以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明を適用した光電変換素子及び該光電変換素子の作製工程について、図1、図2、及び図5乃至図7を参照して説明する。図1及び図2は本発明の光電変換素子の断面図を示す。図5乃至図7は本発明の光電変換素子の作製工程を説明するための断面図を示す。
図1は本発明の光電変換素子を示す。図1に示す光電変換素子は、基板100上に下地層115を有し、下地層115上に第1の導電層101と、第1の導電層101の端部を覆う保護層102を有し、第1の導電層101及び保護層102上に半導体層103Dを有し、半導体層103D上に、開口部を有する絶縁層109を有し、絶縁層109上に第3の導電層111を有する。半導体層103Dは第1の半導体層103A、第2の半導体層103B、及び第3の半導体層103Cが積層して形成されており、第1の半導体層103Aは第1の導電層101と電気的に接続され、第3の半導体層103Cは第3の導電層111と電気的に接続されている。第1の半導体層103Aは一導電型の不純物元素を有し、第3の半導体層103Cは、第1の半導体層103Aとは逆の導電型の不純物元素を有する。半導体層103Dの端部の側面は、第1の半導体層103Aから第2の半導体層103Bまで一定のテーパ角(図1中の角度α)で面が連続する第1のテーパ角を有する面と、第2の半導体層103Bから第3の半導体層103Cまで一定のテーパ角(図1中の角度β)で面が連続する第2のテーパ角を有する面と、を有し、第1のテーパ角を有する面と第2のテーパ角を有する面は異なるテーパ角を有する。また、第1のテーパ角を有する面のテーパ角は第2のテーパ角を有する面のテーパ角よりも大きい。
次に、本発明の光電変換素子の作製方法について、図5乃至図7を参照して説明する。本実施の形態では基板100上に光電変換素子を形成する。
基板100には、絶縁性を有するガラス基板等を用いる。基板100は、可撓性基板であってもよい。可撓性基板としては、プラスチック等を用いることができる。基板100がガラス基板である場合には、面積や形状に大きな制限はない。そのため、基板100として、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のガラス基板を用いることで、円形の単結晶シリコン基板を用いる場合よりも生産性を向上させることができる。また、基板100がプラスチック基板である場合には、薄型、軽量で、曲げることが可能であるためデザイン性に優れた半導体装置を作製することができる。また、様々な形状への加工が容易である。プラスチック基板を用いることで、耐衝撃性に優れた光電変換装置を作製することが可能になる。更には、光電変換装置を様々な物品に貼り付けたり、埋め込んだりすることが容易になり、多種多様な分野への応用が可能になる。また、基板100がプラスチック基板の場合には、作製工程の処理温度に耐えうる、耐熱性を有するプラスチックを用いる必要がある。そのため、好適には、ガラス基板上に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)を設けた後、当該TFTを剥離して、剥離したTFTをプラスチック基板上に転置することにより設ける。可撓性基板として、具体的にはポリエチレンナフタレート(PEN)のフィルムを用いることができる。ポリエチレンナフタレートの他にも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)等のフィルムを用いてもよい。
本実施の形態で用いる基板100上には下地層115が形成されている。下地層115はポリイミド、アクリル、エポキシ樹脂等の有機樹脂により形成される。下地層115は、後の工程にて形成される積層膜の各層よりも厚い膜を形成することが好ましい。好適には樹脂ペーストのような液体を用いて、スピンコート法や液滴吐出法により形成する。
そして、下地層115上に第1の導電層101を形成する(図5(A)を参照)。第1の導電層101は単層でも積層でもよい。第1の導電層101を単層で形成する場合には、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜、或いは、これらの窒化物(例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデン)からなる膜を用いることができる。第1の導電層101を積層で形成する場合には、これらの元素を組み合わせて用いればよい。形成にはCVD法やスパッタ法、液滴吐出法等を用いればよい。本実施の形態ではTiを単層で形成する。
次に、第1の導電層101に対してエッチング等を行うことにより、所望のパターンを有する、第1の導電層101を形成する。第1の導電層101のエッチングには塩素系ガスを用いればよい。本実施の形態では、BCl3とCl2の混合ガスを用いてドライエッチングを行う。ガスの流量比を60:20(sccm)とし、チャンバー内の圧力を1.9Pa、温度を70℃にして、コイル型の電極に450WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、基板側に100WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負のバイアスパワーを加えることで、自己バイアス電圧を生成してエッチングを行う。ここで形成されたテーパ形状のテーパ角は30°前後となるように形成する。なお、レジストにハードベークを施すことで、テーパ角を小さくすることができる。また、エッチング方法について特に限定は無く、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式の他、容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)方式、電子サイクロトン共鳴プラズマ(ECR:Electron Cyclotron Resonance)方式、又は反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)方式等を用いることができる。
なお、上記のエッチング条件は一例であり、これに限定されるものではなく、第1の導電層101をエッチングできる条件であれば、そのガス種、ガスの流量比、チャンバー内の圧力若しくは温度、又は投入する電力等については特に限定されない。
次に、保護層102を形成する(図5(B)を参照)。保護層102はパターン形成された第1の導電層101の端部を覆い、光電変換層として機能する半導体層103Dを電極として機能する第1の導電層101の端部において良好に被覆せしめ、電極(第1の導電層101)の端部における電界の集中を防止する。保護層102は絶縁性材料でも、導電性材料でもよいが、保護層102の導電性が高い場合には、静電気に対する耐性が低下するため、保護層102の抵抗は高い方が好ましい。また、ポリイミド等の有機樹脂を用いた場合には、感光性材料を用いて、塗布、露光、現像、焼成のみで容易に形成でき、テーパ角が小さくなるため、後の工程にて形成される膜の被覆性を高めることができる。なお、光が基板100側から入射する場合には、保護層102は光の透過率が高い材料により形成することが望ましい。本実施の形態では、保護層102としてポリイミドを用いる。
次に、第1の導電層101上に第1の半導体層103A、第2の半導体層103B、第3の半導体層103Cを順次積層し、半導体層103Dを形成する(図5(C)を参照)。
