本発明の好ましい特徴は添付図面に開示されており、添付図面では、幾つかの図面に亘って同じ要素は同じ参照番号で示されている。
図1には、本発明に従って構成された実用ライター2の一実施形態が示されており、当業者ならば、種々の要素になし得る多くの変更及び置換が考えられることが理解されよう。本発明は多用途ライターに関連して説明するが、当業者ならば、この教示を従来のポケットライター等に容易に適用できるであろう。
概略的に説明すると、ライター2はハウジング4を有し、このハウジング4は、主として、アクリロニトリルブタジエンスチレンターポリマー等の成形剛性ポリマー又はプラスチック材料で形成される。ハウジング4はまた、当業者に知られた技術、例えば超音波溶接により一体接合される2部品で形成される。
ハウジング4は、後述する支持部材4a等の種々の支持部材を有している。ライター2には、構成要素を支持し且つその移動経路を定める等の種々の目的のための他の支持部材が設けられている。ハウジング4はまた、その第1端部8及び第2端部9を形成するハンドル6を有している。ハウジングの第2端部9には、詳細に後述するワンド(wand)組立体10が枢動可能に連結されている。
図1、図1A及び図1Bに示すように、ハンドル6は好ましくは燃料供給ユニット11を有し、この燃料供給ユニット11は、燃料供給容器すなわち主本体12と、弁アクチュエータ14と、ジェット/弁組立体15と、スプリング16と、ガイド18と、リテーナ20とを備えている。容器12は、燃料供給ユニット11の他の構成要素を支持し、燃料隔室12a及びチャンバ12bを形成し、更に、容器12の頂縁部から上方に延び且つ互いに間隔を隔てた1対の支持部材12cを有している。支持部材12cには開口12dが形成されている。燃料隔室12aは燃料Fを収容しており、燃料Fは、ブタン又はプロパン/ブタン混合物等の圧縮炭化水素ガスを用いるのがよい。
図1A及び図1Bに示すように、弁アクチュエータ14は、支持部材12cより下方且つ隔室12より上方に、回転可能に支持されている。弁アクチュエータ14は、ジェットすなわち弁ステム15a及び電極15bを備えたジェット/弁組立体15に連結されている。電極15bは任意である。ジェット/弁組立体15はノーマルオープン式の弁設計であり、弁アクチュエータ14のスプリング部材16の圧力により閉じられている。変形例として、ノーマルクローズ式の弁設計のジェット/弁組立体を使用してもよい。
適当な燃料供給ユニット11が米国特許第5,934,895号に開示されており、この開示全体を本明細書に援用する。使用できる燃料供給ユニット11の他の構成が米国特許第5,520,197号及び同第5,435,719号に開示されており、これらの米国特許の開示全体を本明細書に援用する。当業者が望むならば、上記米国特許に開示された燃料供給ユニットには、風防、ラッチスプリング、ラッチ等の開示された構成要素又は除去された種々の構成要素を使用してもよい。燃料供給ユニットの他の構成を使用してもよい。
図1Aに示すように、ガイド18は、スロット18a及び突出部18bを形成する壁を有している。ライターが組立てられるとき、ガイド18は両支持部材12cの間に配置され、支持部材12cは、ガイド18を受入れるべく外方に撓む。ひとたび突出部18bが開口12dに整合すると、支持部材12cはこれらの垂直初期位置に戻る。突出部18bと開口12dとの相互作用により、ガイド18は主本体12内に保持される。
図1A及び図1Bに示すように、リテーナ20は、ボア20bが形成された前方部20aと、L型後方部20cとを有している。ジェット15aの頂部には燃料コネクタ22が配置され、燃料コネクタ22内には燃料導管23が受入れられる。しかしながら、コネクタ22を設けるか否かは任意であり、コネクタ22を使用しない場合には、導管23はジェット15aに直接取付けられる。
リテーナ20は、導管23がコネクタ22内に入るように導管23をボア20bに通して受入れることにより、導管23をジェット/弁組立体15に対して適正に位置決めできる。導管23の詳細については後述する。リテーナ20の後方部20cは、ガイド18のスロット18a内に配置される。リテーナ20及びガイド18はこれらの構成要素が一体にスナップ嵌合されるように構成でき、これにより導管23がジェット/弁組立体15に対して適正に位置決めされる。ガイド18及びリテーナ20を設けるか否かは任意であり、ライターのハウジング4又は他の構成要素を使用して、コネクタ22及び導管23を支持し且つ位置決めしてもよい。また、ガイド18及びリテーナ20は、これらが、コネクタ22及び導管23をジェット15aに対して位置決めする機能を有する限り、異なる構成にしてもよい。
容器12、ガイド18、リテーナ20及びコネクタ22は、プラスチック材料で作られるのがよい。しかしながら、弁アクチュエータ14、弁ステム15a及び電極15bは導電性材料で形成されるのが好ましい。燃料供給ユニット11は、燃料供給容器12と、ジェット/弁組立体15と、付勢型弁アクチュエータ14とを含む予備組立て型ユニットとして構成されるのがよい。燃料供給ユニット11がライター内に配置されるとき、ハウジング支持部材4aは、図1に示すように、燃料供給ユニット11の位置決め及び維持を補助する。ハウジング支持部材4bは、リテーナ20の位置決めを補助する。
図1に示すように、ライター2はまた作動部材25を有し、この作動部材25は、弁アクチュエータ14を移動させて、燃料Fを選択的に放出させる。この実施形態では、作動部材25は、燃料を着火させる着火組立体26も選択的に付勢する。変形例として、作動部材は、燃料放出又は着火機能のいずれかを行うように構成されてもよいし、他の機構又は組立体が他の機能を遂行するように構成されてもよい。また、作動部材をアクチュエータ組立体の一部として構成してもよい。
図1Bに示すように、本発明の全ての特徴にとって必須というものではないが、圧電機構等の電気着火組立体が、好ましい着火組立体26である。変形例では、着火組立体は、米国特許第3,758,820号及び同第5,496,169号に開示されているような他の電子着火構成要素、スパークホイール/発火石組立体、又はスパークを発生させ又は燃料を着火させる他の良く知られた機構を含んでいてもよい。変形例として、着火組立体は、電池と、この電池に両端が接続されたコイルとで構成されてもよい。圧電機構は、特許文献1に開示された形式のものを使用できる。図1Bには、特に米国特許第5,262,697号に開示された圧電機構26が概略的に示されている。
圧電ユニット26は、共通の軸線に沿って互いに摺動する上方部分26a及び下方部分26bを有している。圧電ユニット26の上方部分26aと下方部分26bとの間には、コイルスプリングすなわちリターンスプリング30が配置されている。リターンスプリング30は、圧電ユニットの圧縮に抵抗する機能を有し、且つ作動部材25に配置された場合には、作動部材25の押下げを妨げる。圧電ユニット26の下方部分26bは、燃料供給組立体11の協働チャンバ12b内に受入れられる。
圧電ユニット26は更に、上方部分26aに固定連結された電気接点又はカム部材32を有している。初期位置では、上方部分26a及び下方部分26bは両方とも、隙間Xだけ間隔を隔てている。カム部材32は導電性材料で形成されている。上方部分26aは作動部材25に連結されている。スパーク導体すなわちワイヤ28は一部が絶縁されており且つ任意既知の方法で圧電ユニットの電気接点29に電気的に接続されている。
図1に示すように、ハンドル6の頂側にはラッチ部材34が配置されており、ハンドル6の底側近くにおいて、作動部材25がラッチ部材34の反対側に配置されている。図2〜図4に示すように、ラッチ部材34は、概略的に、下方に延びるボス36aを備え且つ支持されずに移動可能な前端部36と、ハウジング4のヒンジ40に枢動可能に嵌合された後端部38とを有している。当業者ならば容易に理解されようが、ラッチ部材34は、例えば片持ち態様、摺動又は回転可能態様等の他の態様でもハウジングに連結できることを理解すべきである。
図3及び図4に示すように、リーフスプリング42は、前端部42a及び後端部42bを有している。リーフスプリング42は、図4に示すように、前端部42aが後端部42bよりも上方に位置し且つ間隔を隔てるように曲げられている。リーフスプリングの形状は、ライターの構成要素の配置及び必要なスペース条件に基づいて、例えば平坦な形状に変更してもよい。変形例として、リーフスプリングはラッチ部材34の前方に配置されてもよい。また、リーフスプリングは、コイルスプリング、片持ちスプリング又はラッチ部材34を付勢するのに適した他の任意の付勢部材に置換されてもよい。
図5に示すように、リーフスプリング42の後端部42bは両支持部材4c間でハウジング4内に配置され、リーフスプリング42が実質的に片持ち部材として作動するように、後端部42bがハウジング4に連結される。この構成、寸法及びスプリング42の材料により、前端部42aは、自由に移動でき且つ上方に付勢されて、図5に示すようにラッチ部材34の前端部36をその初期位置に戻す。かくして、ラッチ部材34の支持されていない前端部36を、リーフスプリング42の前端部42aと一緒に下方に移動することができる。
ラッチ部材34はプラスチックで形成されるのが好ましく、一方、リーフスプリング42は、例えばばね鋼、ステンレス鋼等の弾性を有する金属、又は他の種類の材料から製造されるのが好ましい。リーフスプリング42を、ハウジング4に取付けたもので示したが、ライターの他の構成要素に連結してもよい。
図1を参照して、作動部材25の詳細を更に説明する。作動部材25は、ハウジング4に対して摺動可能に連結されるのが好ましい。作動部材25及びハウジング4は、作動部材の前方又は後方への移動が制限されるように構成され且つ寸法を定められるのがよい。当業者ならば、作動部材を、例えば枢動及び回転可能な態様又は片持ち態様等の他の態様でハウジングに連結してもよいことを理解すべきである。例えば、作動部材は、リンク装置であってもよいし、一方のピースがハウジングに摺動可能に連結され且つ他方のピースが枢動するツーピースで形成されてもよい。
