JP7162299B2 - 船舶事故のリスク解析方法、解析装置、及びプログラム - Google Patents

船舶事故のリスク解析方法、解析装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、船舶事故のリスク解析方法、解析装置、及びプログラムに関する。
海洋環境保護の観点から、船舶からの油流出事故を防止することは重要な課題の一つである。タンカーの二重船殻(double hull)構造が義務化された後においても、油流出事故は後を絶たず、ひとたび油流出事故が発生すると、環境的にも経済的にも甚大な被害をもたらす。そこで、船舶衝突時の被害を軽減させるために、高延性鋼(Highly Ductile Steel:HDS)を適用した船体構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、従来から、船舶に関わるビジネスモデルも提案されている。例えば、特許文献2には、船舶等の構造物の耐久性を考慮して保険料を算出する方法が提案されている。また、特許文献3には、造船会社等の顧客の製造する製品に要求される特性等の仕様値に基づいて材料メーカーが能動的に最適な材料を選別し供給する方法が提案されている。
国際公開第2016/013288号 特開2004-264913号公報 特開2004-295823号公報
ところで、船舶に高延性鋼を適用したことによる工学的な衝突安全性はこれまでに十分に解析計算により検証されている一方で、その経済性効果が十分に示されていない。高延性鋼が適用された船舶が実際に船舶オーナーや荷主に受け入れられ、商業的に使用されるためには、環境合理性だけでなく経済合理性も求められている。
そこで、本発明は、船舶に高延性鋼を適用したことによる経済性効果を推定する、船舶事故のリスク解析方法、解析装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る、船舶事故のリスクを解析する方法は、船舶の衝突速度に関するデータから、前記船舶の衝突速度の確率分布を求めるステップと、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの限界衝突速度における前記確率分布の値に基づいて、規定の衝突リスクモデルにおける事故発生頻度であって、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの事故発生頻度である高延性鋼事故発生頻度を算出するステップと、前記船舶の衝突によって想定される損害を、前記高延性鋼事故発生頻度の重みで平均することにより、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの損害である高延性鋼損害の期待値を算出するステップと、を実行するものである。
本発明に係る、船舶事故のリスクを解析する装置は、船舶の衝突速度に関するデータから、前記船舶の衝突速度の確率分布を求め、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの限界衝突速度における前記確率分布の値に基づいて、規定の衝突リスクモデルにおける事故発生頻度であって、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの事故発生頻度である高延性鋼事故発生頻度を算出し、前記船舶の衝突によって想定される損害を、前記高延性鋼事故発生頻度の重みで平均することにより、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの損害である高延性鋼損害の期待値を算出するプロセッサを備える。
本発明に係るプログラムは、船舶事故のリスクを解析するコンピュータに、船舶の衝突速度に関するデータから、前記船舶の衝突速度の確率分布を求めるステップと、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの限界衝突速度における前記確率分布の値に基づいて、規定の衝突リスクモデルにおける事故発生頻度であって、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの事故発生頻度である高延性鋼事故発生頻度を算出するステップと、前記船舶の衝突によって想定される損害を、前記高延性鋼事故発生頻度の重みで平均することにより、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの損害である高延性鋼損害の期待値を算出するステップと、を実行させるものである。
本発明によれば、船舶に高延性鋼が適用されたときの損害の期待値を算出することにより、高延性鋼適用時のリスク低減効果を求めることができ、経済性効果を推定することができる。
