JP4731678B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子による撮像を行うカメラに係り、特に表示画面に撮影領域外の状況を表示して、撮影領域内に不要な被写体が入り込むことを防止するカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にフィルムカメラは、フィルム現像と焼き付けを行って写真にしなければ撮影した被写体像を確認することはできない。そこで、カメラに撮像素子とディスプレイを搭載して、フィルムに撮影した被写体像を撮像素子に取り込み、その場でディスプレイに表示する技術が提案されている。このカメラは、フィルムカメラの機能と電子スチルカメラの性能を併せ持つカメラである。
【0003】
また、電子スチルカメラにおいては、動体物検出を行い、撮像する画面内に、主要被写体以外で不要な被写体(以下、雑被写体と称する)が入り込まないようにする技術が例えば、特開平6−30374号公報に開示されている。この技術は、中央部の撮影領域とその周辺の動体物検出領域に分割された撮像素子を用いて、周辺の動体物検出部が動体物を検出した場合に、撮像を禁止して不要撮影を防止するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した特開平6−30374号公報に開示される技術は、例えば、人混みの中で目的の被写体を撮影する際、ファインダ視野の中に突然撮影を意図しないものが飛び込んでしまい、撮影を失敗してしまうことが防止でき、撮影者にとって非常に有益な機能である。
【0005】
また近年、撮影光学系の高倍率ズーム化が進み超望遠撮影が非常に容易になった。超望遠撮影は、例えば運動会などで重宝され、使用頻度も比較的多い。この超望遠撮影は、通常または広角撮影に比べれば雑被写体の撮影領域への飛び込みを予知することは難しく、対処も難しい。
【0006】
このような超望遠撮影に前述した動体物検出により撮影を禁止する技術を適用した場合においては、確かに雑被写体が飛び込んでくることを防止できる。しかし、動きの激しい被写体が主たる被写体であった場合、その主要被写体がファインダ視野から外れてしまい、見失うことが多々生じる。この場合、撮影者は慌てて主要被写体を探し追いかけ、ファインダ視野に捕らえようとする。ファインダ視野に主要被写体を捕らえ、撮影しようとしたとき、前述した技術のカメラの場合、主要被写体はファインダ視野外からファインダ視野内に捕捉されることとなり、撮影したくない雑被写体が撮影領域へ進入したものと判断し、撮影を禁止してしまうことになる。これにより、シャッタチャンスを逃してしまうことになる。
【0007】
また特開平6−30374号公報では、セルフタイマ撮影の場合に、撮影を禁止するのではなく、遅延させる技術においても言及している。しかし、この遅延により雑被写体の撮影領域内へ進入により撮影を遅延させたとしても、シャッタチャンスを逃すことに変わりは無い。
さらに、遅延でもなく警告表示のみにすれば、シャッタチャンスを逃すことはなくなるが、超望遠撮影で見失った主要被写体を探すことに関しては、何ら作用しない。つまり、前述した動体物検出により撮影を禁止若しくは遅延させる技術では、特に高倍率ズームをカメラに装着すると、雑被写体が撮影領域に侵入した不要撮影を防止するといった有益な機能がシャッタチャンスを逃してしまう不都合を生じさせることとなる。さらに超望遠撮影に対しては、動きの激しい主要被写体は見失いやすいことを改善する作用はなく、決して快適な撮影が容易に行えるとはいえない。
【0008】
