JP4733545B2 - 車線認識装置 - Google Patents

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本発明は、車線認識装置に係り、特に、撮像された画像において自車両の左右に車線位置を検出可能な車線認識装置に関する。
近年、自動車等の走行安全性の向上や車両の自動制御等に向けて、車載のステレオカメラやビデオカメラ等で撮像した画像に画像処理を施して安全性向上や自動制御等の前提となる走行レーンの形状の認識を行う道路認識装置の開発が進められている。走行レーンの形状を的確に認識し、特に車両のキープレーン制御等を精度よく行うためには、走行レーンを含む自車両前方を撮像した画像中から自車両の左右に標示されている車線の位置を確実に検出することが必要となる(例えば、特許文献1等参照)。
車線位置の検出では、通常、撮像画像の下側すなわち自車両に近い側で画像を水平方向に探索して画素の輝度値が大きく変わるエッジ部分を検出することで車線位置を検出し、それを基準にエッジ部分を画像上側に追跡していくことで自車両から遠方の車線位置が検出される(特許文献2参照)。また、車線位置を精度良く正確に検出するために、位置補正等がなされた過去の画像と現在の画像とを合成して破線状に標示された車線の標示部分を見かけ上延長させて車線認識を行わせる車線認識装置が提案されている(特許文献3参照)。
なお、本発明では、追い越し禁止線等の道路中央線や車両通行帯境界線、路側帯と車道とを区画する区画線等の道路面上に標示された連続線や破線を車線という。また、左右の車線に挟まれた車両の走行帯を走行レーンという。
特開2001−92970号公報 特開平7−28975号公報 特開2005−332105号公報
しかしながら、例えば、図17に示すように先行車両との距離が接近していて撮像画像中に先行車両が大きく撮像されているような場合、図中左側の車線は図に示すように撮像されている場合もあれば画像中から見えなくなってしまうこともある。このような場合、従来の車線認識装置では左側の車線位置は検出されなくなるか、或いは特許文献3のように過去の画像と合成して車線位置を検出したとしても不確実さが残る。
また、図17のような場合には、車線位置を上方に追跡しても車線が先行車両で隠れてしまっているので、自車両から遠方の車線位置を検出することができず、走行レーンの形状を特定することができない。
さらに、車線位置の検出では、処理速度の向上や誤検出の低減等を目的として、前回の検出タイミングで検出された撮像画像上の車線位置に基づいて今回の車線位置検出の探索範囲を設定する場合がある。しかし、このように車線位置が不安定にしか検出できないと今回の検出で探索範囲を必ずしも適切な範囲に設定できない場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、車線が撮像画像上に撮像されていなくても車線位置を的確に推定し安定して車線認識を行うことが可能な車線認識装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、第1の発明は、
車線認識装置において、
自車両前方の道路を含む風景を撮像して画素ごとに輝度値を有する一対の画像を出力する撮像手段と、
前記撮像された一対の画像に基づいて少なくとも一方の画像の各画素について実空間における距離を算出する画像処理手段と、
前記輝度値および前記距離の情報に基づいて前記一方の画像から車線候補点を検出して前記車線候補点に基づいて車線位置を検出する検出手段とを備え、
前記検出手段は、前記距離の情報に基づいて前記車線候補点を実空間上の座標に変換し、自車両の挙動により前記画像中に見出されなくなった過去の車線候補点の実空間上の座標を前記自車両の挙動に基づいて更新して記録し、少なくとも前記過去の車線候補点の前記座標に基づいて車線位置を検出することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明の車線認識装置において、前記検出手段は、少なくとも前記過去の車線候補点に対して曲線近似することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明の車線認識装置において、前記検出手段は、道路面上にペイントされた標示部分と標示部分の間に挟まれたペイントされていない非標示部分とからなる破線状の車線の異なる2つの標示部分にそれぞれ属する車線候補点を用いて曲線近似することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明の車線認識装置において、前記検出手段は、前記画像から検出される現在の車線候補点と前記過去の車線候補点とに対して曲線近似することを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明の車線認識装置において、前記検出手段は、前記過去の車線候補点のうち、道路面上にペイントされた標示部分と標示部分の間に挟まれたペイントされていない非標示部分とからなる破線状の車線における非標示部分の長さを少なくとも超える距離に相当する分だけ過去の車線候補点を更新し記録することを特徴とする。
第6の発明は、第2の発明の車線認識装置において、前記画像から車線候補点が検出されない場合、前記過去の車線候補点に対して曲線近似を行い、該近似された曲線に基づいて車線候補点が検出されない領域の車線位置を検出することを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明の車線認識装置において、前記検出手段は、前記過去の車線候補点のうち、少なくとも、道路面上にペイントされた標示部分とペイントされていない非標示部分とからなる破線状の車線における1つの標示部分と2つの非標示部分を足した長さを少なくとも超える距離に相当する分だけ過去の車線候補点を更新し記録することを特徴とする。
