JP4736069B2 - 水中花の製造方法とこの方法で製造した水中花 - Google Patents
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Description
この特許文献1に開示された発明は、炭素数1−3の低級アルコールと他の有機極性溶媒を重量比率で50:50〜95:5の割合で含む有機溶媒に、有機酸を0.5〜10重量%の割合で添加混合する植物の脱色剤であり、また、このような植物の脱色剤に植物を浸漬して植物を脱色する脱色方法である。
低級アルコールには、特にメタノールの使用が効果的であるが、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールも使用できる。また、有機極性溶媒には、低級アルコールに可溶で、染色溶解剤として使用可能なものであればよく、N−メチル−2−ピロリドン、NN−ジメチルアセトアミドやNN−ジメチルホルムアミドなどを単独或いは混合して使用できる。そして、有機酸は、脱色剤を酸性下に保つために添加するものであり、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸や吉草酸などが挙げられる。このような脱色剤では、生花等を常温で脱色剤に浸漬するだけで、従来の過酸化水素系の漂白剤を使用するプリザーブドフラワーの脱色方法において、花の黄色など脱色されない色があったり、強い酸化剤であるため植物自体を傷めたり、脱色に時間を要したり、酸化剤が水溶性のために植物中の水分とアルコールの置換がしにくかったりするような課題が解決可能となる。そして、脱色後は、従来のプリザーブドフラワーの染色などの処理方法に従ってプリザーブドフラワーを作製することができる。
この特許文献2に開示された発明は、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコールと、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールとを混合した浸漬溶液に、生花の花部を浸漬して、花部中に存在する組織水や空気をポリエチレングリコールと置換させるものである。
また、予め、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールに花部を浸漬して花部中の組織水や空気を除去した後に、ポリエチレングリコール等の多価アルコールと前述のアルコールとの混合液に浸漬して、花部中の組織水や空気とポリエチレングリコールを置換させるように段階的に行うことも可能である。花部中の組織水や空気と置換されたポリエチレングリコールは、花部中における長期間の保水性や保湿性に寄与し、また、水分が減少した場合には、空気中の水分を吸収して蓄えたり、花部に供給したりする作用がある。従来は、アセトンを使用して切花中の水分を脱水していたが、切花中の水分によりアセトンの含水量が増加すると脱水効率が低下してしまい、切花の脱水が完全に行えない上に、アセトンの繰り返し使用が不可能であったり、使用後のアセトンの廃棄が煩雑であったりした。ところが、ポリエチレングリコールや上述のアルコールを使用した切花の処理においては、水溶性のアルコールを使用しているので切花中の組織水がアルコール中に含まれても脱水作用は衰えることなく持続して脱水を行い、しかも、繰り返し使用することができ、さらに廃棄も容易である。また、冷凍工程や加熱工程を設けてもよいが、これらの工程は家庭用の冷凍冷蔵庫や電子レンジを使用できるので、家庭内においても簡単に処理作業を行うことができる。
上記構成の発明において、脱色工程では、脱色剤が生花の細胞内の色素を化学反応して生花を白色化させるという作用を有する。続く保存工程は、脱色された生花をアルコール水溶液を主成分とする保存液に浸漬して長期間の保存を可能にするという作用を有する。
上記構成の水中花の製造方法では、脱色工程では、脱色剤が生花の細胞内の色素を化学反応して生花を白色化させるという作用を有する。また、着色工程では、脱色された生花に塗料が塗布又は浸漬又は噴霧されて、白色化された生花に所望の色に着色するという作用を有する。そして、洗浄工程では、着色工程において生花に塗布又は浸漬又は噴霧された塗料のうち、生花に定着しなかった塗料を除去するという作用を有する。最後に、保存工程は、着色された生花をアルコール水溶液を主成分とする保存液に浸漬して長期間の保存を可能にするという作用を有する。
上記構成の発明は、請求項2に記載の発明と同じ作用に加えて、着色工程を少なくとも2回行うことにより、生花への塗料の重ね塗りを可能にしたり、生花を構成する花びらや葉、茎、あるいは、雄しべや雌しべ等のパーツごとに異なる色彩に塗り分けることを可能にするという作用を有する。
