JP4734844B2 - 携帯型情報記憶媒体のホルダ及びそのプログラム - Google Patents
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Description
このSIMリーダライタは、SIMカードを装着し、SIMカードと通信を行うための接触型のインターフェイス、外部端末と通信を行うためのUSB(Universal Serial Bus)インターフェイス、SIMカードが外部端末と通信を行うための非接触型のインターフェイスの3種類のインターフェイスと、液晶ディスプレイなどとを備える携帯型情報記憶媒体のホルダである。
この液晶ディスプレイ付SIMリーダライタは、複数の機能のメニューをディスプレイに表示し、ユーザのボタン操作によって選択された機能を実行する。例えば、装着されているSIMに電子マネーのアプリケーション(以下、「電子マネーアプリ」という。)が記憶されている場合には、液晶ディスプレイ付SIMリーダライタは、電源がONになると、「残高表示」、「支払履歴表示」などのSIMカードに搭載されているアプリケーションに含まれる実行可能な機能を確認してメニューとして表示する。ユーザがこのメニューから「残高表示」を選択した場合には、この機能を実行するため、残高を読み出すコマンドをICカードに送り、レスポンスを受信し、残高をディスプレイに表示する。
従って、ユーザは、メニューの表示を待ち、そこから機能を選択しなければ、液晶ディスプレイ付SIMリーダライタに機能を実行させることができず、ユーザの利便性に欠けるおそれがあった。
特に、電子マネーアプリの「残高表示」のように、特定の機能をユーザが頻繁に選択する場合には、電源をONするたびに、同一の操作を行わなければならず、無駄な作業と時間が費やされることになる。
また、SIMカードに搭載されているアプリケーションの機能を確認するための通信などの処理に時間がかかるおそれがあった。
(1)携帯型情報記憶媒体の属性に応じた処理を行うことによって、保持している携帯型情報記憶媒体の属性を、実行する処理を選択するための材料として、その受信をきっかけとし、処理の迅速化及びユーザの利便性の向上を図ることが可能となる。
(2)特に、初期応答に含まれる属性情報に応じた処理を行うことによって、電源をONするだけで、自動的に属性に応じた処理が行われるなど、ユーザの利便性及び処理の迅速化を図ることが可能となる。
(3)携帯型情報記憶媒体の属性と処理特定情報を関連づけて記憶することによって、携帯型情報記憶媒体に記憶されているアプリケーションの機能を確認するための通信などの処理にかかる時間を省き、さらに処理の迅速化を図るとともに、ユーザの利便性の向上を図ることが可能となった。
(4)また、属性に応じた処理要求に対する応答を携帯型情報記憶媒体から受信し、この応答に応じて表示を行うことによって、保持している携帯型情報記憶媒体の属性に応じて表示を行い、ユーザの利便性をさらに向上することが可能となった。
図1に示すように、ユーザは、ICカード30をホルダ10に装着し、ICカード30及びホルダ10を使用する。ICカード30がホルダ10に装着されることによって、ICカード30の接触端子板36がホルダ10の接触端子板(図示しない。)と接触し、ICカード30及びホルダ10は、接触式での通信が可能となる。また、ICカード30は、ホルダ10に装着されることによって、非接触式の通信を行うリーダライタ(以下、「R/W」という。)を備える情報処理装置である外部装置40との非接触式での通信が可能となる。ホルダ10は、USB(Universal Serial Bus)端子を備える外部装置(図示しない。)とUSBポート17を介した接触式での通信が可能である。
アンテナ部12は、装着部11に装着されているICカード30の非接触I/F32の2つの端子362に接触する、接触端子板のうちの8つの端子のうちの2つの端子と、この2つの端子に接続されている巻線コイル及び巻線コイルの両端に接続されている同調用のコンデンサなどを備えている。
バッテリ13は、リチウムイオン電池などのCPU20、ディスプレイ16などの駆動源となる電源であって、バッテリ13からの電力供給のON/OFFは、電源スイッチ19によって切り替えられる。
