エタノール 1000g
調製工程:aの工程で製造して得たアシピモックス丸をフィーダーに加えた。造粒コーティング機をスタートして、入風温度30℃、入風圧力0.5bar、CYL:3bar、CAP1:1.0bar、蠕動性ポンプ6%、回転パン速度175rpmの条件で、エチルセルロース、ステアリン酸、ポリエチレングリコール-6000の95%エタノール溶液をスプレーした。造粒が終わった後、50℃で乾燥して排出した。
c. アトルバスタチンカルシウム 5g(遊離酸で計算した)
コントロール丸核 30g
7%PVP溶液(溶媒は90%のエタノール) 30g
調製工程:アトルバスタチンカルシウムを120メッシュの篩に通過させ、処方量で量り取って、フィーダーに加えた。造粒コーティング機をスタートして、入風圧力0.5bar、入風温度30℃、CYL:3bar、CAP1:0.8barの条件でコントロール丸核を加え、造粒して、原料供給速度4rpm、蠕動性ポンプ12%、回転パン速度120rpmの条件で、7%PVP溶液(溶媒は90%のエタノール)をスプレーした。造粒が終わった後、45℃で乾燥して排出した。
d.bとcの工程で製造して得た丸は、カプセル充填機を用いて硬カプセルに充填した。二つのカプセルあたり300mgのアシピモックスと5mgのアトルバスタチンカルシウム(遊離酸で計算した)が含まれる。
(実施例7)
a. アシピモックス 400g
マンニトール 10g
乳糖 40g
微晶セルロース 20g
6%PVPの95%エタノール溶液 120g
ステアリン酸マグネシウム 2g
調製工程:アシピモックスを100メッシュの篩に通過させ、マンニトール、乳糖、微晶セルロースを80メッシュの篩に通過させ、アシピモックス、マンニトール、乳糖、微晶セルロースを処方量で量り取って均一に混合し、適量の6%PVPの95%エタノール溶液を加えて造粒した。造粒後、60℃で乾燥して、16メッシュの篩に通過させ、この乾燥顆粒中に処方量のステアリン酸マグネシウムを加えた。
b. アトルバスタチンカルシウム 5g(遊離酸で計算した)
アルファ化デンプン 50g
マンニトール 50g
乳糖 40g
6%PVPの95%エタノール溶液 100g
微粉シリカゲル 5g
調製工程:アトルバスタチンカルシウムを100メッシュの篩に通過させ、アルファ化デンプン、マンニトール、乳糖を80メッシュの篩に通過させ、アトルバスタチンカルシウム、アルファ化デンプン、マンニトール、乳糖を処方量で量り取って均一に混合し、適量の6%PVPの95%エタノール溶液を加えて造粒した。造粒後、60℃で乾燥して、16メッシュの篩に通過させ、この乾燥顆粒中に処方量のステアリン酸マグネシウムを加えた。
c.aとbの工程で製造して得た顆粒を2層打錠機で打錠して2層錠剤を製造した。各錠剤には400mgのアシピモックスと5mgのアトルバスタチンカルシウム(遊離酸で計算した)が含まれる。
(実施例8)
a. アシピモックス 400g
乳糖 30g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース-15M 20g
8%PVPの95%エタノール溶液 150g
ベヘン酸のグリセリド 2g
調製工程:アシピモックスを100メッシュの篩に通過させ、乳糖、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-15Mを80メッシュの篩に通過させ、アシピモックス、乳糖、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-15Mを処方量で量り取って均一に混合し、適量の8%PVPの95%エタノール溶液を加えて造粒した。造粒後、60℃で乾燥して、16メッシュの篩に通過させ、この乾燥顆粒中に処方量のベヘン酸のグリセリドを加えた。
b. アトルバスタチンカルシウム 10g(遊離酸で計算した)
ヒドロキシプロピルセルロース 25g
デキストリン 20g
6%PVPの95%エタノール溶液 50g
タルク粉末 2g
調製工程:アトルバスタチンカルシウムを100メッシュの篩に通過させ、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリンを80メッシュの篩に通過させ、アトルバスタチンカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリンを処方量で量り取って均一に混合し、適量の6%PVPの95%エタノール溶液を加えて造粒した。造粒後、60℃で乾燥して、16メッシュの篩に通過させ、この乾燥顆粒中に処方量のタルク粉末を加えた。
c.aとbの工程で製造して得た顆粒を2層打錠機で打錠して2層錠剤を製造した。各錠剤には400mgのアシピモックスと10mgのアトルバスタチンカルシウム(遊離酸で計算した)が含まれる。
(実施例9):アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの配合剤でラット高脂血症を治療する配合剤選別
本試験の目的は毒性が低い、作用が強い、使用に便利なアシピモックスとアトルバスタチンカルシウム配合剤の組成を選別し確定することにある。高脂質含有飼料をラットに与えることによって高脂血症ラットモデルを得た。このモデルラットに連続14日間、アシピモックス(100-400mg/kg)及び/或いはアトルバスタチンカルシウム(2.5-30mg/kg、遊離酸で計算した、以下の用量は全部アトルバスタチン遊離酸で計算した)を胃管栄養法により投与した。その結果、アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの併用は高脂肪飼料によるラット高脂血症に対して著しい治療作用を持ち、その血脂降下効果は該二つの用量と相関していることが示された。アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kg、アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20mg/kg、アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという併用の組合せは、ラートの血清総コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールのレベルを低下させ、高密度リポタンパク質コレステロールのレベルを上げるという面において、優れた効果をもつことが示された。これらの処方は相乗効果を示し、中でもアシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという併用は最も著しい効果を持つので、アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという配合剤は好ましい。なお、本試験の薬物用量範囲において、調合薬は肝臓と筋肉に対する毒性と相関する血清酵素活性には著しい効果を示さなかった。