第8の発明は、第2の発明の車線認識装置において、前記検出手段は、自車両から後方の車線候補点と自車両から前方の車線候補点とに対して曲線近似することを特徴とする。
第9の発明は、第2の発明の車線認識装置において、前記検出手段は、前記近似された曲線が、道路面上にペイントされた標示部分とペイントされていない非標示部分とからなる破線状の車線における非標示部分の長さを超えた範囲で近似されていない場合は前記曲線近似を無効とすることを特徴とする。
第10の発明は、第2の発明の車線認識装置において、前記検出手段は、前記近似された曲線に基づいて現在走行中の走行レーンの曲率を計算することを特徴とする。
第11の発明は、第2の発明の車線認識装置において、前記検出手段は、前記近似された曲線に基づいて3個の代表点を選択し、最も後方の第1代表点とその前方の第2代表点とを結ぶ直線および第2代表点とその前方の第3代表点とを結ぶ直線の実空間上における傾きをそれぞれ求めて変化分を算出し、第2代表点と第3代表点とを結ぶ直線の傾きからさらに算出した変化分だけ変化した傾きを有する直線を第3代表点から前方の車線位置として推定することを特徴とする。
第12の発明は、第1の発明の車線認識装置において、前記検出手段は、前記画像中に検出される現在の車線候補点の位置と前記過去の車線候補点の位置とが実空間上で設定された所定量以上乖離している場合には、記録済みの前記過去の車線候補点を消去することを特徴とする。
第13の発明は、第1の発明の車線認装置において、前記検出手段は、自車両が右折または左折している場合には、前記過去の車線候補点を消去することを特徴とする。
第14の発明は、第1の発明の車線認装置において、前記検出手段は、自車両が左右の車線のうちの一方の車線を跨ぐ場合には、前記一方の車線に対応する過去の車線候補点を他方の車線に対応する過去の車線候補点として更新して記録することを特徴とする。
第1の発明によれば、車線候補点を自車両の挙動により撮像画像中に見出されなくなった後も追跡し、その実空間上の座標を自車両の車速やヨーレート等で表される挙動に基づいて更新して記録していく。そして、少なくともこのようにして更新された過去の車線候補点の座標に基づいて左右の車線位置を検出する。
そのため、図17に示したように先行車両と自車両との距離が接近していて、先行車両の左側や右側に破線状の車線が検出されたり検出されなかったりするような状態においても、過去の車線候補点の実空間上の座標を前記自車両の挙動に基づいて更新して記録しているから、その過去の車線候補点に基づいて撮像画像上に左右の車線位置を的確に推定して位置を特定することが可能となる。
また、左右の車線位置を的確に推定することが可能であるため、前回の検出タイミングで的確に推定された車線位置に基づいて今回の車線位置検出の探索範囲を適切に設定することが可能となる。また、このようにして確定された左右の車線位置に基づいてより遠方の左右の車線位置を的確にかつ精度良く推定することが可能となる。
このように、第1の発明によれば、自車両の左右に車線位置を正確に検出し或いは的確に推定することが可能となり、安全性向上や自動制御等の前提となる走行レーンの形状の認識を正確にかつ安定して行うことが可能となる。
第2の発明によれば、前記発明の効果に加え、過去や現在の車線候補点のばらつきに依存することなく本来のスムーズな直線や曲線状の車線に近い状態で左右の車線位置を特定することが可能となり、より正確に車線位置を検出することが可能となる。
第3の発明によれば、車線が破線状に標示されている場合、過去の車線候補点に基づいて曲線近似を行うとしても破線状に標示された車線の1つの標示部分に属する車線候補点だけに基づいて曲線近似を行ったのでは、近似された曲線の信頼性は必ずしも高くない。そのため、2つの標示部分にそれぞれ属する車線候補点を用いて曲線近似することで精度の高い車線位置の検出が可能となる。
第4の発明によれば、過去の車線候補点を加えて曲線近似することで、たとえ現在の車線候補点の数が少なくても、現在の車線候補点が実際の車線位置に近づけられた曲線を算出することができ、より正確に車線位置を検出することが可能となる。また、現在の車線候補点によって過去の車線候補点も実際の車線位置に近づけられるため、過去の車線位置についても精度良く検出することができる。
第5の発明によれば、第4の発明において、車線候補点の更新及び記憶が効率良く行え、システムの負荷を低減することが可能になる。
第6の発明によれば、車線が検出されたり検出されなかったりするような状態においても、過去の車線候補点に基づいて車線位置を的確に推定することができる。
第7の発明によれば、前記第6の発明において、車線候補点の更新及び記憶が効率良く行え、システムの負荷を低減することが可能になる。
第8の発明によれば、自車両後方の過去の車線候補点と車両前方の車線候補点とに対して曲線近似するため、車両側近の車線位置を精度良く検出することができる。
第9の発明によれば、1つの標示部分に属する車線候補点だけに基づいて曲線近似が行われた場合、近似された曲線を無効とするため、装置の信頼性を向上させることができる。
第10の発明によれば、近似された曲線に基づいて現在走行中の走行レーンの曲率を計算することが可能となり、レーンキープ等の制御をより正確に行うことが可能となる。そのため、前記各発明の効果をより的確に発揮させることが可能となる。
