JP2008152034A - アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラ - Google Patents

アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラ Download PDF

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Abstract

【課題】可動部を安定して支持することができるアクチュエータを提供する。
【解決手段】本発明は、像振れを防止するアクチュエータ(10)であって、固定部(12)と、像振れ補正用レンズが取り付けられた可動部(14)と、可動部支持手段(18)と、固定部の第1駆動用コイル(20a)及び可動部の第1駆動用磁石(22a)を備えた第1駆動手段と、固定部の第2駆動用コイル(20b)及び移動部の第2駆動用磁石(22b)を備え、第1駆動手段と直交する方向の駆動力を発生する第2駆動手段と、第1駆動用磁石との間の吸着力により、可動部を固定部に吸着させる第1吸着用ヨーク(26)と、第2駆動用磁石との間の吸着力により、可動部を吸着させる第2吸着用ヨークと、可動部と固定部の間に吸着力を作用させ、像振れ補正用レンズの光軸の周囲に作用する吸着力を均一化する吸着力均一化手段(30、32)と、を有することを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラに関し、特に、像振れ補正用レンズをその光軸に直交する平面内で移動させ、像振れを防止するアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラに関する。
特開2002−196382号公報(特許文献1)には、振れ補正装置が記載されている。この振れ補正装置では、シフトレンズを保持したシフト枠を3つのボールにより平行移動可能に支持し、支持されたシフト枠を2つのリニアモーターによってX方向及びY方向に駆動している。また、3つのボールに支持されたシフト枠は、各リニアモーターの駆動用磁石と、これらに対応して設けられたヨークとの間に作用する磁力によってシフトベースに吸着される。シフト枠を支持する3つのボールは、シフトベースに吸着されたシフト枠とシフトベースの間に挟持される。この振れ補正装置においては、シフト枠がボールにより支持されているので、シフト枠を非常に小さい摺動抵抗で移動させることができる。
特開2002−196382号公報
しかしながら、特開2002−196382号公報に記載された振れ補正装置においては、シフト枠を支持する3つのボールがシフトレンズの周囲に概ね等間隔に配置され、一方、シフト枠をシフトベースに吸着させる駆動用磁石は90度の間隔で2つ配置されている。このため、各ボールを挟持する力が夫々異なり、シフト枠を安定して支持することが難しいという問題がある。即ち、挟持力が大きいボールについては、ボールとシフト枠及びシフトベースが接触する面圧が大きくなり、転がり摩擦抵抗が不必要に大きくなるという問題がある。また、挟持力が小さいボールについては挟持力が不足し、接触面が鉛直に向けられた際にボールが滑落する虞があるという問題がある。さらに、各ボールに作用する挟持力が夫々異なると、リニアモーターによりシフト枠に駆動力を加えた際、各ボールとシフト枠等との間の転がり抵抗の不釣り合いにより、光軸に直交する面内でシフト枠が回転されてしまうという問題がある。
従って、本発明は、可動部を固定部に対して安定して支持することができるアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、像振れ補正用レンズをその光軸に直交する平面内で移動させ、像振れを防止するためのアクチュエータであって、固定部と、像振れ補正用レンズが取り付けられた可動部と、この可動部を、固定部に対して平行な平面上で移動できるように支持する可動部支持手段と、固定部又は可動部の一方に取り付けられた第1駆動用コイル及び他方に取り付けられた第1駆動用磁石を備え、これらの第1駆動用コイルと第1駆動用磁石との間に作用する磁力によって、像振れ補正用レンズの光軸に直交する平面内の第1の方向の駆動力を発生する第1駆動手段と、固定部又は可動部の一方に取り付けられた第2駆動用コイル及び他方に取り付けられた第2駆動用磁石を備え、これらの第2駆動用コイルと第2駆動用磁石との間に作用する磁力によって、像振れ補正用レンズの光軸に直交する平面内で第1の方向に直交する第2の方向の駆動力を発生する第2駆動手段と、固定部又は可動部の一方に取り付けられ、第1駆動用磁石との間に作用する吸着力により、可動部を固定部に吸着させる第1吸着用ヨークと、固定部又は可動部の一方に取り付けられ、第2駆動用磁石との間に作用する吸着力により、可動部を固定部に吸着させる第2吸着用ヨークと、可動部と固定部の間に吸着力を作用させ、像振れ補正用レンズの光軸の周囲に作用する吸着力を均一化する吸着力均一化手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、像振れ補正用レンズが取り付けられた可動部が、可動部支持手段によって、固定部に対して支持される。第1駆動手段は、第1駆動用コイルと第1駆動用磁石との間に作用する磁力により、像振れ補正用レンズの光軸に直交する平面内の第1の方向の駆動力を発生する。同様に、第2駆動手段は、第1の方向に直交する第2の方向の駆動力を発生する。また、第1駆動用磁石と第1吸着用ヨークの間の吸着力、及び第2駆動用磁石と第2吸着用ヨークの間の吸着力により、可動部が固定部に吸着される。さらに、吸着力均一化手段は、可動部と固定部の間に吸着力を作用させ、像振れ補正用レンズの光軸の周囲に作用する吸着力を均一化する。
