JP4648107B2 - レーザ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、レーザ装置に関し、特に、レーザ加工に適した強度プロファイルを有するレーザビームを生成するレーザ装置に関する。
従来から、レーザを用いて被加工物を加工することが行われている。例えば、レーザによる金属加工、特に鋼板の溶接は、自動車産業を中心とした多くの産業で幅広く利用されている。図1は、二枚の鋼板71および72をレーザ溶接する様子を示している。図1(a)に示されるように、COレーザ溶接やYAGレーザ溶接では、鋼板71および72の端部同士を突き合わせ、ほぼ円形の横断面を有するレーザビーム74を突き合わせ領域73に照射する。図1(b)は、レーザビーム74の強度プロファイルを示している。突き合わせ領域73の長手方向に沿ったA軸と、A軸に垂直なB軸を有する座標系を設定すると、レーザビーム74は、A軸方向およびB軸方向の双方においてガウシアン形の強度プロファイルを有している。
レーザ溶接用の光源としては、下記の特許文献1に開示されるように、半導体レーザ素子を使用することもできる。通常、半導体レーザ素子から出射するレーザビームは、その速軸方向と遅軸方向とで拡がり角が異なるため、細長い横断面を有している。特許文献1に記載される発明は、複数の半導体レーザ素子からのレーザビームを、それらの横断面の長手方向を互いに異ならせて重ね合わせることで、円形に近い横断面を有する合成ビームを生成する。
このほかに、半導体レーザアレイから出射する高出力(数100W以上)のレーザビームを用いてレーザ溶接を行うことも可能である。半導体レーザアレイは、遅軸方向に並んだ複数の発光部を有しているため、図1(c)に示されるように、半導体レーザアレイからのレーザビーム75は矩形の横断面を有している。レーザビーム75の長径方向を突き合わせ領域73の長手方向に合致させ、レーザビーム75をその長径方向に走査することにより、予備加熱および徐冷しながら溶接を行うことができる。これにより熱歪が抑えられるので、高い加工品質が得られる。
図1(d)は、レーザビーム75の長径方向および短径方向における強度プロファイルを示している。レーザビーム75の長径方向のプロファイルは、各発光部から出射するレーザビームのガウシアン形のプロファイルが重なり合って形成される。このため、レーザビーム75は、平坦な頂部を有するトップハット形のプロファイルを長径方向において有する。一方、短径方向のプロファイルは、単一の発光部から出射するレーザビームと同様にガウシアン形である。このようなプロファイルを有するレーザビームは、下記の特許文献2に開示されている。
特開平8−309574号公報 特開2002−335035号公報
図2は、図1に示される突き合わせ領域73の拡大図である。鋼板71および72の端部を完全な直線とすることは難しく、曲がっていたり変形していたりすることが多い。このため、二枚の鋼板の端部を突き合わせたとき、両者の間にギャップが生じることがある。このギャップの幅Wは非常に不均一(例えば、0〜200μm程度)である。
上記のレーザビーム74、75は、突き合わせ領域73を横切る方向(B軸方向)に沿ってガウシアン形のプロファイルを有するので、鋼板間のギャップやビーム照射位置のずれに対して許容度が小さい。例えば、レーザビームのうち最も強度の高い部分がギャップに照射されてしまい、その結果、溶接効率が低下して、加工不良を起こすことがある。また、通常、レーザビームの照射位置は、B軸方向に±50〜100μm程度の誤差を有するため、照射位置がわずかにずれただけで、レーザビームの高強度部分が突き合わせ領域73に照射されなくなり、加工不良を起こすおそれがある。
そこで、本発明は、レーザ加工の際に加工不良を起こしにくいレーザビームを生成するレーザ装置を提供することを課題とする。