1 試験の目的
本試験の目的は、選別によってアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの配合剤の組成を決定し、毒副作用が低く、作用が全面的に強く、使用に便利な調合薬を得ることである。
2 試験薬物
2.1 ニコチン誘導物
薬品名称:アシピモックス(Acipimox)
ロット番号:0207002
純度:>99.7%
生産者:魯南製薬股▲分▼有限公司
調製方法:アシピモックスを使用前に1%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)で均一に混合し、試験に要求される濃度に調節した。
2.2 スタチン系薬物
薬品名称:アトルバスタチンカルシウム(Atorvastatin)
ロット番号:031002
純度:>99.0%
生産者:山▲東▼新▲時▼代▲薬▼▲業▼有限公司製
調製方法:アトルバスタチンカルシウムを使用前に1%CMCで均一に混合し、試験に要求される濃度に調節した。
3 動物
3.1 類別と出所
Wistarラット、軍事医学科学院医学試験動物センターで繁殖され、試験動物質量許可番号は医動字D01-3039。
3.2 体重と性別
年齢は9週〜10週、体重は180〜220g、雄
3.3 飼育する条件
動物試験室で定期に空気を排風し、日照は良好で、常温である。毎籠に5匹の動物を入れ、本院試験動物センターが専門にラットに対して調製した膨張飼料で飼養し、自由に水を飲ませる。動物試験条件合格許可番号は医動字D01-2051。試験前に、動物が食事すること、活動と糞便を1週間観察し、健康な動物を試験用に選んだ。
4 高脂血症ラットモデルの調製[1]
高脂血症ラットモデルは、高脂肪飼料で高脂血症を誘発することによって調製した。高脂肪飼料の配合組成は以下のとおりである:基礎飼料86.3%、コレステロール3%、豚油10%、METHYLTHIOURACIL0.2%、胆汁塩(豚)0.5%、各成分を均一に混合した。この飼料を2週間連続してラットに与えた。薬物を投与する間、他の日毎に高脂肪飼料を与えた。
5 正常ラットの血脂レベルに対するアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの効果
5.1 投薬量を調節するための基礎
臨床で使用されるアシピモックスの用量は250mg/回(人体体重60kgで計算すれば、上記用量は4.2mg/kg)、2-3回/日、毎日最大用量は1200mg[2]を超えないことである。体表面積あたりの用量同効の原則で計算すれば、上記の人常用用量はラット用量に換算して約50mg/kg/日となる。また文献[3]を参照すると、本試験のアシピモックスの用量は100、200、300、400mg/kgに設定される。
臨床で使用されるアトルバスタチンカルシウムの用量は10mg/回(人体体重60kgで計算すれば、上記用量は0.17mg/kg)、1回/日、毎日最大用量は80mg[4]を超えないことである。体表面積あたりの用量同効の原則で計算すれば、上記の人常用用量はラット用量に換算して約0.85mg/kg/日となる。また文献[5-8]を参照すると、本試験のアトルバスタチンカルシウムの用量は2.5、5、10、20、30mg/kgに設定される。
5.2 グルーピング
上記用量の調節によって、血清総コレステロールのレベル均衡の原則に従って、正常な動物をランダムに以下のように分けた:(1)正常コントロールグループ、(2)アシピモックス100mg/kgグループ;(3)アシピモックス200mg/kgグループ;(4)アシピモックス300mg/kgグループ;(5)アシピモックス400mg/kgグループ;(6)アトルバスタチンカルシウム2.5mg/kgグループ;(7)アトルバスタチンカルシウム5mg/kgグループ;(8)アトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ;(9)アトルバスタチンカルシウム20mg/kgグループ;(10)アトルバスタチンカルシウム30mg/kgグループ;(11)アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム5mg/kgグループ;(12)アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ;(13)アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20mg/kgグループ;(14)アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム5mg/kgグループ;(15)アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ;(16)アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20mg/kgグループ;(17)アシピモックス400mg/kgとアトルバスタチンカルシウム5mg/kgグループ;(18)アシピモックス400mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ。各グループには10匹のラットが含まれる。
5.3 薬物投与
臨床で使用される投与の経路は経口であるために、本試験は胃管栄養法による投与を連続4日間使用した。胃管栄養法による投与は1日に1回、餌を与えた後にラットに行った。用量体積は体重の0.3ml/100gである。
5.4 測定
血清生化学指標は総コレステロール(TC)、アラニントランスアミナーセ(ALT)、クレアチンキナーゼ(CK)、トリグリセリド(TG)、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HLDL-C)を含む。ただしアラニントランスアミナーセ(ALT)、クレアチンキナーゼ(CK)検定試薬は北京中生生物工程高技術公司の製品であり、SABA/18全自動生物化学分析機を測定に使用した。ほかの試薬は日本ロシュ試薬会社の製品を使用して、日立7020自動生物化学分析機を測定に使用した。測定の方法は試薬の説明書に基づいて採血前16時間ラットを絶食させた。