本発明の実施形態に係る解析装置の構成を示すブロック図である。 油タンカーの衝突リスクモデルのイベントシーケンスを模式的に示す図である。 解析装置のデータベースに格納されたイベントツリーのデータ構造を模式的に示す図である。 本実施形態の解析装置によって実行されるリスク解析処理を示すフローチャートである。 日本における船舶衝突事故時の衝突速度の確率密度分布を示すグラフである。 日本における船舶衝突事故時の衝突速度の累積分布関数を示すグラフである。 限界衝突速度の衝突角度依存性を示すグラフである。 90度真横衝突における従来鋼適用時の限界衝突速度と高延性鋼適用時の限界衝突速度とを比較する表である。 衝突速度の累積分布関数から外板の破壊確率及び内板の破壊確率を算出する方法を説明するためのグラフである。 外板の破壊確率比を示す表と内板の破壊確率比を示す表である。 従来鋼適用時の外板破断確率と高延性鋼適用時の外板破断確率を航行海域別に示す表である。 従来鋼のイベントツリーの一部を模式的に示す図である。 高延性鋼のイベントツリーの一部を模式的に示す図である。 高延性鋼適用によるリスク低減効果を示すグラフである。 高延性鋼適用によるリスク低減率を示すグラフである。 2008年と2018年におけるリスク低減効果を比較したグラフである。 高延性鋼を適用した部位ごとにリスク低減効果を示すグラフである。 高延性鋼を適用した部位ごとにリスク低減率を示すグラフである。 2008年と2018年において、高延性鋼を適用した部位ごとにリスク低減効果を比較したグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
なお、添付の図面の一部において、明細書の最終箇所に列挙した参考文献に開示された図表を引用している。
本実施形態では、国際海事機関(International Maritime Organization:IMO)によって提供された既存の文献(MEPC 58/INF.2, 4 July 2008, FORMAL SAFETY ASSESSMENT)で提示された衝突リスクモデルをベースに、大型原油タンカー(Very Large Crude Carrier:VLCC)に高延性鋼(HDS)を適用したことによる経済性効果(経済的損失の抑制効果)を推定する。油流出を引き起こす要因は様々あるが(MEPC 58/INF.2, p24, Figure 15参照)、本実施形態では、船舶の衝突(collision)のみに着目し、VLCCに別のVLCCが衝突した場合を想定する。
本実施形態において、「従来鋼」を国際船級協会連合(IACS)の統一規格(Unified Requirement W11 Rev.8 2014)で規定された全伸びの値を有する鋼板と定義し、「高延性鋼」を上記全伸びの1.2倍以上(より好ましくは1.4倍以上)を有する鋼板と定義する。
まず、船舶事故のリスクを解析するコンピュータである解析装置1の構成について説明する。解析装置1は、図1に示すように、プロセッサ10、入力部11、表示部12、通信部13、メモリ14、及びデータベース15を備え、各部はバスを介して接続される。
プロセッサ10は、CPU(central processing unit)等を有し、メモリ14に格納されたプログラムにしたがってリスク解析処理(図4参照)を実行する。また、プロセッサ10は、処理結果のデータをメモリ14及び/又はデータベース15に格納させるとともに、表示部12に表示させる。プロセッサ10により実行される処理については後述する。
入力部11は、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力デバイスからなり、ユーザの操作を受け付ける。
表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、又は有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のディスプレイを有し、プロセッサ10からの制御に従ってリスク解析処理(図4参照)の結果を表示する。
通信部13は、解析装置1をLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信ネットワークに接続する。
メモリ14は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する。ROMは、プロセッサ10よって実行される各種プログラムやこれらのプログラムの実行時に必要なデータを格納する。ROMに格納された各種プログラムやデータはRAMにロードされて実行される。メモリ14は、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気メモリ、又は光ディスク等の光メモリを有するようにしてもよい。あるいは、解析装置1に着脱可能な記録媒体にプロセッサ10よって実行される各種プログラムやデータを格納するようにしてもよい。
データベース15は、リスク解析処理(図4参照)の実行時に必要なデータを格納している。具体的に、データベース15は、IMOのWebサイトからダウンロードして得られたMEPC 58/INF.2のデータを格納している。また、データベース15は、Yamada et al.(2013)及びYamada et al.(2014)から得られた船舶の衝突速度分布のデータと、Yamada(2015)から得られた衝突速度の累積分布関数のデータと、Yamada(2016)及び今治造船ら(2016)から得られた限界衝突速度のデータとを格納している。なお、このようなMEPC 58/INF.2のデータ、衝突速度に関する統計データ及び解析データの一部又は全てをデータベース15に格納せずに、通信ネットワークを介して外部のデータベースから取得するようにしてもよい。
