JP3805577B2 - 振動変換器およびこの振動変換器を備えた加速度センサ - Google Patents

振動変換器およびこの振動変換器を備えた加速度センサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音または振動を電気信号に変換する振動変換器および、この振動変換器を備えた加速度センサに関し、特に、広い周波数帯域にわたって安定した出力が得られる振動変換器および、この振動変換器を備えた加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、実用化されている音・振動センサには、電磁型、圧電型、半導体型等種々の方式により音・振動を電気信号に変換して検出するものが知られている。このような音・振動センサのうち、オーディオ回路用マイクロホンに適したものとして、コンデンサ型のものが一般的に普及している。この従来のコンデンサ型マイクロホンは、図9に示されるように、広い範囲にわたって平坦な周波数特性を有する。
【0003】
このコンデンサ型マイクロホンの一例として、エレクトレット化した高分子フィルムを使用したエレクトレットコンデンサ型マイクロホン10を図10に示す。同図に示されるように、従来のエレクトレットコンデンサ型マイクロホン10は、振動体3と、振動体3と所定の間隔で離隔する金属背極5と、を備えている。振動体3と背極5は、絶縁体7により互いに絶縁保持され、金属ケース1内に収容される。背極5の一方の平面5a上には、高分子フィルムが固着され、エレクトレット化されたエレクトレット膜9が形成される。このエレクトレット膜9は、振動体3側が負極になるように分極している。
【0004】
このようにエレクトレット膜9を挟んで、所定の間隔を隔てて配置された振動体3と背極5が、コンデンサを形成する。従来のマイクロホン10は、振動体3が振動すると、このコンデンサの容量が変化するので、この容量変化を検出することにより、振動を検出することができるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の音・振動センサ10においては、その周波数特性が、低周波帯域においては、広い範囲にわたって平坦であり、安定した出力が得られるが、図9に示されるように高周波帯域においては、安定した出力が得られないといった問題点があった。これは、加速度センサなどの、特定の周波数帯域で安定した出力が求められる場合、不都合である。
【0006】
また、金属ケース1内に所定の間隔を隔てて配置される振動体3と背極5や、絶縁体7の組立作業をより簡単に、より正確に行えることが望まれる。さらに、従来のマイクロホン10を加速度センサなどに含まれる振動変換器として応用できるようにするために、金属ケース1の気密性を高め、金属ケース1内にノイズなどが侵入しないよう構成できることが望まれる。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、比較的構造が簡単であり、低価格で、広域にわたり安定した周波数特性が得られる高い性能を有する優れた振動変換器および、この振動変換器を備えた加速度センサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、上記課題を解決するために、振動を電気信号に変換する振動変換器が、電極面を有する第1の電極と、この第1の電極の電極面と所定の間隔で実質的に平行に離隔して対向する平面を有し、この平面と実質的に垂直な方向に振動可能な振動体と、この振動体の前記平面上に形成された第2の電極と、前記第1および第2の電極の間に介在するエレクトレット膜と、を含むコンデンサと、天面と、下端外周部につば状の取付部と、導電性の内部表面と、を有する筒状のケースと、所定の導電路が設けられた平面を有する回路基板と、この回路基板の平面上に載置され、前記第1および第2の電極のうちの一方の電極と前記導電路を介して電気的に接続された電気インピーダンス変換器と、前記一方の電極を前記ケースの前記内部表面と絶縁するとともに、他方の電極を前記ケースの前記内部表面と電気的に接続するように、前記コンデンサを前記ケース内に保持する絶縁体と、前記ケースの取付部と機械的に固定されるとともに電気的に接続され、前記電気インピーダンス変換器を前記ケース内に収容するように前記回路基板を前記ケース内に保持する導電性の平板と、前記電気インピーダンス変換器と電気的に接続され、前記平板を介して外部と電気信号を入出力する端子ピンと、この端子ピンを前記平板と絶縁する絶縁体と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