このように構成された本発明によれば、2組の駆動用磁石と吸着用ヨークの間の吸着力の他に、吸着力均一化手段が可動部と固定部の間に吸着力を作用させるので、光軸の周囲に作用する吸着力が均一化され、可動部を固定部に対して安定して支持することができる。
本発明において、好ましくは、吸着力均一化手段は、磁力により可動部を固定部に吸着させる。
このように構成された本発明によれば、吸着力均一化手段が可動部と固定部を磁力により吸着させるので、吸着力均一化手段により固定部と可動部の間に光軸方向以外の吸着力が作用するのを防止することができ、像振れ補正用レンズの駆動に悪影響が及ぶのを回避することができる。
本発明において、好ましくは、可動部支持手段は、固定部と可動部との間に挟持された、少なくとも3つの球状体である。
このように構成された本発明によれば、可動部の移動が、固定部と可動部の間に挟持された球状体の転がりにより許容されるので、固定部と可動部の間に作用する摺動抵抗を低減することができる。
本発明において、好ましくは、球状体は3つであり、各球状体は、第1駆動手段と第2駆動手段の間、第2駆動手段と吸着力均一化手段の間、及び吸着力均一化手段と第1駆動手段の間に夫々配置されている。
このように構成された本発明によれば、可動部が3つの球状体により支持されるので、可動部と各球状体が確実に接触されると共に、各球状体の間に吸着力が作用するので、各球状体を安定して挟持することができる。
本発明において、好ましくは、第1及び第2駆動用磁石、第1及び第2吸着用ヨーク、及び吸着力均一化手段が、各球状体を挟持する力がほぼ等しくなるように配置されている。
このように構成された本発明によれば、各球状体がほぼ等しい力で挟持されるので、挟持力不足による球状体の滑落や、過大な挟持力により球状体の転がり抵抗が増大するのを防止することができる。
本発明において、好ましくは、第1駆動手段及び第2駆動手段が発生する駆動力の各作用線を像振れ補正用レンズの光軸に直交する直交平面に投影した投影線の交点が、可動部の重心点を直交平面に投影した点とほぼ一致する。
このように構成された本発明によれば、第1駆動手段及び第2駆動手段の駆動力の各作用線を直交平面に投影した投影線が、直交平面に投影された可動部のほぼ重心点上を通るので、駆動力が可動部に作用された際、慣性力の不釣り合いによる回転移動の発生を防止することができる。
本発明において、好ましくは、第1及び第2駆動用磁石は、可動部が像振れを補正するために移動される移動領域内にある場合には、第1及び第2駆動用磁石を像振れ補正用レンズの光軸方向に投影した各投影面が、常に第1及び第2吸着用ヨークの内部に夫々位置するように形成され、配置されている。
このように構成された本発明によれば、可動部が移動領域内にある場合に、各駆動用磁石の投影面が、常に各吸着用ヨークの内部に位置するので、それらの間に作用する吸着力を一定に維持することができ、可動部を安定して吸着することができる。
また、本発明のレンズユニットは、レンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の中に配置された撮像用レンズと、レンズ鏡筒の中に取り付けられた本発明のアクチュエータと、を有することを特徴としている。
また、本発明のカメラは、カメラ本体と、本発明のレンズユニットと、を有することを特徴としている。
本発明のアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラによれば、可動部を固定部に対して安定して支持することができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるカメラを説明する。
図1は本発明の実施形態によるカメラの断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態のカメラ1は、レンズユニット2と、カメラ本体4と、を有する。レンズユニット2は、カメラ本体4に取り付けられ、入射した光をフィルム面Fに結像させるように構成されている。また、レンズユニット2は、レンズ鏡筒6と、このレンズ鏡筒の中に配置された複数の撮像用レンズ8と、像振れ補正用レンズ16を所定の平面内で移動させるアクチュエータ10と、レンズ鏡筒6の振動を検出する振動検出手段であるジャイロ34a、34b(図1には34aのみ図示)と、を有する。概ね円筒形のレンズ鏡筒6は、内部に複数の撮像用レンズ8を保持しており、一部の撮像用レンズ8を移動させることによりピント調整を可能としている。
本発明の実施形態のカメラ1は、ジャイロ34a、34bによって振動を検出し、検出された振動に基づいてアクチュエータ10を作動させて像振れ補正用レンズ16を移動させ、カメラ本体4内のフィルム面Fに合焦される画像を安定化させている。本実施形態においては、ジャイロ34a、34bとして、圧電振動ジャイロを使用している。なお、本実施形態においては、像振れ補正用レンズ16は、1枚のレンズによって構成されているが、画像を安定させるためのレンズは、複数枚のレンズ群であっても良い。本明細書において、像振れ補正用レンズとは、画像を安定させるための1枚のレンズ及びレンズ群を含むものとする。
次に、図2乃至図4を参照して、アクチュエータ10を説明する。図2はアクチュエータ10の正面部分断面図、図3は図2のIII−III線に沿う断面図、図4は図2のIV−IV線に沿う断面図である。なお、図2は、図1におけるフィルム面F側からアクチュエータ10を見た図であり、固定枠12を部分的に破断して示した図であるが、ここでは、便宜的にこれを正面図と呼ぶものとする。
アクチュエータ10は、移動枠14を、レンズ鏡筒6に固定された固定枠12に対してフィルム面Fに平行な平面内で移動させ、これにより移動枠14に取り付けられた像振れ補正用レンズ16を移動させ、レンズ鏡筒6が振動してもフィルム面Fに結像される像が乱れることがないように駆動される。