そこで本発明は、雑被写体の撮影領域内への進入による不要撮影を防止しつつ、かっ、シャッターチャンスを逃すことなく、特に超望遠撮影を行う際、動きの速い主要被写体でも見失うことなく、快適な撮影を可能としたカメラを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、撮像範囲の中心部に配置された撮影領域と、該撮像範囲において、動体物を捕捉するための上記撮影領域の周辺に配置された複数の動体物捕捉領域とを有し、上記撮像範囲を撮像して、上記撮影領域と上記動体物捕捉領域のそれぞれについて被写体像信号を出力する撮像部と、上記複数の動体物捕捉領域から出力される被写体像信号の焦点評価値の変化に基づいて動体物が存在する位置を検出し、該検出結果に応じた表示を行うように制御する制御部と、を有し、上記複数の動体物捕捉領域は、上記撮影領域を囲う枠形状であって撮影領域の外側へ向かう異なる位置に配置される少なくとも3個のグループを形成し、上記制御部は、上記動体物捕捉領域に動体物が存在すると判断し、上記複数のグループの焦点評価値に基づいて動体物が撮影領域に進入する方向に移動していると判断したならば、該動体物の位置に応じた表示を行うカメラを提供する。
【0011】
以上のような構成のカメラは、撮影領域周辺における被写体の状況を動体物検出手段により動体物の有無とその移動方向を検出して、撮影領域に相当する撮像領域に対して域外から撮影領域内に進入しようとする雑被写体の存在とその存在位置を表示する。また、主要被写体が撮影領域外に外れて見失い、再度撮影領域内に戻ろうとしていることを事前に表示して撮影者に知らせる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1には、本発明による一実施形態に係るカメラの構成例を示し説明する。本実施形態は、フィルムに被写体像を露出するフィルム撮影部2と、撮像素子によりデジタル画像を撮像するデジタル撮像部3とからなり、フィルムに撮影する被写体像を撮像素子に取り込み、その場でディスプレイに表示することができるハイブリッドカメラである。
【0014】
このカメラ1において、フィルム撮影部2は、画角(撮影領域)を可変可能な変倍機能を備え、フィルム4ヘ被写体像を導くための変倍光学系5と、この変倍光学系5内に組み込まれ、フィルム面ヘ被写体像のピントを合わせるための焦点調節光学系6と、フィルム4ヘの露出制御を行うための絞り/シャッタ部7と、これらの構成部位の制御やフィルムの給送機構を含み、被写体像の取り込みやフィルムの巻き上げ巻き戻しに関する駆動を行う駆動制御部8と、変倍光学系5を含む撮影光学系により結像された被写体像を確認するためのファインダ部(光学ファインダ)9とで構成される。尚、このフィルム撮影部2には、図示しない測距部や測光部、補助光を発光する照明部等を含むその他の構成部10が備えられているが、本発明とは直接的には係わらないため、ここでの説明は省略している。
【0015】
またデジタル撮像部3は、CCDやCMOSイメージャ等からなる撮像素子11と、前述した変倍光学系5の撮影領域と同調して画角(撮像領域)を可変可能な変倍機能を備え、撮像素子11へ被写体像を導くための変倍光学系12と、この変倍光学系12に組み込まれ、撮像素子11受光面への被写体像のピント合わせを行うための焦点調節光学系13と、撮像素子11ヘの露出制御を行うための絞り/シャッタ部14と、これらの構成部位を制御して被写体像の取り込みを行う駆動制御部15と、撮像された画像データを及び制御に関するデータ等を記憶する記憶部16と、撮像した画像及び撮影に関係するデータ等を表示するための表示部(電子ビューファインダ)17とで構成される。尚、この電子撮像に関するその他の構成部18が備えられているが、本発明とは直接的には係わらないため、ここでの説明は省略している。
【0016】
これらのフィルム撮影部2及びデジタル撮像部3は、制御部19によりシーケンス制御を含む全ての動作が制御され、撮像素子11からの画像データに対する画像処理演算等も行われている。さらに、制御部19には、カメラの撮像モードの変更と設定などを行うモード設定部20が設けられている。本実施形態のモード設定部20は、例えば、フィルム撮影のみを行うフィルム撮影モードと、撮像素子11のみの撮像を行うデジタル撮像モードと、フィルム撮影とデジタル撮像の両方を行うハイブリッド撮影モードの少なくとも3つの撮影モードを備えている。また、モード設定部20は、雑被写体が撮影領域外から撮影領域内に進入しようとしていることを警告・表示する雑被写体検出モード、主要被写体が撮影領域外から撮影領域内に進入しようとしていることを伝達・表示する待ち伏せモード及び、雑被写体検出モードと待ち伏せモードを機能させない通常モードの切り換えを行う機能も備えている。