上記構成の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明と同じ作用に加えて、アルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ易い塗料により生花を着色する場合に、彩色工程の後にアルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ難い透明塗料により生花の表面をコーティングすることで、保存時に塗料成分がアルコールを含有する保存液中に溶出するのを抑制するという作用を有する。
なお、本願特許請求の範囲及び明細書において、「アルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ易い塗料」とは、塗料による彩色を施したものを水又はアルコール水溶液中に浸漬した際に、塗料成分の溶出、白化、剥離、塊の形成が生じるものをいう。また、「アルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ難い塗料」とは、塗料による彩色を施したものを水又はアルコールに浸漬した際に、塗料成分の溶出、白化、剥離、塊の形成が生じないものをいう。
上記構成の発明は請求項4記載の発明における、アルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ易い塗料をより具体的に記載したものであり、その作用は請求項4記載の発明と同じである。
上記構成の発明は、請求項5記載の発明と同じ作用に加えて、固形状の塗料を炭化水素系溶剤に混練することで液体又はゾル状の塗料とし、柔軟な生花への彩色を容易にするという作用を有する。
上記構成の発明は、請求項2乃至請求項6のそれぞれに記載の発明と同じ作用に加え、着色工程の前後に生花の分解工程と組立工程を備えることで、構造が入り組んで彩色し難い生花、例えば、バラ等の細部への彩色を可能にするという作用を有する。
上記構成の水中花の製造方法では、請求項1乃至請求項7のそれぞれに記載の発明と同じの作用に加えて、質感改善処理工程において、特に無水アルコールを用いた場合には、生花中の組織水をアルコールに置換して保存時に生花の腐敗を抑制するとともに、その後の工程において保存液に浸した際の生花の質感を柔らかく見せるという作用を有する。また、質感改善処理工程において、特に炭酸水素ナトリウム水溶液を用いた場合も、保存液に浸した際の生花の質感を柔らかく見せるという作用を有する。
上記構成の水中花の製造方法では、請求項1乃至請求項8のそれぞれに記載の発明と同じ作用に加えて、脱色剤は次亜塩素酸ナトリウム又は過炭酸ナトリウム又は過酸化水素を主成分として含有し、それぞれの強力な酸化力によって生花の色素を化学反応により変化させて迅速に脱色するという作用を有する。また、エタノール又はメタノールも生花の細胞内に浸透して色素と化学反応を起こし、色素の化学式を変化させることで生花を脱色して白色化させるという作用を有する。
上記構成の水中花の製造方法では、請求項1乃至請求項9のそれぞれに記載の発明と同じ作用に加えて、保存工程では、アルコール水溶液を主成分とする保存液に代えて水を保存液として用い、保存液は脱色された生花を、又は、脱色し着色された生花を、又は、脱色し着色した後質感が改善された生花を空気との接触を絶った状態で保存するという作用を有する。
上記構成の水中花は、生花の質感が活かされ、かつ、審美性が高く、しかも、長期保存が可能な装飾品を提供することができるという効果を有する。
特に、脱色された生花に染料や塗料を用いて着色を施した場合には、生花のそのままの質感を活かしつつ、美しい色彩の装飾品とすることができるという効果を有する。
この結果、生花のそのままの形を有し、かつ、透明感のある白色の水中花の製造を可能にすることができるという効果を有する。
また、この着色工程において人工的な塗料を用いることで、豊富な色のバリエーションを利用して被塗布対象である生花を所望の色に彩色することができる。つまり、その生花が本来実現しえないような色彩に生花を着色することもできるので、着色された生花を芸術的な表現手段として用いることを可能にする。
さらに、洗浄工程を有することで、生花への定着が不十分な塗料を除去してその後の保存工程において生花から塗料が剥離して作品の美観が損なわれるのを防止するとともに、過剰に色付けされた塗料を除去して生花の色彩を所望の濃さに調整することもできる。
また、着色工程において、生花に塗料を塗布した後流水にさらすか、水中に浸して余分な塗料を除去することにより生花への着色量の調整を行うことができる。水以外にも、アルコール水溶液である例えば、ホワイトリカーに浸漬することによっても着色量の調整が可能である。
この結果、洗浄工程後の塗料の定着性を高めることができ、かつ、生花に着色された色の濃さの調整を容易にすることができるという効果を有する。
そして、保存工程においては、アルコール水溶液に浸漬することで生花の有機質部分の腐敗を防止して生花の質感を保持した状態で長期間の保存を可能とし、長く観賞できる水中花を製造可能にするという効果を有する。
この結果、生花の色彩による表現性を高めることが可能になり、より審美性の高い水中花の製造が可能になる。