本発明に係るレーザ装置は、端部同士が互いに突き合わされた被加工物を溶接するためのレーザ装置であって、第1のレーザビームを出射する第1半導体レーザアレイ第2のレーザビームを出射する第2半導体レーザアレイ、および第3のレーザビームを出射する第3半導体レーザアレイを積層したレーザアレイスタックと、第1ないし第3のレーザビームのうち少なくとも2つのレーザビームを偏向して、第1ないし第3のレーザビームの光軸を互いに傾斜させる偏向手段と、偏向手段から出射する第1ないし第3のレーザビームを集光する集光手段とを備えている。偏向手段から出射する第1ないし第3のレーザビームは、互いに平行な遅軸方向を有している。集光手段は、第1レーザビームを遅軸方向に垂直な平面内で第1の集光位置に集光すると共に、第2レーザビームを遅軸方向に垂直な平面内で第2の集光位置に集光し、第3のレーザビームを遅軸方向に垂直な平面内で第3の集光位置に集光する。第1ないし第3の集光位置は、集光手段の光軸および遅軸方向の双方に垂直な方向に沿って互いに等間隔に離間している。第1ないし第3のレーザビームの遅軸方向を被加工物の突き合わせ領域の長手方向に合致させた状態で第1ないし第3のレーザビームを遅軸方向に走査する
第1ないし第3のレーザビームが、それらの遅軸方向に垂直な方向にずらされて集光されるので、第1ないし第3のレーザビームの強度プロファイルを当該方向に沿って部分的に重ね合わせることができる。これにより、レーザビームの遅軸方向と垂直な方向においてトップハット形の強度プロファイルを形成することができる。第1ないし第3のレーザビームからなる合成ビームは、このような強度プロファイルを有するので、この合成ビームを使用してレーザ溶接などのレーザ加工を行えば、遅軸方向と垂直な方向における被加工物の寸法誤差やビーム照射位置のずれによって加工不良が起きにくくなる。
第1ないし第3の集光位置の間隔は、第1ないし第3の集光位置にそれぞれ集光された第1ないし第3のレーザビームの強度プロファイルが、遅軸方向に垂直な平面内で部分的に重なり合うように定められていてもよい。第1ないし第3のレーザビームの強度プロファイルは、例えば、ガウシアン形であってもよい。強度プロファイルが遅軸方向に垂直な方向に沿ってずれながら部分的に重なり合うことにより、トップハット形の強度プロファイルが形成される。
偏向手段は、第1のレーザビームが入射または出射する第1の面と、第2のレーザビームが入射または出射する第2の面と、第3のレーザビームが入射または出射する第3の面とを有するプリズムであってもよい。第1の面が第1のレーザビームの光軸と成す角度は、第2及び第3の面それぞれが第2及び第3のレーザビームの光軸それぞれと成す角度と異なっていてもよい。これらの角度の違いにより、第2及び第3のレーザビームの光軸を第1のレーザビームの光軸に対して傾斜させることができる。このため、比較的簡易な構成でトップハット形の強度プロファイルを得ることができる。
本発明のレーザ装置は、遅軸方向と垂直な方向においてトップハット形の強度プロファイルを有するレーザビームを生成することができる。このレーザビームを使用してレーザ加工を行えば、遅軸方向と垂直な方向において被加工物の寸法誤差やビーム照射位置のずれが生じても加工不良が起こりにくい。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図3および図4は、本実施形態に係るレーザ装置10の構成を示す概略平面図および概略側面図である。レーザ装置10は、光源11、コリメートレンズ38、プリズム14、および集光光学系20を有している。図4に示されるように、このレーザ装置10は、一群のレーザビーム32a〜32cからなる合成ビーム34を出力する。なお、図3および図4において符号30は、集光光学系20の光軸を表している。
以下では、理解を容易にするため、x軸、y軸およびz軸からなる直交座標系を設定する。x軸は、光源11における半導体レーザアレイ(後述する)の積層方向に平行であり、z軸は、レーザ装置10からの光の出射方向に平行であり、y軸は、x軸およびz軸の双方に垂直である。
図5は、光源11の一例を示す分解斜視図である。光源11は、半導体レーザアレイスタック12とコリメートレンズ38から構成されており、z方向に光を出射するように配置されている。レーザアレイスタック12aは、複数(本実施形態では9個)の半導体レーザアレイ27と複数(本実施形態では9個)のヒートシンク28がx方向に沿って交互に積層された構造を有する。
