JP4732606B2 - サーバコンピュータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貨物運送事故に関する保険査定業務を支援する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
出荷主が運送会社に貨物の運送を依頼し、運送会社が受荷主に貨物を配達する貨物運送において、運送途中に事故が発生し、貨物が損害を被った場合には、運送会社は受荷主に対して損害賠償金を支払わなければならない。このため、運送会社は保険会社と保険の契約を行い、損害賠償金を保険金で支払うことが一般的である。
【0003】
このような場合に、事故が発生し、受け荷主から損害賠償を請求された運送会社が、保険会社に保険金を請求するときには、事故報告書、運送状、仕切状、保険金請求書、損害賠償請求書等の書類を、出荷主、運送担当者、荷受主等から集め保険会社に提出する必要がある。そして、保険会社は、これらの書類を照合した上で調査し、事故の案件ごとに保険金支払の対象となるか否かを査定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、運送事故の件数は膨大であり、また、保険査定に必要な書類は、それぞれの主体ごとに作成管理しているため、運送会社がこれらの書類を揃えて保険会社に提出する負担は大きい。また、それらの大量の書類を一件ずつ照合して査定を行なうことは保険会社にとって大きな負担となっている。
【0005】
一方で、運送保険では、運送形態、貨物の内容によっては一件あたりの損害額が比較的小額であり、損害を被った貨物の価格をそのまま損害額と認定して保険金を支払うケースも多い。この場合、起こりうる事故の種類もある程度想定でき、保険金支払の対象となるか否かの査定も比較的定型化しているという特徴を有している。
【0006】
本発明の目的は、貨物運送事故に関する保険査定業務を支援する技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明によれば、
コンピュータネットワークを介して保険査定に必要な情報を受け付ける情報処理装置であって、
運送すべき貨物に関する情報を受け付けるとともに、この貨物情報を識別するための情報を送信する手段と、
貨物の運送事故に関する情報を、当該貨物情報を識別するための情報とともに受け付ける手段と、
運送事故に係る貨物に対する損害賠償請求に関する情報を、当該貨物情報を識別するための情報とともに受け付ける手段と、
運送事故に係る貨物の損害賠償に対する保険請求に関する情報を、当該貨物情報を識別するための情報とともに受け付ける手段と、
受け付けたそれぞれの情報を記憶する記憶手段と、
貨物情報を識別するための情報をキーに、前記記憶手段からそれぞれの情報を関連付けて抽出する手段とを備えることを特徴とする情報処理装置が提供される。
【0008】
上記情報処理装置において、
前記運送すべき貨物に関する情報には、貨物の価格情報が含まれ、
前記貨物の運送事故に関する情報には、損害種類情報および損害数量情報が含まれ、
前記損害賠償請求に関する情報には、損害賠償請求額情報が含まれ、
前記保険請求に関する情報には、負担率情報、賠償額情報および保険請求額情報が含まれ、
前記情報を抽出する手段が抽出したそれぞれの情報に含まれる上記情報が、あらかじめ定めた関係を満たしているか否かを判定する判定手段をさらに備えるようにすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の構成の概要を説明するためのブロック図である。本図に示すように、本発明は、保険査定仲介サーバ10と、出荷主端末20と、運送管理端末30と、運送現場端末40と、受荷主端末50と、保険会社端末60とが、インターネット70を介して接続されて構成される。
【0011】
出荷主端末20は、貨物の運送を依頼する出荷主が利用する端末コンピュータである。
【0012】