第1の半導体層103Aは、p型半導体層であり、p型を付与する不純物元素を含むアモルファスシリコン膜により形成する。第1の半導体層103Aの形成には、13属の不純物元素(例えばボロン(B))を含む半導体材料ガスを用いて、プラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしてはシラン(SiH4)を用いればよい。または、Si2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4等を用いてもよい。また、不純物元素を含まないアモルファスシリコン膜を形成した後に、拡散法やイオン注入法を用いて該アモルファスシリコン膜に不純物元素を導入してもよい。イオン注入法等により不純物元素を導入した後に加熱等を行うことで、不純物元素を拡散させるとよい。この場合にアモルファスシリコン膜を形成する方法としては、LPCVD法、気相成長法、又はスパッタリング法等を用いればよい。第1の半導体層103Aの膜厚は10nm以上50nm以下となるよう形成することが好ましい。
第2の半導体層103Bは、i型半導体層(真性半導体層)であり、アモルファスシリコン膜により形成する。第2の半導体層103Bの形成には、半導体材料ガスを用いて、アモルファスシリコン膜をプラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしては、シラン(SiH4)を用いればよい。または、Si2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4等を用いてもよい。第2の半導体層103Bの形成は、LPCVD法、気相成長法、スパッタリング法等により行っても良い。第2の半導体層103Bの膜厚は200nm以上1000nm以下となるように形成することが好ましい。
第3の半導体層103Cは、n型半導体層であり、n型を付与する不純物元素を含むアモルファスシリコン膜により形成する。第3の半導体層103Cの形成には、15族の不純物元素(例えばリン(P))を含む半導体材料ガスを用いて、プラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしてはシラン(SiH4)を用いればよい。または、Si2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4等を用いてもよい。また、不純物元素を含まないアモルファスシリコン膜を形成した後に、拡散法やイオン注入法を用いて該アモルファスシリコン膜に不純物元素を導入してもよい。イオン注入法等により不純物元素を導入した後に加熱等を行うことで、不純物元素を拡散させるとよい。この場合にアモルファスシリコン膜を形成する方法としては、LPCVD法、気相成長法、又はスパッタリング法等を用いればよい。第3の半導体層103Cの膜厚は20nm以上200nm以下となるよう形成することが好ましい。
なお、p型半導体層、i型半導体層、n型半導体層は、上記とは逆の順序で積層されていてもよい。すなわち、第1の半導体層103Aがn型半導体で形成され、第2の半導体層103Bがi型半導体で形成され、第3の半導体層103Cがp型半導体で形成されていてもよい。この場合には、光は基板とは逆の方向から、つまり、薄膜が積層されている方から入射することが好ましい。一般に、pin型フォトダイオードにおいては、光がp型半導体層側から入射する構造であることが好ましい。
また、第1の半導体層103A、第2の半導体層103B、及び第3の半導体層103Cは、アモルファス半導体ではなく、多結晶半導体を用いて形成してもよいし、セミアモルファス半導体(Semi Amorphous Semiconductor。以下、SASという。)を用いて形成してもよい。
なお、SASとは、非晶質半導体と結晶構造を有する半導体(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体である。SASは、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち、格子歪みを有する結晶質であり、その粒径を0.5〜20nmとして非単結晶半導体膜中に分散させて存在せしめることが可能である。SASは、ラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしており、また、X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端させるために、水素又はハロゲンを少なくとも1原子%以上含ませている。本明細書では便宜上、このような半導体をSASと呼ぶ。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオン等の希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な特性を有することができる。なお微結晶半導体(マイクロクリスタル半導体)もSASに含まれる。SASはシリコンを含む気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的なシリコンを含む気体としては、シラン(SiH4)であり、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4等を用いることができる。また水素や、水素にヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた少なくとも一種の希ガス元素を含ませたガスにより、これらのシリコンを含む気体を希釈して用いることで、SASの形成を容易なものとすることができる。シリコンを含む気体は、希釈率が2倍〜1000倍になるように希釈されることが好ましい。さらには、シリコンを含む気体中に、CH4、C2H6等の炭化物気体、GeH4、GeF4等のゲルマニウム化気体、F2等を混入させることで、エネルギーバンド幅を1.5〜2.4eV、又は0.9〜1.1eVに調節することができる。
次に、第3の半導体層103C上にレジスト104を所望のパターンとなるように形成する(図5(C)を参照)。現在の量産ラインにて使用されるレジストとして、ノボラック樹脂を主成分とするものが挙げられる。ノボラック樹脂を主成分とするレジストは、ドライエッチング耐性が高いため、好ましい。また、ポリエチレン系樹脂を主成分とするレジストもドライエッチングに対する耐性が優れているため、ポリエチレン系樹脂を主成分とするレジストを用いてもよい。
続いて、レジスト104をマスクとして半導体層103Dの所望の箇所をドライエッチングにより除去する。パターンの形成は3段階のエッチングにより行い、これらをそれぞれ、第1乃至第3のエッチングとよぶ。
第1のエッチングにはアモルファスシリコンに対するエッチングレートが大きい、CF4とCl2の混合ガスを用いることが好ましい。ここでは、一例として、ガスの流量比を40:40(sccm)とし、チャンバー内の圧力を2.0Pa、温度を70℃にして、コイル型の電極に450WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、基板側に100WのRF(13.56MHz)電力を投入することで、実質的に負のバイアスパワーを加え、自己バイアス電圧を生成してエッチングを行う。このような条件を用いることで、厚膜形成された半導体層103Dのエッチングを短時間で行うことができる。また、上述のように半導体層103Dが厚いため、エッチング時間を調整して、第2の半導体層103Bの一部と第1の半導体層103Aを残すようにエッチングを行うことが可能である(図6(A)を参照)。または第1の半導体層103Aの一部のみを残すようにエッチングを行ってもよい。
なお、上記のエッチング条件は一例であり、これに限定されるものではなく、半導体層103Dをエッチングできる条件であれば、そのガス種、ガスの流量比、チャンバー内の圧力若しくは温度、又は投入する電力等については特に限定されない。