半導体レーザアレイ27は、y方向に沿って等間隔に並んだ複数の発光部29を有するレーザ素子であり、レーザダイオードアレイやレーザダイオードバーとも呼ばれる。各発光部29は、半導体レーザアレイ27の軸方向(共振器方向)に沿ってレーザビームを出射する。光源11では、軸方向はz軸に平行である。
各発光部29から出射するレーザビームは、速軸(ファーストアクシス(fast axis))および遅軸(スローアクシス(slow axis))を有している。発光部29からレーザビームが出射する際、速軸は、半導体レーザアレイ27のpn接合面に垂直な方向を示し、遅軸は、速軸および半導体レーザアレイ27の軸方向の双方に垂直な方向を示す。発光部29から出射するレーザビームは、速軸方向において最大の拡がり角を有し、遅軸方向において最小の拡がり角を有する。光源11に関しては、速軸方向がx軸と平行であり、遅軸方向がy軸と平行である。レーザアレイスタック12における複数の半導体レーザアレイ27は、速軸方向および遅軸方向が揃うように積層されており、各半導体レーザアレイ27における複数の光部29は、遅軸方向に沿って配列されている。
各半導体レーザアレイ27において複数の発光部29から出射するレーザビームは、遅軸方向に沿って互いに混ざり合い、1本のレーザビームを成す。図4では、x方向に沿って上から1番目から3番目のレーザアレイ27から出射する3本のレーザビームを符号32bで表し、4番目から6番目のレーザアレイ27から出射する3本のレーザビームを符号32aで表し、7番目から9番目のレーザアレイ27から出射する3本のレーザビームを符号32cで表している。レーザビーム32a〜32cの各々の光軸に垂直な断面(横断面)は、発光部29の配列方向、すなわち遅軸方向に沿って細長い形状(例えば、楕円形)を有している。
図5に示されるように、半導体レーザアレイ27はサブマウント26上に搭載されており、サブマウント26はヒートシンク28上に設置されている。サブマウント26およびヒートシンク28は共に導電性であり、複数の半導体レーザアレイ27を相互に電気的に接続する。ヒートシンク28は、半導体レーザアレイ27を冷却するための部材であり、その一例は、水冷プレートである。各ヒートシンク28は、階段状の上面を形成する高位部28a及び低位部28bを有している。サブマウント26および半導体レーザアレイ27は、低位部28bの先端に搭載されている。以下では、ヒートシンク28のうち半導体レーザアレイ27が搭載される部分28cを、レーザアレイ搭載部と呼ぶことにする。
サブマウント26、半導体レーザアレイ27およびヒートシンク28から成る積層構造の両側面は、サイドカバー81及び82によって覆われている。また、この積層構造の上下には、方形の上板83及び底板84が設置されている。サイドカバー81及び82ならびに上板83の上には、上部カバー85が設置されている。上板83、底板84および上部カバー85は、導電性の材料から構成されている。通常、上部カバー85の表面には、半導体レーザアレイ27に駆動電圧を供給する電極板(図示せず)が設置される。
レーザビーム32a〜32cの各々は、遅軸方向への拡がりは小さいが、速軸方向には比較的大きな拡がり角を有する。そこで、速軸方向の拡がり角を抑えて集光効率を高めるべく、レーザアレイスタック12の前方に複数(本実施形態では9個)のコリメートレンズ38が設置されている。コリメートレンズ38は、FAC(Fast Axis Collimator、速軸用コリメータ)とも呼ばれ、半導体レーザアレイ27から出射するレーザビーム32a〜32cを速軸方向で平行化(コリメート)する。言い換えると、コリメートレンズ38は、レーザビーム32aをその遅軸方向に垂直な平面内で平行ビームに変換する。
なお、コリメート手段を通過したビームは、コリメート手段の設計によっては、厳密な意味で完全には平行化されず、ビームの進行に伴ってわずかに広がり角や狭まり角を有することもある。本明細書において「平行」とは、ビームがこの様なわずかな角度を有する場合、すなわち実質的に平行な場合も含んでいる。
