JP4734836B2 - 電界発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、電界発光素子に関する。
表示素子、バックライト、照明光源、電子写真用露光装置、標識、看板等の分野では、電気エネルギーを光に変換して発光する素子として電界発光素子(以下、場合により「EL素子」という)が知られている。EL素子は、自発光性の全固体素子であり、視認性が高く衝撃にも強いため、広く応用が期待されている。
EL素子は、発光材料の種類によって無機EL素子と有機EL素子とに大別される。このうち、有機EL素子は、有機色素等の発光材料を含む発光層を備えるもので、陰極から電子が、陽極から正孔がそれぞれ発光層に注入されることにより、発光層中の発光材料が高いエネルギー準位に励起され、励起された発光材料が基底状態に戻る際の余分なエネルギーを光として放出する現象を利用したものである。
有機EL素子に関する研究は、発光材料としてアントラセン等の単結晶を用いて始められた。しかし、開発当初の有機EL素子は、発光層の膜厚が1mm程度と厚く、100V以上の駆動電圧を必要とした。
そこで、素子特性の改善を図るべく蒸着法による発光層の薄膜化が試みられた(例えば、非特許文献1を参照)。しかし、蒸着法により形成された発光層であっても駆動電圧は未だ高いものであり(例えば30V程度)、さらに、発光層中のキャリア(電子又は正孔)の密度が低く、キャリアの再結合によるフォトンの生成確率が低いため十分な輝度が得られず、実用化には至らなかった。
このような背景の下、Tangらにより、機能分離型の有機EL素子が開発された(例えば、特許文献1及び非特許文献2を参照)。この有機EL素子は、透明基板上に、陽極、正孔輸送層、電子輸送性発光層、陰極を順次積層して構成されたもので、正孔輸送層及び電子輸送性発光層は真空蒸着法により形成された極めて薄い層である。この有機EL素子における発光は、陽極から正孔輸送層に注入される正孔と、陰極から電子輸送性発光層に注入される電子との再結合によるもので、10V程度の駆動電圧で1000cd/m以上の輝度を得ることができると報告されている。
上述のTangらの報告以来、有機EL素子の研究・開発が盛んに行われており、その一環として、有機EL素子の構成材料に関する検討がなされている。例えば、有機発光体としては8−キノリノールアルミニウム錯体、クマリン化合物等、蛍光を発する有機色素等が知られており、また、正孔輸送層や発光層に用いられる電荷輸送性材料としては、N,N−ジ(m−トリル)N,N’−ジフェニルベンジジンや1,1−ビス[N,N−ジ(p−トリル)アミノフェニル]シクロヘキサン等のジアミノ化合物や4−(N,N−ジフェニル)アミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン化合物等が知られている。
特開昭59−194393号公報 Thin Solid Films,94,171(1982) Appl.Phys.Lett.,51,913(1987)
しかしながら、上記従来の有機EL素子であっても、発光時の安定性及び保存安定性の点で改善の余地がある。
より具体的には、発光層や正孔輸送層が非常に薄く形成されるため(例えば、数十〜数百nm)、単位厚さ当りに加わる電圧は非常に高くなる。そのため、駆動時の電流密度が高くなり(例えば数mA/cm)、大量のジュール熱が発生して素子特性が損なわれてしまう。また、非駆動時には、発光層や正孔輸送層の構成材料が経時的に変質したり、雰囲気中の酸素や水分等の影響により劣化したりすることがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、発光時の安定性及び保存安定性に優れ、長期間又は繰り返し駆動した場合であっても十分な発光強度を得ることが可能な有機電界発光素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電界発光素子は、互いに対向して配置された陽極及び陰極からなる電極対と、該電極対間に設けられた、下記一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物を含有する第1の有機層と、を有することを特徴とする。


[一般式(I−1)中、Ar は未置換のビフェニル基、Rは水素原子、又は未置換のフェニル基、Rメチル基又は(イソ)プロピル基で置換されたフェニル基、Rは水素原子、をそれぞれ表す。]
上記一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物は、電荷注入特性及び電荷輸送性に優れており、さらに、これらの特性を長期にわたって高水準に維持するための十分な耐電特性及び化学的安定性を有している。したがって、本発明の電界発光素子によれば、上記一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物を含有する第1の有機層を設けることで、発光時の安定性及び保存安定性が十分に高められ、長期間又は繰り返し駆動した場合であっても十分な発光強度を得ることが可能となる。
上記一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物は、上述のように電荷注入特性及び電荷輸送性に優れるが、特に正孔輸送性に優れるため、本発明の電界発光素子としては下記(A)又は(B)に示す態様のものが好ましい。
(A)第1の有機層の陽極と反対側に、発光用ドーパント材料を含有する発光層を更に備える電界発光素子。
(B)第1の有機層が発光用ドーパント材料を更に含有する電界発光素子。
上記(A)に示した電界発光素子は、換言すれば、陽極、第1の有機層(正孔輸送層)、第2の有機層(発光層)及び陰極がこの順序で配置された積層構造を有するものである。電界発光素子(A)においては、正孔輸送層である第1の有機層に一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物を含有することにより、陽極から正孔輸送層への電荷注入特性及び正孔輸送性から発光層への正孔輸送性が高水準で達成され、また、それらの特性が長期にわたって安定的に維持される。したがって、長期間又は繰り返し駆動した場合であっても十分な発光強度を示す電界発光素子が有効に実現可能となる。
