JP4736060B2 - 内側ナットアセンブリ、防食pc鋼棒組付体及びpc構造体 - Google Patents

内側ナットアセンブリ、防食pc鋼棒組付体及びpc構造体 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート打設後にコンクリート構造物に緊張力を付与するポストテンション方式のPC(プレストレスコンクリート)工法に用いられる内側ナットアセンブリ、防食PC鋼棒組付体及びPC構造体に関する。
PC工法では、コンクリート打設時に、構造物に緊張力を付与するためのPC鋼棒に対してアンカープレートを直角状態に保持させなければならない。この直角状態が確保されていないと、PC鋼棒に緊張力を付与したときに、PC鋼棒の螺子部に曲げ力が作用し、PC鋼棒が変形しやすくなる。PC鋼棒が変形すると、PC鋼棒にアンカープレートを固定するための定着用ナットの完全な締め付けが困難になり、アンカープレートを充分に固定できず、コンクリート構造物に対して緊張力を適正に付与することができなくなる。
そこで、PC鋼棒を挿通させるアンカープレートの内側に当接する裏ナットをPC鋼棒に螺合させることにより、その裏ナットと定着用ナットの間にアンカープレートを挟み付けて、アンカープレートのPC鋼棒に対する直角状態を確保して、緊張作業を行うようにしたPC鋼棒の定着工法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この例では、PC鋼棒に緊張力が付与されると、裏ナットのネジ山が破壊されるため、裏ナットがPC鋼棒に対して摺動自在となり、PC鋼棒への緊張力の導入が可能になるとされている。
特開平3−208965号公報
通常、アンカープレートの開口径は、PC鋼棒の径よりもかなり大きく、PC鋼棒がアンカープレートの開口に対して遊嵌状態に挿入されるため、上記従来例等では、裏ナットと定着用ナットによってアンカープレートを両側から挟み付ける前に、アンカープレートのPC鋼棒に対する心出しができないという問題があった。また、PC鋼棒がアンカープレートの開口に対して遊嵌状態に挿入される場合、PC鋼棒のネジ山がアンカープレートの開口内面に接触して、ネジ山が破損しやすくなるという問題があった。
アンカープレートがPC鋼棒に対して偏心した状態に固定されると、PC鋼棒に緊張力を作用させた時に、アンカープレートに満遍なく緊張力を負担させることができなくなる。その結果、コンクリート構造物に対して偏った緊張力を作用させてしまうことが懸念される。さらには、緊張作業後において、PC鋼棒に損傷を与えること等が原因でPC鋼棒が破断するようなトラブルが発生すると、そのPC鋼棒が飛び出す虞もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされ、防食PC鋼棒の螺子をアンカープレートの開口に接触させることなく挿通することができ、かつアンカープレートを防食PC鋼棒に対して心出できるようにした内側ナットアセンブリ、防食PC鋼棒組付体及びPC構造体を提供することを目的とする。さらには、防食PC鋼棒の飛び出しを阻止できるようにすることをも目的とする。
本発明の内側ナットアセンブリは、PC鋼材に防食材を介してシースが被嵌され、かつシースから露出するPC鋼材の先端に螺子を有する防食PC鋼棒と、この螺子に貫通される開口を有するアンカープレートと、該アンカープレートの一面側で螺子に螺合され、PC鋼材の緊張前に仮締めされると共に、緊張後に本締めされる定着用ナットとを備えるPC鋼棒の定着構造に用いられる内側ナットアセンブリにあって、
PC鋼材を心出し状態に保持するためにPC鋼材の螺子を挿通させた状態にて、アンカープレートの開口に嵌入される嵌入部、及び、該嵌入部の端部から段違い状に拡径されて連なる径大部を備え、アンカープレートの他面側で防食PC鋼棒に被嵌されるリング状体と、
PC鋼材の螺子に螺合されて径大部内に内挿される内装ナットと、