コリメートレンズ38は、任意の手法によって、レーザアレイスタック12の前方に固定することができる。例えば、レーザアレイスタック12の出射面を覆うように透光性のカバー(図示せず)を上板83及び底板84に取り付け、そのカバーにコリメートレンズ38を固定してもよい。
本実施形態では、コリメートレンズ38として、レンズ面39を有するシリンドリカルレンズを用いる。レンズ面39は、遅軸方向に平行な母線を有する円柱面である。コリメートレンズ38は、レンズ面39の反対側に平坦な入射面38bを有している。これらの入射面40は、半導体レーザアレイ27から出射するレーザビーム32a〜32cの光軸に対して垂直である。これらのコリメートレンズ38は、速軸方向に沿って等間隔に配列されており、半導体レーザアレイ27に一対一に対応している。各コリメートレンズ38は、対応する半導体レーザアレイ27の出射面の前方に出射面と近接させて設置される。上述のように、半導体レーザアレイ27から出射したレーザビーム32a〜32cのうち遅軸方向に垂直な成分は、コリメートレンズ38によってコリメートされる。この結果、図4に示されるように、光源11は、x方向に沿って平行に配列された一群のレーザビーム32a〜32cを出力する。これらのレーザビーム32a〜32cは、互いに平行な光軸と、互いに平行な遅軸方向を有している。
プリズム14は、レーザビーム32a〜32cを透過させる材料から構成されており、平坦な入射面15と、角度の異なる複数の出射面16a〜16cを有している。図6は、スリットミラー14の出射面16a〜16cを示す図である。入射面15は、光源11からのレーザビーム32a〜32cの光軸に垂直である。レーザビーム32aは出射面16a、レーザビーム32bは出射面16b、レーザビーム32cは出射面16cからそれぞれ出射する。出射面16aは、レーザビーム32aの光軸に対して垂直な平坦面である。したがって、入射面15に入射した3本のレーザビーム32aは、屈折することなく、この出射面16aから出射する。一方、出射面16bは、出射面16aを含む平面から反時計回りに所定の鋭角αだけ傾斜している。このため、入射面15に入射した3本のレーザビーム32bは、出射面16bから出射するときに、出射面16bの傾斜角度αとプリズム14の屈折率に応じた角度で屈折する。この結果、出射面16bから出射するレーザビーム32bの光軸は、レーザビーム32aの光軸から時計回りに角度θだけ傾斜することになる。同様に、出射面16cは、出射面16aを含む平面から時計回りに所定の鋭角αだけ傾斜しているので、入射面15に入射した3本のレーザビーム32cは、出射面16cから出射するときに、出射面16cの傾斜角度αとプリズム14の屈折率に応じた角度で屈折する。この結果、出射面16cから出射するレーザビーム32cの光軸は、レーザビーム32aの光軸から反時計回りに角度θだけ傾斜することになる。
このように、プリズム14は、レーザビーム32a〜32cの遅軸方向と垂直な平面内でレーザビーム32b、32cを偏向し、レーザビーム32b、32cの光軸をレーザビーム32aの光軸に対して傾斜させる。図4に示されるように、レーザビーム32aがz軸に平行な光軸を有するのに対し、レーザビーム32bは、レーザビーム32aの光軸に対して下向きにθの角度で傾斜した光軸を有し、レーザビーム32cは、レーザビーム32aの光軸に対して上向きにθの角度で傾斜した光軸を有する。一方、レーザビーム32a〜32cの遅軸方向は互いに平行なままである。また、図3に示されるように、レーザビーム32a〜32cは、レーザビーム32aの速軸方向(x方向)と垂直な平面内で重なり合っている。
