JP4733925B2 - 運行規制判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、降雨によって発生が予想される土砂災害の予知に基づく警報の発生のための運行規制判定方法に関し、特に、過去における土砂災害の危険度データを評価しながら土砂災害の予知を行う運行規制判定方法に関する。
従来より、降雨時において土砂災害の危険度を判断して警報を発令するための指標として、単位時間ごとの雨量を示す時間雨量、1日の総雨量を示す日雨量、あるいは降り始めから現在までの累積総雨量などのような便宜的な雨量値が用いられている。これらの雨量値は、災害予知に使用するのか農耕作業などの予報に使用するのかといった使用目的を特定しない一般的な測定値であるため、必ずしも土砂災害に対する危険度を適切に反映することができない。そのため、これらの雨量値に基づいた警報では、災害発生を的確に予知することができなかったり予知情報が空振りとなることも多く、結果的に、土砂災害を予知するための的中率が低くなって過剰に列車の運行を制限してしまうここともなしとしないものであった。
なお、多くの災害事例の場合、土砂災害は、降雨の浸透、貯留、流下によって生じる土中の水収支と密接に関連して発生すると考えられている。このような水収支の時間的な推移を降雨履歴に基づいてモデル化した雨量値として実効雨量が知られている。実効雨量とは、雨が降ってからの経過時間に応じて降雨量を指数関数的に減じた積算雨量である。図9は、実効雨量とその半減期を示す概念図である。図9に示すように、実効雨量は、上端を受水面として下部に流出孔の空いたタンク内の水位の変化を模擬するものであり、水位が半分に減少するまでの時間を実効雨量の半減期という。
図9のような実効雨量のモデルは、多段階構成のタンクの水位を模擬した一般のタンクモデル水位に容易に拡張することができる。図10は、三段のタンクモデルによって土壌雨量指数を求める概念図である。例えば、気象庁により提案されている土壌雨量指数は、図10に示すような直列三段のタンクモデル水位の特殊な場合である。なお、土壌雨量指数とは、現実に降った雨の土壌中の貯留量と過去に土砂災害が発生したときの貯留量とを比較し、現在の土砂災害の危険度を推定して6時間先までの危険度を予測するための指数である。(平成14年2月気象庁発行の気象ガイドブック参照)
また、現行の実効雨量あるいは土壌雨量指数を用いた土砂災害警報については、これまでに多くの研究がなされている。これらの土砂災害に関する研究内容は、例えば、下記の非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、及び非特許文献5などに報告されている。つまり、これらの非特許文献によって、実効雨量や土壌雨量指数を用いた降雨時における土砂災害警報の有効性が確認されていると共に土砂災害警報に関する実用化の事例も幾つか報告されている。なお、これらの土砂災害警報に関する実用化事例による警報発令の方法は、おおよそ次のように類型化することができる。
(1)土砂災害の危険度指標として実効雨量を用いる。このとき、対象とする地域や区間の土中水収支特性及び災害発生履歴に最もよく適合するモデル・パラメータである実効雨量の半減期及び雨量限界値をあらかじめ決め、そのときの雨量が雨量限界値を超過したら警報を発令する。なお、危険度指標とは、降雨による土砂災害の発生を予測して警報を発令するための指標である。また、半減期とは、降雨による雨量の影響の度合いが半分になるまでの時間であり、降雨した雨量が土砂の粒度や粘度などに浸透する状況によって決まる時間である。
(2)土砂災害の危険度指標として土壌雨量指数を用いる。このとき対象とする地域や区間の災害発生履歴に最もよく適合する雨量限界値をあらかじめ決め、そのときの雨量が雨量限界値を超過したら警報を発令する。
(3)土砂災害の危険度指標として長短2種類の半減期の実効雨量、あるいは実効雨量と時間雨量からなる2つの雨量値の組み合わせを用いる。これらの雨量値の限界値を、実効雨量と時間雨量の両雨量値間の依存関係を仮定した限界雨量線として定め、雨量が限界雨量線領域を超過したら警報を発する。
土木学会第58回年次学術講演会資料『降雨時列車運転規制に用いる危険指標の選択について』(平成15年9月) JR EAST Technical Review,1999年,VOL.42,No.12『降雨時における列車運行ダウンタイム短縮に関する研究』 JR EAST Technical Review.03-Spring.2003『実行雨量を用いた降雨警報の有効性の検証』 平成15年度砂防学会研究発表会概要集『鉄道災害発生と降雨の関係について』 基礎工 2001年2月号 『降雨による斜面・のり面災害に対する列車運転規制の考え方』
しかしながら、現行の実効雨量あるいは土壌雨量指数を用いた土砂災害警報についてはそれぞれ次のような不具合がある。
(1)土砂災害の危険度指標として実効雨量を用いる場合は、実効雨量の半減期の値として、対象地域、対象区間、あるいは当てはめデータ毎に異なった半減期を用いる必要性を生じる場合がある。そのため、半減期の決定根拠が曖昧となったり、過去のデータを見ながら半減期を決めなければならないので、半減期の決定手続きが煩雑となるなどの不具合が生じる。
(2)土砂災害の危険度指標として土壌雨量指数を用いる場合は、モデルのパラメータが予め特定の値(雨量限界値)に固定されているため、対象地域、対象区間、あるいは災害形態の違いを警報基準に反映させる上で柔軟性に乏しい。つまり、全ての土砂災害に対して画一的な警報となってしまい、対象地域や対象区間や災害形態の違いに柔軟に対応した警報を発令することができない。