再び図3に戻って説明すると、作動部材25は、下方部分44及び上方部分46を有している。図3及び図4に示すように、下方部分44は、前方の指作用面48と、第1チャンバ50(破線で示す)と、第2チャンバ52(破線で示す)とを有している。作動部材25がハウジング4内に配置されたとき、指作用面48は、使用者の指(図示せず)が接近できるようにハウジングから突出した状態になる。
この実施形態では、作動部材25の上方部分及び下方部分は単一ピースとして形成されている。変形例として、上方部分及び下方部分は一体に連結される2つの別体ピースとして形成されてもよいし、作動部材が多ピースユニットの部品として形成されてもよい。
図4及び図5に示すように、作動部材25の第1チャンバ50及び第2チャンバ52は水平に配置される。第1チャンバ50は第2チャンバ52の下に位置し、作動部材リターンスプリング53を受入れるように構成されている。スプリング53は、作動部材25と、ハウジング4の第1スプリングストップ部分すなわちハウジング4の支持部材4dとの間に配置される。図4に示すように、作動部材25は更に、下方部分44から後方に延びている延長部54を有している。第2チャンバ52は、延長部54内に延びている。第2チャンバ52は、着火組立体26を受入れるように構成されている(図1参照)。
図3及び図4に示すように、作動部材25の上方部分46は2つのL型ガイドを有している。この実施形態では、ガイドは、側壁57の切欠部56により示された側方切欠部である。切欠部56は、第1部分56aと、この第1部分56aと連通している第2部分56bとを有している。第2部分56bは、垂直方向軸線Vに対して実質的に平行な壁56cを有している。垂直方向軸線Vは、長手方向軸線L及び横方向軸線T(図1参照)に対して垂直である。この実施形態では、ガイドは切欠部で形成されているが、他の実施形態では、作動部材に中実の側壁を設け、ガイドを側壁の内面にガイドを形成してもよい。
図3に示すように、作動部材25の上方部分46はまた、後方切欠部58と、作動部材の上壁61内のスロット60とを有している。上方部分46は更に、前方に延びる係合部分62を有し、この係合部分62は係合面62aを備えている。係合部分62の機能については詳細に後述する。
図1及び図3に示すように、この実施形態では、作動部材25の上方部分46及びガイド56は、2モード組立体の一部を形成している。2モード組立体はまた、プランジャ部材63及びピストン部材74を有している。この実施形態では、作動部材25の下方部分44及び上方部分46は単一ピースとして形成されている。他の実施形態では、下方部分44及び上方部分46を別体ピースとして形成し、一体に連結してもよい。
プランジャ部材63は、それがライター内に装着されたとき、ラッチ部材34の下に配置される。プランジャ部材63は、長手方向に延びる本体部分64及び横方向に延びるヘッド部分66を備えた実質的にT型の形状を有している。図4に最も良く示すように、ヘッド部分66は、平らな前方面66aを有している。プランジャ部材63が作動部材25内に装着されたとき、前方面66aは垂直方向軸線Vに対してほぼ平行である。
再び図3を参照すると、本体部分64は、この後端部で横方向に延びているピン68と、上面の凹部70と、本体部分64の下面から垂直に延びる突出部72とを有している。凹部70は任意である。
図3及び図4に示すように、他の実施形態では、作動部材25の壁56c及びプランジャ部材63の壁66aを異なる構成にしてもよい。例えば、壁を垂直方向軸線Vに対して傾斜させてもよい。例えば、壁66a、56cを、垂直方向軸線Vから角度βだけ角度方向にオフセットさせたラインA1に対して実質的に平行になるように傾斜させてもよい。変形例として、壁66a、56cを、垂直方向軸線Vから角度θだけ角度方向にオフセットさせたラインA2に対して実質的に平行になるように傾斜させてもよい。変形例として、壁56cにV型ノッチを設け、壁66aに、壁56cのノッチ内に受入れられるV型突出部を設けてもよいし、これとは逆の関係をなすようにV型ノッチ及びV型突出部を設けてもよい。
図4及び図5に示すように、ピストン部材74は、後方部76と、前方部78とを有している。後方部76は、大きい力のスプリングすなわち付勢部材80に接触する垂直後壁76aを有している。スプリング80は、壁76aと、ハウジング4の第2スプリングストップ部分すなわち支持部材4eとの間に配置される。再び図4に戻って説明すると、後方部76は更に、ストップ部材76cを構成する水平切欠部76bを有している。切欠部76b及びストップ部材76cは、ピストン部材74をハウジング内のレール(図示せず)に摺動可能に取付けることを可能にし且つピストン部材74が長手方向に所定距離だけ摺動することを可能にし、これにより、プランジャ63は後述のように機能する。
図3及び図4に示すように、ピストン部材74の前方部78は、互いに間隔を隔てた2つのアーム82を有している。両アーム82及び前方部78は、プランジャ部材63のピン68を受入れる切欠部84を構成している。切欠部84及びプランジャ部材63のピン68は、詳細に後述するように、プランジャ部材63がピストン部材74に対して枢動できるように構成され且つ寸法が定められている。この実施形態では、プランジャ部材63はピストン部材74に枢動可能に連結されるが、他の実施形態では、プランジャ部材63は弾性変形できるようにピストン部材74に固定されてもよい。
ピストン部材74の前方部78は下方に延びる支持部86を有し、この支持部86は、上方に延びるピン90が設けられた水平プラットホーム88を備えている。図3及び図5に示すように、ピストン部材74がライター内に組込まれたとき、プラットホーム88が作動部材25の後方切欠部58の中を通って配置され、ピン90がプランジャ部材63のピン72と整列して、両方のピン72、90の間にプランジャリターンスプリング92が保持される。プランジャ部材63は作動部材25の上壁61(図3参照)の下面に接触する。これは、プランジャ部材63が、リターンスプリング92によって初期位置に向かって上方に付勢されるからである。
図3Aには、図1のライター2に使用するプランジャ部材63′及びピストン部材74′の好ましい実施形態が示されている。プランジャ部材63′は、本体部分64′が単一の中央ピン部分68′及びスロット68″を有している点を除いて、プランジャ部材63と同じである。ピストン部材74′は、このピストン部材74′の前方部78′が、プランジャ部材63′のピン68′を枢動可能に支持するための切欠部84′を形成する単一アーム82′を有している点を除き、ピストン部材74と同じである。プランジャ部材63′が下方に枢動すると、スロット68″がアーム82′を受入れる。
作動部材25の作動を、図6〜図8を参照して以下に詳細に説明する。ライター2の他の態様に従って、ライターには、図9に示すようにワンド組立体10を設けることができるが、ワンド組立体10の詳細についても説明する。ワンド組立体10は、ハウジング4に対して移動可能に連結され及び/又はハウジング4とは別体に形成される。ワンド組立体10は、図1及び図10に示す第1位置すなわち閉位置と、図13に示す第2位置すなわち開位置又は完全広がり位置との間を枢動可能である。閉位置では、ワンド組立体10は、ライター2の持運び及び保管に便利なようにハウジング4に近接して折畳まれる。完全広がり位置では、ワンド組立体10はハウジング4から外方に広がる。
図9及び図9Aに示すように、ワンド組立体10は、ベース部材102に固定的に連結されるワンド(wand:棒)を有している。ワンド101は、金属の円筒状チューブであり、導管23(図1参照)及びワイヤ28を受入れる。ワンド101はまた、その自由端近くでワンドと一体に形成されたタブ101aを有している。変形例として、別体のタブがワンドに取付けられてもよい。
再び図9及び図9Aを参照すると、ベース部材102は、ハウジング4の第2端部9に形成された凹部104内に受入れられる。凹部104はハウジング4の両側面間に位置し、従ってワンド組立体10はこれらの両側面間に配置される。
ベース部材102は2つの本体部分106a、106bを有し且つほぼ円筒形状を有し、更にボア108が形成されている。図示の実施形態によれば、本体部分106a、106bはそれぞれチャネル106cを有し、両本体部分106a、106bが結合されると、チャネル106cは両本体部分内にチャンバ107を構成する。ベース部材のピースを結合するのに使用できる1つの技術として超音波溶着がある。しかしながら、本発明は、ベース部材102のこの形状又は構造に限定されるものではない。
本体部分106bには、孔109が形成されている。図10に最も良く示すように、孔109は、本体部分106bを貫通する弧状スロットであり、チャネル106c及びチャンバ107′(図9参照)に連通している。弧状スロット109の機能については、詳細に後述する。
再び図9を参照すると、ハウジング4は、この内面112に形成された1対の軸110a、110bを有している。軸110aは雄型部材であり、軸110bは雌型部材である。両方の軸110a、110bは、結合されたときに一体にスナップ式に嵌合する形状及び寸法を有している。変形例として、両方の軸110a、110bは、超音波溶着又は当業者に知られた他の接合方法により結合されてもよい。ひとたび組立てられると、両軸110a、110bはボア108を貫いて、ワンド組立体10をハウジング4に枢動可能に結合する。かくして、軸110は、ワンド組立体10が枢動する枢軸線Pを形成する。枢軸線Pは横方向(すなわち、ハウジング4の一方の側から他方の側に延びる方向であって、垂直方向ではない)に延び且つ長手方向軸線Lと垂直であるが、枢軸線の他の方向も本発明に包含される。ハウジング4はまた、凹部104内にベース部材102を支持すべくハウジング4の内面112に形成されたスペーサ113を有している。また、任意であるが、ベース部材102の互いに反対側に位置する両側面に、1対の摩擦部材を設けてもよい。例えば、ベース部材の互いに反対側に位置する側面に、1対のゴムOリングを着座させ、スペーサ113に当接させるのがよい。この任意の摩擦部材は、枢軸線Pの周りのワンド組立体10の枢動を妨げる抵抗を付与するのに使用できる。
