JP4739616B2 - 亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接方法および装置 - Google Patents

亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接方法および装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車外板などに用いられる亜鉛メッキ鋼板をレーザビームの照射により重ね溶接する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より自動車ボデーの製造ラインなどでは、2枚の亜鉛メッキ鋼板を重ね溶接する工程がある。この溶接工程では従来スポット溶接が多用されていたが、スポット溶接では2枚の亜鉛メッキ鋼板の溶接部であるスポット部の強度的信頼性が低いという問題があった。そのため、上記スポット部の数を増加させたり、補強部材を入れるなどの対策がなされていたが、生産性やコストの点で問題があり、近年、レーザ溶接などの高速溶接装置を用いた連続溶接への移行が図られつつある。
【0003】
一般に、レーザ溶接は高速溶接ができ、また、溶接品質も良好であるという点で優れた方法とされている。ところが、亜鉛メッキ鋼板の重ね溶接においては、鋼板表面にメッキされた亜鉛の沸点が母材に比べて低いため、鋼板溶融直前あるいは溶融中に2枚の鋼板にはさまれた部分で亜鉛が蒸気となり、溶融部に取り残されて気泡(ブローホールやピット)となったり、圧力によって周りの溶融金属を吹き飛ばす爆飛現象を生じることがあり、いずれも溶接ビード形状、継手の強度特性などの溶接品質を劣化させる要因となるため、安定して良好な連続ビードを得ることが困難である。
【0004】
この問題を解決する方法として、例えば、特開平04−288986号公報には、亜鉛メッキ鋼板の重ね合わせ部に多孔質のスペーサなどを挿入して所定の隙間を設け、溶接時に発生する亜鉛蒸気を前記隙間に逃がす方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、自動車用構造部品などの複雑な形状および剛性の高いプレス成形材を扱う大量生産設備において、常に所定の隙間を管理するということは実際上非常に困難であり、必然的に重ねあわせ部が密着したり、隙間が狭くなる部位が発生し、その部位にて溶接時に気泡や爆飛が発生する問題が生じる。一方、目標値に対して隙間が大き過ぎても溶接が不可能になる。
【0006】
そこで、亜鉛メッキ鋼板の間に隙間を設けることなしにレーザ溶接した際にも、亜鉛蒸気起因のブローホールなど溶接欠陥を発生することなく良好なビードを得るための方法を見出すことが工業的には有利と考えられ、各種の検討がなされている。
【0007】
従来、予熱用レーザとしてビーム径が大きくかつエネルギー密度が低い半導体レーザ、そして溶接用レーザとして炭酸ガスレーザを組み合わせて溶接する方法が知られている(例えば、独フラウンフォファー研究所によるもの、ALAW2000、2000年3月、14−15ページ参照)。
【0008】
また、1台のレーザ発振器から出力されたレーザビームをビーム径とエネルギー密度の異なる2つのビームに分割してそれらを同心円上に重畳して同時に照射したり、エネルギー密度の異なる2つのビームに分割してそれらを溶接線方向の前後に配置しながら照射することにより、低エネルギー密度でビームで亜鉛メッキを蒸発させ、高エネルギー密度のビームで溶接する方法が知られている(例えば、特開平04−231190号公報参照)。
【0009】
また、亜鉛メッキ鋼板の重ね合わせ部が密着またはその隙間が非常に狭い状態であるときにレーザ溶接した際に、亜鉛蒸気起因のブローホールなど溶接欠陥を防止するための方法における従来の第3の例として、溶接用炭酸ガスレーザを溶接部に対して通常の0°入射ではなく若干の角度をつけた傾斜入射とするレーザ溶接方法が知られている(例えば、ATC Powerlasers社によるもの、ICALEO2000、セクションC、1-6ページ参照)。関連して特開平7−96379号公報には、アルミ合金などブローホール欠陥の発生し易い金属材料のレーザ溶接において、レーザの照射角度を、溶接方向に対して前進角20°〜60°あるいは後進角20°〜60°に制御するレーザ溶接方法が開示されている。
【0010】
さらに、亜鉛メッキ鋼板の重ね合わせ部が密着またはその隙間が非常に狭い状態であるときにレーザ溶接した際に、亜鉛蒸気起因のブローホールなど溶接欠陥を防止するための方法における従来の第4の例として、溶接用レーザとしてパルスYAGレーザを用い、パルス動作の周波数をディーティを所定の範囲とすることにより、レーザ照射による金属の溶融部である溶融池を連続保持して良好な溶接特性を得んとする方法が例えば特開平09−108872号公報に開示されている。
【0011】
さらにまた、亜鉛メッキ鋼板の重ね合わせ部が密着またはその隙間が非常に狭い状態であるときにレーザ溶接した際に、亜鉛蒸気起因のブローホールなど溶接欠陥を防止するための方法における従来の第5の例として、レーザ照射中にレーザ照射領域を酸素に富んだガスで包囲することにより亜鉛を酸化物として固溶させる方法が、例えば特開平5−96392号公報に開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のレーザビームを用いた亜鉛メッキ鋼板の密着式重ねレーザ溶接方法には、以下のような問題があった。すなわち、第1の方法(独フラウンフォファー研究所、ALAW2000、2000年3月、14−15ページ)にて開示される半導体レーザと炭酸ガスレーザを組み合わせて用いる方法では2台のレーザ発振器のために溶接機のレーザヘッドが大きくなり実用的ではない。
【0013】
また、第2の方法(特開平04−231190号公報)に開示される1台のレーザ発振器からのレーザビームを2分割して低エネルギー密度のビーム照射により亜鉛メッキ鋼板の鋼板表面の亜鉛を蒸発・離散してその領域を高エネルギー密度のビーム照射により溶接する方法は、特に、2枚の亜鉛メッキ鋼板が隙間なき場合には低エネルギー密度のビーム照射により亜鉛の蒸発・離散を安定性良く行うことは難しく、亜鉛蒸気起因の溶接部欠陥および溶融金属の爆飛の発生を実用レベルで完全に無くすことは不可能であった。