径大部内に内装されて、定着用ナットの仮締め時には、内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を阻止し、PC鋼材の緊張時には、変形することで内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を許容する抵抗体と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、PC鋼材の露出端部に形成された螺子に、リング状体の径大部に内装されている内装ナットを螺合させてPC鋼材の螺子を嵌入部に挿通させ、その嵌入部を、アンカープレートの開口に嵌入させると、防食PC鋼棒が心出しされて螺子が開口から突出する。このとき、PC鋼材の螺子が嵌入部を介してアンカープレートの開口に挿通されるため、螺子が開口に接触することがなく、これにより、螺子の破損が防止される。この状態で、PC鋼材の螺子に定着用ナットを螺合締結することによって、定着用ナットとリング状体の径大部との間にアンカープレートを挟持した状態に固定することができる。このとき、PC鋼材の螺子に螺合している内装ナットが、抵抗体によって防食PC鋼棒の先端方向への移動を阻止されるため、定着用ナットによる締結が可能となる。また、アンカープレートが、定着用ナットとリング状体の径大部との間に挟まれるため、アンカープレートの防食PC鋼棒に対する直角状態が確保される。この状態で、防食PC鋼棒に緊張力を作用させると、抵抗体が変形して内装ナットの防食PC鋼棒の先端方向への移動が許容されるため、防食PC鋼棒に対して支障なく緊張力を作用させることができる。尚、抵抗体が変形するとは、潰れ破壊するような変形をも含む。また、嵌入部と径大部が一体化されているため、防食PC鋼棒に緊張力を作用させた際に、嵌入部がアンカープレートの開口から抜けることはない。さらには、施工後において、防食PC鋼棒が破断するようなトラブルが発生しても、PC鋼材の螺子に螺合している内装ナットがアンカープレートの他面側に当接するため、防食PC鋼棒の飛び出しを阻止することができる。尚、リング状体の嵌入部は、その先端部が先細り状に形成されると、アンカープレートの開口への嵌入部の挿入作業が容易となる。また、リング状体の嵌入部の基部に、アンカープレートの防食PC鋼棒に対する直角状態を確保するために、アンカープレートの他面に当接する鍔状部が形成されてもよい。このようにすれば、定着用ナットを締結する際に、アンカープレートの他面に鍔状部を当接させることで、より安定な状態でアンカープレートの防食PC鋼棒に対する直角状態を確保することができる。
前記リング状体の径大部は、PC鋼材に被嵌されたシースより径大に形成されて、シースを嵌入可能であるようにしてもよい。このようにすれば、シースの先端を径大部に嵌入させて、その外側をテーピングすること等により、内側ナットと防食PC鋼棒との間の止水状態をより容易かつ確実に確保することができる。
前記リング状体の径大部に内設される抵抗体は、リブ状又は突起状に形成されてもよい。リブ状又は突起状に形成される抵抗体は、リング状体を樹脂材で成形する際に、一体的に形成することができ、製作容易である。このように形成された抵抗体は、防食PC鋼棒に緊張力を作用させると、内装ナットを介して伝達される圧縮力によって容易に変形(圧壊)する。
前記リング状体の径大部に内設される抵抗体は、(リング状体とは別体の)弾性部材からなるようにしてもよい。弾性部材の弾発力を適切に選択することによって、定着用ナットを締結する際には、仮締め時には、内装ナットの移動を阻止し、本締め前に、防食PC鋼棒に緊張力を作用させると、弾性部材が変形して、内装ナットの移動が許容され、防食PC鋼棒に対して緊張力を支障なく作用させることができる。
本発明の防食PC鋼棒組付体は、PC鋼材に防食材を介してシースが被嵌され、かつ緊張されたPC鋼材の先端部をアンカープレートに定着用ナットで定着するために、シースから露出するPC鋼材の先端部に螺子を有する防食PC鋼棒組付体にあって、
