JP4740726B2 - 平行移動装置およびこれを備えたアクチュエータ、レンズユニットおよびカメラ - Google Patents

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Description

この発明は、平行移動装置およびこれを備えたアクチュエータ、レンズユニットおよびカメラに関し、特に所定の平面内で任意の方向に移動させることができる平行移動装置およびこれを備えたアクチュエータ、レンズユニットおよびカメラに関する。
従来より、可変倍率レンズなどの撮影用レンズを備えるレンズ装置においては、たとえば手ぶれなどの振動によって発生するいわゆる像ぶれを防止するための防振装置が多く採用されている。このような防振装置では、たとえば撮影用レンズを収容するレンズ鏡筒の振動を検出し、検出された振動に基づいて像ぶれを起こさないように撮影用のフィルムに平行な面内で補正用レンズを駆動することによって像ぶれを防止している。そして、通常、このような防振装置は、補正用レンズを所定の平面内で平行移動させる平行移動機構を備えている。
このような平行移動機構は、たとえばつぎのように構成されている。すなわち、防振装置の平行移動機構は、補正用レンズを固定した固定枠と、この固定枠を光軸に直交する第1の方向に摺動可能に支持する第1の保持枠と、この第1の保持枠を光軸および第1の方向と略直交する第2の方向に摺動可能に保持するとともにレンズ鏡筒に固定された第2の保持枠とから構成されている。
そして、補正用レンズは、これら直交する第1の方向および第2の方向の運動を合成することによって、レンズ鏡筒に対してフィルムに平行な面内で任意の方向に並進運動可能に支持されている。さらに、このような平行移動機構を備える防振装置は、上述した第1の方向および第2の方向に補正用レンズを駆動するための専用のリニアモータをそれぞれ備えて構成されており、これらのリニアモータによる駆動量を合成することによって補正用レンズを任意の方向に移動させている。
また、このような防振装置による像ぶれ防止機能を有するレンズ装置においては、いずれも補正用レンズを平行移動可能に支持する平行移動機構が、補正用レンズを一定の方向に摺動可能にガイドするガイド手段と、その方向に補正用レンズを駆動する駆動手段との組み合わせを、直交する二方向(たとえば、X方向およびY方向)に設けることによって補正用レンズを任意の方向に移動させて像ぶれを防止している(たとえば、特許文献1参照。)。
特開平3−186823号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術の防振装置では、互いに直交する二方向に配置されたガイド手段と、その方向の駆動手段とを組み合わせて構成された平行移動機構によって像ぶれを防止するため、たとえば固定枠と保持枠との支持機構などが複雑になるという問題がある。そして、支持機構が複雑になると、平行移動機構の可動部分における質量が大きくなるため、高速かつリニアな平行移動が難しくなるという問題がある。
また、従来技術の防振装置では、平行移動機構とガイド手段との間に摺動抵抗が発生するので、平行移動機構を制御する場合の制御性が悪くなるという問題がある。さらに、直交する二方向に配置されたガイド手段を使用したアクチュエータでは、可動部分を所定の平面内で任意の方向に並進運動させることはできるが、可動部分を光軸周りなどに回転運動させることはできないという問題がある。
そして、このような構造の平行移動機構におけるガイド手段や支持機構には、少ない摩擦で動くためのある程度のクリアランスが必要となるため、このクリアランス相当の空間部分において意図しない移動が発生してしまう場合があり、位置決めに誤差を生じてしまうという問題がある。また、このようなクリアランスを設けた場合に、部材同士が当接せずに移動するときと摺動しながら移動するときとでは、駆動に関する負荷が変わるため、制御精度が低下してしまうという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、簡単な構造で高速かつリニアに応答して移動することができる平行移動装置およびこれを備えたアクチュエータ、レンズユニットおよびカメラを提供することを目的とする。また、この発明は、可動部分を所定の平面内でスムーズかつ高精度に任意の方向に並進運動または回転運動させることができる平行移動装置およびこれを備えたアクチュエータ、レンズユニットおよびカメラを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる平行移動装置は、筐体側に設けられた固定部材と、光学系側に設けられた可動部材と、前記固定部材および前記可動部材の間に設けられ一方の端部が前記固定部材と当接し他方の端部が前記可動部材と当接して両者を支持するとともに、前記光学系の光軸に対して略直交する方向への前記可動部材の移動を可能とする支持部材と、を備え、前記支持部材は、前記可動部材を前記固定部材に対して平行支持するとともに、前記固定部材および前記可動部材とそれぞれ当接する前記両端部が曲面を有し、かつ、前記両端部の曲面の曲率半径の中心点が共通しており、前記固定部材および前記可動部材の間で当該可動部材の動きに応動して前記一方の端部を支点としつつ前記略直交する方向へ傾動するピン形状部材からなり、前記固定部材と前記可動部材の光軸方向の変位がないことを特徴とする。
この発明によれば、可動部材が、固定部材および可動部材とそれぞれ当接する両端部に曲面を有し、これらの部材間で可動部材の動きに応じて一方の端部を支点としつつ光軸に対して略直交する方向へ傾動するピン形状部材によって平行支持される。このため、可動部材が平行移動されると、支持部材は、固定部材と可動部材との間で移動方向へ傾動しつつ両者を平行支持する。
これにより、可動部材が固定部材に対して平行移動されるとき、従来のような摺動抵抗が生じない構造を実現し、この構造によって可動部材の移動に関する推力(駆動力)を小さくすることができるため、簡単な機構で可動部材を高速かつリニアに応答させて移動させることができるとともに、可動部材を固定部材に対して平行な平面内で任意の方向に並進運動または回転運動させることが可能となる。
また、支持部材は、ピン形状部材の両端部に曲面が形成されて傾動する構造からなるため、たとえばボールのような球状体からなる支持部材と比較して、支持部材の配置占有体積や質量を大きくすることなく固定部材および可動部材と当接するこれらの曲面の半径を大きくすることができる。これにより、支持部材の両端部の曲面に加わる単位面積当たりの接触圧力を低くすることができ、支持部材を構成する材料の選択肢を広げることが可能となる。
また、この発明にかかる平行移動装置は、上記に記載の発明において、前記支持部材は、前記両端部のうち、前記固定部材と当接する一方の端部と、前記可動部材と当接する他方の端部とが、それぞれ異なる曲率からなる前記曲面を有するように形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、支持部材が、固定部材と当接する一方の端部と、可動部材と当接する他方の端部とにそれぞれ異なる曲率からなる曲面を有しているため、これらの曲面における単位面積当たりの接触圧力の設計自由度を向上させることができる。
また、この発明にかかる平行移動装置は、上記に記載の発明において、前記支持部材は、前記両端部のうち、前記固定部材と当接する一方の端部の前記曲面の曲率が、前記可動部材と当接する他方の端部の前記曲面の曲率よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、支持部材における固定部材と当接する一方の端部の曲面の曲率が可動部材と当接する他方の端部の曲面の曲率よりも小さいため、単位面積当たりの可動部材と支持部材との接触圧力を固定部材と支持部材との接触圧力よりも低くすることができる。このため、支持部材の変形を抑えて可動部材の移動をスムーズにおこなうことが可能となる。
また、この発明にかかる平行移動装置は、上記に記載の発明において、前記固定部材および前記可動部材のいずれか一方に設けられた少なくとも3つの駆動用コイルと、前記固定部材および前記可動部材のいずれか他方の前記駆動用コイルとそれぞれ対応する位置に設けられた駆動用磁石とを有し、磁界の作用によって前記可動部材の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段によって検出された位置検出結果に基づいて、前記可動部材を外部からの振動を打ち消すように移動制御する制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
この発明によれば、少なくとも3つの駆動用コイルとそれぞれ対応する駆動用磁石とを有する位置検出手段によって可動部材の位置を検出し、検出した位置検出結果に基づいて制御手段によって可動部材を外部からの振動を打ち消すように移動制御することができるため、外部からの振動による影響を効果的に防止することができる。
また、この発明にかかる平行移動装置は、上記に記載の発明において、前記支持部材は、前記固定部材および前記可動部材の間に所定の間隔を形成するとともに両者の間に複数配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、複数配置された支持部材によって固定部材および可動部材の間に所定の間隔を形成しつつ両者を支持するため、固定部材および可動部材を確実に平行支持することができるとともに、可動部材が平行移動する際に固定部材と可動部材とが当接することなくスムーズに並進運動または回転運動させることができる。
また、この発明にかかる平行移動装置は、上記に記載の発明において、前記支持部材は、前記可動部材の動きに応動して傾動する際に、前記所定の間隔における距離を保った状態で前記可動部材を平行支持することを特徴とする。
この発明によれば、支持部材が傾動する際に、所定の間隔における距離を保った状態で可動部材を平行支持するため、光軸方向の変位がない構造を実現し、固定部材と可動部材とが当接することなくスムーズに並進運動または回転運動させることができる。
また、この発明にかかる平行移動装置は、上記に記載の発明において、前記可動部材の移動に際して前記支持部材の前記光軸に平行な軸を中心とした回転方向への回転を防止する回転防止手段をさらに備えることを特徴とする。
この発明によれば、回転防止手段によって、支持部材の光軸に平行な軸を中心とした回転方向への回転を防止することができるため、可動部材の移動の際に、支持部材が回転することによって支持部材と固定部材や可動部材とが予期せぬ状態で当接してしまうことによる不具合を防止して、自由度の高い傾動動作をおこなうことが可能となる。
また、この発明にかかるアクチュエータは、筐体側に設けられた固定部材と、光学系側に設けられた可動部材と、前記固定部材および前記可動部材の間に設けられ一方の端部が前記固定部材と当接し他方の端部が前記可動部材と当接して両者を支持するとともに、前記光学系の光軸に対して略直交する方向への前記可動部材の移動を可能とする支持部材と、前記固定部材および前記可動部材のいずれか一方に設けられた少なくとも3つの駆動用コイルと、前記固定部材および前記可動部材のいずれか他方の前記駆動用コイルとそれぞれ対応する位置に設けられた駆動用磁石と、前記駆動用コイルに対する前記駆動用磁石の位置を磁界の作用によってそれぞれ検出する位置検出手段と、外部からの振動を打ち消すように前記可動部材の移動すべき位置を指令する信号に基づきそれぞれの前記駆動用コイルに対するコイル位置指令信号を生成し、当該コイル位置指令信号および前記位置検出手段によってそれぞれ検出された位置検出結果に基づいて前記駆動用コイルに流す電流をそれぞれ制御する制御手段と、を備え、前記支持部材は、前記可動部材を前記固定部材に対して平行支持するとともに、前記固定部材および前記可動部材とそれぞれ当接する前記両端部が曲面を有し、かつ、前記両端部の曲面の曲率半径の中心点が共通しており、前記固定部材および前記可動部材の間で当該可動部材の動きに応動して前記一方の端部を支点としつつ前記略直交する方向へ傾動するピン形状部材からなり、前記固定部材と前記可動部材の光軸方向の変位がないことを特徴とする。
