JP4731444B2 - コンデンサーマイクロホンユニットおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、コンデンサーマイクロホンユニットおよびその製造方法に関するもので、特に、振動板と固定電極との間隔を適切に設定可能な構造および製造方法に関するものである。
コンデンサーマイクロホンユニットは、音波を受けて振動するフィルム状の振動板と、この振動板との間に適宜の間隔をおいて対向配置された固定電極を主要な構成要素とする。振動板が振動すると、振動板と固定電極とで形成されるコンデンサーの静電容量が変化することによって電気音響変換され、音声信号として出力される。したがって、コンデンサーマイクロホンユニットにおいては、振動板と固定電極との間隔を精度よく設定しかつ安定に保持することが、所定の性能を維持すのに必要なことであり、それに適した構成がとられる。
図8、図9は、従来のコンデンサーマイクロホンユニットの一例を示す。図8、図9において、円筒形状のユニットケース101は前端(図において左端)側において内向きのフランジ121を有し、このフランジ121で囲まれた円形の窓孔111を有している。ユニットケース101内には、前側から順に、振動板保持体102とこの振動板保持体102の後ろ側の面に固着された振動板103、スペーサ108、固定電極105、絶縁座106が重ねられて収納されている。これらの各内蔵部品をユニットケース101に収納した後、ユニットケース101の開放後端部内周のねじ孔に押さえリング107がねじ込まれることにより、上記各部材に適度の押圧力が加えられてユニットケース101内に固定されている。振動板103は、音波を受けて振動するように、周縁部が振動板保持体102の後ろ側の周縁に沿って形成された円形の突堤に、適度の張力が与えられて固着されている。振動板103との間に間隔をおいて対向する振動板保持体102の本体部分には、前部音響端子となる複数の孔112が形成されている。振動板保持体102の外周縁部前面はユニットケース101のフランジ121の内面(後ろ面)に当接している。
上記スペーサ108は、振動板103と固定電極105との間に適宜の間隙を形成するためのもので、プラスチック材料などの絶縁体からなるフィルム状の部材をリング状に打ち抜いて形成されている。このスペーサ108は振動板103の外周縁部と固定電極105の前面側外周縁部との間に介在し、振動板103と固定電極105との間にスペーサ108の厚さに相当する間隔があけられている。スペーサ108と固定電極105が重なる部分はストレー容量となる。ストレー容量があるとマイクロホンとしての感度を低下させるので、ストレー容量は小さいのが望ましい。そこで図8、図9に示す例では、絶縁座106の前面側周縁部に段付きの突堤161を形成し、この突堤161で固定電極105の外周を囲むとともに、突堤161の段部で固定電極105の外周縁部後面を押し、固定電極105の外周縁部前面がスペーサ108の一部に当接している。要するに、固定電極105の外径が振動板保持体102の外径よりも小さく、スペーサ108と固定電極105との接触面積を小さくして、ストレー容量が小さくなるようにしている。なお、固定電極105の表面を所定の精度に仕上げるために、絶縁座106に圧入または接着等によって固定した後、固定電極105の表面を研磨し、次にスペーサ108を振動板103に押し付けることも行なわれている。
図8、図9に示す従来例によれば、スペーサ108と固定電極105との接触面積を小さくしてストレー容量を小さくするという工夫はなされている。しかし、振動板103と固定電極105との間隔はスペーサ108の厚さに依存し、したがってスペーサ108の素材であるフィルムの厚さに依存し、上記間隔を自由に設定することができないという難点がある。
図10、図11は、従来のコンデンサーマイクロホンユニットの別の例を示す。図10、図11において、有底円筒形状のユニットケース201はその底板に相当する部分が前(図において左)側なっていて、この底板に相当する部分に、複数のスリット状の溝211が半径方向に形成され、この溝211が前側音響端子となっている。ユニットケース201内には、前側から順に、振動板保持体202とこの振動板保持体202の後ろ側の面に固着された振動板203、スペーサ208、外周が絶縁リング204で保持された固定電極205、絶縁座206が重ねられて収納されている。これらの各部材をユニットケース201に収納した後、ユニットケース201の開放後端部内周のねじ孔に押さえリング207がねじ込まれることにより、上記各部材に適度の押圧力が加えられてユニットケース201内に固定されている。振動板203は、音波を受けて振動するように、周縁部がリング状の振動板保持体202の後ろ側の面に、適度の張力が与えられて固着されている。振動板保持体202の外周縁部前面はユニットケース201の前寄りの内周面に形成された段部221に当接している。