運送管理端末30と運送現場端末40とは、運送会社が管理する端末コンピュータである。運送管理端末30は、主として、運送会社の本社等の事業所担当者(以下、「運送管理」とする)が利用する端末装置で、運送現場端末40は、主として、運送会社の運送現場担当者(以下、「運送現場」とする)が利用する端末装置である。ただし、運送管理端末30と運送現場端末40とは同一の端末であってもよい。本実施形態においては、運送会社が保険会社と貨物運送リスクに関する保険契約を結んでいる。
【0013】
受荷主端末50は、貨物の配送先である受荷主が利用する端末コンピュータである。本実施形態においては、貨物運送事故が発生した場合に、受荷主は運送会社に損害賠償を請求する。ただし、運送中の貨物の危険負担が出荷主に残る場合は、運送事故による損害賠償請求は、出荷主より運送会社に対して行なわれる。
【0014】
保険会社端末60は、保険会社が利用する端末コンピュータである。
【0015】
保険査定仲介サーバ10は、保険査定仲介業者が利用するサーバコンピュータであり、出荷主端末20からの運送依頼、運送現場端末40からの事故情報、受荷主端末50からの損害賠償請求等を受け付け、対象となる端末へ通知する処理と、保険査定の集計処理とを行なう。
【0016】
本実施形態においては、保険査定仲介業者は、運送会社および保険会社とは独立した事業者であることを想定しているが、本発明はこれに限られない。保険会社、あるいは、運送会社が保険査定仲介業者としての役割を担うようにしてもよい。
【0017】
なお、それぞれの端末コンピュータは、インターネット70が利用でき、Webブラウザ機能を備える情報処理装置、例えば、パーソナルコンピュータを用いることができる。また、保険査定仲介サーバ10は、インターネット70が利用でき、Webサーバ機能を備える情報処理装置、例えば、サーバコンピュータを用いることができる。また、プリンタ等の印刷装置を利用可能となっていることが望ましい。
【0018】
次に、保険査定仲介サーバ10の機能構成を説明する。図2は、電子保険査定仲介サーバ10の機能構成を説明するためのブロック図である。本図に示すように、保険査定仲介サーバ10は、Webサーバ部101と、集計部102と、事業者コード情報ファイル11と、貨物情報ファイル12と、事故情報ファイル13と、損害賠償請求情報ファイル14と、保険請求情報ファイル15と、契約情報ファイル16とを備えて構成される。なお、これらの機能部およびファイルは、複数の情報処理装置に分散して構成するようにしてもよい。
【0019】
Webサーバ部101は、各端末装置が備えるWebブラウザ機能からの要求に応じて、所定のファイルを送信し、Webブラウザ上にWebページを表示させる。
【0020】
集計部102は、保険査定仲介サーバ10が取得した、後述する保険請求情報等に基づいて、保険請求額等の集計を行ない帳票を作成する。
【0021】
事業者コード情報ファイル11は、事業者コードと事業者(出荷主、運送会社、受荷主等)とを関連付けて記憶するファイルである。保険査定仲介サーバ10は、Webサーバ部101を介して事業者コードを受け付けると、事業者コード情報ファイル11を参照して、受け付けた事業者コードに係る事業者を特定することができる。本実施形態においては、保険査定仲介サーバ10を利用する事業者はあらかじめ定められており、事業者コードが割り振られて事業者コード情報ファイル11に記録されているものとする。もちろん、このファイル11は、新たな事業者コード情報を追加することができる。
【0022】
貨物情報ファイル12は、運送する貨物に関する情報を記憶するファイルである。図3は、貨物情報ファイル12のデータ構成の一例を説明するための模式図である。本図に示すように、貨物情報ファイル12は、管理番号12a、発送日12b、貨物名12c、配送先12d、貨物価格12eおよび運送数量12fを1レコードとして記憶する。
【0023】
管理番号12aは、出荷主端末20から運送管理端末30に対して貨物の出荷依頼を行なうときに、保険査定仲介サーバ10から自動的に付される管理用データである。この管理番号には、図7に示す事業者コードと関連付けれられた情報を持たせておく。なお、これに代えて図3に示した貨物情報ファイル12に事業者名を付加し、この名称から図7に示す事業者コードを読み取る等、その関連付けは任意に設定することができる。管理番号は、事故情報ファイル13と、損害賠償請求情報ファイル14と、保険請求情報ファイル15にも記憶されるため、これらのファイルに記録されるレコードは管理番号をキーに対応付けることができる。
