JP2005158081A - 地震関連デリバティブの管理方法及び装置、コンピュータプログラム - Google Patents

地震関連デリバティブの管理方法及び装置、コンピュータプログラム Download PDF

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隆幸 住
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Abstract


【課題】 顧客ニーズに柔軟に応えることができ、且つ客観的な指標に基づく地震関連デリバティブの設計を可能にする管理装置を提供する。
【解決手段】 サーバ1は、3種類のデリバティブのいずれかをクライアントCに選択させる。第1のデリバティブが選択されたときは、対象施設の所在地において発生する地震の揺れによる損害発生のリスクを定量化し、第2のデリバティブが選択されたときは、対象となる商圏における所定値以上の大きさの揺れが観測される面積割合による損害発生のリスクを定量化し、第3のデリバティブが選択されたときは、対象となる商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッド内が震源となる所定値以上のマグニチュードの地震の発生割合による損害発生のリスクを定量化する。そして、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件をサーバ1に記録しておく。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地震関連デリバティブの設計支援システムに関する。
より詳しくは、顧客が選定した対象物件の所在地又は顧客の商圏(営業拠点の一定範囲の領域)において地震が発生したときに、地表面最大加速度(PGA)または地表面最大速度(PGV)がある値以上であったとか、地震のマグニチュードが所定値であったとかいうような、地震の発生に起因する所定の指標に基づいて予め定めた金額を給付するデリバティブの管理の仕組みに関する。
本発明でいう「地震」には、地球を覆っている岩盤(プレート)の境界で発生するプレート間地震、プレートの内部で発生するプレート内地震、火山活動によって起こる火山性地震、ダムに貯水したときなどに、地下の岩盤にかかる力が変化して誘発される誘発性地震のいずれをも含む。
「デリバティブ」とは、所定の条件を満たす場合に有効となる特殊な金融派生商品の一形態を指し、「地震関連デリバティブ」とは、デリバティブが有効となるための条件が、地震の発生に起因するものをいう。損害保険のような通常の保険商品との違いは、保険商品が実際の災害発生時の損害額等を基準とする実損てん補方式であるのに対し、デリバティブが、予め約定時に定めた指標に基づいてのみその支払額が決定されることにある。また、デリバティブは損害査定が不要なため、保険に比して早期に支払額が決定され、その決済が行われるという違いもある。
大きな損害をもたらす自然災害の一つとして地震がある。地震が発生すると、地表面の揺れにより、家屋、工場、倉庫等の施設が倒壊したり、地割れ、地すべりによって施設が潰されたりして、財産的損害が発生する。また、このような財産的損害だけではなく、例えば観光関係業者では、交通網の麻痺、客の気分的な問題から、観光客数の減少につながり、売上が減少するといった、いわば二次的な損害も発生しうる。
地震が頻繁に発生する地域もあり、そのような地域に立脚する産業(製造業、観光関係業を含む)にとっては、リスクヘッジの手段として、地震に関係する何らかの指標をもとにした対応策へのニーズが存在する。
しかしながら、地震は、いつ、どこで、どのくらいの規模(大きさ)で発生するのかを予測することは困難である。また、地震によって生じる損害額を的確に推定することは困難である。特に、損害額は、施設損壊のような財産的被害によるものだけではなく、上記の二次的な被害によるものもあり、同じ大きさの地震であっても補填してもらいたいと感じる額は、顧客によってまちまちとなる。ここに地震関連ディバティブが望まれる一要因がある。
地震関連デリバティブを設計する場合、保険会社にとって、地震に関連した指標の種類、その指標における想定元本に対する支払い割合、それらに基づく保険料の設定をどのように定めるかは、顧客の契約意欲を高める観点からも、企業活動を維持する観点からも極めて重要な要素であり、それを決定するための厳密かつ正確なシミュレーションが必要となる。
本発明は、顧客によっては異なる可能性があるニーズに柔軟に応えることができ、且つ客観的な指標に基づくデリバティブの迅速な設計を可能にする情報処理の仕組みを提供することを、その主たる課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、地震関連デリバティブの管理方法及び装置、コンピュータプログラムを提供する。
本発明の地震関連デリバティブの管理方法は、記録装置が接続されたコンピュータにおいて、対象施設の所在地又は対象となる商圏の入力を受け付ける処理、受け付けた所在地又は商圏において発生する地震の揺れを指標とする損害発生のリスクを定量化する処理、及び、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行し、所定の地震観測ポイントからの地震の実観測データが入力される任意の時点で前記記録装置に記録されている給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする。
本発明の他の地震関連デリバティブの管理方法は、記録装置が接続されたコンピュータにおいて、対象となる商圏の入力を受け付ける処理、受け付けた商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッドを設定する処理、前記設定したグリッドにおいて発生する所定値以上のマグニチュードの地震の発生割合による損害発生のリスクを定量化する処理、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行し、所定の地震観測ポイントからの実観測データの入力を契機に前記記録装置に記録されている給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする。
本発明の他の地震関連デリバティブの管理方法は、記録装置が接続されたコンピュータにおいて、対象施設の所在地の入力を受け付ける処理、受け付けた所在地の付近に存在する一又は複数の地震観測ポイントと所定の基準を満たす基準地震とを特定し、特定した基準地震による前記地震観測ポイントにおける観測データを取得する処理、取得した観測データに基づいて前記所在地における揺れの大きさと最も相関がある地震観測ポイント及びそのときの相関条件を特定する処理、仮想地震を発生させて前記特定した地震観測ポイントにおける揺れの大きさを算出するとともに前記相関条件に基づいて前記所在地における揺れの大きさを算出し、さらに、当該所在地において算出される揺れの大きさが一定値を超える頻度に基づいて前記所在地における損害発生のリスクを定量化する処理、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行し、地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする。
「基準地震」とは、基本的には過去に発生し、且つその観測データの記録が残っている地震(これを「歴史地震」と称する)であるが、歴史地震が発生した件数が少ない地域もあることから、本発明では、その地域における地震特性(例えばマグニチュードと年間頻度との関係で表される地震の発生確率等の情報)を明確にしたうえでモンテカルロ法により発生させ、その結果をデータベース化したいわゆる「モデル地震」をも含めて「基準地震」とする。以下、本明細書において同じ表現を用いる。
本発明の他の地震関連デリバティブの管理方法は、記録装置が接続されたコンピュータにおいて、対象となる商圏の入力を受け付ける処理、受け付けた商圏内に存在する一又は複数の地震観測ポイントと所定の基準を満たす基準地震とを特定し、特定した基準地震による前記地震観測ポイントにおける観測データを取得する処理、商圏を複数の小領域に分割し、特定した基準地震が発生したときの商圏内の揺れの大きさを前記分割された小領域毎に計算するとともに、揺れの大きさが一定値以上となったすべての小領域の面積和の前記商圏全体に対して占める面積割合を算出する処理、算出した前記面積割合と最も相関がある地震観測ポイント及びそのときの相関条件を特定する処理、仮想地震を発生させて前記特定した地震観測ポイントにおける揺れの大きさを算出するとともに前記相関条件に基づいて前記商圏における面積割合を算出し、その面積割合が発生する頻度に基づいて前記商圏における損害発生のリスクを定量化する処理、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行し、地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする。