この結果、長期間にわたり生花をアルコール水溶液中において美しい色を保ったまま保存することが可能になると同時に、生花を着色するための塗料のバリエーションを広げることができるという効果を有する。
この結果、本発明に係る水中花として使用できる花の種類を広げることができるという効果を有する。
また、特に無水アルコールを用いた場合、生花中の組織水をアルコールに置換することで、生花を構成する有機質部分を腐敗し難くすることができるという効果を有する。この結果、保存中の生花の審美性を高めるとともに、保存性も高めることができるという効果を有する。
また、特に、脱色した生花に塗料による彩色を施した場合には、上記効果に加えて、美しい色彩を長期間にわたって観賞できる装飾品としての水中花を提供することができるという効果を有する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る水中花の製造方法を概念図である。
図1において、第1の実施の形態に係る水中花の製造方法1は、ステップS1の脱色工程、ステップS2の着色工程、ステップS3の洗浄工程、ステップS4の質感改善処理工程及びステップS5の保存工程から構成されている。
まず、最初に、ステップS1の脱色工程では、切り取った生花を、脱色剤としての酸化系漂白剤に浸漬して生花の色素を脱色して白色化する。酸化系漂白剤には、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする塩素系と、過炭酸ナトリウム又は過酸化水素を主成分とする酸素系のいずれを用いてもよい。塩素系及び酸素系のいずれの酸化系漂白剤においても、分解時に生じる活性酸素が色素などの有色物質に反応して無色化するものである。例えば、花王株式会社製のキッチンハイター(「ハイター」は花王株式会社の登録商標、次亜塩素酸ナトリウム4〜6%含有)を用いると、生花の種類にもよるが、キッチンハイター2に対して水1を加えて希釈した混合液を用いると12時間から24時間の浸漬によって色素が脱色して白色化される。なお、生花は茎ごと浸漬でき、花びらはほぼ脱色して白色化されるが、茎は完全に脱色、白色化されない場合もある。
また、脱色剤は酸化系漂白剤以外にも、無水エタノールや、無水メタノール、あるいは、無水エタノールと無水メタノールの混合体を用いることも可能であり、この場合も、生花を脱色して白色化することができるという効果を有する。
使用方法は、酸化系漂白剤の場合と同様に、漂白剤中に生花を脱色されるまで浸漬しておけばよい。なお、アルコール類を脱色剤として用いる場合、生花が白色化してすぐに脱色剤から引き上げると、生花の色が戻ってしまう場合もあるので、アルコール類を用いる場合には、生花が白色化した後もしばらくの間は脱色剤中に浸漬しておくことが望ましい。
また、白色化が可能な花は、ひまわり、ダリア、アジサイ、桜など花弁が過度に厚みがあったり、硬質でないものが適している。また、花以外にも、木の葉や、紅葉した葉についても白色化することが可能である。
なお、合成樹脂塗料の着色方法は、薄め液で濃度を調整した合成樹脂塗料に脱色した生花を浸漬して着色したり、筆や刷毛を用いて漂白した生花に塗布したり、また、スプレータイプの塗料であれば、脱色済みの生花に直接噴霧したりして着色することができる。液状の合成樹脂塗料の場合は、使用する合成樹脂塗料に適した薄め液で濃度を調整した合成樹脂塗料に加えて薄め液だけを準備しておくと、合成樹脂塗料に生花を浸漬して生花に合成樹脂塗料が着けた後、薄め液に漬けると、生花に付着した合成樹脂塗料が薄め液によって取れるので、着色量を簡単に調整することができる。また、用いる合成樹脂塗料の色は、1色に限定されず、多色にすることもでき、生花にグラデーションを付けたり、マーブリングを施したりすることもできる。
さらに、合成樹脂塗料に代えて、固形状の油性顔料としてクレヨンやクレパス(「クレパス」は株式会社サクラクレパスの登録商標)等を用いて着色を施してもよい。
また、十分に展着していない塗料を除去するための洗浄工程(ステップS3)は、上述のような水を用いる方法以外に、アルコール濃度が35%のアルコール水溶液、例えば、ホワイトリカー等のアルコール水溶液を用い、その中に着色済の生花を浸漬してもよい。
さらに、長期間色鮮やかな状態で水中花を保存するために、保存液に使用する水はカルキを含まないことが望ましいため、水道水を用いる場合には浄水設備又はカルキ抜き剤を利用するなどしてカルキを除去するとよい。また、保存液中における雑菌の繁殖は、水中花の腐敗等による劣化や汚損の原因となるため薬剤等を用いて雑菌を予め除去するか制菌作用のある薬剤等を保存液に入れておくことで水中花の保存性を高めることができる。
続いて、第1の実施の形態に係る水中花の製造方法1の実施例1について図2乃至図6を参照しながら説明する。
