JP4739172B2 - 受信同期制御装置、受信同期制御方法およびそのためのプログラム - Google Patents

受信同期制御装置、受信同期制御方法およびそのためのプログラム Download PDF

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    • H04L7/00Arrangements for synchronising receiver with transmitter

Description

本発明は、携帯電話機等の無線通信機器において、位相変調方式により送信される位相変調信号を受信して復調する際に、復調される復調信号(例えば、少なくとも2チャネルのアナログ復調信号)の受信同期が確立されるように制御するための受信同期制御装置、受信同期制御方法、および、この受信同期制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
例えば、ディジタルデータの位相変調方式の一種であるQPSK(4相位相変調方式:quadrature phase-shift keying)変調方式により送信される位相変調信号を受信して互いに直交関係にある2チャネルのアナログ復調信号を復調する際に、この2チャネルのアナログ復調信号から元の4値のディジタルデータを誤りなく取り出すことが必要である。このため、携帯電話機等の復調器が搭載された受信カードの調整試験を行って、全ての使用周波数に対し当該アナログ復調信号の受信同期が取れているか否かを確認する必要がある。本発明は、簡単な方法でアナログ復調信号の受信同期が取れているか否かを確認することによって受信同期の状態を確立するための一手法について言及するものである。
一般に、携帯電話機等の無線通信機器を工場で製造する場合、対象製品の復調器が搭載された受信カードと、無線通信機器内の他のカードとは別個に作製される。したがって、この受信カードの調整試験を行う段階では、無線通信機器内の受信カードと他のカードとは互いに分離された状態になっているので、受信カードの受信同期が取れている否かを単品で確認して受信同期の状態を確立しなければならない。
図1は、従来の受信同期確立手法に関連した受信カード試験装置の構成を示すブロック図である。ただし、ここでは、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access:広帯域符号分割多元接続)形式で使用される携帯電話機等の無線通信機器において、この無線通信機器内の受信カードの調整試験を単品で行う場合の受信カード試験装置の概略的な構成を示すこととする。
図1に示すように、携帯電話機等の無線通信機器においては、通常、QPSK変調方式等のディジタルデータの位相変調方式により送信される位相変調信号S−QPSKを受信して2チャネルのアナログ復調信号SA−I、SA−Qを復調する復調部(すなわち、復調器)1と、この復調部1から出力されるアナログ復調信号SA−I、SA−Qをディジタル復調信号SD−I、SD−Qに変換するアナログ/ディジタル変換部(A/D変換部)2とが設けられている。ここで、復調部1から出力されるアナログ復調信号SA−I、SA−Qは、互いに直交位相関係にある2チャネルのほぼ周期的な信号になっており、時間(t)に対する出力電圧Vの変化により表される。
さらに、アナログ/ディジタル変換部2の出力側には、出力信号処理部9が設けられている。この出力信号処理部9は、アナログ/ディジタル変換部(A/D変換部)2から出力されるディジタル復調信号SD−I、SD−Qに対し、ビット誤り率の算出やビット誤り訂正等の各種の信号処理を行うことで信号対雑音比(S/N比)の良好なディジタルデータを再生して出力する。
携帯電話機等の無線通信機器においては、復調部1およびアナログ/ディジタル変換部2が搭載された受信カードと、信号処理部9が搭載された他のカードとは別個に作製される。さらに、受信カードにおいて受信同期が取れているか否かの確認および受信同期の調整作業が製品の出荷前に行われるが、受信カードの受信同期の調整試験を行う段階では、他のカードと分離された状態で受信カードの調整試験が単品で行われている。ここで、受信カードは、それ自身で受信同期の調整試験を行う機能を有していない点に注意すべきである。このため、受信カードの受信同期の調整試験を単品で行う場合、何らかの方法で疑似的に受信同期の調整試験を行う機能を受信カードに持たせることが必要である。
このため、従来の受信同期確立手法に関連した受信カード試験装置では、図1に示すように、受信カード内のアナログ/ディジタル変換部2の出力側に、受信カードの受信同期が取れている否かを監視するためのオシロスコープ等が接続される。このようなオシロスコープは、通常、信号表示制御部3と極座標表示部4とを具備し、アナログ/ディジタル変換部2から出力されるディジタル復調信号SD−I、SD−Qの極座標表示を行う機能を有している。信号表示制御部3は、アナログ/ディジタル変換部2から出力されるディジタル復調信号SD−I、SD−Qを処理して極座標表示用の信号データSP−I、SP−Qを生成し、極座標表示部4は、信号表示制御部3から出力される信号データSP−I、SP−Qを極座標の表示面(表示画面)に表示する。これによって、受信カードによる受信同期状態の確認が可能となる。
ここで、図1に示された極座標表示部4の表示画面では、各々90度ずつ位相がずれた4点のディジタルデータC(0,0)、C(0,1)、C(1,0)およびC(1,1)(黒丸で図示)が、I軸およびQ軸を含むI−Q座標空間の第1象限〜第4象限にそれぞれ表示される。ただし、表示画面上の4点のディジタルデータは、ノイズ等により時間の経過につれて変動するので、理想的な点からある程度の広がりを有して表示される。
図1の受信カード試験装置を用いて受信カードの受信同期の調整試験を行う場合、従来は、まず、オシロスコープ等の表示画面上のI−Q座標空間にある程度の広がりをもって表示されたディジタルデータを目視で監視しながら、表示画面上で最も濃く現れるディジタルデータのコンスタレーション(Constellation)位置を目視で推定する。つぎに、推定されたコンスタレーション位置に基づいてディジタルデータの表示画面上の電圧値や位相等のパラメータを変化させることによって受信カードの受信同期の状態を調整し、2チャネルのアナログ復調信号の受信同期が取れているか否かを確認する。最終的に、上記アナログ復調信号の受信同期が取れていることが確認された時点でディジタルデータの位相をロックし、受信同期の状態を確立する。この場合、無線通信機器の製品としての性能を保証するために、全ての使用周波数に対し上記アナログ復調信号の受信同期が取れているか否かを確認することによって受信同期の状態を確立することが要求される。
ここで、「コスタレーション」とは、複数の信号データの極座標表示を行った場合に、星座のような形でオシロスコープ等の表示画面上に最も濃く表示される4つの点の部分を指している。
上記のように、従来の手法により受信カードの受信同期の調整試験を行う場合、作業者等が、オシロスコープ等の表示画面上に表示された4点のディジタルデータを常時監視しながら、受信カードの受信同期の状態を調整しなければならない。さらに、製品としての性能を保証するために、全ての使用周波数に対しアナログ復調信号の受信同期が取れているか否かを確認しなければならない。このため、受信カードの受信同期の状態を調整するための手間および時間がかかり、受信同期の状態の調整作業そのものが煩わしくなるという問題が発生する。
さらに、複数の作業者が受信同期の調整試験を行った場合、個々の作業者の感覚によって調整のばらつきが生じてくるので、調整試験により確立されるべき受信同期の状態の品質を保証することが難しくなる。
また一方で、自動的な試験によりアナログ復調信号の受信同期の状態を確立するためには、オシロスコープ等の表示画面上に表示されたディジタルデータの電圧値や位相等のパラメータを自動的に変化させて受信同期の状態の調整を行うための専用ハードウェアが必要になる。しかしながら、この場合には、専用ハードウェアを用意するための余計なコストがかかる。