(3)土砂災害の危険度指標として長短2種類の半減期の実効雨量、あるいは実効雨量と時間雨量からなる2つの雨量値の組み合わせを用いる場合は、時間軸の表示が失われるために過去の経過が分からなくなるので、雨量の推移からだけでは警報発令を予測することが困難である。また、雨量と土砂災害の危険度との関係を示す限界雨量線の設定が悉意的になりやすい。つまり、限界雨量線の設定が個人的判断または降雨地域の状況などによってバラツキやすい。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、異なる半減期を持つ複数の実効雨量を組み合わせて用いることによって土砂災害の危険度評価を行い、最適な危険度指標を表示して的確に土砂災害の予知に基づく警報の発令を行う運行規制判定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、降雨により発生が予想される土砂災害を予知するための運転規制判定方法であって、運転規制値として設定された時雨量及び連続雨量と、土砂災害を予知する対象地域又は対象区間における過去の降雨の時系列データと降雨災害発生の日時データと、過去の運転規制日時データと、降雨直後の最大積算雨量から、土砂による吸水量の時間的な推移によって前記最大積算雨量を指数関数的に低減させる実効雨量と、前記最大積算雨量が半分になるまでの時間である半減期と、を用い、コンピュータにより、候補となる複数の長さの時間スケールを半減期とするそれぞれの実効雨量の時系列値を算出し、前記候補となる複数の時間スケールにおけるそれぞれ実効雨量が災害時の雨量を上回る超過時間の積算値(超過時間)を計算し、もっとも超過時間の小さい実効雨量の時間スケールを最適値の判断のための最適な半減期として選択し、全ての災害について前記判定を行い、前記選択された半減期から、前記降雨災害発生の日時データに基づく過去の事故発生件数により、重み係数を決定し、前記複数の長さの時間スケールのそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における実効雨量が、対応する前記それぞれの実効雨量の時系列値を超過した時間を計算し、その超過した時間の積算値を積算値1として計算し、前記複数の長さの時間スケールのそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における実効雨量が前記降雨災害発生の日時データに基づく雨量超過しない回数を見逃し回数1として計算し、前記過去の降雨の時系列データが前記運転規制値を超過した時間の積算値を積算値2として計算し、前記降雨災害発生の日時データに基づく雨量が運転規制値を超過している日時において、前記過去の運転規制日時データに該当しない回数の積算回数を見逃し回数2として計算し、前記見逃し回数1が前記見逃し回数2より少なく、かつ、前記積算時間1が前記積算時間2より短い場合に、前記複数の長さの時間スケールにそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における実効雨量をそれぞれの新しい運転規制値とし、前記それぞれの時間スケールの半減期における実効雨量が前記新しい運転規制値を超過する時間を、前記土砂災害に起因する警報継続時間と決定することを特徴とする。
また本発明は、降雨により発生が予想される土砂災害を予知するための土砂災害の運転規制判定方法であって、運転規制値として設定された時雨量及び連続雨量と、土砂災害を予知する対象地域又は対象区間における過去の降雨の時系列データと降雨災害発生の日時データと、過去の運転規制日時データと、降雨直後から所定の時間が経過したときの積算雨量を最大積算雨量とし、以降は土砂による吸水量の時間的な推移によって前記最大積算雨量を指数関数的に低減させる応答雨量と、前記最大積算雨量が半分になるまでの時間である半減期と、を用い、コンピュータにより、候補となる複数の長さの時間スケールを半減期とするそれぞれの応答雨量の時系列値を算出し、前記候補となる複数の時間スケールにおけるそれぞれ応答雨量が災害時の雨量を上回る超過時間の積算値(超過時間)を計算し、もっとも超過時間の小さい応答雨量の時間スケールを最適値の判断のための最適な半減期として選択し、全ての災害について前記判定を行い、前記選択された半減期から、前記降雨災害発生の日時データに基づく過去の事故発生件数により、重み係数を決定し、前記複数の長さの時間スケールのそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における応答雨量が、対応する前記それぞれの応答雨量の時系列値を超過した時間を計算し、その超過した時間の積算値を積算値1として計算し、前記複数の長さの時間スケールのそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における応答雨量が前記降雨災害発生の日時データに基づく雨量超過しない回数を見逃し回数1として計算し、前記過去の降雨の時系列データが前記運転規制値を超過した時間の積算値を積算値2として計算し、前記降雨災害発生の日時データに基づく雨量が運転規制値を超過している日時において、前記過去の運転規制日時データに該当しない回数の積算回数を見逃し回数2として計算し、前記見逃し回数1が前記見逃し回数2より少なく、かつ、前記積算時間1が前記積算時間2より短い場合に、前記複数の長さの時間スケールにそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における応答雨量をそれぞれの新しい運転規制値とし、前記それぞれの時間スケールの半減期における応答雨量が前記新しい運転規制値を超過する時間を、前記土砂災害に起因する警報継続時間と決定することを特徴とする。
上記構成によれば、実行雨量または応答雨量とその半減期とを用いて、実効雨量または応答雨量について、半減期の候補に対して災害時の雨量を上回る時間の積算値(超過時間)を各災害ごとに計算することにより複数の指標を求め、さらに最も超過時間の小さくなる指標を求め、各指標が最適となった件数によって重み係数を決定することができる。また、この重み係数を乗じて得られた雨量が半減期の候補の対応する雨量を超過した時間による積算値、あるいは、超過しない場合を見逃し回数として算出し、これを各々の基準値と比較することができる。
また本発明は、前記見逃し回数2を任意に指定し、前記候補となる時間スケールをインクリメントまたはデクリメントさせ、前記見逃し回数1が見逃し回数2より大きくならないような前記新しい運転規制値及び警報継続時間を算出し、現行の警報継続時間に対する警報継続時間の低減効果の平均及び分散が最小となるものを最適な複数の長さの時間スケールと現行に対する補正後警報継続時間の低減効果の平均及び分散が最小となるものを最適半減期の組合せパターンとすることを特徴とする。
上記構成によれば、規制時間と見逃し回数とが最小となる組み合わせを求めることができる。