さらに、一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物は十分な電子注入特性及び電子輸送性をも有するものであるため、電界発光素子(A)において、一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物を第2の有機層に含有させてもよい。これにより、第2の有機層の電子輸送性発光層としての機能が高められ、素子特性を更に改善することができるようになる。
一方、上記(B)に示した電界発光素子においては、第1の有機層が発光層として機能する。かかる発光層が一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物を含有することで、陽極からの正孔及び陰極からの電子の発光層への注入特性、並びに発光層内での正孔及び電子の輸送性が十分に高められ、また、それらの特性が長期にわたって安定的に維持される。したがって、この場合も、長期間又は繰り返し駆動した場合であっても十分な発光強度を示す電界発光素子が有効に実現可能となる。
さらに、本発明の電界発光素子は、陰極と発光層との間に電子輸送層を更に備えるものであってもよい。この場合、上記一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物は、上述の通り十分な電子注入特性及び電子輸送性を示すため、当該化合物を電子輸送層に含有させることで電子輸送層の機能を向上させることができる。
また、一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物は、それ自身が発光特性を有するため、発光材料として用いることもできる。例えば、第1の有機層が本発明の電界発光素子においては、一般式(I−1)発光材料として用いてもよい。
本発明においては、一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物を用いることで、電荷注入特性及び電荷輸送性を一層高水準で達成することができ、また、それらの特性をより長期にわたって安定的に維持することができるようになる。
た、本発明の電界発光素子においては、第1の有機層が結着樹脂を更に含有することを特徴としてもよい。
電荷輸送材料又は発光材料を結着樹脂に分散させた有機層は、塗布法により形成可能であるため、製造の簡略化、加工性の改善、素子の大面積化、コスト低減などの点で有効である。しかし、従来の電界発光素子の場合、その構成材料(特に電荷輸送材料)の結着樹脂に対する相溶性、あるいは塗布液の溶剤に対する溶解性が不十分であり、結晶化しやすいなどの問題がある。これに対して本発明では、上記一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物が結着樹脂に対する相溶性及び塗布液の溶剤に対する溶解性に優れるため、一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物及び結着樹脂を含有する第1の有機層を塗布法により有効に形成することができ、所望の特性を有する電界発光素子を効率よく且つ簡便に得ることができる。
本発明によれば、発光時の安定性及び保存安定性に優れ、長期間又は繰り返し駆動した場合であっても十分な発光強度を得ることが可能な有機電界発光素子を提供することが可能となる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
本発明では、下記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物の特に好適な態様である、下記一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物を用いることを要する

[一般式(I)中、Ar は−R −COO−R (R は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表される基で置換されたフェニル基、置換若しくは未置換の1価多環芳香族基又は置換若しくは未置換の1価ヘテロ環基、Ar は置換若しくは未置換のアリーレン基、R は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基又は置換若しくは未置換のアルキル基、R は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基、R ,R は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基(但し、R 又はR の少なくとも一方は置換若しくは未置換のアリール基を表し、R とR とは単結合又は2価の基により結合して環を形成してもよい。)、mは0〜4の整数、をそれぞれ表す。]

[一般式(I−1)中、Ar は置換若しくは未置換のビフェニル骨格を有する基、R は水素原子、又は未置換のフェニル、R は置換若しくは未置換のアリール基、R は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基又は置換若しくは未置換のアルキル基、をそれぞれ表す。]
一般式(I)中のAr 1 で表される基の好ましい例は以下のとおりである。
−R−COO−Rで表される基で置換されたフェニル基は、下記一般式(Ar1−1)で表される。一般式(Ar1−1)において、Rは炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく炭素数の1〜2のアルキレン基がより好ましい。Rは炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、炭素数の1〜2のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
置換若しくは未置換の1価多環芳香族炭化水素基として好適な、置換若しくは未置換の1価縮合多環式炭化水素基は、2〜3個のベンゼン環を有するものが好ましく、下記一般式(Ar1−2)、(Ar1−3)、(Ar1−4)で表される基が特に好ましい。なお、以下の一般式におけるR、R10及びR11は各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