PC鋼材を心出し状態に保持するためにPC鋼材の螺子を挿通させた状態にて、アンカープレートの開口に嵌入される嵌入部、及び、該嵌入部の端部から段違い状に拡径されて連なる径大部を備え、シース及び螺子に被嵌されるリング状体と、
PC鋼材の螺子に螺合されて径大部内に内挿される内装ナットと、
径大部内に内装されて、定着用ナットの仮締め時には、内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を阻止し、PC鋼材の緊張時には、変形することで内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を許容する抵抗体と、
リング状体の径大部とシースとの境界部を止水状態に覆う止水部と、を備え、
定着用ナットを螺合させるために、PC鋼材の螺子の一部を嵌入部から突出させていることを特徴とすることを特徴とする。
このような構成によれば、嵌入部を、アンカープレートの開口に嵌入させると、PC鋼材の螺子を開口の内面に接触させることなく、防食PC鋼棒を心出しした状態で開口に挿通させることができる。そして、その開口から突出した螺子に定着用ナットを螺合締結すれば、アンカープレートを、防食PC鋼棒に対して直角状態に保持した状態として内側ナットの径大部との間で挟持させることができる。従って、PC鋼材の螺子が開口に接触しないため、螺子が破損しなくなる。そして、防食PC鋼棒が心出しされるため、コンクリート構造物に対して、適正に圧縮荷重を作用させることができる。また、アンカープレートの直角状態が確保されるため、防食PC鋼棒に緊張力を作用させたときに、曲げ応力が作用することがなく、螺子を曲げたりすることなく、緊張力を作用させることができる。以上により、高い構造強度を備えた信頼性の高い構造物を構築することができる。また、緊張作業後において、PC鋼棒に損傷を与えること等が原因でPC鋼棒が破断するようなトラブルが発生しても、PC鋼材の螺子に螺合している内装ナットがアンカープレートの他面に当接するため、防食PC鋼棒の飛び出しを阻止することができる。
本発明のPC構造体は、PC鋼材に防食材を介してシースが被嵌され、かつシースから露出するPC鋼材の先端部に螺子を有する防食PC鋼棒と、この螺子に貫通される開口を有するアンカープレートと、該アンカープレートの一面側で螺子に螺合され、PC鋼材の緊張前に仮締めされると共に、緊張後に本締めされる定着用ナットとを備えるPC構造体にあって、
アンカープレートの開口に嵌入され、かつ螺子に挿通されて、PC鋼材を心出し状態に保持する嵌入部、及び、該嵌入部の端部から段違い状に拡径されて連なる径大部を備え、アンカープレートの他面側で螺子に被嵌されるリング状体と、
PC鋼材の螺子に螺合されて径大部内に内挿される内装ナットと、
径大部内に内装されて、定着用ナットの仮締め時には、内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を阻止し、PC鋼材の緊張時には、変形することで内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を許容する抵抗体と、
定着用ナットの本締め後には、防食PC鋼棒の緊張力がアンカープレートを介して圧縮力として伝達されるコンクリート体と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、防食PC鋼棒をアンカープレートの開口に嵌入する際に、PC鋼材の螺子が開口に接触しないため、螺子が破損しなくなる。そして、防食PC鋼棒が心出しされるため、コンクリート構造物に対して、適正に圧縮荷重を作用させることができる。また、アンカープレートの直角状態が確保されるため、防食PC鋼棒に緊張力を作用させたときに、曲げ応力が作用することがなく、螺子を曲げたりすることなく、緊張力を作用させることができる。以上により、高い構造強度を備えた信頼性の高い構造物を得ることができる。さらには、緊張作業後において、PC鋼棒に損傷を与えること等が原因でPC鋼棒が破断するようなトラブルが発生しても、PC鋼材の螺子に螺合している内装ナットがアンカープレートの他面に当接するため、防食PC鋼棒の飛び出しを阻止することができる。
