JP4741087B2 - レーザ溶接方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、レーザ溶接方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、レーザによるキーホール溶接において、ポロシティーや割れなどの溶接欠陥の発生を効果的に防止することのできる新しいレーザ溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明の課題】
近年、レーザ発振器の大出力化が飛躍的に進み、深溶込み・高速溶接への適応が期待されている。しかしながら、溶込みが深くなるにしたがい、キーホールを安定に維持することが困難となり、これに基づき、ポロシティ、ブローホール、割れなどの欠陥が発生しやすくなる。そのため、これらの欠陥を防止し、高品質な溶接継手を提供することが課題となる。つまり、レーザによる深溶込み溶接技術を、構造材などを含む広範囲な材料加工に適応するためには、このような欠陥の防止方法が必要不可欠となる。
【0003】
そこで、この出願の発明は、以上のような問題点を解消し、レーザによるキーホール溶接において、ポロシティ、ブローホール、割れなどの溶接欠陥の発生を効果的に防止して高品質な溶接を実現することのできる、新しいレーザ溶接方法を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、出力のパルス変調を行うレーザによるキーホール溶接において、金属溶融池の固有振動数と一致した周波数でレーザ出力を周期的に変動させて溶接することを特徴とするレーザ溶接方法を提供する。
【0005】
また、この出願の発明は、大出力のCO2レーザによる深溶込み溶接を行うことを特徴とする上記のレーザ溶接方法も提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記のとおりの特徴を有するものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0007】
すなわち、まず、この出願の発明は、レーザを用いたキーホール溶接において、溶融池の固有振動と一致した周波数でレーザ出力を変動することにより、ポロシティー、ブローホール及び割れ等の溶接欠陥を効果的に防止することを特徴としている。
【0008】
概略的に説明すると、たとえば、図1に示すように、レーザにより溶接を行う場合、溶込みが深くなるに従って、キーホールの安定な形成が困難となり、これにともなってポロシティ(空孔)などの溶接欠陥が発生しやすくなる。このようなキーホール溶接において、図2に示したような出力のパルス変調を行ったレーザにより溶接を行うと、図2とともに図3にも例示したように、パルスが立ち上がる(図2t、図3(a))時点で、激しいプラズマの発生を伴って大量の溶融金属がキーホール内部から噴出する(図3(b))。噴出した溶融金属は、波動として溶接池表面を後端に向かって移動し(図3(c))、ここで反射した後(図3(d))再びキーホールへと戻る(図3(e)(f))。そこで、この出願の発明においては、この溶融金属の移動について、出力の変動周波数を溶融池の往復運動の周波数すなわち溶融金属の固有振動周波数に一致させる。このようにすることで、溶融池の共振により溶融金属の流動を活発にすることができ、これにより上記溶接欠陥の発生を防止することができる。なお、出力の周期的な振動は、溶融金属の共振周波数で行えば、矩形パルス波形だけでなく他のあらゆる波形でも実現することができる。
【0009】
以上のことからも明らかなように、この出願の発明においては、「金属溶融池の固有振動数」は、溶融した金属の表面で発生する波の往復運動の周波数を意味している。従って、この発明では、出力のパルス変調を行ってのレーザ溶接において、パルスレーザ出力をこの往復運動の周波数に一致させて周期的に変動させることになる。
【0010】
従来では、YAGレーザ溶接を中心にレーザの出力変動により、プロホール、割れ、スパッタ等の溶接欠陥を防止しようとする方法が知られているが、この出願の発明のように、金属溶融池の固有振動に着目し、これと一致した周波数の出力変動により欠陥を防止した例は全く知られていない。
【0011】
また、亜鉛メッキ鋼板のポロシティをパルス発振によって防止した例も知られているが、亜鉛の高い蒸気圧に起因して発生する欠陥の発生機構はこの出願の発明で対象とした欠陥の機構と異なるものであり、したがって防止手法も本質的に相異している。