次に、第1のエッチング工程後に残っている半導体層103D内の点線で囲まれた領域105をエッチングにより除去するために第2のエッチングを行う。第2のエッチングはO2を含むガスにより行うことが好ましく、より好ましくはCF4とO2の混合ガスを用いる。第1の導電層101にTiを用いる場合には、一例として、ガスの流量比を45:55(sccm)とし、チャンバー内の圧力を2.5Pa、温度を70℃にして、コイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、基板側に200WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負のバイアスパワーを加え、自己バイアス電圧を生成してエッチングを行うことで、第1の導電層101を除去することなく、半導体層103D内の点線で囲まれた領域105のみをエッチング除去することができる。
O2を含む混合ガスを用いたドライエッチングでは、レジストが等方的にエッチングされて後退し、マスクされる領域が小さくなる。また、第3の半導体層103Cの表面のマスクから露出された領域は酸化されるため、酸化珪素層106が形成される(図6(B)を参照)。このとき、下層に存在する第1の導電層101はエッチングされない。
第2のエッチングでは、オーバーエッチングを施し、下地層115の表面を点線で囲まれた領域116に示すように、凹凸を形成するまでエッチングを行うことが好ましい。下地層115の表面を凹凸形状にすることで、後の工程で下地層115上に形成される絶縁膜の密着性が向上する。
次に、酸化珪素層106を選択的に除去するために第3のエッチングを行う。第3のエッチングには、CHF3とHeの混合ガスを用いたドライエッチングを行うとよい。一例として、ガスの流量比を7.5:142.5(sccm)とし、チャンバー内の圧力を5.5Pa、温度を70℃にして、コイル型の電極に475WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、基板側に300WのRF(13.56MHz)電力を投入することで、実質的に負のバイアスパワーを加え、自己バイアス電圧を生成してエッチングを行うとよい。このような条件でエッチングを行うことにより、シリコンのエッチングレートを抑えて酸化珪素のエッチングレートを高くすることができ、第2の半導体層103Bを残し、酸化珪素層106を除去することができる。ただし、ここでエッチング除去される領域は必ずしも酸化珪素層106だけではなく、第2の半導体層103Bの一部が除去されていてもよい。
なお、上記のエッチング条件は一例であり、これに限定されるものではなく、第3の半導体層103Cのレジスト104から露出された領域と第2の半導体層103Bの一部、又は第3の半導体層103Cのレジスト104から露出された領域のみをエッチングできる条件であれば、そのガス種、ガスの流量比、チャンバー内の圧力若しくは温度、又は投入する電力等については特に限定されない。
以上説明したように、第3の半導体層103Cのレジスト104から露出された領域と第2の半導体層103Bの一部、又は第3の半導体層103Cのレジスト104から露出された領域のみを除去することにより、半導体層103Dがテーパ角の異なる2つのテーパ角を有する面を有するように形成することができる。なお、端部の側面の一方にはn層が存在しない。
次に、O2プラズマによりライトアッシングを行った後、レジストを所定の薬液により剥離して除去する。
次に、絶縁層107を形成する。絶縁層107は絶縁性を有する材料であればよく、特定の材料や形成方法に限定されず、例えばCVD法等により形成すればよい。形成に用いる材料としては酸化珪素系材料、窒化珪素系材料、シロキサン樹脂等が挙げられる。なお、酸化珪素系材料とは、酸素と珪素を主成分とする酸化珪素、酸化珪素が窒素を含み、且つ酸素の含有量が窒素の含有量よりも多い酸化窒化珪素をいう。窒化珪素系材料とは、窒素と珪素を主成分とする窒化珪素、窒化珪素が酸素を含み、窒素の含有量が酸素の含有量よりも多い窒化酸化珪素をいう。シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂である。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。好ましくは、感光性ポリイミド等の感光性樹脂を用いる。なお、光が基板100と逆方向から入射する場合は、光の透過率が高い絶縁膜を用いることが好ましい。本実施の形態では絶縁層107には感光性ポリイミド樹脂を用いて、露光によりパターンを形成する。絶縁層107は全面に形成しても良いが、好ましくは下地層115の凹凸が形成された領域を避けて形成する(図6(C)を参照)。絶縁層107は、後に形成される第2の導電層108が第3の半導体層103Cと接続される箇所に開口部を有するように形成する。
次に、第2の導電層108を形成する。第2の導電層108は単層でも積層でもよい。第2の導電層108の材料には、第1の導電層101と同様の材料を用いればよい。つまり、単層にする場合には、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)ニッケル(Ni)から選ばれた元素、又は前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料、或いは、これらの窒化物(例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデン)からなる膜を用いることができる。第2の導電層108を積層で形成する場合には、これらの元素を組み合わせて用いればよい。形成にはCVD法、スパッタ法、又は液滴吐出法等を用いればよい。ここではTiを用いて単層で形成する。第2の導電層108を形成後、第1の導電層101と同様に、必要に応じてエッチング等を行うことで、所望のパターンを有する導電層となるように形成する。
次に、絶縁層109を形成する。絶縁層109の材料には特に限定はなく、窒化珪素系材料、酸化珪素系材料、BSG(Boron Silicate Glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Boron Phousphorus Silicate Glass)、又は樹脂材料等を用いることができる。好適には有機樹脂材料(ポリイミド、アクリル)やシロキサン樹脂を用いる。形成には液滴吐出法(方式によってはインクジェット法とも呼ばれる。また、吐出には噴出等も含む。以下、同じ。)、スクリーン印刷法、スピンコート法等を用いることができる。CVD法等を用いてもよい。ここでは、エポキシ樹脂をスクリーン印刷法により形成する。下地層115の表面には凹凸が形成されているため、絶縁層109は下地層115に密着し、良好に被覆することができる。特に、絶縁層109と下地層115を同種の材料にて形成すると、密着性が向上するため特に好ましい。
ここで、絶縁層109に、開口部110A及び開口部110Bを形成する(図7(A)を参照。)。絶縁層109の形成にスクリーン印刷法や液滴吐出法等を用いることで、絶縁層109を既に所望のパターンで形成している場合には、この工程は必ずしも行わなくてよい。絶縁層109を全面に形成した後に所定の位置を除去することでパターンを形成する方法を採用する場合であっても、感光性材料を用いることで、塗布、露光、現像、焼成のみでパターンを形成することができる。また、第2のテーパ角が緩やかになるため、後の工程において形成される層を良好に被覆させることができる。開口部110Aは第1の導電層101に達するように形成し、開口部110Bは第2の導電層108に達するように形成する。