【0024】
発送日12b、貨物名12c、配送先12d、貨物価格12eおよび運送数量12fは、出荷主端末20から運送管理端末30に対して貨物の出荷依頼を行なうときに、出荷主端末20によって入力されるデータである。なお、発送日12bは、発送希望日を通知するための情報である。
【0025】
事故情報ファイル13は、運送中に発生した事故に関する情報を記憶するファイルである。図4は、事故情報ファイル13のデータ構成の一例を説明するための模式図である。本図に示すように、事故情報ファイル13は、管理番号13a、事故日13b、事故場所13c、損害数量13d、損害種類13eおよび備考(事故内容)13fを1レコードとして記憶する。
【0026】
事故情報ファイル13の各データは、運送中に事故が発生した場合に、運送現場端末40によって入力される。ただし、受荷主が発見した場合は、受荷主端末50から入力することもできる。なお、損害種類13eは、発生した損害の種類をあらかじめ定められた損害種類コードから選択して入力される。損害種類コードは、例えば、図8に示すような内容とすることができる。本図に示すように、損害種類コード表は、コードと損害種類とが、例えば、「01:輸送機器による破損」、「03:人為的な紛失」「50:地震・津波による事故」等と対応付けられている。ここで、コード「99」は、分類不能な損害種類である「その他」を表すコードである。また、備考(事故内容)13fは、例えば、損害種類13eに「99:その他」を入力した場合に、具体的な事故内容を入力するために用いられる。
【0027】
損害賠償請求情報ファイル14は、運送事故により損害を被った受荷主が運送会社に請求する損害賠償に関する情報を記憶するファイルである。図5は、損害賠償請求情報ファイル14のデータ構成の一例を説明するための模式図である。本図に示すように損害賠償請求情報ファイル14は、管理番号14aおよび損害賠償請求額14bを1レコードとして記憶する。
【0028】
損害賠償請求情報ファイル14の各データは、事故によって損害を被った受荷主端末50が、運送管理端末30に対し損害賠償を請求する際に入力される。
【0029】
保険請求情報ファイル15は、受荷主に損害賠償金を支払う運送会社が、保険会社に請求する保険金に関する情報を記憶するファイルである。図6は、保険請求情報ファイル15のデータ構成の一例を説明するための模式図である。本図に示すように、保険請求情報ファイル15は、管理番号15a、負担率15b、賠償額15c、保険請求額15dおよび保険請求日15eを1レコードとして記憶する。ここで、負担率15bは、受荷主からの損害賠償請求額のうち何%を運送会社が負担しなければならないかを表す値である。この値は、当該事故についての責任割合を運送に関わった関係者同士で個別に交渉して決定される。例えば、運送業務が下請に出され、事故が発生した場合に、元請と下請運送会社との間で取り決められる相方の負担割合をいう。
【0030】
保険請求情報ファイル15の各データは、受荷主端末50または出荷主端末20から損害賠償の請求を受けた運送管理端末30が、保険査定仲介サーバ10を介して保険会社に対し、保険金を請求する際に入力される。
【0031】
なお、上記各ファイルのデータ構成はこれに限られない。例えば、いくつかのファイルを、管理番号をキーにマージしたファイル構成としてもよい。
【0032】
契約情報ファイル16は、運送会社と保険会社との間で交わされる保険契約に関する情報を記憶するファイルである。図7は、契約情報ファイル16のデータ構成の一例を説明するための模式図である。本図に示すように、契約情報ファイル16は、事業者コード16a、保険期間16b、保険区間16c、適用除外貨物16dおよび免責事由16eを1レコードとして記憶する。ここで、事業者コード16aは、契約に係る運送会社の事業者コードである。保険期間16bおよび保険区間16cは、当該契約の対象となる期間および区間である。適用除外貨物15dは、保険の対象外となる貨物である。免責事由16eは、保険契約上保険金支払の対象外となる損害種類である。
【0033】