プリズム14から出射したレーザビーム32a〜32cからなる合成ビーム34は、集光光学系20に入射する。集光光学系20は、例えば、単一または複数のレンズから構成されている。図3に示されるように、集光光学系20は、x軸に垂直な平面内において、合成ビーム34中のレーザビーム32a〜32cを同じ位置に集光する。また、図4に示されるように、集光光学系20は、y軸に垂直な平面内では、レーザビーム32a、32bおよび32cを、それぞれ異なる位置Pa、PbおよびPcに集光する。言い換えると、集光光学系20は、レーザビーム32a〜32cのうちそれらの遅軸方向に垂直な成分を、それぞれの集光位置Pa〜Pcに集光する。これらの集光位置Pa〜Pcは、集光光学系20の焦平面上に配置されている。この例では、レーザビーム32aの光軸は集光光学系20の光軸30に平行なので、集光位置Paは集光光学系20の焦点であり、したがって、集光光学系20の焦平面と光軸30との交点でもある。
集光位置Pa〜Pcは、レーザビーム32a〜32cの遅軸方向と集光光学系20の光軸30の双方に垂直な方向、すなわちx方向に沿って互いに等間隔に離間している。図4において破線で示されるように、集光されたレーザビーム32a〜32cは、それぞれ集光位置Pa〜Pcにピークを有するガウシアン形の強度プロファイルを有する。これらの強度プロファイルは、x方向に沿って相互にずれながら重なり合う。その結果、レーザビーム32a〜32cからなる合成ビーム34は、平坦な上部を有するトップハット形の強度プロファイル77を有することになる。
隣接する集光位置間の距離は、レーザビーム32a〜32cの光軸間の角度θに依存する。トップハット形の強度プロファイル77を形成するのに適したθの値は、集光光学系20の後側焦点距離やレーザビーム32a〜32cの強度プロファイルの形状にも依存するが、通常は、0°<θ≦2°であり、より好ましくは0°<θ≦1°である。
以下では、図7を参照しながら、本実施形態の利点を説明する。図7は、レーザビーム32a〜32cからなる合成ビーム34を用いたレーザ溶接の様子と、集光光学系20の焦平面上における合成ビーム34の強度プロファイルを示している。図7(a)に示されるように、鋼板71および72の突き合わせ領域73に合成ビーム34を照射してレーザ溶接が行われる。合成ビーム34の横断面は、合成ビーム34中のレーザビーム32a〜32cの遅軸方向(y方向)に沿って長尺である。合成ビーム34は、その横断面の長手方向が突き合わせ領域73の長手方向と合致するように照射される。
図7(b)に示されるように、合成ビーム34は遅軸方向においてトップハット形の強度プロファイル76を有する。このため、鋼板同士をレーザ溶接する際、合成ビーム34の遅軸方向(ビーム横断面の長手方向)を突き合わせ領域73の長手方向に合致させ、合成ビーム34を遅軸方向に走査することにより、予備加熱および徐冷しながら溶接を行うことができる。これにより、熱歪を抑えて、高い加工品質が得ることができる。
更に、合成ビーム34は、遅軸方向に垂直な方向(x方向)においてもトップハット形の強度プロファイル77を有する。強度プロファイル77の半値幅と裾部の幅(例えば、1/e幅)との比率は、ガウシアン形の強度プロファイル76の同じ比率に比べて、より1に近くなっている。強度プロファイル77のこの比率、すなわち(1/e幅)/半値幅は、好ましくは1以上2以下であり、より好ましくは1以上1.5以下である。
強度プロファイル77がトップハット形であるため、合成ビーム34は、鋼板同士をレーザ溶接する際、鋼板間のギャップやビーム照射位置のずれに対して大きな許容度を有する。すなわち、鋼板間に不均一なギャップが存在する場合や、合成ビーム34の照射位置が最適な位置からx方向に沿ってずれている場合でも、加工不良が起きにくくなる。したがって、このレーザビーム34は、レーザ溶接などのレーザ加工に好適に利用することができる。
第2実施形態
以下では、本発明の第2の実施形態に係るレーザ装置を説明する。第1の実施形態では、レーザアレイスタック12から出射するレーザビーム32a〜32cの光軸を、プリズム14を用いて相互に傾斜させる。しかし、本発明に係るレーザ装置は、他の手法によって、複数のレーザビームの光軸を相互に傾けてもよい。