【0012】
もちろん、この出願の発明においては、対象とする被溶接材と、溶接材料の種類に特段の限定はなく、レーザによるキーホール溶接についての基本技術としてこの出願の発明は重要である。また、レーザ発振装置についても同様に各種のものであってよい。出力をパルス変調可能としているものであればよい。
【0013】
なかでも、この出願の発明は、大出力レーザとしてCO2レーザを用いての高品質深溶込み溶接に好適に適用されることになる。
【0014】
そして、実際の溶接操作においては、溶融金属表面の波の移動を高速度カメラ等で観察することによって、レーザ出力のパルス変調の周波数を溶融金属の固有振動周波数にその場で一致させてもよいし、あらかじめ一致させることが検証された周波数にレーザ出力のパルス周波数を設定するようにしてもよい。
【0015】
そこで、以下に実施例を示し、さらに詳しくこの出願の発明について説明する。もちろん、以下の例によって発明が限定されることはない。
【0016】
【実施例】
パルス変調を行ったCO2レーザを用いて、一般溶接構造用鋼SM490Cの部分溶込み溶接を行った。シールドガスにはHeを用い、流量50L/minでサイドシールドを行った。
【0017】
出力波形は、図2に示すような矩形波を用い、ピーク出力WPを20kW、ベース出力WBを12kWに設定した。また、デューティーは50%及び70%の2種類を選択し、種々の周波数のもとで、ビードオンプレート溶接を行った。溶接欠陥の検出は、溶接試験片の側面から、レーザビーム軸及び溶接線と直角方向に照射したX線検査により行った。溶接金属の面積に対する検出された欠陥面積の総和の割合(%)を欠陥発生率Prと定義し、Prにより欠陥の抑制効果を評価した。図4は、種々の周波数のもとでPrを測定した結果を示すが、デューティーが50%の時は16Hz、70%の時は13Hzの周波数でそれぞれ欠陥が最も効果的に抑制された。
【0018】
このような条件のもとで、溶接中に溶融池表面の動きを高速度カメラで観察した。その結果、図3に模式図に示すように、レーザ出力がベース出力WBからピーク出力WPへ立ち上がるときに発生する波が溶融池後端に向かって進み、後端で反射した後再びキーホールへ向かう現象が観察された。この波の往復運動すなわち固有振動の周波数fは、溶融池の長さをL、波の速度(溶接速度)をvとしたとき、以下の式で示される。
【0019】
f=v/2L (1)
表1に、デューティが50%及び70%の時に高速度撮影により求めたL、v及び(1)式から求めたfの値を示す。表1より、いずれのデューティーにおいても、欠陥が効果的に抑制されるパルス変調周波数と溶融池の固有振動周波数が良く一致していることがわかる。したがって、溶融池の固有振動と共振した周波数でレーザ出力を周期的に変動させることにより、ポロシティー等の溶接欠陥が効果的に防止できることが実証された。
【0020】
【表1】
Figure 0004741087
【0021】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、溶接欠陥の発生を抑えた、レーザによるキーホール溶接が可能となる。
【0022】
また、特に厚板の溶接において深刻な問題である溶接欠陥の防止方法が提供されることから、従来困難であった厚板の高品質レーザ溶接が可能になり、レーザ溶接の適用分野の拡大が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キーホールレーザ溶接について説明した概要図である。
【図2】実施例で使用した出力波形を例示した図である。図中WPはピーク出力、WBはベース出力を示す。
【図3】溶融池の動きを説明する模式図である。
【図4】周波数とポロシティ発生率の関係を示し、共振周波数で最もポロシティ発生率が小さくなることを示している。図中Prは欠陥発生率(溶接金属の面積に対する検出された欠陥面積の総和の割合(%))を示す。

Claims (2)

  1. 出力のパルス変調を行うレーザによるキーホール溶接において、金属溶融池の固有振動数と一致した周波数でレーザ出力を周期的に変動させて溶接することを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. CO2レーザにより溶接することを特徴とする請求項1のレーザ溶接方法。
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