エレクトレット膜は、持続性のある電気分極特性を有し、良好な誘電体として作用する。このエレクトレット膜を一対の電極(第1および第2の電極)の間に介在させ、コンデンサを形成する。一対の電極のうちの一方を振動体上に形成する。このようにして形成されたコンデンサは、振動に応じて容量変化を生じる。この容量変化を検出することにより振動を検出するものである。出力は電気インピーダンス変換器を介して外部に取り出される。
【0010】
この構成によれば、下端外周部につば状の取付部を有するケース内に、エレクトレット膜を挟んで所定の間隔で離隔して対向する一対の電極を配置し、一対の電極の一方をケース内部と電気的に接続し、一対の電極の他方をケースと絶縁するように保持する絶縁体をさらに設け、必要な電気回路を搭載した回路基板をさらにケース内に収容し、平板で押さえ、その端部でケースの取付部と固定しているので、比較的簡単な構成で、安価な、広域にわたり安定した周波数特性が得られる高い性能を有する優れた振動変換器を得ることができる。
【0011】
前記振動体は、導電性の薄膜あるいは、金属振動板からなるのが好ましい。この構成によれば、一対の電極のうち一方の電極を振動体と一体とすることができ、より構成が簡略化される。前記平板と前記ケースの取付部とが、スポット溶接、レーザ溶接などにより機械的に固定されるとともに電気的に接続されるのが好ましい。この構成によれば、簡単な構造で、確実にケースと平板を固定することができ、ケース内部の気密性を高めることができる。
【0012】
前記エレクトレット膜は、高分子フィルム、あるいはSiO2からなるエレクトレット材を前記第1および第2の電極の何れか一方の平面上に固着し、エレクトレット化して形成されたエレクトレット層であるのが好ましい。エレクトレット材は熱融着などにより固着できる。前記電気インピーダンス変換器は、電解効果トランジスタを含む。前記ケースは、天面に形成された音孔を有してもよい。
【0013】
また、上述の振動変換器において、前記平板が開口部を有し、前記振動体変換器が、前記電気インピーダンス変換器が載置された前記回路基板の前記平面とは反対側の平面の、前記平板の開口部に対応する位置に設置される前記振動変換器の動作を調節する調節手段をさらに備えてもよい。この構成によれば、組立後にアンプゲインおよび周波数特性などの調節が、振動変換器の外部から可能であるので、信頼性の高い振動変換器を提供することが可能となる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、上記課題を解決するために、加速度センサが、請求項1乃至5の何れかに記載の振動変換器を備え、この振動変換器からの電気信号に基づいて加速度を検出することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、請求項1乃至5に記載の振動変換器と同様な作用効果を有する加速度センサが提供される。すなわち比較的簡単な構成で、安価な、広域にわたり安定した周波数特性が得られる高い性能を有する優れた加速度センサを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る加速度センサは、電極面を有する第1の電極と、この第1の電極の電極面と所定の間隔で実質的に平行に離隔して対向する平面を有し、この平面と実質的に垂直な方向に振動可能な振動体と、この振動体の前記平面上に形成された第2の電極と、前記第1および第2の電極の間に介在するエレクトレット膜と、を含むコンデンサと、天面と、下端外周部につば状の取付部と、導電性の内部表面と、を有する筒状のケースと、所定の導電路が設けられた平面を有する回路基板と、この回路基板の平面上に載置され、前記第1および第2の電極のうちの一方の電極と前記導電路を介して電気的に接続された電気インピーダンス変換器と、前記一方の電極を前記ケースの前記内部表面と絶縁するとともに、他方の電極を前記ケースの前記内部表面と電気的に接続するように、前記コンデンサを前記ケース内に保持する絶縁体と、前記ケースの取付部と機械的に固定されるとともに電気的に接続され、前記電気インピーダンス変換器を前記ケース内に収容するように前記回路基板を前記ケース内に保持する導電性の平板と、前記電気インピーダンス変換器と電気的に接続され、前記平板を介して外部と電気信号を入出力する端子ピンと、この端子ピンを前記平板と絶縁する絶縁体と、を含む振動を電気信号に変換する振動変換器を備えており、この振動変換器からの電気信号に基づいて加速度を検出するものである。