置換若しくは未置換の1価多環芳香族炭化水素基として好適な、置換若しくは未置換のフェニル基で置換されたビフェニル基としては、下記一般式(Ar1−5)で表される基が挙げられ;炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されてもよいビフェニル基としては、下記一般式(Ar1−6)で表される基が挙げられる。なお、以下の一般式におけるRは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基又は置換若しくは未置換のアルキル基であり、このRは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
置換若しくは未置換の1価ヘテロ環基として好適な、置換若しくは未置換の1価縮合へテロ環基としては、以下の一般式(Ar1−7)で表される基が特に好ましい。また、3〜6員のヘテロ環の少なくとも1つとベンゼン環の少なくとも1つが単結合又は2価の基(炭素数1〜3のアルキレン基、炭素数1〜3のアルケニレン基、−O−、−CO−、−COO−等)により結合したヘテロ環状化合物からなる1価基としては、ヘテロ原子がイオウ原子であるものがよく、このような基としては、以下の一般式(Ar1−8)、(Ar1−9)で表される基が挙げられる。
上述した基Arの中では、一般式(Ar1−6)で表される基(ビフェニル骨格を有する基)又は一般式(Ar1−4)で表される基(フルオレン骨格を有する基)が、上記化合物を電荷輸送材料として用いたときの電荷注入性及び電荷移動度の高さから特に好ましい。
一般式(I)中のArで表される基の好適な実施形態は以下の通りであり、一般式(I−1)におけるArで表される基は未置換のビフェニル基である。
Arとして好適な、置換若しくは未置換のフェニレン基としては、以下の一般式(Ar2−1)で表される基が挙げられ;置換若しくは未置換の2価縮合多環式炭化水素基としては、下記一般式(Ar2−2)、(Ar2−3)、(Ar2−4)、(Ar2−5)で表される基が好適である。なお、下記一般式中のR13、R15、R16、R20は各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコシキ基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基又はハロゲン原子を意味する。
Arとして好適な、2価縮合複素環基としては、下記一般式(Ar2−6)で表される基が挙げられ;置換若しくは未置換のフェニル基の2つが単結合又は2価の基により結合してなる2価基としては、下記一般式(Ar2−7)で表される基が好適である。なお、以下の一般式におけるR14、R17、R18、R19は各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコシキ基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基又はハロゲン原子を表す。
一般式(Ar2−7)中のcは0又は1を表し、cが0である場合は単結合を意味する。また、cが1である場合のVは、以下の(V−1)〜(V−11)のいずれかを表す。なお、以下の一般式におけるdは1〜10の整数、eは1〜3の整数である。


上述した基Arの中では、一般式(I−1)におけるAr である、一般式(Ar2−7)で表される基においてcが0である基(ビフェニル骨格を有する基)が、上記化合物を電荷輸送材料として用いたときの電荷注入特性及び電荷移動度の高さから特に好ましい。
一般式(I)中のR、R、R及びRの好ましい例は以下の通りである。一般式(I)の好適な態様である一般式(I−1)においては、Rは水素原子、又は未置換のフェニル基であり、Rメチル基又は(イソ)プロピル基で置換されたフェニル基ある
としては、水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素)、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)又は炭素数1〜4の置換若しくは未置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)が好ましい。
としては、水素原子、炭素数1〜4の置換若しくは未置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)又は炭素数6〜12のアリール基(例えば、フェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4−メチルフェニル)が好ましく、これらの中では水素原子が特に好ましい。
及びRとしては、各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)又はアリール基が好ましい。ここで、R及びRの少なくとも一方は、置換若しくは未置換のアリール基(例えば、フェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、3−t−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、3−n−ブチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基)である。
及びRは、単結合又は2価の基により結合して環を形成してもよく、当該2価の基としては、炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数1〜3のアルケニレン基が好ましい。R3及びR4が単結合又は2価の基により結合して環を形成した構造(構造(a)〜(e))を以下に示す。なお、以下の構造ではR及びRが結合している炭素−炭素二重結合も同時に示してある。
一般式(I)又は(I−1)で表されるアリールアミン化合物では、R、R及びRで置換されたビニル基がベンゼン環1個当たり1個ずつ存在するが、当該ビニル基のベンゼン環における置換位置は互いに同一であることが好ましい。すなわち、当該2個のビニル基はベンゼン環の窒素結合位を基準として、共にo位、m位又はp位であることが好ましい。
また、Rはベンゼン環1個当たりm個ずつ存在するが、R1のベンゼン環における置換位置は互いに同一であることが好ましい。例えば、Rがベンゼン環1個当たり1個ずつ存在する場合、2個のRはベンゼン環の窒素結合位を基準として、共にo位、m位又はp位であることが好ましい。
