JP4731506B2 - 液槽式熱衝撃試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液槽式熱衝撃試験装置に係り、具体的には、高温液槽及び低温液槽を備えており、各液槽に被試験物を交互に浸漬して熱衝撃試験を行う液槽式熱衝撃試験装置に関する。
従来から、半導体装置等の電気部品やその他の様々な製品の温度ストレスに対する耐熱性、物理的特性の変化、電気的特性の変化等を短時間で評価するため、液槽式熱衝撃試験装置が用いられている。例えば、低温側液槽には約−65〜0℃の熱媒液を、高温側液槽には約70〜150℃の熱媒液を貯え、両熱媒液中に電気部品などの被試験物を交互に繰り返し(例えば、各槽に1000回以上)浸漬することにより、試験が行われる。
液槽式熱衝撃試験に使用される熱媒液は、被試験物に熱衝撃以外のストレスを加えないように、例えばフッ素系不活性液体などの液体が使用されている。このような液槽式熱衝撃試験装置では、高温液槽側にて熱媒液が蒸発し、試験装置の外に漏洩することで、徐々に熱媒液の量が減少することが問題となる。
従来の液槽式熱衝撃試験装置においては、例えば、特許文献1に記載されているように、被試験物を両液槽に搬送させる搬送機を収容した空間に連通させて冷却器を設け、この冷却器により空間内に滞留する熱媒液の蒸気を凝縮させて回収することが知られている。
しかしながら、このような回収では、空間の容積が大きくなればその分回収率が低下し、蒸気が試験装置の外へ除々に漏洩する。特に、試験装置に形成されている被試験物を出し入れする扉を開けることにより、空間内に滞留していた蒸気が周囲に拡散し、熱媒液の消費量の増加が顕著になる。
一方、特許文献2に記載されているように、高温液槽の上面開口部を塞ぐような両開扉を取付けることにより、高温液槽の熱媒体の蒸発を抑制することが知られている。
特開平5−312705号公報 特開2003−215075号公報
しかしながら、上述の特許文献2に記載された技術を用いたとしても、高温液槽から蒸発した熱媒液を効率よく回収することができないおそれがある。
すなわち、高温液槽の上面開口部を塞ぐように両開扉を設けて扉を閉にしていれば、高温液槽の気相部は蒸発した熱媒液が充満した高圧力の状態となる。このような状態で、試験実行の際に被試験物の通過に伴って扉が開くと、充満した蒸気が周囲の空間に拡散し、結局、上述と同様に蒸気は試験装置の外へ漏洩することとなる。
本発明の課題は、高温液槽から蒸発する熱媒液を効率よく回収し、熱媒液のランニングコストを抑制した液槽式熱衝撃試験装置を実現することにある。
上記課題を解決するため、本発明の液槽式熱衝撃試験装置は、筺体と、この筺体内部に設けられ上面に開口を有する低温液槽及び高温液槽と、この低温液槽及び高温液槽の上部に設けられ被試験物を低温液槽及び高温液槽に搬送する搬送手段と、を基本構成として備えている。そして、低温液槽及び高温液槽を収容する第1空間と、搬送手段を収容する第2空間とを隔てる仕切り部材が設けられ、この仕切り部材は、低温液槽及び高温液槽の上面開口を覆い、かつ各液槽に対して被試験物の搬送路となる開閉部が形成されてなる液槽式熱衝撃試験装置であって、第2空間には、冷却器及び送風機を備えたベーパー回収器が高さ方向に延在する流路壁を隔てて設けられ、ベーパー回収器の流路壁の下端部に吸い込み口が形成され、この吸い込み口が第1空間の高温液槽の上方と連通されてなることを特徴とする。
これによれば、仕切り部材によって低温液槽及び高温液槽を収容する第1空間と、搬送手段を収容する第2空間とが隔てられているので、高温液槽の熱媒液から蒸発した蒸気が、筐体全体へ拡散するのを抑制することができる。かつ、仕切り部材により低温液槽の気相部と高温液槽の気相部が連通されるので、高温液槽の熱媒液から蒸発した蒸気は、両液槽の気相部の圧力差、或いは温度差に起因して、負圧側、低温側の低温液槽の気相部に導かれ、ここで冷却され凝縮する。したがって、両液槽を収容する第1空間が高圧状態となることを抑制でき、たとえ試験の実行に際して高温液槽側の開閉部が開になっても、蒸気が拡散するのを抑制することができる。