第11の発明によれば、曲線近似を行った車線候補点の範囲外において、近似された曲線上に3つの代表点を取り、第1代表点と第2代表点とを結ぶ直線と、第2代表点と第3代表点とを結ぶ直線との傾きの変化分だけ変化させて車線位置を推定することで、確実に検出されている車線位置すなわち曲線に基づいて遠方の車線位置を推定することが可能となり、遠方の車線位置が精度高く推定される。そのため、前記各発明の効果がより効果的に発揮される。
第12の発明によれば、撮像画像中に検出される現在の車線候補点の位置と過去の車線候補点の位置とが乖離している場合に、両者に基づいて無理に曲線近似を行うと近似された曲線は必ずしも車線位置を正確に検出したものとはいえなくなる。そのため、前記各発明の効果に加え、そのような場合には、過去の車線候補点を消去して、撮像画像上に検出された車線候補点のみに基づいて車線位置を検出した方が車線位置検出の精度を向上させることが可能となる。
第13の発明によれば、自車両が右折または左折している場合に、無理に過去の車線候補点を加味して曲線近似を行うと、近似された曲線は必ずしも車線位置を正確に検出したものとはいえなくなる。そのため、そのような場合には、過去の車線候補点を消去して、撮像画像上に検出された車線候補点のみに基づいて車線位置を検出した方が車線位置検出の精度を向上させることが可能となる。
第14の発明によれば、車線変更の場合は、自車両が跨ぐ車線とは反対側の車線に対応する過去の車線候補点を消去することで、前記各発明と同様に、曲線近似が過去の車線候補点によって歪められることを防止することが可能となる。また、例えば、自車両が右車線を跨いで車線変更を行う場合には、それまで右車線に対応させていた過去の車線候補点を車線を跨いだ時点から左車線に対応する過去の車線候補点として更新し直して記録することで、右車線に対応していた過去の車線候補点を有効に活用して車線変更後の左車線の車線位置をより正確に検出し推定することが可能となる。
以下、本発明に係る車線認識装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る車線認識装置1は、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたマイクロコンピュータで構成されている。また、車線認識装置1は、図1に示すように、主に撮像手段2と、画像処理手段6と、検出手段9とで構成されている。
撮像手段2は、ステレオカメラが用いられており、自車両前方の道路を含む風景を撮像して一対の画像を出力するように構成されている。本実施形態では、メインカメラ2aおよびサブカメラ2bにはCCDカメラが用いられている。メインカメラ2aとサブカメラ2bは、例えばルームミラーに車幅方向に所定の間隔をあけて取り付けられている。運転者に近い方のカメラが図2に示すような基準画像Tを撮像するメインカメラ2a、遠い方のカメラが図示しない比較画像を撮像するサブカメラ2bとされている。
メインカメラ2aとサブカメラ2bから出力されてきた一対のアナログ画像は、変換手段3であるA/Dコンバータ3a、3bでそれぞれ画素ごとに256階調のグレースケールの輝度階調の輝度値を有するデジタル画像に変換されて画像補正部4に出力される。画像補正部4では、基準画像Tと比較画像に対してメインカメラ2aとサブカメラ2bの取付位置の誤差に起因するずれやノイズの除去等を含む輝度値の補正等の画像補正が行われるようになっている。基準画像Tと比較画像は、画像データメモリ5に格納され、同時に画像処理手段6に送信されるようになっている。
画像処理手段6のイメージプロセッサ7では、ステレオマッチング処理とフィルタリング処理により画像補正部4から出力された基準画像Tおよび比較画像のデジタルデータに基づいて基準画像Tの各画素または複数画素から構成するブロックからなる各設定領域について実空間における距離を算出するための視差dpを算出するようになっている。この視差dpの算出については、本願出願人により先に提出された特開平5−114099号公報に詳述されている。以下、その要点を簡単に述べる。
イメージプロセッサ7は、基準画像Tについて4×4画素の画素ブロックごとにその16画素の輝度特性に基づいて1つの視差dpを算出するようになっている。具体的には、比較画像を水平方向に延在する4画素幅の水平ラインに分割し、基準画像Tの1つの画素ブロックを取り出してそれに対応する比較画像の水平ライン上を1画素ずつ水平方向、すなわちi方向にシフトさせながら下記(1)式で求められるシティブロック距離CBが最小となる水平ライン上の画素ブロック、すなわち基準画像Tの画素ブロックと似た輝度値特性を有する比較画像上の画素ブロックを探索するようになっている。
CB=Σ|p1ij−p2ij| …(1)
なお、p1ijは基準画像T上の、p2ijは比較画像上の座標(i,j)の画素の輝度値を表す。座標は、基準画像Tの画像平面の左下隅を原点とし、水平方向をi座標軸、垂直方向をj座標軸とした場合の画素ブロックの左下隅の画素のi座標およびj座標を表す。また、比較画像については基準画像Tの原点に予め対応付けられた画素を原点として同様にi座標、j座標を取る。
イメージプロセッサ7は、このようにして特定した比較画像上の画素ブロックともとの基準画像T上の画素ブロックとのずれ量を算出し、そのずれ量を視差dpとして基準画像T上の画素ブロックに割り付けるようになっている。
この視差dpは、前記メインカメラ2aおよびサブカメラ2bの一定距離の離間に由来する基準画像Tおよび比較画像における同一物体の写像位置に関する水平方向の相対的なずれ量であり、メインカメラ2aおよびサブカメラ2bの中央位置から物体までの距離Lと視差dpとを三角測量の原理に基づいて下記(2)式に従って一義的に対応付けることができる。
L=CD/(PW×(dp−DP)) …(2)
