JP2010117488A - 撮像装置および焦点位置検出装置 - Google Patents

撮像装置および焦点位置検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】特定方向の階調変化に敏感な2種類の測距センサ対をコンパクトに配置する焦点位置検出装置等を提供する。
【解決手段】焦点位置検出装置は、撮影光学系の合焦動作時の絞り値が所定の閾値よりも大きい場合に撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する第1の範囲CR1内に設けられる第1の測距センサ群と、撮影光学系の合焦動作時の絞り値が所定の閾値よりも小さい場合に撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する第2の範囲CR2内に設けられる第2の測距センサ群とを備える。第2の測距センサ群の測距センサ対C21,C22の相互間の距離は、第1の測距センサ群の測距センサ対C11,C12の相互間の距離よりも大きく、測距センサ対C21,C22の配列方向は、測距センサ対C11,C12の配列方向に平行である。測距センサ対C21,C22は、測距センサ対C11,C12の配列方向に垂直な方向にシフトして配置される。
【選択図】図15

Description

本発明は、撮像装置に関し、特に自動合焦技術(AF技術)に関する。
位相差方式のAF(オートフォーカス)技術においては、次のような原理で合焦レンズ位置が検出される。具体的には、撮影光学系からの「2つの光束」(部分的な光束)を、それぞれ、各再結像レンズ(セパレータレンズ)等で集光して各光電変換素子アレイ(「測距センサ」とも称する)で受光する。当該2つの光束は、被写体上の同一の点からの光束であり且つ撮影レンズにおける互いに異なる領域(例えば光軸を挟んで軸対象の領域)を通過した光束である。そして、2つの測距センサ(一対の測距センサ)で受光された両被写体像の相対的な位置関係を検出することにより、合焦レンズ位置からのずれ量およびずれ方向が検出される。なお、当該一対の測距センサは、所定方向(測距センサ内の受光素子列の配置方向)における各被写体像の階調変化を取得し、当該所定方向における各被写体像(各分割像)の階調変化に基づいて測距動作を実行する。すなわち、当該一対の測距センサは、被写体像の所定方向における階調変化に敏感な測距動作を行う。また、このような位相差AFにおいては、後述するように、一対の測距センサの相互間の距離(基線長とも称する)が大きい程、高いAF精度を得ることができる。
また、レンズ交換式のカメラにおいては、様々なレンズが装着される。例えば、比較的大きな開放F値(例えば開放F値=5.6)を有するレンズ(「暗いレンズ」とも称する)と比較的小さな開放F値(例えば開放F値=2.8)を有するレンズ(「明るいレンズ」とも称する)とが選択的に装着される。
ここにおいて、比較的大きな開放F値を有するレンズ(「暗いレンズ」)の瞳の径は、比較的小さな開放F値を有するレンズ(「明るいレンズ」)の瞳の径よりも小さい。
そのため、一般的なレンズ交換式のカメラでは、上記の一対の測距センサは、「暗いレンズ」と「明るいレンズ」との双方で共用可能となるように、最も開放F値の大きなレンズ(最も暗いレンズ)に対応する位置に設けられる。具体的には、上記の一対の測距センサは、「最も暗いレンズ」の瞳を通過した光束のうち、光軸に垂直な平面内の2つの部分的な光束を受光する位置に配置される。当該2つの部分的な光束は、例えば光軸に関する軸対象位置における2つの部分的な光束であって、「最も暗いレンズ」の光束(比較的小径の光束)のうち光軸から最も離れた部分領域を通過する2つの部分的な光束である。
ところで、「明るいレンズ」は、「暗いレンズ」よりも焦点深度(被写界深度)が浅い。そのため、「明るいレンズ」を用いる場合には、比較的高いAF精度が要求される。
しかしながら、上記のように両レンズ(「明るいレンズ」および「暗いレンズ」)に共通の測距センサ対を用いる技術では、「明るいレンズ」を用いる場合に更に高精度のAF動作を実現することは困難である。
これに対して、特許文献1においては、位相差方式のAFモジュール(焦点位置検出装置)において、「暗いレンズ」用の測距センサ対と「明るいレンズ」用の測距センサ対とを別個に設ける技術が提案されている。
特許文献1の技術においては、「明るいレンズ」用の測距センサ対が「暗いレンズ」用の測距センサ対の更に外側に配置されている。
より詳細には、「暗いレンズ」用の測距センサ対は、光軸に垂直な平面内において、その水平方向において光軸の両側に比較的小さな距離を空けて配置される。そして、「明るいレンズ」用の測距センサ対は、「暗いレンズ」用の測距センサ対が配列される直線上(同一直線上)において、「暗いレンズ」用の測距センサ対の更に外側に配置される。このようにして、「明るいレンズ」用の測距センサ対の相互間の距離が「暗いレンズ」用の測距センサ対の相互間の距離よりも大きくなるように、両測距センサ対が配置される。そして、「明るいレンズ」が装着されているときには、「明るいレンズ」用の測距センサ対を用いてAF動作が行われる。
このような技術によれば、「明るいレンズ」用の測距センサ対の相互間の距離(基線長)が比較的大きいため、「明るいレンズ」の装着時に更に高いAF精度を得ることが可能である。
特開平11−281885号公報
ところで、明るいレンズを装着したときも暗いレンズを装着したときも、特定の方向(例えば水平方向)における階調変化に敏感なAF動作を行うことが好ましい。特に、被写体は、一般的に、その斜め方向よりも水平方向(あるいは垂直方向)において階調の変化が大きい、という特性を有するため、水平方向(あるいは垂直方向)における階調変化に敏感なAF動作を行うことが好ましい。
特許文献1においては、上記の2種類の測距センサ対を平行且つ同一直線上に配置することによって、このような特定方向(例えば水平方向)の階調変化に敏感な位相差AFを実現している。
しかしながら、特許文献1のように上記の2種類の測距センサ対を同一直線上に配置すると、測距センサ対を配置するICチップ(センサチップ)の当該特定方向の大きさ(長さ)が大きくなってしまうという問題が存在する。特に、ICチップサイズの巨大化は大きなコストアップ要因であるため、ICチップサイズを小さくすることが好ましい。
そこで、この発明は、特定方向の階調変化に敏感な2種類の測距センサ対をコンパクトに配置する焦点位置検出装置、および当該焦点位置検出装置を用いた撮像装置を提供することを課題とする。
本発明の第1の側面は、焦点位置検出装置であって、撮影光学系の合焦動作時の絞り値が所定の閾値よりも大きい場合に前記撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する第1の範囲内に設けられる第1の測距センサ群と、前記撮影光学系の合焦動作時の絞り値が前記所定の閾値よりも小さい場合に前記撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する第2の範囲内に設けられる第2の測距センサ群とを備え、前記第1の測距センサ群は、第1の測距センサ対を有し、前記第2の測距センサ群は、第2の測距センサ対を有し、前記第2の測距センサ対の相互間距離は、前記第1の測距センサ対の相互間距離よりも大きく、前記第2の測距センサ対の配列方向は、前記第1の測距センサ対の配列方向に平行であり、前記第2の測距センサ対は、前記第1の測距センサ対に対して、前記第1の測距センサ対の配列方向に垂直な方向にシフトして配置されるものである。
本発明の第2の側面は、撮像装置であって、位相差方式の焦点位置検出装置と、前記焦点位置検出装置による測距結果を用いてAF動作を実行するAF制御手段とを備え、前記焦点位置検出装置は、撮影光学系の合焦動作時の絞り値が所定の閾値よりも大きい場合に前記撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する第1の範囲内に設けられる第1の測距センサ群と、前記撮影光学系の前記合焦動作時の絞り値が前記所定の閾値よりも小さい場合に前記撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する第2の範囲内に設けられる第2の測距センサ群とを有し、前記第1の測距センサ群は、第1の測距センサ対を有し、前記第2の測距センサ群は、第2の測距センサ対を有し、前記第2の測距センサ対の相互間距離は、前記第1の測距センサ対の相互間距離よりも大きく、前記第2の測距センサ対の配列方向は、前記第1の測距センサ対の配列方向に平行であり、前記第2の測距センサ対は、前記第1の測距センサ対に対して、前記第1の測距センサ対の配列方向に垂直な方向にシフトして配置され、前記AF制御手段は、前記撮影光学系の合焦動作時の絞り値が前記所定の閾値よりも大きい場合に前記第1の測距センサ対を用いてAF動作を実行し、前記撮影光学系の合焦動作時の絞り値が前記所定の閾値よりも小さい場合に前記第2の測距センサ対を用いてAF動作を実行するものである。
本発明によれば、特定方向の階調変化に敏感な2種類の測距センサ対をコンパクトに配置することが可能である。
以下、発明を実施するための最良の形態(実施形態とも称する)について説明する。なお、説明は次の順序、すなわち、
1.第1実施形態(第2の測距センサ対をシフト配置する例)、
2.第2実施形態(第2および第3の測距センサ対をシフト配置する例)、
3.第3実施形態(2組の測距センサ対:受光素子列がずらされて配置される例)、
4.第4実施形態(2組の測距センサ対:受光素子配置間隔が異なる例)、
5.第5実施形態(2組の測距センサ対:受光素子列の幅が異なる例)、
6.第6実施形態(2組の測距センサ対:受光素子が傾斜配置される例)、
7.第7実施形態(絞りマスクの2組の開口対:開口の大きさが異なる例)、
8.変形例等、
の順序で行う。
<1.第1実施形態>
<1−1.構成概要>
図1および図2は、本発明の実施形態に係る撮像装置1(1A)の外観構成を示す図である。ここで、図1は、撮像装置1の正面外観図であり、図2は、撮像装置1の背面外観図である。この撮像装置1は、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルカメラとして構成されている。
図1に示すように、撮像装置1は、カメラ本体部(カメラボディ)2を備えている。このカメラ本体部2に対して、交換式の撮影レンズユニット(交換レンズ)3が着脱可能である。例えば、比較的大きな開放F値(例えば、5.6)を有する撮影レンズ(「暗いレンズ」とも称する)と、比較的小さな開放F値(例えば、2.8)を有する撮影レンズ(「明るいレンズ」とも称する)とが、カメラ本体部2に対して選択的に装着される。
撮影レンズユニット3は、主として、鏡胴36ならびに鏡胴36の内部に設けられるレンズ群37(図3参照)及び絞り等によって構成される。レンズ群37(撮影光学系)には、光軸方向に移動することによって焦点位置を変更するフォーカスレンズ等が含まれている。
カメラ本体部2は、撮影レンズユニット3が装着される円環状のマウント部Mtを正面略中央に備え、撮影レンズユニット3を着脱するための着脱ボタン89を円環状のマウント部Mt付近に備えている。
また、カメラ本体部2は、所定の電気接点を介して撮影レンズユニット3と電気的に接続されており、装着中の撮影レンズユニット3に関する各種の情報を取得することが可能である。具体的には、カメラ本体部2は、撮影レンズユニット3内のCPU等と通信することによって、装着中の撮影レンズユニット3の開放F値等を取得することが可能である。