データベース15は、さらに、船舶事故のイベントシーケンスごとの事故発生頻度を示すイベントツリー151のデータを格納している。イベントシーケンスは、図2に示すように、初期の事象(本実施形態では“Collision”)から波及する結果を表したものである(MEPC 58/INF.2, p27, Figure 16の引用)。イベントツリー151は、IMOで作成されたイベントツリーに準拠しており、図3に示すように、各事象の発生の有無によりシーケンスが分岐しており、シーケンスがたどる事象ごとに発生確率が設定されている。図3に示すイベントツリー151において、1行が1つのイベントシーケンスに対応しており、総数で98通りのイベントシーケンスを有する。
次に、図4のフローチャートを参照して、解析装置1によって実行されるリスク解析処理について説明する。
まず、プロセッサ10は、既存文献(MEPC 58/INF.2)からVLCCのリスクデータを取得し(ステップS1)、取得したリスクデータをデータベース15に格納する。ステップS1においてプロセッサ10は、例えば、MEPC 58/INF.2の以下のテーブルから、VLCCに関するデータをリスクデータとして取得する:
Table 4: Basic characteristics of the VLCC tanker (MEPC 58/INF.2, p.18);
Table 8: Average of tank size for SH and DH ships (MEPC 58/INF.2, p.25);
Table 9: Reference ships, Oil cargo carried (MEPC 58/INF.2, p.25);
Table 10: Ship & oil cargo typical values (MEPC 58/INF.2, p.26);
Table 11 (MEPC 58/INF.2, p.28);
Table 12 (MEPC 58/INF.2, p.28-p.29);
Table 13: Probability of damage will lie entirely outboard of the tank (MEPC 58/INF.2, p.29);
Table 14 (MEPC 58/INF.2, p.29);
Table 15: Collision events - Consequences on human life (MEPC 58/INF.2, p.30);
Table 16 (MEPC 58/INF.2, p.30);
Table 47: Average of tank size for SH and DH ships (MEPC 58/INF.2, p.89);
Table 48: Reference ships, Oil cargo carried (MEPC 58/INF.2, p.90);
Table 49: Weighted Average of tank size for DH ships (MEPC 58/INF.2, p.90);
Table 50: Reference ships, Oil cargo carried (MEPC 58/INF.2, p.91);
Table 52: PLC (tonnes per ship year)-Enhanced Cargo Tank Subdivision (MEPC 58/INF.2, p.102);
Table 53: RCO 7.1 (Enhanced Cargo Tank Subdivision)-ΔPLC (tonnes per ship year)(MEPC 58/INF.2, p.103);
Table 54: RCO 7.2 (Increased Double Bottom Height)-PLC and ΔPLC (MEPC 58/INF.2, p.103-p.104);
Table 55: RCO 7.3 (Increased Side Tanks Width)-PLC and ΔPLC (MEPC 58/INF.2, p.104-p.105);
Table 56: RCO 7.1 (Enhanced Cargo Tank Subdivision)-ΔC (MEPC 58/INF.2, p.109- p.110);
Table 57: RCO 7.2 (Increased Double Bottom Height)-ΔC (MEPC 58/INF.2, p.110);
Table 58: RCO 7.3 (Increased Side Tanks Width)-ΔC (MEPC 58/INF.2, p.111);
Table 59: RCO 7.1 (Enhanced Cargo Tank Subdivision)-CATS($)(MEPC 58/INF.2, p.113);
Table 60: RCO 7.2 (Increased Double Bottom Height)-CATS($)(MEPC 58/INF.2, p.113);
Table 61: RCO 7.3 (Increased Side Tanks Width)- CATS($)(MEPC 58/INF.2, p.114);
Table 67: Particulars of Representative Tankers (MEPC 58/INF.2, p.133);
Table 68: Incident Frequencies (per ship year)(MEPC 58/INF.2, p.133-p.134); and
Table 69: Basic PLC (tonnes per ship year)(MEPC 58/INF.2, p.134).