ここで、CDはメインカメラ2aとサブカメラ2bとの間隔、PWは1画素当たりの視野角、DPは消失点視差を表す。
イメージプロセッサ7で算出された基準画像Tの各画素ブロックの視差dpに基づく距離Lは画像処理手段6の距離データメモリ8に格納されるようになっている。なお、以下の検出手段9における処理では、もともと1つの画素ブロックであった16個の画素が独立のものとして扱われ、各画素はそれぞれ距離Lの情報を有するものとして処理されるようになっている。また、距離データメモリ7に保存されている各画素(i,j)に距離Lijが割り付けられた画像を距離画像という。
検出手段9は、車線候補点検出部91と、曲線近似処理部92と、車線位置検出部93と、過去候補点更新部94とを備えている。なお、前記撮像手段2から画像データメモリ5や画像処理手段6まで、および検出手段9の車線候補点検出部91は、本出願人の出願に係る特開2001−92970号公報に記載の車線認識装置をベースに構成されており、詳細な構成の説明は同公報に委ねる。
また、検出手段9には、図示しないI/Oインターフェースを介して車速センサやヨーレートセンサ、操舵角センサ、操舵トルクセンサ、ターンシグナルスイッチ等のセンサ類Aが接続されており、センサ類Aから車速Vやヨーレートγ、ステアリングホイールの操舵角δ、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクT、ターンシグナル信号TS等が入力されるようになっている。なお、ヨーレートセンサを用いる代わりに、例えば、特開2004−249812号公報に記載の車両運動モデル生成装置等のヨーレート推定装置を接続することも可能であり、その場合、検出手段9にはヨーレートγの推定値が入力される。
車線候補点検出部91は、画像データメモリ5から基準画像Tの各画素の輝度値p1ijの情報を読み出し、また、距離データメモリ8から距離画像の各画素の距離Lijの情報を読み出してそれらに基づいて基準画像T上に車線候補点を検出するようになっている。
具体的には、車線候補点検出部91は、基準画像T上の1画素幅の水平ライン上を1画素ずつオフセットしながら探索し、基準画像Tの各画素の輝度値p1ijに基づいて各画素の輝度微分値すなわちエッジ強度が閾値以上に大きく変化する等の条件を満たす画素を検出する。その際、基準画像Tに対応する距離画像に割り付けられた各画素の距離Lijの情報に基づいて検出された画素が道路面上にない場合は除外するようになっている。
車線候補点検出部91は、探索を行う水平ラインを基準画像Tの下側から上向きに1画素幅ずつオフセットさせながら順次画素の検出を行う。このようにして、車線候補点検出部91は、図3に示すように、基準画像T上で自車両の左右に車線候補点Sをそれぞれ検出するようになっている。
車線候補点検出部91は、さらに、前記距離Lijの情報に基づいて車線候補点Sを実空間上の座標に変換するようになっている。具体的には、図4に示すように、仮想的な実空間上に自車両MCを配置し、メインカメラ2aおよびサブカメラ2bの中央真下の道路面上の点を原点として自車両の車幅方向にX軸、車高方向にY軸、車長方向すなわち距離方向にZ軸を取り、距離Lijの情報に基づいて各車線候補点Sを下記(3)式から(5)式に従って実空間上の座標に変換するようになっている。
X=CD/2+Z×PW×(i−IV) …(3)
Y=CH+Z×PW×(j−JV) …(4)
Z=Lij …(5)
ここで、iおよびjは車線候補点Sの基準画像T上の座標のi成分およびj成分、CHはメインカメラ2aとサブカメラ2bの取り付け高さ、IVおよびJVは自車両正面の無限遠点の距離画像上のi座標およびj座標であり、CD、PWおよびDPは前記(2)式で述べたとおりである。
なお、車線候補点検出部91における画素の探索は、基準画像T上に探索エリアを設定して行われるようになっている。すなわち、今回の検出処理では、前回の検出処理で検出された車線位置に基づいてその車線位置を含む基準画像T上の一定の範囲に探索エリアを設定する。また、今回の検出で基準画像Tの下側から上向きに水平ラインを1画素幅ずつオフセットさせながら順次画素の検出を行う際に、ある水平ラインで前記条件を満たす画素が検出されなかった場合には、次の水平ラインでは探索エリアを拡大して探索を行うようになっている。
また、図3や図4では、車線候補点Sが基準画像T上や実空間上でいわば疎らに検出されるように示されているが、実際にはより細かく多数検出される。
曲線近似処理部92は、前記車線候補点検出部91により検出された車線候補点Sと、後述する過去候補点更新部93により記録された過去の車線候補点に対して曲線近似を行って、近似された曲線に基づいて現在走行中の走行レーンの曲率を計算するようになっている。
本実施形態では、曲線近似処理部92は、図5に示すように、車線候補点検出部91により検出された車線候補点Sのうち、車線候補点が基準画像T上に見出され得る自車両MCに最も近い位置P以遠約8mの範囲内にある車線候補点Sと、過去に車線候補点として検出されたが自車両MCの挙動により前記位置Pより自車両MCに近い側に移動して基準画像T中に見出されなくなった過去の車線候補点Saとに対して、最小自乗法を施して2次曲線x=az+bz+cで曲線近似するようになっている。算出された定数a、b、cは、図示しないメモリに保存される。
そして、曲線近似処理部92は|1/2a|の値を自車両の位置における走行レーンの曲率として算出するようになっている。この値は、車線認識装置1から出力されてキープレーン制御等のパラメータとして用いられる。