また、カメラ本体部2は、正面左端部に撮影者が把持するためのグリップ部14を備えている。グリップ部14の上面には露光開始を指示するためのレリーズボタン11が設けられている。グリップ部14の内部には電池収納室とカード収納室とが設けられている。電池収納室にはカメラの電源として、例えばリチウムイオン電池などの電池が収納されており、カード収納室には撮影画像の画像データを記録するためのメモリカード90(図3参照)が着脱可能に収納されるようになっている。
レリーズボタン11は、半押し状態(S1状態)と全押し状態(S2状態)の2つの状態を検出可能な2段階検出ボタンである。レリーズボタン11が半押しされS1状態になると、被写体に関する記録用静止画像(本撮影画像)を取得するための準備動作(例えば、AF制御動作等)が行われる。また、レリーズボタン11がさらに押し込まれてS2状態になると、当該本撮影画像の撮影動作が行われる。詳細には、撮像素子5(後述)を用いて被写体像(被写体の光像)に関する露光動作が行われ、その露光動作によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す一連の動作が実行される。このように、撮像装置1は、レリーズボタン11が半押し状態S1にされると撮影準備指令が付与されたものとみなし、レリーズボタン11が全押し状態S2にされると撮影指令が付与されたものとみなす。
図2において、カメラ本体部2の背面略中央上部には、ファインダ窓(接眼窓)10が設けられている。撮影者は、ファインダ窓10を覗くことによって、撮影レンズユニット3から導かれた被写体の光像を視認して構図決定を行うことができる。すなわち、光学ファインダを用いて構図決めを行うことが可能である。
図2において、カメラ本体部2の背面の略中央には、背面モニタ12が設けられている。背面モニタ12は、例えばカラー液晶ディスプレイ(LCD)として構成される。
背面モニタ12は、撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示すること、および再生モードにおいてメモリカード90に記録された撮影画像を再生表示することなどが可能である。
背面モニタ12の左上部には電源スイッチ(メインスイッチ)81が設けられている。電源スイッチ81は2点スライドスイッチからなり、接点を左方の「OFF」位置に設定すると、電源がオフになり、接点の右方の「ON」位置に設定すると、電源がオンになる。
背面モニタ12の右側には方向選択キー84が設けられている。この方向選択キー84は円形の操作ボタンを有し、この操作ボタンにおける上下左右の4方向の押圧操作と、右上、左上、右下及び左下の4方向の押圧操作とが、それぞれ検出されるようになっている。なお、方向選択キー84は、上記8方向の押圧操作とは別に、中央部のプッシュボタンの押圧操作も検出されるようになっている。方向選択キー84は、各種の設定操作等に用いられる。
<1−2.機能ブロック>
つぎに、図3を参照しながら、撮像装置1の機能の概要について説明する。図3は、撮像装置1の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、撮像装置1は、AFセンサモジュール20、操作部80、全体制御部101、フォーカス駆動制御部121、ミラー駆動制御部122、シャッタ駆動制御部123、およびデジタル信号処理回路53等を備える。
操作部80は、レリーズボタン11(図1参照)を含む各種ボタンおよびスイッチ等を備えて構成される。操作部80に対するユーザーの入力操作に応答して、全体制御部101が各種動作を実現する。
AFセンサモジュール(単にAFモジュールとも称する)20は、ミラー機構6を介して進入してきた光を用いて、位相差方式の合焦状態検出手法により被写体の合焦状態を検出することが可能である。AFモジュール20は、焦点位置検出装置とも称される。
全体制御部101は、マイクロコンピュータとして構成され、主にCPU、メモリ、及びROM(例えばEEPROM)等を備える。全体制御部101は、ROM内に格納されるプログラムを読み出し、当該プログラムをCPUで実行することによって、各種機能を実現する。
詳細には、全体制御部101は、読出制御部111およびAF制御部113等を有している。
読出制御部111は、撮像素子5で光電変換作用により生成された電荷を電気信号として撮像素子5から読み出す動作を制御する。読み出された電気信号は、画像信号として生成される。
AF制御部(合焦制御部)113は、AFセンサモジュール20およびフォーカス駆動制御部121等と協動して、フォーカスレンズの位置を制御する合焦制御動作(AF動作)を行う。AF制御部113は、AFモジュール20による測距結果に基づき、フォーカス駆動制御部121を用いてAF動作を実現する。具体的には、AF制御部113は、AFモジュール20によって検出される合焦レンズ位置に基づいてAF動作を実行する。位相差方式のAFモジュール20を用いることによれば、非常に高速に合焦レンズ位置を求めることができる。
また、フォーカス駆動制御部121は、全体制御部101と協働して合焦制御動作を実現する。具体的には、フォーカス駆動制御部121は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM1を駆動する。これにより、撮影レンズユニット3のレンズ群37に含まれるフォーカスレンズは、駆動機構ME(図4)を用いて移動される。また、フォーカスレンズの位置は、撮影レンズユニット3のレンズ位置検出部39によって検出され、フォーカスレンズの位置を示すデータが全体制御部101に送られる。このように、フォーカス駆動制御部121は、フォーカスレンズの光軸方向の動き等を制御する。
また、ミラー駆動制御部122は、ミラー機構6が光路から退避した状態(ミラーアップ状態)とミラー機構6が光路を遮断した状態(ミラーダウン状態)との状態切替を制御する。ミラー駆動制御部122は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM2を駆動することによって、ミラーアップ状態とミラーダウン状態とを切り替える。
シャッタ駆動制御部123は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM3を駆動することによって、シャッタ4の開閉を制御する。
撮像素子(ここではCCDセンサ(単にCCDとも称する))5は、撮影レンズユニット3からの被写体の光像(被写体像)を光電変換作用により電気的信号に変換する受光素子であり、本撮影画像に係る画像信号(記録用の画像信号)を生成して取得する。
撮像素子5は、全体制御部101からの駆動制御信号(蓄積開始信号および蓄積終了信号)に応答して、受光面に結像された被写体像の露光(光電変換による電荷蓄積)を行い、当該被写体像に係る画像信号を生成する。また、撮像素子5は、全体制御部101からの読出制御信号に応答して、当該画像信号を信号処理部51へ出力する。
撮像素子5で取得された画像信号に対して信号処理部51により所定のアナログ信号処理が施されると、当該アナログ信号処理後の画像信号はA/D変換回路52によってデジタル画像データ(画像データ)に変換される。この画像データは、デジタル信号処理回路53に入力される。
デジタル信号処理回路53は、A/D変換回路52から入力される画像データに対してデジタル信号処理を行い、撮像画像に係る画像データを生成する。デジタル信号処理回路53は、黒レベル補正回路、ホワイトバランス(WB)回路、γ補正回路等を備え、各種のデジタル画像処理を施す。なお、デジタル信号処理回路53によって処理された画像信号(画像データ)は、画像メモリ55に格納される。画像メモリ55は、生成された画像データを一時的に記憶するための、高速アクセス可能な画像メモリであり、複数フレーム分の画像データを記憶可能な容量を有する。
本撮影時には、画像メモリ55に一時記憶される画像データは、全体制御部101において適宜画像処理(圧縮処理等)が施された後、メモリカード90に記憶される。
<1−3.撮像装置の内部構成>
つぎに、図4を参照しながら、撮像装置1の内部構成について説明する。図4は、撮像装置1の内部を側方から見た概略図である。
撮像装置1のミラー機構6は、主ミラー(主反射面)61とサブミラー(副反射面)62とを有している。ミラー駆動機構(不図示)による駆動動作によって、光路からミラー機構6が退避した状態(ミラーアップ状態)とミラー機構6が光路を遮断した状態(ミラーダウン状態)とが切り替えられる。
ミラーダウン状態(図4)においては、ミラー機構6の主ミラー61およびサブミラー62は、撮影レンズユニット3からの光束(被写体像)の光路(撮影光路)上に配置される。そして、当該光束は、主ミラー(主反射面)61でカメラ上部側に反射された後、カメラ本体部2の上部に配置されたペンタプリズム65によってさらに反射され、観察用光束としてファインダ窓10へと導かれる。また、主ミラー61の少なくとも一部は、ハーフミラーとして構成される。撮影レンズユニット3からの光束の一部は、主ミラー61のハーフミラー部分を通過した後、サブミラー(副反射面)62で反射され、カメラ本体部2の下部に配置されたAFモジュール20に導かれ、位相差方式のAF動作に利用される。なお、AFモジュール20に導かれる光束は、AF動作(詳細には測距動作)に用いられる光束であることから、測距用光束とも称される。
一方、ミラーアップ状態においては、主ミラー61およびサブミラー62は、撮影レンズユニット3からの被写体像の光路から待避し、当該被写体像はシャッタ4および撮像素子5へ向けて進行する。そして、このミラーアップ状態においては、撮像素子5による本撮影画像の撮影動作が実行される。具体的には、シャッタ4の開放期間中に撮像素子5による露光動作が行われ、本撮影画像が取得される。
例えば、レリーズボタン11が全押し状態S2にされる前まで(すなわち構図決め時において)、ミラー機構6はミラーダウン状態となるように配置される(図4)。この際には、撮影レンズユニット3からの被写体像は、主ミラー61で上方に反射され、観察用光束としてペンタプリズム65およびファインダ窓10を通過して、撮影者の眼に到達する。この状態において、光学ビューファインダ(OVF)を用いた構図決め動作が行われる。また、サブミラー62で反射されAFモジュール20に入射した光束を用いて、位相差AF動作が実行される。具体的には、レリーズボタン11が半押し状態S1になったときに、撮影準備動作としてAF制御動作が行われる。
その後、レリーズボタン11が全押し状態S2にされると、ミラー機構6はミラーアップ状態となるように駆動され、露光動作が開始される。具体的には、撮影レンズユニット3からの光が、主ミラー61で反射されることなく進行して、シャッタ4の開放期間に合わせて撮像素子5に到達する。撮像素子5は、光電変換によって、受光した光束に基づいて被写体の画像信号を生成する。このように、被写体からの光束(被写体像)が撮影レンズユニット3を通過して撮像素子5に導かれることによって、被写体に係る撮影画像(撮影画像データ)が得られる。
<1−4.位相差AFの概要>
つぎに、位相差AFの原理について説明する。
図5〜図7は、位相差AFの原理を示す図である。図5は、合焦状態(ピントが合った状態)であり、図6は、ピント位置が前側にずれている状態(いわゆる前ピン状態)を示す図であり、図7は、ピント位置が後ろ側にずれている状態(いわゆる後ピン状態)を示す図である。