本発明の内側ナットアッセンブリは、防食PC鋼棒をアンカープレートの開口に嵌入させると、防食PC鋼棒が心出し状態となり、PC鋼材の螺子が開口に接触しないため、螺子の破損が防止される。また、アンカープレートが、定着用ナットとリング状体の径大部との間に挟まれるため、アンカープレートのPC鋼材に対する直角状態が確保される。さらには、緊張作業後において、PC鋼棒に損傷を与えること等が原因でPC鋼棒が破断するようなトラブルが発生しても、PC鋼材の螺子に螺合している内装ナットがアンカープレートの他面に当接するため、防食PC鋼棒の飛び出しを阻止することができる。
本発明の防食PC鋼棒組付体は、PC鋼材の螺子が開口に接触しないため、螺子が破損することがなくなる。そして、防食PC鋼棒が心出しされるため、コンクリート構造物に対して、適正に圧縮荷重を作用させることができる。また、アンカープレートの直角状態が確保されるため、防食PC鋼棒に緊張力を作用させたときに、曲げ応力が作用することがなく、螺子を曲げたりすることなく、緊張力を作用させることができる。以上により、高い構造強度を備えた信頼性の高い構造物を構築することができる。さらには、施工後において、防食PC鋼棒が破断するようなトラブルが発生しても、PC鋼材の螺子に螺合している内装ナットがアンカープレートの他面に当接するため、防食PC鋼棒の飛び出しを阻止することができる。
本発明のPC構造体は、防食PC鋼棒をアンカープレートの開口に嵌入する際に、PC鋼材の螺子が開口に接触しないため、螺子が破損しなくなる。そして、防食PC鋼棒が心出しされた状態でアンカープレートの開口に挿通されるため、コンクリート構造物に対して、適正に圧縮荷重を作用させることができる。また、アンカープレートの直角状態が確保されるため、防食PC鋼棒に緊張力を作用させたときに、曲げ応力が作用することがなく、螺子を曲げたりすることなく、緊張力を作用させることができる。以上により、高い構造強度を備えた信頼性の高い構造物を得ることができる。さらには、施工後において、PC鋼材の螺子に螺合している内装ナットがアンカープレートの他面に当接するため、防食PC鋼棒の飛び出しを阻止することができる。
以下に、本発明の実施の形態に係る内側ナットアッセンブリ、防食PC鋼棒組付体及びPC構造体について図面を参照しつつ説明する。
〔実施の形態1〕
図1(a)は、内側ナットアセンブリの断面図で、(b)のA−A線矢視断面図、(b)は(a)のB−B線矢視断面図、図2(a)は、PC構造体の断面図、(b)は、正面図である。これらの図に示す内側ナットアセンブリ1、防食PC鋼棒組付体2及びPC構造体3は、ポストテンション方式のPC(プレストレスコンクリート)工法に適用されるものである。その内側ナットアセンブリ1は、防食PC鋼棒2aによる緊張作業前に、防錆材が、PC鋼材6と、そのPC鋼材6を覆っているシース(防食被覆)4との間に注入されているタイプの防食PC鋼棒2aに使用される。この内側ナットアセンブリ1は、防食PC鋼棒2aに着脱自在に被嵌されるリング状体5と、該リング状体5内に内挿され、PC鋼材6の露出端部に形成された螺子7に螺合する内装ナット8と、を備えている。
リング状体5は(図1参照)、例えば合成樹脂材の一体成形によって形成される。その樹脂材としては、例えばポリエチレン、MCナイロン(登録商標)、塩化ビニル、ポリプロピレン、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂等々が挙げられる。このリング状体5は、円筒状の嵌入部11と、嵌入部11に連なる円筒状の径大部12と、からなる。その嵌入部11は、防食PC鋼棒2aが挿通されるアンカープレート9の開口10に対して、心出し状態に嵌入され、かつその内部にPC鋼材6の螺子7を挿通可能に形成される。尚、アンカープレート9にはパイプ9aが一体化されている。径大部12は、嵌入部11の基部から段違い状に拡径されて連なり、その内部には、例えば丸ナットからなる内装ナット8が内挿される(図2(a)参照)。