【0017】
エレクトレット膜は、持続性のある電気分極特性を有し、良好な誘電体として作用する。このエレクトレット膜を一対の電極の間に介在させ、コンデンサを形成する。一対の電極のうちの一方を振動体上に形成する。このようにして形成されたコンデンサは、振動に応じて容量変化を生じる。この容量変化を検出することにより振動を検出するものである。出力は電気インピーダンス変換器を介して外部に取り出される。
【0018】
この構成によれば、下端外周部につば状の取付部を有するケース内に、エレクトレット膜を挟んで所定の間隔で離隔して対向する一対の電極を配置し、一対の電極の一方をケース内部と電気的に接続し、一対の電極の他方をケースと絶縁するように保持する絶縁体をさらに設け、必要な電気回路を搭載した回路基板をさらにケース内に収容し、平板で押さえ、その端部でケースの取付部と固定しているので、比較的簡単な構成で、安価な、広域にわたり安定した周波数特性が得られる高い性能を有する優れた加速度センサを得ることができる。
【0019】
前記振動体は、金属振動板からなるのが好ましい。この構成によれば、一対の電極のうち一方の電極を振動体と一体とすることができ、より構成が簡略化される。前記平板と前記ケースの取付部とが、スポット溶接、レーザ溶接などにより機械的に固定されるとともに電気的に接続されるのが好ましい。この構成によれば、簡単な構造で、確実にケースと平板を固定することができ、ケース内部の気密性を高めることができる。
【0020】
前記エレクトレット膜は、高分子フィルム、あるいはSiO2からなるエレクトレット材を前記第1および第2の電極の何れか一方の平面上に固着し、エレクトレット化して形成されたエレクトレット層であるのが好ましい。エレクトレット材は熱融着などにより固定できる。前記電気インピーダンス変換器は、電解効果トランジスタを含む。
【0021】
また、上述の加速度センサにおいて、前記平板が開口部を有し、前記振動変換器が、前記電気インピーダンス変換器が載置された前記回路基板の前記平面とは反対側の平面の、前記平板の開口部に対応する位置に設置される前記振動変換器の動作を調節する調節手段をさらに備えてもよい。この構成によれば、組立後にアンプゲインおよび周波数特性などの調節が、振動変換器の外部から可能であるので、信頼性の高い加速度センサを提供することが可能となる。
【0022】
あるいは、別の態様として、金属ケースの天面に音孔を設け、振動体を導電性の薄膜で構成することにより、上述の実施の態様と同様な作用効果を有する音・振動センサを得ることができる。
【0023】
【第1実施例】
以下、本発明に係る加速度センサの振動変換器の第1実施例について、図1乃至4を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素は同じ参照記号および符号を用いて示してある。
【0024】
図1は、本発明に係る加速度センサの第1実施例の振動変換器20の断面図である。振動変換器20は、加速度センサが受ける振動を電気信号に変換し、出力するものである。同図に示されるように、振動変換器20は、電極面25aを有する円盤状の金属板からなる固定電極25と、固定電極25の電極面25aと所定の間隔dで実質的に平行に離隔して対向する平面27aを有し、平面27aと実質的に垂直な方向に振動可能な円盤状の金属板からなる振動体27と、固定電極25の電極面25a上に形成されたエレクトレット層23と、固定電極25と金属振動体27の間に介在する、所定の厚さdを有するリング状の絶縁部材からなるスペーサ29と、を備えている。
【0025】
本実施例では、固定電極25の電極面25a上に、エレクトレット層23が形成されているが、他の実施例において、振動体27の一方の平面27a上に形成してもよい。すなわち、固定電極25および振動体27の間にエレクトレット膜が介在していれば良い。
【0026】