【0017】
次に図2は、前述したカメラ1を後方から見た外観構成と、撮影領域及び動体物検出エリアの関係について示す図である。
このカメラ1には、背面側には表示素子を内蔵するファインダ部9とLCDからなる表示部(電子ビューファインダ)17が配置され、上面にはモード設定部20の設定ボタン22と、カメラのパワースイッチ23と、レリーズスイッチ(1st、2nd)をオンさせるためのレリーズボタン24が設けられている。
【0018】
この図2において、撮像素子11の撮像範囲は、少なくとも2つの領域(撮像領域25と動体物検出エリア26)に分割されている。撮像範囲の中央に位置する撮像領域25は、フィルム4に写し込まれる被写体像の範囲(撮影領域)と同等である。その撮像領域25の周辺には、撮像領域25即ち撮影領域へ侵入及び退去する移動体物(主要被写体や雑被写体を含む被写体)とその移動方向を検出するための動体物を捕捉するための領域となる動体物検出エリア26が設けられている。
【0019】
図3に示すフローチャートを参照して、このように構成された本実施形態のカメラのメイン動作について説明する。
【0020】
まず、パワースイッチ23がオンされたか否かを判断して(ステップS1)、オンされていれば(YES)、レリーズボタン24が操作されて、1stレリーズスイッチがオンしたか否かを判断する(ステップS2)。この判断で、1stレリーズスイッチがオンしていなければ(NO)、パワースイッチをオンしたままの状態で待機する。しかし、オンされたならば(YES)、測距及び測光を行う(ステップS3)。その後、ピント合わせのための焦点調節するための焦点調節演算と露出条件を求めるための露出演算を行う(ステップS4)。
【0021】
次に、2ndレリーズスイッチがオンしたか否かを判断する(ステップS5)。この判断で、レリーズボタン24が更に押されてオンした場合には(YES)、前述した焦点調節演算及び露出演算により求められた結果に基づいて、駆動制御部8の駆動により焦点調節動作と露出動作を行う(ステップS6)。露出終了後にフィルム4の1コマ巻上げを行い(ステップS7)、フィルム4が最終コマに達したか否かを検出して(ステップS8)、最終コマであった場合(YES)、フィルム4の自動巻き戻しを行う(ステップS9)。一方、最終コマでなかった場合は(NO)、フィルム4の巻き戻しは行わずに、表示部7の動体物検出表示をオフにする(ステップS10)。尚、設定された撮影モードにより、もともと動体物検出表示されていなければ、そのままであり、動体物検出表示がオンされていた場合には、その表示をオフして、ステップS2に戻る。
【0022】
一方、上記ステップS5の判断において、2ndレリーズスイッチがオンされていなければ(NO)、再度、パワースイッチ23がオン状態であるか否かを判断する(ステップS11)。この判断でパワースイッチ23がオン状態であれば(YES)、2ndレリーズスイッチがオンしたか否かを判断する(ステップS12)。2ndレリーズスイッチがオンしたならば(YES)、上記ステップS6へ移行し、焦点調節動作と露出動作を行う、しかし、オンしなければ(NO)、雑被写体検出モードか待ち伏せモードに設定されているか否かを判断する(ステップS13)。これらの雑被写体検出モードか待ち伏せモードに設定されていたならば(YES)、後述するサブルーチンの動体物検出を行い、動体物があった場合には、その旨を表示して撮影者に伝える(ステップS14)。
【0023】