ここで、参考のため、前述のような従来の受信同期確立手法に関連した下記の特許文献1および特許文献2を先行技術文献として呈示する。
特許文献1では、入力信号のシンボル点における振幅の最大値および最小値を検出し、このようにして検出された最小値(または最大値)と規定値とから利得を決定し、この利得を入力信号のシンボル点の振幅に乗算し、上記利得が乗算された入力信号のシンボル点列の位相を所定量回転させ、位相回転が行われた入力信号のシンボル点列を復調して理想シンボル点列を求め、この理想シンボル点列と、位相回転が行われた入力信号のシンボル点列との相関関係を求め、所定量の位相回転がπ/4ラジアン(45度)になるまで、シンボル点の位置回転と、理想シンボル点列の生成と、上記相互相関を求めるような64QAM変調・256QAM変調解析方法が開示されている。しかしながら、特許文献1においては、QPSK変調等のディジタルデータの位相変調方式により送信される位相変調信号を受信して複数のチャネルのアナログ復調信号を復調する際に、当該アナログ復調信号の受信同期が取れているか否かを確認して受信同期の状態を確立するための手法に関しては一切言及していない。
特許文献2では、直交周波数分割多重方式による無線信号を伝送する際に、識別番号と無線放送プログラムの信号品質とを無線信号から求め、選択されている無線放送プログラムの受信に対して最良の信号品質が得られる搬送波信号を使用するような無線信号の伝送方法が開示されている。しかしながら、特許文献2においても、前述の特許文献1と同様に、ディジタルデータの位相変調方式により位相変調信号を受信して複数のチャネルのアナログ復調信号を復調する際に、当該アナログ復調信号の受信同期が取れているか否かを確認して受信同期の状態を確立するための手法に関しては一切言及していない。
したがって、特許文献1および特許文献2のいずれによっても、従来の手法により無線機器の受信カードの受信同期の調整試験を行って受信同期が取れているか否かを目視で確認する場合に発生する問題点に対処することはできない。
特開平11−331299号公報 特開2001−24603号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、無線通信機器内の受信カードの調整試験等を行う場合に、オシロスコープ等により作業者が受信カードの受信同期の状態を常時監視することを必要とせずに、簡単な方法で復調信号の受信同期が取れているか否かを確認して受信同期の状態を短時間で確立することを可能にすると共に、作業者による調整試験のばらつきをなくして受信同期の状態の品質を保証することを可能にするような受信同期制御装置、受信同期制御方法およびそのためのプログラムを提供することを目的とするものである。
上記問題点を解決するために、本発明の受信同期制御装置は、位相変調方式により送信される信号を受信して少なくとも2チャネルのアナログ復調信号を復調する復調部を有し、上記少なくとも2チャネルのアナログ復調信号のサンプリング処理を行って抽出されるサンプリング復調信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、検出された上記信号レベルに従って上記サンプリング復調信号の極座標表示を行った場合に、上記サンプリング復調信号に含まれる複数種のデータのコンスタレーション位置を特定するコンスタレーション位置特定部と、特定された上記複数種のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分(すなわち、位相角度差)を演算する位相角度差演算処理部とを備え、上記位相角度差演算処理部にて、上記位相角度と上記基準位相角度との差分が所定の範囲内におさまるように上記位相角度を制御することによって、上記アナログ復調信号の受信同期が確立されるように構成される。
好ましくは、本発明の受信同期制御装置において、データ位置推定部は、極座標の表示面に表示される上記サンプリング復調信号の中から、最も出現頻度の高いサンプリング復調信号に対応する少なくとも4点のデータ(例えば、各々90度ずつ位相がずれた4点のディジタルデータ)を取り出し、上記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置を特定するようになっている。
さらに、好ましくは、本発明の受信同期制御装置において、位相角度差演算処理部は、極座標の表示面内で、上記少なくとも4点のデータ中の1つのデータのコンスタレーション位置が基準点に一致するように上記少なくとも4点のデータをシフトし、上記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、かつ、上記位相角度と上記基準位相角度との差分がほぼ零(0)になるように上記位相角度を回転させるようになっている。
また一方で、本発明の受信同期制御装置は、位相変調方式により送信される信号を復調する復調部における受信同期を制御する場合、上記復調信号の信号レベルを検出する手段と、検出された上記信号レベルに従って、上記復調信号の座標平面における配置状態を求める手段と、上記復調信号の配置状態に基づいて、上記復調信号のコンスタレーション位置を特定する手段と、特定された上記コンスタレーション位置に基づいて算出される上記復調信号の位相角度と、位相の基準となる基準位相角度との差分を演算する手段と、上記差分を打ち消すように上記復調信号の位相を回転させるよう、上記復調部を制御する手段とを備える。
また一方で、本発明の受信同期制御方法は、位相変調方式により送信される信号を受信して少なくとも2チャネルのアナログ復調信号を復調する際に、当該アナログ復調信号の受信同期が確立されるように制御するための受信同期制御方法であって、上記少なくとも2チャネルのアナログ復調信号のサンプリング処理を行って抽出されるサンプリング復調信号の信号レベルを検出するステップと、検出された上記信号レベルに従って上記サンプリング復調信号の極座標表示を行った場合に、上記サンプリング復調信号に含まれる複数種のデータのコンスタレーション位置を特定するステップと、特定された上記複数種のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、上記位相角度と上記基準位相角度との差分が所定の範囲内におさまるように上記位相角度を制御するステップとを有する。
好ましくは、本発明の受信同期制御方法において、上記複数種のデータのコンスタレーション位置を特定するステップにて、極座標の表示面に表示される上記サンプリング復調信号の中から、最も出現頻度の高いサンプリング復調信号に対応する少なくとも4点のデータを取り出し、上記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置を特定するようになっている。
さらに、好ましくは、本発明の受信同期制御方法において、上記位相角度を制御するステップにて、極座標の表示面内で、上記少なくとも4点のデータ中の1つのデータのコンスタレーション位置が基準点に一致するように上記少なくとも4点のデータをシフトし、上記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、かつ、上記位相角度と上記基準位相角度との差分がほぼ零になるように上記位相角度を回転させるようになっている。
また一方で、本発明は、位相変調方式により送信される信号を受信して少なくとも2チャネルのアナログ復調信号を復調し、かつ、当該アナログ復調信号の受信同期が確立されるように制御する場合、コンピュータに、上記少なくとも2チャネルのアナログ復調信号のサンプリング処理を行って抽出されるサンプリング復調信号の信号レベルを検出し、検出された上記信号レベルに従って上記サンプリング復調信号の極座標表示を行ったときに、上記サンプリング復調信号に含まれる複数種のデータのコンスタレーション位置を特定し、特定された上記複数種のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、上記位相角度と上記基準位相角度との差分が所定の範囲内におさまるように上記位相角度を制御することを実行させるためのプログラムを提供する。