この場合において、仕切り部材により形成された低温液槽の気相部と高温液槽の気相部の連通路に、送風機を設けることができる。これによれば、送風機を運転させて積極的に蒸気を低温液槽側へ導き、蒸気の凝縮を促進すると共に高温液槽の気相部が高圧力状態となるのを抑制することができる。
また、ベーパー回収器の吸い込み口を第1空間と連通させることにより、蒸気を低温液槽側で凝縮させるのではなく、冷却器を有するベーパー回収器に導いて冷却及び凝縮させて熱媒液を回収することができる。このように、従来技術のように単に筐体内に拡散した蒸気を凝縮して回収するのではなく、仕切り部材によって仕切られた狭い空間に充満した蒸気を効率よく凝縮し、かつこれにより開閉部が開になった時の蒸気の拡散を抑制することができる。また、ベーパー回収器に送風機を設けているために、積極的に蒸気を導き、凝縮を促進させることができる
また、上記に代えて、第2空間には、冷却器及び送風機を備えたベーパー回収器が高さ方向に延在する流路壁を隔てて設けられ、ベーパー回収器の流路壁の下端部に吸い込み口が形成され、この吸い込み口が高温液槽に対する搬送路となる開閉部の第2空間側に配置されるように構成してもよい。これによれば、試験の実行に際して高温液槽側の開閉部が開になった時に拡散する蒸気を、集中的に冷却器に導いて凝縮することができるので、効率よく熱媒液を回収することができる。
また、ベーパー回収器の送風機を、高温液槽に対する開閉部が開になったことに起因して設定時間運転するように構成してもよい
また、上述した態様において、開閉部を、仕切り部材に形成された被試験物が通過可能な開口と、この開口の縁部に設けられたパッキンと、このパッキンを介して開口と接続され開口を開閉可能に形成された板部材と、で構成し、また、搬送手段を、被試験物を収容する試料カゴと、この試料カゴを、支持部材を介して昇降及び横行させる移動装置と、支持部材に設けられてなり、仕切り部材に形成された開口を塞ぐ蓋部材と、この蓋部材の外周部に設けられたパッキンと、で構成することができる。そして、開閉部が開のときに、開口の縁部と、蓋部材の外周部に設けられたパッキンとを当接させて、開口を塞ぐことができる。
このように、開閉部の構成要素である開口の縁部と板部材とをパッキンを介して接続することで、開閉部が閉のときに密封性を向上することができ、高温液槽からの蒸気が搬送手段を収容する空間側に漏れるのを抑制することができる。また、開閉部が開になった後も、開口側の縁部と蓋部材側に設けられたパッキンとを当接させて開口に蓋をすることにより密封性を高め、蒸気が漏洩するのを抑制することができる。
この場合において、支持部材及び蓋部材を、互いに摺動可能に形成し、試料カゴが高温液槽に充填された熱媒体に浸漬する前に、蓋部材の外周部に設けられたパッキンと開口の縁部とが当接されて、前記開口が塞がれるように構成することが好ましい。
すなわち、低温液槽の熱媒体は低温により粘度が高いため、これに浸漬された試料カゴには熱媒液が付着する。この状態の試料カゴを高温液槽側へ移動して高温の熱媒液に浸漬させると、付着した熱媒液の蒸発が顕著に発生する。したがって、この構成のように、試料カゴが熱媒液に浸漬する前、つまり試料カゴに付着した熱媒液が蒸発する前に開口に蓋をすることにより、発生した蒸気が搬送手段を収容する空間側へ漏洩するのを抑制することができる。
本発明によれば、高温液槽から蒸発する熱媒液を効率よく回収し、熱媒液のランニングコストを抑制した液槽式熱衝撃試験装置を実現することができる。