、R及びRで置換されたビニル基の好適な置換位置はp位であり、Rの好適な置換位置はm位である。
一般式(I)で表されるアリールアミン化合物の具体例(化合物1〜64)を表1〜8に示す。これらの具体例中、一般式(I−1)表されるアリールアミン化合物に相当する具体例は、化合物9〜1、15である。なお、表1〜8には、各化合物について、一般式(I)におけるAr、Ar、m、R、R、R、Rの具体的構造及びビニル基の位置を示した。ここでいう「ビニル基の位置」とは、R、R及びRで置換されたビニル基の置換位置を意味する。
(アリールアミン化合物の製造方法)
一般式(I)又は一般式(I−1)で表わされるアリールアミン系化合物は、公知の方法を用いて製造できる。例えば、公知のアリールアミン原料化合物をとして用いて、公知なカルボニル導入反応を行い(アシル化工程)、次いで、Wittig反応を行う(炭素−炭素二重結合導入工程)ことにより、目的の化合物を得る方法である。
以下の式は、アリールアミン原料化合物(I−a)にカルボニル基を導入して、アシル化アリールアミン(I−b)を得るアシル化工程を示すものである。なお、アリールアミン原料化合物(I−a)中のAr、Ar、R、m、及びアシル化アリールアミン(I−b)のAr、Ar、R、R、mは、一般式(I)中のAr、Ar、R、R、mと同義である。
アシル化工程においては、導入するアシル基がホルミル基(Rが水素原子の場合)である場合と、ホルミル基以外のアシル基(Rが水素原子以外の場合)である場合とで、例えば、以下のように反応条件を変えることが好ましい。
(i)Rが水素原子の場合:
アリールアミン原料化合物(I−a)をオキシ塩化リンの存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド等のホルミル化剤と反応させることで、アシル化アリールアミン(I−b)(ビスホルミル体)が得られる。この場合、ホルミル化剤を過剰に用いて、反応溶媒を兼ねることもできるが、o−ジクロロベンゼン、ベンゼン、塩化メチレン等の反応に不活性な溶媒を用いることもできる。反応温度は0℃から用いる溶媒の沸点の範囲で任意に設定可能である。好ましくは室温から、150℃以下である。
(ii)Rが水素原子以外の場合:
アリールアミン原料化合物(I−a)を塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛等のルイス酸存在下、ニトロベンゼン、塩化メチレン、四塩化炭素等の溶媒中、一般式Cl−CO−R で表わされる酸塩化物と反応させることにより、いずれでもアシル化アリールアミン(I−b)(ケトン体)が得られる。この場合の反応温度は、0℃から用いる溶媒の沸点の範囲で任意に設定可能である。好ましくは室温から、150℃以下である。
次に、炭素−炭素二重結合導入工程を実施するが、本工程では、上記アルデヒド体又はケトン体の化合物と下記亜燐酸ジアルキルエステル化合物(I−c)を塩基の存在下で室温から100℃程度の温度でWittig−Horner反応させて、目的化合物の一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を得る。なお、亜燐酸ジアルキルエステル化合物(I−c)中のR、Rは一般式(I)中のR、Rと同義であり、R21はメチル、エチル等の低級アルキル基を示す。
炭素−炭素二重結合導入工程において用いられる塩基としては、水素化ナトリウム;水酸化ナトリウム;ナトリウムアミド;ナトリウムメトキシド;ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシドが使われる。溶媒としては、メタノール、エタノール等の低級アルコール;1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン等の炭化水素;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒;又はこれら混合物を用いることができる。
反応後、一般式(I)のアリールアミン化合物は公知の方法で精製することが可能であり、精製には、例えば、シリカゲル、アルミナ、活性白土等の吸着を用いることができる。活性白土の場合、トルエン等の非極性溶媒中で100℃以上で吸着処理することが好ましく、これにより高純度の目的物質が得やすくなる。
次に、本発明の電界発光素子について詳述する。
図1は本発明の電界発光素子にかかる第1実施形態を示す模式断面図である。図1に示した電界発光素子は、絶縁性基板1上に、下部電極(陽極)2、正孔輸送層3、発光層4、及び上部電極(陰極)6がこの順に形成されたもので、正孔輸送層3は上記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含有する有機層である。
絶縁性基板1は、発光層4からの発光を絶縁性基板1の側から取り出すために、その発光に対する光透過性を有していること(透明又は半透明であること)が好ましく、ガラス基板、プラスチックフィルム等が好適に用いられる。なお、ここでいう光透過性とは、可視領域の光に対する透過率が10%以上であることを意味し、当該透過率は75%以上であることが好ましい。絶縁性基板1の厚みは、0.1〜100μmが好適である。
下部電極2は、後述する上部電極6と共に電極対を構成し、各電極には交流電源が接続される。図1に示した電界発光素子の場合、下部電極2は正孔輸送層3に正孔を注入する陽極として機能し、他方、上部電極6は発光層4に電子を注入する陰極として機能する。
図1に示した電界発光素子においては、絶縁性基板1の側から発光が取り出されるため、下部電極2が光透過性を有していることが好ましく、具体的には、可視領域の光に対する透過率が10%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。また、下部電極2としては、正孔の注入を行うため仕事関数の大きなものがよく、仕事関数が4eV以上のものが好ましい。さらに、下部電極2のシート抵抗は、低いほど好ましく、数百Ω/cm以下が好ましく、10Ω/cm以下がより好ましい。下部電極2の構成材料としては、具体的には、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の酸化物、並びに金、白金、パラジウム等が挙げられる。下部電極2は、蒸着法、スパッタ法などにより上記材料を用いて形成することができる。下部電極2の厚みは、好ましくは0.01〜0.5μmである。