要約すれば、本発明では、携帯電話機等の無線通信機器において、ディジタルデータ等の位相変調方式による位相変調信号を受信する復調器により復調される復調信号(例えば、複数のチャネルのアナログ復調信号)のサンプリング処理を行ってサンプリング復調信号を抽出し、このようにして抽出されたサンプリング復調信号の信号レベルを検出する。つぎに、検出された信号レベルに従ってサンプリング復調信号の極座標表示を行った場合に、最も高い出願頻度で表示画面上に表示される複数種のデータ(例えば、各々90度ずつ位相がずれた4点のディジタルデータ)のコンスタレーション位置を特定する。さらに、特定された複数種のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、位相角度と基準位相角度との差分が所定の範囲内におさまるように位相角度を制御する。これによって、最終的に、復調信号に対する受信同期が確立される。
それゆえに、本発明によれば、無線通信機器内の受信カードの調整試験等を行う場合に、オシロスコープ等により作業者が受信カードの受信同期の状態を常時監視する代わりに、コンスタレーション位置特定部等により特定された複数種のデータのコンスタレーション位置に基づき位相角度を回転制御することによって受信同期が取れているか否かを確認しているので、全ての使用周波数に対し復調信号の受信同期の状態を短時間で確立することが容易に可能になる。さらに、信号レベル検出部等により自動的に検出された信号レベルに従って複数種のデータの極座標表示を行っているので、作業者による調整試験のばらつきがなくなって受信同期の状態の品質を向上させることが可能になる。
以下、添付図面(図2〜図11)を参照しながら、本発明の好ましい実施形態の構成および動作等を説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る受信同期制御装置の構成を示すブロック図である。ただし、ここでは、携帯電話機等の無線通信機器内の受信カードの調整試験等を行う場合に適用されるような本発明の一実施形態に係る受信同期制御装置の構成を簡略化して示す。なお、これ以降、前述した構成要素と同様のものについては、同一の参照番号を付して表すこととする。
図2の実施形態に係る受信同期制御装置は、前述の図1の従来の構成と同様に、QPSK変調方式等のディジタルデータの位相変調方式により送信される位相変調信号S−QPSKを受信して2チャネルのアナログ復調信号SA−I、SA−Qを復調する復調部1と、この復調部1から出力されるアナログ復調信号SA−I、SA−Qをディジタル復調信号SD−I、SD−Qに変換するアナログ/ディジタル変換部2とを備えている。ここで、復調部1から出力されるアナログ復調信号SA−I、SA−Qは、互いに直交位相関係にある2チャネルのほぼ周期的な信号になっている。
さらに、図2の実施形態に係る受信同期制御装置では、前述の図1の従来の構成と同様に、受信カード内のアナログ/ディジタル変換部2の出力側に、受信カードの受信同期の状態が取れている否かを監視するためのオシロスコープ等が設けられている。このようなオシロスコープは、信号表示制御部3と極座標表示部4とを具備し、アナログ/ディジタル変換部2から出力されるディジタル復調信号SD−I、SD−Qの極座標表示を行う機能を有している。信号表示制御部3は、ディジタル復調信号SD−I、SD−Qを処理して極座標表示用の信号データSP−I、SP−Qを生成し、極座標表示部4は、信号表示制御部3から出力される信号データSP−I、SP−Qを極座標の表示面(表示画面)に表示する。
極座標表示部4の表示画面(図2の右下部に拡大して示す)では、前述の図1の従来の場合のように、各々90度ずつ位相がずれた4点のディジタルデータC(0,0)、C(0,1)、C(1,0)およびC(1,1)(黒丸で図示)が、I−Q座標空間にそれぞれ表示される。ただし、表示画面上の4点のディジタルデータは、ノイズ等により時間の経過につれて変動するので、ある程度の広がりを有している。
さらに、図2の実施形態に係る受信同期制御装置は、復調部1の出力側に接続される信号レベル検出部5と、この信号レベル検出部5の出力側に接続されるコンスタレーション位置特定部6と、このコンスタレーション位置特定部6の出力側に接続される位相角度差演算処理部7とを備えている。ただし、信号レベル検出部5は、アナログ/ディジタル変換部2の出力側に接続することも可能である。
ここで、信号レベル検出部5は、復調部1から出力される2チャネルのアナログ復調信号SA−I、SA−Qに対して予め定められた時間間隔でサンプリング処理を行い、このサンプリング処理により抽出される複数のサンプリング復調信号SS−I、SS−Qの信号レベルを検出する機能を有する。このようにして検出された複数のサンプリング復調信号SS−I、SS−Qの信号レベルを示す情報が、コンスタレーション位置特定部6に転送される。
また一方で、コンスタレーション位置特定部6は、信号レベル検出部5により検出された信号レベルに従って、複数のサンプリング復調信号SS−I、SS−Qの中から、最も出現頻度の高いサンプリング復調信号に対応する4点のディジタルデータ(すなわち、表示画面上で最も濃く現れる4点のディジタルデータ)を取り出し、この4点のディジタルデータのコンスタレーション位置を特定する機能を有する。
また一方で、位相角度差演算処理部7は、コンスタレーション位置特定部6により抽出された4点の出現頻度が高いディジタルデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される4点のディジタルデータの位相角度Pcと、予め設定された基準位相角度Pr(例えば0度)との差分(Pdi)を演算する機能を有する。ここで、4点のディジタルデータの位相角度Pcは、図2の右下部の拡大された表示画面に示すように、4点のディジタルデータ中の2点のディジタルデータにより形成される2本の対角線の交点ISの位置と、基準点(例えば原点O)との間のベクトルVcが示す角度として定義される。
より詳しく説明すると、位相角度差演算処理部7では、4点のディジタルデータ中の1つのディジタルデータ(例えば、ディジタルデータC(0,0))のコンスタレーション位置が基準点(例えば原点O)に一致するように4点のディジタルデータをシフトする。さらに、シフトされた4点のディジタルデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される4点のディジタルデータの位相角度Pcと基準位相角度Prとの差分(すなわち、位相角度差)を演算する。さらに、最も出現頻度が高いディジタルデータの信号点(例えば、ディジタルデータC(0,0)の信号点)を中心として位相角度Pcを回転させることによって、上記差分が所定の範囲内(例えば、基準位相角度Prから±5度以内)におさまるように位相角度Pcを調整する。このような位相角度Pcは、位相角度差演算処理部7により制御することによって、正確に調整され得る。これによって、4点のディジタルデータの位相が受信カード内の復調部等での処理時における位相にロックされ、2チャネルのアナログ復調信号の受信同期が確立される。
後述のように、上記の信号レベル検出部5、コンスタレーション位置特定部6および位相角度差演算処理部7の機能は、汎用のパーソナルコンピュータのCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)により各種のプログラム(ソフトウェア)を実行させることにより実現される。それゆえに、図2の実施形態に係る受信同期制御装置では、アナログ復調信号の受信同期の調整を行うための専用ハードウェアをわざわざ用意しなくても、ソフトウェアによって受信同期を確立することが容易に可能である。