次に、プロセッサ10は、データベース15からイベントツリー151を読み出し、ステップS1で取得されたVLCCのリスクデータをイベントツリー151に適用することでVLCC用の従来鋼のイベントツリー151aを作成し、作成したイベントツリー151aをデータベース15に格納する(ステップS2)。
次に、プロセッサ10は、船舶に関する最新の統計データに基づいて、ステップS1で取得されたVLCCのリスクデータを更新する(ステップS3)。具体的に、ステップS3において、プロセッサ10は、VLCCのリスクデータのうち、原油価格及び船価を更新する。
MEPC 58/INF.2に提示された原油価格(Table 10)は2008年時点での価格であるが、原油価格は様々な影響を受けて常に変動していることから、最新の価格に変更する必要がある。そこで、ステップS3においてプロセッサ10は、例えば、原油価格変動データを提供する複数のデータソースから通信ネットワークを介してそれぞれの直近の原油価格を取得し、取得された直近の原油価格の平均値を現在の原油価格[US$/ton]とする。複数のデータソースの一つには、例えば、原油価格変動データをWebサイトで提供している米国エネルギー省のエネルギー情報局(Energy Information Administration)が含まれる。
MEPC 58/INF.2に提示された船価(Table 10)は2008年時点での船価であるが、社会情勢や経済情勢の変化により船価は変動することから、最新の価格に変更する必要がある。そこで、ステップS3においてプロセッサ10は、例えば、船価を提供するデータソースとして、国土交通省が提供する船価に関する資料から、現在の船価[US$/隻]を推定する。具体的には、「第4回 造船業・海洋産業における人材確保・育成方策に関する検討会 参考資料4「造船業の概況」」に提示されたVLCCの船価の推移と直近の船価に基づいて、現在の船価[US$/隻]を推定する。当該資料によると、2008年より船価は下落しており、例えば、VLCCの船価の過去10年の減少率に基づき、MEPC 58/INF.2から取得された船価の80%を現在の船価 [US$/隻]とする。上記の国土交通省が提供する船価に関する資料のデータは、国土交通省のWebサイトから予めダウンロードしてデータベース15に格納してもよいし、通信ネットワークを介して外部のデータベースから取得するようにしてもよい。
次に、プロセッサ10は、ステップS1で取得したVLCCのリスクデータに基づいて、油流出コスト関数を用いて油流出コストを算出する(ステップS4)。具体的に、プロセッサ10は、ステップS1で取得したVLCCのリスクデータのうち、VLCCの平均タンクサイズ(MEPC 58/INF.2, p.90, Table 49)に基づき、式(1)で与えられる油流出コスト関数fcost(W)(MSC91/22 Add.1 ANNEX34(2012)参照)を用いて油流出コスト[US$]を算出する。
fcost(W) = 42301・W0.7233 …(1)
ここでWは油流出量[ton]である。MEPC 58/INF.2, p.90, Table 49に示された平均タンクサイズを油流出量とした。
次に、プロセッサ10は、データベース15から船舶の衝突速度に関する統計データを読み出し、船舶の衝突速度の確率密度分布に基づく衝突速度モデルを構築する(ステップS5)。ここで、衝突速度モデルを構築するのは、船舶の衝突によるリスクをより合理的に推定するためには、衝突速度を考慮したリスクモデルが必要と考えられるからである。また、高延性鋼の効果は、荷油タンク破壊までの吸収エネルギー又は限界衝突速度で評価されていることから、高延性鋼の効果をより合理的に評価するためには、衝突速度を考慮したリスクモデルを構築することが合理的であると考えられる。
Yamada et al. (2013)及びYamada et at. (2014)は、比較的最近の海難審判庁採決録データを解析し、大型船舶の衝突速度分布を詳細に求めている。図5A及び図5Bに、Yamada et al. (2013)及びYamada et at. (2014)による解析に基づいて求められた、日本における船舶衝突事故時の衝突速度の確率密度分布と累積分布関数(Cumulative distribution function:CDF)をそれぞれ示す(いずれも総トン数(GT)≧3000トン)。図5Aから明らかなように、衝突速度の確率密度分布は概ね正規分布の確率密度関数で近似することができる。また、図5Bに示された衝突速度の累積確率分布についても、若干の差はあるものの概ね正規分布の累積分布関数で近似することができる。このように、ステップS5では、正規分布で近似された累積分布関数に基づく衝突速度モデルが構築される。