さらに、この発明にかかるレンズユニットは、レンズを収容するレンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒に取り付けられた固定部材と、画像安定化用レンズが取り付けられた可動部材と、前記固定部材および前記可動部材の間に設けられ一方の端部が前記固定部材と当接し他方の端部が前記可動部材と当接して両者を支持するとともに、前記画像安定化用レンズの光軸に対して略直交する方向への前記可動部材の移動を可能とする支持部材と、前記固定部材および前記可動部材のいずれか一方に設けられた少なくとも3つの駆動用コイルと、前記固定部材および前記可動部材のいずれか他方の前記駆動用コイルとそれぞれ対応する位置に設けられた駆動用磁石と、前記駆動用コイルに対する前記駆動用磁石の位置を磁界の作用によってそれぞれ検出する位置検出手段と、前記レンズ鏡筒の振動を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段によって検出された振動検出結果に基づいて、前記画像安定化用レンズを移動させる位置を指令するレンズ位置指令信号を生成するレンズ位置指令信号生成手段と、前記レンズ位置指令信号生成手段によって生成されたレンズ位置指令信号に基づきそれぞれの前記駆動用コイルに対するコイル位置指令信号を生成し、当該コイル位置指令信号および前記位置検出手段によってそれぞれ検出された位置検出結果に基づいて前記駆動用コイルに流す駆動電流をそれぞれ制御する制御手段と、を備え、前記支持部材は、前記可動部材を前記固定部材に対して平行支持するとともに、前記固定部材および前記可動部材とそれぞれ当接する前記両端部が曲面を有し、かつ、前記両端部の曲面の曲率半径の中心点が共通しており、前記固定部材および前記可動部材の間で当該可動部材の動きに応動して前記一方の端部を支点としつつ前記略直交する方向へ傾動するピン形状部材からなり、前記固定部材と前記可動部材の光軸方向の変位がないことを特徴とする。
また、この発明にかかるカメラは、上記に記載の発明におけるレンズユニットを備えることを特徴とする。
この発明によれば、両端部に曲面を備えたピン形状部材からなる支持部材によって固定部材に対して可動部材を簡単な構造で平行支持しつつ可動部材を高速かつリニアに応答させて移動させることができるため、可動部材を所定の平面内でスムーズかつ高精度に任意の方向に並進運動や回転運動によって移動させることができるという効果を奏する。
(実施の形態1)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる平行移動装置およびこれを備えたアクチュエータ、レンズユニットおよびカメラの好適な実施の形態1を詳細に説明する。まず、図1〜図23を参照して、この発明の実施の形態1にかかるカメラを説明する。
(平行移動装置を備えたカメラの全体構成)
図1は、この発明の実施の形態1にかかるカメラの断面図である。図1に示すように、この発明の実施の形態1にかかるカメラ100は、レンズユニット120と、カメラ本体140とから構成されている。レンズユニット120は、たとえば円筒形状に形成された筐体を有するレンズ鏡筒160と、このレンズ鏡筒160の内部に配設された複数枚のレンズからなる撮影用レンズ180と、画像安定化用レンズ116を所定の平面内で移動させるアクチュエータ110と、レンズ鏡筒160の振動を検出する振動検出手段としてのジャイロ134a,134b(図1にはジャイロ134aのみ図示)と、を備えて構成されている。
このように構成されたカメラ100では、ジャイロ134a,134bによってレンズ鏡筒160の振動を検出し、検出された振動に基づいてアクチュエータ110を作動させて画像安定化用レンズ116を光軸LAと略直交する方向の平面内で任意の方向に移動させ、カメラ本体140のフィルム面Fに合焦される画像を安定化させている。なお、アクチュエータ110は、レンズ鏡筒160に固定された固定板112、画像安定化用レンズ116が取り付けられた移動枠114およびこれらを平行支持するピン形状体118を有する、後述するような平行移動装置111と駆動手段とを備えて構成されている。
また、この実施の形態1にかかるカメラ100においては、ジャイロ134a,134bとして圧電振動ジャイロを採用しているが、その他の構造のジャイロを採用するようにしてもよい。なお、画像安定化用レンズ116は、この実施の形態1においては1枚のレンズによって構成されているが、フィルム面Fに合焦させる画像を安定させるために複数枚のレンズによって構成されていてもよい。以降において、画像安定化用レンズ116は、画像を安定させるための1枚のレンズおよび複数枚のレンズによって構成されるレンズ群を含むこととする。
(カメラに備えられたアクチュエータの全体構成)
つぎに、図2〜図6−2を参照して、カメラ100に備えられたアクチュエータ110を説明する。図2は、この発明の実施の形態1にかかるカメラに備えられたアクチュエータの正面部分断面図である。また、図3は、このアクチュエータの簡易分解斜視図である。また、図4は、図2のA−A簡易断面図である。また、図5は、アクチュエータの側方一部断面図である。
なお、図2は、図1におけるカメラ本体140のフィルム面F側からアクチュエータ110を見た様子をあらわす図であり、アクチュエータ110の固定板112を部分的に破断して示しているが、ここでは、便宜的にこれを正面図と呼ぶこととする。
図2〜図5に示すように、アクチュエータ110は、カメラ100のレンズ鏡筒160内に固定された固定部材である固定板112と、この固定板112に対して移動可能に支持された可動部材である移動枠114と、この移動枠114を固定板112に対して平行支持する支持部材であるピン形状部材からなるピン形状体118とを備えた平行移動装置111を有して構成されている。
なお、支持部材であるピン形状体118は、固定板112と移動枠114との間に複数配置されていればよく、たとえばここでは3つ配置されている。また、これら3つのピン形状体118は、可動部材である移動枠114を固定部材である固定板112に対して支持する可動部材支持手段を構成する。これらのピン形状体118は、固定板112および移動枠114をその厚さ方向が光軸LAと平行となるように並設した状態で支持する。これらのピン形状体118の軸方向両端部は、たとえば固定板112および移動枠114とそれぞれ当接する曲面を有するように形成されている。
なお、移動枠114におけるピン形状体118の配置位置には、固定板112と対向する方向に開口を有する凹部104(たとえば、図1、図4および図5参照)が形成されている。ピン形状体118は、一方の端部が固定板112と当接し、他方の端部がこの凹部104における光軸LA方向最奥部で当接するように配置されている。また、この凹部104は、移動枠114のみならず、固定板112におけるピン形状体118の配設位置において、移動枠114と対向する方向に開口を有するように形成されていても、固定板112のみに形成されていてもよい。
このように、固定板112および移動枠114の少なくとも一方におけるピン形状体118の配設位置に凹部104を設けることによって、ピン形状体118の軸方向長さをある程度確保した状態で、固定板112および移動枠114の間に所定の間隔を形成して両者を平行支持することができる。これらのピン形状体118は、移動枠114の移動に際して、たとえば移動枠114の動きに応動して固定板112との当接側の端部を支点としつつ光軸LAと略直交する方向へ傾動する。
このため、移動枠114の移動時に固定板112に対して移動枠114が当接せず、ピン形状体118の十分な傾動量を確保しながら移動枠114を移動させることができるため、移動枠114を高速かつスムーズに移動させることが可能となる。
また、アクチュエータ110は、たとえば固定板112にフレキシブル基板119(図3参照)を介して取り付けられた3つの駆動用コイル150a,150b,150cと、移動枠114におけるこれら3つの駆動用コイル150a〜150cと対応する位置にそれぞれ取り付けられた永久磁石からなる3つの駆動用磁石152と、各駆動用コイル150a〜150cに対する各駆動用磁石152の位置をそれぞれ検出するために、各駆動用コイル150a〜150cの内側に配設された位置検出手段である磁気センサ154a,154b,154cとを備えて構成されている。
さらに、アクチュエータ110は、各駆動用磁石152の磁力によって移動枠114を固定板112に対して吸着させるために、固定板112における各駆動用磁石152と対応する位置にそれぞれ取り付けられた吸着用ヨーク156と、各駆動用磁石152の磁力を固定板112の方向へ効果的に差し向けるように各駆動用磁石152の裏側にそれぞれ取り付けられたバックヨーク158(図3〜図5参照)とを有している。
なお、固定板112側の各駆動用コイル150a〜150cと、移動枠114側のこれらと対応する位置の各駆動用磁石152とは、移動枠114を固定板112に対して並進運動や回転運動させるための駆動手段を構成する。また、各駆動用磁石152は、移動枠114を固定板112に吸着させるための部材用磁石として作用し、各吸着用ヨーク156は、部材用磁石に吸着される磁性体として作用する。
さらに、アクチュエータ110は、図1に示すように、ジャイロ134a,134bによって検出されたレンズ鏡筒160の振動と、各磁気センサ154a〜154cによって検出された移動枠114の位置検出結果(位置情報)とに基づいて、固定板112側の各駆動用コイル150a〜150cにそれぞれ流す駆動電流を制御する制御手段としてのコントローラ136を有している。
なお、実施の形態1にかかるカメラ100のレンズユニット120は、カメラ本体140に取り付けられたうえで、レンズ鏡筒160内に入射した光を撮影用レンズ180や画像安定化用レンズ116を通してカメラ本体140のフィルム面Fに結像させるように構成されている。このレンズユニット120のレンズ鏡筒160内には、上述したように複数枚のレンズからなる撮影用レンズ180が保持されており、少なくとも一部の撮影用レンズ180を光軸LA方向に移動させることによっていわゆるピント調整が可能な構造を備えている。
このように構成されたアクチュエータ110は、上述したように移動枠114をレンズ鏡筒160に固定された固定板112に対してカメラ本体140内のフィルム面Fに平行な平面内で移動させることによって、移動枠114に取り付けられた画像安定化用レンズ116を移動させ、レンズ鏡筒160に振動が発生してもフィルム面Fに結像される画像が乱れることがないように駆動される。ここで、アクチュエータ110の平行移動装置111による移動動作とピン形状体118の構造について説明する。
(平行移動装置による移動イメージの説明)
図6−1および図6−2は、アクチュエータが有する平行移動装置を簡易的にあらわす斜視図である。アクチュエータ110によって移動枠114が駆動されていない場合は、図6−1に示すように、固定板112に対して移動枠114がたとえば直立状態の3つのピン形状体118によって平行支持された状態となる。
一方、アクチュエータ110によって移動枠114が駆動された場合は、図6−2に示すように、3つのピン形状体118が移動枠114の移動方向へ傾動することによって固定板112に対して移動枠114が平行支持されつつ平行移動された状態となる。このため、移動枠114を固定板112と平行な平面内で自在に並進運動させたり回転運動させたりして動作させることができる。
(平行移動装置の要部に関する説明)
図7−1は、平行移動装置のピン形状体の側面図である。また、図7−2は、図7−1のA−A断面における形状をあらわす図である。また、図7−3は、図7−1のA−A断面における他の形状をあらわす図である。また、図8−1は、平行移動装置の側面図である。また、図8−2は、図8−1のB−B断面における形状をあらわす図である。また、図8−3は、図8−1のB−B断面における他の形状をあらわす図である。また、図9は、ピン形状体の回転動作を説明するための図である。
図7−1および図7−2に示すように、ピン形状体118は、たとえば光軸LA(図示せず)と略直交する方向のA−A断面がほぼ円形を構成する直径の異なる複数の円柱状部材や、図7−1および図7−3に示すように、A−A断面がほぼ矩形を構成する外周長の異なる複数の柱状部材などを光軸LA方向につなぎ合わせたような構造からなる。