I/F14は、I/F14に接続されているUSBポート17などの各入出力装置及びCPU20間のインターフェイスと、CPU20及び外部と通信を行う手段(接触端子15又はUSBポート17)間の接続を切り替えるためのリレーなどとを備える電子回路である。
接触端子15は、装着部11に装着されているICカード30の接触I/F31の6つの端子361にそれぞれ接触する接触端子板の8つの端子のうちの6つの端子である。
ディスプレイ16は、情報を表示してユーザに通知する表示装置であって、液晶ディスプレイ、有機EL、電子ペーパーなどの薄型で消費電力の少ないものが望ましい。ディスプレイ16は、ユーザが操作スイッチ18を操作して入力できる指示の選択肢であるメニューなどを表示する。
USBポート17は、外部装置のUSB端子とUSBケーブルなどで物理的に接続されることによってUSBによる外部装置との通信を媒介する。
操作スイッチ18は、ユーザが操作することによって、ディスプレイ16の表示切り替え指示、選択指示などのユーザの指示を入力する入力装置であり、電源スイッチ19は、バッテリ13からの電源供給のON/OFFを切り替えるスイッチである。
メモリ21は、揮発性メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、書き換え可能な不揮発性メモリなどを備える記憶装置であって、オペレーティングシステム(以下、「OS」という。)、種々のアプリケーションなどのプログラム、プログラムの実行に必要なデータなどを記憶している。また、メモリ21は、ICカード30の属性ごとに、実行する処理を特定する処理特定情報を関連づけて記憶している。
メモリ21は、図3(a)に示すように、初期応答(ATR)の種別と、この種別に対応する自動実行機能識別子及び待機時間とを関連づけた初期応答−自動実行機能対応表T1を記憶している。この表T1は、書き換え可能なように記憶されていても、不可能なように記憶されていてもよい(後述する表T2において同様。)。本実施例において、初期応答は、JIS X6304(ISO/IEC 7816−3)、JIS X6306(ISO/IEC 7816−4)などの規定に従ったものであり、構成表示キャラクタ、接続情報キャラクタ、管理情報キャラクタ、検査キャラクタなどから構成され、通信条件を示す部分と、最大10バイトのカードが任意に設定できる部分とを含んでいる。「TCK」は、検査(チェック)キャラクタを示し、排他的論理和で求められる。初期応答の値は、カード(アプリケーション)の種類などの属性ごとに異なり、個々のカードを識別するものではない。例えば、A銀行とB銀行のカードでは初期応答の値が異なるが、A銀行のaさんのカードとbさんのカードでは同じ値となる。なお、ICカード30の属性とは、ICカード30に搭載されているアプリケーションなどのICカード30が有する機能の種別、行う通信の種別など、ICカード30をグループ分けするもととなる特徴である。
待機時間は、自動実行機能識別子が示す処理要求がICカード30に送信され、この応答について、ディスプレイ16に表示する表示時間であって、この待機時間が経過すると、ディスプレイ16は、実行する機能をユーザが選択するための最上位の選択肢を示すメインメニュー画面を表示する(後述する図3参照)。
このように、メモリ21は、初期応答−自動実行機能対応表T1及び自動実行機能−アドレス対応表T2によって、ICカード30の属性を示す初期応答と、自動実行機能識別子、開始アドレスなどの対応する処理を特定する処理特定情報とを関連づけて記憶している。
本実施例においては、ICカード(A)30A、ICカード(B)30B及びICカード(C)30Cの3枚のICカード30を使用する場合について説明する。ICカード(A)30A及びICカード(C)30Cは、電子マネー機能(アプリ)を備え、初期応答(ATR)が「0x3B EA 00 FF 81 31 FE 45 TCK」である。ICカード(B)30Bは、IDカード機能(アプリ)を備え、初期応答が「0x3B FA 12 00 FF 91 81 31 FE 46 TCK」である。IDカード機能には、顔画像データを記憶する機能が含まれ、この顔画像データをホルダ10のディスプレイ16に表示して目視での確認もできる。なお、ホルダ10で使用可能なICカード30の種類については、これに限定されるものではなく、搭載されているアプリケーションの種類及び数についても同様である。