【0014】
第3の方法(ATC Powerlasers社、ICALEO2000、セクションC、1-6ページ)については、基本的にミラー伝送方式となる炭酸ガスレーザビームを複雑な形状を有する自動車用構造体などの曲面に沿って精度良く倣わせていくことが必要となるが、装置が複雑化するため実用的とは言えない。
【0015】
第4の方法(特開平09−108872号公報)は、高いパワー密度を有するパルスレーザの溶接部へのレーザ照射時に母材金属の瞬間的蒸発圧力により形成される空洞(キーホール)をパルス制御により安定に保持しようとするものであるが、キーホールの時間挙動は未だよく解明されていない不確定な部分があるため、板性状の微妙な変化などにより狙いが外れ易く、生産現場で必要な長時間の安定性確保は難しい。
【0016】
第5の方法(特開平5−96392号公報)は、溶接速度と酸素量のマッチングが重要であり、これを誤ると溶け落ちや熱影響層の拡大など溶接部への悪影響が出易く生産現場で必要な長時間の安定性確保は難しい。
【0017】
本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接において隙間なき場合にも亜鉛蒸気の発生による溶融金属の爆飛や溶接部欠陥の発生を低減し、溶接ビード形状および品質に優れた亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)亜鉛メッキ鋼板の重ね合せ部をレーザビームを用いて溶接するための亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置において、
個々のレーザダイオードのレーザビームを放射する活性層ストライプであるエミッタ幅方向である第1の方向に一列に並べられたリニアアレイレーザダイオードを複数台積み重ねて設けられ、各エミッタから出射したレーザビームが2次元アレイ状に配列したレーザビーム群を放射するスタックアレイレーザダイオードと、
前記スタックアレイレーザダイオードの出射方向の前面に配設され、前記レーザビーム群を各列毎に、前記エミッタの厚み方向であって前記第1の方向に対して直角な第2の方向に屈折させてコリメートして、第2の方向について平行光にする第1の集光器と、
前記第1の集光器の前面に配設され、前記第2の方向にコリメートされたレーザビーム群を受光してレーザビームごとにその断面の軸を直角に旋回し、レーザビーム群の各列毎に前記第1の方向について平行光であるレーザビーム群に変換して放射する第1の光路変換器と、
前記第1の光路変換器から放射されたレーザビーム群を受光し、レーザビーム群の各列毎に第1の方向の間隔が短縮された複数列の前記第1の方向に並んだレーザビーム群に変換して放射するビーム圧縮器と、
前記ビーム圧縮器の前面に配設され、前記ビーム圧縮器から放射されたレーザビーム群を受光して、各列毎のレーザビーム群それぞれをその断面の軸を直角に旋回し、前記第2の方向について平行光であるレーザビーム群に変換し、その結果、全てのレーザビームが前記第2の方向に1に並んだレーザビーム群に変換して放射する第2の光路変換器と、
前記第2の光路変換器から放射された1列に並んだレーザビーム群を前記第2の方向と垂直な方向にコリメートして行化する第2の集光器と
を備える光学系を複数台有し、
前記複数の光学系は、各スタックアレイレーザダイオードを、それぞれの第1の方向を平行になるように、且つ第1の方向に並列配置されており、
前記光学系それぞれから放射されレーザビーム群を、前記亜鉛メッキ鋼板の重ね合せ部に集光させる第3の集光器を具備し、
前記第1の方向を溶接進行方向に向けて配置して溶接することを特徴とする亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
)亜鉛メッキ鋼板の重ね合せ部をレーザビームを用いて溶接するための亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置において、
個々のレーザダイオードのレーザビームを放射する活性層ストライプであるエミッタ幅方向である第1の方向に一列に並べられ、切れ目のない直線状発行部を形成するリニアアレイレーザダイオードを複数台積み重ねて設けられ、各エミッタから出射したレーザビームが2次元アレイ状に配列したレーザビーム群を放射するスタックアレイレーザダイオードと、
前記スタックアレイレーザダイオードの出射方向の前面に配設され、前記レーザビーム群を各列毎に、前記エミッタの厚み方向であって前記第1の方向に対して直角な第2の方向に屈折させてコリメートして、第2の方向について平行光にする第1の集光器と、
前記第1の集光器の前面に配設され、前記第2の方向にコリメートされたレーザビーム群の各列内のレーザビームを区分し、区分されたレーザビームそれぞれを単位として、該レーザビームそれぞれの断面の軸を直角に旋回する複数の光学素子を各列内に並列して備え、前記第2の方向にコリメートされたレーザビーム群を受光して、該レーザビーム群の各列毎に前記第1の方向について平行光であるレーザビーム群として放射する第1の光路変換器と、
前記第1の光路変換器から放射されたレーザビーム群を受光し、レーザビーム群の各列毎に第1の方向の間隔が短縮された複数列の前記第1の方向に並んだレーザビーム群に変換して放射するビーム圧縮器と、
前記ビーム圧縮器の前面に配設され、前記ビーム圧縮器から放射されたレーザビーム群を受光して、各列毎のレーザビーム群それぞれをその断面の軸を直角に旋回し、前記第2の方向について平行光であるレーザビーム群に変換し、その結果、全てのレーザビームが前記第2の方向に1に並んだレーザビーム群に変換して放射する第2の光路変換器と、
前記第2の光路変換器から放射された1列に並んだレーザビーム群を前記第2の方向と垂直な方向にコリメートして平行化する第2の集光器と