エレクトレット層23は、高分子フィルムからなるエレクトレット材を固定電極25の電極面25a上に熱融着により固着し、エレクトレット化して形成される。このようにエレクトレット化された高分子フィルムは、持続性のある電気分極特性を有し、良好な誘電体として作用する。エレクトレット層23は、振動体27側が負極になるように分極している。本実施例の振動変換器20は、固定電極25と振動体27が、一対の電極として作用し、これらが誘電体であるエレクトレット層23とともにコンデンサを形成する。
【0027】
エレクトレット材としての高分子フィルムは、ポリエステルフィルムが好ましく、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)フィルムなどがある。他の実施例において、エレクトレット層23は、SiO2からなるエレクトレット材を固定電極25に熱融着により固着し、エレクトレット化して形成されてもよい。スペーサ29の厚さdは数10μmである。
【0028】
また、他の実施例として、振動体は、絶縁材料からなり、その表面にメッキまたは金属蒸着を施して、振動体の表面に導電性を有するようにしたものであっても良い。図2に本実施例の振動体27の上面図を示すが、これに限定されるものではなく、種々の形状が考えられる。図2に示されるように、振動体27は、所定の厚さの円盤形状を有し、所定の面積を有する振動部27bと、振動部27bを振動可能に支持する支持部27cと、支持部27cと一体となって振動部27bを支持するとともに、装置へ取付けを可能にするリング状の取付部27dと、から構成される。他の実施例として、振動部27bは、矩形であってよい。また、振動体27は、導電性材料で形成された薄膜振動体であってもよい。
【0029】
図1に戻り、本実施例の振動変換器20は、天面21aと、下端外周部につば状の取付部21bと、を有する筒状の金属ケース21と、図示されない所定の導電路が設けられた平面35aを有する回路基板35と、この回路基板35の平面35a上に載置された電気インピーダンス変換器33と、回路基板35と金属振動体27との間に介在する金属リング39と、をさらに備えている。
【0030】
他の実施例として、ケースは、樹脂などからなり、その内部表面にメッキまたは金属蒸着を施して、ケースの内部表面に導電性を有するようにしたものであっても良い。
【0031】
電気インピーダンス変換器33は、電解効果トランジスタ(以後、「FET」と呼ぶ)からなる。FET33は、コンデンサの出力のインピーダンス変換をするためのものである。本実施例の振動変換器20の固定電極25と振動体27が形成するコンデンサは、空気容量のため、その容量が数10pF程度と小さい。従って高インピーダンスとなるので、インピーダンス変換が必要となる。理論的には、コンデンサの場合、ω=0(ω=2πf)まで出力が得られるが、実質的には、FET33の入力インピーダンスの大小によりその限界が決定される。
【0032】
尚、本実施例のFET33は、ソース接地方式(二線式)で使用しているが、性能的により安定しているソースフォロワ方式(三線式)などでもよいことは言うまでもない。
【0033】
固定電極25と、スペーサ29と、振動体27と、金属リング39と、回路基板35と、はケース21内に絶縁体31を介して収容され、ケース21の取付部21bと固定される端部を有する金属平板37が、これらの部品を押さえている。ケース21と金属平板37は、スポット溶接またはレーザ溶接などにより固定される。ケース21の内部には、窒素などが封入されて密閉されてもよい。
【0034】
このようにして、固定電極25は、エレクトレット層23が形成されていない他方の平面25bにおいてケース21の天面21aに当接し、金属ケース21と電気的に接続され、一方、振動体27は金属ケース21と絶縁体31により絶縁されるとともに、金属リング39および導電路を介して回路基板35上のFET33と電気的に接続される。
【0035】
回路基板35は、FET33の出力端子と電気的に接続される端子ピン41aおよび41bを有し、金属平板37に形成された2つの貫通孔37aを介して、それぞれ振動変換器20の外部に取り出されるように構成されている。貫通孔37aには、絶縁材料からなるポッティング材38などが充填される。これは、出力端子ピン41aおよび41bを金属平板37から絶縁保持するとともに、振動変換器20内部への湿度などに対する信頼性を向上するためのものである。
【0036】