上記絶縁リング204の前端部には内向きのフランジ214が形成されている。固定電極205の外周縁部215は、上記内向きフランジ214の厚さに相当する分、前面側から落ち込んで段部215となっていて、この段部215が上記内向きフランジ214の後面に当接している。固定電極205の後端面が絶縁座206に当接し、絶縁リング204の後端面と絶縁座206との間には隙間が生じている。スペーサ208には絶縁リング204の前端面が接触し、固定電極205は接触しない。固定電極205の前面と絶縁リング204の前面が精度よく同一面上に位置するように、固定電極205と絶縁リング204とが嵌め合わせられて結合された状態で固定電極205の前面と絶縁リング204の前面が研磨される。
図10、図11に示す従来例によれば、スペーサ208に絶縁リング204が当たるため、ストレー容量を小さくすることができる。しかし、この従来例の場合も、振動板203と固定電極205との間隔はスペーサ208の厚さに依存し、したがってスペーサ208の素材であるフィルムの厚さに依存し、上記間隔を自由に設定することができないという難点がある。
本発明の目的は、上記従来のコンデンサーマイクロホンユニットに見られる問題点を解消し、振動板とこれに対向する固定電極との間隔を精度よく設定することができるとともに安定に保つことができるコンデンサーマイクロホンユニットを提供することにある。
本発明はまた、振動板とこれに対向する固定電極との間隔を精度よく設定する作業を容易に行うことができるコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法を提供することを目的とする。
ところで、本願発明に関連のある発明を記載した特許文献として特許文献1、特許文献2がある。特許文献1記載の発明は、信号を取り出す半導体素子が形成された半導体ウェファよりなる振動板と、振動板の表面に蒸着法により形成された絶縁膜の周囲を残し中央部をエッチングして形成したスペーサと、振動板の絶縁膜を除去した中央部およびスペーサ上に設けたレジストに蒸着して設けたメタルをエッチングして形成した背面電極板よりなる音響センサに関する。そして、特許文献1には、振動板に蒸着とエッチングで形成したスペーサおよび背面電極板をエレクトレットマイクロホンに利用する旨の記載もある。
特許文献1記載の発明は、半導体素子の製造プロセスを応用してエレクトレットマイクロホンユニットを製造することが可能であるため、振動板と固定電極との間隔を精度よく製造することができ、かつ、上記間隔を安定に保持できるであろうと推測できる。しかし、課題の解決手段が、本願発明とは全く異なっている。
特許文献2記載の発明は、ケーシング内に、振動板、背電極(固定電極)、絶縁筒、接触リング、FET等を固定した端子基板を収納し、上記接触リングは導電材からなっていて背電極の背面と端子基板の表面間に介在し、ケーシングの内周面に沿う絶縁筒部とその前端部内側に突出させたスペーサリング部を一体に有する絶縁材を備え、この絶縁材の上記スペーサリング部を振動板と背電極間に介在させ、上記絶縁筒部により背電極および接触リングとケーシングとの間を絶縁してなるコンデンサーマイクロホンに関するものである。
特許文献2記載の発明によれば、背電極と端子基板を、スペーサを兼ねた接触リングで電気的に接続することができ、また、背電極および接触リングとケーシングとの間を絶縁する絶縁材で、振動板と背電極間の間隔を決めるスペーサとして兼用させることができるため、部品点数を少なくすることができるという利点がある。しかしながら、課題の解決手段が、本願発明とは全く異なっている。
特開2004−147152号公報 特開2001−8293号公報