本発明における運転規制判定方法は、降雨による土砂災害の危険度指標として実効雨量又は応答雨量を用いているので、土壌雨量指数に比べてパラメータを自由に設定することができるため、土砂災害の危険度指標の設定を容易に行うことが可能となる。さらに、半減期の異なる複数の実効雨量や応答雨量を組み合わせて用いることにより、災害ごとに発生しやすい降雨パターンの多様性を反映させることができる。また、半減期の異なる複数の実効雨量や応答雨量による複数の危険度指数の限界値は相互に依存性がないので、何れかの半減期の実効雨量や応答雨量による危険度指数の限界値を超越したときには個別に警報を発令することができる。これによって、限界雨量線の設定バラツキがなくなるので、正確に土砂災害の予知を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明における運行規制判定方法の実施の形態について詳細に説明するが、まず本発明における運行規制判定方法の概要について述べる。本発明における運行規制判定方法では、降雨による土砂災害の危険度指標として実効雨量又は応答雨量を用いる。つまり、実効雨量や応答雨量は土壌雨量指数に比べてパラメータ設定の自由度が大きいので、土砂災害の危険度指標の設定を容易に行うことができる。さらに、異なる半減期をもつ複数の実効雨量や応答雨量を組み合わせて土砂災害の警報基準を構成する。つまり、半減期の異なる複数の実効雨量や応答雨量を組み合わせて用いることにより、災害ごとに発生しやすい降雨パターンの多様性を反映させることができる。また、半減期の異なる複数の実効雨量や応答雨量による複数の危険度指標の限界値には相互依存性を仮定せず、それぞれの危険度指標の限界値を独立的に扱う。つまり、現在の雨量が何れかの半減期の実効雨量や応答雨量による危険度指標の限界値を超過したときには個別に警報を発令するようにする。これによって、恣意的な限界雨量線を設定する必要がなくなる。さらに、土砂災害の警報画面を時系列的な表示内容とする。これによって、雨量情報に基づく土砂災害の警報発令予測を容易に行うことができる。
なお、実効雨量や応答雨量の計算式については後述するが、実効雨量とは、雨が降った直後に雨量値が最大となり、経過時間に応じて雨量値が指数関数的に低減するような積算雨量であり、応答雨量とは、雨が降ってから所定の時間が経過した後に雨量値が最大となり、以降は雨量値が指数関数的に低減するような積算雨量である。つまり、雨が降った直後に雨水が土砂へ浸透するような地域においては実効雨量を用い、雨が降ってから時間遅れをもって雨水が土砂へ浸透するような地域おいては応答雨量を用いる。
次に、本発明における運行規制判定方法の実施の形態を詳細に説明するが、理解を容易にするために複数の半減期を有する実効雨量を用いて警報発令を行う場合について説明する。まず、異なる半減期をもつ複数の実効雨量を組み合わせて土砂災害の警報基準を実現する根拠について述べる。図1は、1982年の長崎豪雨における降雨と斜面崩壊の関係を示す特性図である。つまり、図1は、横軸に崩壊発生時の平均雨量強度(mm/h)をとり、縦軸に崩壊発生までの降雨量積算値(mm)をとって、各地域における山崩れ・崖崩れの状況をプロットしたものである。また、プロットされた位置に示す数字はその場所の近郊における崩壊発生箇所の個数である。さらに、破線(イ)は崩壊発生の限界雨量を示す限界雨量線である。
図1において、破線(ロ)で囲った特殊な地質(シラスなど)からなる一部地域の崩壊を除けば、斜面崩壊発生の基準となる限界雨量線を破線(イ)のように引くことができる。この破線(イ)の限界雨量線のラインは、平均雨量強度(横軸)が小さくても降雨量積算値(縦軸)が多ければ斜面は崩壊しやすいことを示している。つまり、長期に亘って雨が続けばたとえ弱い雨であっても斜面が崩壊することを示している。また、この破線(イ)のラインは、降雨量積算値(縦軸)が小さくても平均雨量強度(横軸)が大きくなれば斜面は崩壊することを示している。つまり、累積雨量が少なくても強い雨が短時間に降れば斜面が崩壊することを示している。
このようにして、長期的な降雨の状況を表す指標を縦軸にして短期的な降雨の状況を表す指標を横軸にし、降雨と斜面崩壊の統計をとると図1の限界雨量線(イ)が得られる。言い換えれば、図1の限界雨量線(イ)は、弱い雨でも長期に亘って降れば累積雨量が多くなって斜面崩壊が発生すると共に、強い雨が降れば必ずしも累積雨量は多くなくても斜面崩壊は起こり得ることを示している。このように、長期的な降雨の状況を表す指標(つまり、半減期の長い雨量の指標)と、短期的な降雨の状況を表す指標(つまり、半減期の短い雨量の指標)とを縦軸と横軸にして、降雨と斜面崩壊の統計をとって限界雨量線(イ)を引き、複数の半減期を有する雨量を用いることによって、降雨現場の実情にマッチした土砂災害の警報発令を的確に行うことができる。たとえ晴天が続いても地中の水分はすぐには無くならないことや、豪雨による雨水は地中を流れれば大きな浸透力を生み、地表を流れれば侵食を起こすことなどを考慮すれば、土砂災害の予知を行う場合に長期的な指標(つまり、半減期の長い雨量の指標)と短期的な指標(つまり、半減期の短い雨量の指標)の二つの指標を用いることがベターであることは容易に理解できる。
図2は、1993年の鹿児島豪雨における斜面崩壊、及び1997年の出水の土石流と2003年の水俣の土石流による降雨と斜面崩壊の関係を示す特性図である。つまり、図2は、横軸に最大時間雨量(mm)をとり、縦軸に半減期が2週間の実効雨量(mm)をとって、各地域における斜面崩壊・土石流の状況をプロットしたものである。また、図2の破線(イ)は斜面崩壊及び土石流発生の限界雨量を示す限界雨量線である。図2の場合も、図1と同様にして災害発生の限界雨量を示す限界雨量線(イ)を引くことができる。なお、水俣における崩壊のプロットが右下に位置することより、そのときの災害が突発的な強い雨によってもたらされたことが分かる。