図2の実施形態によれば、無線通信機器内の受信カードの調整試験等を行う場合に、オシロスコープの極座標表示機能により作業者が受信カードの受信同期の状態を常時監視する代わりに、コンスタレーション位置特定部6等により特定された複数種のデータのコンスタレーション位置に基づき、位相角度差演算処理部7により算出される位相角度Pcと基準位相角度Prとの差分Pdiが所定の範囲内におさまるように、ディジタルデータの位相角度Pcを回転制御することによって受信同期が取れているか否かを確認しているので、全ての使用周波数に対しアナログ復調信号の受信同期の状態を短時間で確立することが容易に可能になる。
図3は、本発明の一実施形態に係る受信同期制御装置を受信カード試験装置に適用した例を示すブロック図である。ただし、ここでは、対象製品の受信カード10の調整試験を単品で行う場合に、図2の実施形態が適用される受信カード試験装置12の構成を簡略化して示す。
図3に示す受信カード試験装置12では、受信カード10の調整試験を行うための試験信号Stを生成する信号発生器50が設けられている。この信号発生器50では、QPSK変調方式等の位相変調方式により送信される位相変調信号とほぼ同等の試験信号Stが生成され、受信カード10に供給される。この受信カード10では、前述の図2の実施形態と同様の復調部1およびアナログ/ディジタル変換部2が搭載されている。
さらに、図3の受信カード試験装置12では、前述の図1の実施形態と同様に、受信カード10内のアナログ/ディジタル変換部2の出力側に、受信カード10の受信同期の状態が取れている否かを監視するためのオシロスコープ30が設けられている。このオシロスコープ30は、信号表示制御部3と極座標表示部4とを具備し、アナログ/ディジタル変換部2から出力されるディジタル復調信号SD−I、SD−Qの極座標表示を行う機能を有している。
ここでは、オシロスコープ30の極座標表示部4の表示画面では、前述の図1の場合と同様に、各々90度ずつ位相がずれた4点のディジタルデータC(0,0)、C(0,1)、C(1,0)およびC(1,1)が、I軸およびQ軸を含むI−Q座標空間の第1象限〜第4象限にそれぞれ表示される。なお、実際にはノイズの影響など各種の要因により、極座標表示部4に表示されるディジタルデータは、図3に図示されるようにきれいに表示されるわけではなく、ある点(例として図3図示の黒丸)を中心にしてある範囲内にばらついて表示される。また、個々のディジタルデータが表示されるべき位置は、信号表示制御部3により判別される。
さらに、図3の受信カード試験装置12では、受信カード10内の復調部1から2チャネルのアナログ復調信号SA−I、SA−Qを取り出すための端子を有する治具11が設けられている。さらに、この治具11の出力側には、汎用のパーソナルコンピュータ8が接続されている。アナログ復調信号SA−I、SA−Qに対応して治具11から出力される治具出力信号SJ−I、SJ−Qは、図3の下部に拡大して示すように、互いに直交位相関係にある2チャネルのほぼ周期的な信号になっており、時間(t)に対する出力電圧Vの連続的な変化により表される。治具出力信号SJ−I、SJ−Qは、パーソナルコンピュータ8に供給される。
ここで、汎用のパーソナルコンピュータ8は、治具11から供給される治具出力信号SJ−I、SJ−Qに対して各種の演算処理を行ったり(例えば、4点のディジタルデータのコンスタレーション位置を特定し、かつ、位相角度Pcと基準位相角度Prとの差分(Pdi)を演算する)、作業者等が入力部72を操作して入力するデータの処理等の各種処理を行ったりするCPU70と、受信同期制御を実行するためのプログラム(ソフトウェア)を含む各種のデータを格納する記憶部(メモリ)71と、入力部72を操作して入力されるデータを表示したり受信カード10にて信号の受信が行われている様子を表示したりする表示部73とを備えている。上記のCPU70、記憶部71、入力部72および表示部73は、バス74を介して相互に接続されている。なお、ここでは、記憶部72は、ROM(Read-only Memory:リード・オンリ・メモリ)またはRAM(Random Access Memory:ランダム・アクセス・メモリ)等により構成されているが、この記憶部72の代わりに、CPU70に内蔵のROMまたはRAMを使用することも可能である。
図3に示された例では、好ましくは、前述の図2の信号レベル検出部5、コンスタレーション位置特定部6および位相角度差演算処理部7の機能は、図3のCPU70により実現される。より具体的にいえば、図3の記憶部71のROM等に格納されている受信同期制御を実行するためのプログラム、およびプログラム実行に必要なRAM等に格納されている各種のデータをCPU70により読み出して上記プログラムを実行させることによって、信号レベル検出部5、コンスタレーション位置特定部6および位相角度差演算処理部7に相当する機能がCPU70により実現される。
図4は、図3の受信カード試験装置における主要部の動作を説明するための信号処理図である。より詳しくいえば、図4の(a)では、図3のCPU70を動作させて信号レベル検出部5(図2参照)およびコンスタレーション位置特定部6(図2参照)の機能を実行するための、CPU70で実行される処理の概略的なフローチャートが示されており、図4の(b)および(c)では、アナログ復調信号(すなわち、2チャネルのアナログ復調I,Q信号)のサンプリング処理により抽出される信号レベルを検出する様子と、ディジタルデータのコンスタレーション位置を特定する様子とがそれぞれ示されている。
試験対象製品の受信カードの調整試験を行う場合、図4の(a)のフローチャートのステップS40に示すように、受信カード内の復調部1(図3参照)から治具11(図3参照)を介して取り出される連続的なアナログ復調I,Q信号(治具出力信号SJ−I、SJ−Qに対応する)に対して、予め設定された時間軸上の複数のトリガ点(サンプリング点)でサンプリング処理が行われる。ここで、アナログ復調I,Q信号は、図4の(b)に示すように、時間tに対する出力電圧Vの連続的な変化により表されるので、I,Q時間軸信号ともよばれる。なお、図4では、説明を簡単にするために、2チャネルのアナログ復調I,Q信号のいずれか一方のアナログ復調信号のみを示すこととする。
さらに、上記のサンプリング処理を行うことによって複数のトリガ点で抽出される複数のサンプリング復調信号(図4の(b)図示黒丸)の出力電圧Vの値(図4の(b)における黒丸の部分の電圧レベル)が、複数のサンプリング復調信号の信号レベルとして検出される。
さらに、図4の(a)のフローチャートのステップS41に示すように、前述のステップS40にて検出された信号レベルに従って、複数のサンプリング復調信号から、ディジタルデータのコンスタレーション位置が推定により特定される。
より詳しく説明すると、復調部1から出力された複数の復調データあるいはサンプリング復調信号は、ある点を中心としてばらついてI−Q座標空間に配置される。ここで、図4の(c)に示すように、I−Q座標空間に配置される複数の信号データの分布の状態を統計的に処理することによって、複数の信号データの変動分の最大値、最小値およびしきい値を決定することができる。このようにして決定されたしきい値により囲まれている範囲の中心の位置を、各信号データのコンスタレーション中心点と推定する。ここで、「しきい値」とは、各信号データのコンスタレーションの中心点を特定する処理を短時間で行うために、統計的に抽出され得る複数の信号データの変動分の上限値として予め設定された値である。換言すれば、I−Q座標空間に配置される複数の信号データの中で、最も出現頻度の高い信号データに対応する4点のディジタルデータ(すなわち、表示画面上で最も濃く現れる4点のディジタルデータ)を取り出し、これに基づいてコンスタレーションの中心点を特定する。