その内装ナット8が径大部12の図示中間位置よりも防食PC鋼棒2aの先端方向への移動することを阻止するための3本のリブ(又は突起状)の抵抗体13が径大部12に内設されている。その抵抗体13は、防食PC鋼棒2aに緊張力が付与された時には、変形して、内装ナット8の防食PC鋼棒2aの先端方向への移動を許容し、これにより、防食PC鋼棒2aに対して緊張力を支障なく付与できるようにしている。尚、図示のリブ13は、断面矩形状であるが、略三角形状、山形状等に形成されてよい。また、丸ナット8は、径大部13の内径よりも若干小径で、3本のリブ13に当接可能であればよく、六角ナットであってもよい。また、その材質は、金属又は硬質樹脂(FRP,GFRP)等を採用することができる。
防食PC鋼棒組付体2Aは、工場内で、例えば以下のような工程で製作される。(1)防食PC鋼棒2aの両端部のシース4を剥ぎ、PC鋼材6の螺子7を露出させる。(2)シース4の端部に接触するまで、内装ナット8をねじ込み、リング状体5をPC鋼材6に被嵌状態に嵌め込み、例えばリング状体5に穿孔する等してその内部に防錆材を充填させる。尚、防錆材(防食材)には、遅延硬化型(湿気硬化型と熱硬化型)と非硬化型(アンボンド型)があり、前者には例えばプレグラウト樹脂があり、後者にはグリース等がある。(3)リング状体5の端部と防食PC鋼棒2aのシース4の間と穿孔に対して、例えば熱収縮チューブ(又はテープ等)によって止水部14を形成する(図2(a)参照)。以上のような工程を経た後、防食PC鋼棒2aが出荷される。そして、現地では、(4)アンカープレート9の開口10に防食PC鋼棒2aを挿通させ、その螺子7にワッシャ15を介して定着用ナット16を螺合締結する(これにより、アンカープレート付きの防食PC鋼棒が完成する)。(5)アンカープレート付きの防食PC鋼棒を所定箇所に配置し、コンクリート17を打設する。(6)防食PC鋼棒2aを油圧ジャッキ等により緊張させ、定着用ナット16の本締めを行う。これにより、施工が終了する。
以上のような防食PC鋼棒組付体2を用いたコンクリート構造物の形成過程においては、まず、PC鋼材6の螺子7に、内装ナット8を螺合させて螺子7の先端部をリング状体5の嵌入部11に挿通させて、その嵌入部11を、アンカープレート9の開口10に嵌入させると、防食PC鋼棒2aが心出し状態となり、PC鋼材6の螺子7が開口10から突出する。その際に、PC鋼材6の螺子7が嵌入部11を介してアンカープレート9の開口10に挿通されるため、螺子7が開口10の内面に接触することがなく、螺子7の破損が防止される。この状態で、PC鋼材6の螺子7に定着用ナット16を螺合締結することによって、定着用ナット16とリング状体5の径大部12との間にアンカープレート9を固定することができる。その際に、PC鋼材6の螺子7に螺合している内装ナット8が、抵抗体13によって防食PC鋼棒2aの先端方向への移動を阻止されるため、定着用ナット16による締結が可能となる。また、アンカープレート9が、定着用ナット16とリング状体5の径大部12との間に挟まれるため、アンカープレート8の防食PC鋼棒2aに対する直角状態が確保される。このような状態で、油圧ジャッキ等により防食PC鋼棒2aに緊張力を作用させると、抵抗体13が潰れ変形して内装ナット8の防食PC鋼棒2aの先端方向への移動が許容されるため、防食PC鋼棒2aに対して支障なく緊張力を作用させることができる。
以上のように、防食PC鋼棒2aを用いたコンクリート構造物では、防食PC鋼棒2aをアンカープレート9の開口10に嵌入する際に、PC鋼材6の螺子7が開口10に接触しないため、螺子7が破損しなくなる。そして、防食PC鋼棒2aが心出しされる。また、アンカープレート9の直角状態が確保されるため、防食PC鋼棒2aに緊張力を作用させたときに、曲げ応力が作用することがなく、螺子7を曲げたりすることなく適正な状態で緊張力を作用させることができる。以上により、コンクリート構造物に対して、適正に圧縮荷重を作用させることができ、構造物の構造強度が顕著に向上され高い信頼性を得ることができる。