JP4741070B2 - 輪転印刷機の版胴に版の後縁を締め付ける装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輪転印刷機の版胴に版の後縁を締め付ける装置であって、版胴の軸方向に延びている胴通路内に配置されているねじり軸を備え、その際このねじり軸上に複数の締め付けエレメントが、ねじり軸に対して相対的に不動に固定されており、これらの締め付けエレメントは版を締め付けるための複数の保持エレメントと協働し、かつ版の締め付けを可能にし、かつ、ねじり軸に調節手段が設けられており、該調節手段は胴側壁に支えられていて、かつ版の軸方向での伸長を可能にし、その際ねじり軸は胴中央において支持軸受内で回転可能に軸受されている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
この形式の公知の構造のものは DE 42 44 279 A1 に開示されており、その際ここでは版が締め付けられた状態で、処理される担体の伸長によって、印刷像変化に適合可能である。この公知の解決策により、版後縁は軸方向で見て中央に配置された支持軸受から両側に向かって伸長させることができる。更に公知の構造のものでは、単に一方の側あるいは他方の側だけを伸長することが可能であり、これにより印刷担体上に一方の側でインク付けされる場合に、版後縁の適合せしめられた伸長を行うことができる。
【０００３】
実地においてしばしば、版をその端部範囲においてわずかに圧縮しなければならないという問題が生じる。この可能性は従来技術の装置においては与えられていない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の根底をなす課題は、版後縁の伸長に対して付加的に圧縮も可能である装置をもたらすことである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この課題は本発明によれば請求項１の特徴によって解決される。
【０００６】
【発明の効果】
本発明の効果は特に、版板後縁を多様に操作し得ることに存する。例えば、版を特定の範囲において伸長又は圧縮することが可能である。
【０００７】
【発明の実施の形態】
有利な実施形態においては、調節手段として、それぞれ胴側壁に支えられている中空ねじが設けられており、この中空ねじは軸方向の調節力を両方の軸方向で作用させることができ、この中空ねじと調節軸との間に配置されたばね手段、有利には皿ばね、が製作に基づく遊びを版伸長圧縮装置から押し出す。
【０００８】
ほかの有利な実施形態は請求項から取り出すことができる。
【０００９】
【実施例】
本発明の１実施例は図面に示されており、以下において説明する。
【００１０】
輪転印刷機、例えばシート７を処理する印刷機１、は給紙装置２、少なくとも１つの印刷機構３若しくは４及び排紙装置６を有している。シート７はシートパイル８から取り出され、かつ個別化されあるいはうろこ形に供給テーブル９を経て印刷機構３及び４に供給される。これらの印刷機構は公知の形式でそれぞれ１つの版胴１１；１２を有している。版胴１１及び１２はそれぞれ可とう性の版を固定するための１つの装置１３，１４を有している。更に各区版胴１１；１２には、半自動的又は全自動的に版交換を行うための装置１６；１７が配属されている。
【００１１】
シートパイル８は、制御されて上昇可能なパイル板１０上に位置している。シート７の取り出しは、シートパイル８の上側からいわゆる吸引ヘッド１８によって行われ、この吸引ヘッドはなかんずく、シート７を個別化するための多数の持ち上げ吸引器１９及び引きずり吸引器２１を有している。更に上側のシート層を緩めるためのブロー装置２２及びパイル追送のための触測エレメント２３が設けられている。シートパイル８、特に上側のシート７、の整向のために、多数の側方及び後方のストッパ２４が設けられている。
【００１２】
版胴１１，１２は互いに同じ構造であり、したがって本発明は以下においては単に版胴１１によって説明する。この版胴は端面に胴側壁−いわゆる胴まくら２６，２７−を有しており、これらの胴側壁の間で胴通路２８が延びている。胴通路内には２分された調節軸としてのねじり軸２９，３０が配置されており、これらのねじり軸はそれらの第１の端部をそれぞれ胴側壁２６，２７内で、かつそれらの第２の端部を胴通路２８内の中央の支持部３１内で軸受されている。中央の支持部３１はブッシュの形を有していて、かつそれぞれ１つの可動ラジアル軸受３２，３３を支持しており、これらの可動ラジアル軸受内でねじり軸２９，３０の第２の端部が支えられている。可動ラジアル軸受３２，３３はこれによりねじり軸２９，３０の回動運動もまた支持部３１内でのこれらのねじり軸のしゅう動も可能にする。支持部３１は胴通路２８内で版胴１１に固くねじ止めされている。ねじり軸２９，３０の第１の端部は旋回可能にそれぞれ１つのニードル軸受３４によって胴側壁２６，２７内で軸受されている。ねじり軸２９；３０は端面にストッパプレート３６を支持しており、このストッパプレートはスラスト軸受３７を介して中空ねじ３８の形の調節エレメントに支えられている。中空ねじ３８は貫通孔３９を調節軸２９，３０の端部を無接触で受容するために有しておりかつ外ねじ山４１を有しており、この外ねじ山により中空ねじ３８はそれぞれ１つの胴側壁２６；２７のねじ孔４２内にねじ込まれている。中空ねじ３８は皿ばね４３及び別のスラスト軸受４４を介して調節軸２９；３０上に固定されたストッパ４６の端面に支えられている。ストッパ４６と並んで互いに小さな間隔をおいてそれぞれ固く調節軸２９；３０上で分配された版締め付け台４７が座着している。これらの版締め付け台はそれぞれ１つの保持体４８を有しており、この保持体に旋回可能に締め付けエレメントが締め付けグリッパ４９の形で配置されており、この締め付けグリッパは版締め付け台４７と協働する。版胴１１に支えられている押しばね５１は締め付けグリッパ４９に作用してかつこれにより締め付け力を締め付けグリッパ４９にまた締め付け位置において締め付け力を版締め付け台４７に及ぼす。版胴１１に支えられている、例えば空気力式クッションの形の調節エレメント５２は版締め付け台４７に押しばね５１の力に抗して作用しかつこれにより版５０を緩める。
【００１３】
付加的な締め付けねじ５３はそれぞれ締め付けグリッパ４９の貫通孔５４内に配置されていてかつそのねじ山によりそれぞれ１つの版締め付け台４７のねじ孔５６内に係合している。
【００１４】
締め付けねじ５３によって版５０は版胴の軸方向の長さにおいて部分的に特別に固定され、次いでねじり軸２９，３０の軸方向の運動によって部分的な固定部の間で伸長又は圧縮を行うことができる。単に押しばね５１の力だけによって締め込まれている版５０の部分は、この場合その締め付け装置に対して相対運動、特に軸方向の相対運動、を行うことができる。版５０の伸長又は圧縮はこれにより、ねじり軸２９上に配置されている版締め付け台４７とねじり軸３０上に配置されている版締め付け台４７との間に位置する各範囲において生ぜしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】シート輪転印刷機の概略図である。
【図２】版胴通路及び版のための締め付け保持エレメントの横断面図である。
【図３】本発明による伸長圧縮装置を備えた版胴通路の縦断面図である。
【図４】調節軸のための調節エレメントの拡大図である。
【図５】調節軸のための軸受箇所の拡大図である。
【符号の説明】
１ 印刷機、 ２ 給紙装置、 ３ 印刷機構、 ４ 印刷機構、 ６ 排紙装置、 ７ シート、 ８ シートパイル、 ９ 供給テーブル、 １０ パイル板、 １１ 版胴、 １２ 版胴、 １３ 版固定装置、 １４ 版固定装置、１６ 版交換装置、 １７ 版交換装置、 １８ 吸引ヘッド、 １９ 持ち上げ吸引器、 ２１ 引きずり吸引器、 ２２ ブロー装置、 ２３ 触測エレメント、 ２４ ストッパ、 ２６ 胴まくら、胴側壁、 ２７ 胴まくら、胴側壁、 ２８ 胴通路、 ２９ ねじり軸、調節軸、 ３０ ねじり軸、調節軸、 ３１ 支持部、 ３２ 可動ラジアル軸受、 ３３ 可動ラジアル軸受、 ３４ ニードル軸受、 ３６ ストッパプレート、 ３７ スラスト軸受、 ３８ 中空ねじ、 ３９ 貫通孔、 ４１ 外ねじ山、 ４２ ねじ孔、 ４３ 皿ばね、 ４４ スラスト軸受、 ４６ ストッパ、 ４７ 版締め付け台、 ４８ 保持体、 ４９ 締め付けグリッパ、 ５０ 版、 ５１ 押しばね、 ５２ 調節エレメント、 ５３ 締め付けねじ、 ５４ 貫通孔、 ５６ ねじ孔