そして、この動体物検出の後、又は雑被写体検出モードや待ち伏せモードが設定されていない場合(NO)は、再度、パワースイッチ23がオン状態であるか否かを判断する(ステップS15)。この判断でパワースイッチ23がオン状態であれば(YES)、1stレリーズスイッチがオン状態であるか否かを判断する(ステップS16)。オン状態であれば(YES)ステップS12に戻り、2ndレリーズスイッチの状態を検出する。しかし、1stレリーズスイッチがオン状態でなければ(NO)、撮影動作が実行されたもの又は、フォーカスロック状態が解除されたものと判断して、ステップS10に移行して、表示部7の動体物検出表示をオフにする。
【0024】
次に図4に示すフローチャートを参照して、前述した図3のステップS14のサブルーチンの動体物検出について説明する。
【0025】
まず、動体物を検出したか否かの指標となるf_moveフラグを0にクリアする(ステップS21)。このf_moveフラグが0であれば、動体物を検出していないことを示し、逆にf_moveフラグが1であれば、動体物を検出したということを示している。次に、図2(a)に示す動体物検出エリア26の焦点評価値を算出する(ステップS22)。この動体物検出エリア26は、具体的には図5(a)に示すように、複数の動体物捕捉エリア31が撮像領域(撮影領域)25の周囲に配置された構成である。これらの動体物捕捉エリア31は、図5(b)に示すように、少なくとも枠形状の3つのグループ(A、B、Cグループ)に分割される。焦点評価値とは、撮像素子が捕捉した被写体像信号の高周波成分を抽出して積分したものであり、被写体像信号のコントラスト、又はMTFに相当する数値である。本実施形態においては、この焦点評価値の算出は、1stレリーズスイッチがオン状態の時に実行されるため、通常は複数回実行される。
【0026】
次に、前回に算出された焦点評価値と今回算出された焦点評価値とを比較して、動体物検出エリア26の一部に変化があったか否かを判断する(ステップS23)。この判断でエリア全体に変化が見られない及び全体が変化してしまっていた場合は(NO)、動体物が存在しない(検出できない)又は、カメラ自体の向きが動かされていると判断して、後述するステップS27へ移行する。この焦点評価値の変化の有無は、予め決められた所定値以上の差が焦点評価値に発生した場合には、変化ありと判断し、所定値以上の差が無い場合は、変化なしと判断している。
【0027】
しかし、動体物検出エリア26の一部に変化があった場合には(YES)、変化した動体物捕捉エリア31付近に動体物が存在するものと判断し、動体物を検出したという指標となるf_moveフラグに1を設定する(ステップS24)。そして、焦点評価値が変化して動体物が存在すると推測する動体物捕捉エリア31の位置を抽出して記憶部16に記憶する(ステップS25)。次に図5(b)を用いて動体物の移動方向を検出する(ステップS26)。この動体物の移動方向として、焦点評価値に変化した動体物捕捉エリア31の位置が例えば、A→B→Cグループへと移動すれば、動体物が撮像領域25内に進入しようとしていると判断できる。逆に、C→B→Aグループへと移動すれば、動体物が撮像領域25内から遠ざかろうとしているものと判断できる。
【0028】
次に、待ち伏せモードに設定されているか否かを判断する(ステップS27)。この判断で、待ち伏せモードに設定されていた場合は(YES)、主要被写体が動体物検出エリア26から撮像領域(撮影領域)25内に入ってきたものと判断する。しかし、前述したように、1stレリーズスイッチがオン状態であるため、フォーカスロックされており、主要被写体にピントが合わなくなり、矛盾を生じることになる。従って、待ち伏せモードの場合は、主要被写体にピントを合わせるために、再度焦点調節を行う必要がある。
【0029】
そこで、測距エリアを動体物に合わせ(ステップS28)、再測距を行い(ステップS29)、再焦点調節演算して、焦点調節光学系6,13のそれぞれの駆動量を算出する(ステップS30)。得られた算出結果に基づき、それぞれ再焦点調節を行って、ピンボケを防止する(ステップS31)。尚、本実施形態においては、連続測距することも考えられ、その連続測距した場合は、検出した動体物で測距すれば良い。