以下、本発明を適用してなる液槽式熱衝撃試験装置の実施例を図1〜図6を用いて説明する。なお、以下の説明では、同一機能部品については同一符号を付して重複説明を省略する。
図1は、第1実施例の液槽式熱衝撃試験装置の正面断面図である。図1に示すように、液槽式熱衝撃試験装置1は、ユーザが被試験物を出し入れするための図示していない開閉扉が形成された筐体2と、筐体2の内部に並置された、それぞれ上面に開口を有する低温液槽4及び高温液槽6と、低温液槽4及び高温液槽6の上部に設けられた被試験物の搬送手段8などを備えて構成されている。
低温液槽4は、内部に充填された熱媒液10を加熱する加熱器12と、熱媒液10を攪拌する攪拌機14と、熱媒液10の温度を検出する温度検出器16とを備えている。さらに、図示していない冷凍装置と接続されており、冷却管18によって熱媒液10が冷却される。
高温液槽6は、内部に充填された熱媒液20を加熱するための加熱器22と、熱媒液20を攪拌して温度を均一にする攪拌機24と、熱媒液20の温度を検出する温度検出器26と、を備えている。
搬送手段8は、例えばユーザによって筺体2内に入れられた被試験物を収容する試料カゴ28と、この試料カゴ28を、支持部材30を介して昇降及び横行させて、被試験物を低温液槽4及び高温液槽6に交互に浸漬させる移動装置32などで構成されている。
本実施例の液槽式熱衝撃試験装置では、低温液槽4に貯えられた熱媒液10は、例えば約−70℃〜0℃の所定の温度に調温され、低温液槽4の低温の気相部40は、液相部の熱媒液10により冷却され温度が低下する。また、高温液槽6に貯えられた熱媒液20は、例えば約70℃〜150℃の所定の温度に調温され、高温液槽6の高温の気相部42は、液相部の熱媒液20により加熱され温度が上昇する。
この試験装置の基本的な動作としては、例えば半導体装置などの電子、電気部品のような被試験物が、ユーザによって試料カゴ28に収容され、試験が開始されると、移動装置32によって試料カゴが低温液槽4及び高温液槽6に交互に繰り返し搬送される。これにより被試験物は、高温及び低温の熱媒液に交互に浸漬され、温度ストレスに対する耐熱性、物理的特性の変化、電気的特性の変化などが評価される。
続いて、本実施例の特徴構成について説明する。筺体2の内部には、低温液槽4及び高温液槽6を収容する空間、つまり熱媒液10に対向する低温の気相部40及び高温液槽6の熱媒液20に対向する高温の気相部42を共通に含む空間と、搬送手段8を収容する試験空間44とを隔てるように、仕切り部材46が設けられている。仕切り部材46には、各液槽4,6のそれぞれに対して被試験物の搬送路となる開閉部48,50が形成されている。また、仕切り部材46は、高温の気相部42と低温の気相空間40とを連通路52を介して連通するように設けられている。
このような構成により、高温槽4から蒸発した熱媒液の蒸気を効率よく回収することが可能となる。すなわち、仕切り部材46によって低温液槽4及び高温液槽6を収容する空間と、搬送手段を収容する試験空間44とが隔てられているので、高温液槽6の熱媒液20から蒸発した蒸気は、気相部40,42を含む狭い領域に滞留することとなり、蒸発量を抑制することができ、また、筐体2全体へ拡散するのを抑制することができる。
さらに、仕切り部材46により低温液槽4の気相部40と高温液槽6の気相部42とが連通路52を介して連通されるので、高温液槽6の熱媒液20から蒸発した蒸気は、両液槽の気相部の圧力差、或いは温度差に起因して、図示矢印のように負圧側、低温側の低温液槽4の気相部40に導かれ、ここで冷却され凝縮する。したがって、両液槽を収容する空間が高圧状態となることを抑制でき、たとえ試験の実行に際して高温液槽6側の開閉部50が開になっても、蒸気が拡散するのを抑制することができる。