図1に戻って説明すると、ライターハウジング4は更に、前端部9に垂直壁4fを有している。ベース部材102は更に、このベース部材からほぼ半径方向に延びる突出部106dを有している。壁4fと突出部106dとの協働により、ワンド101が、図13に示す完全広がり位置を実質的に越えてW1方向に移動することが防止される。更に、ワンド組立体10が完全広がり位置にあるとき、垂直壁4fとベース部材102の突出部106dとの間に僅かな隙間が存在する。
図10〜図14に示すように、ライター2に、カム部材116が設けられる。カム部材116は、ワンド組立体10を、閉位置(図10)から完全広がり位置(図13)に至る種々の中間位置(図11及び図12)において解放可能に位置決めし且つ保持する。カムフォロワ116はまた、ワンド組立体10が図10の閉位置にあるとき、使用者がライター2を着火させるのに十分に作動部材25を移動させること(より詳しくは摺動させること)を防止する。また、後述するように、ワンド組立体10が所定位置(例えば閉位置から約40°隔てた位置)に移動するまで、作動部材25のかかる十分な移動を防止し続ける。作動部材25をこのように不動にすると、燃料の放出又は炎着火が防止され、ライターの着火が防止される。炎着火は、例えばスパークの発生を防止することにより、防止される。
図15に示すように、カムフォロワ116は、ハウジング4に形成されたボス117(図9に最も良く示す)に回転可能に取付けられている。カムフォロワ116は、ハブ118と、このハブ118のほぼ両側に延びる第1係合部分119及び第2係合部分120とを有している。第1係合部分119は、ベース部材102に形成されたカム面(図9参照)と相互作用するためのフォロワ端部122を有している。第2係合部分120は、作動部材25に形成された第1係合面62a(図10参照)と接触する第2係合面126aを有している。第1係合面62a及び第2係合面126aはフック62、126の一部として示されているが、当業者に知られている他の形態の係合面も本発明の範囲内にある。別の構成として、フック126がライターの他の要素(例えばリンク部材)と係合して炎の発生を防止してもよい。
再び図10を参照すると、カムフォロワ116は、圧縮スプリングとして示す付勢部材128によって反時計回り方向に付勢され、これによりフォロワ端部122がカム面124と接触し且つ従動する。付勢部材128を所定位置に保持するために、ハウジング4には着座部130が形成され、カムフォロワ116の第1部分119にはラグ132(図15参照)が形成されている。他の実施形態では、着座部130及びラグ132は、上記とは逆の部材に形成されてもよい。また、付勢部材128はコイルスプリングとして示されているが、捩りスプリング又はリーフスプリング又は当業者が適当であると考える他の形式の付勢部材を使用してもよい。別の構成として、フォロワ端部122は、カムフォロワ116に弾性を付与することにより、カム面124に対して付勢されてもよい。例えばカムフォロワ116は、フォロワ端部122がカム面124に対して弾性的に付勢されるように、ハウジング2内で圧縮される弾性部材で形成されてもよい。
カム面124は波形面であり、且つ一連の戻り止め134a〜134dとして示す第1係合部分134a〜134dを有している。第1係合部分134a〜134dは、カムフォロワ116の第1係合部分119のフォロワ端部122に係合する。戻り止め134a〜134dは、フォロワ端部122の外方突出部を受入れるためにベース部材102に形成された凹みとして示されており、これによりフォロワ端部122は半径方向内方に変位させられ、カムフォロワ116がボス117の周りに時計回りに回転させられる。図示の実施形態では、第1戻り止め134aは、凹形切欠部である残りの戻り止め134b〜134dよりも大きい傾斜切欠部である。第1戻り止め134aは、傾斜面部分135を有し、この傾斜面部分135は、フォロワ端部122が第1戻り止め134a内でカム面124に沿って移動するときに、低圧力角を構成する。この低圧力角のため、ベース部材102が時計回りに回転させられ且つフォロワ端部122が第1戻り止め134aから第2戻り止め134bに向かって移動するとき、付勢部材128は徐々に圧縮され、これにより、ワンド組立体10が閉位置から離れる方向に枢動させられるとき、円滑且つ漸進的な感覚を使用者に与える。この低圧力角はまた、カムフォロワ116及びベース部材102に及ぼす摩耗及び応力を低減させる。
本発明は図示の戻り止め134a〜134dの形状及び構造に限定されるものではなく、戻り止め134a〜134dは、フォロワ端部122に係合してこのフォロワ端部を半径方向外方に変位させ、これによりカムフォロワ116を反時計回りに回転させるようにベース部材102に形成された、例えばバンプ、隆起部又は突出部に変更されてもよい。また本発明は、図示の戻り止めの数及び位置に限定されるものではない。また、本発明は、カムフォロワ116及びフォロワ端部122、126の形状及び構造に限定されるものではない。例えばワンド組立体10を移動させるのに必要な力を変えるため、カムフォロワ116、フォロワ端部122、126及び戻り止め134a〜134dの構造を変えてもよい。例えば、ワンド組立体を任意の中間位置を含む閉位置又は広がり位置に保持するのに必要な力を変えるために、カムフォロワ116、フォロワ端部122、126及び戻り止め134a〜134dを変えてもよい。
引続き図10を参照すると、ワンド組立体10が閉位置にあるライター2が示されている。この位置では、フォロワ端部122が第1戻り止め134a内に付勢され、且つ枢軸線Pから第1半径距離R1の位置にある。第1戻り止め134aは傾斜面部分135を有しているので、ワンド組立体10は、フック126がフック62から分離する前、所定距離(好ましくは約40°)だけ枢動しなければならない。ワンド組立体10が閉位置にあるか、所定距離よりも小さく枢動される場合、フック126は作動部材25のフック62に係合し、このため、作動部材25を押下げると、フック壁62a、126aが係合する。両フック62、126は互いに間隔を隔てるように構成されてもよいし、作動部材25が部分的に押下げられても、ライター2を着火させるのに十分には押下げられないように構成されてもよいし、作動部材25が全く押下げられないようにされてもよい。
両フック62、126が互いに係合すると、フック壁62a、126aが接触する。両フック壁62a、126aは、長手方向軸線L及び枢軸線Pの両方に垂直な垂直方向軸線Vに対して実質的に平行な向きに配置されているものが示されている。両フック62、126のこの構成は、ライターを着火させるために作動部材25を十分に押下げるのに必要な力を増大させる。
別の構成として、フック壁62a、126aを傾斜させてもよい。例えば、フック壁62a、126aは、垂直方向軸線Vから角度γだけ角度的にオフセットされた線B1に実質的に平行に傾斜していてもよく、これにより両フック62、126は相互に係止される。フックのこのような構成は、ライターを着火させるのに十分に作動部材25を押下げるのに必要な力を増大させる。この相互に係止される構成で必要とされる力は、垂直壁の構成において必要とされる力よりも大きい。
変形例として、フック壁62a、126aは、垂直方向軸線Vから角度δだけ角度方向にオフセットされた線B2に実質的に平行に傾斜していてもよい。このようなフックは、所定の力を付与すると、撓んで分離する。フックのこのような構成は、ライターを着火させるのに十分に作動部材25を押下げるのに必要な力を増大させるであろうが、この力は、壁62a、126aが垂直である場合又は角度γである場合よりも小さい。
フック62、126の図10に示す実施形態によれば、作動部材25は、ワンド組立体10が閉位置にあるとき、ライター2を着火するのに十分に押下げられる。しかしながら、これを行うには、両フック62、126の相互作用のため、ワンド組立体10が広がり位置又は広がり位置との間の中間位置まで枢動されたときよりも大きい力が必要になる。ワンド組立体10が閉位置にあるときにライター2を着火させるのに十分に作動部材25を押下げるのに必要な追加の力の大きさは、例えばフック壁62a、126aの角度を変えることによって及び/又はフック62、126を形成するのに使用される材料を変えることによって、変えることができる。
ワンド組立体10は、これが閉位置にあるとき、意図しない枢動に対する抵抗を与える。なぜならば、広がり位置に向かう方向(すなわち、第1方向W1)にワンド組立体10を枢動させると、フォロワ端部122が傾斜面135に沿って移動し、付勢部材128を圧縮するからである。かくして、ワンド組立体10が閉位置にあるときにワンド組立体10を枢動させるために、使用者は、フォロワ端部122が傾斜面135の上を移動して付勢部材128を圧縮させるのに十分な力をワンド組立体10に与えなければならない。
当業者ならば、必要とされる力の大きさが、特定のばね定数をもつ付勢部材128を選択することによって及び/又はカム面124の幾何学的形状を変更することによって変えられることを理解すべきである。この特徴により、ワンド組立体10は、解放可能に閉位置に保持される。図1に示すように、ライター2において、ワンド101を閉位置に解放可能に保持するための任意の突出部(図示せず)をハウジング4の凹部4f内に設けてもよい。