本発明の他の地震関連デリバティブの管理方法は、記録装置が接続されたコンピュータにおいて、対象となる商圏の入力を受け付ける処理、受け付けた商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッドを設定する処理、一定値以上のマグニチュードの仮想地震を発生させたときに一定値以上の大きさの揺れが観測される地域の前記グリッド全体に対して占める面積割合に基づいて前記商圏における損害発生のリスクを定量化する処理、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行し、地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする。
マグニチュードとは、地震の規模を示す値であり、地震発生後、気象庁等により決定される。
本発明の他の地震関連デリバティブの管理方法は、記録装置が接続され、顧客端末との間で双方向通信を行うことができるコンピュータにおいて、施設の所在地において観測される地震の揺れを指標とした第1のデリバティブ、商圏における所定値以上の大きさの揺れが観測される面積割合を指標とした第2のデリバティブ、商圏を包含するグリッド内を震源とする地震のマグニチュードを指標とした第3のデリバティブのいずれかを前記顧客端末に選択させ、第1のデリバティブが選択されたときは、対象施設の所在地において発生する地震の揺れによる損害発生のリスクを定量化し、第2のデリバティブが選択されたときは、対象となる商圏における所定値以上の大きさの揺れが観測される面積割合による損害発生のリスクを定量化し、第3のデリバティブが選択されたときは、対象となる商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッド内が震源となる所定値以上のマグニチュードの地震が発生する割合による損害発生のリスクを定量化し、それぞれ、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録することで、地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、上記の各管理方法における各々の処理をコンピュータに実行させるためのものである。このコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されることによって実体化される。
本発明の地震関連デリバティブの管理装置は、対象施設の所在地の入力を受け付ける受付手段と、受け付けた所在地の付近に存在する一又は複数の地震観測ポイントと所定の基準を満たす基準地震とを特定し、特定した基準地震による前記地震観測ポイントにおける観測データを取得するデータ取得手段と、取得した観測データに基づいて前記所在地における揺れの大きさと最も相関がある地震観測ポイント及びそのときの相関条件を特定する手段と、仮想地震を発生させて前記特定した地震観測ポイントにおける揺れの大きさを算出するとともに前記相関条件に基づいて前記所在地における揺れの大きさを算出し、さらに、当該所在地において算出される揺れの大きさが一定値を超える頻度に基づいて前記所在地における損害発生のリスクを定量化するリスク定量化手段と、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を決定する条件決定手段とを備えた装置である。
本発明の他の地震関連デリバティブの管理装置は、対象となる商圏の入力を受け付ける受付手段と、受け付けた商圏に存在する一又は複数の地震観測ポイントと所定の基準を満たす基準地震とを特定し、特定した基準地震による前記地震観測ポイントにおける観測データを取得するデータ取得手段と、商圏を複数の小領域に分割する領域分割手段と、特定した基準地震が発生したときの商圏内の揺れの大きさを、前記領域分割手段により分割された小領域毎に計算するとともに、揺れの大きさが一定値以上となったすべての小領域の面積和の前記商圏全体に対して占める面積割合を算出する演算手段と、算出された前記面積割合と最も相関がある地震観測ポイント及びそのときの相関条件を特定する手段と、仮想地震を発生させて前記特定した地震観測ポイントにおける揺れの大きさを算出するとともに前記相関条件に基づいて前記商圏における面積割合を算出し、その面積割合が発生する頻度に基づいて前記商圏における損害発生のリスクを定量化するリスク定量化手段と、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を決定する条件決定手段とを備えた装置である。
本発明の他の地震関連デリバティブの管理装置は、対象となる商圏の入力を受け付ける受付手段と、受け付けた商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッドを設定する設定手段と、一定値以上のマグニチュードの仮想地震を発生させたときに一定値以上の大きさの揺れを観測する地域の前記グリッド全体に対して占める面積割合に基づいて前記商圏における損害発生のリスクを定量化するリスク定量化手段と、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を決定する条件決定手段とを備えた装置である。
本発明によれば、顧客のニーズに柔軟に応えることができ、且つ客観的な指標に基づくデリバティブの迅速な設計を可能にするデリバティブの管理の仕組みを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
まず、この実施形態で扱うデリバティブの種類について説明する。ここでは、デリバティブの給付金支払条件として地震の発生に起因する損害関連のものを用いた3種類の地震関連デリバティブの例を挙げる。
第1の地震関連デリバティブは、対象物件の所在地近辺の地震観測機関(「K−NET」、「Hi−net」又は「KIK−NET」、以下、「地震観測ポイント」と称する)において、地震時に観測される実観測データ、例えばPGA(地表面最大加速度)とPGV(地表面最大速度)の少なくとも一方から導出される施設の損傷率をデリバティブの指標として用い、所定の給付金支払割合パターンにおいてそれぞれ定めた想定元本に対する支払い割合で給付を行うものである。
K−NETは防災科学技術研究所が設置した日本全国を約25km間隔で覆う1,000ヶ所の強震観測施設である。広ダイナミックレンジの加速度型ディジタル強震計及び記録された強震記録を収集して編集する強震観測センターを有する。Hi−netは防災科学技術研究所が設置した全国を15〜20kmの間隔で覆う高感度地震観測網である。KIK−NETは地表と地下がセットになった強震観測網である。Hi−net観測施設に強震計を併設し、地下における強震動を記録するようにしてある。いずれも第三者機関として存在する地震観測ポイントであり、これらで観測されたデータを用いることにより、実観測データの客観性を担保している。
このデリバティブは、地震による物的損害が想定されるものに属する業種A(例:工場、プラント設備を有する製造業、倉庫業)の顧客に対して、リスクヘッジを提供するものである。
第2の地震関連デリバティブは、顧客の商圏内に設置された地震観測ポイントにおいて観測されたPGAとPGVの少なくとも一方から、その商圏内において一定値を超える「揺れ」が観測される面積割合を指標として用い、所定の給付金支払割合パターンにおいてそれぞれ定めた想定元本に対する支払い割合で給付を行うものである。このデリバティブは、地震による予約キャンセル等の売上高減少の損害が想定される業種B(例:遊園地、小売業、ホテル等)の顧客に対して、リスクヘッジを提供するものである。
第3の地震関連デリバティブは、地図上に顧客の商圏を包含する矩形または円形の領域(以下、グリッドと呼ぶ)を設定し、そのグリッド内を震源とする地震のマグニチュードを指標として用い、所定の給付金支払割合パターンにおいてそれぞれ定めた想定元本に対する支払い割合で給付を行うものである。このデリバティブは、地震による予約キャンセル等の売上高減少の損害が想定される業種B(例:遊園地、小売業、ホテル等)の顧客に対して、リスクヘッジを提供するものである。
なお、以後の説明では、必要に応じて、第1の地震関連デリバティブを商品A、第2の地震関連デリバティブを商品B、第3の地震関連デリバティブを商品Cと称する。
このような、地震発生時に観測される実観測データ(PGA、PGV、マグニチュード等)を指標とする地震関連デリバティブにより、地震による被害リスクを適切にヘッジすることが期待される。