次に、上記構成の保険査定仲介サーバ10の処理について説明する。保険査定仲介サーバ10の処理は、貨物情報等の受け付け処理と保険査定集計処理とに大きく分けられる。貨物情報等の受け付け処理は、主として、Webサーバ部101により制御され、保険査定集計処理は、主として、集計部102により制御される。なお、これらの処理は、物理的には別の情報処理装置で行なうようにしてもよい。
【0034】
なお、保険査定仲介サーバ10に以下の処理を実行させるためのプログラムは、例えば、CD−ROM等の可搬型の記録媒体に記録することで流通させることができる。そして、この記録媒体を情報処理装置にインストールすることにより保険査定仲介サーバ10として機能させることができる。また、例えば、インターネット等のコンピュータネットワークを介して、情報処理装置にインストールすることもできる。
【0035】
まず、貨物情報等の受け付け処理について説明する。図9は、貨物情報等の受け付け処理の概要を説明するための図である。本図において、実線は保険査定仲介サーバ10を介してインターネット70上で行なわれる処理であり、破線はそれ以外の処理である。
【0036】
貨物情報等の受け付け処理の前提として、運送会社は保険会社と保険契約を結んでおく(S101)。これは、インターネット70を介して行なってもよいし、他の方法により行なうようにしてもよい。そして、契約内容のうち、保険期間、保険区間、適用除外貨物および免責事由に関する情報を、運送会社の事業者コードと関連付けて契約情報ファイル16に記録する。これらの情報の記録は、保険会社端末60から行なってもよいし、保険会社からの通知を受けて保険査定仲介サーバ20で行なうようにしてもよい。
【0037】
出荷主は、貨物の運送を希望するときには、出荷主端末20を用いて、図10に一例を示すような保険査定仲介サーバ10の貨物情報ページ420にアクセスし、運送依頼処理(S102)を行なう。本図に示すように、貨物情報ページ420には、管理番号表示欄420a、発送日入力欄420b、貨物名入力欄420c、配送先入力欄420d、貨物価格入力欄420e、運送数量420f、キャンセルボタン420gおよび送信ボタン420hを備えている。
【0038】
管理番号420aは、本ページ420にアクセスして運送依頼処理(S102)を行なう際に、保険査定仲介サーバ10により発行される識別コードである。出荷主は、本ページ420で、発送希望日、貨物名、配送先、貨物価格および輸送数量をそれぞれの入力欄に入力して、送信ボタン420hをクリックすることができる。
【0039】
保険査定仲介サーバ10は、送信ボタン420hのクリックを受け付けると、貨物情報ページ420の各入力欄に入力された情報を、貨物情報ファイル12に記録する。そして、運送管理端末30に、運送依頼を受け付けたことを通知する。このとき通知する情報は、貨物情報ファイル12に記録した情報と同様とすることができる。これにより、運送管理は、運送依頼があったことを管理番号とともに知ることができる。この通知は、例えば電子メールを用いて行なうことができる。
【0040】
次に、運送管理端末30は通知された運送依頼に基づいて、運送現場端末40に対して運送指令を行なう(S103)。また、運送管理端末30は受荷主端末50に対して運送通知を行なう(S104)。運送指令および運送通知に含まれる情報は、例えば、運送依頼で通知された情報と同様とすることができる。もちろんこの情報に限られない。例えば、運送通知に配達予定日を含めるようにしてもよい。この指令および通知は、例えば電子メールを用いて行なうことができる。
【0041】
運送指令を受けた運送現場は、運送指令で通知された発送日に、貨物の受取処理(S105)を行なう。すなわち、運送依頼に係る出荷主の元に貨物を受け取りに行く。
【0042】
そして、運送現場は、運送指令で指示された配送先(受荷主)に受け取った貨物を配送する(S106)。本実施形態では、この運送中に事故が発生したものとする。
【0043】