図10A、図11及び図12には、ワンド組立体10が部分的な広がり位置すなわち中間位置にあるライター2が示されている。図10に示す初期位置では、ワンド組立体10は中心軸線CW1を有している。図10Aに示す第1中間位置では、ワンド組立体10は、約20°の枢動角αだけ枢動させられる。枢動角αは、ワンド101の初期中心軸線CW1と、フォロワ端部122(仮想線で示す)が第1戻り止め134a内にあるときの図示の位置の中心軸線CW20との間に形成される。
図11に示す第2中間位置では、ワンド組立体10は、約45°の枢動角αだけ枢動される。枢動角αは、ワンド101の初期中心軸線CW1と、フォロワ端部122が第2戻り止め134b内にあるときの図示の位置の中心軸線CW45との間に形成される。
図12に示す第3中間位置では、ワンド組立体10は、約90°の枢動角αだけ枢動される。枢動角αは、ワンド101の初期中心軸線CW1と、フォロワ端部122が第3戻り止め134c内にあるときの図示の位置の中心軸線CW90との間に形成される。
図14に示す第4中間位置では、ワンド組立体10は、約135°の枢動角αだけ枢動される。枢動角αは、ワンド101の初期中心軸線CW1と、フォロワ端部122が第3戻り止め134cと第4戻り止め134dとの間にあるときの図示の位置の中心軸線CW135との間に形成される。
図13に示す完全広がり位置では、ワンド組立体10は、約160°の枢動角αだけ枢動される。枢動角αは、ワンド101の初期中心軸線CW1と、フォロワ端部122が第4戻り止め134d内にあるときの図示の位置の中心軸線CW160との間に形成される。
図10Aを参照すると、カムフォロワ116は、その初期位置が実線で示され、半径方向に変位した位置が仮想線で示されている。ワンド101がその初期位置から20°の角度にあるとき、フォロワ端部122(仮想線で示す)は戻り止め134a内の傾斜面135に接触し且つカムフォロワ116はボス117の周りに僅かに回転させられる。しかしながら、フック126(仮想線で示す)及びフック62は、作動部材25を押下げたときに係合するのに十分に整列した状態にある。かくして、この位置では、残りの中間位置(図11、図12及び図14)及び閉位置(図13)においてライターを着火させるのに十分な力よりも大きい力を加えなければ、ライター2を着火するのに十分に作動部材25を移動させることはできない。
図11〜図13を参照すると、これらの位置では、フォロワ端部122は、それぞれ、第2、第3及び第4戻り止め134b、134c及び134d内に配置され、これらの戻り止めは全て枢軸線Pから第2半径距離R2にある。第2半径距離R2は第1半径距離R1(図10参照)よりも大きい。このため、前述のように、ワンド組立体10を閉位置から中間位置及び完全広がり位置に枢動させると、フォロワ端部122がハウジング4の第1端部8(図1参照)の方向に変位させられ、カムフォロワ116をボス117の周りに時計回り方向に回転させ且つフック126をそれがフック62と整列しないように回転させる。かくして、これらの3つの位置では、作動部材25を完全に押下げるとき、フック壁62aとフック壁126aとが係合しない。図11では、カムフォロワ116が初期位置にあるところを仮想線で示し、カムフォロワ116が半径方向変位位置にあるところを実線で示す。図12〜図14では、カムフォロワ116がその半径方向変位位置にあるところを示す。
ワンド組立体10は、枢動に対する可変抵抗を有する。ワンド組立体10が、例えば閉位置(図10)、広がり位置(図13)、及び閉位置と広がり位置の間の或る中間位置(図11及び図12)等の1つ以上の高ワンド力位置にあるとき、フォロワ端部122は戻り止め134a〜134dのうちの1つに接触する。これらの高ワンド力位置のいずれかの位置にあるときにワンド組立体10を枢動させると、フォロワ端部122がカム面124に沿って移動して、第2、第3又は第4戻り止め134b、134c、134dによって半径方向外方に変位させられるので、カムフォロワ116の第1部分119が付勢部材128を圧縮する。戻り止め134aが傾斜面部分135を有しているので、ワンドを閉位置から移動させるのに要する力は、ワンドを図11〜図13に示す位置から移動させるのに要する力より小さい。従って、前述したように、ワンド組立体10を枢動させるには、使用者は十分な力をワンド組立体10に加えて付勢部材128を圧縮し、フォロワ端部122を戻り止めから脱出させなくてはならない。かくしてライター2は、中間位置又は広がり位置のうちの最適位置に、選択的に且つ解放可能に位置決めされすなわち保持され且つ安定化される。例えば、ジャー付きキャンドルに着火するには中間位置が適し、バーベキューグリルに着火するには完全広がり位置が適しているであろう。当業者ならば、カム面124に種々の間隔をおいた任意数の戻り止め134a〜134dを設けて、ワンド組立体10に任意の数及び組合せの閉位置、中間位置及び完全広がり位置を設けてもよいことを理解すべきである。また当業者ならば、閉位置と完全広がり位置との間に任意数の高ワンド力位置及び低ワンド力位置を配置してもよいことを理解すべきである。また、閉位置を高ワンド力位置又は低ワンド力位置にし、完全広がり位置を高ワンド力位置又は低ワンド力位置にしてもよい。
図14には、ワンド組立体10が低ワンド力位置にある状態のライター2が示されている。図示の低ワンド力位置では、ワンド組立体10は部分的に広げられ且つ閉位置から約135°の角度位置に配置されている。フォロワ端部122は、点Aで示す位置で、第3戻り止め134cと第4戻り止め134dとの間のカム面124に付勢されており、且つ枢軸線Pから第3半径距離R3にある。第3半径距離R3はカム面124の公称半径であり、従ってフォロワ端部122が戻り止め134a〜134dのいずれの1つとも整列しないとき、フォロワ端部122は、必ず枢軸線Pから第3半径距離R3の位置にある。第3半径距離R3は第1半径距離R1及び第2半径距離R2よりも大きく、従って、フック126が回転させられてフック62に係合しなくなる。かくして、フォロワ端部122が戻り止め134a〜134dの間でカム面124に接触するため、作動部材を押下げてライターを着火させることができる。従って前述したように、作動部材25は、ワンド組立体10が閉位置又は閉位置から約40°以内の位置にあるときに、ライター2の着火を防止するのに十分に不動にされるに過ぎない。他の実施形態ではこの角度を変えることができる。
引続き図14を参照すると、ここにはワンド組立体10が低ワンド力位置にあるところが示されており、この位置ではフォロワ端部122が戻り止め134cと戻り止め134dとの間のカム面124に接触する。かくしてフォロワ端部122は戻り止め134c及び戻り止め134dに接触していない。この位置では、ワンド組立体10を枢動させるのに要する力は、フォロワ端部122が戻り止め134a〜134d内に受入れられて高ワンド力位置にあるときにワンド組立体10を枢動させるのに要する力よりも小さい。低ワンド力位置にあるとき、ワンド組立体10は、依然として、枢動に対する幾分かの抵抗を付与する。なぜならば、付勢部材128はその最大圧縮状態にあり、従ってカム面124に対してフォロワ端部122を付勢して、ワンド組立体10の枢動時、フォロワ端部とカム面124との間に摩擦力を発生させるからである。かくして、ワンド組立体10が低ワンド力位置にあるときは、ワンド組立体10を枢動させるのに、使用者はこれらの摩擦力に打勝つのに十分に小さい力を加えればよい。ワンド組立体10を枢動させるのに、高ワンド力位置は、低ワンド力位置よりも大きい力を必要とする。なぜならば、使用者は、付勢部材128を更に圧縮し且つフォロワ端部122を戻り止め134a〜134dから脱出させる追加の力を付与し泣ければならないからである。同様に、フォロワ端部122が戻り止め134aと戻り止め134bとの間及び戻り止め134bと戻り止め134cとの間にあるとき、ワンド組立体10は低ワンド力位置にある。
高ワンド力位置にあるときにワンド組立体10を枢動させるのに要する力の大きさを増大又は減少させるために、戻り止め134及びフォロワ端部122の幾何学的形状を変えてもよい。例えば、戻り止めを比較的深くし且つフォロワ端部122にぴったり一致させる寸法及び形状にすれば、高ワンド力位置にあるとき、加える力が大きいことが必要である。変形例として、高ワンド力位置にあるとき、加える力を大きさを減少させるために、戻り止めを比較的浅くし且つフォロワ端部122に対して大きめの寸法にしてもよい。
図10及び図13に示すように、ワンド101を、第1方向W1とは逆の第2方向W2に移動させると、ワンド101を閉位置に向かって移動させることができる。ワンド101を閉位置に向かって移動させるとき、ワンド101は上記のように作動し、移動中に中間位置(図11及び図12参照)に解放可能に保持される。
再び図9Aを参照すると、ここには、図1のライター2に使用する導管23の一実施形態が示されている。導管23は、燃料供給ユニット11をノズル143に流体的に連結するためのチャネル142を形成する可撓性チューブ140を有している。かくして可撓性チューブ140は、燃料F(図1参照)を燃料供給ユニット11からノズル143へと搬送する。可撓性チューブ140の適当な材料はプラスチックである。チューブ140の第1端部146から第2端部148まで、非絶縁導電性ワイヤ144がチャネル142内に配置されている。導電性ワイヤ144の適当な材料は銅等である。この実施形態では、ワイヤ144は、少なくとも一部がコイル状になっている。コイルは、そのいくらかの部分を他の部分よりも密にすることができる。他の実施形態では、コイル状でないワイヤを使用してもよい。チューブ140の第1端部146には燃料コネクタ22が連結される。チューブ140の第2端部148には、ノズルコネクタ147を介してノズル143が連結される。かくしてワイヤ144は、燃料を着火させるスパークを発生させる電荷をノズル143に導く導体として機能する。ワイヤ144はまた、可撓性チューブ140を強化して、キンクに対する抵抗を付与する。