次に、プロセッサ10は、衝突速度モデルと限界衝突速度とに基づいて、高延性鋼適用時の事故発生頻度を算出する(ステップS6)。限界衝突速度とは、破口を発生させない限界の速度である。図6に、Yamada et al. (2016)に開示された、限界衝突速度の衝突角度依存性のグラフを示す。図6に示すように、衝突角度が90度(真横衝突)の場合に限界衝突速度が最も小さくなっている。図7に、今治造船ら(2016)によって非線形シミュレーションにより得られた、90度真横衝突における従来鋼適用時の限界衝突速度と高延性鋼適用時の限界衝突速度とを示す。図7における高延性鋼適用時の限界衝突速度は、外板(OS)、内板(IS)、及び外板ロンジ(OSL)に高延性鋼が適用されたときの限界衝突速度を示している。
ステップS6において、まず、プロセッサ10は、衝突速度モデルと図7の限界衝突速度とに基づいて、従来鋼適用時の破壊確率に対する高延性鋼適用時の破壊確率の比(Ratio)を算出する。このRatioは式(2)で与えられる。
Figure 0007162299000001
式(2)のRatioは、図7に示した従来鋼適用時の限界衝突速度と高延性鋼適用時の限界衝突速度を、ステップS5で求められた正規分布の累積分布関数(図8及びYamada(2015)参照)に当てはめることにより求められる。外板(OS)と内板(IS)のそれぞれについて式(2)によりRatioを求めた結果を図9に示す。図9において、P(Safe)+P(Fail)=1.00であり、従来鋼適用時の破壊確率P(Fail)が式(2)のP(rupture, Conventional)に対応し、高延性鋼適用時の破壊確率P(Fail)が式(2)のP(rupture, HDS)に対応する。
高延性鋼適用時の外板/内板破断確率P(breach, HDS)と従来鋼適用時の外板/内板破断確率P(breach, Conventional)との関係は式(3)で与えられる。
P(breach, HDS) = P(breach, Conventional) × Ratio …(3)
図10に、従来鋼適用時の外板破断確率P(breach, Conventional)と、式(3)によって得られた高延性鋼適用時の外板破断確率P(breach, HDS)とを航行海域別に示す。図10において、従来鋼適用時の外板破断確率P(breach, Conventional)は、ステップS1で取得されたリスクデータのうちMEPC 58/INF.2, p. 28-p.29, Table 12の外板破断確率(Probability of hull breaching)である。すなわち、図10の高延性鋼適用時の外板破断確率P(breach, HDS)は、式(3)に、ステップS1で取得された従来鋼適用時の外板破断確率P(breach, Conventional)と、図9で示した外板のRatioとを代入することによって求められる。なお、図10では、船舶が公海(open sea)上を航行する場合は速力が12kt以上と高速であることから、高延性鋼による効果は生じないと仮定している。
図11Aに、従来鋼のイベントツリー151aを示す。従来鋼のイベントツリー151aに設定された外板/内板破断確率(図11Aの左側の太枠内参照)と、図9で示したRatioとを式(3)の右辺に代入することによって高延性鋼適用時の外板/内板破断確率を求めると、図11Bに示す高延性鋼のイベントツリー151bが作成され(特に、図11Bの太枠内参照)、作成されたイベントツリー151bはデータベース15に格納される。
図11Aの従来鋼のイベントツリー151aにおいて、シーケンスがたどる事象の発生確率を順次乗算すると、従来鋼適用時の事故発生頻度(incident frequency)が求められる。同様に、図11Bの高延性鋼のイベントツリー151bにおいて、シーケンスがたどる事象の発生確率を順次乗算すると、高延性鋼適用時の事故発生頻度(incident frequency)が求められる。このように、イベントシーケンスごとに事故発生頻度が求められる。
ステップS6の後、プロセッサ10は、従来鋼適用によるリスク期待値(従来鋼損害額の期待値)と高延性鋼適用によるリスク期待値(高延性鋼損害額の期待値)を算出する(ステップS7)。そして、プロセッサ10は、これらのリスク期待値により、高延性鋼適用によるリスク低減率を算出する(ステップS8)。
具体的に、プロセッサ10は、式(4)で与えられる、衝突によって生じる結果(consequences)として想定される損害額Cを、ステップS6で算出された事故発生頻度の重みで平均した値をリスク期待値として求める。
C=Coil spill+Cship+Ccargo …(4)