なお、曲線近似処理部92は、図5に示したように、道路面上にペイントされた標示部分と標示部分の間に挟まれたペイントされていない非標示部分とからなる破線状の車線の異なる2つの標示部分にそれぞれ属する車線候補点を用いて曲線近似するようになっている。そして、近似された曲線Cが、破線状の車線における非標示部分の長さを超えた範囲で近似されていない場合、前記曲線近似を無効とするようになっている。
例えば、図6に示すように何らかの原因で基準画像T上に車線候補点が検出できずに、破線状の車線を構成する1つの標示部分上の過去の車線候補点Saのみで曲線近似を行ったような場合には、その曲線近似は無効となる。しかし、基準画像T上に車線候補点が検出できなかった場合でも、図7に示すように過去の車線候補点Saが2つの標示部分に跨って存在していれば曲線近似は無効とはされない。
基準画像T上に車線候補点が検出できず、過去の車線候補点Saで曲線近似を行った場合には、近似された曲線を自車両MCの前方側に延長し、延長した曲線Cを車線候補点が検出されない領域の車線位置として検出する。
車線位置検出部93は、図8に示すように、曲線近似を行った車線候補点Sの範囲、すなわち本実施形態では前記位置P以遠約8mの範囲までは、近似された曲線Cを左右の車線位置LR、LLとして検出するようになっている。なお、図8では過去の車線候補点Saの図示が省略されているが、過去の車線候補点Saは破棄されない。
また、本実施形態では、車線位置検出部93は、前記位置P以遠約8mから前記位置Pの後方側約28mまでの範囲で、図中黒丸で示されるように曲線C上に約4m間隔に代表点Rseg(2)、Rseg(1)、Rseg(0)、…、Rseg(-7)、Lseg(2)、Lseg(1)、Lseg(0)、…、Lseg(-7)を取り、各点の実空間上の座標をそれぞれ算出するようになっている。
さらに、本実施形態では、車線位置検出部93は、左右の車線位置LR、LL上の前記位置P以遠約8mの地点の代表点Rseg(2)、Lseg(2)から遠方の車線位置について、図9に示すように、代表点Rseg(2)、Lseg(2)から車線候補点検出部91で検出された左右の各車線候補点Sをそれぞれ直線で結んで左右の車線位置LR、LLを検出するようになっている。
また、車線位置検出部93は、車線候補点Sが検出されなかったさらに遠方の左右の車線について、以下の手法によりその位置を推定するようになっている。
図9に示したように、代表点Rseg(2)、Lseg(2)以遠の各車線候補点Sを直線で結んで車線位置LR、LLが得られる。その車線位置LR、LL上に、図10に示すように、前記と同様に約4m間隔に代表点Rseg(3)、Rseg(4)、…、Lseg(3)、Lseg(4)、…を取っていくと、図10の場合は、代表点Rseg(11)、Lseg(11)まで取ることができる。
本実施形態では、このように代表点Rseg(6)、Lseg(6)以遠まで代表点が取れる場合には、カッコ内の数字で表されるセグメント番号を2で割って得られる整数部分、すなわち図10の例であれば、11÷2=5.5の整数部分5を求める。そして、先頭の第3代表点である代表点Rseg(11)、Lseg(11)から前記整数部分5ずつ後方にそれぞれ第2代表点および第1代表点として代表点Rseg(6)、Rseg(1)および代表点Lseg(6)、Lseg(1)を選ぶ。
例えば、代表点がRseg(8)、Lseg(8)まで得られた場合には、代表点Rseg(8)、Lseg(8)が第3代表点とされ、第2代表点および第1代表点として代表点Rseg(4)、Rseg(0)および代表点Lseg(4)、Lseg(0)がそれぞれ選ばれる。
そして、図10の場合、第1代表点Rseg(1)と第2代表点Rseg(6)とを結ぶ第1直線l1および第2代表点Rseg(6)と第3代表点Rseg(11)とを結ぶ第2直線l2の実空間上すなわちZ−X平面における傾きをそれぞれ求めて変化分を算出し、第3代表点Rseg(11)を起点として第2代表点Rseg(6)と第3代表点Rseg(11)とを結ぶ第2直線l2の傾きからさらに算出した変化分だけ変化した傾きを有する直線を算出する。これが、第3代表点Rseg(11)以遠の右車線位置LRとして推定されるようになっている。
左車線側も同様に、第1代表点Lseg(1)と第2代表点Lseg(6)とを結ぶ第1直線l1および第2代表点Lseg(6)と第3代表点Lseg(11)とを結ぶ第2直線l2の実空間上における傾きをそれぞれ求めて変化分を算出し、代表点Lseg(11)を起点として代表点Lseg(6)とLseg(11)とを結ぶ第2直線l2の傾きからさらに算出した変化分だけ変化した傾きを有する直線を算出する。車線位置検出部93は、この直線を代表点Lseg(11)以遠の左車線位置LLとして推定するようになっている。
本実施形態では、車線位置検出部93は、この遠方車線位置推定処理において、第1代表点と第2代表点との間隔および第2代表点と第3代表点との間隔を最低セグメント番号が3以上、距離にすれば約12m以上あくように設定されている。
従って、例えば、検出された車線候補点Sや近似された曲線Cに基づいて取られた先頭の代表点が例えばRseg(4)、Lseg(4)であった場合には、第3代表点を代表点Rseg(4)、Lseg(4)とし、第2代表点および第1代表点をそれぞれ代表点Rseg(1)、Rseg(-2)および代表点Lseg(1)、Lseg(-2)として上記処理を行って第3代表点Rseg(4)、Lseg(4)以遠の左右の車線位置LR、LLをそれぞれ推定するようになっている。