非接触I/F32は、ホルダ10側の接触端子板のうち、アンテナ部12の2つの接触端子と一対一で接触する2つの接触端子362と、変調回路及び復調回路などのインターフェイスなどとを備え、アンテナ部12とともにCPU33及び外部装置40間の非接触式での通信を媒介する。
CPU33は、メモリ34に格納されているOS、アプリケーションなどのプログラムを実行し、種々の演算及び制御を行い、ICカード30を統括制御する。
ステップ100(以下、「ステップ」を「S」という。)において、ICカード30は、ホルダ10の装着部11に装着された状態にある。S110において、ユーザは、ホルダ10の電源スイッチ19をONにし、ホルダ10は、処理を開始する。
CPU20は、自動実行機能−アドレス対応表T2から読み出した開始アドレスが示すプログラムを実行し、ホルダ10は、ICカード30に処理要求を送信し、その応答を受信するなどの処理を行う(S180)。ホルダ10は、ICカード30から受信した応答をもとにディスプレイ16に情報を表示し(S190)、表示中に操作スイッチ18が押された場合、又は、セットした待機時間が経過した場合に、この表示を終了し、メインメニューに表示を切り替える(S200,S210,S220)。メインメニューには、「電子マネー」、「IDカード」のアプリケーションを選択する選択肢があり、それぞれの下位に「残高表示」、「支払履歴表示」、「入金履歴表示」と、「顔写真表示」、「氏名表示」、「入退室履歴表示」などのアプリケーションの各機能を選択する選択肢がある。ユーザは、操作スイッチ18を操作することによって、これらの選択肢から選択を行うなど、従来と同様の操作を行い、ホルダ10は、それに対応した処理を行う。
ホルダ10にICカード(A)30Aが装着されている場合(S100)には、ICカード(A)30Aからホルダ10に初期応答「0x3B EA 00 FF 81 31 FE 45 TCK」が返され(S130)、CPU20は、一致する初期応答に対応する自動実行機能識別子「zandaka_hyouji」と待機時間「5」をメモリ21の初期応答−自動実行機能対応表T1から読み出し、この自動実行機能識別子に対応する開始アドレス「1000」を自動実行機能−アドレス対応表T2から読み出す(S160)。
CPU20は、割り込み及び待機時間「5」をセットし(S170)、アドレス「1000」にジャンプしてプログラムを実行する。具体的には、CPU20は、記憶されている残高の読み出しを要求する処理要求をICカード(A)10Aに送信し、残高を含む応答を受信するなど、残高表示のための処理を行う(S180)。ホルダ10は、残高をディスプレイ16に表示し(S190)、待機時間の5秒が経過した場合又は操作スイッチ18が押された場合には、メインメニューに表示を切り替える(S200,S210,S220)。
CPU20は、割り込み及び待機時間「10」をセットし(S170)、アドレス「2000」にジャンプしてプログラムを実行する。具体的には、CPU20は、記憶されている顔画像のデータの読み出しを要求する処理要求を送信し、顔画像のデータを含む応答を受信するなど、顔画像表示のための処理を行う(S180)。ホルダ10は、受信した顔画像のデータをディスプレイ16に表示し(S190)、待機時間の10秒が経過した場合又は操作スイッチ18が押された場合には、メインメニューに表示を切り替える(S200,S210,S220)。
なお、ホルダ10にICカード(C)30Cが装着されている場合には、ホルダ10は、ICカード(A)30Aが装着されている場合と同様の処理を行う。