を備える光学系を複数台有し、
前記複数の光学系は、各スタックアレイレーザダイオードを、それぞれの第1の方向を平行になるように、且つ第1の方向に並列配置されており、
前記光学系それぞれから放射されレーザビーム群を、前記亜鉛メッキ鋼板の重ね合せ部に集光させる第3の集光器を具備し、
前記第1の方向を溶接進行方向に向けて配置して溶接することを特徴とする亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
)前記第1の光路変換器と前記ビーム圧縮器との間に配設され、前記第1の光路変換器から放射された前記レーザビーム群を各列毎に前記第2の方向に屈折させてコリメートする第4の集光器を備えることを特徴とする()または()に記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
前記複数の光学系のうち溶接進行方向の先頭に配設された光学系の前記第2の集光器と前記第3の集光器との間にレーザビームの光路を周期的に移動させる機能を有する透明板を配設することを特徴とする()〜()のいずれか1つに記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
)前記透明板をウェッジの付いたものとし溶接線方向または溶接線と直角な方向に所定の周波数で移動する機構を備え、集光点においてビームスポットを溶接線方向または溶接線と直角な方向に前記所定の周波数で振動させることを特徴とする()に記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
)前記ウェッジ付の透明板を所定の周波数で回転させる機構を備え、集光点においてビームスポットを前記所定の周波数で回転させることを特徴とする()に記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
)前記複数の光学系のスタックアレイレーザダイオードのうち少なくとも1部をパルス波形制御することを特徴とする()〜()のいずれか1つに記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
)前記パルス波形制御する機能を備えたスタックアレイレーザダイオードを溶接進行方向の先頭に配置することを特徴とする()に記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の本旨とするところをより詳らかとするため、以下、添付の図面に基づき説明を行う。
【0020】
図10は、本発明による亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接方法の概念を説明する図である。図10は、被溶接鋼板上に集光されたレーザビームを模式的に示している。貫通溶接に用いられる集光レーザビーム95に加えて、溶接の進行方向の先頭部分96(網掛けにて表示)を時間的に、あるいは空間的に変調することが本発明の特徴である。図10は、空間変調の場合を示す。特に溶接線と直角な方向にビームの先頭部分を振動させる場合を表示している。図11は、時間変調の場合を示す。図10および図11では、溶接進行方向に長く集光されたビームの例を表示したが、これは、後述する本発明の光学系を用いてレーザダイオードを集光した際のビーム形状に相当する。なお、図10および図11にて示した概念は、YAGレーザなどのビーム合成によっても実現できるが、以下では、特にレーザダイオードを用いる場合について述べる。
【0021】
図1は、本発明による亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の構成例を示す平面図、図2はその立面図である。スタックアレイレーザダイオード10は、幅約10mmの間にレーザビームを放射する10個から100個(図1では、便宜上7個描画されている)の活性層ストライプ(エミッタ)12を一列に配列したリニアアレイレーザダイオードを積み重ね(図2では、便宜上16層描画されている)高さ5mm〜40mm程度の集合体としたものである。用途によっては、より高く積み上げることもある。
【0022】
各エミッタの断面は、例えば、幅100μm〜200μm、厚み0.1μm〜1μmで、エミッタ端面から放射されるレーザ光線は、厚み方向の放射角が40°〜50°、幅方向の放射角が約10°である。エミッタはリニアアレイレーザダイオードの端部に一列に並んでいるため、スタックアレイレーザダイオードは、正面から見ると線分が2次元アレイ状に配列した光源を与える。
【0023】
第1の柱状レンズアレイ20は、スタックアレイレーザダイオード10から放射されるレーザ光に対してエミッタ12の厚み方向への集束力を有し、エミッタ12に垂直な成分の発散光を平行化する。しかし、前記第1の柱状レンズアレイ20はエミッタ12の幅方向には集束力を持たないのでこの方向では光は直進し、レーザビームの幅方向の放射角は約10°で変わらない。
【0024】
第1の光路変換器30が、第1の柱状レンズアレイ20から出力されるレーザビームの断面を入射光に対してほぼ90°回転させる。第1の光路変換器30は、スタックアレイレーザダイオード10の各エミッタに1対1に対応する光学素子を各エミッタに対応するように2次元アレイ状に配列したものである。このような光学素子としては、特開平7−98402号公報にて開示された光路変換器を用いることができる。
【0025】
第1の柱状レンズアレイ20によって幅方向に約10°の角を持って放散し厚み方向に平行光となったレーザビーム(図2参照)は、第1の光路変換器30によって、各ビーム毎に90°回転させられるので、厚み方向に放射角約10°、幅方向に平行な光に変換される(図1参照)。なお、上記光学素子は、複数のエミッタを含むエミッタ群に対応するようにしたものであっても良い。
【0026】
このように約90°回転したレーザビームがエミッタ、もしくはエミッタ群の数だけ平行に並ぶので、光路変換後のスタックアレイレーザダイオードの放射光はエミッタが梯子状に並列し、その並列がさらに複数並列して2次元的に配列したものと実質的に同じものとなる。