6 高脂血症ラットの血脂レベルに対するアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの効果
6.1 投薬量を調節するための基礎
投薬量を調節するための基礎は5.1正常ラット試験と同じである。
6.2 グルーピング
上記用量の調節によって、血清総コレステロールのレベル均衡の原則に従って、モデルラットをランダムに以下のように分けた:(1)正常コントロールグループ;(2)モデルコントロールグループ;(3)アシピモックス100mg/kgグループ;(4)アシピモックス200mg/kgグループ;(5)アシピモックス300mg/kgグループ;(6)アシピモックス400mg/kgグループ;(7)アトルバスタチンカルシウム2.5mg/kgグループ;(8)アトルバスタチンカルシウム5mg/kgグループ;(9)アトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ;(10)アトルバスタチンカルシウム20mg/kgグループ;(11)アトルバスタチンカルシウム30mg/kgグループ;(12)アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム5mg/kgグループ;(13)アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ;(14)アシピモックス200 mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20 mg/kgグループ;(15)アシピモックス300 mg/kgとアトルバスタチンカルシウム5 mg/kgグループ;(16)アシピモックス300 mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10 mg/kgグループ;(17)アシピモックス300 mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20 mg/kgグループ;(18)アシピモックス400 mg/kgとアトルバスタチンカルシウム5 mg/kgグループ;(19)アシピモックス400 mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10 mg/kgグループ。各グループには10匹のラットが含まれる。
6.3 薬物投与
臨床で使用される投与の経路は経口であるために、本試験は胃管栄養法による投与を連続14日間使用した。胃管栄養法による投与は1日に1回、餌を与えた後にラットに行った。用量体積は体重の0.3ml/100gである。
6.4 測定
測定は5.4正常ラット試験と同じである。
7 アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの配合剤の異なる処方を比較する試験
7.1 グルーピング
アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの配合剤の用量は、相対的に著しい治療効果を有するアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムのグループから決定した:(1)正常コントロールグループ;(2)モデルコントロールグループ;(3)アシピモックス200mg/kg;(4)アシピモックス300mg/kg;(5)アトルバスタチンカルシウム10mg/kg;(6)アトルバスタチンカルシウム20mg/kg;(7)アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ配合グループ;(8)アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20mg/kgグループ配合グループ;(9)アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ配合グループ。グループを分ける前に、血清総コレステロールのレベルをそれぞれ測定し、均衡の原則に従ってランダムにグループを分けた。各グループには10匹のラットが含まれる。
7.2 薬物投与と測定
上記6.3と5.4同じである。
8 試験の結果
8.1 正常ラットの血脂レベルに対するアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの効果
正常ラットに4日間薬物を投与した後、アシピモックス、アトルバスタチンカルシウムとその併用したグループについては全て、総コレステロール、血清トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールは低減し、高密度リポタンパク質コレステロールのレベルは増加した。その結果を表1に示す。
Figure 0004741581
8.2 モデルラットの血脂レベルに対するアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの効果
高脂肪飼料を14日間与えた後、ラットをグループに分けた。アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムを処方したグループは、アシピモックスの用量範囲が100〜400mg/kg、アトルバスタチンカルシウムの用量範囲が2.5〜30mg/kgのものから成る。14日間薬物を投与した後、モデルコントロールグループに比べて、アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの全グループにおいて、血清総コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールのレベルが低下し、高密度リポタンパク質コレステロールのレベルが増加した。その結果を表2に示す。