導管23、ノズルコネクタ147及びノズル143は、1対のガイド/絶縁部材145(一方の部材143のみが示されている)内に支持される。ひとたび1対のガイド/絶縁部材145がこれらの構成要素の周りに配置されると、部材145の端部上にアイソレータ146が配置される。次に、この上にワンド101が配置される。
図1〜図1B及び図16に示すように、チューブ140は、リテーナ20のボア20b内に使用され、且つワイヤ144が燃料コネクタ22を通って延び且つ電極15bに電気的に接触するように、燃料コネクタ22に結合される。チューブ140の第2端部148は、ワンド101の先端部152に隣接して配置されるノズル143に連結される。かくしてチューブ140は、燃料Fを、燃料供給ユニット11からチャネル142を介して、ワンド組立体10の先端部152のノズル143に搬送する。任意であるが、ノズル143にはディフューザ154(コイルスプリングの形態が好ましい)を設けてもよい。
図1及び図11に示すように、導管23及びワイヤ28は、ワンド組立体10の少なくとも一部を通って、ハウジング4の内部から延びている。ワイヤ28は、ベース部材102に連結された金属ワンド101の端部に隣接して電気的に接続されている。ワイヤ28を、その少なくとも一部がチューブ140の周りでコイル状になるようにしてもよい。導管23は、ノズル143まで延びている。ハウジング4に対してワンド組立体10をより良く枢動させるために、導管23及びワイヤ28は、ベース部材102の孔109及びベース部材102内のチャンバ107(図9参照)を通って延びている。孔109は、枢軸線Pから間隔を隔てることが好ましい。かくして、ワンド組立体10がハウジング4に対して枢動するとき、導管23及びワイヤ28は、端部109aから端部109bまで弧状スロット内で摺動する。導管23及びワイヤ28の長さもまた、ワンド101が枢動することを可能にする。
ひとたびワンド組立体10が部分的広がり位置又は完全広がり位置に移動されると、ライター2は2つの異なるモードで作動可能である。図5に示すように、各モードは、意図しない使用者による好ましくない作動を異なる態様で妨げるように設計されている。第1作動モードすなわち高作動力モード(すなわち高力モード)及び第2作動モードすなわち低作動力モード(すなわち低力モード)は、一方のモード又は他方のモードを使用できるように構成されている。ライター2の高力モードは、主として肉体的差異、より詳しくは意図しない使用者対或る意図を有する使用者の(肉体的な)強さ特性により、ライターの意図しない作動に対する抵抗を付与する。このモードでは、使用者は、ライターを作動するために、高作動力すなわち高操作力を作動部材25に加える。任意であるが、このモードでライター2を作動させるのに要する力は意図しない使用者が加えることができる力より大きいが、或る意図する使用者が加えることができる範囲内にあるように構成してもよい。
ライター2の低力モードは、高力モードよりも、意図した使用者の認識能力に基づいて、意図しない使用者によるライターの好ましくない作動に対する抵抗を付与する。より詳しくは、第2モードは、認識能力と肉体的差異との組合せ、より詳しくは、寸法特性と、使用意図がある使用者と使用意図がない使用者との間の器用さとの組合せによる抵抗を付与する。
低力モードは、ライターを作動させるために作動部材に加える必要がある力を、高作動力から低作動力に変えるようにライターの2つの構成要素を作動させる使用者に基づいて定められる。低力モードは、プランジャ部材63を高作動力位置から低作動力位置へと位置変更する使用者に基づいて定めることができる。使用者は、ラッチ部材34を押下げることによりプランジャ部材63を移動させる。プランジャ部材を移動させた後、使用者は作動部材に小さい力を加えることによりライターを作動させる。低力モードは、例えば、作動部材に対するラッチ部材の形状、寸法又は位置を変えることにより、或いは又はこれに加えて、ラッチ部材及び作動部材を付勢するのに必要な力及び距離を変えることにより、意図する使用者と意図しない使用者との間の肉体的差異及び認識的差異の組合せに基づいて定められる。また、作動部材及びラッチ部材を特定シーケンスで作動させることの必要性は、意図しない操作に対する所望レベルの抵抗性を達成するのに使用される。
図5を参照して、高力モード及び低力モードを有するライター2の一実施形態を説明する。図3及び図5のライターは、ラッチ部材34に連結された可動プランジャ部材63を有している。
高力モードでの初期位置すなわち休止位置では、図5に示すように、プランジャ部材63、より詳しくは、部分66は、作動部材25内に形成された切欠部56の部分56b内に配置される。プランジャ部材63の壁66aは、スロット56の垂直壁56cに接触し、かくして高作動力位置にある。使用者が作動部材25を作動しようと試みるとき、垂直壁66cは垂直壁66aに力を加え、これにより力がピストン部材74に加えられ、ピストン部材74は壁76aの中を通って移動し、スプリング80を圧縮する。スプリング80は、作動部材25の移動に対抗するスプリング力FSを付与する。初期位置では、スプリング80は圧縮されておらず、D1の長さを有している。
この実施形態では、長さD1は、支持部4dとピストン部材74の端壁76aとの間の空間に実質的に等しい。他の実施形態では、長さD1をこの空間より長くして、装着されたときにスプリング80が圧縮され且つ予荷重を受けるように構成されてもよいし、長さD1をこの空間より小さくしてもよい。
ライターをこの高力モードですなわち部分66がスロット部分56b内に配置されるときに作動させるには、使用者は、少なくとも、第1作動部材力FTIを作動部材25に加える。第1作動部材力FT1は、スプリング力FSと他の全ての対向する力FOP(図示せず)との合計に実質的に等しいか、これよりも大きい。スプリング力FSは、スプリング80を圧縮するのに要する力である。対向する力FOPは、ライターを作動させるために移動され且つ付勢される他の種々の要素及び組立体によって付与される力であり、例えば、圧電ユニット26のリターンスプリング30(図1B参照)からのスプリング力、スプリング53を圧縮する力、作動部材の移動により引起こされる摩擦力、及びスプリング及び付勢部材(作動部材又はアクチュエータ組立体又は燃料容器の一部)による、ライターの作動を妨げる他の任意の力がある。ライターの作動を妨げる特定の力FOPは、ライターの形状及びデザインに基づいて定められ、従って、或るライターの設計と他のライターの設計とで異なるものである。このモードでは、作動部材に加えられる力が第1作動部材力FT1より小さい場合には、ライターの着火は生じない。
図6に示すように、使用者が、第1作動部材力FT1に少なくとも実質的に等しいか、これより大きい力を作動部材25に加えるとき、作動部材25は距離dだけ移動し、プランジャ部材63及びピストン部材74がスプリング80を圧縮する。図1Bの状態からの作動部材25のこの移動により、圧電ユニット26の上方部分26a及び下方部分26bがともに圧縮され、これにより弁アクチュエータ14が移動してジェット/弁組立体15に作用し、弁ステム15aを前方に移動させて隔室12aから燃料Fを放出させる。カム部材32が弁アクチュエータ14に接触すると、圧電ユニット26とワイヤ144との間に電気的導通を生じさせる(図9A参照)。作動部材25を更に押し下げると、圧電ユニット内のハンマー(図示せず)が、これも圧電ユニット内の圧電要素(図示せず)を打撃する。圧電要素すなわちクリスタルを打撃すると、電気的インパルスが発生し、電気的インパルスはワイヤ28(図1参照)に沿ってワンド101及びタブに導かれて、ノズル143にスパークギャップを発生させる。またスパークは、カム部材32から、弁アクチュエータ14、次に弁ステム15a、次にジェット15a、次に電極15b及びワイヤ144、及びコネクタ150及びノズル143へと移動する。これにより、ノズル143とワンド101との間に電気アークが発生し、周囲に漂う燃料を着火させる。
高作動力モードにおいて作動部材25が押下げられると、スプリング80は、長さD1(図5参照)より小さい長さD2(図6参照)を有する。この作動モードの間、ラッチ部材34は実質的に元の位置に留まっており、ボス36aは、その位置及びスロット60内における前方移動により、作動部材25の移動を妨げることはない。
作動部材25が解放されると、圧電機構26内のリターンスプリング30(図1B参照)及びスプリング53、80は、ピストン部材74、プランジャ部材63及び作動部材25をこれらの元の休止位置に移動させ又はかかる移動を補助する。スプリング16(図1B参照)は弁アクチュエータ14を押圧して、ジェット/弁組立体15を閉じ且つ燃料の供給を遮断する。これにより、ライターから出ている炎が消失する。このため、作動部材25を解放すると、ライターは自動的に初期状態に戻り、初期状態では、プランジャ部材63は高作動力位置(図5参照)に留まり、このため、作動部材を作動させるには高作動力を必要とする。
ライターは、使用者が高作動力モードでライターに着火するのに使用者が所定の強さレベルをもたなくてはならないように設計できる。任意であるが、ライターは、高作動力モードでも使用者が単一操作又は1本の指で着火できるように構成されてもよい。
変形例として、使用意図のある使用者が、作動部材に大きい第1作動部材力FT1(すなわち高作動力)を作動部材に加えることによってライターを使用することを望まない場合、使用意図のある使用者は、図7に示すように、ライター2を低作動力モード(すなわち低力モード)で作動させるのがよい。この作動モードは多作動移動を有し、図示の実施形態では、使用者は、ライターを作動させるのに2つの運動を行ってライターの2つの構成要素を移動させる。ライターにワンド組立体10(図1参照)及びカムフォロワ116が組込まれる場合、低作動力モードでのライターの作動は、ワンド組立体を広がり位置に移動させることを含む3つの運動を有する。