また、今回の検出で車線候補点Sが基準画像T上に検出されなかった場合は、図6に示したように近似された曲線C上に代表点Rseg(2)、Rseg(1)、Rseg(0)、…、Rseg(-7)、Lseg(2)、Lseg(1)、Lseg(0)、…、Lseg(-7)を取り、最も先頭の第3代表点を代表点Rseg(0)、Lseg(0)として第2代表点および第1代表点をそれぞれ代表点Rseg(-3)、Rseg(-6)および代表点Lseg(-3)、Lseg(-6)として上記処理を行って、第3代表点Rseg(0)、Lseg(0)以遠の左右の車線位置LR、LLをそれぞれ推定するようになっている。
車線位置検出部93は、以上のようにして検出した左右の車線位置LR、LLの情報をメモリに保存するとともに、それらの情報と曲線Cの情報とを車線認識装置1から出力するようになっている。これらの情報は、キープレーン制御等のパラメータとして用いられる。
なお、本実施形態では、車線位置検出部93は、基準画像T中に検出された現在の車線候補点Sの位置とメモリから読み出した過去の車線候補点Saの位置とが実空間上で設定された所定量以上自車両の幅方向に乖離している場合には、メモリに記録されている過去の車線候補点Saをすべて消去するようになっている。このように乖離している状態で曲線近似を行っても正確な車線位置LR、LLが算出されず、近似精度が低下することが多いからである。本実施形態では、このような場合には基準画像T上に検出されている車線候補点Sに基づいて車線位置LR、LLを検出するようになっている。
過去候補点更新部94は、自車両の挙動により基準画像T中に見出されなくなった過去の車線候補点Saを追跡して記録し、それらの実空間上の座標を自車両の挙動に基づいて次回の撮像タイミングにおける座標に更新するようになっている。
図11に示す連続線の車線の場合のように、撮像手段2で撮像される基準画像Tには自車両の直近の車線部分は撮像されず、自車両MCから所定距離R前方の位置P以遠の車線部分しか撮像されない。そして、基準画像Tの中で自車両に最も近い位置に検出された車線候補点S1は、次回の撮像タイミングでは図中点線で示すように自車両が前進したり転回したりするため基準画像T中には見出されなくなる。
このように自車両の挙動により基準画像T中に見出されなくなる過去の車線候補点をすべて記録して追跡することも可能である。しかし、本実施形態では、過去候補点更新部94は、自車両の挙動により基準画像T中に見出されなくなる車線候補点の一部のみを記録して追跡するようになっている。これは、更新を行う過去の車線候補点の数を減らして処理の負荷を軽減するための処理である。
過去候補点更新部94は、まず、車速センサおよびヨーレートセンサから送信されてくる車速Vおよびヨーレートγに基づいて、次回の撮像タイミングにおける自車両MCから所定距離R前方の位置Pnextすなわち車線候補点が基準画像T上に見出され得る自車両MCに最も近い位置Pnextを算出する。そして、自車両MCに最も近い位置に検出された車線候補点S1が基準画像T中に見出されなくなるか否かを判断する。
そして、車線候補点S1が基準画像T中に見出されなくなる場合には、車線候補点S1と既に記録されている過去の車線候補点Saのうち車線候補点S1に最も近い過去の車線候補点Sa1と車線候補点S1との実空間上の距離を算出する。そして、その距離が例えば1m以上であれば車線候補点S1を過去の車線候補点Saとして記録し、距離が1m未満であれば記録しないようになっている。自車両MCの挙動により基準画像T中に見出されなくなる他の車線候補点については処理の負荷を軽減するために計算を行わない。
過去候補点更新部94は、続いて、今回車線候補点S1を過去の車線候補点Saとして記録した場合にはそれを含め、記録された過去の各車線候補点Saの次回の撮像タイミングにおける実空間上の座標を、今回の撮像タイミングと同期して送信されてくる自車両の車速Vおよびヨーレートγに基づいて算出して更新し、記録するようになっている。
また、過去候補点更新部94は、記録した過去の各車線候補点Saのうち基準を満たさなくなった車線候補点Saの記録を抹消するようになっている。本実施形態では、図12に示すように、過去の車線候補点Saのうち、破線状の車線における非標示部分の長さを少なくとも超える距離に相当する分だけ過去の車線候補点Saを更新し記録するようになっている。上記基準は、基準画像Tから検出される車線候補点Sを含む標示部分から1つの非標示部分を間に挟んだ標示部分に含まれる車線候補点を過去の車線候補点Saとして記憶させるための基準である。この基準によれば、2つの標示部分に属する車線候補点を用いた曲線近似が行えるようになる。
破線状の車線の非標示部分の長さが通常10m程度であり、自車両MCから基準画像T上に見出され得る自車両に最も近い位置Pまでの距離Rが約10mであることから、本実施形態では、車線が図11に示すように連続線であるか図12に示すように破線状であるかによらず、図中0mで示される自車両MCの位置の後方に3個残るように過去の車線候補点Saを更新し記録し続けるようになっている。このように構成すれば上記基準は満たされる。
従って、図11や図12のような場合、次回の撮像タイミングで過去の車線候補点Sa3は抹消される。また、車線が破線状である場合、図13に示す過去の車線候補点Sa2等のように自車両MCから比較的遠く離れても、図中0mで示される自車両MCの位置の後方に過去の車線候補点が3個しか残っていない場合にはその3個の過去の車線候補点Saは更新されて記録され続けるようになっている。
図中0mで示される自車両MCの位置から後方に過去の車線候補点Saを残すように車線候補点Saを更新し記憶することで、自車両から後方の過去の車線候補点Saと自車両から前方の車線候補点S1とに対して曲線近似することが可能となり、自車両MCの側近の車線位置が正確に求められる。