モデルコントロールグループに比べて、アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kg、アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20mg/kg、アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという三つの薬物併用グループは血清総コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールのレベルが著しく低下し、高密度リポタンパク質コレステロールのレベルが著しく増加した。さらに上記の効果は相乗的に示された。アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという薬物併用グループの効果は最大である。
Figure 0004741581
8.3 モデルラットの血清酵素活性に対するアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの効果
本試験では、14日間薬物を投与した後の高脂血モデルラットの血清中のアラニントランスアミナーセとクレアチンキナーゼのレベルを測定することによって、モデルラットにおける肝臓及び骨格筋肉組織の機能に対するアシピモックス、アトルバスタチンカルシウム及びその配合剤の効果を評価した。その結果は、モデルコントロールグループに比べて、アシピモックス各用量(100〜400mg/kg)グループのモデルラットの血清中のアラニントランスアミナーセとクレアチンキナーゼのレベルは明確な差異はなく(P>0.05)、アトルバスタチンカルシウム各用量(2.5〜30mg/kg)グループのモデルラットの血清中の上記レベルも明確な差異はなく(P>0.05)、アトルバスタチンカルシウムとアシピモックスの各薬物併用グループのラットの血清中のアラニントランスアミナーセとクレアチンキナーゼのレベルも明確な差異はない(P>0.05)。その結果を表3に示す。
Figure 0004741581
8.4 アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの配合剤の異なる処方を比較する試験
高脂血モデルラットに連続して14日間薬物を投与した後、同じ用量でアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムのいずれかを単独で使用するのに比べて、アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムを併用したグループは、モデルラットの血清中における総コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールのレベルが著しく低下し、高密度リポタンパク質コレステロールのレベルが著しく増加した。その結果を表4に示す。
包括的な分析によって、モデルコントロールグループに比べて、アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kg、アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20mg/kg、アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという三つの薬物併用グループは著しい効果を有し、ラットの血清中における総コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールのレベルが著しく低下し、高密度リポタンパク質コレステロールのレベルが著しく増加した。同じ用量でアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムのいずれかを単独で使用するのに比べて、以上の三つの薬物併用グループについては、血清中の総コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールのレベルが著しく低下し、高密度リポタンパク質コレステロールのレベルが著しく増加した。上記の効果は上記三つの薬物併用グループにおいて相乗的に示された。三つのグループの中で、アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという薬物併用グループの効果は最大である。従って、アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという配合は好ましい。
Figure 0004741581
9 結論
アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの併用は高脂肪飼料によって誘発されたラットの高脂血症に対して著しい治療効果を有し、その血脂降下効果は該二つの薬物の用量と関連している。アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kg、アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20mg/kg、アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという薬物を併用した三つのグループは、著しい効果を有し、特に、ラットの血清中の総コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールのレベルが著しく低下し、高密度リポタンパク質コレステロールのレベルが著しく増加したことが示された。さらに上記の効果は相乗的である。そのグループの中では、アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという薬物併用グループの効果が最大であるため、アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgという配合は好ましい。本試験で使用した用量の範囲内において、アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの薬物併用グループは血清酵素活性に明確な影響を与えず、肝臓と横紋筋に対して明確な毒副作用もない。なお、アシピモックス単独では今まで3回/日投与されているが、本試験ではアシピモックスを1回/日の用量でも投与すれば著しい血脂降下効果を有し、かつ毒副作用が小さく、それは1日に1回の用量でアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの配合剤を投与するスキームを支持する信頼できる試験データを提供することが証明される。この投与のスキームは、患者の従順性を向上するように、薬剤をより便利にするに違いない。