図5は、図3の受信カード試験装置において4点のデータの基準位相角に対する位相角度差を演算する様子を示す模式図である。ここでは、図4の(c)のように特定された4点のディジタルデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度Pcと、予め設定された基準位相角度Pr(例えば0度)との差分を演算する様子を示すこととする。既述のように、4点のディジタルデータの位相角度Pcは、4点のディジタルデータ中の2点のディジタルデータにより形成される2本の対角線の交点の位置ISと、基準点(例えば原点O)との間のベクトルVcが示す角度として定義される。
前述のように4点のディジタルデータのコンスタレーション位置が特定された場合、図5に示すように、4点のディジタルデータC(0,0)、C(0,1)、C(1,0)およびC(1,1)中の1つのディジタルデータ(例えばC(0,0))のコンスタレーション位置が基準点(例えば原点)に一致するように4点のディジタルデータをシフトする。次いで、シフトされた4点のディジタルデータのコンスタレーション位置に基づいて位相角度Pcを算出する。図5の例では、位相角度Pcは180度になっている。このようにして算出された位相角度Pcと、基準位相角度Prとの差分を演算し、この差分が所定の範囲内におさまるように、基準の信号点を軸として4点のディジタルデータを一定の角度だけ回転させる。図5右側図示の例では、図5左側図示の例に対してディジタルデータを180度回転させている。これによって、位相角度Pcが基準位相角度Prにほぼ一致するように、復調されたディジタルデータの位相角度を調整することが可能になる。このようにして調整された位相角度に従って、4点のディジタルデータの位相が受信カード(図3参照)内での復調処理時における位相にロックされ、2チャネルのアナログ復調I,Q信号の受信同期が確立される。
図6および図7は、本実施形態に係る受信同期制御によってアナログ復調信号から元のデータのコンスタレーション位置を特定する処理フローを説明するためのフローチャートのその1およびその2である。ここでは、詳細なフローチャート(前述の図4の(a)の処理フローをより詳しく記述したフローチャート)に基づき、図3のCPUを動作させて2チャネルのアナログ復調信号から元のディジタルデータのコンスタレーション位置を特定する処理フローを説明する。
受信カード(図3参照)により復調される2チャネルのアナログ復調信号から元のディジタルデータのコンスタレーション位置を特定する処理を実行する場合、まず、図6のステップS60およびステップS61に示すように、互いに直交位相関係にある2チャネルのアナログ復調信号(すなわち、一方のIチャネルのアナログ復調信号および他方のQチャネルのアナログ復調信号)が、受信カード10の復調部からパーソナルコンピュータのCPUに取り込まれる。
つぎに、ステップS62において、2チャネルのアナログ復調信号に対しフィルタ等による信号処理を行い、一方のIチャネルのアナログ復調信号を他方のQチャネルのアナログ復調信号から分離することによって、Iチャネルのアナログ復調信号のソーティングが実行される。
さらに、ステップS63において、Iチャネルのアナログ復調信号に対して予め定められた時間間隔かつ予め定められたサンプリング回数(N:Nは2以上の正の整数)にてサンプリング処理が行われる。このサンプリング処理により抽出されるIチャネルの複数のサンプリング復調信号の信号レベルが検出される。
さらに、ステップS64において、2チャネルのアナログ復調信号に対し再度フィルタ等による信号処理を行い、他方のQチャネルのアナログ復調信号を一方のIチャネルのアナログ復調信号から分離することによって、Qチャネルのアナログ復調信号のソーティングが実行される。
さらに、ステップS65において、Qチャネルのアナログ復調信号に対して予め定められた時間間隔かつ予め定められたサンプリング回数(N)にてサンプリング処理が行われる。このサンプリング処理により抽出されるQチャネルの複数のサンプリング復調信号の信号レベルが検出される。
さらに、図7のステップS66において、I−Q座標空間に配置される複数のIチャネルの信号データの中の最大値(絶対値)2点が決定され、これらの最大値2点にそれぞれ対応するI軸上のディジタルデータの成分が取り出される(Iチャネルの信号データのコンスタレーション位置の特定)。あるいは、その代わりに、I−Q座標空間に配置される複数のIチャネルの信号データの中で、最大の出現頻度の値を有する信号データに対応するI軸上のディジタルデータの成分が取り出されるようにしてもよい。
さらに、図7のステップS67において、I−Q座標空間に配置される複数のQチャネルの信号データの中の最大値(絶対値)2点が決定され、これらの最大値2点にそれぞれ対応するQ軸上のディジタルデータの成分が取り出される(Qチャネルの信号データのコンスタレーション位置の特定)。あるいは、その代わりに、I−Q座標空間に配置される複数のQチャネルの信号データの中で、最大の出現頻度の値を有する信号データに対応するQ軸上のディジタルデータの成分が取り出されるようにしてもよい。
さらに、ステップS68において、前述のステップS66およびステップS67で推定されたQ軸上のディジタルデータの成分およびI軸上のディジタルデータの成分に従って、I−Q座標空間に配置される4点のディジタルデータの各々のコンスタレーションの中心点が推定される。このようにして推定されたディジタルデータの各々のコンスタレーションの中心点が、4点のディジタルデータのコンスタレーション位置として特定される。
最終的に、ステップS69において、I−Q座標空間内で、4点のディジタルデータ中の1つのディジタルデータのコンスタレーション位置が基準点(例えば原点)に一致するように4点のディジタルデータのシフト処理が行われる。このようなディジタルデータのシフト処理は、後述の図8および図9に示すような位相角度Pcと基準位相角度Prとの差分(すなわち、位相角度差)を演算する処理を簡単化するための前段階の処理として行われる。
図8および図9は、本実施形態に係る受信同期制御によって位相角度差を演算して調整する処理フローを説明するためのフローチャートのその1およびその2である。ここでは、詳細なフローチャートに基づき、図3のCPUを動作させて4点のディジタルデータの位相角度差を演算して、ディジタルデータの位相を調整する処理フローを説明する。
前述の図6および図7のように4点のディジタルデータのコンスタレーション位置を特定してシフト処理を行った後に、4点のディジタルデータの位相角度差を演算して調整する処理を実行する場合、まず、図8のステップS80に示すように、4点のディジタルデータのコンスタレーション位置に基づいて位相角度Pcが算出される。次いで、このようにして算出された位相角度Pcと基準位相角度Pr(例えば0度)との差分が演算される。
つぎに、ステップS81において、前述のステップS80で演算された位相角度差が所定の範囲内(例えば、基準位相角度Prから±5度以内)におさまるようにするために、基準点(例えば原点)を軸として4点のディジタルデータの位相角度Pcを一定の角度だけ回転させることによって、ディジタルデータの位相角度差の粗調整が行われる。
つぎに、ステップS82において、前述のステップS81で粗調整がなされたディジタルデータの位相角度差が、実際に基準位相角度Prから±5度以内に入っているか否かが判断される。ここで、粗調整後の位相角度差が±5度以内に入っていると判断された場合、ディジタルデータの位相角度の調整が完了したものとして図8および図9の処理フローを終了する。
また一方で、粗調整後のディジタルデータの位相角度差が±5度以内に入っていないと判断された場合、ステップS83およびステップS84に進み、前述の図6のステップS60およびステップS61の処理と同様に、Iチャネルのアナログ復調信号およびQチャネルのアナログ復調信号が再度取り込まれる。
さらに、図9のステップS85およびステップS86において、前述の図6のステップS62およびステップS63の処理と同様に、Iチャネルのアナログ復調信号のソーティングが実行された後に、Iチャネルのアナログ復調信号に対して予め定められたサンプリング回数(N)にてサンプリング処理が行われ、かつ、このサンプリング処理により抽出されるIチャネルの複数のサンプリング復調信号の信号レベルが検出される。