なお、低温液槽4の熱媒液10は、低温液槽4にて冷却されることにより粘度が上昇するので、試料カゴ28の低温液槽4から高温液槽6への移動に伴って試料カゴ28に付着して高温液槽6側に移動する。したがって、運転中には、高温液槽6側の熱媒液20の液量が増加するため、低温液槽4側にて凝縮することで、液量の調整もなされることとなる。
また、熱媒液として使用されるフッ素系不活性液体は、低温液槽4と高温液槽6とで沸点の異なる2種類のものを用いる場合もあるし、低温液槽4と高温液槽6とで同一のものを用いる場合もある。異なるものを用いる場合、低温側の熱媒液10は沸点が低く、高温側の熱媒液20は沸点が高いものを使用するため、高温液槽6にて蒸発する熱媒液は、熱媒液10が移動したものが大部分を占める事から低温液槽4側での凝縮、回収による熱媒液の混合はわずかであり、問題ないレベルとなる。
次に、本実施例の他の特徴である開閉部48,50及び搬送手段32の構成について図2,3を用いて説明する。図2,3は、ともに図1における高温液槽6及び試料カゴ28の周辺を拡大した図であり、試料カゴ28の位置が異なる。
図2に示すように、開閉部50では、仕切り部材46に被試験物が通過可能な開口56が形成されている。また、開口56の縁部にパッキン58aが設けられ、開口56を開閉可能に形成された板状のシャッター58がパッキン58aを介して開口56と接続されている。
また、搬送手段8は、上述のように被試験物を収容する試料カゴ28と、試料カゴ28を、支持部材30を介して昇降及び横行させる移動装置32を備えており、さらに、仕切り部材46に形成された開口56を塞ぐように、試料カゴ28の上部の支持部材30に対して上下に移動可能に設けられた蓋60が設けられ、蓋60の外周部にはパッキン60aが設けられている。
このように、開口56の縁部がパッキン58aを介してシャッター58と接続されていることで、開閉部50が閉のときに密封性を向上することができ、高温液槽6からの蒸気が試験空間44側に漏れるのを抑制することができる。
また、図3に示すように、開閉部が開のとき、つまり熱衝撃試験の実行に際して試料カゴ28が下方向に移動してシャッター58を押し下げたとき、開口56の縁部と、蓋60の外周部に設けられたパッキン60aとが当接されて、開口56が塞がれる。
これにより、開閉部50が開になった後も、開口56の縁部と蓋60側に設けられたパッキン58aとを当接させて開口56に蓋をすることにより密封性を高め、蒸気が漏洩するのを抑制することができる。
特に、支持部材30に対して蓋60を上下に移動可能に形成して、試料カゴ28が下降していく過程で、試料カゴ28が高温液槽6の熱媒体20に浸漬する前に、蓋60によって開口56に蓋がされるように構成している。
つまり、低温液槽4の熱媒体10は低温により粘度が高いため、これに浸漬された試料カゴ28には熱媒液10が付着する。この状態の試料カゴ28を高温液槽6側へ移動して高温の熱媒液20に浸漬させると、付着した熱媒液10の蒸発が顕著に発生する。したがって、この構成のように、試料カゴ28が熱媒液に浸漬する前、つまり試料カゴ28に付着した熱媒液が蒸発する前に開口に蓋をすることにより、たとえ蒸気が多量に発生しても試験空間44側へ漏洩するのを抑制することができる。
なお、シャッター58が開いた後、蓋60が開口56を塞ぐまでの間は、試験空間44側に蒸気が漏れることとなるが、その漏れた蒸気は、試験空間44内に設けた回収用の冷却器64により凝縮させ、図示していない水分離器により水を分離して低温液槽4に戻している。また、開閉部48側も開閉部50と同様の構成となっている。
図4は、第2実施例の液槽式熱衝撃試験装置の構成を示す図である。図4に示すように、第1実施例と異なるのは、高温液槽6と低温液槽4の連通路52に、送風機66が設けられている点である。これによれば、送風機66を運転させて積極的に蒸気を低温液槽4側へ導き、低温液槽4での凝縮量を増加することができ、高温液槽6の気相部が高圧力状態となるのを抑制することができる。