このピン形状体118は、固定板112と当接する一方の端部に有効当接範囲F1を有する曲面128aを備え、移動枠114と当接する他方の端部に有効当接範囲F1よりも狭い有効当接範囲F2を有する曲面128bを備えて構成されている。そして、たとえばピン形状体118が円柱状部材からなる場合には、ピン形状体118の曲面128b形成側の側方外周面には、後述する回転防止手段の一部を構成する突条からなる係合凸部118b(図7−2参照)が形成されている。
なお、ピン形状体118の一方の端部における曲面128aは、半径R1の球状体から有効当接範囲F1の部分を切り出した形状からなり、他方の端部における曲面128bは、半径R1よりも小さな半径R2の球状体から有効当接範囲F2の部分を切り出した形状からなる。そして、これらの曲面128a,128bを形成する球状体は、中心点Pを共有している。このため、曲面128aの曲率は曲面128bの曲率よりも小さく構成されている。
図8−1に示すように、平行移動装置111は、固定板112と移動枠114との間に配置されたピン形状体118が、固定板112と曲面128aとを当接するとともに、移動枠114と曲面128bとを当接した状態で配置されることによって構成されている。上述したように、ピン形状体118の曲面128aの曲率が曲面128bの曲率よりも小さく構成されているため、曲面128aに加わる単位面積当たりの接触圧力は曲面128bに加わる単位面積当たりの接触圧力よりも低くすることができる。
また、移動枠114の凹部104における内壁部114aの形状によって、ピン形状体118の光軸LA(図示せず)と略直交する方向への傾動範囲が規制され、移動枠114が移動範囲を超えて平行移動してしまうことを防止することができる。なお、ピン形状体118が光軸LAと略直交する方向へ最も傾動した場合には、ピン形状体118のテーパ面118aと凹部104の開口周縁部との距離が最も近づいた状態となる。
ここで、図8−1および図8−2に示すように、ピン形状体118が円形断面の円柱状部材からなる場合には、凹部104は、B−B断面において係合凸部118bを除くピン形状体118の曲面128b側の部分を収容する円形の内壁部114aと、係合凸部118bを収容する半円形の内壁部114bとを有する形状で形成される。
また、図8−1および図8−3に示すように、ピン形状体118が矩形断面の柱状部材からなる場合には、凹部104は、B−B断面においてピン形状体118の曲面128b側の部分を収容する矩形の内壁部114aを有する形状で形成される。このように形成された凹部104の内壁部114a,114bは、係合凸部118bとともに回転防止手段を構成する。
ここで、回転防止手段は、図9に示すように、平行移動装置111において移動枠114が光軸LA(図示せず)と略直交するPA方向に平行移動するときに、ピン形状体118が曲面128a,128bによってそれぞれ固定板112および移動枠114と当接しているため、ピン形状体118が光軸LAとほぼ平行なPE方向を軸中心として回転してしまうことを防止する。ピン形状体118が回転してしまうことにより、移動枠114の移動範囲内であってもピン形状体118と凹部104とが意図しない部分で当接し、移動枠114の動きを妨げてしまう場合があるが、この回転防止手段はこのような不具合を効果的に防止することができる。
具体的には、たとえばピン形状体118が回転し始めても、図8−2に示すように、ピン形状体118の係合凸部118bと凹部104の内壁部114bとが当接したり、図8−3に示すように、ピン形状体118の側方外周面と凹部104の内壁部114aとが直接当接したりすることによって、PE方向を軸中心としたピン形状体118の回転を防止する。
(平行移動装置のピン形状体の変形例)
図10は、平行移動装置の他のピン形状体を説明するための透過斜視図である。また、図11は、平行移動装置の他のピン形状体を説明するための側面図である。また、図12は、平行移動装置の他のピン形状体の動作を説明するための図である。また、図13および図14は、他のピン形状体を有する平行移動装置の側面図である。
図10〜図12に示すように、上述したピン形状体118と形状の異なるピン形状体118Aは、本体の側面部に上記テーパ面118a(図示せず)を備えるような段差がない構造を備えるが、ピン形状体118と同様に一方の端部に曲面128aを備えるとともに、他方の端部に曲面128bを備えて構成されている。曲面128aは、点Pを中心点とした半径R1の球状体C1の一部を切り出した形状からなり、曲面128bは、点Pを中心点とした半径R2の球状体C2の一部を切り出した形状からなる。
図12に示すように、このピン形状体118Aは、上記ピン形状体118と同様に、光軸LA(図示せず)と略直交するいずれの方向へ傾動しても、曲面128aおよび曲面128b間における中心点Pの位置と中心点Pを通るPE方向の高さは変わらないため、図13に示すように、このピン形状体118Aを備える平行移動装置111においても、固定板112および移動枠114間の間隔は変化することなく移動枠114を平行移動可能に支持することが可能となる。
なお、図13に示すように、ピン形状体118Aの傾動範囲は、ピン形状体118Aの側方外周面と移動枠114の凹部104の内壁部114aとが当接する範囲において決定される。したがって、図14に示すように、このピン形状体118Aを有する平行移動装置111によれば、移動枠114の凹部104と曲面128aとの当接点、および固定板112と曲面128bとの当接点を通る外径を有する球状体Caを支持部材として採用した場合よりも配置占有体積および質量を小さくすることができる。
また、この平行移動装置111によれば、ピン形状体118Aと球状体Caとによる移動枠114の移動範囲を同等とした場合、球状体CaがCa1〜Ca2の範囲で転動して移動枠114が移動する場合と比較して、移動に関する占有範囲も小さくすることができる。
(平行移動装置のピン形状体の他の変形例)
図15および図16は、平行移動装置のさらに他のピン形状体を説明するための側面図である。図15に示すように、平行移動装置111は、上述したピン形状体118Aと同様に移動枠114および固定板112とそれぞれ当接する曲面128a,128bを備えるピン形状体118Bを有する。このピン形状体118Bは、ピン形状体118Aと比較して側方外周長(光軸LA(図示せず)と略直交する方向の周長)を小さくした形状からなり、平行移動装置111は、これに応じて移動枠114の凹部104における内壁部114aの形状を変更した構造を備えている。
これにより、ピン形状体118Bの傾動範囲およびこれに伴う移動枠114の移動範囲は、ピン形状体118Aの場合と比較して小さくなるが、図16に示すように、球状体Ca(図示せず)がCa1〜Ca2の範囲で転動することによって移動枠114が移動する場合よりも、上記と同様に移動に関する占有範囲を小さくすることができる。したがって、このような構造の平行移動装置111によれば、簡単な構造で全体の小型化を図ることが可能となる。
(平行移動装置を構成する各部の説明)
図2〜図5に戻り、平行移動装置111の固定板112は、たとえば中心部に空間を有するドーナツ形状の円板状部材からなり、一方の板面上に3つの駆動用コイル150a〜150cを配置した構造を備えている。これら3つの駆動用コイル150a〜150cは、図2に示すように、たとえばその中心部がレンズユニット120の光軸LAを中心とする円周上にそれぞれ配置されるように固定板112に配置されている。
この実施の形態1においては、たとえば駆動用コイル150aは、レンズユニット120の光軸LAの鉛直上方(図2におけるY軸上)の位置に、駆動用コイル150bは、光軸LAに対して水平方向(図2におけるX軸上)の位置に、駆動用コイル150cは、駆動用コイル150aおよび駆動用コイル150bからそれぞれ中心角135°隔てた光軸LAと直交する方向(図2におけるV軸上)の位置にそれぞれ配置されている。
したがって、駆動用コイル150aと駆動用コイル150bとの間は中心角90°隔てられ、駆動用コイル150bと駆動用コイル150cとの間は中心角135°隔てられ、さらに駆動用コイル150cと駆動用コイル150aとの間は中心角135°隔てられていることとなる。また、駆動用コイル150a〜150cは、それぞれその巻線が角を丸くした状態の矩形状に巻かれており、この矩形の中心線が円周の半径方向と一致するように固定板112に配置されている。
一方、平行移動装置111の移動枠114は、固定板112と同様に、たとえば中心部に空間を有するドーナツ形状の円板状部材からなり、固定板112と平行に重なるように配置されている。また、移動枠114の中央の開口部には、画像安定化用レンズ116が取り付けられている。そして、移動枠114の円周上における上記駆動用コイル150a〜150cと対応する位置には、たとえば長方形の駆動用磁石152がそれぞれ埋め込まれている。
なお、駆動用コイル150a〜150cと対応する位置とは、駆動用コイル150a〜150cによって形成される磁界の影響が実質的におよぶ位置をあらわしている。また、駆動用磁石152の裏側、すなわち駆動用コイル150a〜150cの反対側には、駆動用磁石152の磁束を固定板112の方向へ効率よく差し向けられるように長方形のバックヨーク158がそれぞれ取り付けられている。
また、固定板112の各駆動用コイル150a〜150cの裏側、すなわち移動枠114の反対側には、長方形の吸着用ヨーク156がそれぞれ取り付けられている。移動枠114は、各駆動用磁石152がこれらに対応する位置にそれぞれ取り付けられた吸着用ヨーク156に及ぼす磁力によって、固定板112に吸着されている。この実施の形態1においては、各駆動用磁石152の磁力線が効率よく吸着用ヨーク156に到達するように、たとえば固定板112や移動枠114を非磁性体材料からなる樹脂成形部材によって構成している。
(アクチュエータの動作原理説明)
図17−1は、駆動用コイル、駆動用磁石、バックヨークおよび吸着用ヨークの位置関係を示すアクチュエータの部分拡大側面図である。また、図17−2は、駆動用コイルおよび駆動用磁石における着磁方向と磁束分布とをあらわす説明図である。また、図17−3は、駆動用コイルおよび駆動用磁石の位置関係を示すアクチュエータの部分拡大正面図である。図2、図17−1〜図17−3に示すように、それぞれ長方形の形状を有する駆動用磁石152、バックヨーク158および吸着用ヨーク156は、各長辺および各短辺がそれぞれ重なり合うように配置されている。
また、駆動用コイル150aは、その矩形における各辺が長方形のバックヨーク158の各長辺、短辺とそれぞれ平行になるように配置されている。さらに、駆動用磁石152は、その着磁境界線Cが、各駆動用磁石152が配置されている円周の半径方向と一致するように向けられている。
これにより、駆動用磁石152は、対応する駆動用コイル150aに電流が流れると、円周の接線方向の駆動力を受ける。他の駆動用コイル150b,150cについても、同様の位置関係で対応する駆動用磁石152、バックヨーク158および吸着用ヨーク156がそれぞれ配置されている。
なお、着磁境界線Cとは、たとえば駆動用磁石152の二つの領域をそれぞれ異なる方向に着磁したとき、その二つの領域の境界をあらわす線をいうものとする。そして、この実施の形態1においては、着磁境界線Cは、たとえば長方形の駆動用磁石152の着磁領域152a,152bの中点付近に位置している。
また、図17−1および図17−2に示すように、駆動用磁石152は、駆動用コイル150aに対向する面に垂直な方向に磁束が向くように着磁されており、たとえば着磁境界線Cを挟んで向って左下部分がS極、右下部分がN極、左上部分がN極、および右上部分がS極となるように着磁されて、着磁領域152a,152b(図17−2参照)が形成されている。
したがって、駆動用磁石152からの磁力線は、図17−2に示すような状態であらわすことができ、着磁境界線Cを挟んで向って左側部分の着磁領域152aにおける磁束の方向A1は、図中白抜き矢印で示すように、バックヨーク158の方向に向くようにあらわされる。また、着磁境界線Cを挟んで向って右側部分の着磁領域152bにおける磁束の方向A2は、図中白抜き矢印で示すように、駆動用コイル150aの方向に向くようにあらわされる。