また、回路基板35には、その他に抵抗、コンデンサなどの電気部品43が搭載されている。他の実施例として、金属平板は、樹脂などからなり、その表面にメッキまたは金属蒸着を施して、平板の表面に導電性を有するようにしたものであっても良い。
【0037】
図3は、図1に示された本実施例の振動変換器20の等価的電気回路図である。同図に示されるように、金属固定電極25の表面にはエレクトレット層23により陰イオンが存在する。C1は金属振動体27と金属固定電極25の間に形成されるコンデンサを示している。Rは負荷抵抗、C2はカップリングコンデンサを示している。振動体27は、金属リング39を介してFET33の入力端子33aと電気的に接続され、一方、固定電極25は、ケース21および金属平板37を介してアースされている。FET33の出力端子33bは、負荷抵抗RおよびカップリングコンデンサC2に電気的に接続される。それぞれ出力端子ピン41aおよび41bを介して、出力が取り出されるようになっている。
【0038】
以下、本実施例の振動変換器20の作用を説明する。
【0039】
本実施例において、加速度センサが外部より振動を受けると、金属振動体27が図3の矢印D方向、すなわち、振動体27の平面に実質的に垂直な方向に振動する。このとき、振動体27の質量をmとし、外部振動を加速度Gとすると、この振動体27にはF=m×Gの力が働き、この力Fにより、コンデンサC1は振動変化分だけ容量変化ΔCを生じる。即ち、コンデンサの容量はC1=C1±ΔCとなる。この容量変化ΔCは電圧変化ΔVとして得ることができ、この電圧変化ΔVはFET33により電気インピーダンス変換され電気信号として取り出される。
【0040】
本実施例の振動変換器20の周波数特性の平坦部の感度は、金属固定電極25と金属振動体27の呈する等価的有効面積、金属固定電極25と金属振動体27の等価ギャップ、浮遊容量、FET33の利得等によって左右される。
【0041】
このように構成された振動変換器20は、図4に示されるような周波数特性を有する。すなわち、共振点f0付近では、高いQを有し、中および低周波数領域では平坦な特性を示す。このように低周波数帯域の平坦部のみでなく、高周波数帯域においても、特定の周波数(共振点f0)における振動検出が可能となり、広域にわたり安定した周波数特性を有する振動変換器が提供される。従って、本実施例の振動変換器20は、加速度センサにおいても、その使用目的により、平坦部または共振点f0近傍の振動出力を選択して使用することが可能となる。
【0042】
本実施例によれば、比較的構造が簡単で、製造コストが低く、量産でき、高性能な優れた加速度センサの振動変換器を提供することができる。
【0043】
【第2実施例】
図5に本発明にかかる加速度センサの振動変換器の第2実施例の断面図を示す。同図に示されるように、第2実施例の振動変換器50は、図1に示された第1実施例の振動変換器20から固定電極25が削除された以外は同じ構成となっている。すなわち、少なくとも金属ケース21の天面21aを覆うように高分子フィルムで直接被覆し、エレクトレット化してエレクトレット層23を形成したものである。このように構成された振動変換器50においても、第1実施例の振動変換器20と同様な作用効果が得られる。また、図5のようにエレクトレット層23は、金属ケース21の内面全域を覆うように形成されてもよく、このようにすれば絶縁体31は省略することもできる。
【0044】
【第3実施例】
図6に本発明にかかる振動変換器の第3実施例の断面図を示す。特に、第3実施例の振動変換器60は、音を検出する音センサに適している。同図に示されるように、第3実施例の振動変換器60は、図1に示された第1実施例の振動変換器20の固定電極25と、振動体27の配置を逆転させた構成となっている。第3実施例の振動変換器60は、第1実施例の振動変換器20の金属ケース21の替りに、天面61aの略中央部に音孔部61cを有する金属ケース61と、第1実施例の固定電極25の替りに複数の貫通孔65cを有する固定電極65と、第1実施例の金属振動体27の替りに導電性膜からなる振動体67と、を備えている。固定電極65の貫通孔65cは、センサ内の通気のためのものである。さらに、第3実施例の振動変換器60は、第1実施例の振動変換器20の構成に加えて、振動体67とケース61の天面61aの間に介在する導電性材料からなるリング63を備えている。
【0045】