【0030】
この再焦点調節の後、又は上記ステップS27で待ち伏せモードでなかった場合には(NO)、雑被写体検出モードが設定されているもの判断した後、f_moveフラグが1に設定されているか否かを判断する(ステップS32)。この判断でf_moveフラグが1に設定されていたならば(YES)、動体物を検出したと判断されているので、後述するように動体物の位置に対応したファインダ内のLEDからなる(動体物検出表示マーク27a〜27d)を点滅させて表示する(ステップS33)。その後、表示部17に表示する撮影領域の範囲を広くなるように変更して(ステップS34)、リターンする。またステップS32でf_moveフラグが1に設定されていなければ(NO)、リターンする。
【0031】
図6(a)には光学ファインダ9内の可視部を示し、図6(b)にはカメラに対する撮像領域(撮影領域)と動体物検出エリアの関係を示して、前述したステップS33における光学ファインダ9内の動体物の移動表示について説明する。
【0032】
この可視部28は、動体物検出エリア26と同等の範囲を持ち、上下左右にそれぞれ動体物の位置を撮影者に知らせるため人間の形をした動体物検出表示マーク27a〜27dが配置されている。そして、内側には撮像領域(撮影領域)25を表すためのファインダ視野が配置され、その中心には、測距エリアの指標となるターゲットマーク29が設けられている。例えば、動体物30がカメラ1の図面上の右側から動体物検出エリア26を通り、撮像領域25へ侵入しようとした場合に、光学ファインダ9内の動体物検出表示マーク27bが点滅表示する。
【0033】
また、上記ステップS34における撮影領域範囲の変更表示について説明する。図7(a)は、通常モードにおける表示部17の表示例であり、撮像領域25に相当する領域32は、撮像領域(撮影領域)26の全てを表示したところを示している。また、図7(b)は、雑被写体検出モード及び待ち伏せモードにおける表示部17の表示例であり、動体物検出エリア26に相当する領域33内に、撮像領域(撮影領域)26を表示している。
【0034】
このように動体物とその移動方向を表示することにより、移動する主要被写体を見失うことが減少し撮影領域に入れておくことがることが容易になり、さらに雑被写体が撮影領域に侵入することがわかるため、失敗写真を避けることが容易になる。
【0035】
以上のように本実施形態によれば、雑被写体が撮影領域に侵入してくることを事前に知ることができ、失敗写真が撮れてしまうことを防止できる。更に、高倍率ズームレンズの望遠側を使い、主要被写体が撮影領域から外れて見失った場合でも、容易に主要被写体を発見することができ、シャッターチャンスを逃すことも防止できる。また、動体物を検出したとしても従来のようにレリーズを禁止していないため、主要被写体が移動する場合でも問題なく撮影することができる。
【0036】
よって、不要な写真を撮ってしまうことが防止でき、且つシャッタチャンスを失うことを防止することができる。言い換えれば、主要被写体や雑被写体の状況によらず、快適に狙い通りの写真を写すことが可能になる。
【0037】
以上の実施形態について説明したが、本明細書には以下のような発明も含まれている。
【0038】
1.フィルム撮影とデジタル撮像の両機能を有するカメラにおいて、
1つの撮像画面が2分割され、一方が中央に配置されフィルム撮影画面に相当する撮像領域と、他方が上記撮像領域を取り囲むように周辺に配置する動体物検出エリアとに分割する撮像手段と、
上記フィルム撮影画面と上記撮像領域を関連づけて画角を変更する変倍光学手段と、
上記動体物検出エリアを複数の環状ブロックに分割し、それぞれの出力信号から上記撮像領域に向かう若しくは遠のくように移動する動体物の有無とその移動方向を検出する動体物検出手段と、
上記動体物検出手段による出力信号に基づき、動体物の有無とその移動方向を表示する表示手段と、