【0027】
ビーム圧縮器40が梯子状に並列したレーザビームの梯子の間隔を短縮しレーザビームを圧縮する。このような圧縮されたレーザビームが、さらに、スタックアレイレーザダイオード10の高さ方向(図1で紙面垂直方向)に1列に直列することになる。ビーム圧縮器40としては、公知のアナモルフィックプリズムペアなどを用いることができる。
【0028】
第2の光路変換器50が、ビーム圧縮器40から圧縮されて出力されるレーザビームの断面をまとめて入射光に対してほぼ90°回転させる。第2の光路変換器50は、ビーム圧縮器40から圧縮されて出力されるレーザビームに1対1に対応する光学素子を前記圧縮されたレーザビームに対応するように、スタックアレイレーザダイオード10の高さ方向に直線的に配列したものである。このような光学素子としては、第1の光路変換器30と同様に特開平7−98402号公報にて開示された光路変換器を用いることができる。
【0029】
第2の光路変換器50によるビーム回転の結果、スタックアレイレーザダイオードを構成するすべてのエミッタから出射したレーザビームは1列に並列したレーザビーム群となる。なお、上記1列に並列したレーザビーム群の並列要素は、前述のように、複数のエミッタを含むエミッタ群に対応するようにしたものであっても良い。
【0030】
柱状レンズ60がスタックアレイレーザダイオード10の高さ方向に平行に設けられている。スタックアレイレーザダイオード10から放射され第1の柱状レンズアレイ20と第1の光路変換器30、ビーム圧縮器40、第2の光路変換器50を通過したレーザ光は、エミッタ毎にリニアアレイに垂直な成分が平行光となり、幅方向の放射角は10°になっているが、これらが並列しているから、レーザビーム全体はリニアアレイに平行な方向における放射角が約10°程度となる。柱状レンズ60は、このレーザ光を受容して幅方向について平行化する。かくしてレーザ光はいずれの方向についても平行な光となる。
【0031】
集束レンズ70が柱状レンズ60を通過して全体に平行光となったレーザビームを小さなビームスポットに集束する。ここで、第1の柱状レンズアレイ20の焦点距離をf1、柱状レンズ60の焦点距離をf3、集束レンズ70の焦点距離をf2、エミッタ12の幅をω0、厚みをd0とすると、1個のエミッタからのレーザ光の集光ビームスポット幅ω1および厚みd1は、次のようにして求められる。
【0032】
d1=d0・f2/f1
ω1=ω0・f2/f3
上式より明らかなように、鋭いスポットを得るためにはf1およびf3は大きいほど良いことになる。ここで、典型的な値として、例えば、ω0が200μm、エミッタの配列ピッチが800μm、エミッタ長軸方向の放射角が10°、さらに、リニアアレイのスタック間隔が4mmであると仮定する。この場合、隣のエミッタからのレーザ光同士はエミッタ表面から3.4mmの距離で長軸方向に重なる。このことは、光学系が本発明によらない場合、出力エネルギーを効率良く利用するためには、第1の柱状レンズアレイ20および柱状レンズ60を共にエミッタ表面から3.4mm以下の距離に配設する必要があり、レーザビームを平行化するためには、f1とf3の値は最大でも3.4mmであらねばならぬことを意味する。
【0033】
しかし、本発明が開示するごとく、f1が3.4mmより小さい適当な値を持つ第1の光路変換器をエミッタ表面から3.4mm以下の距離に置き、これによりレーザビームを90°回転させると、その後のレーザ光は、エミッタの長軸に平行な方向については平行光となり相互に重畳することがなく、エミッタの短軸方向には約10°の広がりを有するビームとして伝播するようになる。その結果、エミッタの短軸方向については、隣のリニアアレイダイオード層のレーザ光同士は、エミッタ表面からの光路長が21.7mmの位置で重なる。そこで、ビーム圧縮器40と第2の光路変換器50を21.7mm以下の位置に置き、第2の光路変換器50によりレーザビームを90°回転させると、エミッタの短軸に平行な方向については平行光となり相互に重畳することがない。そして、エミッタの長軸に平行な方向に約10°の広がりを有するようになる。
【0034】
この放射光を柱状レンズ60で平行光にするためには、焦点距離f3を十分大きな値に取る。すなわち、f3は3.4mmや21.7mmに制約されることなく適当な値を選択することができる。例えば、集束レンズ70の焦点距離f2と同じ値を選ぶこともでき、その場合はビームスポットの幅ω1は200μmとなる。
【0035】
このように、本発明の光学系によれば、ビームスポットの幅ω1と厚みd1とを十分小さな値にすることが可能になり、スタックアレイを構成する個々のリニアアレイレーザダイオードの光出力を効率的に利用した強力な集光密度を得ることが可能となる。したがって、本発明の本旨とするところである亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接にも大変好適となる。
【0036】
ここで図12を参照して、以上に述べた本発明の光学系の機能を1個のスタックアレイレーザダイオードからの出力レーザビームの軌跡を追いながら総合的に説明する。図12は、本発明の第1の柱状レンズアレイ20、第1の光路変換器30、ビーム圧縮器40、第2の光路変換器50、柱状レンズ60、および集束レンズ70からなる光学系を説明するブロック図である。図示しないスタックアレイレーザダイオード10はここではリニアアレイを図12の上下方向に積層したものとする。したがって、エミッタから放射されたレーザビーム14は各々水平方向に長軸を有する。そしてリニアアレイごとに対応する第1の柱状レンズアレイ20で垂直方向をコリメートされる。垂直方向をコリメートされたビーム15は、第1の光路変換器30によって断面の向きをほぼ90°旋回されて長軸方向が垂直なビーム16となる。この時点で点線状のビーム群が梯子状のビーム群に変換される。次にビーム圧縮器40が梯子間隔を圧縮して梯子間隔の狭いビーム群17を出力する。そして第2の光路変換器50が梯子間隔の狭くなったビーム群17をリニアアレイごとに再度ほぼ90°旋回する。この段階で元々水平方向を向いていたビームのエミッタ長軸は再び水平方向を向くことになる。そしてスタックアレイを構成するすべてのエミッタからのビームは1列の梯子状に配列されたビーム群18となる。次に柱状レンズ60がエミッタの幅方向の発散光をコリメートし、水平方向、垂直方向ともにコリメートされたビーム群19となる。最後に集束レンズ70が一括で集光し単一のスポットを形成する。