図2乃至図4に示すように、アクチュエータ10は、レンズ鏡筒6内に固定された固定部である固定枠12、この固定枠12に対して移動可能に支持された可動部である移動枠14、及び、この移動枠14を支持する球状体である3つのスチールボール18を有する。さらに、アクチュエータ10は、スチールボール18が固定枠12と移動枠14の間で転がる範囲を規制するスチールボール受け31を有する。なお、本実施形態において、3つのスチールボール18は可動部支持手段を構成する。
さらに、アクチュエータ10は、固定枠12に取り付けられた2つの駆動用コイル20a、20bと、移動枠14の、駆動用コイル20a、20bに夫々対応する位置に取り付けられた2つの駆動用磁石22a、22bと、各駆動用コイル20a、20bの内側に配置された位置検出手段である磁気センサ24a、24bと、を有する。また、アクチュエータ10は、駆動用磁石22a、22bの磁力によって移動枠14を固定枠12に吸着させるために、固定枠12に取り付けられた吸着用ヨーク26と、駆動用磁石22a、22bの磁力を固定枠12の方に効果的に差し向けるように、各駆動用磁石の裏側に取り付けられたバックヨーク28と、を有する。なお、第1駆動用コイルである駆動用コイル20a及びこれに対応する位置に取り付けられた第1駆動用磁石である駆動用磁石22aは第1駆動手段を構成し、第2駆動用コイルである駆動用コイル20b及びこれに対応する位置に取り付けられた第2駆動用磁石である駆動用磁石22bは第2駆動手段を構成する。
また、アクチュエータ10は、固定枠12に取り付けられた吸着用磁性材30と、移動枠14の、吸着用磁性材30に対応する位置に取り付けられた吸着用磁石32と、を有する。吸着用磁性材30及び吸着用磁石32は、像振れ補正用レンズの光軸の周囲に作用する吸着力を均一化する吸着力均一化手段を構成する。
さらに、図1に示すように、アクチュエータ10は、ジャイロ34a、34bによって検出された振動と、磁気センサ24a、24bによって検出された移動枠14の位置情報に基づいて、各駆動用コイル20a、20bに流す電流を制御する制御手段であるコントローラ36を有する。
固定枠12は概ねドーナツ板状の形状を有し、その上に2つの駆動用コイル20a、20bが配置されている。図2に示すように、これら2つの駆動用コイル20a、20bは、レンズユニット2の光軸を中心とする円周上に、中心角90゜の間隔で配置されている。本実施形態においては、駆動用コイル20aは光軸の鉛直上方に配置され、駆動用コイル20bは光軸に対して水平方向に配置されている。また、駆動用コイル20a、20bは、夫々、その巻線が角の丸い矩形状に巻かれ、この矩形の中心線が円周の半径方向と一致するように配置されている。
移動枠14は、概ねドーナツ板状の形状を有し、固定枠12と平行に、固定枠12と重なるように配置されている。移動枠14の中央の開口には、像振れ補正用レンズ16が取り付けられている。移動枠14上の円周の、各駆動用コイル20a、20bに対応する位置には、長方形の駆動用磁石22a、22bが夫々埋め込まれている。即ち、各駆動用磁石22a、22bは、レンズユニット2の光軸を中心とする円周上に中心角90゜の間隔で配置されている。また、図2に示すように、各駆動用磁石22a、22bは、その長手方向の中心線が円周の半径方向と一致するように配置されている。なお、本明細書において、駆動用コイルに対応する位置とは、駆動用コイルによって形成される磁界の影響が実質的に及ぶ位置を意味している。
また、固定枠12の各駆動用コイル20a、20bの裏側、即ち、移動枠14の反対側には、長方形の吸着用ヨーク26が夫々取り付けられている。移動枠14は、駆動用磁石22a、22bが、それに対応して取り付けられた各吸着用ヨーク26に及ぼす磁力によって、固定枠12に吸着される。本実施形態においては、駆動用磁石22a、22bの磁力線が、吸着用ヨーク26に効率良く到達するように、固定枠12を非磁性材料で構成している。また、第1駆動用磁石である駆動用磁石22aに対応する吸着用ヨークが第1吸着用ヨークに該当し、第2駆動用磁石である駆動用磁石22bに対応する吸着用ヨークが第2吸着用ヨークに該当する。
また、駆動用磁石22a、22bの裏側、即ち、各駆動用コイルの反対側には、各駆動用磁石22a、22bの磁束が固定枠12の方に効率良く差し向けられるように、長方形のバックヨーク28が夫々取り付けられている。
図5(a)は、駆動用コイル20b、駆動用磁石22b、バックヨーク28及び吸着用ヨーク26の位置関係を示す部分拡大上面図であり、(b)は部分拡大正面図である。図2及び図5(a)、(b)に示すように、夫々長方形の形状を有する駆動用磁石22b及びバックヨーク28は、各長辺、短辺が夫々重なり合うように配置されている。また、駆動用コイル20bは、その各辺が、長方形の駆動用磁石22bの各長辺、短辺と夫々平行になるように配置されている。同様に、吸着用ヨーク26も、その各辺が駆動用磁石22bの各長辺、短辺と夫々平行になるように配置されている。また、吸着用ヨーク26は、駆動用磁石22bよりも大きく形成されている。このため、移動枠14が像振れを防止するために移動される移動領域内にある場合には、駆動用磁石22bを像振れ補正用レンズ16の光軸の方向に投影した投影面は、常に吸着用ヨーク26の内部に位置する。これにより、駆動用磁石22bと吸着用ヨーク26の間に作用する吸着力は、移動枠14が移動されてもほぼ一定に維持される。
さらに、駆動用磁石22bは、その着磁境界線Cが、駆動用磁石が配置されている円周の接線方向に一致するように向けられている。これにより、駆動用磁石22bは、対応する駆動用コイル20bに電流が流れると、円周の半径方向の駆動力を受ける。