下部電極2、並びに後述する上部電極6の形状は特に制限されない。例えば、下部電極2及び上部電極6の個々を帯状とし、互いに交差する方向にそれぞれ延在し且つそれぞれ複数のストライプ状に設けてもよい。この場合、下部電極2及び上部電極6の一方が行電極、他方が列電極となり、両者の延在方向が互い直交するように配置することによりマトリクス電極が構成される。このマトリクス電極によって構成される各画素に所定電圧を印可することにより、発光層4が電界発光する。印可電圧は直流電圧又は交流電圧のいずれであってもよい。また、印可電圧の大きさは適宜選定されるが、例えば直流電圧を印可する場合、その電圧は4〜20Vが好ましく、また、電流密度は1〜200mA/cmが好ましい。
正孔輸送層3は、上述の通り、上記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含有する有機層であり、下部電極2(陽極)と発光層4との間に設けられる。これにより、下部電極(陽極)2から注入される正孔が、正孔輸送層3を通って発光層4に移動し、上部電極(陰極)6から発光層4に注入される電子と再結合して電界発光する。
正孔輸送層3は、陽極2と正孔輸送層3は、一般式(I)で表されるアリールアミン化合物のみで構成されていてもよいが、必要に応じて他の材料を含んでいてもよい。
例えば、正孔輸送層3における正孔移動度を調節する点からは、正孔輸送層3がテトラフェニレンジアミン誘導体を更に含有することが好ましい。フェニレンジアミン誘導体の含有量は、正孔輸送層3の固形分全量を基準として、1〜50重量%であることが好ましい。
また、成膜性の向上、ピンホールの防止等の点から、正孔輸送層3に適切な樹脂(ポリマー)及び/又は添加剤を加えてもよい。樹脂としては、具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂などが挙げられる。また、添加剤としては、従来公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等が挙げられる。
正孔輸送層3がフェニレンジアミン誘導体、樹脂又は添加剤を更に含有する場合、一般式(I)で表されるアリールアミン化合物の含有量は、正孔輸送層3の固形分全量を基準として、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
正孔輸送層3の形成は、真空蒸着などの蒸着法、あるいは一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含む塗布液を用いた塗布法により行うことができる。
塗布法としては、より具体的には、スピンコーティング法、キャスト法、ディップ法等などが挙げられる。また、塗布法において用いられる塗布液の溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、ベンジルアルコール、アセトン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
正孔輸送層3の厚みは、材料に応じて適宜選定されるが、好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.03〜0.2μmである。正孔輸送層3の厚みが0.01未満であると、ピンホールが発生しやすくなり、発光素子においてダークスポットが発生しやすくなる傾向にある。また、正孔輸送層3の厚みが2μmを超えると、正孔輸送層3の内部抵抗が上昇し、駆動電圧が大きくなる傾向にある。
発光層4は発光材料を含んで構成される。発光材料としては、固体状態で高い蛍光量子収率を示す化合物が好適であり、例えば、キレート型有機金属錯体、多核又は縮合芳香環化合物、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体等が、高分子の場合、ポリパラフェニレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアセチレン誘導体等が挙げられる。
発光層4に含まれる発光材料の好適な例としては、下記式(II−1)〜(II−15)で表される化合物が挙げられる。
また、有機電界発光素子の耐久性向上或いは発光効率の向上を目的として、上記の発光材料をホスト材料とし、そのホスト材料と異なる色素化合物をゲスト材料としてドーピングしてもよい。ゲスト材料のドーピングの割合は、発光層4中の固形物全量を基準として、好ましくは0.001〜40重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。
ゲスト材料としての色素化合物は、発光材料との相容性がよく、かつ発光層の良好な薄膜形成を妨げない有機化合物が好ましく、具体的には、DCM(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン))誘導体、キナクリドン誘導体、ルブレン誘導体、ポルフィリン等が用いられる。前記色素化合物の好適な具体例として、下記式(III−1)〜(III−4)で表される化合物が挙げられる。
また、発光層4における電荷輸送性(正孔輸送性及び電子輸送性)の向上、更には上部電極6から発光層4への電荷注入特性の向上を目的として、発光層4に一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含有させることができる。
更に、上部電極4から発光層4への電子注入特性及び電子輸送性を向上させる点から、発光層4に他の電子輸送材料を含有させることができる。電子輸送材料の好ましい例としては、下記式(IV−1)〜(IV−3)で表される化合物、並びに下記式(V)で表される化合物が挙げられる。発光層4が一般式(I)で表されるアリールアミン化合物と他の電子輸送材料との双方を含有する場合、当該アリールアミン化合物と電子輸送材料との電子相互作用を抑制する点から、電子輸送材料としては下記式(V)で表される化合物が好ましい。
発光層4の形成は、真空蒸着などの蒸着法、あるいは上記材料を含む塗布液を用いた塗布法により行うことができる。