図1及び図2に示すように過去の土砂災害の統計に基づいて作成した限界雨量線(イ)により、長い半減期を有する雨量と短い半減期を有する雨量という、少なくとも2つの異なる半減期を持つ雨量を組み合わせて土砂災害の警報基準を構成することによって、より確実に土砂災害の警報予知を行うことができる。なお、異なる半減期を持つ雨量を3個以上の複数個で組み合わせれば、さらに正確に土砂災害の警報予知を行うことができることは云うまでもない。また、雨量として実効雨量を用いれば、土壌の粒度や粘度などに応じて雨が降ってからの経過時間による積算雨量を補正することができるので、災害毎に発生しやすい降雨パターンの多様性を反映させて、より正確に土砂災害の警報予知を行うことができる。もちろん、雨量として応答雨量を用いても、災害毎に発生しやすい降雨パターンの多様性を反映させ、より正確に土砂災害の警報予知を行うことができることは云うまでもない。
次に、本発明における運行規制判定方法の具体的な警報基準を構築するための手順について説明する。
(1)まず、準備段階として、過去における土砂災害の警報例を知るために、土砂災害を予知する対象地域や対象区間の過去の降雨時系列データと降雨災害発生の日時データを準備する。
(2)次に、組み合わせて用いる実効雨量の各半減期の候補を設定する。例えば、半減期1.5h、半減期6h、半減期24hのそれぞれの実効雨量を設定する。
(3)さらに、災害毎の最適半減期(実効雨量を用いて土砂災害の警報を有効に発するために必要な警報持続時間が最も短くなることが期待できる実効雨量の半減期)に着目し、各半減期を最適とする最適半減期の災害件数を調査する。なお、従来は、基本的には災害を捕捉するための雨量の限界値のみに着目していた。
(4)次に、基準となる任意の時間に各危険度指標の半減期が最適となる(つまり、最適半減期の)災害件数に応じた重みを乗じた時間を各危険度指標の警報継続時間とし、これに対応する各危険度指標の限界雨量値を算出する。例えば、過去10回の災害において、半減期が1.5時間の災害が1回、半減期が6時間の災害が7回、半減期が24時間の災害が2回あったとすると、半減期が1.5時間の災害については1/10の重み付け、半減期が6時間の災害については7/10の重み付け、半減期が24時間の災害については2/10の重み付けをそれぞれ行う。これによって、各警報継続時間は、半減期が1.5時間の災害については1.5/10時間=0.15時間、半減期が6時間の災害については6×7/10=4.2時間、半減期が24時間の災害については24×2/10=4.8時間をそれぞれ最適半減期とし、それぞれの時間(最適半減期)に対応する各危険度指標の限界雨量値を算出する。
(5)さらに、異なる複数の半減期の実効雨量の組み合わせによる警報の発令・解除の規制を行う。このとき、複数の半減期の実効雨量のうち何れかが危険度指標の限界雨量を超過したら直ちに警報発令を行う。また、全ての半減期の実効雨量が危険度指標の限界雨量を超過しないときは警報解除を行う。そして、災害発生時刻における警報発令の有無を全ての災害について調査する。
(6)次に、全災害件数中において見逃しを許容する件数を任意に指定し、前述の(4)の基準となる任意の時間をインクリメントまたはデクリメントさせ、組み合わせ実効雨量を用いた警報基準の災害見逃し件数がこの許容件数より大きくならないようにしたときの補正後警報継続時間を算出する。
(7)そして、上記の(1)〜(6)で行った手順を全ての対象地域、対象区間について繰り返す。
(8)さらに、上記の(7)で行った手順を任意の半減期の組み合わせパターンについて繰り返す。
(9)そして、上記の(1)〜(8)の手順を経た結果、現行に対する警報継続時間の低減効果の平均及び分散が最も小さくなるものを最適半減期の組み合わせパターンとする。なお、各半減期の実効雨量の限界雨量はすでに算出済みであるものとする。
次に、本発明による土砂災害の警報予知について具体的に説明するために、本発明で適用される実行雨量及び応答雨量についてさらに詳しく説明する。実効雨量は、雨が降ったときを最大雨量値として降ってからの経過時間に応じて降雨量を指数関数的に減じた積算雨量であり、応答雨量は、雨が降ってから所定の時間が経過したときを最大雨量値とし、その後は経過時間に応じて降雨量を指数関数的に減じた積算雨量であり、何れも降雨による土砂災害の危険度指標の代表的なものである。なお、以下の説明では、鉄道において土砂災害発生時に列車の運転規制を行う場合を想定したときの実行雨量と応答雨量について説明する。
通常、鉄道で使用されている鉄道雨量計の時雨量及び連続雨量を指標として用いた現行の運転規制基準値の設定を元にして、本発明では実効雨量値と応答雨量値を指標として用いた運転規制基準値の設定を行う。なお、時雨量とは、任意の時刻における過去1時間の積算雨量値であり、連続雨量とは、任意の時刻に対して、降雨が12時間以上の中断を伴わずにその時刻まで継続したときの積算雨量値である。
実効雨量及び応答雨量は基本的には次の式(1)で与えられる。
Figure 0004733925
ここで、tは任意の時刻、Rn(t)は時刻tにおける実効雨量又は応答雨量、Y(τ)は時刻τの降雨量強度である。また、関数の形状を定めるパラメータとして時定数T(半減期H)と正の整数nがある。なお、時定数Tと半減期Hの間には、T=H/1n2の関係があり、これらは雨量の減衰率をあらわす。すなわち時定数T(つまり、半減期H)の値が大きいほど降雨の影響が以後の時刻に長く残ることを示している。正の整数nは応答遅れの次数を表す自然数であり、n=1であれば、降雨のあったその時刻に直ちに降雨の影響が現れ、雨量値は同時刻で最大になる。一方、正の整数nが大きくなるにつれて最大雨量の現れる時刻は実際に降雨のあった時刻から離れて遅くなっていく。
ここで、n=1の場合の雨量を実効雨量と呼び、この実効雨量は降雨の直後に最大雨量値となり、それ以降は時間と共に雨量値が指数関数的に減少してゆく。このとき、半減期Hは雨量値が半分に減衰する時間である。また、上記の式(1)において実効雨量Rn(t)が表わしている意味を考えると、時刻τの降雨量強度Y(τ)に現在時刻までの経過時間(t−τ)に応じた減少率exp(−(t−τ)/T)を掛け合わせ、それを過去から現在時刻まで加算した総和を意味している。このような実効雨量は、土砂の吸水状態(例えば、土砂の粒度や粘度など)を考慮した土砂災害に直接影響する積算雨量であって現場の実際の状況に則した危険度指標として一般に利用されている。
一方、n>1(但し、nは整数)の場合の雨量を応答雨量と呼び、この応答雨量は降雨の直後から所定の時間が経過した後に最大雨量値となり、それ以降は時間と共に雨量値が指数関数的に減少してゆく。このとき、最大雨量値が表われる所定の時間は土砂の粒度や粘度などの吸水状態によって決定される。