まず、最初に、花王株式会社製のキッチンハイターと水を2:1の割合で混合し、この混合液に姫ひまわり1本を茎付きの状態で12時間浸漬した。この時、混合液を入れた脱色用容器はプラスチックフィルムで覆って蓋をした。図3は、実施例1に係る水中花に用いた茎付き姫ひまわりの脱色後の外観を示す写真である。図3に示すように、12時間浸漬すると、姫ひまわりの花びらは脱色して白色を呈し、また、茎も緑色は抜けて茶褐色を呈している。
次に、脱色用容器から茎付き姫ひまわりを取り出し、流水に5分間浸漬して洗浄した。その後、茎の中に針金を通した。図4に、実施例1に係る水中花に用いた茎付き姫ひまわりに通す針金と、針金を通した後の茎付き姫ひまわりの外観を示す写真である。
次に、アクリル樹脂系塗料に薄め液を混合した着色液と、薄め液を準備し、まず、着色液に茎付き姫ひまわりを3分程度浸漬した。取り出すと、茎付き姫ひまわりには着色が施されていたが、続いて、この着色された茎付き姫ひまわりを薄め液に浸漬して茎付き姫ひまわりの余分の着色を落とした。そして、流水で5分間洗浄した。図5は、実施例1に係る水中花に用いた茎付き姫ひまわりの着色後の外観を示す写真である。図5に示すように、薄め液への浸漬と流水での洗浄によって、茎付き姫ひまわりへの着色は、自然にはない幻想的な色で、透明感のある感じに仕上がった。なお、本実施例では、合成樹脂塗料に株式会社アサヒペン製の商品名スーパーコート(「アサヒペン スーパーコート」は株式会社アサヒペンの登録商標)を用いた。この合成樹脂塗料は架橋反応型シリコンアクリル樹脂塗料である。
なお、実施例1では、薄め液への浸漬と流水での洗浄は1回行っただけであるが、花の種類や着色の具合を見ながらこれらの処理操作は繰り返して行うとよい。また、実施例1では、茎付き姫ひまわりの茎の水分を拭き取った後に、茎の部分に固形状の油性顔料としてクレヨンを用いて着色を施した。
最後に、35%のエチルアルコール(エタノール)水溶液であるホワイトリカーを注入した容器に着色した茎付き姫ひまわりを挿入して栓をした。図6は、本実施例に係る水中花の外観を示す写真である。図6に示すように、生花の持つ自然さと人工的な着色により神秘的な美観とを呈して液中を漂う水中花になっている。なお、茎の部分に施したクレヨンは粉状に付着しており、立体感を表現することができる。また、固定には磁石を用いており、茎の下方に一の磁石を固定し、この磁石の下面側の極と引き合う他の極の面を上側にした磁石あるいは磁石に着く金属を容器の外側に配置し、引き合う力を利用して、茎付き姫ひまわりを容器の下方に固定している。もちろん、茎の下方に磁石に着く金属を固定し、容器の外側に磁石を配置してもよい。
まず、最初に、ニッペホームプロダクツ株式会社製の商品名エナメルの緑色を合成樹脂塗料として用いた。この合成樹脂塗料はアルキド樹脂塗料である。この合成樹脂塗料を薄め液に混ぜた混合液に脱色した茎付き姫ひまわりを3分間浸漬した。その後、取り出して、水を入れた容器内で水洗した。この水洗を3回繰り返すと、余分な塗料が落ちて透明感が出た。なお、塗料は緑色であったが、着色後の茎付き姫ひまわりはねずみ色を呈した。続いて、無水エタノールに浸漬して、最後に、35%のエチルアルコール水溶液であるホワイトリカーに浸漬して水中花を完成させた。このアルキド樹脂塗料では、無水エタノールに浸漬後の茎付き姫ひまわりを水中に入れるとわずかに濁りが生じたが、その他には特に問題なく、水中花を作製することができた。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る水中花の製造方法で製造した水中花の外観を示す写真である。
図7において、容器中には、白色の姫ひまわりがアルコール水溶液中に固定されている。この姫ひまわりは、脱色工程において、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化系漂白剤で脱色して漂白されたものであり、合成樹脂塗料を用いて着色することも可能であるが、白色のままで使用している。したがって、着色工程及び洗浄工程は省略し、脱色工程と無水エタノールで生花中の組織水をアルコールに置換して活性化させるための質感改善処理工程と観賞のためにアルコール水溶液に保存する保存工程とを経て製造されている。また、錘に金属製の指輪を使用したり、ガラス玉を使用したりして、他の装飾品とともに神秘的な印象を与える水中花となっている。
このように、第1の実施の形態に係る水中花の製造方法1では、図1の説明において述べたような脱色剤を用いて生花を脱色した後(ステップS1)、この脱色剤を十分に洗浄し(ステップS3)てから、図1の説明において述べたような保存液にそのまま浸漬して(ステップS5)着色されていない白色の水中花としてもよい。また、脱色工程(ステップS1)を行った後に、保存工程(ステップS5)を行って水中花としてもよい。
なお、上述のいずれの場合も、保存工程(ステップS5)を行う前に、質感改善処理工程(ステップS4)を行うことで、保存液中に浸漬された生花の質感を柔らかく生き生きとしたものにすることができる。
上述のいずれの場合も、生花本来の形態を透明感のある白色の装飾品として楽しむことができる。