さらに、施工後においては、防食PC鋼棒2aが破断するようなトラブルが発生しても、内装ナット8がPC鋼材6の螺子7に螺合しているため、その内装ナット8がアンカープレート9の他面に当接して防食PC鋼棒2aの飛び出しを阻止することができる。また、リング状体5の径大部12は、PC鋼材6に被嵌されたシース4よりも径大に形成されて、シース4を嵌入させるように構成されているため(図2(a)参照)、その外側をテーピングすることで、内側ナット1と防食PC鋼棒2aとの間の密封状態(止水状態)を容易かつ確実に確保することができ、これにより、防食PC鋼棒2aの耐久性を向上させることができる。
図2(a)に示すリング状体5の嵌入部11は、円筒状に形成されているが、その先端部が先細り状に形成径されていてもよい(図示省略)。このようにすれば、アンカープレート9の開口10へ嵌入部11を挿入しやすくなる。また、リング状体5の嵌入部11の基部(又は径大部12の立ち上がり部)に、アンカープレート9の防食PC鋼棒2aに対する直角状態をより確実に確保するために、アンカープレート9の内面に当接する鍔状部(図示省略)または放射状の突起等が形成されてもよい。
〔実施の形態2〕
図3(a)はPC構造体の断面図、(b)は弾性部材の斜視図である。この例では、リング状体5の径大部12に内設される抵抗体13は、リング状体5とは別体のリング状に形成された樹脂袋内に防錆材を充填して構成される。このような抵抗体13は、定着用ナット16を仮止めする際には、内装ナット8の移動を阻止することができ、防食PC鋼棒2aに緊張力を作用させると、破袋するような強度に形成される。この抵抗体13を、図示のように、螺子7に被嵌させた状態としてリング状体5内に挿入することによって、前実施の形態と同様に、防食PC鋼棒2aに緊張力を作用させる前に、定着用ナット16を仮止めする際には、内装ナット8の移動を阻止することができる。そして、コンクリート17を打設した後に防食PC鋼棒2aに緊張力を作用させると、樹脂袋が破袋して、内装ナット8の移動が許容される。その際に樹脂袋から排出した防錆材がリング状体5内に充填されるため、リング状体5内が防錆措置される。また、図示は省略するが、コイルスプリングで抵抗体13を構成してもよい。その場合、コイルスプリング13の弾発力を適切に選択することによって、同様の作用効果を得ることができる。尚、本発明は、実施の形態に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、適宜、必要に応じて改良、変更等は自由である。
本発明の防食PC鋼棒は、PC構造物を作業性よく構築することができるため、橋梁、高速道路や飛行場の滑走路等々の施工に好適に利用することができる。
(a)は、本発明の実施の形態に係る内側ナットアセンブリの断面図で、(b)のA−A線矢視断面図、(b)は(a)のB−B線矢視断面図である。 (a)は、本発明の実施の形態に係るPC構造体の断面図、(b)は、正面図である。 (a)は、本発明の異なる実施の形態に係るPC構造体の断面図、(b)は、弾性部材の斜視図である。
符号の説明
1 内側ナットアセンブリ 2 防食PC鋼棒組付体 2a 防食PC鋼棒
3 PC構造体 4 シース 5 リング状体 6 PC鋼材 7 螺子
8 内装ナット 9 アンカープレート 9a パイプ 10 開口
11 嵌入部 12 径大部 13 抵抗体
14 止水部 15 ワッシャ
16 定着用ナット 17 コンクリート

Claims (6)

  1. PC鋼材に防食材を介してシースが被嵌され、かつシースから露出するPC鋼材の先端に螺子を有する防食PC鋼棒と、この螺子に貫通される開口を有するアンカープレートと、該アンカープレートの一面側で螺子に螺合され、PC鋼材の緊張前に仮締めされると共に、緊張後に本締めされる定着用ナットとを備えるPC鋼棒の定着構造に用いられる内側ナットアセンブリであって、