図2〜図5、図17−1〜図17−3に示すように、各駆動用コイル150a〜150cの内側空隙部には、それぞれ磁気センサ154a,154b,154cが配置されている。各磁気センサ154a〜154cは、移動枠114が固定板112に対して中立位置にあるとき、後述するその感度中心点S(図示せず)が各駆動用磁石152の着磁境界線C上に位置するように配置されている。なお、この実施の形態1においては、たとえば磁気センサ154a〜154cとしてホール素子などを使用している。
(駆動用磁石の移動と磁気センサからの出力信号との関係概要)
図18−1、図18−2および図19−1〜図19−4は、駆動用磁石の移動と磁気センサから出力される信号との関係を説明するための説明図である。図18−1および図18−2に示すように、磁気センサ154aの感度中心点Sが駆動用磁石152の着磁境界線C上に位置する場合には、磁気センサ154aからの出力は0となる。
そして、移動枠114とともに駆動用磁石152が移動し、磁気センサ154aの感度中心点Sが駆動用磁石152の着磁境界線C上から外れてN極側、あるいはS極側にずれることにより、磁気センサ154aの出力信号Out(図18−2参照)が正、あるいは負に変化する。
たとえば、駆動用磁石152が着磁境界線Cと直交する方向、すなわち図18−1におけるX軸方向に移動すると、磁気センサ154aは、図18−2に示すような正弦波状に変化する出力信号Outを発生する。したがって、駆動用磁石152の移動量が微小である場合には、磁気センサ154aは感度中心点Sから駆動用磁石152の着磁境界線Cまでの距離rにほぼ比例した出力信号Outを出力する。
この実施の形態1においては、駆動用磁石152の移動距離が、たとえば駆動用磁石152の距離検出方向の長さの3%程度以内の場合には、磁気センサ154aから出力される出力信号Outは、磁気センサ154aの感度中心点Sと駆動用磁石152の着磁境界線Cとの間の距離にほぼ比例する。そして、この実施の形態1においては、アクチュエータ110は、各磁気センサ154a〜154cの出力が距離rにほぼ比例するような範囲内で作動する。
したがって、図19−1および図19−2に示すように、磁気センサ154aの感度中心点S上に駆動用磁石152の着磁境界線Cが位置する場合や、たとえば図19−2に示すように、駆動用磁石152が着磁境界線Cの方向に移動した場合は、磁気センサ154aからの出力信号Outは0となる。
また、図19−3に示すように、駆動用磁石152の着磁境界線Cが磁気センサ154aの感度中心点Sから外れた場合には、感度中心点Sと着磁境界線Cとの距離rに比例した正、あるいは負の出力信号Outが磁気センサ154aから出力される。
したがって、感度中心点Sと着磁境界線Cとの距離rが同じであれば、たとえば図19−3に示すように、駆動用磁石152が着磁境界線Cと直交する方向に移動した場合や、図19−4に示すように、駆動用磁石152が任意の方向に並進移動した場合は、いずれも同じ大きさの正、あるいは負の出力信号Outが磁気センサ154aから出力される。
なお、ここでは磁気センサ154aについて説明したが、他の磁気センサ154b,154cも、これらに対応する駆動用磁石152との位置関係に基づいて同様の出力信号Outを出力する。このため、各磁気センサ154a〜154cによって検出された信号に基づいて、移動枠114が固定板112に対して並進移動または回転移動した位置を特定することが可能となる。
図2に示すように、3つのピン形状体118は、固定板112および移動枠114の間における固定板112の各駆動用コイル150a〜150cを配置した円周よりも外側の円周上に、その軸を光軸LA方向と平行にした状態でそれぞれ配置されている。これら3つのピン形状体118は、たとえばそれぞれ中心角120°の間隔を隔てて配置され、そのうちの一つが駆動用コイル150aと駆動用コイル150bとの間に位置するように配置されている。
図3〜図5に示すように、各ピン形状体118は、固定板112および移動枠114の間に、軸方向両端部の曲面がそれぞれ固定板112および移動枠114と当接した状態で配置されている。これにより、移動枠114は固定板112と平行な平面上に支持され、各ピン形状体118が移動枠114および固定板112の間で移動枠114の動きに応動しながら傾動することによって、移動枠114の固定板112に対する任意の方向の並進運動または回転運動を許容する。
また、固定板112および移動枠114の間には、ピン形状体118によって支持された状態で所定の間隔が形成されている。このため、移動枠114が固定板112に対して移動する場合は、これらの間に当接による抵抗などが生じることはなく、スムーズに並進運動または回転運動をおこなうことが可能となる。
なお、この実施の形態1におけるピン形状体118は、たとえば所定の硬度や自己潤滑性を備えたピン形状の樹脂成形部材によって構成されているが、その他、金属材料などによって構成されていてもよい。また、ピン形状体118の軸方向と略直交する方向の断面は、上述したように必ずしも円形である必要はなく、矩形断面などその他の形状で構成されていてもよい。
さらに、ピン形状体118の軸方向両端部の曲面は、軸方向外側に向って湾曲する形状に限らず、軸方向内側に向って湾曲するように形成されていてもよい。この場合、各曲面と当接する固定板112および移動枠114における当接部分は、固定板112および移動枠114の間の間隔を一定に保つような(間隔に変化が生じないような)形状を備えて構成されるとよい。
(アクチュエータの制御概要)
つぎに、図20を参照して、この実施の形態1にかかるカメラ100に備えられたアクチュエータ110の制御について説明する。図20は、カメラのレンズユニットに備えられたコントローラにおける信号処理の経路を示すブロック図である。図20に示すように、レンズユニット120(図1参照)の振動は、2つのジャイロ134a,134bによって時々刻々検出され、これらジャイロ134a,134bからの検出信号は、コントローラ136に内蔵されたレンズ位置指令信号生成手段である演算回路138a,138bにそれぞれ入力される。
なお、この実施の形態1においては、ジャイロ134aは、レンズユニット120のヨーイング運動の角速度を、ジャイロ134bは、レンズユニット120のピッチング運動の角速度をそれぞれ検出するように構成され、レンズユニット120の内部に配置されている。
コントローラ136の演算回路138a,138bは、ジャイロ134a,134bから時々刻々入力される角速度の検出信号に基づいて、移動枠114に取り付けられた画像安定化用レンズ116(図1参照)を移動させるべき位置を時系列で指令するレンズ位置指令信号を生成する。
すなわち、演算回路138aは、ジャイロ134aによって検出されるヨーイング運動の角速度を時間積分し、所定の修正信号を加算することによってレンズ位置指令信号の水平方向成分を生成する。同様に、演算回路138bは、ジャイロ134bによって検出されるピッチング運動の角速度に基づいて、レンズ位置指令信号の鉛直方向成分を生成するように構成されている。
このようにして得られたレンズ位置指令信号にしたがって、移動枠114とともに画像安定化用レンズ116を時々刻々移動させることにより、たとえば写真撮影などの露光中にレンズユニット120が振動した場合にも、カメラ本体140内のフィルム面Fに合焦される画像は乱れることなく安定化される。
コントローラ136に内蔵されたコイル位置指令信号生成手段は、演算回路138a,138bによって生成されたレンズ位置指令信号に基づいて、各駆動用コイル150a〜150cに対するコイル位置指令信号を生成するように構成されている。コイル位置指令信号は、移動枠114とともに画像安定化用レンズ116をレンズ位置指令信号で指定された位置へ移動させたときの、各駆動用コイル150a〜150cとそれに対応した駆動用磁石152との位置関係をあらわす信号である。
すなわち、各駆動用コイル150a〜150cと対応した位置に配置された駆動用磁石152が、それぞれ各駆動用コイル150a〜150cに対するコイル位置指令信号によって指定された位置へ移動すると、その結果、移動枠114とともに画像安定化用レンズ116は、レンズ位置指令信号によって指定された位置へと移動する。
この実施の形態1においては、駆動用コイル150aは、光軸LA(図1参照)の鉛直上方の位置に設けられているので、駆動用コイル150aに対するコイル位置指令信号は、演算回路138aから出力されるレンズ位置指令信号の水平方向成分と等しくなる。また、駆動用コイル150bは、光軸LAに対して水平方向(横方向)の位置に設けられているので、駆動用コイル150bに対するコイル位置指令信号は、演算回路138bから出力されるレンズ位置指令信号の鉛直方向成分と等しくなる。さらに、駆動用コイル150cに対するコイル位置指令信号は、レンズ位置指令信号の水平方向成分および鉛直方向成分に基づいて、コイル位置指令信号生成手段である演算回路170によって生成される。
一方、磁気センサ154aによって測定された駆動用コイル150aに対する駆動用磁石152の移動量は、磁気センサアンプ172aによって所定の倍率に増幅される。そして、差動回路174aは、演算回路138aから出力されたコイル位置指令信号の水平成分と、磁気センサアンプ172aから出力された駆動用コイル150aに対する駆動用磁石152の移動量との差に応じた電流を駆動用コイル150aに対して出力する。
したがって、演算回路138aからのコイル位置指令信号と磁気センサアンプ172aからの出力とに差がなくなると、差動回路174aから駆動用コイル150aに対しては電流が出力されなくなり、駆動用コイル150aと対応する位置の駆動用磁石152に作用する駆動力は0となる。
同様に、磁気センサ154bによって測定された駆動用コイル150bに対する駆動用磁石152の移動量は、磁気センサアンプ172bによって所定の倍率に増幅される。そして、差動回路174bは、演算回路138bから出力されたコイル位置指令信号の鉛直成分と、磁気センサアンプ172bから出力された駆動用コイル150bに対する駆動用磁石152の移動量との差に応じた電流を駆動用コイル150bに対して出力する。
したがって、演算回路138bからのコイル位置指令信号と磁気センサアンプ172bからの出力とに差がなくなると、差動回路174bから駆動用コイル150bに対しては電流が出力されなくなり、駆動用コイル150bと対応する位置の駆動用磁石152に作用する駆動力は0となる。
また、磁気センサ154cによって測定された駆動用コイル150cに対する駆動用磁石152の移動量は、磁気センサアンプ172cによって所定の倍率に増幅される。そして、差動回路174cは、演算回路170から出力されたコイル位置指令信号と、磁気センサアンプ172cから出力された駆動用コイル150cに対する駆動用磁石152の移動量との差に応じた電流を駆動用コイル150cに対して出力する。
したがって、演算回路170からのコイル位置指令信号と磁気センサアンプ172cからの出力とに差がなくなると、差動回路174cから駆動用コイル150cに対しては電流が出力されなくなり、駆動用コイル150cと対応する位置の駆動用磁石152に作用する駆動力は0となる。このように、レンズ位置指令信号およびコイル位置指令信号に基づいて、各駆動用コイル150a〜150cに対してフィードバック制御をおこなうことで、画像安定化用レンズ116の位置を補正する。
(アクチュエータの並進運動時における指令信号の概要)
つぎに、図21を参照して、移動枠114を並進運動させる場合のレンズ位置指令信号と、コイル位置指令信号との関係について説明する。図21は、固定板上に配置された3つの駆動用コイルと、移動枠上に配置された3つの駆動用磁石との位置関係を示す説明図である。
3つの駆動用コイル150a〜150c(図示せず、以下図21において同じ)は、それぞれの中心点が点Qを原点とする半径Rの円周上の点L,M,N上にそれぞれ配置されている。また、各磁気センサ154a〜154c(図示せず、以下図21において同じ)も、その感度中心点Sが点L,M,N上に位置するようにそれぞれ配置されている。