図5〜図7に示すように、AFモジュール20は、AFセンサ(測距センサとも称する)27とコンデンサレンズ22と絞りマスク25とセパレータレンズ26とを有している。AFセンサ27としては、例えば、所定方向(X方向あるいはY方向)に伸びる一対の受光素子アレイ(CCDラインセンサ等)が設けられる。なお、これらの図では、簡略化のため、複数のレンズで構成されるレンズ群37を単一のレンズLSで表現している。
まず、図5を参照する。図5に示すように、撮影レンズLSが合焦位置に存在する場合には、被写体上の或る点P1からの光は、撮影レンズLSを通過した後に点FPaに結像する。詳細には、点P1からの光は、撮影レンズLSの様々な部分を通過した後、再び点FPaに集まる。例えば、図5において、撮影レンズLSの光軸LXの下側を通過した光束LDと、撮影レンズLSの光軸LXの上側を通過した光束LUとは、いずれも点FPaに到達する。このとき、光束LDは、コンデンサレンズ22、絞りマスク25およびセパレータレンズ26をさらに通過して、AFセンサ27上の位置QA1に集光される。また、光束LUは、コンデンサレンズ22、絞りマスク25およびセパレータレンズ26をさらに通過して、AFセンサ27上の位置QB1に集光される。このように、セパレータレンズ26等によって、光束LD,LUは、互いに異なる位置QA1,QB1に分離して集光される。このとき、位置QA1と位置QB1との距離D1は、予め定められた距離(適正値)D0に一致する。
また、実際には、位置P1以外の点(位置P1の近傍の点)からの光も、同様にして、位置QA1および位置QB1の近傍に到達する。その結果、図8に示すように、位置QA1の周辺および位置QB1の周辺にそれぞれ像SA,SBが形成される。像SAは、撮影レンズLSの下側を通過して位置QA1付近に到達した被写体像であり、像SBは、撮影レンズLSの上側を通過して位置QB1付近に到達した被写体像である。図8においては、横軸はAFセンサ27上の所定方向における位置x(あるいはy)を表しており、縦軸は各位置x(あるいはy)における画素(受光素子)の画素値(階調値)Vを表している。
次に、図6に示すように、撮影レンズLSが前ピン位置に存在する場合には、或る点P1からの光は、撮影レンズLSを通過した後に点FPaよりも前側(被写体側)の位置FPbに結像する。このとき、図6において、撮影レンズLSの光軸LXの下側を通過した光束LDは、コンデンサレンズ22、絞りマスク25およびセパレータレンズ26をさらに通過して、位置QA2に集光される。また、撮影レンズLSの光軸の上側を通過した光束LUは、コンデンサレンズ22、絞りマスク25およびセパレータレンズ26をさらに通過して、位置QB2に集光される。このとき、位置QA2と位置QB2との距離D2は、予め定められた距離D0よりも小さくなる。
また、実際には、位置P1以外の点(位置P1の近傍の点)からの光も、同様にして、位置QA2および位置QB2の近傍に到達する。その結果、図9に示すように、位置QA2の周辺および位置QB2の周辺にそれぞれ像SA,SBが形成される。前ピン状態における像SA,SB(図9)は、合焦状態における像SA,SB(図8)と比較して、(図の白矢印の向きに)互いに近接した位置に形成される。
さらに、図7に示すように、撮影レンズLSが後ピン位置に存在する場合には、或る点P1からの光は、撮影レンズLSを通過した後に点FPaよりも後ろの位置FPcに結像する。このとき、図7において、撮影レンズLSの光軸LXの下側を通過した光束LDは、コンデンサレンズ22、絞りマスク25およびセパレータレンズ26をさらに通過して、位置QA3に集光される。また、撮影レンズLSの光軸LXの上側を通過した光束LUは、コンデンサレンズ22、絞りマスク25およびセパレータレンズ26をさらに通過して、位置QB3に集光される。このとき、位置QA3と位置QB3との距離D3は、予め定められた距離D0よりも大きくなる。
また、実際には、位置P1以外の点(位置P1の近傍の点)からの光も、同様にして、位置QA3および位置QB3の近傍に到達する。その結果、図10に示すように、位置QA3の周辺および位置QB3の周辺にそれぞれ像SA,SBが形成される。後ピン状態における像SA,SB(図10)は、合焦状態における像SA,SB(図8)と比較して、(図の白矢印の向きに)互いに離反した位置に形成される。
前ピン状態あるいは後ピン状態における合焦状態からのずれ量は、例えば、次のような相関演算を用いることによって求められる。具体的には、式(1)に示す関数F(k)の値を各変数kに対して求め、当該関数F(k)を最小化する値kを求めればよい。
Figure 2010117488
なお、値VAiは光像SAの位置iにおける画素(受光素子)の画素値を表し、値VBjは光像SBの位置jにおける画素(受光素子)の画素値を表す(図8参照)。また、座標軸jは、座標軸iと同じ方向(図8の横方向)に設定されているが、座標軸iに対して距離D0右側にオフセットされて設定されている。値Nは、式(1)における差分総和の算出対象となる画素の数を表す。また、値kは、両光像SA,SBの相互間のずれ量を表す。当該値kは、合焦状態からのずれ量に相当する。
合焦状態においては、j=i、すなわちk=0のときに、関数F(k)は最小化される。また、理想的にはF(k)=0となる。
一方、前ピン状態あるいは後ピン状態においては、kが0(ゼロ)以外の値のときに、関数F(k)が最小化される。値kの(正負の)符号は、後ピン状態であるか前ピン状態であるかを示しており、値kの絶対値は合焦状態からのずれの程度を示している。
この値kは、所定の変換テーブル等に基づいて、フォーカスレンズのデフォーカス量(フォーカスレンズの合焦レンズ位置からのずれ量およびずれ方向)に変換可能である。すなわち、値kはデフォーカス量と等価である。このようにして、2つの測距センサ(一対の測距センサ)で受光された被写体像の相対的な位置関係を検出することにより、フォーカスレンズの現在位置に関するデフォーカス量(合焦レンズ位置からのずれ量およびずれ方向)が検出される。
撮像装置1は、関数F(k)を最小化する値kを求め、さらに当該値kに対応するデフォーカス量を補償するようにフォーカスレンズを移動させることによって、フォーカスレンズを合焦位置に移動させることが可能である。
位相差AFは、以上のような原理に基づいて行われる。端的に言えば、一対のAFセンサ27の配列方向(離間方向)における2つの像(分割像)SA,SBの当該配列方向におけるずれを検出することによって、測距動作が行われる。AFセンサ27の離間方向は、各AFセンサ27内の受光素子列の配列方向でもある。一対のAFセンサ27は、その受光素子列の配列方向における各被写体像の階調変化を取得し、当該配列方向における各被写体像(各分割像)の階調変化に基づいて測距動作を行う。すなわち、一対のAFセンサ(測距センサ)27は、被写体像の所定方向(測距センサ27の配列方向)における階調変化に敏感な測距動作を実現する。
<1−5.位相差AFの精度>
また、位相差AFにおいては、一対のAFセンサ27の相互間の距離(一対の測距センサ27に関する基線長)が大きいほど、焦点位置の検出精度が向上する。以下では、図11を参照しながら、このことについて説明する。
図11において、まず、撮影レンズユニット3のレンズLSによって光軸上の点P1からの被写体像が点FPaに結像されている状況を想定する。
この状況では、点FPaから更に図11の右側に向かう光束のうち、一対のセパレータレンズ26a,26bを通過した光束は、それぞれ、一対の測距センサ27a,27bに到達する。このとき、点P1から測距センサ27aへ到達した光の位置と、点P1から測距センサ27bへ到達した光の位置とは、距離D50離れている。
また、点FPaから更に図11の右側に向かう光束のうち、一対のセパレータレンズ26c,26dを通過した光束は、それぞれ、一対の測距センサ27c,27dに到達する。このとき、点P1から測距センサ27cへ到達した光の位置と、点P1から測距センサ27dへ到達した光の位置とは、距離D60離れている。
つぎに、レンズLSが移動し、点P1からの被写体像の結像点が点FPcに移動している状況を想定する。
この状況では、点P1から測距センサ27aへ到達した光の位置と、点P1から測距センサ27bへ到達した光の位置とは、距離D52(>D50)離れている。また、点P1から測距センサ27cへ到達した光の位置と、点P1から測距センサ27dへ到達した光の位置とは、距離D62(>D60)離れている。
このとき、一方の一対の測距センサ27c,27dにおける像の移動距離(D62−D60)は、他方の一対の測距センサ27a,27bにおける像の移動距離(D52−D50)よりも大きい。すなわち、一対の測距センサ27の基線長の長さ(一対の測距センサ27の相互間の距離)が大きいほど、像の移動距離が大きい。したがって、測距センサ27における各受光素子の大きさを一定とすると、一対の測距センサ27の基線長の長さが大きくなるにつれて、所定のデフォーカス量あたりの画素数が大きく(分解能が高く)なる。すなわち、一対の測距センサ27の基線長の長さが大きいほど、合焦位置の検出精度が高い。
この実施形態においては、複数対の測距センサ27が設けられる。これにより、上記のような性質を利用して「明るいレンズ」の使用時等において、より高い合焦精度を得ることができる。これについては、後述する。
<1−6.実施形態に係るAFモジュールの構成概要>
つぎに、第1実施形態に係るAFモジュール20(20Aとも称する)の構成の概要について図12等を参照しながら説明する。図12は、AFモジュール20Aの概略構成を示す分解斜視図である。
図12に示すように、AFモジュール20Aは、コンデンサレンズ222とミラー223と赤外線カットフィルタ224と絞りマスク225(225A)とレンズアレイ226(226A)とセンサチップ227(227A)とを備えている。
撮影レンズユニット3からの光は、サブミラー62(図4)で反射されAFモジュール20に入射した後、コンデンサレンズ222を通過しミラー223で更に反射されて進行方向を略90度変更する。また、当該光は、さらに赤外線カットフィルタ224および絞りマスク225を通過し、レンズアレイ226でさらに集光されてセンサチップ227に到達する。絞りマスク225とレンズアレイ226とセンサチップ227とは、それぞれ、板状部材として形成されているとともに、撮影レンズユニット3からの光束の光軸LXに対して垂直に配置されている。
コンデンサレンズ222は、コンデンサレンズ群、具体的には3つのコンデンサレンズ222a,222b,222cを備えて構成される。中央のコンデンサレンズ222cは、撮影レンズユニット3(撮影光学系)からの光束のうち、当該光束の中心軸(光軸)LXを中心とする中央領域の光束を集光する。一方、左右両側のコンデンサレンズ222a,222cは、光軸LXから離れた部分の光束を集光する。
絞りマスク225は複数の開口を有し、レンズアレイ226は複数のセパレータレンズを有する。また、センサチップ227は、複数対の測距センサを有する。次述するように、絞りマスク225の各開口とレンズアレイ226の各セパレータレンズとセンサチップ227の各測距センサとは、それぞれ対応する位置に設けられる。