(実施例10)
アシピモックスとプラバスタチンの併用、アシピモックスとロバスタチンの併用と比較したときのアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの併用による血脂降下効果
本試験では、我々は実施例9で選別したアシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの配合剤と前記特許文献に開示した組成物との比較研究をしたところ、驚いたことに、アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの併用は血清総コレステロール、血清トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールの低下に著しい相乗作用を示すだけではなく、アシピモックスとプラバスタチンの併用、アシピモックスとロバスタチンの併用に比べて、明確な差異があることが分かった。すなわち、アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの併用は血脂降下作用がより強く、高密度リポタンパク質コレステロールの増加作用がより強いことが示された。これは多くの動物試験に基づいている。
10.1 試験薬物、動物、高脂血症ラットモデルの調製は実施例9と同じである。
10.2 グルーピング
血清総コレステロールのレベル均衡の原則に従って、モデルラットをランダムに以下のように分けた:
正常コントロールグループ;
モデルコントロールグループ;
アシピモックス300mg/kgとプラバスタチン20mg/kgグループ;
アシピモックス300mg/kgとロバスタチン10mg/kgグループ;
アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム5mg/kgグループ;
アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ;
アシピモックス200mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20mg/kgグループ;
アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム5mg/kgグループ;
アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ;
アシピモックス300mg/kgとアトルバスタチンカルシウム20mg/kgグループ;
アシピモックス400mg/kgとアトルバスタチンカルシウム5mg/kgグループ;
アシピモックス400mg/kgとアトルバスタチンカルシウム10mg/kgグループ。
10.3 薬物投与
投与の方法は実施例9の6.3と同じである。
6.4 測定
血清中の総コレステロール(TC)、トリグリセリド(TG)、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール((HDL-C)を測定した。
10.5 試験の結果
高脂肪飼料を14日間与えた後、ラットをグループに分けて薬物を投与した。14日間投与した後、アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムをいろいろな用量で併用した全てのグループは、アシピモックス300mg/kgとプラバスタチン20mg/kgグループ、アシピモックス300mg/kgとロバスタチン10mg/kgグループに比べて、血清総コレステロール、血清トリグリセリド、低密度リポタンパク質コレステロールの降下に明確な差異があり、高密度リポタンパク質コレステロールを高めるのに優位性があることが分かった。試験結果は、アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの併用は血脂降下に予想外に優れた効果があることを十分に証明している。アシピモックスとアトルバスタチンカルシウムの併用は著しい相乗作用を表すだけではなく、先行技術に開示されたアシピモックスとロバスタチン、アシピモックスとプラバスタチンの併用に比べて、相当に優位性があることも証明している。その詳細な結果を表5に示す。
Figure 0004741581
参考文献
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[8] Biochim. Biophys. Acta. 2002,1580(2-3):161-170

Claims (7)

  1. a)第一活性成分としてアシピモックス(Acipimox)、及びb)第二活性成分としてアトルバスタチン(Atorvastatin)、或いはその薬理学に許容の塩、エステル、溶媒化物を含有すると共に、上記第一活性成分と上記第二活性成分の重量比は(10〜80):1であることを特徴とする高脂血症を治療する組成物。
  2. 上記アトルバスタチンの薬理学に許容の塩はナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、また鉄塩の群から選ばれる塩であることを特徴とする請求項1記載の高脂血症を治療する組成物。
  3. 上記アトルバスタチンの薬理学に許容のエステルは脂肪族アルコール、アリールアルコール、複素環のアルコールで形成されるエステルであることを特徴とする請求項1記載の高脂血症を治療する組成物。
  4. 上記第二活性成分はアトルバスタチンのカルシウム塩であることを特徴とする請求項1または2記載の高脂血症を治療する組成物。
  5. 上記第一活性成分と上記第二活性成分の重量比は(10〜30):1であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の高脂血症を治療する組成物。
  6. 上記第一活性成分と上記第二活性成分の重量比は30:1であることを特徴とする請求項記載の高脂血症を治療する組成物。
  7. 上記組成物は錠剤、カプセル剤、粒剤、丸剤、滴丸剤であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の高脂血症を治療する組成物。
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