図8は、本実施形態のレーザ装置の構成を示す概略側面図である。本実施形態では、第1実施形態のレーザ装置10からプリズム14を取り除き、代わりに、コリメートレンズの角度を調整することによりレーザビーム32a〜32cの光軸を相互に傾ける。図8では、x方向に沿って配列された9個のコリメートレンズのうち上から1番目から3番目を38b、4番目から6番目を38a、7番目から9番目を38cで表す。これらのコリメートレンズ38a〜38cは、第1実施形態におけるコリメートレンズ38と同じ構造を有している。コリメートレンズ38a〜38cは、それぞれ平坦な入射面40a〜40cを有しており、各コリメートレンズcの光軸はその入射面に垂直である。
第1実施形態と同様に、レーザアレイスタック12からは、互いに平行な光軸を有するレーザビーム32a〜32cが出射し、それぞれコリメートレンズ38a〜38cに入射する。コリメートレンズ38aの入射面40aは、レーザビーム32a〜32cの光軸に対して垂直であるのに対し、コリメートレンズ38bおよび38cの入射面40bおよび40cは、それらの光軸に対して傾斜している。より具体的には、コリメートレンズ38bの光軸は、入射面40bに入射するレーザビーム32bの光軸から時計回りに所定の鋭角だけ傾斜している。また、コリメートレンズ38cの光軸は、入射面40cに入射するレーザビーム32cの光軸から反時計回りに、コリメートレンズ38bと同じ鋭角だけ傾斜している。この結果、コリメートレンズ38bから出射するレーザビーム32bの光軸は、レーザビーム32aの光軸から時計回りに角度θだけ傾斜し、コリメートレンズ38cから出射するレーザビーム32cの光軸は、レーザビーム32aの光軸から反時計回りに角度θだけ傾斜する。
このように、コリメートレンズ38b、38cの角度を調整することで、集光光学系20に向かうレーザビーム32a〜32cは相互に傾斜した光軸を有することになる。その結果、レーザビーム32a〜32cの遅軸方向に垂直な方向に沿ってトップハット形の強度プロファイル77を有する合成ビーム34を、比較的簡易な構成で形成することができる。
第3実施形態
図9は、本実施形態においてレーザビーム32a〜32cの光軸を相互に傾ける手法を示す概略側面図である。本実施形態では、半導体レーザアレイ27が導電性のサブマウントと導電性のスペーサとによって挟まれる。図9において46bは、x方向に沿って配列されたサブマウントのうち上から1番目から3番目を表し、46aは4番目から6番目を表し、46cは7番目から9番目を表す。また、47bは、x方向に沿って配列されたスペーサのうち上から1番目から3番目を表し、47aは4番目から6番目を表し、47cは7番目から9番目を表す。半導体レーザアレイ27は、ヒートシンク28上に設置されたサブマウント46a〜46cの平坦な上面に搭載されている。また、半導体レーザアレイ27の上面には、スペーサ47a〜47cが設置されている。半導体レーザアレイ27は、これらのサブマウントとスペーサを介して相互に電気的に接続されている。
サブマウント46aは、yz平面に平行な上面を有するのに対し、サブマウント46b、46cは、yz平面に対して傾斜した上面を有する。より具体的には、サブマウント46bの上面は、yz平面から時計回りに角度θだけ傾斜し、また、サブマウント46cの上面は、yz平面から反時計回りに角度θだけ傾斜している。この結果、サブマウント46bの上面に搭載された半導体レーザアレイ27から出射するレーザビーム32bの光軸は、レーザビーム32aの光軸から時計回りに角度θだけ傾斜し、サブマウント46cの上面に搭載された半導体レーザアレイ27から出射するレーザビーム32cの光軸は、レーザビーム32aの光軸から反時計回りに角度θだけ傾斜する。
このように、サブマウント46bおよび46cのレーザ搭載面の角度を調整することで、集光光学系20に向かうレーザビーム32a〜32cは相互に傾斜した光軸を有することになる。その結果、レーザビーム32a〜32cの遅軸方向に垂直な方向に沿ってトップハット形の強度プロファイル77を有する合成ビーム34を、比較的簡易な構成で形成することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