本実施例の振動体67は、振動体67の等価面積をSとすると、微弱な音圧Pによる、力F=P×Sを検出することになる。振動体67は、薄膜などによる構成が好適である。このように構成された振動変換器60においても、第1実施例の振動変換器20と同様な作用効果が得られる。
【0046】
【第4実施例】
図7に本発明にかかる加速度センサの振動変換器の第4実施例の断面図を示す。同図に示されるように、第4実施例の振動変換器70は、図1に示された第1実施例の振動変換器20のエレクトレット層23を、固定電極25上ではなく、振動体27上に形成した点が異なる以外は同じ構成となっている。すなわち、振動体27の一方の平面27aを高分子フィルムで被覆し、エレクトレット化してエレクトレット層23を形成したものである。このように構成された振動変換器70においても、第1実施例の振動変換器20と同様な作用効果が得られる。
【0047】
【第5実施例】
図8に本発明にかかる加速度センサの振動変換器の第5実施例の断面図を示す。同図に示されるように、第5実施例の振動変換器80は、図1に示された第1実施例の振動変換器20の金属平板37の替りに、その中央部に中心孔81aが形成された金属平板81と、第1実施例の振動変換器20の回路基板35の替りに、平面83aおよび83bを有し、その中央部に中心孔83cが形成された回路基板83と、その回路基板83の平面83b上に載置され取付られたアンプゲインおよび周波数特性などを調節するための電子回路部品85と、を備えている以外は第1実施例の振動変換器20と同じ構成である。回路基板83の中心孔83cは、回路基板83の一方の平面83aからその反対側の他方の平面83bへ配線を取り出すためのものであり、組立後に、この中心孔83cは絶縁材料86により密封される。また、金属平板81の中心孔81aも、組立後に、ポッティング材87などが封入される。
【0048】
このように構成された振動変換器80によれば、組立後にアンプゲインおよび周波数特性などの調節が、振動変換器80の外部から可能であるので、信頼性の高い加速度センサを提供することが可能となる。
【0049】
また、本実施例の別の態様として、回路基板83の一方の平面83a上には、基本構成部品のみを搭載し、回路基板83の他方の平面83b上には、特別な仕様に応じた電子回路部品を搭載するように構成すれば、多岐にわたる仕様に対応する加速度センサを量産させる際、基本構成部品を標準化して生産し、その後、種々の仕様に対応する部分のみ、外部から追加することにより、追加部のみの製造および試験を行えば良いことになり、好都合である。このように構成された振動変換器80においても、第1実施例の振動変換器20と同様な作用効果が得られる。
【0050】
尚、第1乃至5実施例において、コンデンサを分割させ2つのコンデンサを有する振動変換器とすることにより、一方のコンデンサに電圧を印加させて、振動体を振動させ、この振動によって生じた電圧変化を他方のコンデンサで検出して取り出すことにより、自己診断機能を有した加速度センサを構成することが可能である。この場合も、上述の実施例と同様な作用効果が得られる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、下端外周部につば状の取付部を有するケース内に、エレクトレット膜を挟んで所定の間隔で離隔して対向する一対の電極を配置し、一対の電極の一方をケース内部と電気的に接続し、一対の電極の他方をケースと絶縁するように保持する絶縁体をさらに設け、必要な電気回路を搭載した回路基板をさらにケース内に収容し、平板で押さえ、その端部でケースの取付部と固定しているので、比較的簡単な構成で、安価な、広域にわたり安定した周波数特性が得られる高い性能を有する優れた加速度センサを得ることができる。
【0052】
また、振動体は金属振動板からなるので、一対の電極のうち一方の電極を振動体と一体とすることができ、より構成が簡略化される。さらに、前記平板と前記ケースの取付部とが、スポット溶接、レーザ溶接などにより機械的に固定されるとともに電気的に接続されるので、簡単な構造で、確実にケースと平板を固定することができ、ケース内部の気密性を高めることができる。
【0053】
また、上述の振動変換器は、前記平板が開口部を有し、前記電気インピーダンス変換器が載置された前記回路基板の前記平面とは反対側の平面の、前記平板の開口部に対応する位置に設置される前記振動変換器の動作を調節する調節手段をさらに備えているので、組立後にアンプゲインおよび周波数特性などの調節が、振動変換器の外部から可能であるので、信頼性の高い振動変換器を提供することが可能となる。