<システム構成>
次に、上記の各地震関連デリバティブを扱うデリバティブ管理装置の構成例を説明する。
この実施形態によるデリバティブ管理装置は、図1にその構成例が示されているように、顧客端末であるクライアントCが、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)による通信を可能にするインターネットのようなコンピュータネットワークNを介してアクセス可能なサーバ1として実施することができる。
クライアントCは、少なくともディスプレイとデータ入力装置とを備え、さらに、ディスプレイへの表示制御機能が搭載された通信機能付のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)等である。
サーバ1は、キーボードIN、ディスプレイDP、プリンタPR及び大容量ハードディスク等の記録装置(図示省略)が接続され、コンピュータネットワークNとの間で双方向通信を行うための通信インタフェース機構を備えたサーバ本体(一種のコンピュータ)と、コンピュータプログラムとによって実現される。
コンピュータプログラムは、可搬性の記録媒体に記録されている場合はその記録媒体から上記の記録装置にロードされる。コンピュータネットワークNを通じて記録装置に直接ロードされる場合もある。いずれの場合であっても、このコンピュータプログラムがサーバ本体のCPUに読み取られて実行されることにより、サーバ1内に、主制御部10、入出力制御部11、データベース管理部12、基礎データ管理部13、シミュレーション実行部14、保険料算定部15の機能ブロックが形成されるようになっている。
なお、「保険料」は、デリバティブのために顧客が支払う料金であって、通常の保険商品の料金(価格)とは異なるものであるが、本明細書では、便宜上、このまま「保険料」という表現を用いる。
主制御部10は、コンピュータネットワークNに接続されているインタフェース機構を介して行われるクライアントCとの間の双方向通信を可能にするための通常のサーバ機能のほかに、地震関連デリバティブを設計する上で必要となる各部の制御を行う制御手段としての機能、地震による損害発生のリスクを他の機能ブロックと協働で定量化するリスク定量化手段としての機能をサーバ本体内に形成するものである。各部の制御の中には、クライアントCのディスプレイに表示される各種情報提示画面の生成、この画面に掲示される画像、テキスト等の生成のための制御を含む。
入出力制御部11は、サーバ1が備えるキーボード、マウス等の入力装置INあるいはコンピュータネットワークNを介してクライアントCその他の情報提供手段から入力される各種データを受け付けて主制御部10に導くとともに、ディスプレイDPやプリンタPR等の出力装置あるいはコンピュータネットワークNに接続されているクライアントC宛に情報(後述する情報提示画面等)を出力するための制御を行う。
本実施形態では、運用時には、クライアントCから顧客の所在地、対象物件に関するデータ、想定元本等のデータを受け付けるとともに、受け付けた各種データに基づいて設計した地震関連デリバティブの内容を推奨契約パターンとして出力できるようにする。
また、その推奨契約パターンの内容の修正をも受け付けるようにする。
データベース管理部12には、地震関連デリバティブの設計時に参照される各種データがデータベース化されている。
このデータベース管理部12の構造は図2に示すとおりであり、過去に日本で発生した歴史地震のデータが蓄積された歴史地震データファイル121と、乱数要素をもったシミュレーション、例えばモンテカルロ・シミュレーションによって発生させる仮想地震のデータが蓄積される仮想地震データファイル122と、地理データ(都道府県、市町村の地図、地名、地形、地表面に関する情報、地盤増幅率、活断層に関する情報(位置、長さ等)、各種地震観測ポイントの情報(名称、緯度、経度等)、鉄道の駅、空港、港等の公共施設等の主要なランドマークの位置を含む)が記録された地理データファイル123と、顧客から入力された情報(顧客名、業種、対象物件の内容等)及びそれに基づいて設計された地震関連デリバティブの内容を記録するための顧客データファイル124とが、内部バスBを介して接続されている。
また、これらのデータファイル121〜124の作成、データ記録(更新を含む)及びデータ検索を行うデータ記録・検索部120が備えられている。各データファイル121〜124の全部または一部は、互いに共通するデータ(システムID等)でリンクされている。
なお、地震関連デリバティブの管理に関する情報処理の振り分け先を決定するために、上記の業種A、業種Bをそれぞれグループ化した業種グループのデータが、図示しない顧客マスタ等において管理されているものとする。
歴史地震データファイル121に蓄積されているデータは、検索可能な形態、例えば歴史地震毎に時系列に整理された時系列データレコード、地震観測ポイント毎に整理された地震観測データレコードとして蓄積されている。
時系列データレコードは、例えば、地震名、その発生年月日等をキーワードとして随時検索できるようになっている。時系列データの例を、図3に示す。
図3の例では、地震の名前(例えば、釧路沖地震)、発生年月日、その地震に関する各種パラメータ、すなわちマグニチュード、位置(経度、緯度)が記録されている。
地震観測データレコードは、地震観測ポイント毎の地震観測データを集めたものである。地震観測データレコードには、地震観測ポイントの名称、地震の名前、震度、観測波形、PGA、PGV等が記録されている(図示せず)。ここでいう地震観測データレコード(以下、「観測データ」と略す)は、地震観測ポイントにおける実測値、もしくは、実測値が存在しない場合などにおいては地震工学等に基づいて求めた想定値を意味する。
なお、歴史地震データファイル121の構造は例示であって、常にこのような構造にしなければならないというものでもない。
仮想地震データファイル122に蓄積されている仮想地震のデータは、日本全国を200超の地域に区切って、歴史地震のデータからその地域毎に地震特性(マグニチュードと年間頻度との関係で表される)を明確にしたうえで、モンテカルロ法により生成されたものである。歴史地震のデータ及び活断層等の情報から、仮想地震を生成するモンテカルロ法については既に知られた手法であるので、詳しい説明は省略する。
基礎データ管理部13は、各種地震関連デリバティブを設計する際の基礎データ、すなわちデリバティブを商品化する上で必要となるアルゴリズムデータ、マクロデータ、プログラムデータ等を管理(記録/修正/削除)する。
シミュレーション実行部14は、地震発生のシミュレーション、地震発生によるリスクのシミュレーション、保険料算定のシミュレーション等を実行するもので、各種シミュレーション用プログラム及び各種データを保持しており、用途に応じて、これらを選択的に起動実行できるようになっている。
保険料算定部15は、後述するデリバティブの給付処理条件に応じた保険料の額を算定するものである。算定のアルゴリズムは、デリバティブを主催する保険会社の事情に応じて任意のものを用いることができる。パラメータが逐次変更されるものは、上記のシミュレーション実行部14によって保険料を算定することができる。
<動作方法>
次に、サーバ1の動作を、先に述べた地震関連デリバティブの設計の仕方を例に挙げて説明する。
サーバ1は、クライアントCとの間でインタラクティブにデータを送受信しながら、地震関連デリバティブの設計支援を行う。クライアントCは顧客が操作することを想定するが、保険会社の担当者が操作してもよい。
まず、サーバ1は、ネットワークNを介してアクセスしてきたクライアントCに対して、商品の種類(A,B,C)を選択入力させるための情報提示画面を表示させる。以下、クライアントの選択に応じて、それぞれの商品(地震関連デリバティブ)の設計手順へと処理を移す。
[商品A]
商品Aが選択された場合は、第1の地震関連デリバティブの設計手順に移る。
図4はこの場合の設計手順を示す図である。
サーバ1は、ネットワークNを介してアクセスしてきたクライアントCに対して、補償の対象となる施設(以下、「対象施設」)の名称(工場、事務所、倉庫等)、用途(精密機械製造、食品加工、一般事務所、食品貯蔵等)、構造(RC、プレハブ等)、階数、建築年、補償金額(建物自体と設備別に入力)を入力させるための情報提示画面を表示させる(ステップ:S101)。図5は、そのような入力画面の一例を示す図である。
郵便番号及び所在地については、システム側で相互に検索可能なようにデータを用意しておき、例えば郵便番号を入力すると町名まで所在地を表示できるようにする。また、緯度、経度については、入力された所在地からシステム側が対応する緯度、経度を検索して、自動的に表示するようにする。