図8において、容器中には、姫ひまわり、ダリアなど様々な種類の生花から各処理工程を経て加工された生花がアルコール水溶液中に封入されている。これらの生花は、切り取った生花を次亜塩素酸ナトリウム等を含む酸化系漂白剤で脱色した後、合成樹脂塗料を用いて着色し、この着色の程度を調整するために水洗し、そして、無水エタノールに浸漬して生花中の組織水をアルコールに置換して活性し、そして、アルコール水溶液中に浸漬している。
このように様々な種類の生花を用いると、装飾性が向上し、美観の優れる水中花となる。なお、図8では、比較的小型の容器を用いて水中花を構成しているが、例えば、水槽のような大型の容器を用いて水中花を構成することもでき、結婚式などの各種イベントの装飾として利用することもできる。逆に、さらに小型の容器を用いて構成し、キーホルダーやペンダントなどとして使用することもできる。
図9は本発明の第2の実施の形態に係る水中花の製造方法を示す概念図である。なお、図1乃至図8に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図9に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る水中花の製造方法2は、まず脱色工程(ステップS21)を行い、この工程の後に、脱色されて白色化した生花を塗料を用いて着色し(ステップS22)、この工程の後に、水又は流水で十分に定着されていない塗料を良く洗い流し(ステップS23)、さらにこの工程の後に、必要に応じて着色済みの生花を無水アルコール又は重曹(炭酸水素ナトリウム)水溶液に浸漬する質感改善処理工程を行ってから(ステップS24)、エチルアルコール(エタノール)水溶液を主成分とする保存液又は水に着色済み生花を浸漬して保存する工程(ステップS26)からなるものである。なお、感改善処理工程(ステップS24)は省略しても良い。
本発明の第2の実施の形態に係る水中花の製造方法2は、上述の第1の実施の形態に係る水中花の製造方法1とほぼ同じであるが、特に着色工程(ステップS22)が異なっている。
なお、ステップS26の保存工程において保存液として、アルコール水溶液を主成分とするものを、より具体的には、先にも述べたようにアルコール濃度が35%である調理用のホワイトリカー及びそれを水で薄めたものを使用することができる。
また、保存液は水(例えば、水道水)でもよいが、その場合には、浄水器等で濾過した物を用いることが好ましく、さらに好ましくは、市販の精製水を用いることが望ましい。
第2の実施の形態においては、脱色工程(ステップS21)において脱色剤として、上述の第1の実施の形態に係る水中花の製造方法1にも記載した酸化系漂白剤、無水エチルアルコール(エタノール)、又は、無水メチルアルコール(メタノール)、又は、無水エチルアルコールと無水メチルアルコールの混合体を使用する。アルコール類は、いずれも、薬局等で家庭用品又は燃料用として購入可能であり、換気と火の気に注意することで安全に使用することができる。
また、その使用方法は、無水エチルアルコール、無水メチルアルコール、無水エチルアルコールと無水メチルアルコールの混合体を容器に注ぎ、その中に、生の生花の全体を浸して十分に白色化するまで放置した後、容器内から脱色され、白色化した生花を引き上げて自然乾燥させればよい。
脱色剤として無水エチルアルコールや無水メチルアルコールを用いる場合、脱色剤への浸漬時間が短いと、生花中の色素成分の化学反応が完全に進行せず、生花に色が戻ってきてしまうので、脱色剤に生花を浸した後、外観上生花が白色化した後もしばらくの間は脱色剤中に生花を浸漬し続けておくことが望ましい。
また、メチルアルコールやエチルアルコールはいずれも揮発性であるため、脱色処理後、脱色剤中から引き上げて自然乾燥させることで容易に脱色剤成分を乾燥させることが可能である。
また、乾燥を急ぐ場合には、吸水ペーパー等を利用して容器から引き上げた白色化済の生花から脱色剤を予め除去してやることで、白色化済生花の乾燥を速めることができる。
なお、酸化系漂白剤を用いた生花の脱色方法は上述の第1の実施の形態に記載されるものと同じであるためここでの説明は省略する。
図10に示すように、第2の実施の形態に係る水中花の製造方法2においては、第1の着色工程(ステップS221)、第2の着色工程(ステップS222)、・・・、第n(nは自然数)の着色工程(ステップS22n)のように、着色工程を複数回行ってもよい。
例えば、第1の着色工程において脱色済み生花の全体に薄い色の着色を行い、次いで、第2の着色工程において生花の花びらを着色し、さらにその後の第3の着色工程において生花の中心部分を着色してもよい。
このように、着色工程(ステップS22)を複数回繰り返して行うことで、生花をもとの色彩に近づくように着色したり、あるいは、独創的な色彩に着色することができるという効果を有する。
この結果、脱色済み生花の色彩による表現性を広げることが可能となり、一層審美性の高い水中花の製造が可能になる。