塗布法としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、ベンジルアルコール、アセトン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン等を用いることができる。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
発光層4の層厚は、材料に応じて適宜選定されるが、好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.03〜0.2μmである。発光層4の厚みが0.01未満であると、ピンホールが発生しやすくなり、発光素子においてダークスポットが発生しやすくなる傾向にある。また、発光層4の厚みが2μmを超えると、正孔輸送層3の内部抵抗が上昇し、駆動電圧が大きくなる傾向にある。
また、発光層4の形成工程において、発光材料へのゲスト材料のドープは以下の方法により行うことができる。先ず、真空蒸着によって発光層4を形成する場合は、共蒸着によってドーピングを行う。また、塗布法により発光層を形成する場合は、ホスト材料を含む塗布液(溶液又は分散液)中にゲスト材料を混合することでドーピングを行う。
また、発光層4が一般式(I)で表されるアリールアミン化合物と発光材料としての有機低分子化合物とを含有する場合、その有機低分子化合物としては、真空蒸着法により、又は低分子と樹脂を含む塗布液を塗布・乾燥することにより、良好な薄膜形成が可能であるものが好ましい。また、塗布法による場合、使用される樹脂としては、正孔輸送層3の説明において例示された樹脂を適用することができる。一方、発光層4が一般式(I)で表されるアリールアミン化合物と発光材料としての有機高分子化合物とを含有する場合、その有機高分子高分子としては、それ自身を含む塗布液を塗布・乾燥することにより、良好な薄膜形成が可能であるものが好ましい。
上部電極6は、下部電極2に対する背面電極であり、発光層4に電子を注入する陰極として機能する。上部電極6は、真空蒸着可能で、電子注入を行うため仕事関数の小さな金属又は合金が好ましく使用される。特に好ましい材料としては、マグネシウム、アルミニウム、銀、インジウム及びこれらの合金である。
第1実施形態にかかる電界発光素子においては、電極2、6間に所定の電圧を印可することにより、陽極2から正孔輸送層3に正孔が、陰極6から発光層4に電子がそれぞれ注入される。そして、正孔と電子とが発光層4中で再結合することにより、発光層4中の発光材料が高いエネルギー準位に励起され、励起された発光材料が基底状態に戻る際の余分なエネルギーが光として放出される(電界発光現象)。発光層4からの発光は、正孔輸送層3及び下部電極2を通って絶縁性基板1側の面から取り出される。このとき、正孔輸送層3が一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含有することにより、発光時の安定性及び保存安定性が十分に高められ、長期間又は繰り返し駆動した場合であっても十分な発光強度を得ることが可能となる。
図2は、本発明の電界発光素子にかかる第2実施形態を示す模式断面図である。図2に示した電界発光素子は、絶縁性基板1上に、下部電極2、電荷輸送性を有する発光層5、及び上部電極6がこの順に形成されたもので、発光層5は発光材料と一般式(I)で表されるアリールアミン化合物とを含有する有機層である。なお、本実施形態においては、発光層が一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を必須成分として含有する点、並びに下部電極2と発光層5との間に正孔輸送層3が設けられていない点が異なるだけで、他の構成は第1実施形態の場合と同様である。以下、発光層5について詳述する。
発光層5は、上述の通り、発光材料と一般式(I)で表されるアリールアミン化合物とを含有する有機層であり、正孔及び電子の双方に対する電荷輸送性を有する。発光材料としては、第1実施形態の発光層4に含まれる発光材料と同様のものが挙げられ、中でも、上記式(II−1)〜(II−15)で表される化合物が好ましく使用される。
発光材料の含有量は、発光層5中の固形分全量を基準として、好ましくは50重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。また、一般式(I)で表されるアリールアミン化合物の含有量は、発光層5中の固形分全量を基準として、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは30〜60重量%である。
また、第1実施形態における発光層4の場合と同様に、発光層5の発光材料に、その発光材料と異なる色素化合物をドーピングしてもよい。
発光層5は、上述の通り、一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含有するために、正孔及び電子の双方に対する電荷輸送性を有するが、発光層5に注入される正孔と電子のバランスを調節するために、当該アリールアミン化合物以外の電子輸送材料を更に含有してもよい。電子輸送材料としては、上記式(IV−1)〜(IV−3)で表される化合物、並びに上記式(V)で表される化合物が挙げられ、中でも、一般式(I)で表されるアリールアミン化合物との電子相互作用を抑制する点から、式(V)で表される化合物が好ましい。電子輸送材料の含有量は、発光層5中の固形分全量を基準として、1〜50重量%であることが好ましい。
また、発光層5は、電荷移動度を調節するために、テトラフェニレンジアミン誘導体を更に含有してもよい。また更に、第1実施形態における正孔輸送層3と同様に、適切な樹脂、添加剤を更に含有させることができる。発光層5に用いる樹脂としては、正孔輸送層の場合に例示したものが適用できる。
電子輸送性を有する発光層5の厚みは、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.01〜0.8μmである。発光層5の厚みが1μmを超えると、内部抵抗が上昇し、駆動電圧が大きくなる傾向にある。また、発光層5の厚みが0.01μm未満であると、ピンホールが発生しやすくなり、素子においてダークスポットを発生しやすくなる傾向にある。