なお、本明細書において、着磁境界線Cとは、各駆動用磁石の両側を夫々S極、N極としたとき、その中間のS極からN極に極性が変化する点を連ねた線を言うものとする。従って、本実施形態においては、着磁境界線Cは、長方形の駆動用磁石の各長辺の中点を通るように位置する。また、図5(a)に示すように、駆動用磁石は、その厚さ方向にも極性が変化しており、図5(a)において左下の角がS極、右下がN極、左上がN極、右上がS極になっている。
また、もう一方の駆動用コイル20aについても、対応する駆動用磁石22a、バックヨーク28及び吸着用ヨーク26が同様の位置関係で配置されている。これにより、駆動用磁石22aは、対応する駆動用コイル20aに電流が流れると、駆動用磁石が配置されている円周の半径方向の駆動力を受ける。また、駆動用磁石22aと対応する吸着用ヨーク26の間に作用する吸着力は、移動枠14の移動によらずほぼ一定に維持される。
このように、駆動用コイル20aに電流が流れると駆動用磁石22aは鉛直方向の駆動力を受け、駆動用コイル20bに電流が流れると駆動用磁石22bは水平方向の駆動力を受ける。本実施形態においては、これらの駆動力の作用線は、像振れ補正用レンズ16の概ね光軸上でほぼ直角に交わる。即ち、駆動力の各作用線を、像振れ補正用レンズ16の光軸に直交する直交平面に投影した投影線の交点は、移動枠14の重心点を直交平面に投影した点とほぼ一致する。
一方、移動枠14には長方形の吸着用磁石32が取り付けられている。吸着用磁石32は、駆動用磁石22a、22bが配置されている円周上に、駆動用磁石22a、22bに対して中心角135゜ずつ間隔をあけて配置されている。さらに、吸着用磁石32は、長手方向の中心線が円周の接線方向に向くように配置されている。
これに対して、固定枠12の、吸着用磁石32に対応する位置には、吸着用磁性材30が取り付けられている。移動枠14は、吸着用磁石32と吸着用磁性材30の間に作用する吸着力により、固定枠12に吸着されるように構成されている。また、吸着用磁性材30は、吸着用磁石32よりも大きく形成されている。このため、移動枠14が像振れを防止するために移動される移動領域内にある場合には、吸着用磁石32を像振れ補正用レンズ16の光軸の方向に投影した投影面は、常に吸着用磁性材30の内部に位置する。これにより、吸着用磁石32と吸着用磁性材30の間に作用する吸着力は、移動枠14が移動されてもほぼ一定に維持される。
さらに吸着用磁石32の裏側、即ち、吸着用磁性材30の反対側にも、駆動用磁石と同様に長方形のバックヨーク28が取り付けられており、吸着用磁石32の磁束が固定枠12の方に効率良く差し向けられるように構成されている。
なお、像振れ補正用レンズ16、駆動用磁石22a、22b、バックヨーク28、吸着用磁石32等が取り付けられた移動枠14の重心点は、ほぼ像振れ補正用レンズ16の光軸上に位置するように構成されている。
次に、図2に示すように、3つのスチールボール18は、像振れ補正用レンズ16の光軸を中心とする円周上に夫々配置されている。また、図3に示すように、固定枠12の各スチールボール18に対応する位置には、スチールボール受け31が夫々取り付けられている。各スチールボール受け31には、円形の凹部が設けられており、この凹部の中にスチールボール18が夫々配置されている。これにより、各スチールボール18が転がる範囲は、スチールボール受け31の凹部の内部に規制される。
また、3つのスチールボール18は、夫々、中心角120゜の間隔を隔てて配置され、スチールボール18のうちの1つが、駆動用コイル20aと20bの中間に位置するように配置されている。これにより、3つのスチールボール18は、駆動用コイル20aと20bの間、駆動用コイル20bと吸着用磁性材30の間、及び吸着用磁性材30と駆動用コイル20aの間に夫々配置される。
また、本実施形態においては、スチールボール18として鋼製の球体を使用しているが、スチールボール18は必ずしも球体でなくても良い。即ち、アクチュエータ10の作動中においてスチールボール受け31と接触する部分が概ね球面の形状を有する形態であればスチールボール18として使用することができる。なお、本明細書において、このような形態を球状体という。
一方、移動枠14は駆動用磁石22a、22b、及び吸着用磁石32によって固定枠12に吸着されるので、各スチールボール18は固定枠12と移動枠14の間に挟持されることになる。ここで、像振れ補正用レンズ16の光軸の周囲に作用する吸着力は、吸着用磁石32と吸着用磁性材30の間に作用する吸着力により均一化される。このため、固定枠12と移動枠14の間に挟持される3つのスチールボール18には、ほぼ等しい挟持力が夫々作用する。これにより、移動枠14は固定枠12に平行な平面上に支持され、各スチールボール18が挟持されながら転がることによって、移動枠14の固定枠12に対する任意の方向の運動が許容される。
また、各スチールボール18に作用する挟持力はほぼ等しいので、移動枠14が固定枠12に対して平行移動される際の転がり抵抗は、各スチールボール18ともほぼ等しくなる。このため、移動枠14を平行移動させる際の抵抗力は、像振れ補正用レンズ16の光軸を中心としてほぼ均一になる。一方、駆動用コイル20a及び駆動用磁石22aから構成される第1駆動手段は移動枠14に鉛直方向の駆動力を作用させ、この鉛直方向の駆動力の作用線は、上記のように像振れ補正用レンズ16の光軸上を通る。従って、第1駆動手段による駆動力が移動枠14に作用されたとき、移動枠14に作用する抵抗力の不釣り合いによる固定枠12に平行な平面内における移動枠14の回転移動は、殆ど誘起されない。
さらに、上記のように、第1駆動手段による駆動力の作用線は、ほぼ移動枠14の重心点上を通る。このため、第1駆動手段による駆動力が移動枠14に作用されたとき、移動枠14に働く慣性力の不釣り合いによる移動枠14の回転移動は殆ど誘起されない。従って、移動枠14は、第1駆動手段による鉛直方向の駆動力により、鉛直方向に並進移動される。