あらかじめ所在地がわかっている顧客については、これらの入力処理に代えて、顧客情報からの所在地等の検索処理を行い、自動的にこれらを表示するようにしてもよい。
サーバ1は、入力された顧客の所在地等をもとに、その所在地等の付近(例:50km以内)に設置された地震観測ポイントを検索によって特定し(ステップS102)、これをクライアントCに表示される情報提示画面に表示させる。クライアントCに表示される情報提示画面の一例を図6に示す。この例では、地震観測ポイントが4箇所(K1, K2, K3, K4)表示されている。
次に、サーバ1は、歴史地震DB121を検索して、一定の基準に合致する歴史地震を、特に対象施設に被害をもたらす地震(以下、このような地震を特に「被害地震」と称する)として抽出する(ステップS103)。一定の基準は、例えば、地震のマグニチュード(M)と、所在地から震央までの距離とをパラメータとして以下のように設定されている。
(1)震央までの距離が30Km以内で、かつ、6.5≦M<7.0
(2)震央までの距離が40Km以内で、かつ、7.0≦M<7.5
(3)震央までの距離が50Km以内で、かつ、7.5≦M
歴史地震データファイル121から十分な数の被害地震を抽出できないときは、以下の回帰分析の精度を確保するために、仮想地震データデータファイル122を検索して、あらかじめ生成・蓄積されている仮想地震のなかから上記基準に合致する地震(上述したモデル地震)を被害地震として抽出することも可能である。
サーバ1は、被害地震について、上記で特定された地震観測ポイント及び顧客所在地におけるPGA及びPGVを算出する(ステップS104)。PGA、PGVの算出には、距離減衰式と地盤増幅率を用いる。地盤増幅率は、ある土地の地形及び表層地質から決定される定数で、地盤の性質を図る指標である。距離減衰式は、地震のマグニチュード及び震源からの距離を用いて、PBA(基盤面最大加速度)・PBV(基盤面最大速度)を算出するための式である。距離減衰式は様々なものが提案されているが、適切なものを選択して使用することができる。こうして求められたPBAまたはPBVに、地震観測ポイントまたは顧客所在地における地盤増幅率を乗じることにより、PGAまたはPGVを求めることができる。
表1は、被害地震について、特定された地震観測ポイント、顧客所在地におけるPGAを計算した結果を示すものである。表中、EQj(j=1,2,3,...m)は被害地震を、Ki(i=1,2,3,...n)は地震観測ポイントを示す。
Figure 2005158081
次に、サーバ1は、特定された地震観測ポイントKi(i=1,2,3,...,n)から得られるすべての組み合わせ(nC1+nC2+nC3+...nCn)について、顧客の所在地のPGAまたはPGVを従属変数、地震観測ポイントにおけるPGAまたはPGVを独立変数として、回帰分析を行う(ステップS105)。
以下、地震観測ポイントを4点としたときについて説明する。
このとき、PGAについての回帰式は、以下の式で表される。
PGAsite=αPGAK1+βPGAK2+γPGAK3+δPGAK4+N
但し、α、β、γ、δは0以上の値、Nは定数項、PGAsiteは顧客の所在地におけるPGAである。この回帰式において、すべての地震に対する2乗平均誤差の合計が最小となるようなα、β、γ、δ、Nを算出する。言いかえれば、誤差関数をεとしたときに、以下の連立方程式を解くことによって、εの最も小さくなるようなα、β、γ、δ、Nの組み合わせを求める。Σは、EQj(j=1,2,3,・・・n)の総和を表す。
ε=Σ{PGAsite−(αPGAK1+βPGAK2+γPGAK3+δPGAK4+N)}
∂ε/∂α=0
∂ε/∂β=0
∂ε/∂γ=0
∂ε/∂δ=0
∂ε/∂N=0
一方、地震観測ポイントを4点としたとき、PGVについての回帰式は、以下の式で表される。
PGVsite=αPGVK1+βPGVK2+γPGVK3+δPGAV4+N
但し、α、β、γ、δは0以上の値、Nは定数項
上述のPGAについての回帰分析と同様の方法でもっとも相関の高い回帰式及び参照地震観測ポイントを求めることができる。
このようにして、特定された地震観測ポイントKi(i=1,2,3,...,n)から得られるすべての組み合わせについて、PGA及びPGVの回帰分析を行い、もっとも相関の高い回帰式(PGA,PGVの別を含む)及び地震観測ポイント(以下、参照地震観測ポイントと呼ぶ。)を決定する(ステップS106)。
決定された回帰式及び参照地震観測ポイントは、クライアントCに表示される情報提示画面に掲示することができ、また必要に応じて顧客が修正を加えることができる。
なお、相関分析の手法自体は、この技術分野では公知なので、ここでは詳細な説明を省略する。
回帰式及び参照地震観測ポイントを決定した後は、シミュレーション実行部14を起動して仮想地震の発生シミュレーションを行い(ステップS107)、各参照地震観測ポイントにおけるPGA(またはPGV)を算出するとともに、上記決定された回帰式に基づいて、顧客の所在地におけるPGA(またはPGV)を算出する。
このシミュレーションは、所定の年数(例:1万年)分繰り返し行い、発生した仮想地震それぞれについて上記計算を行う。仮想地震の発生シミュレーションの方法は当業者に既知であるので、詳しい説明は省略する(以下、商品B,Cの設計時に用いる仮想地震の発生シミュレーションの方法も同様)。
このシミュレーションに基づき、顧客の所在地におけるPGA(またはPGV)の年間超過頻度(F)に関する確率分布曲線を求める(ステップS108)。ここでいう年間超過頻度とは、各PGA(またはPGV)の値を基準として、それ以上の値をもたらす地震の年間の発生頻度である。
図7は、このようにして求められた顧客の所在地におけるPGA(またはPGV)の年間超過頻度(F)に関する確率分布曲線(ハザード曲線)を示す図である。ここで、横軸(PGAsite)は、顧客の所在地におけるPGAを示す。
次に、サーバ1は、PGA(又はPGV)を指標とする地震関連デリバティブの内容(指標値に対する給付金の支払パターン、販売価格)を決定する。これらの内容が、給付金支払条件の一例となる。
なお、地震観測ポイントを顧客等が適宜、任意に選択することを許容して、以上の処理を省略することも可能である。
給付金の支払割合パターンは、顧客が入力した対象施設の情報から施設毎に適当なダメージ曲線(後述)を作成し、その曲線の形状から想定元本に対する支払い割合パターンを作成する(ステップS109)。
図8は、ある施設に対応するダメージ曲線の例を示す図である。ダメージ曲線とは、PGA(またはPGV)に対する施設の損傷率を表すグラフであって、過去の被害事例から経験的に求められる。したがって、施設の構造、用途(鉄筋、鉄筋コンクリート、精密機械、一般事務等)に対応して、異なったダメージ曲線が用意される。対象施設に複数の施設が含まれる場合には、それぞれの施設に対応するダメージ曲線を、施設の評価額により加重平均することにより対象施設全体のダメージ曲線を作成する。
支払い割合パターンは、ダメージ曲線において、例えば損傷率20%、80%に対応するPGA(またはPGV)をPGA20%、PGA80%とすると、
(1)PGA80%−PGA20%<500gal(gal:加速度の単位)のとき、20%,50%,100%の3パターン
(2)500≦PGA80%−PGA20%<800galのとき、10%,30%,50%,80%,100%の5パターン
(3)800gal≦PGA80%−PGA20%のとき、5%,10%,20%,30%,40%,50%,80%,100%の8パターン
のように作成する。この支払い割合パターンは一つの例であって、顧客等の希望に応じてその他のパターンにすることも可能である。
作成された支払い割合パターンは、クライアントCに表示される情報提示画面に掲示する。クライアントCに表示される情報提示画面の一例を図9に示す。
この画面の例では、作成された支払い割合パターン1、2が表示されるとともに、顧客が自由に設計した支払い割合パターン3がある場合には、それも表示されるようになっている。
顧客は、これらの支払い割合パターンのうちから一つを選択する(ステップS110)。
次に、サーバ1は、顧客が選択した支払い割合パターンに従って、商品Aの販売価格を計算する(ステップS111)。販売価格は、保険料算定部15において、支払割合パターンに応じて設定された各給付割合に、前述のハザード曲線に基づく発生確率をそれぞれ掛け合わせ、それらの積算値に適正なコスト及び利潤を加算したものである。必要に応じてシミュレーション実行部14を起動してシミュレーションによって算定することもできる。
このようにして、地震のPGA(またはPGV)を指標にした、商品A(第1の地震関連デリバティブ)の基本部分を設計することができる。設計された商品Aの内容は、クライアントCの情報提示画面に表示される(ステップS112)。
