JP4737394B2 - スタンション接手材およびスタンション接手構造 - Google Patents
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Description
該スタンションパイプを客室内に設置するとき、現状は、次のいずれかの方法で固定をしている。
すなわち、第1の方法では、スタンションパイプの先端に接手相当の部品を溶接にて接合し、接手部品をスクリューにて車体へ固定する。車体側には、固定座面確保のためのインサートとして厚板(数mm厚)の埋金を設置する。
第2の方法では、スタンションパイプの先端に接手材をスクリューやリベットなどで固定し、且つ、接手材をスクリューにて車体へ固定する(例えば、特許文献1参照)。この方法においても、車体側に埋金を設置する。この第2の方法を図9、10に基づいて説明する。
また、接手材を車体へ固定する際に、車体内に埋金を取付けているが、埋金の位置が室内側から見えない為、取付け位置のバラツキを考慮して大きめの部品を設定する必要があり、コスト・工数アップの原因となっている。また、受注仕様によって握棒や仕切棒の位置が異なるため、車型や仕様差で埋金の位置がバラバラ(位置が固定できない)である。このため、図面作成作業や発注作業が発生し、コストが掛かっている。また、製作途中(埋金をつけてしまった後)に車両発注先の仕切レイアウトに変更が発生した場合、車体バラシが発生する事があり、仕様変更も迅速に対応できないという問題がある。
また、この取付構造は、ガイド部材内部にナットを事前に入れておき、ボルト締めするという複雑な固定方法を採用しており、コスト高になるとともに、作業負担が大きいという問題点がある。
(A)2種類(サイズ毎)の接手を用意する。
(B)小径サイズ用の接手を用意し、小径パイプ仕様の時はそのまま使用。大径パイプ仕様の時は、接手内径側を削ってサイズ調整し使用する(大径サイズ用を小径サイズへ使用するとガタつき不安定になり商品力を損ねる)。
上記により、従来の接手材では共通化が出来ない為、工数、又は、コストがかかるという問題点も有している。
また、爪部は、係止溝や係止穴に挿入されて引っ掛ける形状を有するものであり、通常は、外周側につきだして係止溝や係止穴の縁部に引っ掛かるものが代表的なものである。ただし、本発明としては爪部の具体的な構造が特定のものに限定されるものではない。なお、係止溝や係止穴は、客室の天井側に設けられているものであってもよく、また、レールや取付け部等として用意されて客室側に取付けられているものであってもよい。要は、直接的または間接的に接手材を客室側に固定できるものとして提供されるものであればよい。
また、接手材が分割されているので、パイプサイズ・表面処理に自由度を持たせることができ、共通部品で対応することも可能となる。
また、客室側への固定は、接手材と天井レールなどを採用して行うことができるので、受注仕様にてレイアウトが変更になっても配置に自由度がある構造となっている。
スタンション接手材2は、図1〜図5に示すように、2つの接手分割部材2a、2bを有しており、それぞれの一端側に、互いに対向して配置することでスタンションパイプ1の先端を収容して挟むことができる断面楕円弧状の凹部8a、8bを有している、
さらに、接手分割部材2aは、軸方向において上記凹部8aを超えた中央部分から他端側に掛けて、軸方向に対し凹部8a側に屈曲して全体がヘ字形状となっており、先端部は、径方向に沿って幅広に形成され、先端には、対向面の反対の側(外側)に屈曲する爪部4aを有している。接手分割部材2aの中央部から先端部に掛けては、対向面が全体のへ字形状に倣った湾曲面形状を有しており、先端部では、径方向両端部が対向側に突き出た形状を有している。また、上記凹部8aには、後述するスタンションパイプ1の位置決めを行うための凸部9が凹部側位置決め部として形成されている。さらに凹部8aを超えた軸方向中央部分の対向面には、締結部としてネジ穴5a、5aが形成されている。ネジ穴5a、5aと前記爪部4aとの間であって、該爪部4aに近接した先端部位置では、対向湾曲面に支点部6aが位置付けられており、また、先端部の径方向中央部には、ハーネスを接手分割部材2aの先端方向から軸方向に沿ってスタンションパイプ1に導入するための導入穴7aが導入路として接手分割部材2aの先端から中央部分に至るまで形成されている。