同様に、駆動用コイル20b及び駆動用磁石22bから構成される第2駆動手段は移動枠14に水平方向の駆動力を作用させ、この駆動力により移動枠14は水平方向に並進移動される。
図2乃至図5に示すように、各駆動用コイル20a、20bの内側には、夫々磁気センサ24a、24bが配置されている。各磁気センサは、移動枠14が像振れ補正用レンズ16の光軸と他の撮像用レンズ8の光軸が一致する中立位置にあるとき、各磁気センサの感度中心点Sが、各駆動用磁石の着磁境界線C上に夫々位置するように配置されている。本実施形態においては、磁気センサとしてホール素子を使用している。
図6は、駆動用磁石22bの移動と磁気センサ24bから出力される信号との関係を説明する図である。図6に示すように、磁気センサ24bの感度中心点Sが、駆動用磁石22bの着磁境界線C上に位置する場合には、磁気センサ24bからの出力信号は0である。移動枠14と共に駆動用磁石22bが移動し、磁気センサ24bの感度中心点が駆動用磁石22bの着磁境界線上から外れると、磁気センサ24bの出力信号が変化する。図6に示すように、駆動用磁石22bが着磁境界線Cに直交する方向、即ち、Y軸方向に移動すると、磁気センサ24bは、正弦波状の信号を発生する。従って、この移動量が微小である場合には、磁気センサ24bは、駆動用磁石22bの移動距離にほぼ比例した信号を出力する。本実施形態において、駆動用磁石22bの移動距離が、駆動用磁石22bの長辺の長さの3%程度以内の場合には、磁気センサ24bから出力される信号は、磁気センサ24bの感度中心点Sと駆動用磁石22bの着磁境界線Cの間の距離にほぼ比例する。また、本実施形態において、アクチュエータ10は、各磁気センサの出力が距離にほぼ比例する範囲内で作動する。
図7(a)乃至(c)に示すように、磁気センサ24bの感度中心点S上に駆動用磁石22bの着磁境界線Cが位置する場合には、図7(b)のように駆動用磁石22bが回転移動した場合、図7(c)のように駆動用磁石22bが着磁境界線Cの方向に移動した場合とも、磁気センサ24bからの出力信号は0である。また、図7(d)乃至(f)に示すように、駆動用磁石22bの着磁境界線Cが磁気センサ24bの感度中心点Sから外れた場合には、感度中心点Sと着磁境界線Cの間の距離rに比例した信号が磁気センサ24bから出力される。従って、感度中心点Sと着磁境界線Cの間の距離rが同じであれば、図7(d)のように駆動用磁石22bが着磁境界線Cに直交する方向に移動した場合、図7(e)のように駆動用磁石22bが並進及び回転移動した場合、図7(f)のように任意の方向に並進移動した場合とも、何れも同じ大きさの信号が磁気センサ24bから出力される。
ここでは、磁気センサ24bについて説明したが、もう一方の磁気センサ24aも、これに対応する駆動用磁石22aとの位置関係に基づいて同様の信号を出力する。このため、各磁気センサ24a、24bによって検出された信号に基づいて、移動枠14が固定枠12に対して並進移動した位置を特定することができる。
次に、図8を参照して、アクチュエータ10の制御を説明する。図8は、コントローラ36における信号処理を示すブロック図である。図8に示すように、レンズユニット2の振動は、2つのジャイロ34a、34bによって時々刻々検出され、コントローラ36に内蔵されたレンズ位置指令信号生成手段である演算回路38a、38bに入力される。本実施形態においては、ジャイロ34aはレンズユニット2のピッチング運動の角速度を、ジャイロ34bはヨーイング運動の角速度を夫々検出するように構成され、配置されている。
演算回路38a、38bは、ジャイロ34a、34bから時々刻々入力される角速度に基づいて、像振れ補正用レンズ16を移動させるべき位置を時系列で指令するレンズ位置指令信号を生成する。すなわち、演算回路38aは、ジャイロ34aによって検出されるピッチング運動の角速度を時間積分し、所定の修正信号を加算することによってレンズ位置指令信号の鉛直方向成分を生成し、同様に、演算回路38bは、ジャイロ34bによって検出されるヨーイング運動の角速度に基づいてレンズ位置指令信号の水平方向成分を生成するように構成されている。このようにして得られたレンズ位置指令信号に従って、像振れ補正用レンズ16を時々刻々移動させることにより、写真撮影の露光中にレンズユニット2が振動した場合にも、カメラ本体4内のフィルム面Fに合焦される像は乱れることなく安定化される。
一方、磁気センサ24aによって測定された、駆動用コイル20aに対する駆動用磁石22aの移動量は、磁気センサアンプ42aによって所定の倍率に増幅される。差動回路44aは、演算回路38aから出力されたレンズ位置指令信号の鉛直成分と、磁気センサアンプ42aから出力された駆動用コイル20aに対する駆動用磁石22aの移動量との差に比例した電流を駆動用コイル20aに流す。従って、レンズ位置指令信号と磁気センサアンプ42aからの出力に差がなくなると、駆動用コイル20aには電流が流れなくなり、駆動用磁石22aに作用する駆動力が0になる。
同様に、磁気センサ24bによって測定された、駆動用コイル20bに対する駆動用磁石22bの移動量は、磁気センサアンプ42bによって所定の倍率に増幅される。差動回路44bは、演算回路38bから出力されたレンズ位置指令信号の水平成分と、磁気センサアンプ42bから出力された駆動用コイル20bに対する駆動用磁石22bの移動量との差に比例した電流を駆動用コイル20bに流す。従って、レンズ位置指令信号と磁気センサアンプ42bからの出力に差がなくなると、駆動用コイル20bには電流が流れなくなり、駆動用磁石22bに作用する駆動力が0になる。