次に、開口部110A及び開口部110Bに、第3の導電層111を形成する(図7(B)を参照)。第3の導電層111は導電性ペーストにより、スクリーン印刷法又は液滴吐出法等を用いて形成することができる。本実施の形態ではスクリーン印刷法を用いる。導電性ペーストとしては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等の金属材料を含む導電性ペースト又は導電性カーボンペーストを用いることができる。第3の導電層111は第1の導電層101及び第2の導電層108と接続されるように形成する。
上述したように、本発明により作製した光電変換素子を図2に示す。図2(A)では、保護層102は第1の導電層101の端部のみに形成されている。図2(B)では、保護層102は図2(A)において第1の半導体層103Aが基板に接していた領域、および第1の導電層101の端部を覆うように形成され、基板100と半導体層103Aが接触しない構造になっている。図2(C)では、保護層102は膜厚が等しくなるように形成されている。図2(C)に示す保護層102は、絶縁性の無機材料等により、CVD法等を用いて形成される。第3の半導体層103Cのレジスト104から露出された領域と第2の半導体層103Bの端部の側面の一部、又は第3の半導体層103Cのレジスト104から露出された領域のみを除去することにより、テーパ角の異なる2つのテーパ形状部を形成することができる。第1の半導体層103Aから第3の半導体層103Cまでの端部の側面における距離を長くすることができ、エッチング残渣を介在して導通する恐れを低減することができる。
本発明により、リーク電流が小さく、層間に形成した樹脂膜等の密着性の高い光電変換素子を得ることができる。そのため、信頼性が高いpin型光電変換素子を作製することができる。また信頼性の高い、pin型光電変換素子を搭載する電子機器を作製することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態、及び実施例1乃至3と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1とは異なる構造の光電変換素子について図3及び図4を参照して説明する。図3は本発明の光電変換素子の断面を示す。図4は従来の光電変換素子の断面を示す。
図3(A)は本発明を適用して作製した光電変換素子の一例を示す。実施の形態1に示す光電変換素子と異なる点は、透光性を有する導電性材料により第1の導電層112を形成していることである。なお、本実施の形態では第2の導電層117には透光性を有する導電性材料を用いていないが、第2の導電層117は透光性を有する導電性材料を用いて形成しても良い。
透光性を有する導電性材料として、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(酸化亜鉛(ZnO)を含むインジウム酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)を用いることができる。好ましくは、ITOに酸化珪素が2〜10重量%含まれたターゲットを用いてスパッタリング法により形成した、ITSO(酸化珪素(SiO2)を含むインジウム錫酸化物)を用いる。なお、IZOとは酸化珪素を含み、酸化インジウムにZnOが2〜20重量%含まれたターゲットを用いてスパッタリング法により形成した酸化物導電性材料である。この他、ZnOにガリウム(Ga)をドープした導電性材料、SnO2(酸化錫)、Ga2O3をドープしたZnO、Al2O3をドープしたZnO、SiO2をドープしたZnOを用いてもよい。
透光性を有する導電性材料を用いて第1の導電層112を形成することで、基板側から光が入射する光電変換装置を作製する場合に図3(A)に示す構造を採用することが可能となる。この場合、第2の導電層117には透光性を有する導電性材料を用いなくてもよい。
従来の図4(B)に示す構造では、図4(A)と比較して内部抵抗が低いため、静電気に起因する破壊が生じやすいという欠点があった。また、図4(B)に示す構造では、半導体層の端部である、点線で囲まれた領域114C及び領域114Dに、エッチング工程において発生したエッチング残渣が堆積しやすいため、リーク電流が発生しやすいという問題があった。
図3(B)は、第1の導電層101のテーパ角を本発明の他の構成よりも小さくした場合の断面図を示す。このように第1の導電層101のテーパ角を小さくすることで、第1の導電層101上に形成される膜が良好に被覆する。これにより、第1の導電層101と半導体層103Dが良好に被覆しないことを原因として発生しうるクラック等を防止し、リーク電流を低減することができる。図3(B)に示すように、第1の導電層の端部の側面のテーパ角の小さい光電変換素子に本発明を適用することで、第1の導電層上に保護層が設けられていなくても、信頼性の高いpin型光電変換素子を作製することができる。
図3(B)に示すようにテーパ角を小さくするには、エッチング条件を調整すればよい。一例として、ガスの流量比を70:10(sccm)とし、圧力を1.35Paで、コイル型の電極に600WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、基板側に200WのRF(13.56MHz)電力を投入することで、実質的に負のバイアスパワーを加え、自己バイアス電圧を生成してエッチングを行うと、第1の導電層101のテーパ角が30°前後となり、好ましい。ここでも、レジストにはハードベークを施す。
本発明を適用して、第3の半導体層103Cの端部の側面のマスクから露出された領域と第2の半導体層103Bの端部の側面の一部、又は第三の半導体層103Cの端部の側面のマスクから露出された領域のみを除去することにより、半導体層103Dの端部の側面を、テーパ角の異なる2つのテーパ形状部を有し、一方のテーパ形状部にn層が残存しないように加工することで、上述の問題点を解決することができる。
本発明を適用して半導体層端部の側面にテーパ角の異なる2つのテーパ形状部を有するように加工することで、第1の半導体層から第3の半導体層までの端部の側面における距離を長くすることができ、エッチング残渣を介在して導通することによるリーク電流を低減することができる。また、半導体層端部の側面に、テーパ角の異なる2つのテーパ形状部を有し、且つ一方のテーパ形状部にn層が残存しないように加工するに際して、第3の半導体層のマスクから露出された領域と第2の半導体層の端部の側面の一部、又は第3の半導体層のマスクから露出された領域のみを除去するエッチング工程でオーバーエッチングを施し、且つ、下地層に凹凸を形成するようにエッチングを行うことで、この上に形成され、この凹凸の深さよりも厚く形成される樹脂膜等の密着性を向上させることができる。
更には、本実施の形態にて説明したように、第1の導電層の端部の側面が有するテーパ角を小さくすることで、第1の導電層の端部の側面を覆う保護膜を設けない構造とすることが可能になり、作製工程が簡略になる。更には、本発明を適用することでリーク電流が低減されるため、第1の半導体層の下層の全面に第1の導電層が設けられた構造とすることも可能である。
本発明により、リーク電流が小さく、層間に形成した樹脂膜等の密着性の高い半導体素子を得ることができる。そのため、信頼性が高いpin型光電変換素子を作製することができる。また信頼性の高い、pin型光電変換素子を搭載する電子機器を作製することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態、及び実施例1乃至3と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では本発明を適用して作製したカラーセンサーについて、図8乃至図13、及び図19を参照して説明する。なお、図8乃至図13に示した構造は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、図8乃至図13では導電層及び絶縁層を単層で形成しているが、これに限定されるものではない。本実施の形態で示す導電層及び絶縁層は積層であっても良い。また、遮光層及びオーバーコート層についても単層であっても良いし、積層であってもよい。