また、コンピュータを用いて実効雨量R(t)を計算する場合は次の式(2)を用い、コンピュータを用いて応答雨量Rn(t)を計算する場合は次の式(3)を用いる。
Figure 0004733925
Figure 0004733925
なお、式(3)において、計算上pの値は192時間を用いた。
図3は、コンピュータを用いて計算した半減期ごとの実効雨量の減衰特性を示す図である。つまり、図3は、上記の式(2)に基づいて計算した半減期ごとの実効雨量の特性であり、横軸に時刻(h)をとり、縦軸に雨量(mm)をとったときの、時雨量と、半減期1.5h、半減期6h、及び半減期24hの実効雨量の特性をプロットして示したものである。図3に示すように、時雨量の積算値が1時間に1mmである場合、半減期1.5hの実効雨量で表わすと、最初の1時間の実効雨量の積算値が0.45mmの場合に、半減期である1.5時間が経過したときに(つまり、2.5hの目盛りの時刻のときに)実効雨量の積算値が0.22mm(最初の積算値の半分)に減衰するような特性を示している。同様にして、半減期6hの実効雨量で表わすと、最初の1時間の実効雨量の積算値が0.1mmの場合に、半減期である6時間が経過したときに(つまり、7.5hの目盛りの時刻のときに)実効雨量の積算値が0.05mm(最初の積算値の半分)に減衰するような特性を示している。さらに同様にして、半減期24hの実効雨量で表わすと、24時間の経過後に最初の1時間の積算雨量が半分になるような減衰特性を示している。
図4は、コンピュータを用いて計算した半減期ごとの応答雨量の減衰特性を示す図である。つまり、図4は、上記の式(3)に基づいて計算した半減期ごとの応答雨量の特性であり、横軸に時刻(h)をとり、縦軸に雨量(mm)をとったときの、時雨量と、半減期1.5h、半減期6h、及び半減期24hの応答雨量の特性をプロットして示したものである。図4に示すように、半減期1.5hの場合は応答遅れがないので(n=1と見なせるので)、応答雨量は図3の実効雨量と同じ特性を示している。しかし、半減期6hの応答雨量はnが1より大きい整数となるので、降雨時から4時間後付近で最大雨量値が表われ、その後の雨量値は時間と共に減衰してゆく。また、半減期24hの応答雨量の場合は、nの値が半減期6hのときよりさらに大きくなるので、応答遅れはさらに大きくなり降雨時から7時間後の付近で最大雨量値が表われ、その後は雨量値が時間と共に減衰してゆく。
次に、列車の運転規制基準値を設定するときの使用データについて説明する。まず、列車の運転規制基準値を設定する前に、災害時刻データベースに格納されている災害時刻データを次の手順で整理・加工する。(1)災害発見時刻の根拠データは、MARS災害データに対して別途に収集したデータベースのデータを数種類加えたデータとする。(2)記録上、災害の発見時刻が0:00となっている災害データは時刻不明として該当データを不採用とする。(3)記録上、災害の発見時刻(分単位まで)が同一である複数の災害データについては1件の同一災害データとして扱う。(4)計算において時刻が分単位の数字は切り捨てる。すなわち、h時m分は、h時0分と同一視する。分単位の数字を切り捨てる理由は、使用する雨量データが時雨量であること及びデータベースに記載されている災害データの発見時刻の若干の曖昧さを考慮するためである。また、同様の理由で、災害の発見時刻の1時間前、2時間前にも災害が発生したと考えて、1災害につき2つの仮想災害を加える。これによって計算に用いる災害数は実際に採用された災害データの3倍となる。
また、通常、鉄道で使用される鉄道雨量計は20年程度使用しているので、これらの鉄道雨量計で測定した雨量値データは、気象庁のアメダス雨量計に基づいてデータの補正を行う。
次に、現行の列車運転規制基準に基づいて運転中止及び速度規制を行うときの時雨量と連続雨量の規制発令基準値について述べる。図5は、現行の時雨量及び連続雨量による列車運転規制値の概念を示す特性図である。図5において、横軸に連続雨量、縦軸に時雨量をとり、横軸のX1、X2、X3は連続雨量に対する規制発令基準値、縦軸のYl、Y2、Y3は時雨量に対する規制発令基準値を示している。一例を挙げると、連続雨量がX1(例えば、150mm)以下であっても時雨量がY1(例えば、40mm)以上であれば運転規制を行い、連続雨量がX2(例えば、200mm)以下であっても時雨量がY2(例えば、35mm)以上であれば運転規制を行い、さらに、連続雨量がX3(例えば、300mm)以下であっても時雨量がY3(例えば、10mm)以上であれば運転規制を行う。つまり、図5において連続雨量X1〜X3と時雨量Y1〜Y3で囲まれた領域の中にあるときは平常運転を行い、領域の外にあるときは運転規制を行う。なお、運転規制とは、列車の運転中止であってもよいし、速度規制であってもよいし、あるいは警戒発令であってもよい。また、運転中止、速度規制、警戒発令によって連続雨量及び時雨量の設定値を個別に変えることもできる。
図5のような現行の運転規制基準値に対してアメダス雨量計の補完データを適用し、運転規制の規制時間と災害見逃し件数を算出するが、その際、補完データの時雨量は運転規制値に1.5倍を掛けた値を用いる。これは、あくまで正時の値を示す時雨量に対し、過去1時間の間に短時間でより強い強度の降雨があった可能性を想定したためである。
次に、複数の半減期の実効雨量又は応答雨量を組み合わせたときの運転規制値の算出プログラムについて説明する。図6は、本発明において、複数の半減期の実効雨量値又は応答雨量値を組み合わせたときの運転規制値算出プログラムの流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、大きく分けて、(A)データ入力の処理フロー、(B)実効雨量又は応答雨量の計算処理フロー、(C)超過時間による重み係数の設定フロー、(D)現行の運転規制値での規制時間と災害見逃し件数の算出フロー、及び(E)現行の運転規制より運転規制時間の短くなる実効雨量指標値又は応答雨量指標値を探し出すフローに大別されている。
まず、(A)のデータ入力の処理フローにおいて、対象となる雨量計の時雨量時系列データを入力し(ステップS1)、さらに災害時刻データを入力する(ステップS2)。