【0037】
図3は、第1の光路変換器30とビーム圧縮器40の間に第2の柱状レンズアレイ80を挿入した本発明による亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の構成例を示す平面図、図4はその立面図である。第2の柱状レンズアレイ80は、エミッタの長軸に平行な方向に集束力を有するが、前記柱状レンズ60と組み合わせた複合光学系により、スタックアレイレーザダイオード12から放射されるレーザ光のエミッタ長軸に平行な方向の発散光を平行にする。第2の柱状レンズアレイ80を挿入することにより、隣のリニアアレイ層のレーザ光が重なり合う位置までのエミッタ表面からの光路長を延長することができる。これによりビーム圧縮器40を配置するスペースに余裕を与えることができる。
【0038】
なお、この第2の柱状レンズアレイ80は、あくまで第1の光路変換器30とビーム圧縮器40との間の空間余裕を与えるために挿入するものであって、エミッタ長軸方向の発散角を補正してコリメートすることを目的とするものではない。
【0039】
これは前述したごとく、この方向の集光径ω1は、柱状レンズの焦点距離(この場合は、第1の柱状レンズ60と柱状レンズアレイ80の複合焦点距離)f3に反比例することから、f3はなるべく大きな値とした方が良いとの理由からである。
【0040】
したがって、第2の柱状レンズアレイ80を挿入した場合にも、さらに柱状レンズ60を設置することが望ましい。
【0041】
図5は、スタックアレイレーザダイオードとしてエミッタの配置密度が高い擬似連続発振レーザダイオード11などを用いる場合の本発明による亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の構成例を示す平面図、図6はその立面図である。この場合、スタックアレイレーザダイオード11には多数のエミッタが高密度に設けられていて実質的に切れ目のない直線状発光部を形成している。
【0042】
第1の光路変換器30は、エミッタのサイズと関係なく、あるいは、所定数のエミッタに対応する寸法を有する光学素子を、適当数、直線的に配列したものである。第1の柱状レンズアレイ20、第1の光路変換器30、ビーム圧縮器40、第2の光路変換器50、柱状レンズ60、集束レンズ70の位置や作用は、図1や図2において説明したものと同じである。
【0043】
このようにエミッタの幅が狭いか、その間隔が狭いレーザダイオードを用いるときには、第1の光路変換器30の光学素子をエミッタと1対1に対応させると光路変換器の製作が実際上困難になる。本態様は、その代わりに適当な数のエミッタを群にまとめてこれに対応させたものである。また、レーザダイオードの発光部を点線状と見るかわりに1本のストライプとみなして、これを光学素子の側で適当に区分して旋回させ、実質的に梯子状に発光するレーザダイオードに変換させたものと考えることもできる。
【0044】
さて、次に亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接における本発明の効能を説明する。まず、図1にて示すところは、例として3台のスタックアレイレーザダイオードを用いた本発明の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の概念図である。前記3台のスタックアレイレーザダイオード10は溶接方向に並列配置されている。本発明のごとくに2台以上のスタックアレイレーザダイオードを並列配置すると、全体の光学系における最終段の集束レンズの屈折作用によって、上記従来の第3の方法にて用いられた斜め入射集光ビームが自然に生じ、亜鉛メッキ鋼板90の重ね溶接部にキーホール91を斜めに掘り進むように拡大形成して、重ね部の亜鉛メッキ層93から生じる亜鉛蒸気92の逃げ道を確保することが可能となる。ただし、本発明の配置では溶接線方向の先頭に配置されたスタックアレイレーザダイオードからのビームと、同じく後端に配置されたスタックアレイレーザダイオードからのビームとが協調して上記方法と同様の効果をもたらす。しかも、加工ヘッドをまったく傾斜させることなく並列配置の構成によってごく自然に実現できる利点を有する。例えば、スタックアレイレーザダイオードの並列ピッチを10mmとし、集束レンズ70の焦点距離を50mmとすると、先頭に配置されたスタックアレイレーザダイオードからのビームと同じく後端に配置されたスタックアレイレーザダイオードからのビームとがなす角度はおよそ22°となり、上記斜め入射ビームによるキーホール径拡大効果が得られる。
【0045】
次に、別の形態を説明する。図7にて示す本形態では、溶接進行方向の先頭に位置するスタックアレイレーザダイオードの光学系において、柱状レンズ60と集束レンズ70との間にウェッジ付きの透明板81を配設してあり、図示しないモータにより溶接線の前後方向あるいは溶接線に対して直角な方向に並進運動させることができるようになっている。この作用は、溶接線の前後方向あるいは溶接線に対して直角な方向に集光ビームを振動させキーホールを拡大する効果を得る。この際、断面が台形のウェッジ板を用いると振動時に光路を若干シフトさせることができる。図7では、前記ウェッジ付き透明板81を溶接線と直角方向に振動させる場合が描画されている。図7のごとく溶接線と直角方向に方向に厚みが変化する透明板を溶接線と直角方向に方向に並進運動させるとビームの経路が溶接線と直角方向に方向に振動する。ビーム振動周期Tの目安としては、溶接進行速度vに対してビーム1個分(直径D)の進行中に少なくとも1周期の振動を終えることが望ましい。すなわち、T≦D/vである。例えば、集光径Dが200μmで溶接速度vが3m/分であるとすると、ビーム振動周期Tは4ms以内、すなわち、周波数にして250Hz以上が望ましい。