ここで、Coil spillは式(1)の油流出コスト関数fcost(W)であり、Cshipは船舶の損害額であり、Ccargoは貨物(原油)の損害額である。船舶の損害額Cship及び貨物(原油)の損害額Ccargoは、ステップS3で得られた最新の船価及び最新の原油価格に基づいてそれぞれ求められる。船舶が全損した場合、最新の船価が船舶の損害額Cshipとなる。リスク期待値Risk[US$]は式(5)で与えられる。
Figure 0007162299000002
ここで、Pi及びCiは、それぞれ、イベントツリーのi番目のイベントシーケンスにおける事故発生頻度(incident frequency)及び損害額であり、Nは、イベントツリーに設定された衝突に関するイベントシーケンスの総数である。従来鋼適用によるリスク期待値は、式(5)のPiに従来鋼適用時の事故発生頻度を代入することで求められ、高延性鋼適用によるリスク期待値は、式(5)のPiに高延性鋼適用時の事故発生頻度を代入することで求められる。
式(5)により求められた、従来鋼適用によるリスク期待値と高延性鋼適用によるリスク期待値とを比較したグラフを図12Aに示し、高延性鋼適用によるリスク低減率を図12Bに示す。図12Bに示すように、従来鋼適用によるリスク期待値を100とした場合、高延性鋼適用によるリスク期待値は48.36となり、衝突によるリスクが約50%程度低減されていることがわかる。図12Cに、2008年におけるリスク期待値と2018年におけるリスク期待値とを比較したグラフを示す。図12Cより、原油価格及び船価の下落により、リスク期待値は低下しているが、高延性鋼適用によるリスク低減率については大きく変化していないことがわかる。
図12A~図12Cに示された高延性鋼適用によるリスク期待値及びリスク低減率は、外板、内板、及び外板ロンジに高延性鋼が適用され、且つ建造直後(as built)の条件下で限界衝突速度が12ktであると仮定して算出されたものである。高延性鋼適用の効果は、適用部位によって異なる(今治造船ら(2016)参照)。また、限界衝突速度についても、船舶の建造直後(as built)に比べると、船舶の経年劣化により若干低下する可能性が考えられる。
そこで、外板及び内板のみに高延性鋼を適用し、且つ限界衝突速度が9ktであると仮定した場合(パターンHDS-P1と表す。)に式(5)によりリスク期待値を求め、図12Aで示されたリスク期待値と比較したグラフを図13Aに示す。図13Aにおいて、パターンHDS-P2は、図12A~図12Cに示した高延性鋼適用(外板、内板、及び外板ロンジに高延性鋼を適用し、且つ限界衝突速度は12kt)のパターンを表している。また、図13Bに、パターンHDS-P1のリスク低減率とパターンHDS-P2のリスク低減率とを比較したグラフを示す。さらに、図13Cに、パターンHDS-P1とパターンHDS-P2の各々について、2008年におけるリスク期待値と2018年におけるリスク期待値とを比較したグラフを示す。
図13Bより、パターンHDS-P1のリスク低減率が約30%となり、パターンHDS-P2よりもリスク低減率が小さくなることがわかった。すなわち、リスク低減効果は、パターンHDS-P1よりもパターンHDS-P2の方が高い。これは、衝突速度の平均値及び最頻値が10kt~11kt付近であることから(図5A参照)、当該ピーク値をカバーすることができるパターンHDS-P2の適用(限界衝突速度=12kt)がリスク低減に大きく寄与しているからと考えられる。
以上のように、本実施形態によれば、船舶に高延性鋼を適用したことによるリスク低減効果を求めることによって、高延性鋼適用による経済性効果を推定することができる。これにより、船舶オーナーや荷主に高延性鋼のメリットを訴求することができ、高延性鋼が適用された船舶の商業的使用を期待することができる。
なお、上述の実施形態では、リスク解析処理(図4)を一台のコンピュータが実行するものとしたが、通信ネットワークに接続された複数台のコンピュータが実行するようにしてもよい。例えば、第1のコンピュータがステップS1~S5を実行して処理結果のデータを通信ネットワークを介して第2のコンピュータに送信し、第2のコンピュータが、第1コンピュータから受信したデータに基づいてステップS6~S8を実行するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、イベントツリーを用いてリスク解析処理を行う例を説明したが、イベントツリーに代えて、ベイジアンネットワーク、フォールトツリー解析(Fault Tree Analysis)等を用いてもよい。