事故が発生すると、運送現場は、運送現場端末40を用いて、図11に一例を示すような保険査定仲介サーバ10の事故情報ページ440にアクセスし、事故情報処理(S107)を行なう。本図に示すように、事故情報ページ440は、管理番号入力欄440a、事故日入力欄440b、事故場所入力欄440c、損害数量入力欄440d、損害種類選択欄440eおよび備考(事故内容)入力欄440fを備えている。運送現場は、本ページ440で、運送指令受付時に通知された管理番号を入力するとともに、事故日、事故場所、事故数量を入力する。そして、損害種類をあらかじめ定めたコードから選択する。このとき、損害種類が分類不能のときは、損害種類選択欄440eで「99:その他」を選択し、備考(事故内容)入力欄440fに具体的な事故内容等を入力する。なお、配送後に事故を発見した受荷主が、受荷主端末50を用いて、事故情報ページ440にアクセスし、事故情報処理(S108)を行なうこともできる。
【0044】
保険査定仲介サーバ10は、送信ボタン440hのクリックを受け付けると、事故情報ページ440の各入力欄および選択欄に入力された情報を、事故情報ファイル13に記録する。そして、運送管理端末30および受荷主端末50に、事故が発生したことを通知する。このとき通知する情報は、事故情報ファイル13に記録した情報と同様とすることができる。この通知は、例えば電子メールを用いて行なうことができる。
【0045】
運送中の事故により貨物の損害を被った受荷主は、受荷主端末50(出荷主の場合は、出荷主端末20)を用いて、図12に一例を示すような保険査定仲介サーバ10の損害賠償請求情報ページ460にアクセスし、損害賠償請求処理(S109)を行なうことができる。本図に示すように、損害賠償請求情報ページ460は、管理番号入力欄460a、損害賠償請求額入力欄460b、キャンセルボタン460cおよび送信ボタン460dを備えている。受荷主は、本ページ460で、運送事故に係る貨物の管理番号と損害賠償請求額とを入力することができる。
【0046】
保険査定仲介サーバ10は、送信ボタン460dのクリックを受け付けると、損害賠償請求情報ページ460の各入力欄に入力された情報を、損害賠償請求情報ファイル14に記録する。そして、運送管理端末30に、損害賠償請求があったことを通知する。このとき通知する情報は、損害賠償請求情報ファイル14に記録した情報と同様とすることができる。この通知は、例えば電子メールを用いて行なうことができる。
【0047】
受荷主からの損害賠償請求に対し、損害賠償金を支払う運送会社は、運送管理端末30を用いて、図13に一例を示すような保険査定仲介サーバ10の保険請求情報ページ480にアクセスし、保険請求処理(S110)を行なうことができる。本図に示すように、保険請求情報ページ480は、管理番号入力欄480a、負担率入力欄480b、賠償額入力欄480c、保険請求額入力欄480d、キャンセルボタン480eおよび送信ボタン480fを備えている。運送管理は、本ページ480で、受荷主に支払うべき賠償額等を入力することができる。
【0048】
保険査定仲介サーバ10は、送信ボタン480fのクリックを受け付けると保険請求情報ページ480の各入力欄に入力された情報および入力を受け付けた日付けを、保険請求情報ファイル15に記録する。
【0049】
以上の貨物情報等の受け付け処理を、運送依頼および事故発生ごとに繰り返すことにより、保険査定仲介サーバ10の各ファイルに情報が記憶されていく。このように、それぞれの事業者からの情報が一元的に保険査定仲介サーバ10に集められ、それぞれの情報は、管理番号により関連付けがされているため、保険会社の査定業務の負担を軽減することができる。
【0050】
次に、保険査定仲介サーバ10の保険査定集計処理について説明する。保険査定集計処理は、例えば、月1回等の定期的に行なうようにすることができる。この場合は、保険請求日が集計対象期間に含まれる保険請求情報等が集計対象となる。図14は、保険査定集計処理を説明するためのフロー図である。
【0051】
保険査定集計処理が開始すると、保険査定仲介サーバ10は、保険請求情報ファイル15を参照して、保険請求日15eが、集計対象期間に含まれるレコードを1件ずつ取得する(S201)。
【0052】