【0046】
さらに、別の形態として、図8に示すように、溶接進行方向の先頭に位置するスタックアレイレーザダイオードの光学系において、柱状レンズ60と集束レンズ70との間にウェッジ角を0とした平行平板の透明板82を傾斜させて配設し、モータ駆動により回転させても良い。この場合は、ビームが平行平板を挿入しないときの光路を軸として回転するのでキーホールを径方向に均等に拡大する効果を得る。回転周期の目安は、上記並進振動の場合と同様の決め方でかまわない。
【0047】
さらにまた、図9にて示すように、溶接進行方向の先頭に位置するスタックアレイレーザダイオードとしてピークパワーの高い擬似連続波スタックアレイレーザダイオード11を用い、パルス運転させると、高いピークパワーによってキーホールを拡大する効果を得る。パルス運転の周期Tpの目安としては、溶接進行速度vに対してビーム1個分(直径D)の進行中に少なくとも1周期のパルスを発生することが望ましい。すなわち、Tp≦D/vである。例えば、集光径Dが200μmで溶接速度vが3m/分であるとすると、パルス周期Tpは4ms以内、すなわち、周波数にして250Hz以上が望ましい。
【0048】
【実施例】
図3は、本発明による亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の1実施例を示す平面図、図4はその立面図である。
【0049】
レーザヘッド13に3台のスタックアレイレーザダイオード10を備えた。これらは、連続波タイプと擬似連続波タイプとが共用可能な図示しないコネクターによってヘッド13に取り付けられている。スタックアレイレーザダイオードとしては、3台とも連続波タイプを用いた。それぞれ幅10mmの間にレーザビームを放射する12個(図1では、便宜上7個描画されている)のエミッタ12を一列に配列したリニアアレイレーザダイオードを16層積み重ね、高さ48mmの集合体としたものである。エミッタ間隔は0.8mm、リニアアレイダイオード間隔は3mmである。各エミッタの断面は、幅200μm、厚み0.1μmで、エミッタ端面から放射されるレーザ光線は、厚み方向の放射角が約45°、幅方向の放射角が約10°である。1個のエミッタの光出力は3Wとしたので、1台のスタックアレイレーザダイオードからの出力は576Wとなる。
【0050】
第1の柱状レンズアレイ20、第1の光路変換器30、第2の柱状レンズアレイ80、ビーム圧縮器40、第2の光路変換器50、柱状レンズ60を通過して全体に平行光となったレーザビームを集束レンズ70によって小さなビームスポットに集束する。第1の柱状レンズ20の焦点距離f1=2mm、第2の柱状レンズアレイ80と柱状レンズ60の複合焦点距離f3=50mm、集束レンズ70の焦点距離f2=50mmとした。したがって、一個のエミッタから出射されたビームの集光スポットサイズは、幾何光学的な計算上は幅ω1=2.5μm、厚みd1=200μmとなる。しかし、実際には光の回折効果によってここまでの集光効果は得られないこと、また、エミッタ位置のばらつきや光学素子のばらつきなどにより、集光スポットサイズは計算値の数倍から数十倍に増大することがある。本実施例での実測値は、スタックアレイ全体で幅ω1=50μm、厚みd1=300μmであった。
【0051】
隣のエミッタからのレーザ光同士はエミッタ表面から3.4mmの距離で長軸方向に重なる。よって、第1の光路変換器30はエミッタ表面から3.4mm以内の位置に配置した。第2の柱状レンズアレイ80を用いないとき、エミッタの短軸方向については、隣のリニアアレイダイオード層のレーザ光同士はエミッタ表面からの光路長が16mmの位置で重なる。しかし、ビーム圧縮器40をアナモルフィックプリズムペアで構成したので厚みが15mm必要となった。そこで、第2の柱状レンズアレイ80を配設し、ビーム圧縮器40と第2の光路変換器50をエミッタ表面からの光路長が20mm以下の位置に配置した。
【0052】
このように構成した集光光学系の透過効率は90%であった。集光パワー密度は3.5MW/cm2となり、溶接の際、キーホールの形成に十分な値を得る。
【0053】
スタックアレイレーザダイオードの並列ピッチを10mmとしたので、両端に配置されたスタックアレイレーザダイオードからビームの鋼板90への入射角度は開き角度22°となり、協調効果を発揮して斜め入射ビームによるキーホール径拡大効果を発現する。
【0054】
溶接線方向先頭に配置するスタックアレイレーザダイオード(図1でビームをハッチングしたもの)には、上述の集光光学系に加えて、図7に示すごとく柱状レンズ60と集束レンズ70との間に透明板81を挿入した。この透明板は溶接線方向の前後または左右方向に振動可能な駆動装置を備えたウェッジ板である。なお、このウェッジ板に代えて、図8に示すごとく回転機構を備えた平行平板82を挿入しても良い。本実施例ではこれら両方をモジュール式で交換できるように構成した。もちろん共に取り外すこともできる。上記の透明版を含めた光学系全体の透過効率は88%であった。集光パワー密度は3.4MW/cm2となり、キーホールの形成に十分な値を得る。このビームが溶接部の斜め前方から入射し、かつ溶接線を中心として所定の方向に振動することによりキーホールを拡大し、亜鉛メッキ鋼板の重ね部分から生じる亜鉛蒸気を効率よく逃がし、良好な溶接特性を得る。板厚0.5mmの亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接において溶接速度が3m/分のときビーム振動周波数は200Hzとした。
【0055】