さらに、上述の実施形態では、船舶の衝突による損害を貨幣価値で算出したが、油流出量(トン)、死傷者数等、貨幣価値以外の単位で被害度(損害)を算出するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、VLCCについて、MEPC 58/INF.2のテーブルから、データをリスクデータとして取得し、高延性鋼適用による標準的なリスク低減効果を求めたが、特定の船舶(個船)について高延性鋼適用による個船毎のリスク低減効果を求めてもよい。この場合、例えば、MEPC 58/INF.2のテーブルのTable 4、Table 8、Table 9、Table 10、Table 13、Table 47、Table 48、Table 49、Table 50、Table 52を個船のデータに入れ替える。また、データがあれば、Table 11、Table 14、Table 15、Table 16についても、個船のデータに入れ替えることもできる。なお、これら用いる個船のデータの組み合わせは、任意にでき、個船のデータが無い場合は、MEPC 58/INF.2のテーブル等のデータを用いる。MEPC 58/INF.2のデータは、更新があった場合は、更新後のデータを用いることもでき、また他に別の統計データや別の標準的データがある場合は、それらを用いることも可能である。このように、高延性鋼適用による標準的なリスク低減効果と、個船毎のリスク低減効果のいずれも求めることができる。
また、言うまでもなく、VLCC以外のタンカー及びタンカー以外の船舶についてリスク低減効果を求めるようにしてもよい。この場合、VLCC以外のタンカーについては、相当するMEPC 58/INF.2のテーブルを用いることができるが、タンカー以外の船舶については、統計データや標準的データがある場合は、それらを用いて標準的なリスク低減効果を求めることができる。また、統計データや標準的データの一部を個船のデータに入れ替えて、個船毎のリスク低減効果を求めることができる。
例えば、船種、船体の大きさ、船側構造、載荷重量、高延性鋼の適用の範囲やレベルに応じて油流出リスクを算出し、高延性鋼を適用しない場合と高延性鋼を適用した場合とを比較して、油流出リスク低減効果を求める。個船の場合、高延性鋼を適用しない場合は、標準的な船舶についての油流出リスクを用い、高延性鋼を適用した場合の個船毎の油流出リスクとの差異から油流出リスク低減効果を求めることもあり得る。
対象船舶がタンカー以外の場合(ばら積み船、ケミカル船、LPG船、自動車専用船など)、対象船舶毎に取得した統計データや標準的データを用いて、また定めた統計データや標準的データの一部を個船のデータに置き換えて油流出リスクの低減効果を求めることができるが、これらの場合は主に、燃料タンクからの油流出リスクを求めることになる。
<参照文献>
今治造船ら (2016):今治造船株式会社、新日鐵住金株式会社、国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所、一般財団法人 日本海事協会「衝突時の被害低減のための船体構造への高延性鋼(HDS)適用に関する研究」(2016) http://report.classnkrx.com/researchresult.nsf/vwMainByHTML/34E130E93D1B3C38492580B1001C0CA8?OpenDocument .
Yamada et al. (2013): 山田安平、金湖富士夫「海難審判庁裁決録に基づく我が国沿岸の船舶の衝突事故データベース構築とその類型化について」日本船舶海洋工学会講演会論文集、Vol. 17 (2013).
Yamada et al. (2014): 山田安平、金湖富士夫「海難審判庁裁決録に基づく我が国沿岸の船舶の衝突事故データベース構築とその類型化について(第2報)」日本船舶海洋工学会講演会論文集、Vol. 19, pp.311-pp.314 (2014).
Yamada (2015): 山田安平、金湖富士夫「衝突によるタンカーからの油流出リスク評価手法及び環境FSAについて」日本船舶海洋工学会講演会論文集、Vol. 21, pp.31-34 (2015).
Yamada et al. (2016): Yamada, Y., Tozawa, S., Arima, T., “Effects of Highly Ductile Steel on the Crash-worthiness of Hull Structure in Oblique Collision”, Proceedings of International Conference on Collision and Grounding of Ships and Offshore Structures (ICCGS2016).