そして、管理番号15aをキーに、事故情報ファイル13、損害賠償請求情報ファイル14、保険請求情報ファイル15を参照して各データを取得する(S202)。これらは、管理番号により関連付けがされているため、同一の運送事故事案についてのデータである。次に、事故情報ファイル13の損害種類13eが分類不能、すなわち「99:その他」とされているかどうかを判断する(S203)。この結果分類不能である場合には、事故情報ファイル13の備考(事故内容)13fを参照して、個別に損害種類等の判断を行なうものとする。この判断は、入力データを一定のロジックに基づいて判断させることができる。もちろん、この判断は、本フローとは別個に行なうようにしてもよい。
【0053】
次に、当該保険請求が、保険の対象であるか否かを判断する(S205)。この判断は、例えば、以下のように行なう。もちろん判断の順序は任意である。
【0054】
第1に、契約情報ファイル16の免責事由16eを参照して、取得あるいは個別に判断した事故情報ファイル13の損害種類13eが免責事由に該当するかどうかを判断する。その結果、免責事由に該当する場合は、保険の対象外と判断して集計処理S207に進む。
【0055】
第2に、契約情報ファイル16の保険期間16bを参照して、事故情報ファイル13の事故日13bが、保険期間内の事故かどうかを判断する。その結果、保険期間外の事故であれば、保険の対象外と判断して集計処理S207に進む。
【0056】
第3に、契約情報ファイル16の保険区間16cを参照して、事故情報ファイル13の事故場所13cが、保険区間内かどうかを判断する。その結果、保険区間外の事故であれば、保険の対象外と判断して集計処理S207に進む。
【0057】
第4に、契約情報ファイル16の適用除外貨物16dを参照して、管理番号15aで特定される貨物情報ファイル12の貨物名12cが、適用除外貨物に該当するかどうかを判断する。その結果、適用除外貨物に該当する場合は、保険の対象外と判断して集計処理S207に進む。
【0058】
以上のような基準により、保険対象と判断された場合は、保険請求情報ファイル15に記録された保険請求額が認容できるものであるか否かを判断する(S206)。そして、認容できる場合は集計対象とする。この判断は、例えば、以下のように行なう。もちろん判断の順序は任意である。
【0059】
第1に、損害賠償請求情報ファイル14の損害賠償請求額14bが、貨物情報ファイル12の貨物価格12eと事故情報ファイル13の損害数量13dとを掛け合わせた額と等しいかどうかを判断する。すなわち、
損害賠償請求額14b=貨物価格12e×損害数量13d
を満たすかどうかを判断する。満たさない場合は、個別に確認等して修正する。修正不能のときは、認容できないため、集計対象外として処理S208に進む。
【0060】
第2に、保険請求情報ファイル15の賠償額15cが、損害賠償請求情報ファイル14の損害賠償請求額14bと保険請求情報ファイル15の負担率15bとを掛け合わせた額と等しいかどうかを判断する。すなわち、
賠償額15c=損害賠償請求額14b×負担率15b
を満たすかどうかを判断する。満たさない場合は、個別に確認等して修正する。修正不能のときは、認容できないため、集計対象外として処理S208に進む。
【0061】
第3に、保険請求情報ファイル15の保険請求額15dが、保険請求情報ファイル15の賠償額15cと等しいかどうかを判断する。すなわち、
保険請求額15d=賠償額15c
を満たすかどうかを判断する。満たさない場合は、個別に確認等して修正する。修正不能のときは、認容できないため、集計対象外として処理S208に進む。
【0062】
以上のような基準により、集計対象と判断された運送事故事案は、集計処理(S207)において、損害種類13e、事故場所13c、保険請求額15d等が保険対象、保険非対象別に集計される。
【0063】
本実施例においては、貨物価格12eは出荷主端末20から入力される情報であり、損害数量13dは運送現場端末から入力される情報であり、損害賠償請求額14bは、受荷主端末50から入力される情報であり、負担率15b、賠償額15cおよび保険請求額15dは運送管理端末30から入力される情報である。
これらの主体の異なる端末から入力される情報が整合性を有している場合に限って集計対象としているため、データ改竄等による不正な請求等を防ぐことができる。また、従来、書面による示談書を当事者間で作成し、それによって当事者間で合意された真正の損害賠償額の確認が行なわれているが、本システムを利用することで、こうした示談書の作成を省略することができる。