つぎに、図13〜図16を参照しながら、絞りマスク225、レンズアレイ226およびセンサチップ227の構成等について説明する。図13は、絞りマスク225(225A)内における各開口の配置を示す図であり、図14はレンズアレイ226(226A)内の各セパレータレンズの配置を示す図である。また、図15は、センサチップ227(227A)内の各測距センサの配置を示す図である。さらに、図16は、撮影光学系の瞳を通過した光束がAFモジュール20(20A)内の各測距センサに到達する様子を示す図である。
コンデンサレンズ222の中央に配置されたコンデンサレンズ222c(図12)を通過した光束は、絞りマスク225(図13)の中央部分へと到達する。絞りマスク225の中央部分には、6つの開口A11〜A14,A21,A22が設けられている。また、レンズアレイ226(図14)の中央部分には、6つのセパレータレンズB11〜B14,B21,B22が設けられている。さらに、センサチップ227(図15)の中央部分には、6つの測距センサC11〜C14,C21,C22が設けられている。6つの開口A11〜A14,A21,A22と、6つのセパレータレンズB11〜B14,B21,B22と、6つの測距センサC11〜C14,C21,C22とは、それぞれ、対応する位置に設けられる。なお、測距センサC11〜C14は第1の測距センサ群C10を構成し、測距センサC21,C22は第2の測距センサ群C20を構成する。
コンデンサレンズ222cを通過し更に開口A11(図13)を通過した光は、セパレータレンズB11(図14)により集光され、測距センサC11(図15)に到達する。また、コンデンサレンズ222cを通過し更に開口A12を通過した光は、セパレータレンズB12により集光され、測距センサC12に到達する。そして、この一対の測距センサC11,C12に到達した光束によって、上述のような原理による位相差方式の測距動作を行うことが可能である。
同様に、コンデンサレンズ222cを通過し更に開口A21を通過した光は、セパレータレンズB21により集光され、測距センサC21に到達する。また、コンデンサレンズ222cを通過し更に開口A22を通過した光は、セパレータレンズB22により集光され、測距センサC22に到達する。そして、この一対の測距センサC21,C22に到達した光束によっても、上述のような原理による位相差方式の測距動作を行うことが可能である。
図16に示すように、第1の測距センサ群C10に含まれる一対の測距センサC11,C12には、撮影レンズユニット3のレンズ群37(レンズLS)の瞳位置における各領域R11,R12を通過した光が到達する。より具体的には、領域R11を通過した光は測距センサC11に到達し、領域R12を通過した光は測距センサC12に到達する。なお、領域R11,R12は、光軸LXに垂直な平面内において比較的中央に近い領域である。より詳細には、領域R11,R12は、その開放F値が閾値TH1よりも大きなレンズ(「暗いレンズ」)の瞳(比較的小径の瞳)LR1の内部の領域である。例えば、領域R11,R12は、カメラ本体部2に装着され得る撮影レンズユニット3のうち最も大きな開放F値を有するレンズの瞳の内側の一部領域である。
一方、第2の測距センサ群C20に含まれる一対の測距センサC21,C22には、レンズLSの瞳位置における各領域R21,R22を通過した光が到達する。より具体的には、領域R21を通過した光は測距センサC21に到達し、領域R22を通過した光は測距センサC22に到達する。なお、領域R21,R22は、光軸LXに垂直な平面内において光軸LXから比較的離れた領域である。より具体的には、領域R21,R22は、比較的明るいレンズの瞳(比較的大径の瞳)LR2の内部の領域のうち、各領域R11,R12よりも外周側の領域である。例えば、領域R21,R22は、その開放F値が閾値TH1を有するレンズの瞳の内側の一部領域である。
また、第1の測距センサ群C10に含まれる測距センサC11,C12は、センサチップ227において、第1の範囲CR1(図15)内に設けられる。第1の範囲CR1は、閾値TH1よりも大きな開放F値を有する撮影レンズ(撮影光学系)が装着されている場合に、当該撮影レンズを通過した被写体からの光束が到達する範囲である。換言すれば、第1の範囲CR1は、撮影光学系(撮影レンズ)の「合焦動作時の絞り値」が閾値TH1よりも大きい場合に当該撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する範囲である。なお、第1の測距センサ群C10に含まれる測距センサC13,C14も、第1の範囲CR1(図15)内に設けられる。
一方、第2の測距センサ群C20に含まれる測距センサC21,C22は、センサチップ227において、第2の範囲CR2(図15)内に設けられる。第2の範囲CR2は、撮影光学系の「合焦動作時の絞り値」が閾値TH1よりも小さい場合に当該撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する範囲である。図15に示すように、第2の範囲CR2は、第1の範囲CR1を包含する比較的大きな領域である。換言すれば、第1の範囲CRは、第2の範囲CR2の内側の一部領域である。
一対の測距センサC11,C12が受光する光束と一対の測距センサC21,C22が受光する光束とは、被写体の略同一部位から到来するものである点で共通するが、レンズLSの瞳位置において互いに異なる部分領域を通過したものである点で相違する。
この実施形態においては、合焦動作時(AF時)の絞り値に応じた測距センサ対を用いて、位相差方式によるAF動作(測距動作)が実行される場合を例示する。特に、レンズの絞りが開放された状態でAF動作が実行されることを前提にして、装着中レンズの開放F値が「合焦動作時の絞り値」として採用される場合を例示する。
具体的には、合焦動作時の絞り値(ここでは装着中レンズの開放F値)が閾値TH1よりも小さいか否かに応じて、2組の測距センサ対(C11,C12),(C21,C22)のうちの一方の測距センサ対の値が利用される。詳細には、装着中レンズの開放F値が閾値TH1(例えば4.0)よりも小さい場合(すなわち「明るいレンズ」が装着されている場合)には、撮像装置1は、一対の測距センサC21,C22による測距結果を利用して、測距動作を実行する。一方、装着中レンズの開放F値が閾値TH1よりも大きい場合(すなわち「暗いレンズ」が装着されている場合)には、撮像装置1は、一対の測距センサC11,C12による測距結果を利用して、測距動作を実行する。端的に言えば、一対の測距センサC11,C12は「暗いレンズ」用の測距センサであり、一対の測距センサC21,C22は「明るいレンズ」用の測距センサである。
より具体的には、レリーズボタン11が半押し状態S1にされたときに、上記の基準に基づいて、2組の測距センサ対(C11,C12),(C21,C22)のうちの一方の測距センサ対による測距結果を用いてAF動作が実行される。なお、その後、レリーズボタン11が全押し状態S2にされたときに、レンズの絞り値が撮影用の絞り値に変更されて露光動作が実行され、本撮影画像が取得される。
ここにおいて、一対の測距センサC21,C22の相互間の距離(すなわち基線長の大きさ)は、一対の測距センサC11,C12の相互間の距離よりも大きい。そのため、上述のように、一対の測距センサC21,C22による測距結果は、他方の一対の測距センサC11,C12による測距結果よりも精度が高い。したがって、「明るいレンズ」が装着されている場合には、より高い精度のAF動作を実現することが可能である。
また、一対の測距センサC21,C22の配列方向は水平方向(X方向)であり、一対の測距センサC11,C12の配列方向も水平方向(X方向)である。換言すれば、当該2組の測距センサ対の配列方向は、互いに平行である。
一対の測距センサC21,C22には、略同一部位からの各光束であってレンズLSの瞳位置(射出瞳の位置)においてその水平方向位置が互いに異なる領域R21,R22(図16)を通過した各光束がそれぞれ到達する。そして、水平方向における両光束のずれ具合を測定することによって、水平方向の階調変化に敏感な位相差AFが実現される。また、一対の測距センサC11,C12についても同様である。すなわち、2組の測距センサ対(C21,C22),(C11,C12)は、いずれも、同じ方向(具体的には、水平方向)の階調変化に敏感な位相差AFを実現する。
さらに、この実施形態に係る一対の測距センサC21,C22は、一対の測距センサC11,C12に対して、当該一対の測距センサC21,C22の配列方向に垂直な方向(具体的には、鉛直方向(Y方向))にシフトして配置される。この点に関しては、後に詳述する。
また、第1の測距センサ群に含まれる別の一対の測距センサC13,C14には、略同一部位からの各光束であってレンズLSの瞳位置(射出瞳の位置)においてその垂直方向位置が互いに異なる領域を通過した各光束がそれぞれ到達する。そして、垂直方向における両光束のずれ具合を測定することによって、垂直方向の階調変化に敏感な位相差AFが実現される。
このように第1の測距センサ群C10は、十字状に配列された2組の一対の測距センサ(すなわち4つの測距センサC11〜C14)を有する。これによれば、水平方向および垂直方向の両方向の階調変化に敏感な位相差AFを実現することが可能である。また、両者の測距結果が異なる場合には、例えば、2組の測距センサ対のうち比較的大きなコントラスト値を有する測距センサによる測距結果を採用するようにすればよい。具体的には、測距センサC11におけるコントラスト値が測距センサC13におけるコントラスト値よりも大きい場合には、測距センサ対C11,C12(あるいはC21,C22)による測距結果を正式な測距結果として採用するようにすればよい。これによれば、水平方向の階調変化が垂直方向の階調変化よりも大きな被写体の被写体距離をより正確に測定することが可能である。なお、測距センサC11のコントラスト値としては、測距センサC11における各画素と当該各画素の隣接画素との差分画素値を測距センサC11内の全ての画素について加算した値を採用すればよい。また、測距センサC13のコントラスト値も同様にして算出すればよい。
さらに、この実施形態においては、左右のコンデンサレンズ222a,222bを通過した光束は、それぞれ、絞りマスク225の左右両側に到達する。図13に示すように、絞りマスク225の左側部分には、4つの開口A81〜A84が設けられており、絞りマスク225の右側部分には、4つの開口A85〜A88が設けられている。また、図14に示すように、レンズアレイ226の左側部分には、4つのセパレータレンズB81〜B84が設けられており、レンズアレイ226の右側部分には、4つのセパレータレンズB85〜B88が設けられている。さらに、また、図15に示すように、センサチップ227の左側部分には、4つの測距センサC81〜C84が設けられており、センサチップ227の右側部分には、4つの測距センサC85〜C88が設けられている。また、4つの開口A81〜A84と、4つのセパレータレンズB81〜B84と、4つの測距センサC81〜C84とは、それぞれ、対応する位置に設けられる。同様に、4つの開口A85〜A88と、4つのセパレータレンズB85〜B88と、4つの測距センサC85〜C88とは、それぞれ、対応する位置に設けられる。
一対の測距センサC81,C82は、画面内の中央から離れた位置の被写体に関する測距用のセンサ対である。他の測距センサ対(C83,C84),(C85,C86),(C87,C88)も同様である。なお、各測距センサ対(C81,C82),(C85,C86)を用いることによれば、水平方向(X方向)の階調変化に敏感な測距動作を実現することができる。また、各測距センサ対(C83,C84),(C87,C88)を用いることによれば、垂直方向(Y方向)の階調変化に敏感な位相差AFを実現することができる。