その一方で、着色工程において使用する塗料をアルコール又は水に対して耐性を有するものみとすると、使用できる塗料の種類が大幅に限定されてしまい、水中花の色彩による表現性が狭められてしまう。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、その塗料自体がアルコールや水に対する耐性を有していない場合でも、彩色後に生花の表面にアルコール又は水に対して耐性を有する透明な塗料を塗布して生花の表面をコーティングすれば、着色に用いた塗料がアルコールや水により分解又は溶解又は変性するのを防止できることを見出した。
図11に示すように、塗料としてアルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ易い塗料を用いる場合の着色工程(ステップS22)は、まず、塗料としてアルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ易い塗料を脱色済の生花に塗布又は浸漬又は噴霧して彩色した(ステップS100)後、必要に応じて塗料を乾燥させて,又は,塗料が半乾きの状態で、アルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ易い透明な塗料を、彩色済みの生花の表面に塗布又は噴霧して被膜を形成させる(ステップS101)。より具体的には、彩色済みの生花の表面にスプレータイプのクリアラッカーを吹付けて着色済生花の表面をコーティングする。
なお、上記ステップS100において、塗料に浸漬させて生花に彩色を施す場合は、上述の第1の実施の形態に係る水中花の製造方法1にも記載されるように、それぞれの塗料に適した薄め液(水も含む)中に所望の塗料を溶かして染色液を調整し、この染色液中に白色化した生花を浸漬して生花全体を比較的薄い色に着色する方法である。
また、着色に使用する塗料がアルコールや水に耐性を有するか否かは、サンプルに塗料を塗布した後乾燥させ、水又はアルコール中にこのサンプルを浸漬した際に、塗膜が溶けたり、剥離したり、白濁化したり、塊状になったりしないことを確認することで容易に判断することができる。特に、塗膜が油類からなる樹脂により構成されるものはアルコールや水に対する耐性が高い傾向が認められた。
なお、ステップS103の洗浄工程において、コーティング済の生花から着色用の塗料が水に溶脱する場合は、塗料の溶脱が止まるまで水を替えながら何度でも洗浄を行うとよい。
このように、生花に十分に定着しなかった塗料を保存工程(ステップS25)の前に十分除去しておくことで、保存時に塗料が保存液中に溶脱して水中花の見映えが悪くなるのを防止することができる。
なお、先の図10に示すように、着色工程を複数回行う場合には、各着色工程において次の着色工程に移る前に必ずステップS103の洗浄工程を実施する必要があるが、その着色工程が最後の着色工程である場合には、ステップS22におけるステップS103の洗浄工程は、図9に示すステップS23の洗浄工程と兼ねることができる。
図12は本発明の第2の実施の形態に係る水中花の製造方法においてアルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ難い塗料を用いる場合の作業工程を示すフローチャートである。なお、図1乃至図11に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図12に示すように、着色工程(ステップS22)において、アルコール又は水に対する耐性が高い塗料を用いる場合は、脱色済みの生花に塗料を塗布又は浸漬又は噴霧することにより彩色を施した(ステップS110)後、塗料を乾燥させてから(ステップS111)、洗浄工程において余剰な塗料や十分に定着していない塗料を除去すればよい(ステップS112)。
なお、この場合も、先の図10に示すような着色工程を複数回行う場合には、各着色工程において次の着色工程に移る前に必ずステップS112の洗浄工程を実施する必要があるが、その着色工程が最後の着色工程である場合には、ステップS22におけるステップS112の洗浄工程は、図9に示すステップS23の洗浄工程と兼ねることができる。
また、アルコールや水に対する耐性の高い塗料としては、例えば、塗膜を形成する樹脂が油類により形成されるものがよい。
なお、塗料がアルコールや水に対する耐性を有するか否かについては、上述の方法により容易に判別することが可能である。
布や衣料用の染料を用いた場合、コーティング工程(ステップS101)は設けても良いし、設けなくとも良い。
なお、特に固形顔料であるコンテ、クレヨン、パステル、化粧用顔料等は、そのまま用いたり、細かく粉砕して塗料として生花に塗布することもできるが、炭化水素系溶剤に混練することで液体又はゾル状にすることが可能となり、生花への塗布を容易にすると同時に、剥離し難くすることができる。
以下に図13を参照しながら、固形顔料の調整方法について詳細説明する。