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットは、振動板保持体に保持され音波を受けることによって振動する振動板と、振動板との間に所定の間隙をおいて対向配置されることにより振動板とともにコンデンサーを構成する固定電極と、上記振動板および固定電極を含む内蔵部品を収納するユニットケースと、を備え、上記振動板が振動することによる振動板と固定電極との間の静電容量の変化で電気音響変換するコンデンサーマイクロホンユニットであって、上記固定電極は、上記固定電極と上記振動板との間の静電容量を調整可能にするために、外周面がリング状絶縁座の内周面に中心軸線方向に相対移動可能に嵌められ、上記リング状絶縁座の外周面は、上記ユニットケースの内周面に接触し、
上記リング状絶縁座の一端面は上記振動板の外周縁部を上記振動板保持体に押し付け、上記固定電極は、上記リング状絶縁座の一端面が上記振動板の外周縁部を上記振動板保持体に押し付けた状態で、振動板との間に所定の間隙を形成する位置で上記リング状絶縁座に接着固定されていることを最も主要な特徴とする。
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法は、上記の特徴を有するコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法であって、平板電極上に、リング状絶縁座とこのリング状絶縁座の内周側にリング状絶縁座の内径より小さい径の弾力板を載せる工程と、リング状絶縁座に嵌められている固定電極を上記弾力板に押し付けながら固定電極と平板電極との間の静電容量を計測する工程と、上記静電容量の計測値が所定の値になる位置でリング状絶縁座と固定電極相互を接着して一体化する工程と、一体化したリング状絶縁座と固定電極を他の部材とともにユニットケースに組み込む工程を備えていることを特徴とする。
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットによれば、固定電極は、その外周面がリング状絶縁座の内周面に中心軸線方向に相対移動可能に嵌められ、リング状絶縁座が振動板の外周縁部を上記振動板保持体に押し付けるように構成されているため、振動板と固定電極との間の間隙を連続的に設定することができ、振動板と固定電極との間の間隙を精度よく所望の間隙に設定することができる。間隙を設定した後はリング状絶縁座と固定電極を接着することにより、上記間隙を安定に維持することができる。
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法によれば、単に固定電極と平板電極との間の静電容量を計測するのではなく、固定電極と平板電極との間に弾力板を介在させて計測するため、固定電極の押し付け力を調整することによって静電容量が大小に変化し、所望の静電容量位置を容易に求めることができる。また、リング状絶縁座と固定電極を接着する接着剤が硬化するまでは何度でも調整することができる。
以下、本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットおよびその製造方法の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1乃至図3は、本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの実施例を示す。図1乃至図3において、符号1は有底円筒状のユニットケースを示す。有底円筒状のユニットケース1は底板に相当する部分が前側(図1、図2において左側)で、後ろ側は開放されている。ユニットケース1の底板に相当する部分には、複数のスリット状の溝11が放射状に形成されていて、これらの溝11は前側の音響端子になっている。ユニットケース1内には、前から順に、振動板3を一体に保持した振動板保持体2、固定電極5を一体的に保持したリング状絶縁座4、絶縁座6が収納されている。ユニットケース1の開放端側内周面に形成されたねじに、押さえリング7の外周面に形成されたねじ部がねじ込まれることにより、押さえリング7が絶縁座6をユニットケース1の前側に向かって押している。
振動板3はフィルム状の素材からなる円形の部材で、音波を受けて振動するように、周縁部がリング状の振動板保持体2の後ろ側の面に固着されている。振動板3には適度の張力が与えられて固着されている。ユニットケース1の内周には、ユニットケース1の前端寄りの位置において内径が僅かに小さくなることによって段部12が形成され、この段部12に振動板保持体2の前面外周縁部が当たるようになっている。