このような測距センサC81〜C88によれば、画面内における中央以外の部分(詳細には左側および右側)の被写体に関するデフォーカス量(測距結果)をも取得することができる。中央の被写体に関する測距結果と中央以外の部分における被写体に関する測距結果とが異なる場合には、撮像装置1から最も近い位置に存在する被写体を合焦状態とするようなAF制御(「最近優先」制御とも称する)を行うようにすればよい。これによれば、画面内の様々な位置の被写体に適切に合焦させることが可能である。
<1−7.比較例に係るAFモジュールの詳細構成>
つぎに、比較例に係るAFモジュール20Zについて説明する。図29〜図32は、当該比較例に係るAFモジュール20Zに関する構成等を示す図である。図29はAFモジュール20Zの絞りマスク225Zを示す図であり、図30はAFモジュール20Zのレンズアレイ226Zを示す図であり、図31はAFモジュール20Zのセンサチップ227Zを示す図である。また、図32は、比較例において、撮影レンズの瞳を通過した各光束が各測距センサ27に到達する様子を示す図である。
この比較例に係るAFモジュール20Zは、「暗いレンズ」用の一対の測距センサC11,C12に加えて、「明るいレンズ」用の一対の測距センサC91,C92を備えている。すなわち、上記実施形態に係るAFモジュール20(20A)と比較すると、一対の測距センサC21,C22に代えて一対の測距センサC91,C92が設けられている点などで相違する。
この一対の測距センサC91,C92は、一対の測距センサC11,C12が配列される水平直線と同一の水平直線上において、一対の測距センサ対C11,C12の更に外側に配置される。換言すれば、「明るいレンズ」用の測距センサ対の相互間の距離が「暗いレンズ」用の測距センサ対の相互間の距離よりも大きくなるように、両測距センサ対が配置される。そして、「明るいレンズ」が装着されているときには、「明るいレンズ」用の測距センサ対C91,C92を用いてAF動作が行われる。また、「暗いレンズ」が装着されているときには、「暗いレンズ」用の測距センサ対C11,C12を用いてAF動作が行われる。これによれば、明るいレンズの装着時も暗いレンズの装着時にも同じ方向(水平方向)の階調変化に特に敏感な位相差AFが実現される。
ただし、2種類の測距センサ対(C11,C12),(C91,C92)が同一直線上において一列に配置されているため、2組の測距センサ27対(C11,C12),(C91,C92)を配置する水平方向の大きさ(長さ)が比較的大きくなる。そのため、センサチップ227の水平方向の大きさが大きくなってしまう。すなわち、この比較例に係るAFモジュール20Zは、上述の特許文献1に記載の技術と同様の問題を有している。
ここにおいて、「明るいレンズ」に関するAF精度向上の観点からは、一対の測距センサC91,C92の相互間の距離(基線長の長さ)は、図31に示す程度まで大きくすることを要しないことがある。
しかしながら、第1の測距センサ対(C11,C12)と第2の測距センサ対(C91,C92)とは、それぞれ、互いに異なるセパレータレンズから到来する光を受光する必要がある。そのため、第1の測距センサ対(C11,C12)と第2の測距センサ対(C91,C92)とは、その一部を共有するように重複して配置することができない。
そこで、この比較例に係るAFモジュール20Zでは、第1の測距センサ対と第2の測距センサ対とは離間して配置されている。換言すれば、この比較例においては、各測距センサC91,C92を、各測距センサC11,C12に重複させることなく当該各測距センサC11,C12の外側に配置するために、各測距センサC91,C92は、必要以上に互いに離れた位置に配置されている。具体的には、図31に示すように、測距センサC91,C92の相互間の内側離間距離(最小離間距離)WN9が長さW1よりも大きくなるように(WN9>W1)、測距センサC91,C92は配置されている。ここで、長さW1は、測距センサC11,C12の配置に要する水平方向の大きさであり、測距センサC11,C12の水平方向における配置長さ(ないし測距センサC91,C92の相互間の外側離間距離)であるとも表現される。
<1−8.実施形態に係るAFモジュールの詳細構成>
さて、このような比較例に対して、この実施形態に係る一対の測距センサC21,C22は、光軸LXに垂直な平面内において、一対の測距センサC11,C12の配列方向に垂直な方向(具体的には、鉛直方向(Y方向))にシフトして配置される。
詳細には、図15に示すように、センサチップ227の或る面(光軸LXに垂直な平面)内において、測距センサC11と測距センサC12とは、直線LH1上において光軸LXを挟んで配置されている。直線LH1は、光軸LXに交差し(光軸LXを通り)且つ水平方向(X方向)に延びる直線である。また、2つの測距センサC11,C12は、直線LV1に関して線対称に配置されている。直線LV1は、光軸LXに交差するとともに直線LH1に垂直な直線である。
そして、測距センサC21と測距センサC22とは、測距センサC11,C12の配置面と同じ面内において、直線LH2上において光軸LXを挟んで配置されている。直線LH2は、直線LH1に平行であるとともに当該直線LH1に対して垂直方向(詳細には図15の下側)にシフトして配置される直線である。また、2つの測距センサC21,C22は、直線LV1に関して線対称に配置されている。
より詳細には、図16に示すように、レンズ群37の瞳(射出瞳)の位置において水平軸HLに対して図16の上側にシフトした領域R21,R22を通過した光が、測距センサC21,C22に到達する。測距センサC21,C22は、直線LH1を垂直方向にシフトした直線LH2上に配置されている。
このように第2の一対の測距センサC21,C22をシフト配置することによれば、配置領域の重複回避のために当該一対の測距センサC21,C22を必要以上に外側に配置することを要さない。例えば図15のような配置が可能になる。図15においては、測距センサC21,C22の相互間の内側離間距離(最小離間距離)WN2が長さW1よりも小さくなるように(WN2<W1)、測距センサC21,C22が配置されている。この場合、測距センサC21,C22の配置に要する水平方向の長さW2は、測距センサC91,C92の配置に要する水平方向の長さW9よりも小さくなる(図31も参照)。これによれば、一対の測距センサC21,C22を一対の測距センサC91,C92に比べて中央側に寄せて配置することが可能である。換言すれば、測距センサC21,C22の相互間の間隔を、測距センサC91,C92の相互間の間隔よりも小さくすることができる。
したがって、このAFモジュール20Aによれば、上記比較例に係るAFモジュール20Zに比べて、水平方向において2組の測距センサ(C11,C12),(C21,C22)をコンパクトに配置することができる。特に、測距センサC21,C22の配置に要する水平方向の長さW2を(長さW9よりも)低減することによって、レンズアレイ226の小型化を図ることが可能になる。
また、一対の測距センサC21,C22の配列方向と一対の測距センサC11,C12の配列方向とは、共に水平方向であり、同一方向である。そして、2組の測距センサ対(C11,C12),(C21,C22)は、被写体(詳細には被写体像)における同一方向の階調変化に基づいて測距動作を行う。すなわち、当該2組の測距センサ対は、特定方向(詳細には水平方向)の階調変化に敏感なAF動作を実現する。
また、さらに測距センサC81〜C84を測距センサC11〜C14,C21,C22の左側に配置する場合には、当該測距センサC81〜C84を測距センサC11〜C14,C21,C22に対して比較的近接させて(中央側に寄せて)配置することができる。したがって、センサチップ227の小型化を図ることができる。
同様に、測距センサC85〜C88を測距センサC11〜C14,C21,C22の右側に配置する場合には、当該測距センサC85〜C88を測距センサC11〜C14,C21,C22に対して比較的近接させて(中央側に寄せて)配置することができる。したがって、センサチップ227の小型化を図ることができる。
以上のように、第1実施形態に係るAFモジュール20(20A)によれば、特定方向(詳細には水平方向)の階調変化に敏感な2種類の測距センサ対をコンパクトに配置することができる。そのため、特定方向(水平方向)の階調変化に敏感な2種類の測距センサ対を有するセンサチップ(ICチップ)227の小型化を図ることが可能である。
また、レンズアレイ226Aは、図14に示すように、センサチップ227Aの各測距センサに対応する位置に各セパレータレンズを有している。特に、レンズアレイ226Aは、第2の一対の測距センサC21,C22に対応する位置に第2の一対のセパレータレンズB21,B22を有している。また、レンズアレイ226Aは、第1の一対の測距センサC11,C12に対応する位置に第1の一対のセパレータレンズB11,B12を有している。さらに、第1の一対のセパレータレンズB11,B12の配列方向と第2の一対のセパレータレンズB21,B22の配列方向とは平行である。また、第2の一対のセパレータレンズB21,B22の相互間の距離は、第1の一対のセパレータレンズB11,B12の相互間の距離よりも大きい。そして、第2の一対のセパレータレンズB21,B22は、第1の一対のセパレータレンズB11,B12の配列方向に垂直な方向にシフトして配置されている。
このようなシフト配置によれば、一対のセパレータレンズB21,B22を、一対のセパレータレンズB91,B92に比べて、中央側に寄せて配置することが可能である。すなわち、上記比較例に係るレンズアレイ226Z(図30)に比べて、水平方向において2組のセパレータレンズ(B11,B12),(B21,B22)をコンパクトに配置することができる。そのため、レンズアレイ226の小型化を図ることが可能である。
同様に、絞りマスク225は、図13に示すように、センサチップ227の各測距センサに対応する位置に各開口を有している。特に、絞りマスク225は、第1の一対の測距センサC11,C12に対応する位置に第1の一対の開口A11,A12を有しており、第2の一対の測距センサC21,C22に対応する位置に第2の一対の開口A21,A22を有している。また、第1の一対の開口A11,A12の配列方向と第2の一対の開口A21,A22の配列方向とは平行である。さらに、第2の一対の開口A21,A22の相互間の距離は、第1の一対の開口A11,A12の相互間の距離よりも大きい。そして、第2の一対の開口A21,A22は、第1の一対の開口A11,C12の配列方向に垂直な方向にシフトして配置されている。
これによれば、一対の開口A21,A22を、一対の開口A91,A92に比べて、中央側に寄せて配置することが可能である。すなわち、上記比較例に係る絞りマスク225Z(図29)に比べて、水平方向において2組の開口(A11,A12),(A21,A22)をコンパクトに配置することができる。そのため、絞りマスク225の小型化を図ることが可能である。
<2.第2実施形態>