図13は本発明の第2の実施の形態に係る水中花の製造方法における塗料の調整方法の一例を示すフローチャートである。なお、図1乃至図12に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図13に示すように、固形顔料を液体又はゾル状にして使用するには、まず、コンテ、クレヨン、パステル、化粧用顔料等の固形顔料を粉砕し(ステップS40)、炭化水素系の溶剤(例えば、ワセリン、油絵の具用調合オイル等)に混ぜてよく撹拌する(ステップS41)その後、必要に応じて粉砕した固形顔料と炭化水素系の溶剤を加熱すればよい(ステップS42)。なお、この場合の加熱手段としては、ヒーターや湯煎、電子レンジ等が使用可能である。なお、引火性の高い溶剤を用いる場合には火気の使用は控えることが望ましい。
最後の加熱工程(ステップS42)を行うことで、炭化水素系の溶剤の流動性が高まり、粉砕された固形顔料を炭化水素系の溶剤にスムースに混ぜ込むことができる。
なお、粉砕した固形顔料を混練する際の炭化水素系溶剤の粘度が低い場合には、必ずしも加熱工程(ステップS42)を実施する必要はない。
このように、炭化水素系の溶剤に固形顔料を粉砕して混練して液体又はゾル状又はペースト状にすることで、生花への固形顔料による着色を容易にすることができる。この結果、生花への色彩による表現性を一層高めることができる。
また、炭化水素系の溶剤として特にワセリンを用いる場合、塗料を混練したワセリンを電子レンジで40秒ほど加熱すると、生花の塗布に特に適した状態にすることができる。
さらに、ワセリンに混練した塗料を用いて生花に彩色した場合は、アルコール又は水に耐性を有する透明な塗料で生花の表面をコーティングしておく必要がある。
図14は本発明の第3の実施の形態に係る水中花の製造方法を示す概念図である。なお、図1乃至図13に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、第2の実施の形態に係る水中花の製造方法2と共通する工程については、その工程を示す符号を括弧書きにて記載した。
図14に示すように、第3の実施の形態に係る水中花の製造方法3は、着色工程(ステップS33)の前に、脱色済の生花を、例えば、花弁、雄しべ又は雌しべ,及び茎部、葉等のパーツに分解してから(分解工程,ステップS32)、各パーツをそれぞれ所望の塗料により着色した(ステップS33)後、これらのパーツを組み立てて元の生花の形にしたり、あるいは、オリジナルな形態に再構成して接着・固定すればよい(ステップS34)。
なお、ステップS33の着色工程において、アルコール又は水に対する耐性が低い塗料を用いる場合には、先の図11に示す手順に従って、また、アルコール又は水に対する耐性が高い塗料を用いる場合には、先の図12に示す手順に従って着色を行うと良い。
さらに、各パーツを着色する場合、先の図10に示すように、着色工程(ステップS33)を複数回行って重ね塗りしてもよい。
なお、図14に示す第3の実施の形態に係る水中花の製造方法3では、組立工程(ステップS34)の後に洗浄工程(ステップS35)を行っているが、着色済みの各パーツを洗浄してから(ステップS35)組立工程(ステップS34)を行っても良い。
また、図14に示す第3の実施の形態に係る水中花の製造方法3では、ステップS36の質感改善処理工程を省略しても良い。
従って、独創的で美しい水中花の製造が可能になり、作品の表現性を一層広げることができる。
〈アクリル絵の具、ポスターカラー〉
生花の下地着色、及び、仕上げ用上塗りのいずれにも適する。
例えば、塗料に水を加えてマヨネーズ程度の硬さのペースト状にし、あるいは、塗料を薄めることなく、手又は筆等で生花に彩色する。あるいは、塗料の全量(容積)の5倍程度の水を加えて十分に撹拌し、その中に生花を漬け置きして着色する。
彩色を完了した後、乾燥状態又は未乾燥状態で、アルコール又は水に対して耐性を有する透明塗料により生花をコーティングする。
〈水彩絵の具〉
生花の下地着色、及び、仕上げ用上塗りのいずれにも適する。
例えば、水等で薄めることなく手又は筆で生花に彩色する。彩色を完了した後、乾燥状態又は未乾燥状態で、アルコール又は水に対して耐性を有する透明塗料により生花をコーティングする。
〈水性ペンキ〉
特に生花の下地着色に適している。
例えば、専用の薄め液に所望の量を溶かしてその中に生花を浸け置きする。なお、水性ペンキを用いる場合、コーティング工程は必須であり、また、コーティング工程を行う前に水洗いすると、彩色した塗料が全部取れてしまうので望ましくない。さらに、水性ペンキを用いて彩色した後、水性ペンキが完全に乾いてしまう前に、アルコール又は水に対して耐性を有する透明塗料でコーティングすることで色止め効果が高まる。
〈油性樹脂スプレー〉
生花の下地着色、及び、仕上げ用上塗りのいずれにも適する。
例えば、生花に噴霧塗布した後、少なくとも30分程度自然乾燥すればよい。アルコール又は水に対して耐性を有する透明塗料でコーティングする必要なし。
〈油性ペンキ〉
特に生花の下地着色に適している。