次に、(B)の実行雨量・応答雨量の計算処理フローにおいて、実効雨量・応答雨量のパラメータとして、時定数T(半減期H)、正の整数n、及びs,m,l(但し、s<m<l)の3種類の時間スケールを入力する(ステップS3)。そして、時間スケールs,m,lについて実行雨量又は応答雨量の計算を行う(ステップS4)。さらに、時系列から順序標本を作製する。つまり、時系列の大きい順に並べ替える(ステップS5)。
すなわち、(B)の実行雨量・応答雨量の計算処理フローにおいては、実効雨量あるいは応答雨量を指標として用いる際に、時間スケールの異なるパラメータを持つ2種類又は3種類の関数を1セットとして考え、これらの指標の雨量の何れか一つでも運転規制の基準値を上回った場合は運転規制をかける。このとき、これら3種類の実効雨量あるいは応答雨量の指標を時間スケールの短い順にs、m、lとする。例えば、実効雨量なら、短い時間スケールsとして(n、H)=(1、3)、中間の時間スケールmとして(n、H)=(1、6)、長い時間スケール1として(n、H)=(1、24)という組み合わせを行う。また、応答雨量についても、同様に、(n、T)の組み合わせを与える。但し、時定数Tと半減期Hの間には、T=H/1n2の関係があるものとする。このようにして複数の実行雨量又は応答雨量の指標を用いる理由は、土砂災害を引き起こす降雨現象の時間スケールが様々である場合に捕捉率を高めるためである。(B)の実行雨量・応答雨量の計算処理のプログラムでは、2種類又は3種類の実効雨量又は応答雨量を計算し、後のルーチンで用いるために値の大きい順に並び替えた2つ又は3つの順序標本を作成する。
次に、(C)の超過時間による重み係数の設定フローにおいて、時間スケールs、m、lの各時系列において、災害時の雨量を上回る雨量を持つ時間(超過時間)を全災害について計算する(ステップS6)。そして、ある災害について、時間スケールs、m、lのうち超過時間が最も小さいものを判定し、その時間スケールを全災害時についてカウントし、その結果を最適指標の件数とする(ステップS7)。さらに、全ての時間スケールs、m、lについて重み係数(ws,wm,wl)を設定し、状況に応じて、重み係数を掛けた最適指標係数を用いるか、重み係数を一定にした係数を用いるかを決定する(ステップS8)。
すなわち、(B)の実行雨量・応答雨量の計算処理フローにおいて時間スケールの異なる2つ又は3つの指標を用意したので、(C)の超過時間による重み係数の設定フローにおいて、実際に発生した災害がこれらのうちどの指標で最もよく捕らえられるか判定する。つまり、該当する運転規制区間において何れの時間スケールの実効雨量指標又は応答雨量指標がより土砂災害を捕らえやすいかを判定し、その成績の良いものを重要度の高いものとして重み係数(ws,wm,wl)をかける。
このとき、重み係数を決めるために、時間スケールs、m、lの各指標においてデータの存在する全期間のうち災害時の雨量を上回る時間の積算値(超過時間)を各災害ごとに計算し、もっとも超過時間の小さい指標を最適な指標と判定する。このような計算を全ての災害について行い、各指標の最適となった件数により重み係数を決定する。時間スケールs、m、lの各指標の最適件数がNs,Nm,Nlであった場合、各指標の重み係数ws,wm,wlは、それぞれ次の式(4)、式(5)、及び式(6)のようになる。
ws=(Ns+1)/(Ns+Nm+Nl+3) (4)
wm=(Nm+1)/(Ns+Nm+Nl+3) (5)
wl=(Nl+1)/(Ns+Nm+Nl+3) (6)
ここで、式(4)、式(5)、及び式(6)において分母に3、分子に1を加えるのは、最適件数が0となる指標でも災害を捕らえうる可能性があり、重みが0になることを避けるためである。
また、3つの時間スケールs、m、lの指標ではなく、2つの時間スケールの指標s、mを用いるときは、各重み係数ws、wmを次の式(7)、式(8)によって計算する。
ws=(Ns+1)/(Ns+Nm+2) (7)
wm=(Nm+1)/(Ns+Nm+2) (8)
なお、重み係数ws、wm、wlを設定するためにそれぞれの指標の超過時間を算出する際には、採用された災害時刻データが時刻間違いや実際には降雨によらない災害であったなど不適切なデータである場合、その時刻で指標となる雨量値は極端に小さいので超過時間が非常に大きくなってしまうことがある。そのため、超過時間がある値以上に大きい場合はその災害データを不適切なものと判断し、重み係数の設定には使用しない。この超過時間の基準を本実施の形態では7日×24時間とした。また、本実施形態では、上記のような重み係数ws、wm、wlを用いたものと、重み係数を一定としたものの2種類を適宜に用いて計算を行う。
次に、(D)の現行の運転規制値での規制時間と災害見逃し件数の算出フローにおいて、時雨量データから連続雨量を算出する(ステップS9)。そして、図5に示すような現行の運転規制値として、時雨量X1,X2,X3及び連続雨量Y1,Y2,Y3を入力する(ステップS10)。さらに、現行の運転規制システムにおいて、時雨量及び連続雨量が運転規制値を超えた時刻の積算時間T0と、災害時に運転規制のかからなかった(見逃した)災害件数N0を算出する(ステップS11)。これらの積算時間T0と災害件数N0は、次の(E)のフローにおいて実効雨量指標又は応答雨量指標との比較のために用いられる。
次に、(E)の現行の運転規制より運転規制時間の短くなる実効雨量指標値又は応答雨量指標値を探し出すフローにおいて、任意の数(時間)T'を設定して、各超過時間をTs=ws×T'、Tm=wm×T'、及びTl=wl×T'として計算する。そして、時間スケールs、m、lの順序標本から超過時間Ts、Tm、Tlに対応する雨量rs、rm、rlを算出する(ステップS12)。
そして、算出された雨量rs、rm、rlを、時間スケールs、m、lのそれぞれの実効雨量時系列値又は応答雨量時系列値と比較し、時間スケールs、m、lのどれか一つでも実効雨量時系列値又は応答雨量時系列値が雨量rs、rm、rlを越えた時間をカウントする。このときカウントされた超過時間をT1とする。また、事故時の時間スケールs、m、lのそれぞれの実効雨量又は応答雨量が、雨量rs、rm、rlのどれも越えなかった場合は、見逃しと判断して見逃し件数N1をカウントする(ステップS13)。