さらに、移動枠114が中立位置にあるとき、すなわち移動枠114に取り付けられた画像安定化用レンズ116の中心が光軸LA(図1参照)上にある場合には、各駆動用コイル150a〜150cと対応した各駆動用磁石152の着磁境界線Cの中点も、それぞれ点L,M,N上に位置する。
また、図21における点Qを原点とする水平軸線をX軸、鉛直軸線をY軸、これらX軸およびY軸に対してそれぞれ135°の角をなす軸をV軸とすれば、各駆動用磁石152の着磁境界線Cは、それぞれX軸、Y軸およびV軸と重なる位置にある。
ここで、移動枠114が移動して、画像安定化用レンズ116の中心点が点Q1に移り、さらに移動枠114が点Q1を中心として反時計回りに角θだけ回転すると、各駆動用磁石152の着磁境界線Cの中点は、点L1,M1,N1にそれぞれ移動する。
移動枠114がこのような位置に移動するためには、駆動用コイル150aに対するコイル位置指令信号の大きさは点Lを中心として直線Q11に接する円の半径に、駆動用コイル150bに対するコイル位置指令信号の大きさは点Mを中心として直線Q11に接する円の半径に、さらに駆動用コイル150cに対するコイル位置指令信号の大きさは点Nを中心として直線Q11に接する円の半径にそれぞれ比例する値である必要がある。
ここで、これらの円の半径をrx,ry,rvとし、各コイル位置指令信号rx,ry,rvの符号を図21に示すように定める。すなわち、点L1を第1象限に移動させるコイル位置指令信号rxを正、第2象限に移動させるコイル位置指令信号rxを負と定め、同様に点M1を第1象限に移動させるコイル位置指令信号ryを正、第4象限に移動させるコイル位置指令信号ryを負と定める。
また、点N1をV軸の下側に移動させるコイル位置指令信号rvを正、V軸の上側に移動させるコイル位置指令信号rvを負と定める。さらに、角度の符号は時計回りを正とする。したがって、移動枠114を中立位置から時計回りに回転させる場合、コイル位置指令信号rxは正、コイル位置指令信号ryは負、コイル位置指令信号rvは負となる。
また、点Q1の座標を(j,g)、点L1の座標を(i,e)、および点N1の座標を(k,h)とし、V軸とY軸とのなす角をαとする。さらに、点Mを通り直線Q11に平行な補助線A、および点Lを通り直線Q11に平行な補助線Bを引き、補助線Aと補助線Bとの交点を点Pとする。
ここで、直角三角形LMPについて正弦定理を適用すると、
Figure 0004740726
となる。したがって、
Figure 0004740726
Figure 0004740726
の関係が成り立つこととなる。また、座標e,g,h,i,j,kをR,rx,ry,rv,θ,αであらわすと、幾何学的関係および数式(3)より、
Figure 0004740726
が得られる。さらに、座標(k,g)、(j,g)、(k,h)を頂点とする直角三角形について、下記の関係が成り立つ。
Figure 0004740726
ここで、数式(5)の関係を展開して整理すると、
Figure 0004740726
の関係が得られる。さらに、移動枠114が並進運動する場合には、θ=0であるから数式(6)は、
Figure 0004740726
となる。また、この実施の形態1においては、α=45°であるから、数式(7)の関係は、
Figure 0004740726
と簡略化される。
したがって、この実施の形態1においては、レンズ位置指令信号によって画像安定化用レンズ116の中心を座標(j,g)に並進運動させる場合は、駆動用コイル150aに対しては座標jの大きさに比例したコイル位置指令信号rxを与える。また、駆動用コイル150bに対しては座標gの大きさに比例したコイル位置指令信号ryを与え、駆動用コイル150cに対しては数式(8)によってコイル位置指令信号rvを計算して与える。
なお、コイル位置指令信号rxは、図20に示す演算回路138aの出力信号に対応し、コイル位置指令信号ryは、図20に示す演算回路138bの出力信号に対応している。また、コイル位置指令信号rvは、数式(8)と等価な計算をおこなう図20に示す演算回路170の出力信号に対応している。
このように、レンズ位置指令信号によって得られる各コイル位置指令信号rx,ry,rvに基づいて、移動枠114および画像安定化用レンズ116は一意的に位置決めされるため、光軸LA回りの回転を規制する機構がなくても不随意に回転してしまうことを確実に防止することができる。
(アクチュエータの回転運動時における指令信号の概要)
つぎに、図22を参照して、移動枠114を回転運動させる場合のレンズ位置指令信号と、コイル位置指令信号との関係について説明する。図22は、移動枠が並進運動および回転運動した場合のコイル位置指令信号を説明するための説明図である。図22に示すように、移動枠114が並進運動されることにより、この移動枠114に取り付けられた画像安定化用レンズ116の中心が点Qから点Q2に移動されると、移動枠114に取り付けられた駆動用磁石152は、点L,M,Nから点L2,M2,N2にそれぞれ移動される。
ここで、この並進運動に対するコイル位置指令信号をrx,ry,rvとする。これらのコイル位置指令信号の大きさは、上述した数式(8)などによって求めることができる。ここでは、移動枠114が、点Q2を中心として角度ηだけ反時計回りに回転された場合のコイル位置指令信号rxη,ryη,rvηを計算する。
まず、図21の場合と同様に、点Q2の座標を(j,g)とし、直線Q22と点Nを中心とする半径rvの接点の座標を(k,h)として、数式(4−1)〜数式(4−6)のθに0を代入すると、
Figure 0004740726
の関係が得られる。
つぎに、移動枠114が点Q2を中心に角度ηだけ反時計回りに回転されると、点L2,M2,N2は点L3,M3,N3にそれぞれ移動される。また、線分Q22と線分Q2Lとのなす角をβとし、線分Q22と線分Q2Mとのなす角をδ、線分Q22と線分Q2Nとのなす角をγとする。
さらに、線分Q2Lの長さをUとし、線分Q2Mの長さをW、線分Q2Nの長さをVとする。ここで、コイル位置指令信号rxη,ryη,rvηの大きさは、点L,M,Nを中心として直線Q23,Q23,Q23と接する円の半径にそれぞれ等しいので、
Figure 0004740726
の関係が成り立つ。
また、sinβ、cosβなどは、幾何学的関係から、つぎのようにあらわすことができる。
Figure 0004740726
さらに、数式(11−1)〜数式(11−6)の関係を数式(10−1)〜数式(10−3)に代入して、β、γ、δを消去すると、
Figure 0004740726
の関係が得られる。したがって、画像安定化用レンズ116の中心を座標(j,g)に並進運動させ、さらにその点を中心として反時計回りに角度ηだけ回転運動させた位置に移動枠114を移動させるためには、つぎのようにすればよい。
すなわち、まず数式(8)および数式(9−1)〜数式(9−3)によってrx,ry,rvを計算し、つぎにその値を数式(12−1)〜数式(12−3)に代入することによって、コイル位置指令信号rxη,ryη,rvηを計算し、これらの結果を各駆動用コイル150a〜150cにそれぞれ与えてやればよい。
また、移動枠114を並進運動させずに、点Qを中心として反時計回りに角度ηだけ回転運動させる場合には、数式(12−1)〜数式(12−3)のrx,ry,rvに0を代入した、
Figure 0004740726
によってコイル位置指令信号rxη,ryη,rvηを計算すればよい。
このように、レンズ位置指令信号によって得られる各コイル位置指令信号rxη,ryη,rvηに基づいて、移動枠114および画像安定化用レンズ116は一意的に位置決めされるため、光軸LA回りの回転を規制する機構がなくても不随意に回転してしまうことを確実に防止することができる。
(レンズユニットにおけるコントローラの回路概要)
つぎに、図23を参照して、レンズユニット120に内蔵されたコントローラ136の具体的な回路の一例について説明する。図23は、駆動用コイルに出力する電流を制御する回路の一例を示す回路図である。なお、図23に示す回路では、各オペアンプを作動させるための電源供給ラインなどの付属的な回路は省略されている。また、磁気センサ154aは、ここではホール素子以外のものを用いたこととする。
まず、図23に示すように、電源電圧+Vccとアース電位GNDとの間に電気抵抗R7および電気抵抗R8が直列に接続される。また、オペアンプOP4のプラス側入力端子は、電気抵抗R7と電気抵抗R8との間に接続される。さらに、オペアンプOP4のマイナス側入力端子は、オペアンプOP4の出力端子に接続されている。これにより、オペアンプOP4の出力端子の電圧は、電気抵抗R7および電気抵抗R8によって、電源電圧+Vccとアース電位GNDとの間の基準電圧VREFに設定され、維持される。
一方、磁気センサ154aの1番端子と2番端子との間には、電源電圧+Vccが印加される。また、磁気センサ154aの3番端子は、基準電圧VREFに接続されている。これにより、磁気センサ154aに作用する磁界が変化すると、磁気センサ154aの4番端子の電圧が電源電圧+Vccとアース電位GNDとの間で変化する。
磁気センサ154aの4番端子は、可変抵抗VR2を介してオペアンプOP1のマイナス側入力端子に接続されており、可変抵抗VR2を調整することによって磁気センサ154aの出力のゲインが調整される。また、可変抵抗VR1の両側固定端子は、電源電圧+Vccおよびアース電位GNDにそれぞれ接続されている。可変抵抗VR1の可動側端子は、電気抵抗R1を介してオペアンプOP1のマイナス側入力端子に接続されている。
可変抵抗VR1を調整することによって、オペアンプOP1の出力のオフセット電圧が調整される。また、オペアンプOP1のプラス側入力端子は、基準電圧VREFに接続されている。オペアンプOP1の出力端子は、電気抵抗R2を介してオペアンプOP1のマイナス側入力端子に接続されている。
駆動用コイル150aに対するコイル位置指令信号を出力する演算回路138aは、オペアンプOP3のプラス側入力端子に接続されている。オペアンプOP3の出力端子は、オペアンプOP3のマイナス側入力端子に接続されている。したがって、オペアンプOP3は、コイル位置指令信号のバッファアンプとして機能する。
オペアンプOP1の出力端子は、電気抵抗R3を介してオペアンプOP2のマイナス側入力端子に接続されている。また、オペアンプOP3の出力端子は、電気抵抗R4を介してオペアンプOP2のプラス側入力端子に接続されている。このため、磁気センサ154aの出力とコイル位置指令信号との差がオペアンプOP2の出力端子から出力される。
また、オペアンプOP2のプラス側入力端子は、電気抵抗R5を介して基準電圧VREFに接続され、オペアンプOP2の出力端子は、電気抵抗R6を介してオペアンプOP2のマイナス側入力端子に接続されている。これらの電気抵抗R5および電気抵抗R6によってマイナス側およびプラス側のゲインが設定される。
オペアンプOP2の出力端子は、駆動用コイル150aの一端に接続され、駆動用コイル150aの他端は、基準電圧VREFに接続される。したがって、駆動用コイル150aには、オペアンプOP2の出力と基準電圧VREFとの電位差に応じた電流が流れる。駆動用コイル150aに電流が流れると磁界が発生し、駆動用磁石152に磁力を作用させて駆動用磁石152を移動させる。
この磁力は、駆動用磁石152がコイル位置指令信号で指定された位置に近づく方向に作用する。駆動用磁石152が移動されると、磁気センサ154aの4番端子から出力される電圧が変化する。駆動用磁石152がコイル位置指令信号で指定された位置まで移動すると、オペアンプOP2のプラス側入力端子およびマイナス側入力端子にそれぞれ入力される電圧が等しくなり、駆動用コイル150aには電流が流れなくなる。
なお、上述した図23に示すオペアンプOP1は、図20に示す磁気センサアンプ172aと対応し、図23に示すオペアンプOP2は、図20に示す差動回路174aと対応している。また、図23では、駆動用コイル150aに出力する電流を制御する回路について説明したが、駆動用コイル150bに出力する電流もまったく同様の回路で制御することが可能である。
さらに、駆動用コイル150cに出力する電流も上記と同様の回路で制御することはできるが、この場合には、図20に示す演算回路170の出力が、図23に示すオペアンプOP3のプラス側入力端子に接続される。なお、上記演算回路170は、図23に示すオペアンプOP2と同様の差動回路、およびその出力を(1/2)1/2に分圧する電気抵抗などで構成することが可能である。