図7のライターでは、低力モードは、スプリング80が高力モードの場合と同じ度合いまで作動部材25の移動に抵抗しないように、プランジャ部材63を下方に移動させることを含む。低力モードでは、ラッチ部材を押下げることにより、第2作動部材力FT2(すなわち低作動力)に実質的に等しいかこれより大きい力が作動部材25に加えられて、ライターを着火させる。この作動モードでは、第2作動部材力FT2は、第1作動部材力FT1よりも小さいことが好ましく、任意であるが大幅に小さくしてもよい。
図7に示すように、この実施形態の低力モードでライター2を作動させるには、ラッチ部材34の自由端36を、初期位置(仮想線で示す)から作動部材25に向かって押下げ位置まで押下げる。ラッチ部材34とプランジャ部材63との作動的な連結により、ラッチ部材34の下方移動によってボス36aを移動させ、これによりプランジャ部材63の前端部を下方に移動させる。ラッチ部材34及びプランジャ部材63がこれらの押下げ位置にあるとき、凹部70(図3参照)はラッチ部材のボス36aを受入れ且つ凹部70はこの位置でのボスの水平接触面を形成する。
ラッチ部材を部分的又は完全に押下げることにより、異なる結果が得られる。ライター構成要素の構成により、ラッチ部材を部分的に押下げたときに、壁66aが垂直壁56cに接触するように又はこれに隣接するように構成できる。壁66aが作動部材25の垂直壁56cに接触するように又はこれに隣接するようにラッチ部材34が押下げられても、ライター2は依然として高力モードにある。壁66aが壁56cに等しいか、これより下に位置するようにラッチ部材34を押下げると、ライターは低力モードにあるか、低力モードに移行する。或る構成では、ライターは、ラッチ部材34が完全に押下げられたときに、プランジャ部材63が作動部材25の上方部分46(図4参照)と完全に接触しなくなるように設計される。
低力モードすなわち第2作動部材力FT2でライターを作動させるべく作動部材に加えられる力は、前述のように、対向する力FOPに打勝ってライターに着火しなければならない。また、プランジャ部材63が作動部材25に接触する場合、第2作動部材力はまた、作動部材の移動中にこの接触により発生する摩擦力に打勝つ必要がある。しかしながら、使用者は、ラッチ部材を部分的に押下げるか完全に押下げることによって、スプリング80により加えられる付加スプリング力(図5参照)に打勝つ必要がない。部分的に押下げた場合、ライターのモードは、垂直壁66aが垂直壁56cに接触するか、作動部材25に接触するかに基づいて定まる。垂直壁66aが垂直壁56cに接触する場合、延長部66が依然としてスロット部分56b内にあるため、使用者は依然として高スプリング力に打勝つ必要がある。
図8に示すように、部材63がスロット部分56aの上面に接触する場合には、接触による力は打勝つべきものである。完全に押下げた場合には、壁66aは壁56cに接触しないため、使用者はいかなるスプリング力にも打勝つ必要はない。この結果、低力モードに必要な第2作動部材力FT2は、高力モードに必要な第1作動部材力FT1よりも小さい。ラッチ部材34の完全押下げによりプランジャ部材63を移動させて作動部材25と接触しなくなるようにライターが設計されている場合には、スプリング力Fs(図5参照)は実質的にゼロになる。かくしてスプリング力Fs以外の力がない所定作動力は実質的にゼロになる。しかしながら、使用者は、ライターの他の力に打勝つのに十分な力を加えてライターを着火しなければならない。
図8に示すようなライターの低力モードでは、作動部材25を押下げると、隙間g(図7参照)が減少する。また、図8に示すように、スプリング80は圧縮されず且つその元の長さD1を有し、ピストン74はその元の位置にあり、スプリング53は圧縮されており、作動部材25は延長部66に対して移動する。これにより、ライターを低力モードで着火できる。作動部材25及びラッチ部材34が解放されると、圧電機構内のスプリング30及びリターンスプリング53は、作動部材25をその初期位置に移動させ又はかかる移動を補助する。また、リーフスプリング42及びスプリング92がラッチ部材34及びプランジャ部材63をこれらの初期位置に戻す。かくしてライターは自動的にその初期位置に戻り、この状態では、プランジャ部材63は高作動力位置にあり且つライターを作動させるには高作動力を必要とする。
低力モードを遂行するには、使用者が所定レベルの器用さ及び認識技能を有し、このためラッチ部材の押下げ及び作動部材25の移動が正しいシーケンスで行なわれなくてはならないように構成されるのが好ましい。低力モードでは、使用者は、親指を用いてラッチ部材34を押し、別の指を用いて作動部材力を加えるのがよい。ライターは、ラッチ部材34が押下げられた後に作動部材力を加えて、ライターを作動させるのに適正シーケンスが行われるように設計されるのが好ましい。変形例として、作動させるための他のシーケンスを使用してもよく、本発明はここに開示するシーケンスに限定されるものではなく、当業者が考え得るものをも包含する。例えば、シーケンスは、作動部材を部分的に引っ張り、ラッチ部材を押下げ、次いで作動部材を残りの経路だけ引っ張ることから構成されてもよい。低力モードのライターはまた、例えば作動部材とラッチ部材との間隔を制御することによって、又は、ラッチ部材、作動部材又はライターの操作力、形状及び寸法を調節することによって、意図した使用者と意図しない使用者との間の肉体的な差に基づいて設計される。
使用意図を有する或る使用者がライターを作動させるのに過度に困難でないライターにするため、高作動力FT1は、所定値よりも大きくならないようにすべきである。図5のライターでは、FT1の好ましい値は約10kgより小さく且つ約5kgより大きく、より好ましくは、約8.5kgより小さく且つ約6.5kgより大きい。また、このような力の範囲は、或る意図した使用者による使用に実質的な悪影響を与えることがないだけでなく、意図しない使用者による作動には所望の抵抗を与えるものであると考えられる。これらの値は例示であり、高力モードでの作動力はほぼ上記範囲にある。
当業者ならば、種々のファクタが、意図した使用者が作動部材に快適に加えることができる高作動力を増大又は減少できることは容易に理解すべきである。これらのファクタとして、例えば、ライター設計で与えられる、作動部材を引っ張り又は作動するためのてこの比、ライター構成要素の摩擦係数及びばね定数、作動部材の形状、作動部材の作動運動の複雑さ、構成要素の位置、寸法及び形状、意図した作動速度、及び意図した使用者の特徴等がある。例えば、作動部材とラッチ部材との位置及び/又は関係、及び/又は意図した使用者の手が大きいか或いは小さいか等のファクタもある。
内部組立体の設計、例えばアクチュエータ組立体の形状、全てのリンク機構の形状、スプリングの数、及びスプリングにより発生される力は、全て、ライターを作動させるべく使用者が作動部材に加える力に影響を与える。例えば、線形作動経路に沿って移動する作動部材の力条件と、非線形作動経路に沿って作動部材を移動させる力条件とは同じではない。作動するには、使用者が多経路に沿って作動部材を移動させる必要があり、このことが作動を一層困難にする。本願に開示する実施形態は線形作動経路を備えた好ましい作動部材を示したが、当業者ならば、本発明により非線形作動経路が考えられることは容易に理解されよう。
図7に示す実施形態では、低力モードでの第2作動部材力FT2は第1作動部材力より小さく、必ずというわけではないが、少なくとも約2kgだけ小さいことが好ましい。図7に示す実施形態では、低作動力FT2は約5kgより小さいが、好ましくは約1kgより大きく、より好ましくは約3kgより大きい。上記これらの値は例示であり、本発明はこれらの値に限定されるものではない。なぜならば、特に望まれる値は、前述の多くのライター設計ファクタ、及び意図しない使用者による操作に対する所望の抵抗レベルにより定められるからである。
ライター2の1つの特徴は、使用者が必要な作動力を付与する限り、高力モードにおいて多くの作動操作を遂行できることである。ライター2の他の特徴は、使用者がラッチ部材を押下げ且つライターの着火に要する作動力及び運動を付与する限り、低力モードにおいて多くの作動操作を遂行できることである。より詳しくは、第1の試みでライターが作動しない場合に、使用者がラッチ部材を押し続ける場合に、低力モードで再び作動部材を作動することにより使用者は再び着火を試みることができる。
図16及び図16Aには、ライター2の他の実施形態が示されている。ライター902は図1〜図4に示したライター2と実質的に同じであり、異なる部分のみを以下に詳細に説明する。ライター902は、ラッチ934を押すのに要する力の大きさがラッチ934及び作動部材925の作動シーケンスに基づいて変えられるように構成され且つ寸法が定められている。より詳しくは、使用者がラッチ934を押す前に作動部材925を押す場合、ラッチ934を押すのに要する力の大きさが増大する。図16には、作動部材925が所定位置にあって、ライター902が高力モードにあるところが示されている。このモードにおいて、使用者が作動部材925を押す前にラッチ934を押す場合には、第1ラッチ力FL1が、ラッチ934を押し且つライター902を高力モードから低力モードに切替えるのに必要である。図16Aに示すように、使用者がラッチ934を押すことを試みる前に作動部材925を押す場合、ラッチ934を押し且つライター902を高力モードから低力モードに切替えるのに、第2ラッチ力FL2(第2ラッチ力は第1ラッチ力FL1より大きいことが好ましい)が必要になる。かくして、ライター902が高力モードにある間に使用者が作動部材925を押すことを試み、次にラッチ934を押してライター902を低力モードに切替えることを試みる場合には、ラッチ力FLが増大して、ラッチ934を押すことを防止する。