さらに、図9のステップS87およびステップS88において、前述の図6のステップS64およびステップS65の処理と同様に、Qチャネルのアナログ復調信号のソーティングが実行された後に、Qチャネルのアナログ復調信号に対して予め定められたサンプリング回数(N)にてサンプリング処理が行われ、かつ、このサンプリング処理により抽出されるQチャネルの複数のサンプリング復調信号の信号レベルが検出される。
さらに、図9のステップS89およびステップS90において、前述の図7のステップS66およびステップS67の処理と同様に、I−Q座標空間に配置される複数のIチャネルの信号データの中の最大値(絶対値)2点が決定され、これらの最大値2点にそれぞれ対応するI軸上のディジタルデータの成分が取り出されると共に、複数のQチャネルの信号データの中の最大値2点が決定され、これらの最大値2点にそれぞれ対応するQ軸上のディジタルデータの成分が取り出される。
さらに、図9のステップS91において、前述の図7のステップS68の処理と同様に、特定されたQ軸上のディジタルデータの成分およびI軸上のディジタルデータの成分に従って、4点のディジタルデータの各々のコンスタレーションの中心点が推定される。
さらに、図9のステップS92において、前述の図7のステップS69の処理と同様にI−Q座標空間内で、4点のディジタルデータ中の1つのディジタルデータのコンスタレーション位置が基準点(例えば原点)に一致するように4点のディジタルデータのシフト処理が行われる。
さらに、図9のステップS93において、4点のディジタルデータの位相角度差が±5度以内に入るようにするために、ディジタルデータの位相角度の微調整が行われる。
前述のステップS83〜ステップS93の処理は、4点のディジタルデータの位相角度差が最終的に±5度以内に入ることが確認されるようになるまで(すなわち、ディジタルデータの位相角度Pcの調整が完了して受信同期が確立されるまで)、繰り返し実行される。
図10は、本実施形態に係るデータ位相角度差演算処理の具体例を示す模式図であり、図11は、本実施形態に係るデータ位相角度差調整処理の具体例を示す模式図である。より詳しくいえば、図10では、本実施形態の受信同期制御に関連したディジタルデータの位相角度差演算処理のアルゴリズムの一例をI−Q座標空間で説明するための模式図が示されている。また一方で、図11の(a)では、前述の図8および図9の処理フローをより概略的に記述したフローチャートが参考のために示されており、図11の(b)では、本実施形態の受信同期制御に関連したディジタルデータの位相角度差調整処理のアルゴリズムの一例をI−Q座標空間で説明するための模式図が示されている。ここでは、QPSK変調方式により送信される位相変調信号を受信して得られる2チャネルのアナログ復調信号の受信同期の状態を確立することを目的として、I−Q座標空間に表示される4点のディジタルデータの位相角度差演算処理および位相角度差調整処理を行うことを前提としている。
図10に示すようなディジタルデータの位相角度差演算処理のアルゴリズムは、次の(1)〜(4)のように記述される。
(1)QPSK変調方式による位相変調信号を受信して得られるI成分とQ成分との2チャネルのアナログ復調信号は、時間軸に対して連続的なデータである。このため、2チャネルのアナログ復調信号のサンプリング処理を行い、複数のトリガ点で抽出される複数のサンプリング復調信号の信号レベルを検出する。
(2)検出された信号レベルに従って、複数のサンプリング復調信号の極座標への配置処理を行い、I−Q座標空間に配置される複数のサンプリング復調信号の信号データから、元の4点のディジタルデータC(0,0)、C(0,1)、C(1,0)およびC(1,1)のコンスタレーション位置を推定する。
(3)推定された4点のディジタルデータから、C(0,0)とC(1,0)とを結ぶ対角線とC(0,1)とC(1,1)とを結ぶ対角線との2本の対角線の交点ISを求め、この交点ISの位置とI−Q座標空間の原点Oとの間のベクトルVcが示す位相角度Pcを算出する。この場合、位相角度Pcは、下記の関数(func)により表される。
Iave=func (Imax, Imin、Iチャネルの信号データのサンプリング回数)
Qave=func (Qmax, Qmin、Qチャネルの信号データのサンプリング回数)
∴位相角度Pc=func(Iave, Qave)
ここで、( )内の記号は、関数(func)を決定するパラメータを示している。例えば、Imax/Qmax、Imin/Qminは、I−Q座標空間に配置される複数の信号データの変動分のI成分とQ成分との、最大値と最小値を示している。また一方で、Iaveは、Iチャネルの信号データの中で、最大の出現頻度を有する信号データを示しており、Qaveは、Qチャネルの信号データの中で、最大の出現頻度を有する信号データを示している。
(4)算出された位相角度Pc(例えば135度とする)と基準位相角度Pr(例えば0度)との差分(すなわち、位相角度差=135度)を演算し、原点を軸として4点のディジタルデータの位相角度を一定の角度だけ回転させる。図10の例では、位相角度差である135度だけ、4点のディジタルデータを回転させている。
また一方で、図11の(b)に示すようなディジタルデータの位相角度差調整処理のアルゴリズムは、次の(1)〜(3)のように記述される。
(1)前述の図10のように、ディジタルデータを所定角度回転させた後のディジタルデータの位相角度Pcと基準位相角度Prとの差分(すなわち、位相角度差)を、次回設定位相角度差として設定する。この次回設定位相角度差は、下記の関数(func)により表される。
次回設定位相角度差=func (Iave、Qave)−func(Itarget, Qtarget)
ここで、Itarget、Qtargetは、最終目標の位相角度(例えば0度)を有するIチャネルの信号データとQチャネルの信号データとをそれぞれ示している。
(2)次回設定位相角度差に従って、位相角度Pcと基準位相角度Pr(または位相角度Pcと最終目標の位相角度)との差分を再度演算することによって、位相角度Pcと基準位相角度Prとの位相角度差がなくなるように、ディジタルデータを回転させる処理を繰り返す。換言すれば、「位相角度Pcと基準位相角度Prとの差分を演算する処理」→「ディジタルデータを回転させる処理」→「位相角度Pcと基準位相角度Prとの差分を演算する処理」→・・・の繰り返しにより位相角度差が小さくなっていくように、ディジタルデータの位相角度差演算処理および位相角度差調整処理が実行される。このように、次回設定位相角度差に従って位相角度Pcと基準位相角度Prとの位相角度差を演算しディジタルデータを回転する処理は、位相角度Pcが基準位相角度Prにほぼ一致、言い換えれば位相角度差が所定範囲内に収まるようになるまで繰り返し実行される。
(3)受信カード試験装置により受信カードの受信同期の調整試験を行う場合には、信号発生器にて生成される試験信号の位相を前もって算出しておき、この試験信号の位相に従って基準位相角度を設定することも可能である。
要約すれば、図11の(a)のフローチャートに示すように、ステップS110において、前述の図10のアルゴリズムに従ってディジタルデータの位相角度差の粗調整が行われた後、ステップS111において、前述の図11の(b)のアルゴリズムに従ってディジタルデータの位相角度差の微調整が行われる。
最終的に、図11の(a)のステップS112において、図11の(b)の位相角度差調整位置に対応する位相角度に従って4点のディジタルデータの位相がロックされ、2チャネルのアナログ復調信号の受信同期が確立される。
(付記1)位相変調方式により送信される信号を受信して少なくとも2チャネルのアナログ復調信号を復調する復調部を有し、当該アナログ復調信号の受信同期が確立されるように制御する受信同期制御装置において、