(カメラの動作説明)
つぎに、図1および図20を参照して、この発明の実施の形態1にかかるカメラ100の動作について説明する。まず、カメラ100の手ぶれ防止機能の起動スイッチ(図示せず)をONにすることにより、レンズユニット120に備えられたアクチュエータ110が作動される。レンズユニット120に取り付けられたジャイロ134a,134bは、所定の周波数帯域の振動を時々刻々検出し、コントローラ136に内蔵された演算回路138a,138bに対して出力する。
ジャイロ134aは、レンズユニット120のヨーイング方向の角速度の信号を演算回路138aに対して出力し、ジャイロ134bは、レンズユニット120のピッチング方向の角速度の信号を演算回路138bに対して出力する。演算回路138aは、入力された角速度の信号を1回時間積分してヨーイング角度を算出し、これに所定の修正信号を加えて水平方向のレンズ位置指令信号を生成する。
同様に、演算回路138bは、入力された角速度の信号を1回時間積分してピッチング角度を算出し、これに所定の修正信号を加えて鉛直方向のレンズ位置指令信号を生成する。このように、演算回路138a,138bによって時系列で出力されるレンズ位置指令信号によって指定される位置に、移動枠114とともに画像安定化用レンズ116を時々刻々移動させることによって、カメラ本体140のフィルム面Fに合焦される画像が安定化される。
なお、演算回路138aによって出力された水平方向のレンズ位置指令信号は、駆動用コイル150aに対するコイル位置指令信号rxとして差動回路174aに入力される。同様に、演算回路138bによって出力された鉛直方向のレンズ位置指令信号は、駆動用コイル150bに対するコイル位置指令信号ryとして差動回路174bに入力される。また、演算回路138a,138bの出力は、演算回路170に入力され、数式(8)であらわされる演算により、駆動用コイル150cに対するコイル位置指令信号rvが生成される。
一方、駆動用コイル150aの内側空隙部に配置された磁気センサ154aは、磁気センサアンプ172aに対して、駆動用コイル150bの内側空隙部に配置された磁気センサ154bは、磁気センサアンプ172bに対して、また駆動用コイル150cの内側空隙部に配置された磁気センサ154cは、磁気センサアンプ172cに対してそれぞれ検出信号を出力する。そして、磁気センサアンプ172a〜172cでそれぞれ増幅された磁気センサ150a〜150cの検出信号は、差動回路174a〜174cにそれぞれ入力される。
差動回路174a〜174cは、入力された磁気センサ154a〜154cの検出信号と、コイル位置指令信号rx,ry,rvとの差に応じた電圧をそれぞれ発生し、この電圧に比例した電流を駆動用コイル150a〜150cに対して出力する。各駆動用コイル150a〜150cに電流が流れると、電流に比例した磁界が発生する。
この磁界により各駆動用コイル150a〜150cに対応して配置された各駆動用磁石152は、それぞれコイル位置指令信号rx,ry,rvによって指定された位置に近づく方向の駆動力を受ける。各駆動用磁石152が駆動力を受けると、移動枠114と固定板112とを平行支持するピン形状体118が移動枠114の動きに応動して傾動し、駆動用磁石152が取り付けられた移動枠114を同一平面上で滑らかに並進移動または回転移動させる。
このとき、ピン形状体118は、固定板112と移動枠114との間で所定の間隔を保ちつつ傾動するので、固定板112と移動枠114とが当接することなく、移動に伴う当接などによる抵抗が発生しないので、移動枠114は小さな駆動力でスムーズに移動される。
駆動用磁石152が、この駆動力によってコイル位置指令信号により指定された位置に到達すると、コイル位置指令信号と磁気センサ154a〜154cの検出信号とが一致するので、差動回路174a〜174cの出力は0となり駆動力も0となる。また、外乱やコイル位置指令信号の変化などにより、各駆動用磁石152がコイル位置指令信号により指定された位置から外れると、再び各駆動用コイル150a〜150cに電流が流され、各駆動用磁石152はコイル位置指令信号によって指定された位置に戻される。
以上のような動作が時々刻々繰り返されることにより、各駆動用磁石152を備える移動枠114に取り付けられた画像安定化用レンズ116が、レンズ位置指令信号に追従するように移動枠114とともに移動される。これにより、レンズユニット120を通ってカメラ本体140のフィルム面Fに合焦される画像が安定化される。
この発明の実施の形態1にかかるカメラ100では、従来のように直交する二方向に配置されたガイド手段を使用することなく、画像安定化用のアクチュエータ110の移動枠114を任意の方向に移動させることができるので、アクチュエータ110を簡単な構成で実現することができる。また、この発明の実施の形態1にかかるカメラ100においては、画像安定化用のアクチュエータ110の移動枠114を所定の平面内で任意の方向に並進運動または回転運動させることができる。
また、この発明の実施の形態1にかかるカメラ100では、アクチュエータ110に備えられた平行移動装置111の移動枠114が固定板112に対してピン形状体118によって平行支持されているので、移動枠114の移動の際に固定板112との当接などによる抵抗が実質的に発生せず、移動枠114を小さな駆動力でスムーズに移動させることができる。
さらに、ピン形状体118を支持部材として用い、平行移動装置111の機構を簡略化することにより、平行移動装置111の移動枠114を軽量化することができ、移動枠114を小さな駆動力で移動させることができるので、高速かつリニアに応答が可能なアクチュエータ110を実現することができる。
以上述べたように、この発明の実施の形態1について説明したが、上述した実施の形態1に種々の変更を加えることが可能であることは言うまでもない。たとえば、上述した実施の形態1では、本発明をフィルムカメラに適用した場合について説明したが、本発明はその他にもディジタルカメラやビデオカメラなど、静止画や動画の撮影用の任意のカメラに適用することも可能である。
また、本発明を、これらのカメラのカメラ本体とともに使用されるレンズユニットに適用することもできる。さらに、本発明は、カメラの画像安定化用レンズの駆動用に用いる他に、XYステージなどの任意の方向へ移動させる平行移動機構に対して適用することも可能である。これらの技術については、公知技術であるため、ここでは説明を省略する。
また、上述した実施の形態1では、移動枠114は固定板112に対して3つのピン形状体118によって平行支持されていたが、たとえば4つ以上のピン形状体118によって移動枠114を平行支持するようにしてもよい。また、固定部材である固定板112に駆動用コイル150a〜150cが取り付けられ、可動部材である移動枠114に駆動用磁石152が取り付けられていたが、逆に固定板112に駆動用磁石152を、移動枠114に駆動用コイル150a〜150cをそれぞれ取り付けるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態1では、駆動用コイル150a〜150cと駆動用磁石152とをそれぞれ3組使用した場合について説明したが、たとえば4組以上の駆動用コイル150a〜150cと駆動用磁石152とを使用することも可能である。また、駆動用磁石152として永久磁石を用いた場合について説明したが、たとえば電磁石などを用いることも可能である。
また、上述した実施の形態1では、位置検出手段として駆動用磁石152の磁気を検出してその位置を測定する磁気センサ154a〜154cを使用しているが、各駆動用コイル150a〜150cに対する各駆動用磁石152の位置を検出する磁気センサ154a〜154c以外の構成からなる位置検出用センサを位置検出手段として使用するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態1では、駆動用コイル150aと150bとの間の中心角が90°で、駆動用コイル150cと駆動用コイル150aおよび駆動用コイル150bとの間の中心角が135°となるように各駆動用コイル150a〜150cを固定板112に配置しているが、駆動用コイル150bと駆動用コイル150cとの間の中心角が(90+α)°(0≦α≦90)となるように駆動用コイル150cを配置するようにしてもよい。
この場合、駆動用コイル150cに対するコイル位置指令信号は、上記数式(7)によって計算することが可能である。また、駆動用コイル150aと150bとの間の中心角は90°でなくてもよく、3つの駆動用コイル150a〜150cの間の中心角をそれぞれ120°にするなど、各駆動用コイル150a〜150cの間の中心角を90°以上180°以下の任意の角度に設定し、各駆動用磁石152を対応する位置に配置して構成することも可能である。
また、上述した実施の形態1では、各駆動用磁石152の着磁境界線Cは、すべて半径方向に向けられていたが、各駆動用磁石152の着磁境界線Cは、任意の方向に向けることもできる。ただし、好ましくは少なくとも一つの駆動用磁石152の着磁境界線Cをほぼ半径方向に向けて配置した構成とするのがよい。
(駆動用磁石の配置態様の変形例)
図24は、上述した実施の形態1において、駆動用磁石152の配置態様を変形した場合について説明するための図である。図24は、駆動用コイル150aおよび150bに対応する駆動用磁石152の着磁境界線を、点Qを中心とする円の接線方向に向け、駆動用コイル150cに対応する駆動用磁石152の着磁境界線Cを半径方向に向けた場合の変形例を示している。なお、図示は省略するが、駆動用コイル150aは点Lに、駆動用コイル150bは点Mに、駆動用コイル150cは点Nにそれぞれ配置されていることとする。
この変形例では、点Lに配置された駆動用コイル150aに対するコイル位置指令信号rxが、点Mに配置された駆動用コイル150bに対するコイル位置指令信号ryが、点Nに配置された駆動用コイル150cに対するコイル位置指令信号rvがそれぞれ与えられていることとする。これらのコイル位置指令信号によって、移動枠114の中立位置において点L,M,N上に位置していた各駆動用磁石152の着磁境界線の中点は、点L4,M4,N4にそれぞれ移動され、画像安定化用レンズ116の中心点は、点Qから点Q3に移動される。
なお、この変形例では、レンズ位置指令信号の水平方向成分に対応するコイル位置指令信号rxが点Mに配置された駆動用コイル150bに与えられ、レンズ位置指令信号の鉛直方向成分に対応するコイル位置指令信号ryが点Lに配置された駆動用コイル150aに与えられる。また、図24に示す変形例では、コイル位置指令信号rx,ryを数式(8)にそれぞれ代入し、求められたコイル位置指令信号rvを駆動用コイル150cに与えると、点QはX軸方向に−rx、Y軸方向にry並進運動される。
このように、レンズ位置指令信号によって得られる各コイル位置指令信号rx,ry,rvに基づいて、移動枠114および画像安定化用レンズ116は一意的に位置決めされるため、光軸LA回りの回転を規制する機構がなくても不随意に回転してしまうことを確実に防止することができる。
(アクチュエータの変形例)
つぎに、図25を参照して、この発明の実施の形態1のさらなる変形例について説明する。図25は、この発明の実施の形態1にかかるカメラに備えられたアクチュエータのさらなる変形例を説明するための図である。この変形例のアクチュエータ110Aは、移動枠114の制御をおこなわないときに、移動枠114を固定板112に対して係止固定するための係止機構を備える点が、先の実施の形態1で説明したアクチュエータ110とは異なっている。
図25に示すように、この変形例のアクチュエータ110Aでは、たとえば移動枠114の外周側に外側に突出する形状の3つの係合突起115が形成されている。また、固定板112(一部のみ図示)には、移動枠114の外周側を取り囲むように配置された環状部材146が取り付けられており、この環状部材146の内周側には、上記係合突起115とそれぞれ係合可能な形状で形成された3つの係合部147が設けられている。さらに、移動枠114の外周近傍には、3つの可動側保持用磁石148が取り付けられている。