次に、図9を参照して、コントローラ36の具体的な回路の一例を説明する。図9は、駆動用コイル20aに流す電流を制御する回路の一例を示す。なお、図9の回路では、各オペアンプを作動させるための電源供給ライン等の付属的な回路は省略されている。まず、図9に示すように、電源電圧+Vccとアース電位GNDの間に電気抵抗R7及びR8が直列に接続される。さらに、オペアンプOP4のプラス入力端子が、電気抵抗R7とR8の間に接続される。また、オペアンプOP4のマイナス入力端子は、オペアンプOP4の出力端子に接続されている。これにより、オペアンプOP4の出力端子の電圧は、電気抵抗R7及びR8によって、電源電圧+Vccとアース電位GNDの間の基準電圧VREFに設定され、維持される。
一方、磁気センサ24aの1番端子と2番端子の間には、電源電圧+Vccが印加される。また、磁気センサ24aの3番端子は、基準電圧VREFに接続されている。これにより磁気センサ24aに作用する磁気が変化すると、磁気センサ24aの4番端子の電圧が+VccとGNDの間で変化する。
磁気センサ24aの4番端子は、可変抵抗VR2を介してオペアンプOP1のマイナス入力端子に接続されており、可変抵抗VR2を調整することによって磁気センサ24aの出力のゲインが調整される。また、可変抵抗VR1の両固定端子が、+Vcc及びGNDに夫々接続されている。可変抵抗VR1の可動端子は電気抵抗R1を介して、オペアンプOP1のマイナス入力端子に接続されている。可変抵抗VR1を調整することによって、オペアンプOP1の出力のオフセット電圧が調整される。また、オペアンプOP1のプラス入力端子は、基準電圧VREFに接続されている。オペアンプOP1の出力端子は、電気抵抗R2を介して、オペアンプOP1のマイナス入力端子に接続されている。
駆動用コイル20aに対するレンズ位置指令信号を出力する演算回路38aはオペアンプOP3のプラス入力端子に接続されている。オペアンプOP3の出力端子は、オペアンプOP3のマイナス入力端子に接続されている。従って、オペアンプOP3は、レンズ位置指令信号のバッファアンプとして作用する。
オペアンプOP1の出力端子は、電気抵抗R3を介して、オペアンプOP2のマイナス入力端子に接続されている。また、オペアンプOP3の出力端子は、電気抵抗R4を介して、オペアンプOP2のプラス入力端子に接続されている。このため、磁気センサ24aの出力とレンズ位置指令信号の差がオペアンプOP2の出力端子から出力される。また、オペアンプOP2のプラス入力端子は、電気抵抗R5を介して基準電圧VREFに接続され、オペアンプOP2の出力端子は電気抵抗R6を介してオペアンプOP2のマイナス入力端子に接続されている。これらの電気抵抗R5、R6によってマイナス側及びプラス側のゲインが設定される。
オペアンプOP2の出力端子は、駆動用コイル20aの一端に接続され、駆動用コイル20aの他端は基準電圧VREFに接続される。従って、駆動用コイル20aには、オペアンプOP2の出力と基準電圧VREFの電位差に応じた電流が流れる。駆動用コイル20aに電流が流れると磁界が発生し、駆動用磁石22aに磁力を作用させ、駆動用磁石22aを移動させる。この磁力は、駆動用磁石22aがコイル位置指令信号で指令された位置に近づく方向に作用する。駆動用磁石22aが移動されると、磁気センサ24aの4番端子から出力される電圧が変化する。駆動用磁石22aがレンズ位置指令信号で指令された位置まで移動すると、オペアンプOP2のプラス入力端子及びマイナス入力端子に入力される電圧が等しくなり、駆動用コイル20aには電流が流れなくなる。
上述した、図9のオペアンプOP1は、図8の磁気センサアンプ42aに対応し、オペアンプOP2は、差動回路44aに対応している。また、図9では、駆動用コイル20aに流す電流を制御する回路について説明したが、駆動用コイル20bに流す電流も全く同様の回路で制御することができる。
次に、図1及び8を参照して、本発明の実施形態によるカメラ1の作用を説明する。まず、カメラ1の手ブレ防止機能の起動スイッチ(図示せず)をONにすることにより、レンズユニット2に備えられたアクチュエータ10が作動される。レンズユニット2に取り付けられたジャイロ34a、34bは、所定周波数帯域の振動を時々刻々検出し、コントローラ36に内蔵された演算回路38a、38bに出力する。ジャイロ34aはレンズユニット2のピッチング方向の角速度の信号を演算回路38aに出力し、ジャイロ34bはヨーイング方向の角速度の信号を演算回路38bに出力する。演算回路38aは、入力された角速度信号を時間で積分して、ピッチング角度を算出し、これに所定の修正信号を加えて鉛直方向のレンズ位置指令信号を生成する。同様に、演算回路38bは、入力された角速度信号を時間で積分して、ヨーイング角度を算出し、これに所定の修正信号を加えて水平方向のレンズ位置指令信号を生成する。演算回路38a、38bによって時系列で出力されるレンズ位置指令信号によって指令される位置に、像振れ補正用レンズ16を時々刻々移動させることによって、カメラ本体4のフィルム面Fに合焦される像が安定化される。
演算回路38aによって出力された鉛直方向のレンズ位置指令信号rYは、差動回路44aに入力される。同様に、演算回路38bによって出力された水平方向のレンズ位置指令信号rXは差動回路44bに入力される。
一方、駆動用コイル20aの内側に配置された磁気センサ24aは磁気センサアンプ42aに、駆動用コイル20bの内側の磁気センサ24bは磁気センサアンプ42bに検出信号を出力する。磁気センサアンプ42a、42bで夫々増幅された磁気センサの検出信号は、差動回路44a、44bに夫々入力される。
差動回路44a、44bは、入力された各磁気センサの検出信号と、レンズ位置指令信号rX、rYの差に応じた電圧を夫々発生し、この電圧に比例した電流を駆動用コイル20a、20bに流す。各駆動用コイルに電流が流れると電流に比例した磁界が発生する。この磁界により各駆動用コイルに対応して配置された各駆動用磁石は夫々、レンズ位置指令信号rX、rYによって指定された位置に近づく方向の駆動力を受ける。上述したように、各駆動用コイルと各駆動用磁石の間で発生する駆動力は、夫々鉛直方向及び水平方向の並進運動のみを移動枠14に誘起するので、移動枠14は殆ど回転されることなく、レンズ位置指令信号rX、rYによって指定された位置に並進移動される。