前記少なくとも2チャネルのアナログ復調信号のサンプリング処理を行って抽出されるサンプリング復調信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、
検出された前記信号レベルに従って前記サンプリング復調信号の極座標表示を行った場合に、前記サンプリング復調信号に含まれる複数種のデータのコンスタレーション位置を特定するコンスタレーション位置特定部と、
特定された前記複数種のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算する位相角度差演算処理部とを備え、
前記位相角度差演算処理部にて、前記位相角度と前記基準位相角度との差分が所定の範囲内におさまるように前記位相角度を制御することによって、前記アナログ復調信号の受信同期が確立されることを特徴とする受信同期制御装置。
(付記2)前記データ位置推定部は、極座標の表示面に表示される前記サンプリング復調信号の中から、最も出現頻度の高いサンプリング復調信号に対応する少なくとも4点のデータを取り出し、前記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置を特定するようになっていることを特徴とする付記1記載の受信同期制御装置。
(付記3)前記位相角度差演算処理部は、極座標の表示面内で、前記少なくとも4点のデータ中の1つのデータのコンスタレーション位置が基準点に一致するように前記少なくとも4点のデータをシフトし、前記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、かつ、前記位相角度と前記基準位相角度との差分がほぼ零になるように前記位相角度を回転させるようになっていることを特徴とする付記2記載の受信同期制御装置。
(付記4)位相変調方式により送信される信号を復調する復調部における受信同期を制御する受信同期制御装置において、
前記復調信号の信号レベルを検出する手段と、
検出された前記信号レベルに従って、前記復調信号の座標平面における配置状態を求める手段と、
前記復調信号の配置状態に基づいて、前記復調信号のコンスタレーション位置を特定する手段と、
特定された前記コンスタレーション位置に基づいて算出される前記復調信号の位相角度と、位相の基準となる基準位相角度との差分を演算する手段と、
前記差分を打ち消すように前記復調信号の位相を回転させるよう、前記復調部を制御する手段とを備えたことを特徴とする受信同期制御装置。
(付記5)前記復調信号の座標平面における配置状態を求める手段は、前記座標平面上で最も頻度が高く出現する復調信号点を特定することを特徴とする付記4記載の受信同期制御装置。
(付記6)前記差分を演算する手段は、複数の復調信号点の中央と、前記基準位相角度との差分を算出することを特徴とする付記4記載の受信同期制御装置。
(付記7)前記差分を演算する手段は、計4点の復調信号点のいずれかを結ぶ対角線の交点を求め、前記交点と前記基準位相角度との差分を算出することを特徴とする付記4記載の受信同期制御装置。
(付記8)前記差分を演算する手段は、複数の復調信号点のいずれかを座標平面の基準位置に一致させるように前記複数の復調信号点をシフトし、前記復調信号点の位相角度と、前記基準位相角度との差分を算出することを特徴とする付記4記載の受信同期制御装置。
(付記9)位相変調方式により送信される信号を受信して少なくとも2チャネルのアナログ復調信号を復調する際に、当該アナログ復調信号の受信同期が確立されるように制御するための受信同期制御方法であって、
前記少なくとも2チャネルのアナログ復調信号のサンプリング処理を行って抽出されるサンプリング復調信号の信号レベルを検出するステップと、
検出された前記信号レベルに従って前記サンプリング復調信号の極座標表示を行った場合に、前記サンプリング復調信号に含まれる複数種のデータのコンスタレーション位置を特定するステップと、
特定された前記複数種のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、前記位相角度と前記基準位相角度との差分が所定の範囲内におさまるように前記位相角度を制御するステップとを有することを特徴とする受信同期制御方法。
(付記10)前記複数種のデータのコンスタレーション位置を特定するステップにおいて、極座標の表示面に表示される前記サンプリング復調信号の中から、最も出現頻度の高いサンプリング復調信号に対応する少なくとも4点のデータを取り出し、前記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置を特定するようになっていることを特徴とする付記9記載の受信同期制御方法。
(付記11)前記位相角度を制御するステップにおいて、極座標の表示面内で、前記少なくとも4点のデータ中の1つのデータのコンスタレーション位置が基準点に一致するように前記少なくとも4点のデータをシフトし、前記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、かつ、前記位相角度と前記基準位相角度との差分がほぼ零になるように前記位相角度を回転させるようになっていることを特徴とする付記10記載の受信同期制御方法。
(付記12)位相変調方式により送信される信号を復調する際に、復調信号の受信同期を確立させる受信同期制御方法であって、
前記復調信号のサンプリング処理を行って、抽出されるサンプリング復調信号の信号レベルを検出するステップと、
検出された前記信号レベルに従って前記サンプリング復調信号の座標平面内における配置を判別し、前記サンプリング復調信号に含まれる複数の復調データのコンスタレーション位置を特定するステップと、
特定された前記コンスタレーション位置に基づいて、前記復調信号の位相角度を算出するステップと、
前記位相角度と、位相の基準となる基準位相角度との差分を演算するステップと、
前記演算された差分に応じて、前記復調信号の位相を、前記差分を打ち消すように回転させるように制御するステップとを有することを特徴とする受信同期制御方法。
(付記13)位相変調方式により送信される信号を受信して少なくとも2チャネルのアナログ復調信号を復調し、かつ、当該アナログ復調信号の受信同期が確立されるように制御する場合、コンピュータに、
前記少なくとも2チャネルのアナログ復調信号のサンプリング処理を行って抽出されるサンプリング復調信号の信号レベルを検出し、
検出された前記信号レベルに従って前記サンプリング復調信号の極座標表示を行った場合に、前記サンプリング復調信号に含まれる複数種のデータのコンスタレーション位置を特定し、
特定された前記複数種のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、前記位相角度と前記基準位相角度との差分が所定の範囲内におさまるように前記位相角度を制御することを実行させるためのプログラム。
(付記14)前記複数種のデータのコンスタレーション位置を特定する際に、極座標の表示面に表示される前記サンプリング復調信号の中から、最も出現頻度の高いサンプリング復調信号に対応する少なくとも4点のデータを取り出し、前記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置を特定するようになっている付記13記載のプログラム。
(付記15)前記位相角度を制御する際に、極座標の表示面内で、前記少なくとも4点のデータ中の1つのデータのコンスタレーション位置が基準点に一致するように前記少なくとも4点のデータをシフトし、前記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、かつ、前記位相角度と前記基準位相角度との差分がほぼ零になるように前記位相角度を回転させるようになっている付記14記載のプログラム。
本発明は、携帯電話機等の無線通信機器において、QPSK変調方式等のディジタルデータの位相変調方式により送信される位相変調信号を受信して複数のチャネルのアナログ復調信号を復調する場合に、携帯電話機等の復調器が搭載された受信カードの調整試験を行って、当該アナログ復調信号の受信同期が取れているか否かを確認する際に使用される受信カード試験装置に適用することが可能である。