そして、災害件数N0と見逃し件数N1においてN1<N0であり、かつ時雨量及び連続雨量が運転規制値を超えた時刻の積算時間T0と超過時間T1においてT1<T0であって、超過時間T1が最小となる組み合わせを探し出す(ステップS14)。ここで、N1<N0であり、かつT1<T0であって、超過時間T1が最小となる組み合わせがない場合は(ステップS14でNOの場合)、N1≦N0であって最小の超過時間T1が積算時間T0より大きくなってしまうものがあるか否かを判断する(ステップS15)。
ここで、N1≦N0であって最小の超過時間T1が積算時間T0より大きくなってしまうものがあれば(ステップS15でYESの場合)、見逃し件数N1が災害件数N0を越えない範囲での超過時間T1を算出する。但し、超過時間T1は積算時間T0より大きい(T1>T0)ものとする(ステップS16)。そして、ステップS16で算出された超過時間T1と災害件数N0を与える雨量rs、rm、rlを新しい運転規制値として出力する(ステップS17)。
なお、ステップS14において、N1<N0であり、かつT1<T0であって、超過時間T1が最小となる組み合わせがある場合は(ステップS14でYESの場合)、直接ステップS17に移行して、超過時間T1と災害件数N0を与える雨量rs、rm、rlを新しい運転規制値として出力する(ステップS17)。また、ステップS15において、N1≦N0であって最小の超過時間T1が積算時間T0より大きくなってしまうものがなければ(ステップS15でNOの場合)、ステップS12に戻って前述のステップを繰り返す。
つまり、(E)の現行の運転規制より運転規制時間の短くなる実効雨量指標値又は応答雨量指標値を探し出すフローにおいては、任意の雨量値rを設定し、これに(C)のフローで得た時間スケールの指標s、m、lの重み係数ws、wm、wlを掛けた雨量値rs、rm、rlを実効雨量指標又は応答雨量指標の規制値とし、これによる規制時間をT1、災害見逃し件数をN1とする。そして、任意の雨量値rを様々な値に設定して規制時間T1と災害見逃し件数N1を算出し、災害見逃し件数N1が現行の見逃し件数より小さく、かつ規制時間T1が現行の規制時間より小さくなるような実効雨量指標値又は答雨量指標値を探し出し、これを新しい運転規制値として出力する。この際、災害の該当区間で災害がない場合は、現行のものと同じ程度の規制時間になるような実行雨量指標規制値又は応答雨量指標規制値を算出する。
図7は、土砂災害の対象区間でサンプリングされて演算された複数の半減期の実効雨量のスペクトル図である。つまり、この図は、コンピュータが前述の式(2)を用いて演算した半減期1.5時間、6時間、及び24時間の実効雨量を同一時間軸上に画面表示したスペクトル図である。このようにして半減期の異なる実行雨量を同一時間軸上に並べることによって各半減期の実効雨量の推移を一目で観察することができる。
図8は、複数の実効雨量を用いて降雨時に列車運転規制を行う状態を示す特性図である。図8では、横軸に時刻、縦軸に実効雨量値を示し、半減期1.5時間、6時間、及び24時間の実効雨量の推移が描かれている。また、横軸には、現行の時雨量と連続雨量に基づいて決定された運転中止継続時間T5と、半減期1.5時間、6時間、及び24時間の実効雨量に基づいて決定された運転中止継続時間T1,T2,T3、並びに各半減期を組み合わせた実効雨量に基づいて決定された運転中止継続時間T4が示されている。
つまり、半減期1.5時間の実効雨量特性(a)による運転中止継続時間はT1、半減期6時間の実効雨量特性(b)による運転中止継続時間はT2、及び半減期24時間の実効雨量特性(c)による運転中止継続時間はT3であるので、各半減期を組み合わせた実効雨量による運転中止継続時間はT4となる。一方、現行の時雨量と連続雨量に基づいて決定された運転中止継続時間T5は、雨量が増加し始めた時刻t1から雨量が最大値より減少し始めた時刻t2までの時間である。
ところが、土砂災害の発生は、雨水の浸透などによって雨量が最大値となった時刻より1、2時間ぐらい遅れた時刻t3で発生することがある。そのため、現行の時雨量と連続雨量に基づいて決定された運転中止継続時間T5が過ぎた時刻t3で土砂災害が発生するので、現行の方法では運転中止継続時間中に災害捕捉を行うことができない。しかし、本発明の各半減期を組み合わせた実効雨量による運転中止継続時間T4は、各半減期の実効雨量が最大値から半分に減少した時刻t4まで継続されるので、時刻t3で発生した土砂災害を確実に捕捉することができる。
次に、鉄道会社における土砂災害時の運転規制の具体的な例について説明する。A鉄道会社の営業区域内における640箇所の土砂災害による運転規制区間の過去25年間の災害発生データ及び降雨記録について、本発明による組み合わせ実効雨量を適用した結果、半減期が1.5時間、6時間、及び24時間の3つの指標を用いた場合、現行の運転規制基準に比べて平均で約3割程度まで運転規制時間を短縮することが可能となった。
つまり、降雨時における列車運転規制区間が640区間あったとき、降雨に起因する災害が発生した区間は200区間(31%)、降雨災害が発生しなかった区間は440区間(69%)であった。そこで、降雨に起因する災害が発生した200区間のうち、異なる半減期の実効雨量を組み合わせたことによって生じる警報継続時間の低減効果のある区間は132区間(66%)であり、警報継続時間の低減効果がない区間は68区間(34%)であった。このことから、本発明による組み合わせ実効雨量を適用した場合は、現行の運転規制基準に比べて平均で約3割程度運転規制時間を短縮することができると云える。
1982年の長崎豪雨における、降雨と斜面崩壊の関係を示す特性図である。 1993年の鹿児島豪雨における、斜面崩壊、及び1997年の出水の土石流と2003年の水俣の土石流による降雨と斜面崩壊の関係を示す特性図である。 本発明において、コンピュータを用いて計算した半減期ごとの実効雨量の減衰特性を示す図である。 本発明において、コンピュータを用いて計算した半減期ごとの応答雨量の減衰特性を示す図である。 現行の時雨量及び連続雨量による列車運転規制値の概念を示す特性図である。 本発明において、複数の半減期の実効雨量値又は応答雨量値を組み合わせたときの運転規制値算出プログラムの流れを示すフローチャートである。 本発明における、土砂災害の対象区間でサンプリングされて演算された複数の半減期の実効雨量のスペクトル図である。 本発明における、複数の実効雨量を用いて降雨時に列車運転規制を行う状態を示す特性図である。 実効雨量とその半減期を示す概念図である。 三段のタンクモデルによって土壌雨量指数を求める概念図である。