1 解析装置
10 プロセッサ
11 入力部
12 表示部
13 通信部
14 メモリ
15 データベース
151、151a、151b イベントツリー

Claims (8)

  1. プロセッサが、船舶に関するデータを格納したデータベースを用いて 船舶事故のリスクを解析する方法であって、
    前記データベースには、少なくとも、船舶の衝突速度に関するデータと限界衝突速度のデータとが格納され、
    プロセッサが、前記データベースに格納された 船舶の衝突速度に関するデータから、前記船舶の衝突速度の確率密度分布に基づく衝突速度モデル構築するステップと、
    前記プロセッサが、前記衝突速度モデルと、前記データベースに格納された限界衝突速度のデータと に基づいて、規定の衝突リスクモデルにおける事故発生頻度であって、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの事故発生頻度である高延性鋼事故発生頻度を算出するステップと、
    前記プロセッサが、 前記船舶の衝突によって想定される損害を、前記高延性鋼事故発生頻度の重みで平均することにより、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの損害である高延性鋼損害の期待値を算出するステップと、
    を含むリスク解析方法。
  2. 前記規定の衝突リスクモデルにおける事故発生頻度は、当該規定の衝突リスクモデルのイベントツリーにおける事故発生頻度である、請求項1に記載のリスク解析方法。
  3. 前記高延性鋼損害の期待値を算出するステップは、前記プロセッサが、前記船舶の衝突によって想定される損害額を、前記高延性鋼事故発生頻度の重みで平均することにより、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの損害額である高延性鋼損害額の期待値を算出する、請求項1又は2に記載のリスク解析方法。
  4. 前記船舶は油タンカーであり、
    前記高延性鋼損害の期待値を算出するステップは、前記プロセッサが、前記油タンカーの衝突による油流出量に対応するコストを前記高延性鋼事故発生頻度の重みで平均することにより、前記高延性鋼損害額の期待値を算出する、請求項3に記載のリスク解析方法。
  5. 前記高延性鋼損害の期待値を算出するステップは、前記プロセッサが、所定のデータソースから、最新の油価格及び最新の船価の一方又は双方を取得し、前記油流出量と、前記最新の油価格及び前記最新の船価の一方又は双方とによって定められるコストを前記高延性鋼事故発生頻度の重みで平均することにより、前記高延性鋼損害額の期待値を算出する、請求項4に記載のリスク解析方法。
  6. 前記データベースには、従来鋼の事故発生頻度を示すデータが格納され、
    前記プロセッサが、前記データベースに格納された従来鋼の事故発生頻度を示すデータを用いて、 前記船舶の衝突によって想定される損害を、前記船舶に従来鋼が適用されたときの事故発生頻度である従来鋼事故発生頻度の重みで平均することにより、前記船舶に従来鋼が適用されたときの損害である従来鋼損害の期待値を算出するステップと、
    前記プロセッサが、 前記従来鋼損害の期待値と前記高延性鋼損害の期待値とを比較することにより、前記船舶に高延性鋼が適用されたことによるリスク低減率を算出するステップと、
    を更に含む請求項1~5の何れか1項に記載のリスク解析方法。
  7. 船舶事故のリスクを解析する装置であって、
    少なくとも、船舶の衝突速度に関するデータと限界衝突速度のデータとを格納したデータベースと、
    前記データベースに格納された 船舶の衝突速度に関するデータから、前記船舶の衝突速度の確率密度分布に基づく衝突速度モデル構築し前記衝突速度モデルと、前記データベースに格納された限界衝突速度のデータとに基づいて、規定の衝突リスクモデルにおける事故発生頻度であって、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの事故発生頻度である高延性鋼事故発生頻度を算出し、前記船舶の衝突によって想定される損害を、前記高延性鋼事故発生頻度の重みで平均することにより、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの損害である高延性鋼損害の期待値を算出するプロセッサと、
    を備える解析装置。
  8. 船舶に関するデータを格納したデータベースを用いてプロセッサに船舶事故のリスクを解析させるためのプログラムであって、
    前記データベースには、少なくとも、船舶の衝突速度に関するデータと限界衝突速度のデータとが格納され、
    前記プロセッサに、
    前記データベースに格納された船舶の衝突速度に関するデータから、前記船舶の衝突速度の確率密度分布に基づく衝突速度モデルを構築する ステップと、
    前記衝突速度モデルと、前記データベースに格納された限界衝突速度のデータと に基づいて、規定の衝突リスクモデルにおける事故発生頻度であって、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの事故発生頻度である高延性鋼事故発生頻度を算出するステップと、
    前記船舶の衝突によって想定される損害を、前記高延性鋼事故発生頻度の重みで平均することにより、前記船舶に高延性鋼が適用されたときの損害である高延性鋼損害の期待値を算出するステップと、
    を実行させるプログラム。
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山田 安平, 金湖 富士夫,衝突によるタンカーからの油流出リスク評価手法及び環境FSAについて,日本船舶海洋工学会講演会論文集,日本船舶海洋工学会,2015年11月16日,第21号,31-34,https://www.jstage.jst.go.jp/article/conf/21/0/21_31/_pdf/-char/ja

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