また、送風機66の送風量により凝縮量の制御をすることができるので、例えば低温液槽4及び高温液槽6の内部の熱媒液面の上限位置にセンサなどを設け、このセンサからの信号と連動して送風機66の運転、停止或いは送風量調整を行うことも可能である。
図5は、第3実施例の液槽式熱衝撃試験装置の正面断面図である。本実施例の液槽式熱衝撃試験装置は、第1実施例とほぼ同様の構成を有しており、さらに、図示していない冷凍装置に接続された冷却器70と、冷却器70より上部に空気を循環させるための送風機72と、冷却器70の下部に冷却器70により凝縮した熱媒液を回収するための液回収皿74とを備えたベーパー回収器76が設けられている。ベーパー回収器76は、下部に吸込み口、上部に吹き出し口を有する構成となっており、液回収皿74は回収した熱媒液中に含まれる水を分離するための水分離器78に接続されている。
仕切り部材46は、箱形状でその端部がベーパー回収器76の吸込み口に接続され、高温液槽6の気相部42、低温液槽4の気相部40及びベーパー回収器76を連通させるダクト状となっている。
熱衝撃試験の進行とともに、高温液槽6にて加熱された熱媒液20は徐々に蒸発し、その発生した蒸気は、槽の上部に設けられた仕切り部材46の開口56がシャッター58又は蓋60により塞がれることから、図示矢印のように仕切り部材46により形成された流路を通じて直接ベーパー回収器76に導入される。そして、冷却器70により冷却されることで凝縮し、液回収皿74上に落下して回収される。また、回収された熱媒液は、同時に凝縮した空気中の水分含んでいることから、水分離器78により水と分離することで再利用可能となる。
なお、低温液槽4でも少量ではあるが高温液槽6に浸漬して高温状態の試料カゴ28が浸漬することで蒸気が発生するが、高温液槽6での蒸気と同様に直接ベーパー回収器76に導入され回収される。
このように、従来技術のように単に筐体内に拡散した蒸気を凝縮して回収するのではなく、仕切り部材46によって仕切られた狭い空間に充満した蒸気を効率よく凝縮することができる。また、これにより開閉部50が開になった時の蒸気の拡散を抑制することができる。
また、ベーパー回収器76の吸込み口と試験空間44と連通するように連通路80を設けることで、試験空間44内に滞留する蒸気も同時に回収可能となり、回収効率を向上させることが可能となる。
なお、シャッター58,パッキン58a,蓋60,パッキン60aなどによる高温液槽6の密封効果については第1実施例と同様であり、以下の実施例においても同様である。
図6は、第4実施例の液槽式熱衝撃試験装置の正面断面図である。本実施例の液槽式熱衝撃試験装置は、第3実施例とほぼ同様の構成を有しているが、仕切り部材46をベーパー回収器76と連通していない点が異なる。つまり、仕切り部材46は、低温液槽4及び高温液槽6を含む空間を、試験空間44及びベーパー回収器76と隔てるように設けられている。
また、本実施例では、開閉部50の試験空間44側における試料カゴ28の搬送路となる箇所の付近と、ベーパー回収器76とを連通するように、ノズル状の連通路82が設けられている。
これによれば、試験の実行に際して高温液槽6側の開閉部50が開になった時に、蒸気は開閉部50のシャッター58が開いた隙間から拡散するが、これを送風機72の吸引により集中的に冷却器に導いて凝縮することができる。したがって、試験空間44の容積の大小に関わらず、効率的に熱媒液を凝縮、回収することができる。
また、開閉部50の開閉を検出するスイッチなどを設けて、開閉部50の開の信号を受け取ることによって、ベーパー回収器76の送風機72を、予め定められた時間運転するように構成することもできる。