図16及び図16Aには、ラッチ力FLのこの変化を与える構造の一例が示されている。これらの図面に示されているように、第1係合面967はラッチ部材934と関連し、第2係合面927は作動部材925の一部(例えば壁956c)に関連している。例示の目的でのみ、第1係合面967はプランジャ部材963に形成された傾斜面として示され、第2係合面927は作動部材925に形成され且つ第1の係合面と一致する傾斜面として示されているが、他の構成も可能である。例えば、第1係合面967をラッチ部材934又はピストン部材974に形成し、第2係合面927をハウジング904に形成してもよい。
図16に示すように、ライター902が高力モードにあり且つ作動部材925が初期位置にあるときは、第1係合面967及び第2係合面927は、使用者がラッチ934を押してライター902を低力位置に切替えることを試みるとき、第1係合面967と第2係合面927とが実質的に係合しないように構成されている。かくして、この状態では、ラッチ934を押し且つライター902を低力モードに切替えるのに必要なラッチ力FL1は、スプリング992、任意に設けられるリーフスプリング942及び任意の付随的な摩擦力に打勝つ力で十分である。図16に示すライターでは、第1係合面967及び第2係合面927は距離Xだけ間隔をおいており、この距離Xは、ラッチ934が第1ラッチ力FL1により低力位置に移動するのに十分な距離である。
図16Aに示すように、使用者がラッチ934を押す前に作動部材925を押す場合には、係合面967と第2係合面927との間の距離は減少する(この減少した距離が符号X′で示されている)。このため、使用者がラッチ934を押すと、第1係合面967が第2係合面927に係合する。この係合により、ラッチ934を押すことに対し、スプリング992、任意のリーフスプリング942及び任意の付随的な摩擦力に加えて、抵抗が付与され、この結果、ラッチ力FL2の方がラッチ力FL1より大きくなる。より詳しくは、ラッチ934を押すことにより引起こされる第1係合面967と第2係合面927との相互作用(例えば、互いに一致する傾斜面間の摺動)により、プランジャ部材963がピストン部材974に向かって移動し、スプリング980を圧縮する。スプリング980のこの圧縮により、ラッチ934の移動に抵抗が付加される。これとは別に又はこれに加えて、第1係合面967と第2係合面927との相互作用により、作動部材925及び/又はラッチ934が使用者の指に抗して移動され、ラッチ934の移動に付加抵抗を付与する。
当業者ならば、ライター902は、第1係合面967及び第2係合面927が互いに係合する前に作動部材925を部分的に押すことができるように構成(例えば、距離Xを十分に大きくして、ラッチ934の初期押下げ時に、作動部材925を部分的に押下げても第1係合面967が第2係合面927に接触しないように構成)できることを理解すべきである。この場合、使用者は、ラッチ934を押す前に、作動部材925を所定距離だけ移動させることができ、且つラッチ934を押してライター902を低力モードに切替えるのに要する力は第1ラッチ力FL1に留まるであろう。しかしながら、作動部材925を移動させるときに所定距離より大きい距離を必要とし且つラッチ934を押すのに要する力は第2ラッチ力FL2に増大する。
図17及び図17Aには、ライター902の変更形態がライター1002として示されている。ライター1002は、ラッチ1034を押す前に作動部材1025が押される場合には、使用者がラッチ1034を押すことを実質的に防止できる点を除き、ライター902と実質的に同じである。かくして、ライター1002が高力モードにある間に使用者が作動部材1025を押し、次にラッチ1034を押してライター1002を低力モードに切替える場合には、第1係合面が第2係合面と係合して、低力位置へのラッチ1034の移動を実質的に防止すなわち阻止する。これは、例えば、ラッチ1034を押す前に作動部材1025を押すときに、重なる又は当接する表面又は棚部として第1係合面1067及び第2係合面1027を形成することにより達成される。図17及び図17Aに示すように、第1係合面1067と第2係合面1027との間には僅かな隙間が存在し、このため、両係合面1067、1027は、作動部材1029が所定距離を移動した後、ラッチ1034が所定位置を移動したときにのみ係合する。或いは、第1及び第2係合面1027、1067の間に実質的に隙間が存在しないようにして、ラッチ1034が所定距離を移動する前にこれらの係合面1027、1067が接触しているように構成できる。
図17及び図17Aの例示実施形態では、第1及び第2係合面1067、1027は互いに実質的に平行であるが、これらの両面1067、1027は互いに傾斜させてもよい。また、第1及び第2係合面1067、1027は実質的に水平面(例えば、作動部材1025の移動方向Zに実質的に平行な面)として示されているが、これらの両面1067、1027は僅かに傾斜(方向Zに対して傾斜)させてもよい。1つの例示実施形態では、第1係合面1067及び/又は第2係合面1027は方向Zに対して約5°だけ傾斜させているが、他の角度も可能である。当業者ならば、両面1067、1027の形状は図示の形状に限定されるものではなく、他の形状にしてもよい。例えば、第1係合面1067をピストン部材1074上に形成し、第2係合面1027をハウジング1004上に形成してもよい。また、第1係合面1067及び/又は第2係合面1027はフック状又は当業者に知られた他の任意の係合形状にしてもよい。
図17に示すようにライター1002が高力モードにあり且つ作動部材1025が初期位置にあるとき、第1係合面1067と第2係合面1027とは距離Yだけ分離している。距離Yは,使用者がラッチ1034を押してライター1002を低力位置に切替えようとするとき、プランジャ1063の移動によって両係合面1067、1027が係合されないようにするのに十分な大きさである。かくして、この状態では、スプリング1092、任意のリーフスプリング1042及び任意の付随的摩擦力に打勝つのに十分なラッチ力FLが加えられる限り、使用者は、ラッチ1034を押してライター1002を低力モードに切替えることができる。
図17Aに示すように、使用者がラッチ1034を押す前に作動部材1025を押すと、第1係合面1067が第2係合面1027に重なる。この結果、使用者がラッチ1034を押すと、第1係合面1067が第2係合面1027に当接する。これにより、ラッチ1034が押されることが実質的に防止すなわち阻止される。第1係合面1067が第2係合面1027に当接したときにラッチ1034を押すためには、使用者は、ライター1002の1つ以上の構成要素を破壊又は変形させるのに十分な力を加えなければならないであろう。かくして、この実施形態によれば、使用者は、ラッチ1034を押す前に作動部材1025を押す場合、ラッチ1034を低力モードに移動させることが実質的に防止される。
当業者ならば、第1係合面1067と第2係合面1027とを互いに係合させる前に、作動部材1025が部分的に押されるようにライター1002を構成してもよいことは理解すべきである。この場合、使用者は、ラッチ1034を押す前に作動部材1025を所定距離だけ移動させ且つラッチ1034を押してライター1002を低力モードに切替えることができるが、作動部材1025を所定距離より大きい距離だけ移動させると、第1係合面1067及び第2係合面1027が係合して、ラッチ1034の移動を実質的に防止すなわち阻止する。
図18及び図18Aに、ライター902の他の変更形態をライター1102として示す。この実施形態では、ラッチ1134の移動前に作動部材1125を所定距離だけ移動させると、ラッチ1134が機能できなくなる(すなわち、ラッチ1134は依然として第1ラッチ位置から第2ラッチ位置に移動できるが、この移動によってラッチ1134がその機能(例えばライターを高力モードから低力モードに切替えること)を果たすことはできない)。これは、例えば、ラッチ1134を押す前に作動部材1125を所定距離だけ移動させると、ラッチ1134がプランジャ1164から実質的に分離するようにラッチ1134及び/又はプランジャ1164を構成することにより達成される。より詳しくは、図18に示すように、作動部材1125が初期位置(すなわち、非押下げ位置)にあるとき、ボス1136a及びプランジャ1164は少なくとも部分的に互いに整列し(例えば、僅かな重なり部を有し)、これにより、ラッチ1134を押すと、プランジャ1164への運動が高力位置(図示)から低力位置(図示せず)へと伝達される。図18に示す状態では、ラッチ1134を押してライター1102を低力モードに切替えるのに必要なラッチ力FL1は、スプリング1192、任意のリーフスプリング1142及び任意の不随的な摩擦力に打勝つだけで十分である。しかしながら、図18Aに示すように、ラッチ1134を押す前に作動部材1125が所定距離だけ移動させると、ボス1136a及びプランジャ1164が変位されて非整列状態になり(例えば重なり部がなくなる)。この結果、ラッチ1134を押してもプランジャ1164が高力位置から低力位置に移動することはない。図31Aに示す状態では、ラッチ1134を押すのに要するラッチ力FL2は、任意のリーフスプリング1142及び任意の付随的な摩擦力に打勝つ大きさで十分であるが、前述のようにラッチ1134の移動によってライター1102低力モードに切替わることはない。当業者ならば、ライター1102が図示し且つ説明した構造に限定されないこと、及びラッチ1134を押す前に作動部材1125を所定量だけ移動させたときにラッチ1134の機能を不能にするのに種々の構成を実施してもよいことを理解すべきである。
当業者ならば、ライター902、1002、1102は図示し且つ説明した構造に限定されるものではなく、ラッチ力を変えるのに任意数の構造を使用できることを理解すべきである。また当業者ならば、ラッチ934、1034、1134は、本明細書で説明するような「2モード」ラッチに限定されるものではなく、ライターの他の機能の制御を行ってもよいことを理解すべきである。