第2実施形態は第1実施形態の変形例である。以下では、図17〜図20等を参照しながら、第1実施形態との相違点を中心に説明する。図17〜図20は、第2実施形態に係るAFモジュール20(20B)の構成を示す図である。図17は、絞りマスク225(225B)内における各開口の配置を示す図であり、図18はレンズアレイ226(226B)内の各セパレータレンズの配置を示す図である。また、図19は、センサチップ227(227B)内の各測距センサの配置を示す図である。さらに、図20は、撮影光学系の瞳を通過した光束がAFモジュール20B内の各測距センサに到達する様子を示す図である。
上記第1実施形態においては、第2の測距センサ対C21,C22を第1の測距センサ対C11,C22に対して垂直方向の一方側(図15の下側)にシフトして配置する場合を例示した。この第2実施形態においては、「第2の測距センサ群」として、第2の測距センサ対C21,C22に加えて、さらに第3の測距センサ対C31,C32が配置される場合を例示する。この第3の測距センサ対C31,C32は、第1の測距センサ対C11,C22に対して、垂直方向における他方側(図19の上側)にシフトして配置される。
第2実施形態に係るAFモジュール20Bは、図17〜図20に示すように、絞りマスク225Bとレンズアレイ226Bとセンサチップ227Bとを有している。
絞りマスク225Bは、図17に示すように、絞りマスク225Aに設けられた複数の開口に加えて、さらに開口A31,A32を有している。レンズアレイ226Bは、図18に示すように、レンズアレイ226Aに設けられた複数のセパレータレンズに加えて、さらにセパレータレンズB31,B32を有している。センサチップ227Bは、図19に示すように、センサチップ227Aに設けられた複数の測距センサに加えて、さらに測距センサC31,C32を有している。開口A31,A32とセパレータレンズB31,B32と測距センサC31,C32とは、それぞれ、対応する位置に設けられる。また、図20に示すように、レンズ群37の瞳(射出瞳)の位置において水平軸HLに対して図20の下側にシフトした領域R31,R32を通過した光が、測距センサC31,C32に到達する。
測距センサC31,C32は、一対の測距センサC21,C22とともに、「第2の測距センサ群」を構成する。なお、一対の測距センサC31,C32は、第3の測距センサ対とも表現される。
測距センサC31,C32は、測距センサC21,C22と同様の配置を有する。具体的には、一対の測距センサC31,C32の相互間の距離は、一対の測距センサC11,C12の測距センサの相互間の距離よりも大きく、一対の測距センサC31,C32の配列方向は、一対の測距センサC11,C12の配列方向に平行である。また、一対の測距センサC31,C32は、一対の測距センサC11,C12の配列方向に垂直な方向にシフトして配置される。
ただし、一対の測距センサC31,C32の配列位置は、一対の測距センサC21,C22とは異なる。図19に示すように、一対の測距センサC31,C32は、直線LH1を垂直方向にシフトした直線LH3上に配置されている(図19)。直線LH3は、直線LH1に平行であるとともに当該直線LH1に対して垂直方向(詳細には図19の上側)にシフトして配置される直線である。すなわち、一対の測距センサC31,C32は、一対の測距センサC11,C12を挟んで、一対の測距センサC21,C22とは逆側(図19の上側)に配置される。換言すれば、一対の測距センサC31,C32は、一対の測距センサC11,C12に対して、一対の測距センサC21,C22とは逆向きにシフトして配置される。
特に、これら2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)を用いることによれば、測距精度を向上させることが可能である。より詳細には、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)のうち、所定の評価値(例えばそのコントラスト値)が比較的高い測距センサ対の測距結果を、最終的な測距結果として選択するようにすればよい。あるいは、測距センサC21と測距センサC31との対応画素の画素値を加算するとともに、測距センサC22と測距センサC32との対応画素の画素値を加算し、当該加算結果同士を比較することによって合焦レンズ位置等を算出するようにしてもよい。
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第2実施形態においては、第2の測距センサ対(C21,C22)における受光素子列と第3の測距センサ対(C31,C32)における受光素子列とが同様に配置される場合を例示した。この第3実施形態においては、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)における受光素子列の配置が互いに異なる場合を例示する。
この第3実施形態に係るAFモジュール20(20C)においては、センサチップ227の構成が第2実施形態と相違する。なお、第3実施形態に係る絞りマスク225(225C)およびレンズアレイ226(226C)は、それぞれ、第2実施形態に係る絞りマスク225Bおよびレンズアレイ226Bと同様である。
図21の模式図に示すように、第3実施形態に係るセンサチップ227(227C)においては、測距センサC31,C32における受光素子列(画素列)と測距センサC21,C22における受光素子列とが所定距離ずらして配置される。具体的には、第2の測距センサ対(C21,C22)と第3の測距センサ対(C31,C32)とが互いに半ピッチ(隣接画素間距離の半分)ずれて配置される。なお、図21における各細長矩形は、各受光素子を示している。
そして、所定の基準に基づいて、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)のうち、所定の評価値(例えばそのコントラスト値)が高い方の測距センサ対に対応する測距結果が、最終的な測距結果として選択される。なお、測距センサ対(C21,C22)のコントラスト値としては、測距センサC21における各画素と当該各画素の隣接画素との差分画素値を測距センサC21内の全ての画素について加算した値を採用すればよい。他方の測距センサ対(C31,C32)のコントラスト値も同様にして算出すればよい。例えば、測距センサC31における各画素と当該各画素の隣接画素との差分画素値を測距センサC31内の全ての画素について加算した値を、測距センサ対(C31,C32)のコントラスト値として算出すればよい。
被写体の階調変化に関する空間周波数によっては、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)のうちの一方に大きなコントラスト値が現れることがある。上記のように比較的高いコントラスト値に対応する測距センサ対による測距結果を最終的な測距結果として選択することによれば、測距精度を向上させることが可能である。
<4.第4実施形態>
第4実施形態は、第3実施形態の変形例である。以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
この第4実施形態に係るAFモジュール20(20D)のセンサチップ227(227D)では、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)の各受光素子(画素)の所定方向における大きさが互いに異なっている。具体的には、図22に示すように、各測距センサの画素配列方向において、第2の測距センサ対(C21,C22)における画素の大きさと第3の測距センサ対(C31,C322)における画素の大きさとが互いに異なっている。詳細には、各測距センサの画素配列方向において、測距センサ対(C31,C32)の各画素の大きさは、測距センサ対(C21,C22)の各画素の大きさよりも小さい。また、測距センサ対(C31,C22)の画素ピッチ(画素間隔)も、測距センサ対(C21,C22)の画素ピッチよりも小さい。なお、各測距センサの画素配列方向に垂直な方向においては、両測距センサ対(C31,C32),(C31,C32)の各画素の大きさ(幅)は略同一である。
そして、所定の基準に基づいて、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)のうちの一方の測距センサ対の測距結果が最終的な測距結果として選択される。
詳細には、被写体の輝度が閾値TH1よりも大きいとき(すなわち明るいとき)には、比較的小さな画素を有する測距センサ対(例えば(C31,C32))の測距結果が最終的な測距結果として決定される。逆に、被写体の輝度が閾値TH1よりも小さいとき(すなわち暗いとき)には、比較的大きな画素を有する測距センサ対(例えば(C21,C22))の測距結果が最終的な測距結果として決定される。
これによれば、被写体が明るいときには、比較的狭い画素ピッチを有する測距センサ対を用いて高精度(高分解能)の測距結果を得ることができる。また、被写体が暗いときには、比較的広い画素ピッチを有する測距センサ対を用いて各画素(受光素子)の光量を確保することによって、所定程度のAF精度を確保することができる。このように、被写体の輝度に応じた適切なAF精度を得ることができる。
<5.第5実施形態>
第5実施形態は、第3実施形態の変形例である。以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
この第5実施形態に係るAFモジュール20(20E)のセンサチップ227(227E)においては、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)の画素の「幅」が互いに異なっている。詳細には、各測距センサの画素配列方向に垂直な方向における画素(受光素子)の大きさ(受光素子列の「幅」とも称する)が、両測距センサ対の相互間で異なっている。
具体的には、図23に示すように、各測距センサの画素配列方向に垂直な方向において、測距センサ対(C31,C32)の各画素の大きさ(「幅」)は、測距センサ対(C21,C22)の各画素の大きさ(「幅」)よりも小さい。なお、各測距センサの画素配列方向においては、両測距センサ対(C31,C32),(C31,C32)の各画素の大きさおよび画素ピッチはそれぞれ略同一である。
そして、所定の基準に基づいて、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)のうちの一方の測距センサ対の測距結果が最終的な測距結果として選択される。
詳細には、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)のうち、所定の評価値(例えばそのコントラスト値)が高い方の測距センサ対に対応する測距結果が、最終的な測距結果として選択される。なお、測距センサ対(C21,C22)のコントラスト値としては、第3実施形態で説明したような値を採用すればよい。他方の測距センサ対(C31,C32)のコントラスト値も同様である。
一般的には、被写体は、水平方向あるいは垂直方向において、大きな階調変化を有することが多い。しかしながら、被写体によっては、画面の斜め方向に比較的大きな階調変化が存在することもある。ここでは、画面の斜め方向に比較的大きな階調変化を有する被写体を合焦させる場合を想定する。
図24においては、黒く細長い矩形(被写体)が受光素子列に対して斜め方向に配置されている。これは、被写体の階調変化の方向が画素配列方向に対して斜行する状態を模式的に示すものである。