図10は、設計された商品Aの基本部分を推奨契約パターンとしてクライアントCに提示する画面の一例である。この画面には、指標の種類(PGAまたはPGV)、参照地震観測ポイントの情報、決定された回帰式、支払割合パターン、販売価格が表示される。ここで、支払割合はPGVに応じて決定される、想定元本に対する割合(%)であり、顧客が被る損害の程度などを考慮して定められている。従って、顧客がこの割合を増加させるようにすることは可能である。
[商品B]
次に、第2の地震関連デリバティブの設計処理を説明する。この処理は、顧客が「商品B」を選択した場合に行われる。
この場合のサーバ1(主制御部10)による処理手順を図11に示す。
サーバ1は、コンピュータネットワークNを介してアクセスしてきたクライアントCに対して、顧客の商圏を入力させるための情報提示画面を表示させる(ステップS201)。商圏は、所定の指定単位(都道府県、市町村またはそれらの組み合わせ)において指定することができる。商圏の指定は、あらかじめシステム側で用意しておいた都道府県、市町村名のリストを例えばプルダウンメニュー形式で表示させ、顧客が容易に自分の商圏を選択できるようにしておく(図12)。
サーバ1は、指定された商圏内に設置された地震観測ポイントを検索によって特定し(ステップS202)、これをクライアントCに表示される情報提示画面に掲示する。
サーバ1は、歴史地震データファイル121を検索して、一定の基準に合致する地震を、商圏内で一定以上の「揺れ」を発生させる地震(このような地震を、特に「選択地震」と称する)として抽出する(ステップS203)。一定の基準とは例えば、地震のマグニチュード(M)と、商圏の境界線から震央までの距離とをパラメータとして、
(1)境界線までの距離が30Km以内で、かつ、6.5≦M<7.0
(2)境界線までの距離が40Km以内で、かつ、7.0≦M<7.5
(3)境界線までの距離が50Km以内で、かつ、7.5≦M
である。
歴史地震データファイル121から十分な数の選択地震を抽出できないときは、商品Aの設計と同様に、仮想地震データデータファイル122から上記基準に合致する地震(上記のモデル地震)を選択地震として抽出することも可能である。
次に、サーバ1は、指定された商圏を、複数の小領域に分割する(ステップS204)。
図13は、そのような分割の例を示す図である。この例においては、指定された商圏を、一辺が1kmの正方形となるように、メッシュ状に区切ることによって分割している。
次に、選択地震発生時の商圏内のPGA、PGVを小領域毎に計算する(ステップS205)。図13中、斜線領域は計算の対象となっている小領域(以下、対象領域と呼ぶ。)を、三角記号は地震観測ポイントKi(i=1,2,3,...n)を、Li(i=1,2,3,...n)は対象領域の中心から各地震観測ポイントまでの水平距離を示す。
PGA(またはPGV)の計算は、次のように行われる。
(1)ある地震観測ポイントKiにおけるPGAKiをその地震観測ポイントが含まれる小領域の地盤増幅率(SAFi)で除して、基盤面加速度PBAKi(=PGAKi/SAFi)を算出する。基盤面加速度PBAKiは、ある土地における地盤の表面における影響を取り除いた加速度である。
(2)求められたPBAKiをLiのn乗の逆数で加重平均することにより、対象領域の基盤面加速度PBAmを算出する。
(3)PBAmに対象領域の地盤増幅率SAFmを乗ずることにより、対象領域の地表面最大加速度PGAmを算出する。
(4)上記(1)から(3)の計算をすべての小領域について行う。
(5)一定のPGAm(=揺れ)になる小領域の数N(≧PGAt)を数え、商圏内の全小領域の数NALLで除することにより、面積割合Arを算出する。
PGAtは閾値であって、80, 150, 400, 800galのいずれかから選択する。これら以外の数字を用いることも可能である。
(6)上記(1)から(5)の計算をすべての選択地震について行う。
表2は、PGAt=150としたときの、特定された地震観測ポイント、商圏における面積割合Arを計算した結果を示す表である。
Figure 2005158081
PGVについての計算も、上記の計算方法と同様に(PGAをPGVで置きかえる)行える。
次に、サーバ1は、特定された地震観測ポイントKi(i=1,2,3,...,n)から得られるすべての組み合わせ(nC1+nC2+nC3+...nCn)について、上述の一定値以上のPGA(またはPGV)を観測する商圏内の面積割合を従属変数、商圏内の地震観測ポイントにおけるPGA(またはPGV)を独立変数として、回帰分析を行う(ステップS206)。
地震観測ポイントを3点としたとき、面積割合ArについてのPGAの回帰式、PGVの回帰式は、それぞれ、以下のようになる。
Ar=αPGAK1+βPGAK2+γPGAK3+N
Ar=αPGVK1+βPGVK2+γPGVK3+N
但し、α、β、γは0以上の値、Nは定数項
これらの回帰式においてすべての選択地震に対する2乗平均誤差の合計が最小となるようなα、β、γ、Nをそれぞれ算出する。
実際の計算については、上述の商品Aについての回帰分析で用いたのと同様の方法で、もっとも相関の高い回帰式(PGA,PGVの別を含む)及び地震観測ポイント(参照地震観測ポイント)を決定する(ステップS207)。
決定された回帰式及び地震観測ポイントは、クライアントCに表示される情報提示画面に掲示することができ、また必要に応じて顧客が修正を加えることができる。
なお、相関分析の手法自体は、この技術分野では公知なので、ここでは詳細な説明を省略する。
回帰式及び参照地震観測ポイントを決定した後は、シミュレーション実行部14を起動して仮想地震の発生シミュレーションを行い(ステップS208)、各参照地震観測ポイントにおけるPGA(またはPGV)を算出するとともに、上記決定された回帰式に基づいて、商圏における面積割合Arを算出する。このシミュレーションは所定の年数(例:1万年)分繰り返し行い、発生した仮想地震それぞれについて上記計算を行う。
このシミュレーションに基づき、顧客の商圏における面積割合Arの年間発生頻度(F)に関する確率分布曲線を求める(ステップS209)。図14は、このようにして求められた顧客の商圏における面積割合Arの年間超過頻度(F)に関する確率分布曲線(ハザード曲線)を示す図である。
次に、サーバ1は、顧客の商圏内に設置された地震観測ポイントにおいて観測されたPGAまたはPGVから、その商圏内において一定値を超える「揺れ」が観測される面積割合を指標とする地震関連デリバティブの内容(指標値に対する給付金の支払割合パターン、販売価格)を決定する(ステップS210)。これらの内容が、給付処理の実行条件の一例となる。
上記の方法により計算された面積割合Arを支払い割合パターンとしてクライアントCに表示される情報提示画面に掲示し、必要に応じて顧客が修正を加えて最終的な支払い割合パターンを作成する(ステップS211)。
計算されたArをそのまま支払い割合パターンとするのは、面積割合Arが顧客が商圏を失う割合(売上高の減少割合)に等しいとの仮定に基づくものである。具体的には、面積割合Arをそのまま支払い割合としてもよいし、0〜100%の範囲をいくつかのブロックに区切る支払い割合パターンを数パターン用意しておき、そのなかから顧客に選択させるようにしてもよい。
次に、サーバ1は、顧客が選択した支払い割合パターンに従って、商品Bの販売価格を計算する(ステップS212)。販売価格は、保険料算定部15において、支払割合パターンに応じて設定された各給付割合に、前述のハザード曲線に基づく発生確率をそれぞれ掛け合わせ、それらの積算値に適正なコスト及び利潤を加算したものである。必要に応じてシミュレーション実行部14を起動してシミュレーションによって算定することもできる。このようにして、Arを指標にした、商品B(第2の地震関連デリバティブ)の基本部分を設計することができる。
設計された商品Bの内容は、クライアントCの情報提示画面に表示される(ステップS213)
図15は、設計された商品Bの基本部分を推奨契約パターンとしてクライアントCに提示する画面の一例である。この画面には、指標の種類(PGAまたはPGV)、参照地震観測ポイントの情報、決定された回帰式、支払割合パターン、販売価格が表示される。ここで、支払割合は面積割合Arに応じて決定される、想定元本に対する割合(%)であり、顧客が被る損害の程度などを考慮して定められている。従って、顧客がこの割合を増加させるようにすることは可能である。
[商品C]
次に、第3の地震関連デリバティブの設計処理を説明する。この処理は、顧客が「商品C」を選択した場合に行われる。
この場合のサーバ1(主制御部10)による処理手順を図16に示す。