上記実施形態では、プリズム14は、入射してくるレーザビームを偏向するために、そのレーザビームの光軸に対して傾斜した出射面16b、16cを有する。しかし、プリズムは、入射してくるレーザビームを偏向するために、そのレーザビームの光軸に対して傾斜した入射面を有していてもよい。また、本発明に係るレーザ装置は、プリズム14の代わりに、他の任意の偏向手段を使用してレーザビームを偏向してもよい。
上記実施形態では、角度の異なる光軸を有する3種類のレーザビーム32a〜32cを用いてトップハット形の強度プロファイルを形成するが、レーザビームの数は任意であり、角度の異なる光軸を有する2種類または4種類以上のレーザビームを用いてもトップハット形の強度プロファイルを形成することができる。
図1は、二枚の鋼板をレーザ溶接する様子を示す図である。 図2は、鋼板の突き合わせ領域の拡大図である。 図3は、第1の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す概略平面図である。 図4は、図3に示されるレーザ装置の概略側面図である。 図5は、光源の一例を示す分解斜視図である。 図6は、プリズムの出射面を示す図である。 図7は、合成ビームを用いたレーザ溶接の様子を示す概略図である。 図8は、第2の実施形態の構成を示す概略側面図である。 図9は、第3の実施形態の構成を示す概略側面図である。
符号の説明
10…レーザ装置、11…光源、12…レーザアレイスタック、14…プリズム、15…入射面、16a〜16c…出射面、20…集光光学系、26…サブマウント、27…半導体レーザアレイ、28…ヒートシンク、32a〜32c…レーザビーム、34…合成ビーム、38…コリメートレンズ、46a〜46c…サブマウント、47a〜47c…スペーサ

Claims (3)

  1. 端部同士が互いに突き合わされた被加工物を溶接するレーザ装置であって、
    第1のレーザビームを出射する第1半導体レーザアレイ第2のレーザビームを出射する第2半導体レーザアレイ、および第3のレーザビームを出射する第3半導体レーザアレイを積層したレーザアレイスタックと、
    前記第1ないし第3のレーザビームのうち少なくとも2つのレーザビームを偏向して、前記第1ないし第3のレーザビームの光軸を互いに傾斜させる偏向手段と、
    前記偏向手段から出射する前記第1ないし第3のレーザビームを集光する集光手段と、を備え、
    前記偏向手段から出射する前記第1ないし第3のレーザビームは、互いに平行な遅軸方向を有しており、
    前記集光手段は、前記第1レーザビームを前記遅軸方向に垂直な平面内で第1の集光位置に集光すると共に、前記第2レーザビームを前記遅軸方向に垂直な平面内で第2の集光位置に集光し、前記第3のレーザビームを前記遅軸方向に垂直な平面内で第3の集光位置に集光し、
    前記第1ないし第3の集光位置は、前記集光手段の光軸および前記遅軸方向の双方に垂直な方向に沿って互いに等間隔に離間しており
    前記第1ないし第3のレーザビームの前記遅軸方向を前記被加工物の突き合わせ領域の長手方向に合致させた状態で前記第1ないし第3のレーザビームを前記遅軸方向に走査する、レーザ装置。
  2. 前記第1ないし第3の集光位置の間隔は、前記第1ないし第3の集光位置にそれぞれ集光された前記第1ないし第3のレーザビームの強度プロファイルが、前記遅軸方向に垂直な平面内で部分的に重なり合うように定められている、請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 前記偏向手段は、前記第1のレーザビームが入射または出射する第1の面と、前記第2のレーザビームが入射または出射する第2の面と、前記第3のレーザビームが入射または出射する第3の面とを有するプリズムであり、
    前記第1の面が前記第1のレーザビームの光軸と成す角度は、前記第2及び第3の面それぞれが前記第2及び第3のレーザビームの光軸それぞれと成す角度と異なっている、請求項1または2に記載のレーザ装置。
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