【0054】
さらに本発明によれば、金属ケースの天面に音孔を設け、振動体を導電性の薄膜で構成することにより、上記の発明と同様な作用効果を有する音センサに適した振動変換器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加速度センサに含まれる振動変換器の第1実施例の断面図である。
【図2】図1に示された振動変換器の振動体の上面図である。
【図3】図1に示された振動変換器の等価的電気回路図である。
【図4】図1に示された加速度センサの振動変換器の周波数特性図である。
【図5】本発明に係る加速度センサに含まれる振動変換器の第2実施例の断面図である。
【図6】本発明に係る振動変換器の第3実施例の断面図である。
【図7】本発明に係る加速度センサに含まれる振動変換器の第4実施例の断面図である。
【図8】本発明に係る加速度センサに含まれる振動変換器の第5実施例の断面図である。
【図9】一般的な音・振動センサの周波数特性図である。
【図10】従来の音・振動センサの断面図である。
【符号の説明】
20、50、60、70、80 振動変換器
21、61 金属ケース(ケース)
21b、61b 取付部
23 エレクトレット層(エレクトレット膜)
25、65 固定電極(第1の電極)
27、67 振動体(振動体、第2の電極)
29 スペーサ
31 絶縁体
33 FET(電気インピーダンス変換器)
35、83 回路基板
37、81 金属平板(平板)
39 金属リング
41a、41b 端子ピン
43 電子回路部品
85 電子回路部品(調節手段)

Claims (6)

  1. 振動を電気信号に変換する振動変換器であって、
    電極面を有する第1の電極と、この第1の電極の電極面と所定の間隔で実質的に平行に離隔して対向する平面を有し、この平面と実質的に垂直な方向に振動可能な振動体と、この振動体の前記平面上に形成された第2の電極と、前記第1および第2の電極の間に介在するエレクトレット膜と、を含むコンデンサと、
    天面と、下端外周部につば状の取付部と、導電性の内部表面と、を有する筒状のケースと、
    所定の導電路が設けられた平面を有する回路基板と、
    この回路基板の平面上に載置され、前記第1および第2の電極のうちの一方の電極と前記導電路を介して電気的に接続された電気インピーダンス変換器と、
    前記一方の電極を前記ケースの前記内部表面と絶縁するとともに、他方の電極を前記ケースの前記内部表面と電気的に接続するように、前記コンデンサを前記ケース内に保持する絶縁体と、
    前記ケースの取付部と機械的に固定されるとともに電気的に接続され、前記電気インピーダンス変換器を前記ケース内に収容するように前記回路基板を前記ケース内に保持する導電性の平板と、
    前記電気インピーダンス変換器と電気的に接続され、前記平板を介して外部と電気信号を入出力する端子ピンと、
    この端子ピンを前記平板と絶縁する絶縁体と、を備えたことを特徴とする振動変換器。
  2. 前記エレクトレット膜が、高分子フィルムからなるエレクトレット材を前記第1および第2の電極の何れか一方の平面上に固着し、エレクトレット化して形成されたエレクトレット層であることを特徴とする請求項1に記載の振動変換器。
  3. 前記平板が、開口部を有し、
    前記振動変換器が、前記電気インピーダンス変換器が載置された前記回路基板の前記平面とは反対側の平面の、前記平板の開口部に対応する位置に設置される前記振動変換器の動作を調節する調節手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の振動変換器。
  4. 前記振動体が、導電性の薄膜からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の振動変換器。
  5. 前記ケースが、天面に形成された音孔を有することを特徴とする請求項4に記載の振動変換器。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の振動変換器を備え、この振動変換器からの電気信号に基づいて加速度を検出することを特徴とする加速度センサ。
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