例えば、薄め液中に塗料を溶かしこんだものに生花を20〜30分程度浸け置きしたのち、乾燥して又は生乾きのまま塗料の臭いが消えるまで水洗いする。彩色後にアルコール又は水に対して耐性を有する透明塗料でコーティングする必要なし。
〈マニキュア〉
特に生花の仕上げ用上塗りに適している。また、マニキュアは生花に下地着色を行った後に使用することが望ましい。
例えば、筆(細い筆)等で生花に塗料を彩色する。なお、この彩色工程の後にアルコール又は水に対して耐性を有する透明塗料でコーティングする必要はない、
〈布又は衣類用染料〉
生花の下地着色、及び、仕上げ用上塗りのいずれにも適する。
着色後、必ずしも透明塗料でコーティングする必要はないが、色落ちするようであれば透明塗料でコーティングするとよい。
また、布又は衣類用染料を用いる場合、熱い湯を使用すると生花の組織が傷むので、40℃未満のぬるま湯を使うと良い。また、着色補助材として、塩等の添加が指示されている場合には、添加することで染料による着色性を良くすることができる。
なお、表1中における二重丸印は「特に適している」を、単丸印は「適している」を、三角印は「やや適している」を、バツ印は「適さない」をそれぞれ意味している。また、表1中にワセリンと記載されているものは、上述の図13に示す塗料の調整方法4を用いて塗料を調整したものであり、炭化水素系の溶剤として特にワセリンを用いた場合である。
Claims (11)
- 生花を脱色剤に浸漬して前記生花の色素を脱色する脱色工程と、この脱色工程で脱色された前記生花をアルコール水溶液を主成分とする保存液に浸漬する保存工程とを有することを特徴とする水中花の製造方法。
- 生花を脱色剤に浸漬して前記生花の色素を脱色する脱色工程と、この脱色工程で脱色された生花に塗料を塗布又は浸漬又は噴霧する着色工程と、この着色工程で前記塗料により着色された前記生花を水洗する洗浄工程と、この洗浄工程で水洗された前記生花をアルコール水溶液を主成分とする保存液に浸漬する保存工程とを有することを特徴とする水中花の製造方法。
- 前記着色工程を、少なくとも2回行うことを特徴とする請求項2に記載の水中花の製造方法。
- 前記着色工程において、アルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ易い前記塗料を用いる場合、前記塗料を塗布又は浸漬又は噴霧する彩色工程の後に、彩色済の前記生花の表面にアルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ難い透明塗料による塗膜を形成させるコーティング工程を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の水中花の製造方法。
- アルコール又は水による分解又は溶解又は変性が生じ易い前記塗料は、水性インク、ゲルインク、アクリル系塗料、水性塗料、油彩用顔料、水彩用顔料、コンテ、クレヨン、パステル、化粧用顔料、布又は衣類用染料から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする請求項4記載の水中花の製造方法。
- 前記アクリル系塗料、前記水性塗料、前記油彩用顔料、前記水彩用顔料、前記コンテ、前記クレヨン、前記パステル、前記化粧用顔料のそれぞれは、粉砕した後に炭化水素系溶剤に混練して前記塗料とすることを特徴とする請求項5記載の水中花の製造方法。
- 前記着色工程の前に脱色済の前記生花を個々のパーツに分解する分解工程を備え、
前記着色工程又は前記洗浄工程の後に、着色された個々の前記パーツを組み立てて接着・固定する組立工程を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の水中花の製造方法。 - 前記保存工程の前に、前記洗浄工程で水洗された生花を無水アルコール,又は,重曹(炭酸水素ナトリウム)水溶液に浸漬する質感改善処理工程を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の水中花の製造方法。
- 前記脱色剤は、次亜塩素酸ナトリウム又は過炭酸ナトリウム又は過酸化水素を主成分として含む酸化系漂白剤、又は、無水エタノール、又は、無水メタノール、又は、前記無水エタノール及び前記無水メタノールの混合体であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の水中花の製造方法。
- 前記保存液は、前記アルコール水溶液を主成分とする保存液に代えて,水であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の水中花の製造方法。
- 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の水中花の製造方法で製造することを特徴とする水中花。
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