なお、遮光層は、少なくとも可視光を遮断する機能を有していればよく、特定の材料に限定されない。例えば、カーボン系材料又は顔料を分散させた遮光性を有する絶縁膜であってもよいし、金属膜であってもよい。例えば、クロム(Cr)、酸化クロム、及び窒化クロムが積層された膜により形成することができる。
図8は基板200上に形成されたTFT201A及びTFT201Bを有し、層間絶縁層203上に形成された光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bを有し、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202B内にカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bを有し、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bにおける第1の導電層205A及び第1の導電層205Bと同種の材料からなる遮光層205C及び遮光層205Dを有する光電変換装置の断面図を示す。第1の導電層205A、遮光層205C、第1の導電層205B、及び遮光層205Dが遮光することで、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bの端部から各々の光電変換層に入射する光を遮断することができ、各々の光電変換層にはカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bを通過した光のみが入射する。このため、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bはカラーセンサーとして機能することができる。カラーフィルター層204Aとカラーフィルター層204Bは、異なる色にすることができる。また、カラーフィルター層204Aとオーバーコート層206A、及びカラーフィルター層204Bとオーバーコート層206Bが実施の形態1で述べた保護層102と同様に機能する。オーバーコート層206A及びオーバーコート層206Bはカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bに含まれる各種不純物元素が各々の光電変換層に拡散しないよう、保護する機能を有する。また、絶縁層209上の導電層210は接点電極212と接続されている。接点電極212の露出部以外は樹脂211に覆われている。なお、導電層210と、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bは他の導電層を介して接続されていても良い。導電層210と、導電層2019が他の導電層を介して接続されていても良い。
図9は基板200上に形成されたTFT201A及びTFT201Bを有し、層間絶縁層203上に形成された光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bを有し、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202B内にカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bを有し、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bが設けられた層間絶縁層203より下に遮光層207A、遮光層207B、遮光層207C、及び遮光層205Dを有する光電変換装置の断面図を示す。遮光層207A、遮光層207C、遮光層207B、及び遮光層205Dが遮光することで、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bの端部から各々の光電変換層に入射する光を遮断することができ、各々の光電変換層にはカラーフィルター層204A又はカラーフィルター層204Bを通過した光のみが入射する。このため、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bはカラーセンサーとして機能する。カラーフィルター層204Aとカラーフィルター層204Bは、異なる色にすることができる。また、カラーフィルター層204Aとオーバーコート層206A、及びカラーフィルター層204Bとオーバーコート層206Bが実施の形態1で述べた保護層102と同様に機能する。オーバーコート層206A及びオーバーコート層206Bはカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bに含まれる各種不純物元素が各々の光電変換層に拡散しないよう、保護する機能を有する。また、絶縁層209上の導電層210が接点電極212と接続されている。接点電極212の露出部以外は樹脂211に覆われている。なお、導電層210と、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bは他の導電層を介して接続されていても良い。導電層210と、導電層2019が他の導電層を介して接続されていても良い。なお、遮光層207A、遮光層207B、遮光層207C、及び遮光層207DはTFT201A及びTFT201Bが有する導電層等と同種の材料により、同一工程にて形成しても良い。
図10は基板200上に形成されたTFT201A及びTFT201Bを有し、層間絶縁層203上に形成された光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bを有し、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202B内にカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bを有し、TFT201A及びTFT201Bの下に遮光層208を有し、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bが設けられた層間絶縁層203より下に遮光層207A、遮光層207B、遮光層207C、及び遮光層207Dを有する光電変換装置の断面図を示す。遮光層207A、遮光層207C、遮光層207B、及び遮光層207Dが遮光することで光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bの端部から各々の光電変換層に入射する光を遮断することができ、各々の光電変換層にはカラーフィルター層204A又はカラーフィルター層204Bを通過した光のみが入射する。このため、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bはカラーセンサーとして機能する。カラーフィルター層204Aとカラーフィルター層204Bは、異なる色にすることができる。また、カラーフィルター層204Aとオーバーコート層206A、及びカラーフィルター層204Bとオーバーコート層206Bが実施の形態1で述べた保護層102と同様に機能する。オーバーコート層206A及びオーバーコート層206Bはカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bに含まれる各種不純物元素が各々の光電変換層に拡散しないよう、保護する機能を有する。また、絶縁層209上の導電層210が接点電極212と接続されている。接点電極212の露出部以外は樹脂211に覆われている。TFT201A及びTFT201Bが遮光層208を有するため、信頼性の高いTFTを得ることができる。なお、導電層210と、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bは他の導電層を介して接続されていても良い。導電層210と、導電層2019が他の導電層を介して接続されていても良い。なお、遮光層207A、遮光層207B、遮光層207C、及び遮光層207DはTFT201A及びTFT201Bが有する導電層等と同種の材料により、同一工程にて形成しても良い。