一方の測距センサ対(C21,C22)に関しては、その各画素の縦方向(画素配列に垂直な方向)の大きさ(「幅」)が比較的大きいため、図24のような斜行被写体(黒帯状被写体)に関する被写体像の階調値は比較的緩やかに変化する。すなわち、当該被写体像は、いわゆる「鈍った(なまった)」状態になる。そのため、測距センサC21における被写体像と測距センサC22の被写体像との比較結果から導かれる合焦レンズ位置は、比較的大きな誤差を含む可能性が高い。
これに対して、もう一方の測距センサ対(C31,C32)に関しては、その各画素の縦方向(画素配列に垂直な方向)の大きさが比較的小さいため、図24のような斜行被写体の被写体像の階調値は比較的急峻に変化する。そのため、測距センサC31における被写体像と測距センサC32の被写体像との比較結果から導かれる合焦レンズ位置に関する誤差は、比較的小さくなる。
したがって、この第5実施形態によれば、斜め方向に比較的大きな階調変化を有する被写体に関しても、良好な測距結果を得ることができる。
また、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)によれば、水平方向に比較的大きな階調変化を有する被写体に関しても、良好な測距結果を得ることができる。
<6.第6実施形態>
第6実施形態は、第3実施形態の変形例である。以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
この第6実施形態に係るAFモジュール20(20F)のセンサチップ227(227F)においては、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)の各画素(受光素子)は、各測距センサ対の配列方向に対して傾斜して配置されている。また、第2の測距センサ対(C21,C22)の各受光素子の傾斜方向と、第3の測距センサ対(C31,C32)の各受光素子の傾斜方向とは逆である。
具体的には、図25に示すように、第2の測距センサ対(C21,C22)における細長形状の各受光素子は、当該測距センサ対(C21,C22)の配列方向(水平方向)に対して「反時計回り」に所定角度(例えば45度)傾斜している。一方、第3の測距センサ対(C31,C32)における細長形状の各受光素子は、当該測距センサ対(C31,C32)の配列方向(水平方向)に対して「時計回り」に所定角度(例えば45度)傾斜している。なお、両測距センサ対(C31,C32),(C31,C32)の各画素(受光素子)の大きさは略同一であり、各測距センサの画素配列方向における各画素の配置間隔(画素ピッチ)も略同一である。
そして、所定の基準に基づいて、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)のうちの一方の測距センサ対の測距結果が最終的な測距結果として選択される。
詳細には、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)のうち、所定の評価値(例えばそのコントラスト値)が高い方の測距センサ対に対応する測距結果が、最終的な測距結果として選択される。なお、測距センサ対(C21,C22)のコントラスト値としては、第3実施形態で説明したような値を採用すればよい。他方の測距センサ対(C31,C32)のコントラスト値も同様である。
第5実施形態において説明したように、被写体は、水平方向あるいは垂直方向に比較的大きな階調変化を有することが多いが、斜め方向に比較的大きな階調変化を有することもある。
ここでは、第5実施形態と同様に、画面の斜め方向に比較的大きな階調変化を有する被写体を合焦させる場合を想定する。
図26においては、黒く細長い矩形(被写体)が受光素子列に対して斜め方向に配置されている。これは、被写体の階調変化の方向が画素配列方向に対して斜行する状態を模式的に示すものである。
一方の測距センサ対(C21,C22)に関しては、細長形状の被写体の階調変化の方向(左下から右上へと向かう方向)と細長画素の積層方向(左上から右下へと向かう方向)とが略垂直である。換言すれば、細長形状の被写体の伸延方向(左上から右下へと向かう方向)に多数の画素が存在する。そのため、被写体像の階調値は比較的緩やかに変化する。すなわち、当該被写体像は、いわゆる「鈍った(なまった)」状態になる。したがって、測距センサC21における被写体像と測距センサC22の被写体像との比較結果から導かれる合焦レンズ位置は、比較的大きな誤差を含む可能性が高い。
これに対して、もう一方の測距センサ対(C31,C32)に関しては、細長形状の被写体の階調変化の方向(左下から右上へと向かう方向)と細長画素の積層方向(左下から右上へと向かう方向)とが略平行である。換言すれば、細長形状の被写体の伸延方向(左上から右下へと向かう方向)には比較的少数の画素しか存在しない。そのため、被写体像の階調値が比較的急峻に変化する。したがって、測距センサC31における被写体像と測距センサC32の被写体像との比較結果から導かれる合焦レンズ位置に関する誤差は、比較的小さくなる。
図26の状況においては、測距センサ対(C31,C32)のコントラスト値は、測距センサ対(C21,C22)のコントラスト値よりも大きい。そのため、上述の基準にしたがって、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)のうち、測距センサ対(C31,C32)に対応する測距結果が最終的な測距結果として選択される。これによれば、斜め方向に階調変化を有する被写体に関して、良好な測距結果を得ることができる。
なお、被写体が図26とは逆向きに傾斜している場合には、他方の測距センサ対(C21,C22)に対応する測距結果が最終的な測距結果として選択される。これによれば、逆側の図26とは異なる斜め方向に階調変化を有する被写体に関しても、良好な測距結果を得ることができる。
また、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)によれば、水平方向に比較的大きな階調変化を有する被写体に関しても、良好な測距結果を得ることができる。
<7.第7実施形態>
第7実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
この第7実施形態に係るAFモジュール20(20G)においては、絞りマスク225の構成が第2実施形態と相違する。なお、第7実施形態に係るレンズアレイ226(226G)およびセンサチップ227(227G)は、それぞれ、第2実施形態に係るレンズアレイ226B(図18)およびセンサチップ227B(図19)と同様である。
図27に示すように、第7実施形態に係る絞りマスク225(225G)においては、開口A31,A32は、それぞれ、開口A21,A22よりも大きい。
したがって、センサチップ227上の測距センサC31での受光量は、測距センサC21での受光量よりも大きくなる。同様に、測距センサC32での受光量は、測距センサC22での受光量よりも大きくなる。
そして、測距時においては、所定の基準に基づいて、2組の測距センサ対(C21,C22),(C31,C32)のうちの一方の測距センサ対の測距結果が最終的な測距結果として選択される。
詳細には、被写体の輝度が閾値TH1よりも大きいとき(すなわち明るいとき)には、比較的小さな開口からの光を受光する測距センサ対(C21,C22)の測距結果が最終的な測距結果として決定される。逆に、被写体の輝度が閾値TH1よりも小さいとき(すなわち暗いとき)には、比較的大きな開口からの光を受光する測距センサ対(C31,C32)の測距結果が最終的な測距結果として決定される。
これによれば、被写体が暗いときでも、比較的大きな開口からの光を受光する測距センサ対を用いることによって、所定程度のAF精度を確保することができる。
<8.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
例えば、上記各実施形態においては、水平方向に配列される測距センサ対C11,C12に対して、第2の測距センサ対C21,C22(および第3の測距センサ対C31,C32)を垂直方向にシフトして設ける場合を例示したが、これに限定されない。垂直方向に配列される各測距センサ対を、水平方向にシフトして配置するようにしてもよい。
具体的には、図28に示すように、垂直方向に配列される測距センサ対C13,C14に対して、別の測距センサ対C53,C54を設けるとともに、さらに別の測距センサ対C63,C64をも設けるようにしてもよい。測距センサ対C13,C14は、測距センサ対C11,C12に対して略垂直に配列される。また、測距センサ対C53,C54は、測距センサ対C21,C22に対して略垂直に配列され、測距センサ対C63,C64は、測距センサ対C31,C32に対して略垂直に配列される。測距センサ対C13,C14は、第4の測距センサ対とも称され、測距センサ対C63,C64は第5の測距センサ対とも称される。なお、測距センサ対C53,C54は、その配列方向が90度回転されている点を除いて、測距センサ対C21,C22と同様の配置および構成を有する。また、測距センサ対C63,C64は、その配列方向が90度回転されている点を除いて、測距センサ対C31,C32と同様の配置および構成を有する。例えば、測距センサ対C53,C54の相互間距離は、測距センサ対C13,C14の相互間距離よりも大きく、測距センサ対C53,C54の配列方向は、測距センサ対C13,C14の配列方向に平行である。また、測距センサ対C53,C54は、測距センサ対C13,C14に対して、測距センサ対C13,C14の配列方向に垂直な方向にシフトして配置されている。
あるいは、測距センサ対C63,C64を設けることなく、測距センサ対C53,C54をさらに設けるようにしてもよい。すなわち、図28において、測距センサ対C63,C64を設けないようにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、センサチップ227内の各一対の測距センサは、論理的にも物理的にも互いに離間されて生成される場合を例示したが、これに限定されない。例えば、一対の測距センサは、所定方向に連続する複数の受光素子で構成された1次元受光素子アレイにおいて、論理的に分離された2つの部分領域(一対の部分領域)として構成されてもよい。
また、同様に、複数対の測距センサも、物理的に互いに離間して生成されることを要さない。例えば、複数対の測距センサは、2次元的に連続する複数の受光素子で構成された2次元受光素子アレイにおいて、論理的に分離された複数対の部分領域として構成されてもよい。
また、上記各実施形態では、「合焦動作時の絞り値」が閾値TH1よりも小さい場合には、第1の測距センサ対の測距結果を用いることなく第2の測距センサ対の測距結果を用いる場合を例示したが、これに限定されない。例えば、「合焦動作時の絞り値」が閾値TH1よりも小さい場合には、第2の測距センサ対の測距結果だけでなく、第1の測距センサ対の測距結果をも参照するようにしてもよい。より詳細には、第1の測距センサ対と第2の測距センサ対とのうち、そのコントラスト値が比較的大きな測距センサ対の測距結果を最終的な測距結果として選択して、AF動作を実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、装着中レンズの開放F値が「合焦動作時の絞り値」として採用される場合を例示したが、これに限定されない。特に、「合焦動作時の絞り値」は、レンズの「開放F値」に限定されず、AF動作時における装着中レンズの絞りの状態を反映するものであれば充分である。例えば、撮影光学系(撮影レンズ)の絞りを開放した状態でAF動作が行われる場合に限定されず、被写体の明るさに応じて絞りを常に制御しながらAF動作が行われる場合などに上記の思想を適用するようにしてもよい。より詳細には、絞りを随時制御する動画撮影において、各時点における「撮影用の絞り値」を「合焦動作時の絞り値」として用いて、上記の動作を行うようにしてもよい。換言すれば、使用すべき測距センサ対を開放F値に応じて選択するのではなく、使用すべき測距センサ対を「撮影時の絞り値(合焦動作時の絞り値でもある)」に応じて選択するようにしてもよい。