    PC鋼材を心出し状態に保持するためにPC鋼材の螺子を挿通させた状態にて、アンカープレートの開口に嵌入される嵌入部、及び、該嵌入部の端部から段違い状に拡径されて連なる径大部を備え、アンカープレートの他面側で防食PC鋼棒に被嵌されるリング状体と、
    PC鋼材の螺子に螺合されて径大部内に内挿される内装ナットと、
    径大部内に内装されて、定着用ナットの仮締め時には、内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を阻止し、PC鋼材の緊張時には、変形することで内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を許容する抵抗体と、を備えることを特徴とする内側ナットアセンブリ。
  2. 前記リング状体の径大部は、PC鋼材に被嵌されたシースより径大に形成されて、シースを嵌入可能であることを特徴とする請求項1に記載の内側ナットアセンブリ。
  3. 前記リング状体の径大部に内設される抵抗体は、リブ状又は突起状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内側ナットアセンブリ。
  4. 前記リング状体の径大部に内設される抵抗体は、弾性部材からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の内側ナットアセンブリ。
  5. PC鋼材に防食材を介してシースが被嵌され、かつ緊張されたPC鋼材の先端部をアンカープレートに定着用ナットで定着するために、シースから露出するPC鋼材の先端部に螺子を有する防食PC鋼棒組付体であって、
    PC鋼材を心出し状態に保持するためにPC鋼材の螺子を挿通させた状態にて、アンカープレートの開口に嵌入される嵌入部、及び、該嵌入部の端部から段違い状に拡径されて連なる径大部を備え、シース及び螺子に被嵌されるリング状体と、
    PC鋼材の螺子に螺合されて径大部内に内挿される内装ナットと、
    径大部内に内装されて、定着用ナットの仮締め時には、内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を阻止し、PC鋼材の緊張時には、変形することで内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を許容する抵抗体と、
    リング状体の径大部とシースとの境界部を止水状態に覆う止水部と、を備え、
    定着用ナットを螺合させるために、PC鋼材の螺子の一部を嵌入部から突出させていることを特徴とすることを特徴とする防食PC鋼棒組付体。
  6. PC鋼材に防食材を介してシースが被嵌され、かつシースから露出するPC鋼材の先端部に螺子を有する防食PC鋼棒と、この螺子に貫通される開口を有するアンカープレートと、該アンカープレートの一面側で螺子に螺合され、PC鋼材の緊張前に仮締めされると共に、緊張後に本締めされる定着用ナットとを備えるPC構造体であって、
    アンカープレートの開口に嵌入され、かつ螺子に挿通されて、PC鋼材を心出し状態に保持する嵌入部、及び、該嵌入部の端部から段違い状に拡径されて連なる径大部を備え、アンカープレートの他面側で螺子に被嵌されるリング状体と、
    PC鋼材の螺子に螺合されて径大部内に内挿される内装ナットと、
    径大部内に内装されて、定着用ナットの仮締め時には、内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を阻止し、PC鋼材の緊張時には、変形することで内装ナットのPC鋼材先端方向への移動を許容する抵抗体と、
    定着用ナットの本締め後には、防食PC鋼棒の緊張力がアンカープレートを介して圧縮力として伝達されるコンクリート体と、を備えることを特徴とするPC構造体。
JP2007134853A 2007-05-21 2007-05-21 内側ナットアセンブリ、防食pc鋼棒組付体及びpc構造体 Active JP4736060B2 (ja)

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