また、接手分割部材2bの凹部8bを超えた軸方向中央部分の対向面には、前記ネジ穴5a、5aに対向する位置に同じく締結部として取付け穴5b、5bが形成されている。また、取付け穴5bと前記爪部4bとの間であって、該爪部4bに近接した先端部位置では、対向湾曲面に前記支点部6aと当接する支点部6bが位置付けられている。
上記接手分割部材2a、2bを対向させ、両者が開いた状態になるように、それぞれの爪部4a、4bを上記ガイド溝12に挿入する。接手分割部材2a、2bの凹部8a、8b間にスタンションパイプ1を位置させて、これらの接手分割部材2a、2bを上記支点部6a、6bを当接させてこれを支点にして両者を互いに近づけるように回転させると、ネジ穴5aと取付け穴5bが接近するに連れて爪部4a、4bに互いに相反する反力が作用し、次第に爪部4a、4bが引っ掛かり部12a、12bに収まる。ガイド溝12は、爪部4a、4bが丁度収まる幅で形成されており、挿入された爪部4a、4bは、次第に上記引っ掛かり部12a、12bに収まってガイド溝12に引っ掛かる。スタンションパイプ1は、位置決め穴9aに、凹部8aの位置決め凸部9が嵌合されることで位置決めされつつ凹部8a、8bで挟持される。
上記によりスタンションパイプ1を確実かつ強固に客室10側に固定することができる。しかも、該固定に際しては、スクリューなどの固定具は最小限の数で済み、固定作業を容易に行えるとともに、見栄えもよくすることができる。また、固定に際し埋金を用いる必要もないため、取付け作業が容易になり、コストの低減も可能になる。また、車体バラシを要することなく取り付けを行うことが可能になる。上記スタンションパイプとしては、図6に示すように仕切棒15として用いたり、握棒16などとして用いることができる。
2 接手材
2a 接手分割部材
2b 接手分割部材
4a 爪部
4b 爪部
5a ネジ穴
5b 取り付け穴
6a 支点部
6b 支点部
7a 導入穴
7b 導入穴
9 位置決め凸部
9a 位置決め穴
10 客室
11 天井レール
12 ガイド溝
12a 引っ掛かり部
12b 引っ掛かり部
Claims (6)
- 旅客輸送用の客室内に配置されるスタンションの先端部をそれぞれに形成された凹部で挟む2つまたはそれ以上の接手分割部材を有し、該接手分割部材は、先端側に設けられて客室側にある係止溝または係止穴に挿入して引っ掛ける爪部と、前記凹部を越えて前記凹部と前記爪部との間に形成され互いを締結する締結部と、前記締結部と爪部との間に他の接手分割部材のものと互いに向合うよう形成され前記締結部に締結力を作用させたときに前記爪部に他の接手分割部材の爪部と互いに相反する方向に反力を作用させるよう、他の接手分割部材のものと互いに当接する支点部とを有していることを特徴とするスタンション接手材。
- 前記接手分割部材の少なくとも一つに、前記係止溝または係止穴内に配設されたハーネスをパイプ状の前記スタンションに導入するための導入路が内周側に形成されていることを特徴とする請求項1記載のスタンション接手材。
- 前記接手分割部材の少なくとも一つは、前記凹部を有する固定部分と前記爪部を有する引っ掛け部分とが所定角度を有して位置するへ字形状を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のスタンション接手材。
- 前記接手分割部材の少なくとも一つは、前記凹部の内面に、スタンション先端部の外面に形成したスタンション側位置決め部と凹凸係合する凹部側位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスタンション接手材。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のスタンション接手材と、客室側に設けた係止溝または係止穴とを備え、該係止溝または係止穴の内部に、前記係止溝または係止穴に挿入されて互いに相反する前記反力が作用する前記接手材の爪部が引っ掛かるように形成された引っ掛かり部を有することを特徴とするスタンション接手構造。
- 前記接手分割部材は、前記爪部を前記係止溝または係止穴に挿入した状態で、前記支点部を支点にして他の接手分割部材と接近するように回転可能とされていることを特徴とする請求項5記載のスタンション接手構造。
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