上記固定電極5はその外周面がリング状絶縁座4の内周面に嵌められるとともに、リング状絶縁座4に対して固定電極5が中心軸線方向に相対移動可能となっている。ただし、マイクロホンユニットの製造段階において、後述の製造方法の実施例からわかるように、リング状絶縁座4と固定電極5の相対位置関係が調整され、マイクロホンユニットとして完成した状態では、固定電極5と振動板3との間の間隙が所望の間隙に調整され、固定電極5と振動板3が接着によって一体化されている。リング状絶縁座4はその前端面が振動板3の外周縁部を上記振動板保持体2に押し付けている。固定電極5の前面とこれに対向する振動板3との間には所定の間隙が生じるように、固定電極5の前面がリング状絶縁座4の前面から後退している。リング状絶縁座4の後端面に、円板状の絶縁座6の外周縁部が当接している。固定電極5の後端面は絶縁座6の前面から離間している。
以上説明した構成から明らかなように、押さえリング7によって絶縁座6が押されると、絶縁座6により、リング状絶縁座4、振動板3、振動板保持体2が押され、振動板保持体2がユニットケース1の前記段部12に当接し、上記各部材が相互間に押圧力が作用している状態でユニットケース1内に固定されている。リング状絶縁座4に対する固定電極5の相対位置関係が調整されて接着により一体化され、これがユニットケース1に組み込まれることにより、振動板3と固定電極5との間に所定の間隙が形成され、振動板3と固定電極5との間でコンデンサーが形成されている。リング状絶縁座4と固定電極5の相対位置関係が調整可能であることによって、振動板3と固定電極5との間の間隙を精度よく設定し、かつ、振動板3と固定電極5を接着することにより上記間隙を安定に維持することができる。
次に、上記のように構成されるコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法の実施例について説明する。本発明にかかる製造方法は、リング状絶縁座4に対する固定電極5の相対位置関係の調整および接着による一体化に特徴があるので、この特徴部分を中心に順を追って説明する。
図4は最初の工程を示す。本発明にかかる製造方法に必要な機材は、弾力板8と、平板電極9を上面側から埋め込んで上面を平板電極9の上面と同一面にした冶具10と、図示されない静電容量計である。弾力板8は弾力性のある一種のスペーサで、「ウェーブダイヤフラム」と称して、例えば2μm程度の厚さのPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂に波打ち状の微小な凹凸を無数に形成した素材を用いることができる。上記PPS樹脂に微小な凹凸を無数に形成する手段として、例えば、ナイロンメッシュを押し付けて加熱成形し、上記ナイロンメッシュの形状を転写するという手段を用いることができる。上記PPS樹脂の片面には予め500Å程度の厚さに金の蒸着膜が形成されている。弾力板8は波打ち状の微小な凹凸を無数に有することにより、荷重がかからない自然の状態で厚さ(裏面から凸部の上端までの寸法)は12μm程度であるが、厚さ方向に荷重をかけることにより凸部が押しつぶされて全体の厚さ寸法が薄くなる。上記無数の凹凸が均一に形成されているため、極端に偏った荷重をかけない限り、均一に厚さ寸法が変化する。
上記弾力板8は前記リング状絶縁座の内径よりも多少小さい外径の円板状に形成されていて、この弾力板8を冶具10の平板電極9の上に載せる。また、平板電極9の上に、固定電極5が嵌められたリング状絶縁座4を載せる。リング状絶縁座4を先に載せ、次に弾力板8を載せてもよい。
次に、図5に示すように、固定電極5に電気的に接続した端子Aと平板電極9と電気的に一体の冶具10に接続した端子Bとの間に図示されない静電容量計を接続し、固定電極5と平板電極9との間の静電容量を測定しながら固定電極5に荷重Wをかける。荷重Wは徐々に大きくしていく。リング状絶縁座4が冶具10の上面から浮き上がらないように、何らかの押さえ手段を用いるのが望ましい。加重Wが大きくなるに従い、リング状絶縁座4に対して固定電極5がその中心軸線方向に相対移動し、弾力板8を押しつぶし、固定電極5と平板電極9との間隔が徐々に狭くなっていく。これに従い静電容量計で測定される固定電極5と平板電極9との間の静電容量が徐々に増大していく。固定電極5と平板電極9との間隔が所望の間隔になるときの静電容量はあらかじめわかっているので、静電容量計の表示値があらかじめ定められた値に達したとき、上記荷重の増大を停止し、そのときの荷重を維持したまま、固定電極5と平板電極9との間に接着剤を塗布して硬化させ、固定電極5と平板電極9を一体化する。