各駆動用磁石が駆動力を受けると、移動枠14と固定枠12の間に挟持されているスチールボール18が転動し、駆動用磁石が取り付けられた移動枠14を同一平面内で滑らかに並進移動させる。このとき、スチールボール18は、スチールボール受け31及び移動枠14の上を転がるので、移動枠14の移動に対する抵抗力は転がり抵抗のみであり、摺動抵抗が作用しないので、移動枠14は小さな駆動力で滑らかに移動される。また、スチールボール18、スチールボール受け31及び移動枠14は、表面硬度が高い材料で構成されているので、スチールボール18とスチールボール受け31及び移動枠14の間の転がり抵抗は特に小さくなる。
さらに、像振れを防止するために移動枠14が移動される領域内においては、駆動用磁石22a、22bを光軸の方向に投影した投影面は常に吸着用ヨーク26の内部に位置し、吸着用磁石32の投影面は常に吸着用磁性材30の内部に位置する。これにより、移動枠14を固定枠12に吸着させる吸着力は、移動枠14の位置に関わらずほぼ一定となり、吸着力は常に像振れ補正用レンズ16の周囲にほぼ均等に作用し、移動枠14は固定枠12に対して安定して支持される。
また、移動枠14を吸着させる吸着力が移動枠14の位置に関わらず常にほぼ一定であるため、3つのスチールボール18を夫々挟持する挟持力もほぼ均一に、ほぼ一定に維持される。これにより、挟持力の不足によるスチールボール18の滑落や、過大な挟持力によるスチールボール18の転がり抵抗の増大が防止される。
各駆動用コイルと駆動用磁石の間に作用する駆動力により、駆動用磁石がレンズ位置指令信号により指定された位置に到達すると、レンズ位置指令信号と磁気センサの検出信号が一致するので差動回路の出力は0となり、駆動力も0になる。また、外乱、又は、レンズ位置指令信号の変化等により、各駆動用磁石がレンズ位置指令信号により指定された位置から外れると、再び各駆動用コイルに電流が流され、各駆動用磁石はレンズ位置指令信号によって指定された位置に戻される。
以上の作用が時々刻々繰り返されることにより、各駆動用磁石を有する移動枠14に取り付けられた像振れ補正用レンズ16が、レンズ位置指令信号に追従するように移動される。これにより、カメラ本体4のフィルム面Fに合焦される像が安定化される。
本発明の実施形態によるカメラでは、像振れ補正用レンズの光軸の周囲で、2組の駆動用磁石と吸着用ヨークに加え、吸着用磁石と吸着用磁性材が吸着力を発生させるので、光軸の周囲に作用する吸着力が均一化され、移動枠を固定枠に対して安定して支持することができる。
また、本発明の実施形態によるカメラでは、吸着用磁石と吸着用磁性材によって吸着力を発生させているので、光軸方向の吸着力のみを移動枠に作用させることができる。これにより、像振れ補正用レンズの駆動に悪影響が及ぶのを回避することができる。即ち、移動枠をコイルバネ等により固定枠に吸着させた場合には、移動枠に光軸に直交する方向の成分の力が作用することが避けられず、この力が像振れ補正用レンズを駆動する制御の外乱となって制御に悪影響を及ぼす。また、移動枠をコイルバネ等により吸着させた場合には、コイルバネの取り付け部等に働く摩擦力のために、吸着力が安定しないという欠点もある。
さらに、本実施形態によるカメラでは、移動枠が、スチールボールによって支持されているので、移動枠と固定枠の間に作用する摺動抵抗を低減することができると共に、移動枠を小さな駆動力で滑らかに移動させることができる。さらに、移動枠を小さな駆動力で移動させることができるので、高速応答が可能なアクチュエータを構成することができる。
また、本実施形態によるカメラでは、3つのスチールボールによって移動枠が支持され、それらの間に吸着力が作用するので、移動枠とスチールボールが確実に接触すると共に、各スチールボールを安定して挟持することができる。
さらに、本実施形態によるカメラでは、各駆動用磁石と各吸着用ヨークの間に働く吸着力、及び吸着用磁石と吸着用磁性材の間に働く吸着力がほぼ等しいので、挟持力不足によってスチールボールが滑落したり、過大な挟持力によってスチールボールの転がり抵抗が増大したりするのを防止することができる。
また、本実施形態によるカメラでは、駆動用磁石と駆動用コイルの間に働く駆動力の作用線を、像振れ補正用レンズの光軸に直交する直交平面に投影した投影線が、移動枠の重心点を直交平面に投影した点の上をほぼ通るので、駆動力によって、移動枠の直交平面内での回転が誘起されることがない。このため、移動枠の並進運動をガイドする部材を使用することなく、移動枠を並進運動させることができる。
さらに、本実施形態によるカメラでは、各吸着用ヨークが各駆動用磁石よりも大きく構成されており、像振れ補正制御により移動枠が移動される範囲内においては、常に、各駆動用磁石の光軸方向の投影面は各吸着用ヨークの内部に位置する。このため、吸着用ヨークと駆動用磁石の間に働く吸着力は、像振れ補正制御中ほぼ一定に維持され、移動枠を安定して吸着することができ、移動枠をスチールボール上に安定して支持することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、本発明をフィルムカメラに適用していたが、本発明は、デジタルカメラ、ビデオカメラ等、静止画又は動画撮像用の任意のカメラに適用することができる。また、本発明を、これらのカメラのカメラ本体と共に使用されるレンズユニットに適用することもできる。
また、上述した実施形態においては、移動枠は固定枠に対して、3つの球状体であるスチールボールによって支持されていたが、4つ以上の球状体によって移動枠を支持しても良い。