図19〜図20Aには、ライター2の他の実施形態が示されている。ライター1202の構造及び機能はライター2の機能と実質的に同じであり、相違点のみを以下に詳細に説明する。図19に示されたライター1202にはワンド組立体が取外されていることに留意すべきである。ライター1202のワンド組立体は図1及び図9に示したワンド組立体10と同様又は同一であるが、他の構成も可能である。ライター1202は、高力モードから低力モードにライター(より詳しくは作動部材1225)を切替えるラッチ1234を有している。ラッチ1234はハウジング1204に対して摺動可能である。例えば、ラッチ1234は、ハウジング1204に対して摺動可能である。例えばラッチ1234はハウジング1204の上面に沿って摺動できる。これは、ラッチ1234に1つ以上の突出部又は延長部を設け、突出部がそれに対応するハウジング1204のトラック内で摺動できるように(又はこれとは逆の関係の配置で摺動できるように)構成することによって達成されるが、当業者ならば、ラッチ1234を摺動可能にハウジング1204に取付ける任意数の構造を利用できることを理解すべきである。任意の弾性部材1285(例示の目的で、ハウジング1204のボス1287とラッチ1234の受容部1289との間に配置されるコイルスプリングとして示されている)が、ラッチ1234を図20に示す第1位置すなわち自由位置(この位置で、作動部材1225は高力モードにある)に付勢する。ラッチ1234を第1位置に付勢するのに、例えばエラストマ、圧縮スプリング、コイルスプリング、インテグラルスプリング又はリーフスプリング等の当業界で知られた他の形式及び構成の弾性部材を使用してラッチ1234を第1位置に付勢してもよい。
図19に示すように、ラッチ1234はラッチ経路PLに沿って移動すなわち摺動できる。図面にはラッチ経路PLが実質的な線形軸線に沿って示されているが、他の形状も可能である。例えば、ラッチ経路PLは、傾斜、多軸線、ベント、湾曲又は弧状に形成してもよい。使用者は、ラッチ1234を、ラッチ方向DLでラッチ経路PLに沿って、図20に示す第1位置すなわち初期位置から、図20Aに示す第2位置に摺動させ、作動部材1225を高力モードから低力モード(又はこの逆)に切替えることができる。また、作動部材1225は、作動部材の方向DAにおいて作動部材の経路PAに沿って移動(好ましくは摺動)し、燃料を着火して炎を発生させる少なくとも一段階を遂行する。図示の実施形態では、作動部材の経路PAは実質的な線形軸線に沿っているものとして示されているが、他の構成も可能である。例えば、作動部材の経路PAは、傾斜、多軸線、ベント、湾曲又は弧状に構成してもよい。また図19に示すように、ラッチ経路PLは作動部材の経路PAに対して実質的に平行であるが、他の形状も可能である。例えば、ラッチ経路PLは、作動部材の経路PAに対して傾斜、横方向又は垂直に配置してもよい。
図19〜図20Aに示すライター1202の実施形態では、ライターは、使用者が、親指を用いてラッチ1234を操作すると同時に、人差し指を用いて作動部材1225を操作するように構成され且つ寸法を有するが、他の構成も可能である。図19に示すように、ラッチ方向DLは作動部材の方向DAと異なっていてもよく、作動部材の方向DAとは実質的に逆方向にすることが好ましい。この構成によれば、ライター1202を保持する使用者は、ラッチ1234を親指で一方向(例えば前方)に摺動させ、且つ作動部材1225を人差し指で逆方向(例えば後方)に引っ張る必要がある。変形例として、ラッチ方向DLを作動部材の方向DAと実質的に同じにして、使用者がラッチ1234及び作動部材1225を実質的に同方向に移動させる必要があるように構成してもよい。
ここで図20及び図20Aを参照して、摺動ラッチ1234の構造及び作動についてより詳細に説明する。ラッチ1234には、プランジャ1263を、高作動力位置(この位置では、作動部材1225(図19)は高力モードにある)から低作動力位置(この位置では、作動部材は低力モードにある)に移動させるべくカムフォロワ1291と相互作用するカム面1289を設けるか、カム面と関連させることができる。カムフォロワ1291は、枢軸1293又は他の構造により、ライター1202のハウジング1204又は他の部分に枢動可能に取付けられる。例示の一実施形態によれば、カムフォロワ1291には、カム面1289に対して弾性的に付勢されるフォロワ面1295を設けてもよい。変形例として、カムフォロワ1291は、それに全く付勢力が作用しないように、ラッチ1234とプランジャ1263との間で浮動させてもよい。図示の実施形態によれば、一体リーフスプリング1297がフォロワ面1295をカム面1289に対して弾性的に付勢する構成であるが、当業者ならば、フォロワ面1295をカム面1289に対して弾性的に付勢する任意の数の構造を設けることを考えてもよい。ラッチ1234を、第1位置すなわち初期位置(例えば図20に示す)から第2位置すなわち前方位置(例えば図20Aに示す)へとラッチ方向に摺動させると、カム面1289はフォロワ面1295と係合して、枢軸1293の周りにカムフォロワ1291を枢動すなわち回転させる。カムフォロワ1291が枢動すると、カムフォロワ1291は、プランジャ1263を、高作動力位置(図20参照)から低作動力位置(図20A参照)に駆動して、作動部材1225を高力モードから低力モードに切替える。ラッチ1234を解放すると、弾性要素1285がラッチ1234を第1位置に戻し、プランジャリターンスプリング1292はプランジャ1263を高力位置に戻し、これにより、作動部材1225を高力モードに戻す。或いは、弾性要素1285を設けないで、プランジャリターンスプリング1292がカムフォロワ1291及びプランジャを高力位置に戻すように構成してもよい。当業者ならば、カム面1289及び/又はカムフォロワ1291を設けるのは任意とし、ラッチ1234を直接プランジャ1263に作用するように構成することは明らかであろう。
ライター1202はまた、それを高力モードから低力モードへと切替えるのに十分にラッチ1234を摺動させるのに要する力の大きさは、ラッチ1234及び作動部材1225の認識能力又は形状、サイズ、連結面及び/又は作動シーケンス等に依存する。より詳しくは、ラッチ1234を摺動させる前に使用者が作動部材1225を引っ張る場合、ラッチ1234を摺動させるのに要する力の大きさは増大する。例えば、第1係合面126をラッチ234と組合わせ、第2係合面1227を作動部材1225の一部と組合せるのがよい。例示のみを目的として、第1係合面1267はプランジャ1263に形成された傾斜面として示され、且つ第2係合面は作動部材1225に形成された傾斜面として示されているが、係合面1267、1227の他の形状、表面粗さ及び位置も可能である。第1及び第2係合面1267、1227は、使用者が作動部材1225を移動させることを試みる前にラッチ1234を摺動させる場合には互いに通って移動するように構成される。使用者が最初にラッチ1234を摺動させることなく作動部材1225を所定距離だけ移動させることを試みる場合、係合面1267、1227を互いに係合するように構成してもよい。この構成は、プランジャ1263が第1位置から第2位置に移動することを妨げ、これがまた、カムフォロワ1291及びラッチ1234の移動を妨げる。このため、ラッチ1234を摺動させる前に作動部材1225を所定距離だけ移動させると、ラッチ1234を摺動させるのに要する力を増大させる。ライター1202のこの特徴の更なる詳細は、図16及び図16A及びライター902の関連説明において上述した。もちろん、当業者ならば、作動部材1225及びラッチ1234の作動シーケンスがラッチ1234を移動すなわち摺動させるのに要する力の大きさに殆ど又は全く影響を与えないようにライター1202を構成してもよいことを理解すべきである。
図21及び図21Aに、ライター1202の変更形態を示す。ライター1302は、ラッチ1334を摺動させる前に作動部材1325(作動部材の一部のみが示されている)を所定距離だけ移動させることにより、ラッチ1334の摺動が防止される。これは、例えば、ラッチ1334が移動される前に作動部材1325が所定距離だけ引っ張られるときに重なる又は当接する表面又は棚部(例えば水平面)として第1及び第2係合面1367、1327を形成することにより達成される。係合面1367、1327の他の形状、表面粗さ及び配置も可能である。ライター1302のこの特徴についての他の詳細は、図17及び図17A及びライター1002の図面に関連して説明した。
当業者ならば理解されようが、ライター2、902、1002、1102、1202、1302は、ラッチ34、934、1034、1134、1234、1334が、作動部材25、925、1025、1125、1225、1325がその移動を実質的に阻止されるブロッキング位置と、作動部材が燃料の着火時に少なくとも1つの段階を遂行すべく移動できる作動位置との間で移動できるように構成できる。これは、例えば、「第1付勢力」の大部分を供給する高力スプリング80(図3〜図8に示され且つこれらの図面に関連して説明されている)を、プランジャ部材が高作動力位置にあるときに作動部材の移動を実質的に阻止するプラスチック又は金属のブロックのような実質的な剛性部材と置き換えることによって達成される。当業者ならば理解されようが、ラッチが最初に付勢位置に移動されない限り作動部材の移動を阻止する任意数の他の構造及び構成を組込むことができる。
以上、本発明の種々の実施形態を説明したが、各実施形態の種々の特徴は単独で又はこれらを任意に組合せて使用できることを理解すべきである。従って、本発明は、本明細書に開示した特定実施形態のみに限定されるものではない。また、本発明が関連する当業者ならば、本発明の精神及び範囲内の変更をなし得ることは理解されよう。従って、本明細書の開示から当業者が容易になし得るあらゆる好都合な変更であって、本発明の範囲及び精神内に包含される変更は本発明の他の実施形態として包含されるべきものである。