図6はこのときの様子を示しており、固定電極5と平板電極9との対向面相互の間隔が所定の間隔に精度よく設定される。固定電極5と一体のリング状絶縁座4の前端(図6において下端)面は、前記ユニットケース1に組み込まれた状態では振動板3に当接する。製造過程においては、振動板3に対応するものは平板電極9であり、固定電極5と平板電極9との間隔が、マイクロホンユニットとして組み立てられた状態では固定電極5と振動板3との間隔と等しくなる。よって、マイクロホンユニットとして組み立てる前に、固定電極5と振動板3との間隔を精度よく調整することができる。また、マイクロホンユニットとして組み立てる前に、固定電極5と振動板3との間隔を調整することができるため、この間隔調整がきわめて容易になる利点がある。加えて、静電容量計により定量的に測定することができるので、固定電極5と振動板3との間隔を精度よく、ばらつきが少なく安定に調整することができる利点もある。
接着剤は、塗布してから硬化するまである程度の時間を要するので、固定電極5と振動板3との間に接着剤を塗布した状態で静電容量を測定しながら、固定電極5と振動板3との間隔を調整してもよく、接着剤が硬化するまでは、何度でも静電容量を測定しつつ固定電極5とリング状絶縁座4の相対位置関係を調整することができる。
固定電極5と平板電極9との間隔調整に当たり、固定電極5と平板電極9との間に弾力板8を介在させて固定電極5と平板電極9との間の静電容量を測定している。この際に懸念されることは、弾力板8が押しつぶされることによって弾力板8の誘電率が変化しないか、あるいは、弾力板8の無数の凹凸がその都度異なったつぶれ方をして、静電容量と、固定電極5と平板電極9との間隔が一定の関係にならないのではないか、ということである。
本発明者は、測定装置のモデルを作成してこの点を検証した。金属ベースの上に固定電極を載せ、この固定電極の上に厚さ2μmで片面に金の蒸着膜を形成したPPSウェーブダイヤフラムを、上記蒸着膜を上にして載せ、その上にガラス板を載せた。PPSウェーブダイヤフラムの蒸着膜と上記金属ベースとの間に静電容量計を接続した。1個の重さ23.4kgの重りを4個用意し、上記ガラス板の上に何も載せない場合、1個の重りを載せた場合、2個の重りを載せた場合、3個の重りを載せた場合、4個の重りを載せた場合について、静電容量計によりPPSウェーブダイヤフラムと金属ベースとの間の静電容量を測定した。その結果は以下のとおりである。

ガラス板のみの場合 0.597(μF)
重り1個の場合 0.667(μF)
重り2個の場合 0.692(μF)
重り3個の場合 0.710(μF)
重り4個の場合 0.719(μF)
上記測定結果をグラフに表したものが図7である。横軸に荷重をとり、縦軸に静電容量をとっている。荷重は、冶具のみ、すなわち上記ガラス板のみが載せられている場合と、重りを1個、2個、3個、4個と増やし、そのときの静電容量をプロットしている。このグラフから分かるとおり、重りが1個から3個まで、したがって、荷重が約23kgから約70kgまでの範囲で静電容量がリニアに変化していて、この範囲では所定の荷重をかければ、固定電極5と平板電極9との間隔を所定の間隔に設定することができる。
以上説明した本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットおよび本発明にかかる製造方法で製造されたコンデンサーマイクロホンユニットは、これをマイクロホンケースに収納し、その他必要な電装品、例えば、回路基板、コネクタなどを組み込むことによってコンデンサーマイクロホンを構成することができる。
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの実施例を示す分解縦断面図である。 上記実施例の縦断面図である。 上記実施例の正面図である。 本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法の実施例の一工程を示す分解縦断面図である。 上記製造方法の実施例の別工程を示す縦断面図である。 上記製造方法の実施例のさらに別工程を示す縦断面図である。 本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法を実施するに当たり固定電極とガラス板の間に弾力板を介在させ弾力板にかける荷重を変化させたときの静電容量の変化を検証した結果を示すグラフである。 従来のコンデンサーマイクロホンユニットの一例を示す縦断面図である。 上記従来例の分解縦断面図である。 従来のコンデンサーマイクロホンユニットの別の例を示す縦断面図である。 上記従来例の分解縦断面図である。