また、環状部材146の内周部における可動側保持用磁石148とそれぞれ対応する位置には、可動側保持用磁石148と磁力を及ぼし合うように位置決めされた3つの固定側保持用磁石149がそれぞれ取り付けられている。さらに、手動により動作する手動係止用部材176が、環状部材146の外側からアクチュエータ110Aの半径方向に向けて延びるように、環状部材146の円周方向に移動可能な状態で設けられている。
この手動係止用部材176の先端側には、たとえば水平方向断面がU字型の凹部177が形成されている。なお、移動枠114の外周近傍には、移動枠114の係止固定時にこのU字型の凹部177の内側に嵌って手動係止用部材176と係合するように形成された係合ピン178が設けられている。
(アクチュエータの変形例における動作説明)
つぎに、アクチュエータ110Aの動作について簡単に説明する。まず、図25に示すアクチュエータ110Aの移動枠114を反時計回りに回転駆動することにより、移動枠114の外周側の係合突起115が環状部材146の係合部147とそれぞれ係合し、移動枠114が固定板112に対して係止固定される。
なお、移動枠114に設けられた可動側保持用磁石148と、環状部材146に設けられた固定側保持用磁石149とは、図25に示すような状態ではほとんど互いに磁力を及ぼし合うことはない。たとえば、移動枠114が反時計回りに回転駆動され、可動側保持用磁石148が固定側保持用磁石149に近づくと、固定側保持用磁石149は、移動枠114を時計回りに回転させる方向の磁力を移動枠114に対して及ぼすように構成されている。
この磁力に抗して、移動枠114が反時計回りに回転駆動され、可動側保持用磁石148が固定側保持用磁石149を通り過ぎると、固定側保持用磁石149は、移動枠114を反時計回りに回転させる方向の磁力を移動枠114に対して及ぼす。この磁力により、係合突起115は係合部147に押し付けられ、係合突起115と係合部147との係合状態が保持される。これにより、アクチュエータ110Aの電源が切られて駆動力がなくなった状態であっても、係合突起115と係合部147との係合状態は保持され、移動枠114が固定板112に対して係止固定される。
また、手動係止用部材176を、図25において反時計回りに手動で回転移動させると、移動枠114の係合ピン178がU字型の凹部177と係合して、移動枠114も反時計回りに回転移動される。これにより、係合突起115と係合部147とが手動で係合される。
逆に、手動係止用部材176を、図25において時計回りに手動で回転移動させると、移動枠114が時計回りに回転移動され、係合突起115と係合部147との係合状態が解除される。上述した実施の形態1のアクチュエータ110は、移動枠114を回転移動させることもできるので、この変形例のアクチュエータ110Aのような係止機構を容易かつ簡単な構造で実現することができる。
(実施の形態2)
つぎに、図26〜図28を参照して、この発明の実施の形態2にかかる平行移動装置について説明する。この発明の実施の形態2にかかる平行移動装置は、たとえば上述した実施の形態1にかかるカメラ100に使用されていたアクチュエータ110から駆動手段を除いたものに相当する構成を備えている。したがって、以降において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を附して説明を省略する。
(平行移動装置の全体構成)
図26は、この発明の実施の形態2にかかる平行移動装置の正面部分破断図である。また、図27は、この発明の実施の形態2にかかる平行移動装置の側方断面図である。また、図28は、この発明の実施の形態2にかかる平行移動装置の背面図である。なお、図26は、固定板212の側から平行移動装置200を見た状態をあらわす図であり、固定板212を部分的に破断して示しているが、ここでは便宜的にこれを正面図と呼ぶこととする。
図26〜図28に示すように、平行移動装置200は、固定部材である固定板212と、この固定板212に対して移動可能に支持された可動部材である移動枠214と、これら固定板212および移動枠214を平行支持する支持部材である3つのピン形状体218とを備えて構成されている。なお、移動枠214の中央部には画像安定化用レンズ116が取り付けられている。
また、平行移動装置200は、移動枠214に取り付けられた3つの部材用磁石252と、固定板212における各部材用磁石252とそれぞれ対応する位置に取り付けられた吸着用ヨーク256と、各部材用磁石252の磁束を吸着用ヨーク256に差し向けるために部材用磁石252の背面にそれぞれ取り付けられた3つのバックヨーク258とを備えて構成されている。なお、これら部材用磁石252、吸着用ヨーク256およびバックヨーク258は、可動部材吸着手段を構成する。
そして、これら部材用磁石252、吸着用ヨーク256およびバックヨーク258は、固定板212および移動枠214の所定の円周上に、たとえばそれぞれ中心角120°隔てた間隔で配置されている。また、これら部材用磁石252、吸着用ヨーク256およびバックヨーク258は、ほぼ同一の寸法や形状を有する長方形板状部材からなり、それぞれにおける長辺が所定の円周の接線と平行となるように位置決めされている。
図27に示すように、これら部材用磁石252、吸着用ヨーク256およびバックヨーク258は、それぞれ光軸LA(図示せず)方向に重なり合うように固定板212および移動枠214に配置されているため、バックヨーク258によって部材用磁石252の磁束が対応する位置の吸着用ヨーク256にそれぞれ差し向けられ、移動枠214が固定板212に吸着される。
また、3つのピン形状体218は、その軸方向両端部が、固定板212および移動枠214とそれぞれ当接する曲面を備えて形成され、固定板212および移動枠214の間に所定の間隔を形成するように配置されている。なお、各ピン形状体218は、たとえばそれぞれ隣接するピン形状体218と中心角120°隔てた位置に配置されている。
この実施の形態2にかかる平行移動装置200を使用する際には、たとえば任意の駆動手段によって移動枠214に対して駆動力を発生させ、移動枠214を固定板212に対して平行な平面内で移動させるようにすればよい。この際、移動枠214は、3つのピン形状体218が移動方向に傾動することによって、固定板212に対して平行移動される。
移動枠214は、3つのピン形状体218によって平行支持されているので、移動枠214に対しては移動の際に当接による抵抗などはほとんど作用しない。したがって、この発明の実施の形態2にかかる平行移動装置200によれば、移動枠214の移動に対する各種抵抗がほとんど作用しないので、小さな駆動力で移動枠214を移動させることが可能となる。
(実施の形態3)
つぎに、図29〜図31を参照して、この発明の実施の形態3にかかるアクチュエータについて説明する。この発明の実施の形態3にかかるアクチュエータは、たとえば上述した実施の形態1にかかるカメラ100に使用されていたアクチュエータ110に相当するが、弾性部材の弾性によって移動枠を固定板に対して吸着している点が異なっている。
(アクチュエータの全体構成)
図29は、この発明の実施の形態3にかかるアクチュエータの正面部分破断図である。また、図30は、この発明の実施の形態3にかかるアクチュエータの側方断面図である。また、図31は、この発明の実施の形態3にかかるアクチュエータの背面図である。なお、図29は、固定板312の側からアクチュエータ300を見た状態をあらわす図であり、固定板312を部分的に破断して示しているが、ここでは便宜的にこれを正面図と呼ぶこととする。
図29〜図31に示すように、アクチュエータ300は、固定部材である固定板312と、画像安定化用レンズ116が取り付けられた可動部材である移動枠314と、支持部材である3つのピン形状体318とを備えて構成されている。なお、3つのピン形状体318は、移動枠314を固定板312に対して固定する可動部材支持手段を構成している。
アクチュエータ300は、固定板312に取り付けられた3つの駆動用コイル350a,350b,350c(350cは図示せず)と、移動枠314における各駆動用コイル350a〜350cとそれぞれ対応する位置に取り付けられた3つの駆動用磁石352(2つのみ図示)と、各駆動用コイル350a〜350cの内側空隙部に配置された位置検出手段である磁気センサ354a,354b,354c(354cは図示せず)とを備えて構成されている。
また、アクチュエータ300は、各駆動用磁石352の磁力を固定板312の方に効果的に差し向けるように、駆動用磁石352の裏側にそれぞれ取り付けられたバックヨーク358を備えている。なお、各駆動用コイル350a〜350cおよび各駆動用磁石352は、移動枠314を固定板312に対して並進運動させ、あるいは回転運動させることができる駆動手段を構成する。
図29に示すように、3つのピン形状体318は、固定板312の各駆動用コイル350a〜350cを配置した円周よりも外側の円周上にそれぞれ配置されている。3つのピン形状体318は、それぞれたとえば中心角120°の間隔を隔てて配置され、各ピン形状体318は、各駆動用コイル350a〜350cの間に位置するように配置されている。
図30に示すように、各ピン形状体318は、固定板312と移動枠314との間に両者を平行支持する状態で配置される。これにより、移動枠314は固定板312に対して平行な平面上に支持され、各ピン形状体318が移動枠314の移動方向へ傾動することによって、移動枠314の固定板312に対する任意の方向への並進運動または回転運動を許容する構造を備えている。また、各ピン形状体318は、固定板312および移動枠314の間で所定の間隔を形成したまま傾動するため、移動枠314が固定板312に対して移動する場合にも、両者の間に当接による抵抗が生じることはない。
固定板312は、たとえば中心部に空間を有するドーナツ形状の円板状部材からなり、この固定板312と同心円上の所定位置に同様にドーナツ形状の円板状部材からなる固定板側基板319が取り付けられている。また、移動枠314も概ねドーナツ形状の円板状部材からなり、同心円上の所定位置に同様にドーナツ形状の円板状部材からなる移動枠側基板339が取り付けられている。
図30に示すように、固定板312および移動枠314の円周上には、たとえば中心角120°の間隔で3つの貫通穴312aおよび314aがそれぞれ設けられており、各貫通穴312aおよび314aの位置はそれぞれ整合がとられている。各貫通穴312aおよび314aの内部には、たとえば弾性体であるバネ332がそれぞれ配置されている。
各バネ332の一端は、バネ332の軸線方向に直線状に延び、他端にはフック(図示せず)が形成されている。各バネ332の直線状の端部は、固定板側基板319の各貫通穴312aと対応した位置に空けられた小孔(図示せず)に通され、固定板側基板319に直接半田332aなどによって接続されている。一方、各バネ332のフックが形成された端部は、移動枠側基板339の各貫通孔314aに対応した位置に形成された爪部339aに引っ掛けられ、移動枠側基板339に直接半田332aなどによって接続される。
各バネ332のフックは、引き伸ばされた状態で爪部339aに引っ掛けられるので、移動枠314は、各バネ332の弾性力によって固定板312の方に引っ張られて、吸着される。これにより、各ピン形状体318の軸方向両端部の曲面が、固定板312と移動枠314との間で両者と当接することにより十分にその機能を実現することができる構造を実現する。
また、貫通穴312aおよび314aは、実際の使用の範囲で移動枠314が固定板312に対して平行移動したとき、バネ332が貫通穴312aおよび314aの内壁部に接触することがないように、十分な直径を有する大きさに形成されている。さらに、移動枠314に取り付けられた移動枠側基板339と、固定板312に取り付けられた固定板側基板319とは、バネ332によって連結されているので、このバネ332を、たとえば固定板側基板319と移動枠側基板339との間で電気信号を伝達するための導体として利用することも可能となる。