次に、本発明の別の実施例を説明する。本実施例では溶接線方向の先頭に配置するスタックアレイレーザダイオード11(図9でビームをハッチングしたもの)として擬似連続波タイプのものを用いた。後方の2台は連続波タイプのものとした。擬似連続波タイプの場合、パルスデューティは20%程度に制約されるものの高いピーク出力が得られる。1個のエミッタのピーク出力は15Wとしたので、1台のスタックアレイレーザダイオードからのピーク出力は2880Wとなる。上述の光学系にて集光したパワー密度は17MW/cm2となり、溶接の際、キーホールの形成に十分な値を得る。この高いパワー密度のビームが溶接部の斜め前方から入射することによりビームを移動せしめることなくしてキーホールを拡大し、亜鉛メッキ鋼板の重ね部分から生じる亜鉛蒸気を効率よく逃がし、良好な溶接特性を得る。板厚0.5mmの亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接において溶接速度が3m/分のときビーム振動周波数は200Hzとした。
【0056】
なお、以上の実施例では、集光ビーム強度分布の変調方法として溶接線方向先頭のスタックアレイレーザダイオード全体を空間的または時間的に変調する場合を示した。すなわち、複数のスタックアレイダイオード間で機能分担させる場合を示したが、もちろん、1個のスタックアレイレーザダイオードの中で機能分担させることも可能である。特に被溶接材の板厚が薄い場合、溶接に必要なパワーが少なくてすむので1個のスタックアレイレーザダイオードを溶接線の長手方向に配置し、先頭側に空間的または時間的な変調機能を備えることで本発明の効果を享受することができる。また、ここまでの実施例の説明では、レーザダイオードでの実施例を記述したが、溶接線方向の先頭部を空間的もしくは時間的に変調する溶接方法としては、例えば、レーザダイオードとYAGレーザの組み合わせ、あるいは複数のYAGレーザの組み合わせに対しても適用可能である。
【0057】
【発明の効果】
本発明により、亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接において隙間なき場合にも、亜鉛蒸気の発生による溶融金属の爆飛や溶接部欠陥の発生を低減し、溶接ビード形状および品質に優れた亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の構成例を示す平面図。
【図2】図1に示した亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の構成例を示す立面図。
【図3】第1の光路変換器とビーム圧縮器との間に、さらに、第4の集光器を用いた本発明による亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の構成例を示す平面図。
【図4】図3に示した亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の構成例を示す立面図。
【図5】密集型エミッタ構造のレーザダイオードを用いた本発明による亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の構成例を示す平面図。
【図6】図5に示した亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の構成例を示す立面図。
【図7】本発明の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の1実施例を示す平面図。
【図8】本発明の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の1実施例における変形を示す平面図。
【図9】本発明の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置の別の実施例を示す平面図。
【図10】ビーム先頭部を空間変調する本発明の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接方法の概念図。
【図11】ビーム先頭部を時間変調する本発明の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接方法の概念図。
【図12】本発明の光学系の機能を総合的に説明する図。
【符号の説明】
10…スタックアレイレーザダイオード
11…擬似連続発振レーザダイオードを用いたスタックアレイレーザダイオード
12…活性層ストライプ(エミッタ)
13…レーザヘッド
14…スタックアレイレーザダイオードからの出力ビーム群
15…垂直方向をコリメートされたビーム群
16…90°旋回されたビーム群
17…ビーム間隔を圧縮されたビーム群
18…90°旋回されたビーム群
19…水平方向をコリメートされたビーム群
20…第1の柱状レンズアレイ(第1の集光器)
30…第1の光路変換器
40…ビーム圧縮器
50…第2の光路変換器
60…柱状レンズ(第2の集光器)
70…集束レンズ(第3の集光器)
80…第2の柱状レンズアレイ(第4の集光器)
81…ウェッジ板
82…平行平板
90…亜鉛メッキ鋼板
91…キーホール
92…亜鉛蒸気
93…亜鉛メッキ層
95…集光されたレーザビーム
96…変調されたレーザビーム

Claims (8)

  1. 亜鉛メッキ鋼板の重ね合せ部をレーザビームを用いて溶接するための亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置において、
    個々のレーザダイオードのレーザビームを放射する活性層ストライプであるエミッタ幅方向である第1の方向に一列に並べられたリニアアレイレーザダイオードを複数台積み重ねて設けられ、各エミッタから出射したレーザビームが2次元アレイ状に配列したレーザビーム群を放射するスタックアレイレーザダイオードと、
    前記スタックアレイレーザダイオードの出射方向の前面に配設され、前記レーザビーム群を各列毎に、前記エミッタの厚み方向であって前記第1の方向に対して直角な第2の方向に屈折させてコリメートして、第2の方向について平行光にする第1の集光器と、
    前記第1の集光器の前面に配設され、前記第2の方向にコリメートされたレーザビーム群を受光してレーザビームごとにその断面の軸を直角に旋回し、レーザビーム群の各列毎に前記第1の方向について平行光であるレーザビーム群に変換して放射する第1の光路変換器と、