符号の説明
T1 半減期1.5時間の実効雨量の運転中止継続時間
T2 半減期6時間の実効雨量の運転中止継続時間
T3 半減期24時間の実効雨量の運転中止継続時間
T4 組み合わせ実効雨量の運転中止継続時間
T5 時雨量、連続雨量による運転中止継続時間

Claims (3)

  1. 降雨により発生が予想される土砂災害を予知するための運転規制判定方法であって、
    運転規制値として設定された時雨量及び連続雨量と、土砂災害を予知する対象地域又は対象区間における過去の降雨の時系列データと降雨災害発生の日時データと、過去の運転規制日時データと、降雨直後の最大積算雨量から、土砂による吸水量の時間的な推移によって前記最大積算雨量を指数関数的に低減させる実効雨量と、前記最大積算雨量が半分になるまでの時間である半減期と、を用い、
    コンピュータにより、
    候補となる複数の長さの時間スケールを半減期とするそれぞれの実効雨量の時系列値を算出し、
    前記候補となる複数の時間スケールにおけるそれぞれ実効雨量が災害時の雨量を上回る超過時間の積算値(超過時間)を計算し、
    もっとも超過時間の小さい実効雨量の時間スケールを最適値の判断のための最適な半減期として選択し、
    全ての災害について前記判定を行い、前記選択された半減期から、前記降雨災害発生の日時データに基づく過去の事故発生件数により、重み係数を決定し、
    前記複数の長さの時間スケールのそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における実効雨量が、対応する前記それぞれの実効雨量の時系列値を超過した時間を計算し、その超過した時間の積算値を積算値1として計算し、
    前記複数の長さの時間スケールのそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における実効雨量が前記降雨災害発生の日時データに基づく雨量超過しない回数を見逃し回数1として計算し、
    前記過去の降雨の時系列データが前記運転規制値を超過した時間の積算値を積算値2として計算し、
    前記降雨災害発生の日時データに基づく雨量が運転規制値を超過している日時において、前記過去の運転規制日時データに該当しない回数の積算回数を見逃し回数2として計算し、
    前記見逃し回数1が前記見逃し回数2より少なく、かつ、前記積算時間1が前記積算時間2より短い場合に、
    前記複数の長さの時間スケールにそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における実効雨量をそれぞれの新しい運転規制値とし、
    前記それぞれの時間スケールの半減期における実効雨量が前記新しい運転規制値を超過する時間を、前記土砂災害に起因する警報継続時間と決定することを特徴とする運行規制判定方法。
  2. 降雨により発生が予想される土砂災害を予知するための土砂災害の運転規制判定方法であって、
    運転規制値として設定された時雨量及び連続雨量と、土砂災害を予知する対象地域又は対象区間における過去の降雨の時系列データと降雨災害発生の日時データと、過去の運転規制日時データと、降雨直後から所定の時間が経過したときの積算雨量を最大積算雨量とし、以降は土砂による吸水量の時間的な推移によって前記最大積算雨量を指数関数的に低減させる応答雨量と、前記最大積算雨量が半分になるまでの時間である半減期と、を用い、
    コンピュータにより、
    候補となる複数の長さの時間スケールを半減期とするそれぞれの応答雨量の時系列値を算出し、
    前記候補となる複数の時間スケールにおけるそれぞれ応答雨量が災害時の雨量を上回る超過時間の積算値(超過時間)を計算し、
    もっとも超過時間の小さい応答雨量の時間スケールを最適値の判断のための最適な半減期として選択し、
    全ての災害について前記判定を行い、前記選択された半減期から、前記降雨災害発生の日時データに基づく過去の事故発生件数により、重み係数を決定し、
    前記複数の長さの時間スケールのそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における応答雨量が、対応する前記それぞれの応答雨量の時系列値を超過した時間を計算し、その超過した時間の積算値を積算値1として計算し、
    前記複数の長さの時間スケールのそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における応答雨量が前記降雨災害発生の日時データに基づく雨量超過しない回数を見逃し回数1として計算し、
    前記過去の降雨の時系列データが前記運転規制値を超過した時間の積算値を積算値2として計算し、
    前記降雨災害発生の日時データに基づく雨量が運転規制値を超過している日時において、前記過去の運転規制日時データに該当しない回数の積算回数を見逃し回数2として計算し、
    前記見逃し回数1が前記見逃し回数2より少なく、かつ、前記積算時間1が前記積算時間2より短い場合に、
    前記複数の長さの時間スケールにそれぞれに対応する前記重み係数を乗じた時間における応答雨量をそれぞれの新しい運転規制値とし、
    前記それぞれの時間スケールの半減期における応答雨量が前記新しい運転規制値を超過する時間を、前記土砂災害に起因する警報継続時間と決定することを特徴とする運行規制判定方法。
  3. 前記見逃し回数2を任意に指定し、前記候補となる複数の長さの時間スケールをインクリメントまたはデクリメントさせ、前記見逃し回数1が見逃し回数2より大きくならないような前記新しい運転規制値及び警報継続時間を算出し、
    現行の警報継続時間に対する警報継続時間の低減効果の平均及び分散が最小となるものを最適な複数の長さの時間スケールとすることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の運行規制判定方法。
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