さらに、ホルダ30は、ICカード30に搭載されているアプリケーションの機能を確認するための通信などの処理にかかる時間を省き、処理の迅速化を図るとともに、ユーザの利便性の向上を図ることが可能となった。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。例えば、携帯型情報記憶媒体としてUIMサイズのICカード30(UIMカード)を例示したが、携帯型情報記憶媒体は、これに限定されず、一般的なICカード、SIMカード、ICタグなどの他の携帯型情報記憶媒体であってもよい。また携帯型情報記憶媒体のホルダとして、ホルダ10を例示したが、携帯型情報記憶媒体のホルダは、これに限定されず、SIMカード又はUIMカードを挿入した携帯電話などの他の携帯型情報記憶媒体のホルダであってもよい。
ユーザごとに使用頻度の高い機能が異なる場合に対応することができるなど、ユーザの利便性をさらに向上することが可能である。
11 装着部
12 アンテナ部
13 バッテリ
14 I/F
15 接触端子
16 ディスプレイ
17 USBポート
18 操作スイッチ
19 電源スイッチ
20 CPU
21 メモリ
30 ICカード
40 外部装置
Claims (4)
- 複数の機能を有するアプリケーションを記憶する携帯型情報記憶媒体を着脱可能に保持し、この携帯型情報記憶媒体と情報の送受信を行う携帯型情報記憶媒体のホルダであって、
前記保持されている携帯型情報記憶媒体から、前記携帯型情報記憶媒体に記憶されているアプリケーションの種別を示す属性情報を含む初期応答を受信する属性情報受信手段と、
アプリケーションの種別ごとに、当該アプリケーションが有する複数の機能のうち、ユーザの使用頻度が高い処理を特定する処理特定情報と、前記処理特定情報の実行時間とを関連づけて記憶する属性別処理記憶手段と、
前記属性情報受信手段によって受信される属性情報に応じて、前記属性別処理記憶手段によって記憶され、当該属性情報に関連づけられている前記処理特定情報に対応する処理を前記実行時間にわたり実行させ、その後、前記複数の機能をユーザが選択するための選択肢を示すメインメニュー画面の表示処理を行う処理手段とを備えること、
を特徴とする携帯型情報記憶媒体のホルダ。 - 請求項1に記載の携帯型情報記憶媒体のホルダにおいて、
前記処理手段は、前記保持されている携帯型情報記憶媒体に所定の処理要求を送信する処理要求送信手段と、前記処理要求送信手段によって送信された処理要求に対しての応答を受信する応答受信手段と、前記応答受信手段によって受信された応答に応じて表示を行う表示手段とを有すること、
を特徴とする携帯型情報記憶媒体のホルダ。 - 複数の機能を有するアプリケーションを記憶する携帯型情報記憶媒体を着脱可能に保持し、この携帯型情報記憶媒体と情報の送受信を行う携帯型情報記憶媒体のホルダに実行させるプログラムであって、
前記保持されている携帯型情報記憶媒体から、前記携帯型情報記憶媒体に記憶されているアプリケーションの種別を示す属性情報を含む初期応答を受信する属性情報受信手順と、
アプリケーションの種別ごとに、当該アプリケーションが有する複数の機能のうち、ユーザの使用頻度が高い処理を特定する処理特定情報と、前記処理特定情報の実行時間とを関連づけて記憶する属性別処理記憶手段と、
前記属性情報受信手順において受信した属性情報に応じて、前記属性別処理記憶手段によって記憶され、当該属性情報に関連づけられている前記処理特定情報に対応する処理を前記実行時間にわたり実行させ、その後、前記複数の機能をユーザが選択するための選択肢を示すメインメニュー画面の表示処理を行う処理手順とを備えること、
を特徴とする携帯型情報記憶媒体のホルダのプログラム。 - 請求項3に記載の携帯型情報記憶媒体のホルダのプログラムにおいて、
前記携帯型情報記憶媒体のホルダは、情報を表示する表示手段を備え、
前記処理手順は、前記保持されている携帯型情報記憶媒体に所定の処理要求を送信する処理要求送信手順と、前記処理要求送信手順において送信した処理要求に対しての応答を受信する応答受信手順と、前記応答受信手順において受信した応答に応じて前記表示手段が表示を行う表示手順とを有すること、
を特徴とする携帯型情報記憶媒体のホルダのプログラム。
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