サーバ1は、コンピュータネットワークNを介してアクセスしてきたクライアントCに対して、顧客の商圏を入力させるための情報提示画面を表示させる(ステップS301)。商圏は、所定の指定単位(都道府県、市町村またはそれらの組み合わせ)において指定することができる。商圏の指定は、あらかじめシステム側で用意しておいた都道府県、市町村名のリストを例えばプルダウンメニュー形式で表示させ、顧客が容易に自分の商圏を選択できるようにしておく(図12)。
次に、サーバ1は、地図上において、指定された商圏を包含する矩形または円形のグリッドを設定する(ステップS302)。図17は、商圏に設定される矩形グリッド、円形グリッドの例を示す図である。矩形グリッドは、その東端、西端、南端、北端ができるだけ、指定された商圏に接するように設定される(図17(a))。円形グリッドは、指定された商圏の地理的重心を中心として、商圏を包含するように設定される(図17(b))。各グリッドは3次元的なものであり、地下方向にも、例えば100kmの深さを有する。
次に、サーバ1は、設定された矩形グリッド、円形グリッドのうち、グリッドの面積に占める商圏の面積が大きい方(以下、グリッドAと呼ぶ)を選択する(ステップS303)。
次に、サーバ1は、地図上においてグリッドAを拡大したグリッドをいくつか作成する。例えば、グリッドAの外周を外側に15km、30km、50km広げたグリッド、グリッドB,グリッドC,グリッドDを作成することができる。図18は、グリッドA,グリッドB,グリッドC、グリッドDを重ねて示した図である。ここで、図中、グリッドAの外側でグリッドBの内側の領域を外縁部AB、グリッドBの外側とグリッドCの内側の領域を外縁部BC、グリッドCの外側とグリッドDの内側の領域を外縁部CDと呼ぶ。また、外縁部ABの面積をSAB、外縁部BCの面積をSBC、外縁部CDの面積をSCDとする。
次に、グリッドAからDのうち、次の条件を満たすグリッドを選択する(ステップS304)。
(1)指定された商圏に影響を及ぼす一定規模以上の地震が一定の頻度以上で発生する地域を含み
(2)上記(1)の条件をみたすもののうち、もっとも小さい
上記の条件を満たすグリッドを選択するために、サーバ1はまず、外縁部AB、外縁部BC、外縁部CDのそれぞれについて、単位面積あたりのマグニチュード別の発生頻度を算出する。続いて、外縁部毎に設定される所定のマグニチュード値を超過する地震の発生頻度とその全国平均値とを比較する。あるマグニチュード値別の地震の発生頻度は、仮想地震データファイル122に記憶しておいたものを利用する。
図19は、サーバ1によるこの分析処理の手順を示した流れ図である。
サーバ1はまず、外縁部CDについて、その単位面積あたりのマグニチュード7以上の地震が発生する頻度が、その全国平均値以上であるかどうかを判定する(ステップS401)。平均値以上である場合には、グリッドDが選択される(ステップS401:Yes、ステップ405)。平均値未満である場合には、次に外縁部BCについて、その単位面積あたりのマグニチュード6.5以上の地震が発生する頻度が、その全国平均値以上であるかどうかを判定する(ステップS401:No,ステップS402)。平均値以上である場合には、グリッドCが選択される(ステップS402:Yes、ステップS406)。平均値未満である場合には、次に外縁部ABについて、その単位面積あたりのマグニチュード6以上の地震が発生する頻度が、その全国平均値以上であるかどうかを判定する(ステップS402:No,ステップS403)。平均値以上である場合には、グリッドBが選択される(ステップS403:Yes、ステップS407)。平均値未満である場合には、グリッドAが選択される(ステップS403:No,ステップS404)。ここで、上記の各外縁部に設定されたマグニチュード値は例示であり、その他の適当なマグニチュード値を用いてもよい。
グリッドサイズを決定すると、サーバ1は次に、シミュレーション実行部14を起動して仮想地震の発生シミュレーションを行い(ステップS305)、発生させた仮想地震が、上記選択されたグリッド内(深さも含む)に入っているか否かを判定するとともに、グリッド内に収まった仮想地震についてそのデータ(仮想地震の緯度、経度、深さ、マグニチュード)を蓄積する。このシミュレーションは所定の年数(例:1万年)分繰り返し行う。
このシミュレーションに基づき、上記選択されたグリッドにおける、マグニチュード別の地震の年間超過頻度(F)に関する確率分布曲線を求める(ステップS306)。図20は、このようにして求められたマグニチュード別の地震の年間超過頻度(F)に関する確率分布曲線(ハザード曲線)を示す図である。
次に、サーバ1は、選択されたグリッド内で発生する所定の値以上のマグニチュードを持つ仮想地震それぞれについて、グリッド内において所定の値以上のPGAを観測する地域が、グリッド全体との比較で、どのぐらいの面積割合を占めるかを計算し、所定の値以上のマグニチュードを持つ仮想地震全体についての平均を計算する(ステップS307)。
なお、例えば面積割合については、グリッドを一定規模のメッシュに区切り、所定値以上のマグニチュードとなるメッシュの合計面積を、グリッド全体の面積で除算することによって求めることもできる。
表3は、マグニチュード別に、選択されたグリッド内においてある値以上のPGAを観測する地域の割合を示した表である。例えば、マグニチュード7.0の仮想地震がグリッド内において発生した場合、80gal以上のPGAを観測する地域の割合は80%、150gal以上のPGAを観測する地域の割合は72%、400gal以上のPGAを観測する地域の割合は60%、800gal以上のPGAを観測する地域の割合は13パーセントとなる。
Figure 2005158081
次に、サーバ1は、選択されたグリッド内において発生した地震のマグニチュードを指標とする地震関連デリバティブの内容(指標値に対する給付金の支払パターン、販売価格)を決定する(ステップS308)。これらの内容が、給付処理の実行条件の一例となる。
給付金の支払割合パターンは、一定の大きさ以上のマグニチュードごとに、上記の方法により計算された所定の値以上のPGAを観測する地域の面積割合を支払い割合として作成する。PGAの値に応じて複数の支払い割合パターンを作成することもできる。
図21は、そのようにして求められた支払割合パターンの例を表す図であって、大規模地震対応(PGAが800gal以上)パターン、中規模地震対応(PGAが400gal以上)パターン、小規模地震対応(PGAが150gal以上)パターン、顧客が自由に支払い割合パターンを設計する自由設計パターンが図示されている。図中、一番左の列に記入された数字は、地震のマグニチュード(M)を示す。
この支払割合パターンは、クライアントCに表示される情報提示画面に掲示され、顧客の選択及び/または一部修正により最終的な支払い割合パターンが決定される(ステップS309)。このとき顧客は、自由設計パターンに適切な条件を入力することにより自由に支払割合パターンを作成することもできる。
次に、サーバ1は、顧客が選択した支払い割合パターンに従って、商品Cの販売価格を計算する(ステップS310)。販売価格は、保険料算定部15において、支払割合パターンに応じて設定された各給付割合に、前述のハザード曲線に基づく発生確率をそれぞれ掛け合わせ、それらの積算値に適正なコスト及び利潤を加算したものである。必要に応じてシミュレーション実行部14を起動してシミュレーションによって算定することもできる。このようにして、地震のマグニチュード(M)を指標にした、商品C(第3の地震関連デリバティブ)の基本部分を設計することができる。
設計された商品Cの内容は、クライアントCの情報提示画面に表示される(ステップS311)。
図22は、設計された商品Cの基本部分を推奨契約パターンとしてクライアントCに提示する画面の一例である。この画面には、グリッドの大きさ、位置情報、地図上の位置、支払割合パターン、販売価格が表示される。ここで、支払割合はマグニチュードに応じて決定される、想定元本に対する割合(%)であり、顧客が蒙る存在の程度などを考慮して定められている。従って、顧客がこの割合を増加させるようにすることは可能である。
設計されたこれらの商品A,B,Cに関する情報(支払割合パターン等)は、顧客データファイル124に記録される。そして、所定の地震観測ポイントからの地震の実観測データが入力される任意の時点で読み出され、給付金支払条件に基づく給付金額を算定できるようになっている。
このように、本実施形態では、サーバ1が、顧客の要望に応じて設計すべき地震関連デリバティブの手順を自動的に振り分け、さらに顧客が感じるリスクを想定元本額の形で任意に受け付けて、顧客用に個性化された地震関連デリバティブを設計できるようにしたので、顧客がリスクヘッジを行ううえで魅力的な金融関連商品を設計できるようになる。