また、上述した実施形態においては、固定枠に駆動用コイルが取り付けられ、移動枠に駆動用磁石が取り付けられていたが、固定枠に駆動用磁石を、移動枠に駆動用コイルを取り付けることもできる。さらに、上述した実施形態においては、駆動用磁石として永久磁石を使用しているが、駆動用磁石として電磁石を使用することもできる。
さらに、上述した実施形態においては、位置検出手段として、駆動用磁石の磁気を検出してその位置を測定する磁気センサを使用しているが、各駆動用コイルに対する各駆動用磁石の位置を検出する磁気センサ以外の任意の位置検出用センサを位置検出手段として使用することができる。
本発明の実施形態によるカメラの断面図である。 本発明の実施形態によるカメラに使用されているアクチュエータの正面部分断面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 図2のIV−IV線に沿う断面図である。 駆動用コイル、駆動用磁石、バックヨーク及び吸着用ヨークの位置関係を示す(a)部分拡大上面図、及び(b)部分拡大正面図である。 駆動用磁石の移動と磁気センサから出力される信号との関係を説明する図である。 磁気センサと駆動用磁石の位置の関係を説明する図である。 コントローラにおける信号処理を示すブロック図である。 駆動用コイルに流す電流を制御する回路の一例を示す図である。
符号の説明
1 カメラ
2 レンズユニット
4 カメラ本体
6 レンズ鏡筒
8 撮像用レンズ
10 アクチュエータ
12 固定枠
14 移動枠
16 像振れ補正用レンズ
18 スチールボール
20a 駆動用コイル
20b 駆動用コイル
22a 駆動用磁石
22b 駆動用磁石
24a 磁気センサ
24b 磁気センサ
26 吸着用ヨーク
28 バックヨーク
30 吸着用磁性材
31 スチールボール受け
32 吸着用磁石
34a ジャイロ
34b ジャイロ
36 コントローラ
38a 演算回路
38b 演算回路
42a 磁気センサアンプ
42b 磁気センサアンプ
44a 差動回路
44b 差動回路

Claims (9)

  1. 像振れ補正用レンズをその光軸に直交する平面内で移動させ、像振れを防止するためのアクチュエータであって、
    固定部と、
    上記像振れ補正用レンズが取り付けられた可動部と、
    この可動部を、上記固定部に対して平行な平面上で移動できるように支持する可動部支持手段と、
    上記固定部又は上記可動部の一方に取り付けられた第1駆動用コイル及び他方に取り付けられた第1駆動用磁石を備え、これらの第1駆動用コイルと第1駆動用磁石との間に作用する磁力によって、上記像振れ補正用レンズの光軸に直交する平面内の第1の方向の駆動力を発生する第1駆動手段と、
    上記固定部又は上記可動部の一方に取り付けられた第2駆動用コイル及び他方に取り付けられた第2駆動用磁石を備え、これらの第2駆動用コイルと第2駆動用磁石との間に作用する磁力によって、上記像振れ補正用レンズの光軸に直交する平面内で上記第1の方向に直交する第2の方向の駆動力を発生する第2駆動手段と、
    上記固定部又は上記可動部の一方に取り付けられ、上記第1駆動用磁石との間に作用する吸着力により、上記可動部を上記固定部に吸着させる第1吸着用ヨークと、
    上記固定部又は上記可動部の一方に取り付けられ、上記第2駆動用磁石との間に作用する吸着力により、上記可動部を上記固定部に吸着させる第2吸着用ヨークと、
    上記可動部と上記固定部の間に吸着力を作用させ、上記像振れ補正用レンズの光軸の周囲に作用する吸着力を均一化する吸着力均一化手段と、
    を有することを特徴とするアクチュエータ。
  2. 上記吸着力均一化手段は、磁力により上記可動部を上記固定部に吸着させる請求項1記載のアクチュエータ。
  3. 上記可動部支持手段が、上記固定部と上記可動部との間に挟持された、少なくとも3つの球状体である請求項1又は2記載のアクチュエータ。
  4. 上記球状体は3つであり、上記各球状体は、上記第1駆動手段と上記第2駆動手段の間、上記第2駆動手段と上記吸着力均一化手段の間、及び上記吸着力均一化手段と上記第1駆動手段の間に夫々配置されている請求項3記載のアクチュエータ。
  5. 上記第1及び第2駆動用磁石、上記第1及び第2吸着用ヨーク、及び上記吸着力均一化手段が、上記各球状体を挟持する力がほぼ等しくなるように配置されている請求項3又は4記載のアクチュエータ。
  6. 上記第1駆動手段及び上記第2駆動手段が発生する駆動力の各作用線を上記像振れ補正用レンズの光軸に直交する直交平面に投影した投影線の交点が、上記可動部の重心点を上記直交平面に投影した点とほぼ一致する請求項1乃至5の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  7. 上記第1及び第2駆動用磁石は、上記可動部が像振れを補正するために移動される移動領域内にある場合には、上記第1及び第2駆動用磁石を上記像振れ補正用レンズの光軸方向に投影した各投影面が、常に上記第1及び第2吸着用ヨークの内部に夫々位置するように形成され、配置されている請求項1乃至6の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  8. レンズ鏡筒と、
    このレンズ鏡筒の中に配置された撮像用レンズと、
    上記レンズ鏡筒の中に取り付けられた請求項1乃至7の何れか1項に記載のアクチュエータと、
    を有することを特徴とするレンズユニット。
  9. カメラ本体と、
    請求項8記載のレンズユニットと、
    を有することを特徴とするカメラ。
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