図11は基板200上に形成されたTFT201A及びTFT201Bを有し、層間絶縁層203上に形成された光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bを有し、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202B内にカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bを有し、TFT201A及びTFT201Bの下に遮光層208Eを有し、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bが設けられた層間絶縁層203の下に遮光層208A、遮光層208B、遮光層208C、及び遮光層208Dを有する光電変換装置の断面図を示す。遮光層208A、遮光層208C、遮光層208B、及び遮光層208Dが遮光することで光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bの端部から各々の光電変換層に入射する光を遮断することができ、各々の光電変換層にはカラーフィルター層204A又はカラーフィルター層204Bを通過した光のみが入射する。このため、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bはカラーセンサーとして機能する。カラーフィルター層204Aとカラーフィルター層204Bは、異なる色にすることができる。また、カラーフィルター層204Aとオーバーコート層206A、及びカラーフィルター層204Bとオーバーコート層206Bが実施の形態1で述べた保護層102と同様に機能する。オーバーコート層206A及びオーバーコート層206Bはカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bに含まれる各種不純物元素が各々の光電変換層に拡散しないよう、保護する機能を有する。また、絶縁層209上の導電層210が接点電極212と接続されている。接点電極212の露出部以外は樹脂211に覆われている。TFT201A及びTFT201Bが遮光層208Eを有するため、信頼性の高いTFTを得ることができる。遮光層208Eは遮光層208A、遮光層208B、遮光層208C、及び遮光層208Dと同種の材料により、同一工程にて形成されることが好ましい。なお、導電層210と、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bは他の導電層を介して接続されていても良い。導電層210と、導電層2019が他の導電層を介して接続されていても良い。
図12は基板200上に形成されたTFT201A及びTFT201Bを有し、層間絶縁層203上に形成された光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bを有し、層間絶縁層203の下にカラーフィルター層204を有し、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bが設けられた層間絶縁層203及びカラーフィルター層204より下に遮光層207A及び遮光層207Bを有する光電変換装置の断面図を示す。光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bにおける第1の導電層205A、第1の導電層205B、遮光層207A、及び遮光層207Bが遮光することで光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bの端部から各々の光電変換層に入射する光を遮断することができる。このため、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bはカラーセンサーとして機能する。また、層間絶縁層203はカラーフィルター層204に含まれる各種不純物元素が光電変換素子部202A及び光電変換素子部202B内の光電変換層に拡散しないよう、保護する機能を有している。また、絶縁層209上の導電層210が接点電極212と接続されている。接点電極212の露出部以外は樹脂211に覆われている。また、図12には図示していないが、図10及び図11と同様に、TFT201A及びTFT201Bが遮光層を有していてもよい。なお、図12ではカラーフィルター層204は一色であるため、必要のない場合には遮光層207Aは形成しなくとも良い。なお、導電層210と、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bは他の導電層を介して接続されていても良い。導電層210と、導電層2019が他の導電層を介して接続されていても良い。
図13は基板200上に形成されたTFT201A及びTFT201Bを有し、層間絶縁層203上に形成された光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bを有し、層間絶縁層203の下にカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bを有し、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bが設けられた層間絶縁層203及びカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bより下に遮光層207A、遮光層207C、遮光層207B、及び遮光層207Dを有する光電変換装置の断面図を示す。光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bにおける第1の導電層205A及び第1の導電層205Bを有する。遮光層207A、遮光層207C、遮光層207B、及び遮光層207Dが遮光することで光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bの端部から各々の光電変換層に入射する光を遮断することができ、各々の光電変換層にはカラーフィルター層204A及びカラーフィルター層204Bを通過した光のみが入射する。このため、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bはカラーセンサーとして機能する。カラーフィルター層204Aとカラーフィルター層204Bは、異なる色にすることができる。また、層間絶縁層203はカラーフィルター層204に含まれる各種不純物元素が光電変換素子部202A及び光電変換素子部202B内の光電変換層に拡散しないよう、保護する機能を有する。また、絶縁層209上の導電層210が接点電極212と接続されている。接点電極212の露出部以外は樹脂211に覆われている。また、図13には図示していないが、図10及び図11と同様に、TFT201A及びTFT201Bが遮光層を有していてもよい。なお、導電層210と、光電変換素子部202A及び光電変換素子部202Bは他の導電層を介して接続されていても良い。導電層210と、導電層2019が他の導電層を介して接続されていても良い。なお、遮光層207A、遮光層207B、遮光層207C、及び遮光層205DはTFT201A及びTFT201Bが有する導電層等と同種の材料により、同一工程にて形成しても良い。