上記動体物検出手段の動作/不動作を制御する切り換え手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、雑被写体の撮影領域内への進入による不要撮影を防止しつつ、かっ、シャッタチャンスを逃すことなく、特に超望遠撮影を行う際、動きの速い主要被写体でも見失うことなく、快適な撮影を可能としたカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施形態に係るカメラの構成例を示し説明する。
【図2】カメラの外観構成と撮影領域及び動体物検出エリアの関係について示す図である。
【図3】実施形態のカメラのメイン動作について説明するためのフローチャートである。
【図4】サブルーチンの動体物検出について説明するためのフローチャートである。
【図5】 図5(a)は、動体物捕捉エリアと撮像領域(撮影領域)の配置関係を示す図であり、図5(b)は、動体物捕捉エリアの分割例を示す図である。
【図6】図6(a)にはファインダ内の可視部を示す図であり、図6(b)にはカメラに対する撮像領域(撮影領域)と動体物検出エリアの関係を示す図である。
【図7】図7(a)は、通常モードにおける表示部の表示例を示す図であり、図7(b)は、雑被写体検出モード及び待ち伏せモードにおける表示部の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1…カメラ
2…フィルム撮影部
3…デジタル撮像部
4…フィルム
5、12…変倍光学系
6、13…焦点調節光学系
7…絞り/シャッタ部
8…駆動制御部
9、18…その他の構成部
11…撮像素子
14…絞り/シャッタ部
15…駆動制御部
16…記憶部
17…表示部
19…制御部
20…モード設定部
Claims (2)
- 撮像範囲の中心部に配置された撮影領域と、該撮像範囲において、動体物を捕捉するための上記撮影領域の周辺に配置された複数の動体物捕捉領域とを有し、上記撮像範囲を撮像して、上記撮影領域と上記動体物捕捉領域のそれぞれについて被写体像信号を出力する撮像部と、
上記複数の動体物捕捉領域から出力される被写体像信号の焦点評価値の変化に基づいて動体物が存在する位置を検出し、該検出結果に応じた表示を行うように制御する制御部と、を有し、
上記複数の動体物捕捉領域は、上記撮影領域を囲う枠形状であって撮影領域の外側へ向かう異なる位置に配置される少なくとも3個のグループを形成し、
上記制御部は、上記動体物捕捉領域に動体物が存在すると判断し、上記複数のグループの焦点評価値に基づいて動体物が撮影領域に進入する方向に移動していると判断したならば、該動体物の位置に応じた表示を行うことを特徴とするカメラ。 - 撮像範囲の中心部に配置された撮影領域と、該撮像範囲において、動体物を捕捉するための上記撮影領域の周辺に配置された複数の動体物捕捉領域とを有し、上記撮像範囲を撮像して、上記撮影領域と上記動体物捕捉領域のそれぞれについて被写体像信号を出力する撮像部と、
上記複数の動体物捕捉領域から出力される被写体像信号の焦点評価値の変化に基づいて動体物が存在する位置を検出し、該検出結果に応じて焦点調節を行うように制御する制御部と、
を有し、
上記複数の動体物捕捉領域は、上記撮影領域を囲う枠形状であって撮影領域の外側へ向かう異なる位置に配置される少なくとも3個のグループを形成し、
上記制御部は、待ち伏せモードと雑被写体検出モードを有し、
上記待ち伏せモードに設定されている場合には、上記動体物捕捉領域に動体物が存在すると判断し、上記複数のグループの焦点評価値に基づいて動体物が撮影領域に進入する方向に移動していると判断したならば、該動体物への撮影レンズの焦点調節を行うように制御し、
上記雑被写体検出モードに設定されている場合は、上記動体物捕捉領域に動体物が存在すると判断し、上記複数のグループの焦点評価値に基づいて動体物が撮影領域に進入する方向に移動していると判断しても、該動体物への撮影レンズの焦点調節を禁止することを特徴とするカメラ。
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