【0064】
次に、保険請求情報ファイル15に集計対象期間に含まれるレコードがまだあるかを調べ(S208)、レコードがある場合には、そのレコードを読み込んで、前述のS201以降の処理を繰り返す。一方、レコードがない場合には保険査定集計処理を終了する。
【0065】
保険査定仲介サーバ10は、保険査定集計処理が終了すると、集計結果に基づいて帳票を作成する。図15は、保険査定仲介サーバ10が作成する帳票の一例を説明するための図である。
【0066】
本図に示した帳票は、集計対象となった事故案件を月間集計した保険支払明細を例にしたものである。本図に示すように、保険対象支払明細として、損害種類と、金額と、事故件数とが集計されている。また、免責損害として損害種類と事故件数とが集計されている。
【0067】
保険査定仲介業者はこの帳票を保険会社に通知する。そして、保険会社は、この帳票を基に、運送会社に一括して保険金の支払を行なうことができる。
【0068】
もちろん、保険査定仲介サーバ10が作成する帳票はこれに限られない。図16は帳票の別例を示す図である。本図に示す帳票は、月間の事故明細を例にしたものである。本図に示すように、事故明細として、管理番号と、貨物名と、損害種類と、賠償額と、負担率と、保険額とが事故案件ごとに記載される。また、例えば、事故発生区間ごとに集計を行なうようにしてもよい。これらは、例えば、保険会社端末60からの集計期間、集計単位等の集計条件を受け付け、それに基づいて保険査定仲介サーバ10が集計を実行するようにすることができる。
【0069】
なお、本発明は上記の実施例に限られず、種々の変更が可能である。
【0070】
例えば、運送会社と保険会社との間の保険契約で支払限度額を定めている場合には、損害額認容処理(S206)において、保険請求額が支払い限度額以下であるかどうかを判断するようにしてもよい。
【0071】
また、上記の実施形態においては、単数の出荷主、単数の運送会社、単数の受荷主を想定していたが、これらは複数存在していてもよい。この場合は、例えば、貨物情報ファイル12に出荷主および運送会社を特定するための事業者コード情報を付加して、集計処理(S207)の際に、運送会社ごと等の集計を行なうことにより、保険金の支払先を特定することができる。
【0072】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、運送事故に関する保険査定業務を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の構成の概要を説明するためのブロック図である。
【図2】は、保険査定仲介サーバ10の機能構成を説明するためのブロック図である。
【図3】は、貨物情報ファイル12のデータ構成の一例を説明するための模式図である。
【図4】は、事故情報ファイル13のデータ構成の一例を説明するための模式図である。
【図5】は、損害賠償請求情報ファイル14のデータ構成の一例を説明するための模式図である。
【図6】は、保険請求情報ファイル15のデータ構成の一例を説明するための模式図である。
【図7】は、契約情報ファイル16のデータ構成の一例を説明するための模式図である。
【図8】は、損害種類コード表を説明するための図である。
【図9】は、貨物情報等の受け付け処理の概要を説明するための図である。
【図10】は、貨物情報ページ420の一例を説明するための図である。
【図11】は、事故情報ページ440の一例を説明するための図である。
【図12】は、損害賠償請求情報ページ460の一例を説明するための図である。
【図13】は、保険請求情報ページ480の一例を説明するための図である。
【図14】は、保険査定集計処理を説明するためのフロー図である。
【図15】は、保険査定仲介サーバ10が作成する帳票の一例を説明するための図である。
【図16】は、保険査定仲介サーバ10が作成する帳票の他例を説明するための図である。
【符号の説明】
10…保険査定仲介サーバ
11…事業者コード情報ファイル
12…貨物情報ファイル
13…事故情報ファイル