ここで、本実施の形態のTFT201A及びTFT201Bの作製工程の一例について、図8を参照して説明する。
まず、基板200上に、絶縁層2011を形成する。次に、絶縁層2011上に複数のトランジスタを含む層を形成する。続いて、複数のトランジスタを含む層上に、絶縁層2018と層間絶縁層203を形成する。次に、複数のトランジスタ内の絶縁層2015、絶縁層2018、及び層間絶縁層203に設けられた開口部を介して、複数のトランジスタの各々のソース領域又はドレイン領域に接続された導電層2019を形成する。
絶縁層2011は、基板200からの不純物の侵入を防止する役目を担う。絶縁層2011は、スパッタリング法やプラズマCVD法等により、酸化珪素系膜又は窒化珪素系膜を、単層又は積層で形成する。なお、絶縁層2011は、必要のない場合には、設けなくてもよい。
複数のトランジスタの各々は、半導体層2012、絶縁層2015、及びゲート電極として機能する導電層2016を有する。ここでは半導体層2012に珪素を用いる。半導体層2012は、シラン(SiH4)等の半導体材料ガスにより、LPCVD法、プラズマCVD法、気相成長法やスパッタリング法を用いて非晶質半導体として形成することができる。他にも、該非晶質半導体をレーザー結晶化法、熱結晶化法、またはニッケル等の結晶化を助長する元素を用いた熱結晶化法等で結晶化させた多結晶半導体、或いはSAS等を用いてもよい。ここでは多結晶珪素を用いる。
半導体層2012は、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域2013及びチャネル形成領域2014を有する。不純物領域2013には、N型を付与する不純物元素(15族に属する元素、例えばリン、砒素)又はP型を付与する不純物元素(例えば硼素、アルミニウム)が添加されている。不純物の導入には、拡散源を用いる方法やイオン注入法等を用いればよい。不純物を導入する際には、ソース領域又はドレイン領域とチャネル形成領域との間にLDD(Lightly Doped Drain)領域を設けることが好ましいが、必要のない場合にはLDD領域は特に設けなくとも良い。
なお、LDD領域とは半導体層が多結晶珪素であるTFTにおいて、信頼性の向上を目的として形成される領域である。半導体層が多結晶珪素であるTFTでは、オフ電流を抑えることは重要であり、特に、画素回路等のアナログスイッチとして用いる場合には十分に低いオフ電流が要求される。しかし、ドレイン接合部の逆バイアス強電界により、オフ時にも欠陥を介するリーク電流が存在する。LDD領域が設けられていると、ドレイン端近傍の電界が緩和されるため、オフ電流を低減させることができる。また、ドレイン接合部の逆バイアス電界をチャネル領域とLDD領域の接合部、LDD領域とドレイン領域の接合部に分散させることができ、電界が緩和されるため、リーク電流が低減される。
本実施の形態では、サイドウォールとして機能する絶縁層2017を設けることで、LDD領域を形成することができる。
絶縁層2015はゲート絶縁層として機能する。絶縁層2015は、絶縁層2011と同様に、スパッタリング法又はプラズマCVD法等により、酸化珪素系材料又は窒化珪素系材料を単層又は積層して形成すればよい。
絶縁層2018及び層間絶縁層203はSOG(スピンオングラス)法、液滴吐出法、又はスクリーン印刷法等を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層で形成する。例えば、絶縁層2018は酸化窒化珪素により形成し、層間絶縁層203は窒化酸化珪素により形成すればよい。また、絶縁層2011及び絶縁層2015と同様に、スパッタリング法又はプラズマCVD法等により形成してもよい。
導電層2019は導電性を有する物質により形成する。形成にはCVD法やスパッタ法、液滴吐出法等を用いればよい。導電層2019は単層で形成してもよいし、積層で形成してもよい。また、光電変換素子部の第1の導電層205Aも同一の工程にて形成するとよい。
なお、接点電極212は図8乃至図13に示す形状に限定されないが、このような形状を有することが好ましい。すなわち、接点電極212は端部から中央部にかけて膜厚が増加するなだらかなテーパ角を有する面と、中央部に該テーパ角を有する面から連続した形状の突起部を有する。このような形状にすることで、接点電極が接続される外部回路と光電変換素子を搭載した半導体装置の接続を従来よりも確実に行うことができ、歩留まりが向上する。
なお、上記で説明したTFT201A及びTFT201Bは、図示した構造に限定されず、様々な形態のものを用いることができる。例えば、図示したTFTはトップゲート型であるが、バックチャネルエッチ型であっても良いし、チャネル保護型であっても良い。
また、図から明らかなように、本実施の形態で示す半導体装置はTFTと光電変換素子が同一基板上に形成されていることが好ましい。図19にその構成の一例を回路図で示す。図19に示す半導体装置は、光電変換素子、及びTFTにより構成される電流増幅回路を有する。図19(A)はn型TFTを用いた例を示し、図19(B)はp型TFTを用いた例を示す。以下の説明では図19(A)を参照するが、p型TFTを用いる場合についても同様である。
図19(A)に示す半導体装置181Aは、光電変換素子183Aの出力を増幅する電流増幅回路182Aを備えている。電流増幅回路182Aとしてはさまざまな回路構成を適用することができるが、ここではn型TFT184Aとn型TFT185Aにより電流増幅回路182Aがカレントミラー回路を構成している。n型TFT184A及びn型TFT185Aのソース電極又はドレイン電極の一方は外部電源端子187Aに接続されており、定電圧(例えば、接地電圧)に保たれている。n型TFT185Aのソース電極又はドレイン電極の他方は出力端子186Aに接続されている。n型TFT184Aのソース電極又はドレイン電極の他方はn型TFT184A及びn型TFT185Aのゲート電極に接続されている。光電変換素子183Aにpin型フォトダイオードを用いる場合には、陽極(p型半導体側)はn型TFT184Aのソース電極又はドレイン電極の他方と接続され、陰極(n型半導体側)は出力端子186Aに接続されている。
光電変換素子183Aに光が照射されると、陰極(n型半導体側)から陽極(p型半導体側)に光電流が流れる。これによって、電流増幅回路182Aのn型TFT184Aに電流が流れ、その電流を流すために必要な電圧がゲート電極で生成される。n型TFT185Aのゲート長L、及びチャネル幅Wがn型TFT184Aと等しく、飽和領域で動作するのであれば、n型TFT184Aとn型TFT185Aのゲート電圧が等しいため、同じ大きさの電流が流れる。出力電流を増幅したい場合には、n型TFT185Aとして、n個のTFTを並列接続したものを用いれば良い。その場合、並列した数(n個)に比例して電流が増幅される。
図19(B)に示す半導体装置181Bは、光電変換素子183Bの出力を増幅する電流増幅回路182Bを備えている。電流増幅回路182Bとしてはさまざまな回路構成を適用することができるが、ここではp型TFT184Bとp型TFT185Bにより電流増幅回路182Bがカレントミラー回路を構成している。p型TFT184B及びp型TFT185Bのソース電極又はドレイン電極の一方は外部電源端子187Bに接続されており、定電圧(例えば、接地電圧)に保たれている。p型TFT185Bのソース電極又はドレイン電極の他方は出力端子186Bに接続されている。p型TFT184Bのソース電極又はドレイン電極の他方はp型TFT184B及びp型TFT185Bのゲート電極に接続されている。光電変換素子183Bにpin型フォトダイオードを用いる場合には、陽極(p型半導体側)はp型TFT184Bのソース電極又はドレイン電極の他方と接続され、陰極(n型半導体側)は出力端子186Bに接続されている。