Claims (3)

1. 輪転印刷機の版胴に版の後縁を締め付ける装置であって、版胴の軸方向に延びている胴通路内に配置されているねじり軸を備え、このねじり軸上に複数の保持エレメントが、ねじり軸に対して相対的に不動に固定されており、これらの保持エレメントは版を締め付けるための複数の締め付けエレメントと協働し、かつ版胴の両側に、版の軸方向での伸長を可能にするための調節手段が設けられている形式のものにおいて、
   前記ねじり軸（２９，３０）が２分されて構成されており、該ねじり軸（２９，３０）が、それぞれ内側の第２の端部で胴通路（２８）内に設けられた中央の支持部（３１）に軸受され、かつ外側の第１の端部で胴側壁（２６，２７）に軸受されており、前記ねじり軸（２９，３０）が、前記第１の端部の端面にストッパプレート（３６）を備えており、該ストッパプレート（３６）と前記胴側壁（２６，２７）との間に、それぞれ中空ねじ（３８）として形成された調節手段（３８）が設けられており、該中空ねじ（３８）が、前記ねじり軸（２９，３０）を無接触で受容するための貫通孔（３９）を有しており、前記中空ねじ（３８）が、前記胴側壁（２６；２７）のねじ孔（４２）と協働する外ねじ山（４１）を有しており、一方の前記中空ねじ（３８）が、他方の前記中空ねじ（３８）と無関係に軸方向でしゅう動可能に前記ねじり軸（２９；３０）に取り付けられていることを特徴とする、輪転印刷機の版胴に版の後縁を締め付ける装置。
2. 前記中空ねじ（３８）と前記保持エレメントとの間にそれぞれ皿ばね（４３）が配置されていることを特徴とする、請求項１記載の装置。
3. 前記中央の支持部（３１）および前記胴側壁（２６，２７）が、それぞれ転がり軸受（３２，３３，３４）を備えており、前記ねじり軸（２９，３０）が前記転がり軸受（３２，３３，３４）内で回転可能にかつ軸方向にしゅう動可能に軸受されていることを特徴とする、請求項１または２記載の装置。

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