なお、この実施形態では、ネットワーク型のコンピュータシステムの例を挙げ、主たる機能部分はサーバ1において実現し、このサーバ1との間でデリバティブの設計をインタラクティブに行う相手側端末がクライアントCであるものとして説明したが、本実施形態で示したサーバ1の機能のすべてを相手側端末にもたせることも可能である。
本発明の地震関連デリバティブの管理装置の構成図。 データベース管理部の構造説明図。 地震の時系列データのレコード例を示す図。 第1の地震関連デリバティブ(商品A)の設計手順を示す図。 第1の地震関連デリバティブの設計時にクライアントに表示される情報提示画面の一例を示した図。 検索によって特定された顧客所在地付近の地震観測ポイントを示した図。 顧客の所在地におけるPGAの年間発生頻度(F)に関する確率分布曲線(ハザード曲線)を示す図。 対象施設に対応するダメージ曲線の例を示す図。 第1の地震関連デリバティブの設計時にクライアントに表示される情報提示画面に表示される推奨支払い割合パターンの一例を示した図。 第1の地震関連デリバティブの推奨契約パターンの一例を示した図。 第2の地震関連デリバティブの設計処理の手順図。 第2の地震関連デリバティブの設計時にクライアントに表示される情報提示画面の一例(顧客の商圏の指定)を示した図。 指定された商圏の分割の方法を示した図。 顧客の商圏におけるArの年間発生頻度(F)に関する確率分布曲線(ハザード曲線)を示す図。 第2の地震関連デリバティブの推奨契約パターンの一例を示した図。 第3の地震関連デリバティブの設計処理の手順図。 (a)、(b)は、それぞれ指定された商圏への矩形グリッド、円形グリッドの設定の方法を示した図。 グリッドA−Dの大きさ及びそれらの位置関係を示す図。 グリッドの選択処理の手順図。 マグニチュード別の地震の年間発生頻度(F)に関する確率分布曲線(ハザード曲線)を示す図。 第2の地震関連デリバティブの設計時にクライアントに表示される情報提示画面に表示される推奨支払い割合パターンの一例を示した図。 第3の地震デリバティブの推奨契約パターンの一例を示した図。
符号の説明
1 サーバ
10 主制御部
11 入出力制御部
12 データベース管理部
13 基礎データ管理部
14 シミュレーション実行部
15 保険料算定部
120 データ記録・検索部
121 歴史地震データファイル
122 仮想地震データファイル
123 地理データファイル
124 顧客データファイル
13 基礎データ管理部
14 シミュレーション実行部
15 保険料算定部
C クライアント(顧客端末)
N コンピュータネットワーク

Claims (17)

  1. 記録装置が接続されたコンピュータにおいて、
    対象施設の所在地又は対象となる商圏の入力を受け付ける処理、
    受け付けた所在地又は商圏において発生する地震の揺れによる損害発生のリスクを定量化する処理、及び、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行し、
    所定の地震観測ポイントからの地震の実観測データが入力される任意の時点で前記記録装置に記録されている給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする、
    地震関連デリバティブの管理方法。
  2. 記録装置が接続されたコンピュータにおいて、
    対象となる商圏の入力を受け付ける処理、
    受け付けた商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッドを設定する処理、
    前記設定したグリッド内が震源となる所定値以上のマグニチュードの地震の発生割合による損害発生のリスクを定量化する処理、及び、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行し、
    所定の地震観測ポイントからの地震の実観測データが入力される任意の時点で前記記録装置に記録されている給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする、
    地震関連デリバティブの管理方法。
  3. 記録装置が接続されたコンピュータにおいて、
    対象施設の所在地の入力を受け付ける処理、
    受け付けた所在地の付近に存在する一又は複数の地震観測ポイントと所定の基準を満たす基準地震とを特定し、特定した基準地震による前記地震観測ポイントにおける観測データを取得する処理、
    取得した観測データに基づいて前記所在地における揺れの大きさと最も相関がある地震観測ポイント及びそのときの相関条件を特定する処理、
    仮想地震を発生させて前記特定した地震観測ポイントにおける揺れの大きさを算出するとともに前記相関条件に基づいて前記所在地における揺れの大きさを算出し、さらに、当該所在地において算出される揺れの大きさが一定値を超える頻度に基づいて前記所在地における損害発生のリスクを定量化する処理、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行し、
    地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする、
    地震関連デリバティブの管理方法。
  4. 記録装置が接続されたコンピュータにおいて、
    対象となる商圏の入力を受け付ける処理、
    受け付けた商圏内に存在する一又は複数の地震観測ポイントと所定の基準を満たす基準地震とを特定し、特定した基準地震による前記地震観測ポイントにおける観測データを取得する処理、
    商圏を複数の小領域に分割し、特定した基準地震が発生したときの商圏内の揺れの大きさを分割された小領域毎に計算するとともに、揺れの大きさが一定値以上となったすべての小領域の面積和の前記商圏全体に対して占める面積割合を算出する処理、
    算出した前記面積割合と最も相関がある地震観測ポイント及びそのときの相関条件を特定する処理、
    仮想地震を発生させて前記特定した地震観測ポイントにおける揺れの大きさを算出するとともに前記相関条件に基づいて前記商圏における面積割合を算出し、この面積割合が発生する頻度に基づいて前記商圏における損害発生のリスクを定量化する処理、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行し、
    地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする、
    地震関連デリバティブの管理方法。
  5. 前記地震が発生したときに観測される地表面又は基盤面の最大加速度と、地表面又は基盤面の最大速度の少なくとも一方の値を前記揺れの大きさを表すデータとして用いることを特徴とする、
    請求項1、3又は4記載の管理方法。
  6. 記録装置が接続されたコンピュータにおいて、
    対象となる商圏の入力を受け付ける処理、
    受け付けた商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッドを設定する処理、
    一定値以上のマグニチュードの仮想地震を発生させたときに一定値以上の大きさの揺れを観測する地域の前記グリッド全体に対して占める面積割合に基づいて前記商圏における損害発生のリスクを定量化する処理、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行し、
    地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする、
    地震関連デリバティブの管理方法。
  7. 前記受け付けた商圏に影響を及ぼす一定規模以上の地震が一定の頻度以上で発生する地域を含む複数の仮グリッドのうち最も小さいサイズのものを前記グリッドとして設定することを特徴とする、
    請求項2又は6記載の管理方法。
  8. 記録装置が接続され、顧客端末との間で双方向通信を行うことができるコンピュータにおいて、施設の所在地において観測される地震の揺れを指標とした第1のデリバティブ、商圏における所定値以上の大きさの揺れが観測される面積割合を指標とした第2のデリバティブ、商圏を包含するグリッド内を震源とする地震のマグニチュードを指標とした第3のデリバティブのいずれかを前記顧客端末に選択させ、
    第1のデリバティブが選択されたときは、対象施設の所在地において発生する地震の揺れによる損害発生のリスクを定量化し、
    第2のデリバティブが選択されたときは、対象となる商圏における所定値以上の大きさの揺れが観測される面積割合による損害発生のリスクを定量化し、
    第3のデリバティブが選択されたときは、対象となる商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッド内が震源となる所定値以上のマグニチュードの地震が発生する割合による損害発生のリスクを定量化し、