この発明の実施の形態3にかかるアクチュエータ300の動作は、移動枠314がバネ332によって固定板312に吸着される点以外は、この発明の実施の形態1にかかるアクチュエータ110と同様であるのでここでは説明を省略する。なお、この発明の実施の形態3にかかるアクチュエータ300によれば、移動枠314に対する当接による抵抗などが発生しないので、小さな駆動力でスムーズに移動枠314を移動させることができる。
また、上述したピン形状体118,218,318は、たとえば硬質材や硬質樹脂材料、金属材料などによって形成されているものであるが、樹脂材料、軟質樹脂材料、ゴム系材料や可撓性材料によって形成されていてもよい。この場合は、ピン形状体118,218,318の厚さを厚くしたり外周径の大きさを大きくしたりするなどして、適度な強度が得られるような形状に形成すればよい。
以上のように、この発明にかかる平行移動装置およびこれを備えたアクチュエータ、レンズユニットおよびカメラは、たとえばフィルムカメラ、ディジタルカメラ、監視カメラ、ビデオカメラ、望遠鏡および顕微鏡などの各種の光学機器や、筒状部材、固定部材および可動部材を有する各種装置に適用することができる。
この発明の実施の形態1にかかるカメラの断面図である。 この発明の実施の形態1にかかるカメラに備えられたアクチュエータの正面部分断面図である。 この発明の実施の形態1にかかるカメラに備えられたアクチュエータの簡易分解斜視図である。 図2に示すアクチュエータのA−A簡易断面図である。 この発明の実施の形態1にかかるカメラに備えられたアクチュエータの側方一部断面図である。 この発明の実施の形態1にかかるカメラに備えられたアクチュエータが有する平行移動装置を簡易的にあらわす斜視図である。 この発明の実施の形態1にかかるカメラに備えられたアクチュエータが有する平行移動装置を簡易的にあらわす斜視図である。 平行移動装置のピン形状体の側面図である。 図7−1のA−A断面における形状をあらわす図である。 図7−1のA−A断面における他の形状をあわらす図である。 平行移動装置の側面図である。 図8−1のB−B断面における形状をあらわす図である。 図8−1のB−B断面における他の形状をあらわす図である。 ピン形状体の回転動作を説明するための図である。 平行移動装置の他のピン形状体を説明するための透過斜視図である。 平行移動装置の他のピン形状体を説明するための側面図である。 平行移動装置の他のピン形状体の動作を説明するための図である。 他のピン形状体を有する平行移動装置の側面図である。 他のピン形状体を有する平行移動装置の側面図である。 平行移動装置のさらに他のピン形状体を説明するための側面図である。 平行移動装置のさらに他のピン形状体を説明するための側面図である。 駆動用コイル、駆動用磁石、バックヨークおよび吸着用ヨークの位置関係を示すアクチュエータの部分拡大側面図である。 駆動用コイルおよび駆動用磁石における着磁方向と磁束分布とをあらわす説明図である。 駆動用コイルおよび駆動用磁石の位置関係を示すアクチュエータの部分拡大正面図である。 駆動用磁石の移動と磁気センサから出力される信号との関係を説明するための説明図である。 駆動用磁石の移動と磁気センサから出力される信号との関係を説明するための説明図である。 駆動用磁石の移動と磁気センサから出力される信号との関係を説明するための説明図である。 駆動用磁石の移動と磁気センサから出力される信号との関係を説明するための説明図である。 駆動用磁石の移動と磁気センサから出力される信号との関係を説明するための説明図である。 駆動用磁石の移動と磁気センサから出力される信号との関係を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態1にかかるカメラのレンズユニットに備えられたコントローラにおける信号処理の経路を示すブロック図である。 固定板上に配置された3つの駆動用コイルと、移動枠上に配置された3つの駆動用磁石との位置関係を示す説明図である。 移動枠が並進運動および回転運動した場合のコイル位置指令信号を説明するための説明図である。 駆動用コイルに出力する電流を制御する回路の一例を示す回路図である。 この発明の実施の形態1にかかるカメラに備えられたアクチュエータの駆動用磁石の配置態様を変形した場合について説明するための図である。 この発明の実施の形態1にかかるカメラに備えられたアクチュエータのさらなる変形例を説明するための図である。 この発明の実施の形態2にかかる平行移動装置の正面部分破断図である。 この発明の実施の形態2にかかる平行移動装置の側方断面図である。 この発明の実施の形態2にかかる平行移動装置の背面図である。 この発明の実施の形態3にかかるアクチュエータの正面部分破断図である。 この発明の実施の形態3にかかるアクチュエータの側方断面図である。 この発明の実施の形態3にかかるアクチュエータの背面図である。
符号の説明
100 カメラ
104 凹部
110,110A,300 アクチュエータ
111,200 平行移動装置
112,212,312 固定板
114,214,314 移動枠
115 係合突起
116 画像安定化用レンズ
118,218,318 ピン形状体
120 レンズユニット
128a,128b 曲面
134a,134b ジャイロ
136 コントローラ
138a,138b,170 演算回路
140 カメラ本体
146 環状部材
147 係合部
148 可動側保持用磁石
149 固定側保持用磁石
150a〜150c,350a〜350c 駆動用コイル
152,352 駆動用磁石
154a〜154c,354a〜354c 磁気センサ
158,258,358 バックヨーク
160 レンズ鏡筒
172a〜172c 磁気センサアンプ
174a〜174c 差動回路
176 手動係止用部材
178 係合ピン

Claims (10)

  1. 筐体側に設けられた固定部材と、
    光学系側に設けられた可動部材と、
    前記固定部材および前記可動部材の間に設けられ一方の端部が前記固定部材と当接し他方の端部が前記可動部材と当接して両者を支持するとともに、前記光学系の光軸に対して略直交する方向への前記可動部材の移動を可能とする支持部材と、
    を備え、
    前記支持部材は、前記可動部材を前記固定部材に対して平行支持するとともに、前記固定部材および前記可動部材とそれぞれ当接する前記両端部が曲面を有し、かつ、前記両端部の曲面の曲率半径の中心点が共通しており、前記固定部材および前記可動部材の間で当該可動部材の動きに応動して前記一方の端部を支点としつつ前記略直交する方向へ傾動するピン形状部材からなり、前記固定部材と前記可動部材の光軸方向の変位がないことを特徴とする平行移動装置。
  2. 前記支持部材は、前記両端部のうち、前記固定部材と当接する一方の端部と、前記可動部材と当接する他方の端部とが、それぞれ異なる曲率からなる前記曲面を有するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の平行移動装置。
  3. 前記支持部材は、前記両端部のうち、前記固定部材と当接する一方の端部の前記曲面の曲率が、前記可動部材と当接する他方の端部の前記曲面の曲率よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の平行移動装置。
  4. 前記固定部材および前記可動部材のいずれか一方に設けられた少なくとも3つの駆動用コイルと、前記固定部材および前記可動部材のいずれか他方の前記駆動用コイルとそれぞれ対応する位置に設けられた駆動用磁石とを有し、磁界の作用によって前記可動部材の位置を検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段によって検出された位置検出結果に基づいて、前記可動部材を外部からの振動を打ち消すように移動制御する制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の平行移動装置。
  5. 前記支持部材は、前記固定部材および前記可動部材の間に所定の間隔を形成するとともに両者の間に複数配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の平行移動装置。
  6. 前記支持部材は、前記可動部材の動きに応動して傾動する際に、前記所定の間隔における距離を保った状態で前記可動部材を平行支持することを特徴とする請求項5に記載の平行移動装置。
  7. 前記可動部材の移動に際して前記支持部材の前記光軸に平行な軸を中心とした回転方向への回転を防止する回転防止手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の平行移動装置。
  8. 筐体側に設けられた固定部材と、
    光学系側に設けられた可動部材と、
    前記固定部材および前記可動部材の間に設けられ一方の端部が前記固定部材と当接し他方の端部が前記可動部材と当接して両者を支持するとともに、前記光学系の光軸に対して略直交する方向への前記可動部材の移動を可能とする支持部材と、
    前記固定部材および前記可動部材のいずれか一方に設けられた少なくとも3つの駆動用コイルと、
    前記固定部材および前記可動部材のいずれか他方の前記駆動用コイルとそれぞれ対応する位置に設けられた駆動用磁石と、
    前記駆動用コイルに対する前記駆動用磁石の位置を磁界の作用によってそれぞれ検出する位置検出手段と、
    外部からの振動を打ち消すように前記可動部材の移動すべき位置を指令する信号に基づきそれぞれの前記駆動用コイルに対するコイル位置指令信号を生成し、当該コイル位置指令信号および前記位置検出手段によってそれぞれ検出された位置検出結果に基づいて前記駆動用コイルに流す電流をそれぞれ制御する制御手段と、
    を備え、
    前記支持部材は、前記可動部材を前記固定部材に対して平行支持するとともに、前記固定部材および前記可動部材とそれぞれ当接する前記両端部が曲面を有し、かつ、前記両端部の曲面の曲率半径の中心点が共通しており、前記固定部材および前記可動部材の間で当該可動部材の動きに応動して前記一方の端部を支点としつつ前記略直交する方向へ傾動するピン形状部材からなり、前記固定部材と前記可動部材の光軸方向の変位がないことを特徴とするアクチュエータ。
  9. レンズを収容するレンズ鏡筒と、
    前記レンズ鏡筒に取り付けられた固定部材と、
    画像安定化用レンズが取り付けられた可動部材と、
    前記固定部材および前記可動部材の間に設けられ一方の端部が前記固定部材と当接し他方の端部が前記可動部材と当接して両者を支持するとともに、前記画像安定化用レンズの光軸に対して略直交する方向への前記可動部材の移動を可能とする支持部材と、
    前記固定部材および前記可動部材のいずれか一方に設けられた少なくとも3つの駆動用コイルと、
    前記固定部材および前記可動部材のいずれか他方の前記駆動用コイルとそれぞれ対応する位置に設けられた駆動用磁石と、
    前記駆動用コイルに対する前記駆動用磁石の位置を磁界の作用によってそれぞれ検出する位置検出手段と、
    前記レンズ鏡筒の振動を検出する振動検出手段と、
    前記振動検出手段によって検出された振動検出結果に基づいて、前記画像安定化用レンズを移動させる位置を指令するレンズ位置指令信号を生成するレンズ位置指令信号生成手段と、
    前記レンズ位置指令信号生成手段によって生成されたレンズ位置指令信号に基づきそれぞれの前記駆動用コイルに対するコイル位置指令信号を生成し、当該コイル位置指令信号および前記位置検出手段によってそれぞれ検出された位置検出結果に基づいて前記駆動用コイルに流す駆動電流をそれぞれ制御する制御手段と、
    を備え、
    前記支持部材は、前記可動部材を前記固定部材に対して平行支持するとともに、前記固定部材および前記可動部材とそれぞれ当接する前記両端部が曲面を有し、かつ、前記両端部の曲面の曲率半径の中心点が共通しており、前記固定部材および前記可動部材の間で当該可動部材の動きに応動して前記一方の端部を支点としつつ前記略直交する方向へ傾動するピン形状部材からなり、前記固定部材と前記可動部材の光軸方向の変位がないことを特徴とするレンズユニット。
  10. 請求項9に記載のレンズユニットを備えることを特徴とするカメラ。
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