    前記第1の光路変換器から放射されたレーザビーム群を受光し、レーザビーム群の各列毎に第1の方向の間隔が短縮された複数列の前記第1の方向に並んだレーザビーム群に変換して放射するビーム圧縮器と、
    前記ビーム圧縮器の前面に配設され、前記ビーム圧縮器から放射されたレーザビーム群を受光して、各列毎のレーザビーム群それぞれをその断面の軸を直角に旋回し、前記第2の方向について平行光であるレーザビーム群に変換し、その結果、全てのレーザビームが前記第2の方向に1に並んだレーザビーム群に変換して放射する第2の光路変換器と、
    前記第2の光路変換器から放射された1列に並んだレーザビーム群を前記第2の方向と垂直な方向にコリメートして行化する第2の集光器と
    を備える光学系を複数台有し、
    前記複数の光学系は、各スタックアレイレーザダイオードを、それぞれの第1の方向を平行になるように、且つ第1の方向に並列配置されており、
    前記光学系それぞれから放射されレーザビーム群を、前記亜鉛メッキ鋼板の重ね合せ部に集光させる第3の集光器を具備し、
    前記第1の方向を溶接進行方向に向けて配置して溶接することを特徴とする亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
  2. 亜鉛メッキ鋼板の重ね合せ部をレーザビームを用いて溶接するための亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置において、
    個々のレーザダイオードのレーザビームを放射する活性層ストライプであるエミッタ幅方向である第1の方向に一列に並べられ、切れ目のない直線状発行部を形成するリニアアレイレーザダイオードを複数台積み重ねて設けられ、各エミッタから出射したレーザビームが2次元アレイ状に配列したレーザビーム群を放射するスタックアレイレーザダイオードと、
    前記スタックアレイレーザダイオードの出射方向の前面に配設され、前記レーザビーム群を各列毎に、前記エミッタの厚み方向であって前記第1の方向に対して直角な第2の方向に屈折させてコリメートして、第2の方向について平行光にする第1の集光器と、
    前記第1の集光器の前面に配設され、前記第2の方向にコリメートされたレーザビーム群の各列内のレーザビームを区分し、区分されたレーザビームそれぞれを単位として、該レーザビームそれぞれの断面の軸を直角に旋回する複数の光学素子を各列内に並列して備え、前記第2の方向にコリメートされたレーザビーム群を受光して、該レーザビーム群の各列毎に前記第1の方向について平行光であるレーザビーム群として放射する第1の光路変換器と、
    前記第1の光路変換器から放射されたレーザビーム群を受光し、レーザビーム群の各列毎に第1の方向の間隔が短縮された複数列の前記第1の方向に並んだレーザビーム群に変換して放射するビーム圧縮器と、
    前記ビーム圧縮器の前面に配設され、前記ビーム圧縮器から放射されたレーザビーム群を受光して、各列毎のレーザビーム群それぞれをその断面の軸を直角に旋回し、前記第2の方向について平行光であるレーザビーム群に変換し、その結果、全てのレーザビームが前記第2の方向に1に並んだレーザビーム群に変換して放射する第2の光路変換器と、
    前記第2の光路変換器から放射された1列に並んだレーザビーム群を前記第2の方向と垂直な方向にコリメートして平行化する第2の集光器と
    を備える光学系を複数台有し、
    前記複数の光学系は、各スタックアレイレーザダイオードを、それぞれの第1の方向を平行になるように、且つ第1の方向に並列配置されており、
    前記光学系それぞれから放射されレーザビーム群を、前記亜鉛メッキ鋼板の重ね合せ部に集光させる第3の集光器を具備し、
    前記第1の方向を溶接進行方向に向けて配置して溶接することを特徴とする亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
  3. 前記第1の光路変換器と前記ビーム圧縮器との間に配設され、前記第1の光路変換器から放射された前記レーザビーム群を各列毎に前記第2の方向に屈折させてコリメートする第4の集光器を備えることを特徴とする請求項または請求項に記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
  4. 前記複数の光学系のうち溶接進行方向の先頭に配設された光学系の前記第2の集光器と前記第3の集光器との間にレーザビームの光路を周期的に移動させる機能を有する透明板を配設することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
  5. 前記透明板をウェッジの付いたものとし溶接線方向または溶接線と直角な方向に所定の周波数で移動する機構を備え、集光点においてビームスポットを溶接線方向または溶接線と直角な方向に前記所定の周波数で振動させることを特徴とする請求項に記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
  6. 前記ウェッジ付の透明板を所定の周波数で回転させる機構を備え、集光点においてビームスポットを前記所定の周波数で回転させることを特徴とする請求項に記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
  7. 前記複数の光学系のスタックアレイレーザダイオードのうち少なくとも1部をパルス波形制御することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
  8. 前記パルス波形制御する機能を備えたスタックアレイレーザダイオードを溶接進行方向の先頭に配置することを特徴とする請求項に記載の亜鉛メッキ鋼板の重ねレーザ溶接装置。
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