    それぞれ、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録することで、地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にすることを特徴とする、
    地震関連デリバティブの管理方法。
  9. 対象施設の所在地の入力を受け付ける受付手段と、
    受け付けた所在地の付近に存在する一又は複数の地震観測ポイントと所定の基準を満たす基準地震とを特定し、特定した基準地震による前記地震観測ポイントにおける観測データを取得するデータ取得手段と、
    取得した観測データに基づいて前記所在地における揺れの大きさと最も相関がある地震観測ポイント及びそのときの相関条件を特定する手段と、
    仮想地震を発生させて前記特定した地震観測ポイントにおける揺れの大きさを算出するとともに前記相関条件に基づいて前記所在地における揺れの大きさを算出し、さらに、当該所在地において算出される揺れの大きさが一定値を超える頻度に基づいて前記所在地における損害発生のリスクを定量化するリスク定量化手段と、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を決定する条件決定手段とを備えたことを特徴とする、
    地震関連デリバティブの管理装置。
  10. 対象となる商圏の入力を受け付ける受付手段と、
    受け付けた商圏に存在する一又は複数の地震観測ポイントと所定の基準を満たす基準地震とを特定し、特定した基準地震による前記地震観測ポイントにおける観測データを取得するデータ取得手段と、
    商圏を複数の小領域に分割する領域分割手段と、
    特定した基準地震が発生したときの商圏内の揺れの大きさを前記領域分割手段により分割された小領域毎に計算するとともに、揺れの大きさが一定値以上となったすべての小領域の面積和の前記商圏全体に対して占める面積割合を算出する演算手段と、
    算出された前記面積割合と最も相関がある地震観測ポイント及びそのときの相関条件を特定する手段と、
    仮想地震を発生させて前記特定した地震観測ポイントにおける揺れの大きさを算出するとともに前記相関条件に基づいて前記商圏における面積割合を算出し、その面積割合が発生する頻度に基づいて前記商圏における損害発生のリスクを定量化するリスク定量化手段と、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を決定する条件決定手段とを備えたことを特徴とする、
    地震関連デリバティブの管理装置。
  11. 対象となる商圏の入力を受け付ける受付手段と、
    受け付けた商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッドを設定する設定手段と、
    一定値以上のマグニチュードの仮想地震を発生させたときに一定値以上の大きさの揺れを観測する地域の前記グリッド全体に対して占める面積割合に基づいて前記商圏における損害発生のリスクを定量化するリスク定量化手段と、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を決定する条件決定手段とを備えたことを特徴とする、
    地震関連デリバティブの管理装置。
  12. 前記受付手段は、所定のコンピュータネットワークとの間で双方向通信を可能にするためのインタフェース機構を有し、このインタフェース機構を通じて前記コンピュータネットワークに接続されている顧客端末との間で、受け付けるべき入力内容をインタラクティブに決定するように構成されていることを特徴とする、
    請求項9、10又は11記載の管理装置。
  13. 前記コンピュータネットワークがTCP/IPに基づく双方向通信を可能にするものである、
    請求項12記載の管理装置。
  14. 記録装置が接続されたコンピュータに、
    対象施設の所在地の入力を受け付ける処理、
    受け付けた所在地の付近に存在する一又は複数の地震観測ポイントと所定の基準を満たす基準地震とを特定し、特定した基準地震による前記地震観測ポイントにおける観測データを取得する処理、
    取得した観測データに基づいて前記所在地における揺れの大きさと最も相関がある地震観測ポイント及びそのときの相関条件を特定する処理、
    仮想地震を発生させて前記特定した地震観測ポイントにおける揺れの大きさを算出するとともに前記相関条件に基づいて前記所在地における揺れの大きさを算出し、さらに、当該所在地において算出される揺れの大きさが一定値を超える頻度に基づいて前記所在地における損害発生のリスクを定量化する処理、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行させ、
    前記コンピュータに地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にするためのコンピュータプログラム。
  15. 記録装置が接続されたコンピュータに、
    対象となる商圏の入力を受け付ける処理、
    受け付けた商圏内に存在する一又は複数の地震観測ポイントと所定の基準を満たす基準地震とを特定し、特定した基準地震による前記地震観測ポイントにおける観測データを取得する処理、
    商圏を複数の小領域に分割し、特定した基準地震が発生したときの商圏内の揺れの大きさを分割された小領域毎に計算するとともに、揺れの大きさが一定値以上となったすべての小領域の面積和の前記商圏全体に対して占める面積割合を算出する処理、
    算出した前記面積割合と最も相関がある地震観測ポイント及びそのときの相関条件を特定する処理、
    仮想地震を発生させて前記特定した地震観測ポイントにおける揺れの大きさを算出するとともに前記相関条件に基づいて前記商圏における面積割合を算出し、その面積割合が発生する頻度に基づいて前記商圏における損害発生のリスクを定量化する処理、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行させ、
    前記コンピュータに地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にするためのコンピュータプログラム。
  16. 記録装置が接続されたコンピュータに、
    対象となる商圏の入力を受け付ける処理、
    受け付けた商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッドを設定する処理、
    一定値以上のマグニチュードの仮想地震を発生させたときに一定値以上の大きさの揺れを観測する地域の前記グリッド全体に対して占める面積割合に基づいて前記商圏における損害発生のリスクを定量化する処理、
    定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録する処理を実行させ、
    前記コンピュータに地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にするためのコンピュータプログラム。
  17. 記録装置が接続され、顧客端末との間で双方向通信を行うことができるコンピュータに、以下の処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
    施設の所在地において観測される地震の揺れを指標とした第1のデリバティブ、商圏における所定値以上の大きさの揺れが観測される面積割合を指標とした第2のデリバティブ、商圏を包含するグリッド内を震源とする地震のマグニチュードを指標とした第3のデリバティブのいずれかを前記顧客端末に選択させ、
    第1のデリバティブが選択されたときは、対象施設の所在地において発生する地震の揺れによる損害発生のリスクを定量化し、
    第2のデリバティブが選択されたときは、対象となる商圏における所定値以上の大きさの揺れが観測される面積割合による損害発生のリスクを定量化し、
    第3のデリバティブが選択されたときは、対象となる商圏を包含する所定形状及びサイズのグリッド内が震源となる所定値以上のマグニチュードの地震の発生割合による損害発生のリスクを定量化し、
    それぞれ、定量化されたリスクに応じたデリバティブの給付金支払条件を定め、この給付金支払条件を前記記録装置に記録することで、地震の実観測データが入力される任意の時点で前記給付金支払条件に基づく給付金額を算定可能にする処理。
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