従来の受信同期確立手法に関連した受信カード試験装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る受信同期制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る受信同期制御装置を受信カード試験装置に適用した例を示すブロック図である。 図3の受信カード試験装置における主要部の動作を説明するための信号処理図である。 図3の受信カード試験装置において4点のデータの位相角度差を演算する様子を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る受信同期制御によってアナログ復調信号から元のデータのコンスタレーション位置を特定する処理フローを説明するためのフローチャート(その1)である。 本発明の一実施形態に係る受信同期制御によってアナログ復調信号から元のデータのコンスタレーション位置を特定する処理フローを説明するためのフローチャート(その2)である。 本発明の一実施形態に係る受信同期制御によって元のデータの位相角度差を演算して調整する処理フローを説明するためのフローチャート(その1)である。 本発明の一実施形態に係る受信同期制御によって元のデータの位相角度差を演算して調整する処理フローを説明するためのフローチャート(その2)である。 本発明の一実施形態に係るデータ位相角度差演算処理の具体例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るデータ位相角度差調整処理の具体例を示す模式図である。
符号の説明
1 復調部
2 アナログ/ディジタル変換部(A/D変換部)
3 信号表示制御部
4 極座標表示部
5 信号レベル検出部
6 コンスタレーション位置特定部
7 位相角度差演算処理部
8 パーソナルコンピュータ
9 信号処理部
10 受信カード
11 治具
12 受信カード試験装置
30 オシロスコープ
50 信号発生器
70 CPU(中央演算処理装置)
71 記憶部
72 入力部
73 表示部

Claims (8)

  1. 位相変調方式により送信される信号を受信して少なくとも2チャネルのアナログ復調信号を復調する復調部を有し、当該アナログ復調信号の受信同期が確立されるように制御する受信同期制御装置において、
    前記少なくとも2チャネルのアナログ復調信号のサンプリング処理を行って抽出されるサンプリング復調信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、
    検出された前記信号レベルに従って前記サンプリング復調信号の極座標表示を行った場合に、前記サンプリング復調信号に含まれる複数種のデータのコンスタレーション位置を特定するコンスタレーション位置特定部と、
    特定された前記複数種のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算する位相角度差演算処理部とを備え、
    前記位相角度差演算処理部にて、前記位相角度と前記基準位相角度との差分が所定の範囲内におさまるように前記位相角度を制御することによって、前記アナログ復調信号の受信同期が確立されることを特徴とする受信同期制御装置。
  2. 前記データ位置推定部は、極座標の表示面に表示される前記サンプリング復調信号の中から、最も出現頻度の高いサンプリング復調信号に対応する少なくとも4点のデータを取り出し、前記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置を特定するようになっていることを特徴とする請求項1記載の受信同期制御装置。
  3. 前記位相角度差演算処理部は、極座標の表示面内で、前記少なくとも4点のデータ中の1つのデータのコンスタレーション位置が基準点に一致するように前記少なくとも4点のデータをシフトし、前記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、かつ、前記位相角度と前記基準位相角度との差分がほぼ零になるように前記位相角度を回転させるようになっていることを特徴とする請求項2記載の受信同期制御装置。
  4. 位相変調方式により送信される信号を復調する復調部における受信同期を制御する受信同期制御装置において、
    前記復調信号の信号レベルを検出する手段と、
    検出された前記信号レベルに従って、前記復調信号の座標平面における配置状態を求める手段と、
    前記復調信号の配置状態に基づいて、前記復調信号のコンスタレーション位置を特定する手段と、
    特定された前記コンスタレーション位置に基づいて算出される前記復調信号の位相角度と、位相の基準となる基準位相角度との差分を演算する手段と、
    前記差分を打ち消すように前記復調信号の位相を回転させるよう、前記復調部を制御する手段とを備えたことを特徴とする受信同期制御装置。
  5. 位相変調方式により送信される信号を受信して少なくとも2チャネルのアナログ復調信号を復調する際に、当該アナログ復調信号の受信同期が確立されるように制御するための受信同期制御方法であって、
    前記少なくとも2チャネルのアナログ復調信号のサンプリング処理を行って抽出されるサンプリング復調信号の信号レベルを検出するステップと、
    検出された前記信号レベルに従って前記サンプリング復調信号の極座標表示を行った場合に、前記サンプリング復調信号に含まれる複数種のデータのコンスタレーション位置を特定するステップと、
    特定された前記複数種のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、前記位相角度と前記基準位相角度との差分が所定の範囲内におさまるように前記位相角度を制御するステップとを有することを特徴とする受信同期制御方法。
  6. 前記複数種のデータのコンスタレーション位置を特定するステップにおいて、極座標の表示面に表示される前記サンプリング復調信号の中から、最も出現頻度の高いサンプリング復調信号に対応する少なくとも4点のデータを取り出し、前記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置を特定するようになっていることを特徴とする請求項5記載の受信同期制御方法。
  7. 前記位相角度を制御するステップにおいて、極座標の表示面内で、前記少なくとも4点のデータ中の1つのデータのコンスタレーション位置が基準点に一致するように前記少なくとも4点のデータをシフトし、前記少なくとも4点のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、かつ、前記位相角度と前記基準位相角度との差分がほぼ零になるように前記位相角度を回転させるようになっていることを特徴とする請求項6記載の受信同期制御方法。
  8. 位相変調方式により送信される信号を受信して少なくとも2チャネルのアナログ復調信号を復調し、かつ、当該アナログ復調信号の受信同期が確立されるように制御する場合、コンピュータに、
    前記少なくとも2チャネルのアナログ復調信号のサンプリング処理を行って抽出されるサンプリング復調信号の信号レベルを検出し、
    検出された前記信号レベルに従って前記サンプリング復調信号の極座標表示を行った場合に、前記サンプリング復調信号に含まれる複数種のデータのコンスタレーション位置を特定し、
    特定された前記複数種のデータのコンスタレーション位置に基づいて算出される位相角度と、基準位相角度との差分を演算し、前記位相角度と前記基準位相角度との差分が所定の範囲内におさまるように前記位相角度を制御することを実行させるためのプログラム。
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