14…損害賠償請求情報ファイル
15…保険請求情報ファイル
16…契約情報ファイル
20…出荷主端末
30…運送管理端末
40…運送現場端末
50…受荷主端末
60…保険会社端末
70…インターネット
101…Webサーバ部
102…集計部
Claims (2)
- 貨物の運送依頼を行なう者に係る第1の端末と、運送を行なう者に係る第2の端末と、貨物を受け取る者に係る第3の端末とから、保険査定に必要な情報をコンピュータネットワークを介して受け付けるサーバコンピュータであって、
運送対象の貨物に関する情報を識別するための識別情報に対応付けて、当該貨物に関する情報である貨物情報を格納する貨物情報格納手段と、
運送中の事故により損害が発生した貨物に関する情報である事故情報を、当該貨物の識別情報に対応付けて格納する事故情報格納手段と、
貨物を受け取る者に発生した損害に関する情報である損害賠償請求情報を、当該貨物の識別情報に対応付けて格納する損害賠償請求情報格納手段と、
貨物の損害に対して保険金を受け取る者であり、かつ、貨物の損害を賠償する者から請求された保険請求に関する情報である保険請求情報を、当該貨物の識別情報に対応付けて格納する保険請求情報格納手段と、
前記第1の端末から運送対象の貨物に関する情報である運送依頼情報を受け付けた場合に、当該運送対象について識別情報を発行し、前記第1の端末、前記第2の端末、および前記第3の端末へ送信する識別情報発行手段と、
前記第1の端末から前記運送依頼情報を受け付けた場合に、当該運送依頼情報を貨物情報として、前記識別情報発行手段によって発行された識別情報に対応付けて前記貨物情報格納手段に格納させ、
前記第2または第3の端末から、前記識別情報と共に前記事故情報を受け付けた場合に、受け付けた事故情報を、当該事故情報と共に受け付けた識別情報に対応付けて前記事故情報格納手段に格納させ、
前記第3の端末から、前記識別情報と共に前記損害賠償請求情報を受け付けた場合に、受け付けた損害賠償請求情報を、当該損害賠償請求情報と共に受け付けた識別情報に対応付けて前記損害賠償請求情報格納手段に格納させ、
前記第2の端末から、前記識別情報と共に前記保険請求情報を受け付けた場合に、受け付けた保険請求情報を、当該保険請求情報と共に受け付けた識別情報に対応付けて前記保険請求情報格納手段に格納させるデータ受付手段と、
前記貨物情報格納手段、前記事故情報格納手段、前記損害賠償請求情報格納手段、および前記保険請求情報格納手段を参照して、同一の識別情報に対応付けられている事故情報、損害賠償請求情報、および保険請求情報が、予め定められた条件を満たす場合に、運送を行う者に対して支払われるべき保険金の額が記された帳票を作成し、作成した帳票を、保険金を支払う保険会社の端末へ送信する集計処理手段と
を備えることを特徴とするサーバコンピュータ。 - 請求項1に記載のサーバコンピュータであって、
前記運送依頼情報および前記貨物情報には、運送対象の貨物の単価を示す情報が含まれ、
前記事故情報には、運送中の事故により損害が発生した貨物の数量を示す損害数量情報が含まれ、
前記損害賠償請求情報には、貨物を受け取る者に発生した損害の金額を示す情報が含まれ、
前記保険請求情報には、貨物の損害に対して受け取る保険金の額を示す情報、貨物の損害に対する賠償金の額を示す情報、および、貨物の損害に対して保険金を受け取る者の負担率を示す情報が含まれ、
前記集計処理手段は、同一の識別情報に対応付けられている情報について、
前記貨物情報格納手段内の貨物の単価に、前記事故情報格納手段内の損害数量情報を乗じた値が、前記損害賠償請求情報格納手段内の損害の金額と一致し、かつ、
前記損害賠償請求情報格納手段内の損害の金額に、前記保険請求情報格納手段内の負担率を乗じた値が、前記保険請求情報格納手段内の賠償金の額と一致し、かつ、
前記保険請求情報格納手段内の賠償金の額が、前記保険請求情報格納手段内の保険金の額と一致する場合に、同一の識別情報に対応付けられている事故情報、損害賠償請求情報、および保険請求情報が、予め定められた条件を満たすと判定することを特徴とするサーバコンピュータ。
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