光電変換素子183Bに光が照射されると、陰極(n型半導体側)から陽極(p型半導体側)に光電流が流れる。これによって、電流増幅回路182Bのp型TFT184Bに電流が流れ、その電流を流すために必要な電圧がゲート電極で生成される。p型TFT185Bのゲート長L、及びチャネル幅Wがp型TFT184Bと等しく、飽和領域で動作するのであれば、p型TFT184Bとp型TFT185Bのゲート電圧が等しいため、同じ大きさの電流が流れる。出力電流を増幅したい場合には、p型TFT185Bとして、n個のTFTを並列接続したものを用いれば良い。その場合、並列した数(n個)に比例して電流が増幅される。
以上のように、本発明により、リーク電流が小さく、層間絶縁膜として形成した樹脂膜等の密着性が高い半導体素子を得ることができる。そのため、信頼性が高いpin型光電変換素子を作製することができる。また信頼性の高い、pin型光電変換素子を搭載する半導体装置を作製することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態、及び実施例1乃至3と自由に組み合わせることができる。
本実施例では、本発明の光電変換装置を様々な電子機器に応用した例について図14乃至図18を参照して説明する。本発明の光電変換装置を搭載した電子機器としては、コンピュータ、ディスプレイ、携帯電話機、又はテレビ等が挙げられる。
図14は携帯電話機であり、該携帯電話機は、本体(A)701、本体(B)702、筐体703、操作キー704、音声出力部705、音声入力部706、回路基板707、表示パネル(A)708、表示パネル(B)709、蝶番710、透光性材料部711を有し、光電変換装置を含む半導体装置712が筐体703の内側に設けられている。
半導体装置712は透光性材料部711を透過した光を検知し、検知した外部光の照度に合わせて表示パネル(A)708及び表示パネル(B)709の輝度の制御、及び半導体装置712で得られる照度に合わせて操作キー704の照明の制御等を行う。外部光の照度に合わせて表示パネルの輝度を調整することで、携帯電話機の消費電力を低減することができ、携帯電話機の特性を向上させることができる。
図15(A)及び図15(B)に、携帯電話機の別の例を示す。図15(A)及び図15(B)に示す携帯電話機の本体721は、筐体722、表示パネル723、操作キー724、音声出力部725、音声入力部726、光電変換装置を含む半導体装置727を有する。更に、図15(B)に示す携帯電話機は光電変換装置を含む半導体装置728を有する。
図15(A)に示す携帯電話機では、本体721に設けられた光電変換装置を含む半導体装置727により外部の光を検知し、表示パネル723及び操作キー724の輝度を制御することが可能である。
図15(B)に示す携帯電話機では、図9(A)の構成に加えて、本体721の内部に光電変換装置を有する半導体装置728が設けられている。光電変換装置を有する半導体装置728により、表示パネル723に設けられているバックライトの輝度を検出することも可能となる。
図14及び図15では、携帯電話機に光電流を増幅して電圧出力として取り出す回路を備えた光電変換装置が用いられているので、回路基板に実装する部品点数を削減することができ、携帯電話機本体の小型化を図ることができる。
図16(A)はコンピュータであり、該コンピュータは、本体731、筐体732、表示部733、キーボード734、外部接続ポート735、及びポインティングデバイス736等を有する。
図16(B)は表示装置であり、テレビ受像器等がこれに相当する。本表示装置は、筐体741、支持台742、表示部743等を有する。
図16(A)のコンピュータに設けられる表示部733、及び図16(B)に示す表示装置の表示部743として、液晶パネルを用いた場合の詳しい構成を図17に示す。
図17に示す液晶パネル762は、筐体761に内蔵されている。液晶パネル762は、基板751a、基板751b、基板751aと基板751bに挟まれた液晶層752、偏光板755a、偏光板755b、及びバックライト753等を有する。また、筐体761には光電変換装置を有する半導体装置754が搭載されている。
本発明を用いて作製された光電変換装置を有する半導体装置754はRGBのLEDからなるバックライト753からの光量をRGBそれぞれに対して検知して、その情報がフィードバックされて液晶パネル762の輝度が調節される。具体的には、RGBそれぞれのLEDの温度依存性が異なるので、RGBのLEDバックライトの光量をそれぞれ検知して、LEDのばらつきの補正を行う。また、LEDの劣化の補正を行うことにより、ホワイトバランスを調節する。
図18(A)及び図18(B)は、本発明の光電変換装置又は光電変換装置を有する半導体装置をカメラ(例えばデジタルカメラ)に組み込んだ例を示す。図18(A)は、デジタルカメラの前面方向から見た斜視図であり、図18(B)は、後面方向から見た斜視図である。図18(A)及び(B)に示すデジタルカメラは、リリースボタン801、メインスイッチ802、ファインダ窓803、フラッシュ804、レンズ805、鏡胴806、筺体807、ファインダ接眼窓811、モニタ812、及び操作ボタン813を有する。リリースボタン801は、半分の位置まで押下されると、焦点調整機構および露出調整機構が作動し、最下部まで押下されるとシャッターが開く。メインスイッチ802は、押下又は回転によりデジタルカメラの電源のオンとオフを切り替える。
ファインダ窓803は、デジタルカメラの前面のレンズ805の上部に配置されており、図18(B)に示すファインダ接眼窓811から撮影する範囲やピントの位置を確認するための装置である。フラッシュ804は、デジタルカメラの前面上部に配置され、被写体輝度が低いときに、リリースボタンが押下されてシャッターが開くと同時に補助光を照射する。レンズ805は、デジタルカメラの正面に配置されている。レンズは、フォーカシングレンズ、又はズームレンズ等により構成され、図示しないシャッター及び絞りと共に撮影光学系を構成する。また、レンズの後方には、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子が設けられている。
鏡胴806は、フォーカシングレンズ又はズームレンズ等のピントを合わせるためにレンズの位置を移動するものであり、撮影時には、鏡胴を繰り出すことにより、レンズ805を手前に移動させる。また、携帯時には、レンズ805を沈胴させてコンパクトな形態にする。なお、本実施例においては、鏡胴を繰り出すことにより被写体をズーム撮影することができる構造としているが、この構造に限定されるものではなく、筺体807内での撮影光学系の構成により鏡胴を繰り出さずともズーム撮影が可能なデジタルカメラに本発明の光電変換装置を搭載していてもよい。
ファインダ接眼窓811は、デジタルカメラの後面上部に設けられており、撮影する範囲やピントの位置を確認する際に接眼するために設けられた窓である。操作ボタン813は、デジタルカメラの後面に設けられた各種の機能ボタンであり、セットアップボタン、メニューボタン、ディスプレイボタン、機能ボタン、及び選択ボタン等を有する。
図14乃至図18に示す装置に搭載する光電変換装置に本発明を適用することで、信頼性の高い電子機器を作製することができる。更には、本発明はこれに限定されず、光を検出する必要のあるものであれば、いかなるものにも用いることが可能である。
なお、本実施例は、実施の形態1乃至3、及び他の実施例と自由に組み合わせることができる。