以上、本発明の液槽式熱衝撃試験装置を、各実施例を用いて説明したが、本発明は、これらの実施例に限らず種々の形態に適用できる。例えば、仕切り部材46は、実施例では、低温液槽4及び高温液槽6の気相部に共通に設けているが、高温液槽6の気相部42に対してのみ設けてもよい。
つまり、高温液槽6の上面開口を覆って蓋をするように仕切り部材を設け、この仕切り部材に、被試験物の搬送路となる開閉部を形成して、これを基本構成としてもよい。この場合、低温液槽4にも同様の仕切り部材を設けてもよい。そして、この基本構成において、低温液槽4の気相部40と高温液槽6の気相部42とを連通するように連通路を設けることにより、第1実施例と同様の作用効果を奏することができる。
また、この基本構成において、高温液槽6の気相部42とベーパー回収器76とを連通路により連通させれば第3実施例と同様の作用効果を奏することができる。さらに、この基本構成において、高温液槽6の仕切り部材に形成された開閉部における試験空間44側の付近と、ベーパー回収器76とを、例えばノズル、或いはダクトといった連通路で連通することにより第4実施例と同様の作用効果を奏することができる。
第1実施例の液槽式熱衝撃試験装置の正面断面図である。 第1実施例の開閉部及び搬送手段の構成と、試験装置の動作を説明するための図である。 第1実施例の開閉部及び搬送手段の構成と、試験装置の動作を説明するための図である。 第2実施例の液槽式熱衝撃試験装置の正面断面図である。 第3実施例の液槽式熱衝撃試験装置の正面断面図である。 第4実施例の液槽式熱衝撃試験装置の正面断面図である。
符号の説明
1 液槽式熱衝撃試験装置
2 筐体
4 低温液槽
6 高温液槽
8 搬送手段
10,20 熱媒液
28 試料カゴ
30 支持部材
32 移動装置
40,42 気相部
44 試験空間
46 仕切り部材
48,50 開閉部
52,80 連通路
56 開口
58 シャッター
58a,60a パッキン
60 蓋
66,72 送風機
70 冷却器
74 液回収皿
76 ベーパー回収器
78 水分離器

Claims (2)

  1. 筺体と、該筺体内部に設けられ上面に開口を有する低温液槽及び高温液槽と、該低温液槽及び高温液槽の上部に設けられ被試験物を前記低温液槽及び高温液槽に搬送する搬送手段とを備え、
    前記低温液槽及び前記高温液槽を収容する第1空間と、前記搬送手段を収容する第2空間とを隔てる仕切り部材が設けられ、該仕切り部材は、前記低温液槽及び前記高温液槽の上面開口を覆い、かつ各液槽に対して前記被試験物の搬送路となる開閉部が形成されてなる液槽式熱衝撃試験装置であって、
    前記第2空間には、冷却器及び送風機を備えたベーパー回収器が高さ方向に延在する流路壁を隔てて設けられ、該ベーパー回収器の前記流路壁の下端部に吸い込み口が形成され、該吸い込み口が前記第1空間の前記高温液槽の上方と連通されてなる液槽式熱衝撃試験装置。
  2. 筺体と、該筺体内部に設けられ上面に開口を有する低温液槽及び高温液槽と、該低温液槽及び高温液槽の上部に設けられ被試験物を前記低温液槽及び高温液槽に搬送する搬送手段とを備え、
    前記低温液槽及び前記高温液槽を収容する第1空間と、前記搬送手段を収容する第2空間とを隔てる仕切り部材が設けられ、該仕切り部材は、前記低温液槽及び前記高温液槽の上面開口を覆い、かつ各液槽に対して前記被試験物の搬送路となる開閉部が形成されてなる液槽式熱衝撃試験装置であって、
    前記第2空間には、冷却器及び送風機を備えたベーパー回収器が高さ方向に延在する流路壁を隔てて設けられ、該ベーパー回収器の前記流路壁の下端部に吸い込み口が形成され、該吸い込み口が前記高温液槽に対する搬送路となる前記開閉部の前記第2空間側に配置されてなる液槽式熱衝撃試験装置。
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