符号の説明
1 ユニットケース
2 振動板保持体
3 振動板
4 リング状絶縁座
5 固定電極
6 絶縁座
7 押さえリング
8 弾力板
9 平板電極
10 冶具
11 音響端子
12 段部

Claims (6)

  1. 振動板保持体に保持され音波を受けることによって振動する振動板と、上記振動板との間に所定の間隙をおいて対向配置されることにより上記振動板とともにコンデンサーを構成する固定電極と、上記振動板および上記固定電極を含む内蔵部品を収納するユニットケースと、を備え、上記振動板が振動することによる上記振動板と上記固定電極との間の静電容量の変化で電気音響変換するコンデンサーマイクロホンユニットであって、
    上記固定電極は、上記固定電極と上記振動板との間の上記静電容量を調整可能にするために、外周面がリング状絶縁座の内周面に中心軸線方向に相対移動可能に嵌められ、
    上記リング状絶縁座の外周面は、上記ユニットケースの内周面に接触し、
    上記リング状絶縁座の一端面は上記振動板の外周縁部を上記振動板保持体に押し付け、
    上記固定電極は、上記リング状絶縁座の一端面が上記振動板の外周縁部を上記振動板保持体に押し付けた状態で、上記振動板との間に所定の間隙を形成する位置で上記リング状絶縁座に接着固定されていることを特徴とするコンデンサーマイクロホンユニット。
  2. ユニットケース内には、振動板を保持した振動板保持体、リング状絶縁座、このリング状絶縁座に当接する絶縁がこの順に収納され、上記ユニットケースの内周側にねじ込まれた抑えリングで上記絶縁が押されることによって、上記各内蔵部品がユニットケース内に固定されている請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  3. 絶縁座と固定電極は離間している請求項2記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  4. 振動板保持体に保持され音波を受けることによって振動する振動板と、上記振動板との間に所定の間隙をおいて対向配置されることにより上記振動板とともにコンデンサーを構成する固定電極と、上記振動板および上記固定電極を含む内蔵部品を収納するユニットケースと、を備え、上記固定電極は、外周面がリング状絶縁座の内周面に中心軸線方向に相対移動可能に嵌められ、上記振動板が振動することによる上記振動板と上記固定電極との間の静電容量の変化で電気音響変換するコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法であって、
    平板電極上に、上記リング状絶縁座とこのリング状絶縁座の内周側に上記リング状絶縁座の内径より小さい径の弾力板を載せる工程と、
    上記リング状絶縁座に嵌められている上記固定電極を上記弾力板に押し付けながら上記固定電極と平板電極との間の静電容量を計測する工程と、
    上記静電容量の計測値が所定の値になる位置で上記リング状絶縁座と上記固定電極相互を接着して一体化する工程と、
    一体化した上記リング状絶縁座と上記固定電極を他の部材とともに上記ユニットケースに組み込む工程を備えたコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法。
  5. 弾力板は、成形によって波状の凹凸を無数に形成したプラスチックフィルムからなる請求項4記載のコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法。
  6. リング状絶縁座と固定電極相互を接着する接着剤が硬化するまでの間に上記固定電極と平板電極との間の静電容量を計測し計測値が所定の値になる位置を求める請求項4記載のコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法。
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