第2実施形態にかかる電界発光素子においては、電極2、6間に所定の電圧を印可することにより、陽極2からの正孔と、陰極6からの電子とが発光層5にそれぞれ注入される。そして、正孔と電子とが発光層5中で再結合することにより、発光層4中の発光材料が高いエネルギー準位に励起され、励起された発光材料が基底状態に戻る際の余分なエネルギーが光として放出される(電界発光現象)。発光層4からの発光は、正孔輸送層3及び下部電極2を通って絶縁性基板1側の面から取り出される。このとき、発光層5が一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含有することにより、発光時の安定性及び保存安定性が十分に高められ、長期間又は繰り返し駆動した場合であっても十分な発光強度を得ることが可能となる。
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、図1、2に示した電界発光素子はいずれも正孔輸送層3並びに発光層4又は5が単層構造のものであるが、本発明の電界発光素子においては正孔輸送層及び/又は発光層を多層構造としてもよい。
また、図1、2に示した電界発光素子はいずれも発光層4又は5と上部電極6とが密接して配置されたものであるが、本発明の電界発光素子は発光層と上部電極との間に電子輸送層を更に備えていてもよい。電子輸送層を形成することは、電界発光素子の耐久性及び発光効率が向上する点で好ましく、特に、発光層4又は5の発光材料として蒸着法又は塗布法による成膜性が低い材料を用いた場合、あるいは発光層4又は5の電子注入特性又は電子輸送性が低い場合に、これらを改善する手段として非常に有効である。
電子輸送層の構成材料としては、上述した電子輸送材料が好適に使用される。電子輸送層の厚みは、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.01〜0.8μmである。電子輸送層の厚みが1μmを超えると、内部抵抗が上昇し、駆動電圧が大きくなる傾向にある。また、電子輸送層の厚みが0.01μm未満であると、ピンホールが発生しやすくなり、素子においてダークスポットを発生しやすくなる傾向にある。
また、素子の水分や酸素による劣化を防ぐために、上部電極6側の面上に保護層を更に設けてもよい。保護層の構成材料としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al等の金属、MgO、SiO、TiO等の金属酸化物、ポリエチレン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂が挙げられる。保護層の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ重合法、CVD法、コーティング法などが適用可能である。保護層の厚みは、好ましくは0.01〜10μmである。
また、上記実施形態では、絶縁性基板1に近い側に配置される下部電極2を陽極とし、上部電極6を陰極としたが、本発明では、陽極と発光層との間に正孔輸送層が配置される限りにおいて、上部電極又は下部電極のいずれを陽極としてもよい。例えば、絶縁性基板上に、陰極、発光層、正孔輸送層、陽極をこの順序で積層し、陰極を透明電極とすることにより、発光層からの発光を絶縁性基板の側から取り出すことができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、例示化合物の番号は表1〜8中の化合物番号を意味し、例えば「例示化合物10」は表2中の化合物番号10を示している。
[アリールアミン化合物の合成]
(合成例1)
まず、N,N’−ビス(1−ビフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン5重量部とN,N’−ジメチルホルムアミド60重量部とを混合し、その懸濁液に、室温で1時間かけてオキシ塩化リン5重量部を滴下した。その後、90℃で24時間加熱撹拌した。反応物をゆっくり水500mlに注ぎ入れ、50℃で2時間加熱撹拌後、室温下でトルエン200mlで抽出した。トルエン溶液を水洗いし、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ別後、トルエン溶液に活性白土20重量部を加え、1時間、還流後、活性白土をろ過した。得られたトルエン溶液を濃縮後、トルエンから2度再結晶を行い、ビスホルミル化物3.5重量部を得た。
次に、得られたビスホルミル化物3重量部をトルエン50重両部、3−メチルベンジルホスホン酸ジエチル2.9重量部を加え溶解した。その後、カリウム‐t−ブトキシド1.38重量部を加え、室温で10時間撹拌した。反応後、トルエン50ml、水100mlを加え、不溶物をろ過した。トルエン層を乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的の例示化合物10を3.5重量部得た。
(合成例2)
合成例1における3−メチルベンジルホスホン酸ジエチル2.9重量部の代わりに、4−イソプロピルベンジルホスホン酸ジエチル3.3重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして合成を行い、例示化合物11を3.7重量部得た。
(合成例3)
合成例1における3−メチルベンジルホスホン酸ジエチル2.9重量部の代わりに、3−メチルベンジルホスホン酸ジエチル3.6重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして合成を行い、例示化合物12を2.9重量部得た。
[電界発光素子の作製]
(実施例1)
ガラス基板上にITO膜を備えるITOガラス複合基板を用意し、そのITO膜を2mm幅の帯状にエッチングして、ストライプ状のITO電極(陽極)を形成した。このITOガラス複合基板をイソプロパノール(電子工業用、関東化学製)で超音波洗浄した後、スピンコーターで乾燥させた。
次に、ITOガラス複合基板のITO電極が形成された面上に、昇華精製した銅フタロシアニンを真空蒸着することにより0.015μm厚の薄膜を形成し、次いで、アリールアミン化合物(例示化合物10)を真空蒸着することにより0.050μm厚の薄膜を形成した。このようにして、ITO電極上に2層構造の正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、発光材料として上記式(II−1)で表される化合物を真空蒸着することにより0.065μm厚の発光層を形成した。