また、過去の車線候補点SCを更新及び記憶する基準として、破線状の車線における1つの標示部分と2つの非標示部分を足した長さを少なくとも超える距離に相当する分だけ過去の車線候補点Saを更新し記憶するようにしても良い。この基準によれば、記憶した過去の車線候補点Sa中に、2つの標示部分にそれぞれ属する過去の車線候補点Saを残すことができる。その結果、基準画像T上に車線候補点が検出できない場合でも、2つの標示部分にそれぞれ属する過去の車線候補点Saを用いて曲線Cを算出することができる。
なお、過去候補点更新部94は、自車両MCが右折または左折している場合には、メモリに記録されている過去の車線候補点をすべて消去するようになっている。自車両の右左折時に過去の車線候補点を消去するのは、前記と同様に、右左折時に過去の車線候補点を考慮して無理に曲線近似を行って車線位置LR、LLを算出するよりも、基準画像T上に検出されている車線候補点Sだけに基づいて車線位置LR、LLを検出する方が検出精度が向上するからである。
自車両が右左折中であるか否かは、例えば、ターンシグナル信号TSの入力により判断することができる。また、ターンシグナル信号TSが入力されない場合でも、例えば、操舵角センサから入力されるステアリングホイールの操舵角δが90°以上である状態が1秒以上継続され、かつその間の車速Vが時速40km以下である場合に自車両が右折または左折中であると判断することができる。
また、過去候補点更新部94は、自車両MCが車線変更により左右の車線のうちの一方の車線を跨ぐ場合には、メモリに記録されている過去の車線候補点Saのうち、跨ぐ方の車線とは反対側の車線に対応する過去の車線候補点Saを消去し、跨ぐ方の車線に対応する過去の車線候補点Saを前記反対側の車線に対応する過去の車線候補点Saとして更新して記録するようになっている。
すなわち、例えば、自車両MCが右車線LRを跨いで車線変更を行う場合には、メモリ内の左車線LLに対応する過去の車線候補点Saを消去する。そして、それまで右車線LRに対応させていた過去の車線候補点Saを車線変更により車線を跨いだ時点から左車線LLに対応する過去の車線候補点Saとして更新し直して記録する。このように構成すれば、過去の車線候補点Saを有効に活用することができる。
自車両の移動が車線変更であるか否かは、例えば、ターンシグナル信号TSの入力により判断することができる。また、ターンシグナル信号TSが入力されない場合でも、例えば、操舵トルクセンサからのステアリングホイールに加えられる操舵トルクTの測定値により運転者による操舵行為の介入を検出している状態で自車両が車線位置を超えた場合すなわち車線位置と自車両との距離が0になった場合には、車線変更と判断することができる。
次に、本実施形態に係る車線認識装置1の作用について述べる。
図2に示したような走行レーンを含む自車両前方を遠くまで見渡せる走行環境においては、本実施形態に係る車線認識装置1は、図3、図4に示したように、撮像装置2が撮像した基準画像Tとそれに基づいて作成された距離画像に基づいて検出手段9の車線候補点検出部91で車線候補点Sを検出する。
そして、図5に示したように、曲線近似処理部92で検出した車線候補点Sと過去の車線候補点Saに基づいて曲線近似を行って曲線Cを算出する。
さらに、車線位置検出部93では、図9に示したように代表点Rseg(2)、Lseg(2)までの区間については近似された曲線Cを左右の車線位置LR、LLとして検出し、それ以遠の車線位置検出の基準とする。そして、車線位置検出部93は、代表点Rseg(2)、Lseg(2)から遠方については代表点Rseg(2)、Lseg(2)と検出された左右の各車線候補点Sを次々に直線で結んで左右の車線位置LR、LLを検出する。
また、左右の各車線候補点Sを検出できないさらに遠方の区間については、代表点Rseg(2)、Lseg(2)からさらに遠方に約4m間隔に取った代表点のうち最も遠い代表点Rseg(n)、Lseg(n)を第3代表点とし、代表点Rseg(0)、Lseg(0) または代表点Rseg(1)、Lseg(1)を第1代表点とし、それらの中間の位置の代表点を第2代表点として前記手法で第3代表点Rseg(n)、Lseg(n)の遠方の車線位置LR、LLを推定する。
これらの遠方の車線位置LR、LLを推定することは、将来的な安全性向上やキープレーン等の自動制御に向けての基準を与えるものとして高い有効性を有するが、一方で、図17に示した左車線のように、先行車両との距離が接近していて基準画像T中に破線状の車線が見え隠れするような場合にも、正確に車線位置LR、LLを推定することを可能とする。
この場合、図5に示した車線候補点Sのうち、車線候補点が基準画像T上に見出され得る自車両MCに最も近い位置P近傍の車線候補点Sが検出されるか、或いは基準画像T上にはまったく車線候補点Sが検出されない。
しかし、そのような場合でも、本実施形態では、図7に示したように過去の車線候補点Saが破線状の車線の2つの標示部分に跨って存在していれば曲線近似により曲線Cを算出することができる。
そして、車線位置検出部93は、図8に示したようにこの曲線Cに基づいて約4m間隔に代表点Rseg(2)、Rseg(1)、Rseg(0)、…、Rseg(-7)、Lseg(2)、Lseg(1)、Lseg(0)、…、Lseg(-7)を取り、各点の実空間上の座標をそれぞれ算出し、上記と同様にして、図14に示すように、代表点Rseg(0)、Lseg(0)を第3代表点とし、代表点Rseg(-3)、Lseg(-3)を第2代表点、代表点Rseg(-6)、Lseg(-6)を第1代表点として、前記手法で第3代表点Rseg(0)、Lseg(0)以遠の区間にも車線位置LR、LLを推定することができる。つまり、図15の左車線のように基準画像T上では車線が見えない位置にも車線位置LR、LLを推定することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る車線認識装置1によれば、車線候補点を自車両MCの挙動により基準画像T中に見出されなくなった後も追跡し、その実空間上の座標を前記自車両の車速やヨーレート等で表される挙動に基づいて更新して記録していく。そして、このようにして正確に更新された過去の車線候補点Saの座標と基準画像T中に検出された現在の車線候補点Sの実空間上の座標とに基づいて左右の車線位置LR、LLを検出する。