撮像装置の正面外観図である。 撮像装置の背面外観図である。 撮像装置の機能構成を示すブロック図である。 撮像装置1の内部構成を示す図である。 位相差AFの原理を示す図である(合焦状態)。 位相差AFの原理を示す図である(前ピン状態)。 位相差AFの原理を示す図である(後ピン状態)。 合焦状態における分割光の各像を示す図である。 前ピン状態における分割光の各像を示す図である。 後ピン状態における分割光の各像を示す図である。 AF精度と測距センサの相互間の距離との関係を説明する図である。 AFモジュールの概略構成を示す分解斜視図である。 絞りマスク内における各開口の配置を示す図である。 レンズアレイ内の各セパレータレンズの配置を示す図である。 センサチップ内の各測距センサの配置を示す図である。 撮影光学系の瞳を通過した光束がAFモジュール内の各測距センサに到達する様子を示す図である。 第2実施形態に係る絞りマスクを示す図である。 第2実施形態に係るレンズアレイを示す図である。 第2実施形態に係るセンサチップを示す図である。 第2実施形態において、撮影光学系の瞳を通過した光束が各測距センサに到達する様子を示す図である。 第3実施形態に係る測距センサの受光素子列を示す図である。 第4実施形態に係る測距センサの受光素子列を示す図である。 第5実施形態に係る測距センサの受光素子列を示す図である。 第5実施形態に係る測距センサにおける階調値変化を示す図である。 第6実施形態に係る測距センサの受光素子列を示す図である。 第6実施形態に係る測距センサにおける階調値変化を示す図である。 第7実施形態に係る絞りマスクを示す図である。 変形例に係るセンサチップを示す図である。 比較例に係る絞りマスクを示す図である。 比較例に係るレンズアレイを示す図である。 比較例に係るセンサチップを示す図である。 比較例において、撮影レンズの瞳を通過した光束が各測距センサに到達する様子を示す図である。
符号の説明
1 撮像装置
20 AFモジュール
22,222 コンデンサレンズ
25,225 絞りマスク
26,Bk セパレータレンズ
27,Ck 測距センサ
226 レンズアレイ
227 センサチップ
Ak 開口

Claims (13)

  1. 撮影光学系の合焦動作時の絞り値が所定の閾値よりも大きい場合に前記撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する第1の範囲内に設けられる第1の測距センサ群と、
    前記撮影光学系の合焦動作時の絞り値が前記所定の閾値よりも小さい場合に前記撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する第2の範囲内に設けられる第2の測距センサ群と、
    を備え、
    前記第1の測距センサ群は、第1の測距センサ対を有し、
    前記第2の測距センサ群は、第2の測距センサ対を有し、
    前記第2の測距センサ対の相互間距離は、前記第1の測距センサ対の相互間距離よりも大きく、
    前記第2の測距センサ対の配列方向は、前記第1の測距センサ対の配列方向に平行であり、
    前記第2の測距センサ対は、前記第1の測距センサ対に対して、前記第1の測距センサ対の配列方向に垂直な方向にシフトして配置される、焦点位置検出装置。
  2. 請求項1に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第2の測距センサ群は、第3の測距センサ対を有し、
    前記第3の測距センサ対の相互間距離は、前記第1の測距センサ対の相互間距離よりも大きく、
    前記第3の測距センサ対の配列方向は、前記第1の測距センサ対の配列方向に平行であり、
    前記第3の測距センサ対は、前記第1の測距センサ対に対して、前記第1の測距センサ対の配列方向に垂直な方向にシフトして配置される、焦点位置検出装置。
  3. 請求項2に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第3の測距センサ対は、前記第1の測距センサ対に対して、前記第1の測距センサ対の配列方向に垂直な方向において前記第2の測距センサ対とは逆向きにシフトして配置される、焦点位置検出装置。
  4. 請求項2に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第2の測距センサ対の受光素子列は、第3の測距センサ対の受光素子列に対して半ピッチずらして配列される、焦点位置検出装置。
  5. 請求項2に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第2の測距センサ対における受光素子列の配置間隔は、第3の測距センサ対における受光素子列の配置間隔と異なる、焦点位置検出装置。
  6. 請求項2に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第2の測距センサ対における受光素子列の幅は、第3の測距センサ対における受光素子列の幅と異なる、焦点位置検出装置。
  7. 請求項2に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第2の測距センサ対の各受光素子は、当該第2の測距センサ対の配列方向に対して傾斜して配置されており、
    前記第3の測距センサ対の各受光素子は、当該第3の測距センサ対の配列方向に対して傾斜して配置されており、
    前記第2の測距センサ対の各受光素子の傾斜方向と、前記第3の測距センサ対の各受光素子の傾斜方向とは逆である、焦点位置検出装置。
  8. 請求項2に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第1の測距センサ対に対応する第1の一対の開口と前記第2の測距センサ対に対応する第2の一対の開口と前記第3の測距センサ対に対応する第3の一対の開口とを設けた絞りマスク、
    をさらに備え、
    前記第2の一対の開口の大きさと前記第3の一対の開口の大きさとは互いに異なる、焦点位置検出装置。
  9. 請求項1に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第1の測距センサ群は、第4の測距センサ対を有し、
    前記第2の測距センサ群は、第5の測距センサ対を有し、
    前記第4の測距センサ対は、第1の測距センサ対に対して略垂直に配列されており、
    前記第5の測距センサ対は、第2の測距センサ対に対して略垂直に配列されており、
    前記第5の測距センサ対の相互間距離は、前記第4の測距センサ対の相互間距離よりも大きく、
    前記第5の測距センサ対の配列方向は、前記第4の測距センサ対の配列方向に平行であり、
    前記第5の測距センサ対は、前記第4の測距センサ対に対して、前記第4の測距センサ対の配列方向に垂直な方向にシフトして配置される、焦点位置検出装置。
  10. 請求項1に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第1の測距センサ対は、前記撮影光学系からの光束の光軸に垂直な平面内において、前記光軸を通る直線上に配置され、
    前記第2の測距センサ対は、前記光軸に垂直な平面内において、前記直線に対して平行にシフトして配置される、焦点位置検出装置。
  11. 請求項1に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第1の測距センサ対に対応する第1の一対の開口と前記第2の測距センサ対に対応する第2の一対の開口とを設けた絞りマスク、
    をさらに備え、
    前記第2の一対の開口の相互間距離は、前記第1の一対の開口の相互間距離よりも大きく、
    前記第2の一対の開口の配列方向は、前記第1の一対の開口の配列方向に平行であり、
    前記第2の一対の開口は、前記第1の一対の開口に対して、前記第1の一対の開口の配列方向に垂直な方向にシフトして配置される、焦点位置検出装置。
  12. 請求項1に記載の焦点位置検出装置において、
    前記第1の測距センサ対に対応する第1の一対のセパレータレンズと前記第2の測距センサ対に対応する第2の一対のセパレータレンズとを設けたレンズアレイ、
    をさらに備え、
    前記第2の一対のセパレータレンズの相互間距離は、前記第1の一対のセパレータレンズの相互間距離よりも大きく、
    前記第2の一対のセパレータレンズの配列方向は、前記第1の一対のセパレータレンズの配列方向に平行であり、
    前記第2の一対のセパレータレンズは、前記第1の一対のセパレータレンズに対して、前記第1の一対のセパレータレンズの配列方向に垂直な方向にシフトして配置される、焦点位置検出装置。
  13. 撮像装置であって、
    位相差方式の焦点位置検出装置と、
    前記焦点位置検出装置による測距結果を用いてAF動作を実行するAF制御手段と、
    を備え、
    前記焦点位置検出装置は、
    撮影光学系の合焦動作時の絞り値が所定の閾値よりも大きい場合に前記撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する第1の範囲内に設けられる第1の測距センサ群と、
    前記撮影光学系の前記合焦動作時の絞り値が前記所定の閾値よりも小さい場合に前記撮影光学系を通過した被写体からの光束が到達する第2の範囲内に設けられる第2の測距センサ群と、
    を有し、
    前記第1の測距センサ群は、第1の測距センサ対を有し、
    前記第2の測距センサ群は、第2の測距センサ対を有し、
    前記第2の測距センサ対の相互間距離は、前記第1の測距センサ対の相互間距離よりも大きく、
    前記第2の測距センサ対の配列方向は、前記第1の測距センサ対の配列方向に平行であり、
    前記第2の測距センサ対は、前記第1の測距センサ対に対して、前記第1の測距センサ対の配列方向に垂直な方向にシフトして配置され、
    前記AF制御手段は、
    前記撮影光学系の合焦動作時の絞り値が前記所定の閾値よりも大きい場合に前記第1の測距センサ対を用いてAF動作を実行し、
    前記撮影光学系の合焦動作時の絞り値が前記所定の閾値よりも小さい場合に前記第2の測距センサ対を用いてAF動作を実行する、
    撮像装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012042863A (ja) * 2010-08-23 2012-03-01 Olympus Corp 撮像装置
JP2015210489A (ja) * 2014-04-30 2015-11-24 キヤノン株式会社 撮像装置及び撮像方法

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