更に、発光層上に、Mg−Ag合金を共蒸着により真空蒸着して、2mm幅、0.15μm厚のストライプ状のMg−Ag電極(陰極)を形成した。ITO電極とMg−Ag電極とは、それぞれの延在方向が直交するように配置した。このようにして得られた有機電界発光素子の有効面積は0.04cmであった。
(実施例2)
実施例1と同様にして、ITOガラス複合基板をエッチングしてITO電極(陽極)を形成し、洗浄及び乾燥を行った。
次に、実施例1と同様のアリールアミン化合物(例示化合物10)1重量部と、ポリ(N−ビニルカルバゾール)4重量部と、発光材料としての上記式(II−1)で表される化合物0.1重量部とを、固形分が10重量%となるようにジクロロエタンに加えて溶液を調製した。その溶液を0.1μmのPTFEフィルターで濾過し、濾液をITOガラス複合基板のITO電極が形成された面上にスピンコーター法により塗布し、乾燥させて、膜厚約0.15μmの発光層を形成した。
更に、発光層上に、Mg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚のストライプ状のMg−Ag電極(陰極)を形成した。ITO電極とMg−Ag電極とは、それぞれの延在方向が直交するように配置した。このようにして得られた有機電界発光素子の有効面積は0.04cmであった。
(実施例3)
実施例1と同様にして、ITO電極及び正孔輸送層の形成を行った。
次に、正孔輸送層上に、上記式(III−1)で表される化合物を真空蒸着することにより、厚さ0.065μmの発光層を形成した。
次に、発光層上に、上記式(IV−1)で表される化合物を真空蒸着することにより、厚さ0.030μmの電子輸送層を形成した。
更に、発光層上に、Mg−Ag合金を共蒸着により真空蒸着して、2mm幅、0.15μm厚のストライプ状のMg−Ag電極(陰極)を形成した。ITO電極とMg−Ag電極とは、それぞれの延在方向が直交するように配置した。このようにして得られた有機電界発光素子の有効面積は0.04cmであった。
(実施例4)
実施例1における例示化合物10の代わりに例示化合物11を用いたこと以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
(実施例5)
実施例2における例示化合物10の代わりに例示化合物11を用いたこと以外は、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製した。
(実施例6)
実施例1における例示化合物10の代わりに例示化合物12を用いたこと以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
(比較例1)
実施例1における例示化合物10の代わりに下記式(VII)で表される化合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
(比較例2)
実施例1と同様にして、ITOガラス複合基板をエッチングしてITO電極(陽極)を形成し、洗浄及び乾燥を行った。
次に、ポリビニルカルバゾール(PVK)2重量部と、上記式(III−1)で表される化合物0.1重量部と、上記式(IV−1)で表される化合物1重量部とを、それらの合計が10重量%となるようにジクロロエタンに加えて溶液を調製した。その溶液を0.1μmのPTFEフィルターで濾過し、濾液をITOガラス複合基板のITO電極が形成された面上にディップ法により塗布し、乾燥させて、約0.15μm厚の発光層を形成した。
更に、発光層上に、Mg−Ag合金を共蒸着により真空蒸着して、2mm幅、0.15μm厚のストライプ状のMg−Ag電極(陰極)を形成した。ITO電極とMg−Ag電極とは、それぞれの延在方向が直交するように配置した。得られた有機電界発光素子の有効面積は0.04cmであった。
(素子特性の評価)
実施例1〜6及び比較例1〜2の各有機電界発光素子について、以下のようにして素子特性を評価した。
真空中(0.133Pa)でITO電極とMg−Ag電極との間に直流電圧を印加して発光させ、そのときの最高輝度、及び発光色を評価した。それらの結果を表9に示す。
また、乾燥窒素中で有機電界発光素子の発光寿命の測定を行った。発光寿命の評価は、初期輝度が50cd/mとなるように電流値を設定し、定電流駆動により輝度が初期値から半減するまでの時間を素子寿命とした。この時の駆動電流密度を素子寿命と共に下記表6に示す。
表9に示したように、実施例1〜6の有機電界発光素子は、高輝度であり、素子寿命が長いことがわかる。
本発明の電界発光素子の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電界発光素子の他の実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1…絶縁性基板、2…下部電極(陽極)、3…正孔輸送層、4、5…発光層、6…上部電極(陰極)。

Claims (4)

  1. 互いに対向して配置された陽極及び陰極からなる電極対と、該電極対間に設けられた、下記一般式(I−1)で表されるアリールアミン化合物を含有する第1の有機層と、を有することを特徴とする電界発光素子。


    [式中、Ar は未置換のビフェニル基、Rは水素原子、又は未置換のフェニル基、Rメチル基又は(イソ)プロピル基で置換されたフェニル基、Rは水素原子、をそれぞれ表す。]
  2. 前記第1の有機層の前記陽極と反対側に、発光用ドーパント材料を含有する第2の有機層を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の電界発光素子。
  3. 前記第1の有機層が発光用ドーパント材料を更に含有することを特徴とする、請求項1に記載の電界発光素子。
  4. 前記第1の有機層が結着樹脂を更に含有することを特徴とする、請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の電界発光素子。
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