そのため、車線位置検出の基準となる自車両に最も近い側の左右の車線位置LR、LLを的確にかつ正確に確定することが可能となる。また、それにより、前回の検出タイミングで正確に検出された車線位置LR、LLに基づいて今回の車線位置検出の探索範囲を適切に設定することが可能となる。
また、このようにして確定された自車両に最も近い側の左右の車線位置LR、LLに基づいてより遠方の左右の車線位置LR、LLを的確にかつ精度良く推定することが可能となる。
さらに、例えば、図17に示したように先行車両と自車両との距離が接近していて、先行車両の左側や右側に破線状の車線が検出されたり検出されなかったりするような状態においても、本実施形態に係る車線認識装置1によれば、過去の車線候補点Saの実空間上の座標を前記自車両の挙動に基づいて的確に更新して記録しているから、その過去の車線候補点Saに基づいて基準画像T上に的確に左右の車線位置LR、LLを的確に推定して位置を特定することが可能となる。
このように、本実施形態に係る車線認識装置1によれば、自車両の左右に車線位置LR、LLを正確に検出し或いは的確に推定することが可能となり、安全性向上や自動制御等の前提となる走行レーンの形状の認識を正確にかつ安定して行うことが可能となる。
なお、本実施形態に係る車線認識装置1の効果をさらに精度良く発揮させるために、過去の車線候補点Saのデータをさらに多く記録しておくように構成することも可能である。
例えば、図16に示すように、車線候補点が基準画像T上に見出され得る自車両MCに最も近い位置Pから後方に、破線状に標示された車線の標示部分3つ分に跨る範囲で過去の車線候補点Saの座標を更新し記録するように構成することも可能である。また、さらに後方まで過去の車線候補点Saの座標を更新し記録するように構成することも可能である。
このように構成すれば、近似される曲線Cの精度をさらに向上させることが可能となるとともに、走行レーンの自車両MCの位置における曲率をより正確に算出することが可能となり、キープレーン制御等をより精度良く行うことが可能となる。
本実施形態に係る車線認識装置の構成を示すブロック図である。 基準画像の例を示す図である。 図2の基準画像上で検出された車線候補点を表す図である。 実空間上に変換された図3の車線候補点を表す図である。 近似された曲線を表す図である。 無効とされる曲線近似の例を示す図である。 有効とされる曲線近似の例を示す図である。 左右の車線位置および曲線上に取られた点を表す図である。 曲線と車線候補点とが結ばれて検出された車線位置を表す図である。 遠方における左右の車線位置の推定手法を説明する図である。 自車両の挙動により基準画像上に見出されなくなる車線候補点を説明する図である。 抹消される過去の車線候補点を表す図である。 自車両から遠く離れても抹消されない過去の車線候補点を表す図である。 基準画像上に車線が検出されない場合の左右の車線位置の推定手法を説明する図である。 図14の手法により推定され基準画像上に表示された車線位置を表す図である。 より後方まで記録された過去の車線候補点を表す図である。 先行車両が接近して破線状の車線が見え隠れする状態を表す図である。
符号の説明
1 車線認識装置
2 撮像手段
6 画像処理手段
9 検出手段
T 基準画像
p1ij 輝度値
Lij 距離
S 車線候補点
MC 自車両
P 車線候補点が基準画像上に見出され得る自車両に最も近い位置
Sa 過去の車線候補点
C 近似された曲線
LR、LL 車線位置
Rseg(n)、Lseg(n) 代表点

Claims (2)

  1. 自車両前方の道路を含む風景を撮像して画素ごとに輝度値を有する一対の画像を出力する撮像手段と、
    前記撮像された一対の画像に基づいて少なくとも一方の画像の各画素について実空間における距離を算出する画像処理手段と、
    前記輝度値および前記距離の情報に基づいて前記一方の画像から車線候補点を検出して前記車線候補点に基づいて車線位置を検出する検出手段とを備え、
    前記検出手段は、前記距離の情報に基づいて前記車線候補点を実空間上の座標に変換し、自車両の挙動により前記画像中に見出されなくなった過去の車線候補点の実空間上の座標を前記自車両の挙動に基づいて更新して記録し、
    少なくとも前記過去の車線候補点に対して曲線近似し、
    前記近似された曲線に基づいて3個の代表点を選択し、最も後方の第1代表点とその前方の第2代表点とを結ぶ直線および第2代表点とその前方の第3代表点とを結ぶ直線の実空間上における傾きをそれぞれ求めて変化分を算出し、第2代表点と第3代表点とを結ぶ直線の傾きからさらに算出した変化分だけ変化した傾きを有する直線を第3代表点から前方の車線位置として推定することを特徴とする車線認識装置。
  2. 前記検出手段は、自車両が左右の車線のうちの一方の車線を跨ぐ場合には、前記一方の車線に対応する過去の車線候補点を他方の車線に対応する過去の車線候補点として更新して記録することを特徴とする請求項1に記載の車線認識装置。
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