JP2006332799A - 音響センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能な音響センサを提供する。
【解決手段】音響センサチップ1の後面側に対向配置されるベース基板2と、音響センサチップ1とベース基板2との間に配置されるフレーム4とで、音響センサチップ1の後面側に配置され音響センサチップ1との間に背室6を形成するハウジングを構成している。ハウジングとの間で音響センサチップ1を囲むようにハウジングに封着されたシールドケース5は、音響センサチップ1の振動板部12に対向する前壁5aに音孔51が形成され、音響センサチップ1は、支持部11におけるシールドケース5の前壁5aの後面との接合面に背室6と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝9が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】音響センサチップ1の後面側に対向配置されるベース基板2と、音響センサチップ1とベース基板2との間に配置されるフレーム4とで、音響センサチップ1の後面側に配置され音響センサチップ1との間に背室6を形成するハウジングを構成している。ハウジングとの間で音響センサチップ1を囲むようにハウジングに封着されたシールドケース5は、音響センサチップ1の振動板部12に対向する前壁5aに音孔51が形成され、音響センサチップ1は、支持部11におけるシールドケース5の前壁5aの後面との接合面に背室6と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝9が形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、携帯電話、補聴器などの音声入力用途や、超音波センサの受波装置などに利用される小型の音響センサに関するものである。
従来から、振動板およびバックプレートを有する静電容量型の受波素子と、受波素子の後面側に配置され受波素子との間に背室を形成するハウジングと、受波素子およびハウジングを囲むようにハウジングに取り付けられたシールドケースとを備えた音響センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、上記特許文献1に開示された音響センサは、金属製のシールドケースにおいて受波素子の振動板に対向する前壁に音孔が形成されるとともに、ハウジングの一部ないし全部を構成する合成樹脂製のカバープレートにおける受波素子の周部との対向面およびシールドケースにおける前壁の後面それぞれに、背室と外部とを連通させるための切欠部が形成されている。
また、従来から、受波素子として、例えば、シリコン基板などをマイクロマシンニング技術などにより加工して形成され、枠状の支持部の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部からなる可動電極の後面側に絶縁材料からなるスペーサ部を介して背板部からなる固定電極が設けられた静電容量型の音響センサチップが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−339192号公報
特開2003−31820号公報
ところで、上記特許文献1に開示された音響センサの小型化を図るために、受波素子として上記特許文献2に記載されているようにマイクロマシンニング技術を利用して形成された静電容量型の受波素子を用いることが考えられる。
しかしながら、上記特許文献1に開示された音響センサでは、金属製のシールドケースや合成樹脂製のカバープレートに形成した切欠部により音響抵抗を設定しているので、切欠部の加工精度に起因してセンサ毎のカットオフ周波数がばらつきやすかった。また、センサ全体の小型化を図りつつカットオフ周波数を低くするには、音響抵抗を設定する流路の断面積を小さくする必要があるが、より断面積の小さな流路を精度良く且つ再現性良く形成することが難しかった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能な音響センサを提供することにある。
請求項1の発明は、枠状の支持部の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部の後面側にスペーサ部を介して背板部が設けられた静電容量型の音響センサチップと、音響センサチップの後面側に配置され音響センサチップとの間に背室を形成するハウジングと、ハウジングとの間で音響センサチップを囲むようにハウジングに封着されたシールドケースとを備え、シールドケースは、音響センサチップの振動板部に対向する前壁に音孔が形成され、音響センサチップは、支持部におけるシールドケースの前壁の後面との接合面に背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、音響センサチップとハウジングとで囲まれた空間からなる背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が、音響センサチップの支持部におけるシールドケースの前壁の後面との接合面に形成されているので、音響抵抗を設定する通気用溝を半導体プロセスによって高精度に形成することができ、従来に比べて、音響センサ毎の音響抵抗およびカットオフ周波数のばらつきを小さくすることが可能となり、小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能となる。
請求項2の発明は、枠状の支持部の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部の後面側にスペーサ部を介して背板部が設けられた静電容量型の音響センサチップと、音響センサチップの後面側に配置され音響センサチップとの間に背室を形成するハウジングとを備え、音響センサチップは、支持部におけるハウジングとの接合面に背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、音響センサチップとハウジングとで囲まれた空間からなる背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が、音響センサチップの支持部におけるハウジングとの接合面に形成されているので、音響抵抗を設定する通気用溝を半導体プロセスによって高精度に形成することができ、従来に比べて、音響センサ毎の音響抵抗およびカットオフ周波数のばらつきを小さくすることが可能となり、小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能となる。
請求項3の発明は、枠状の支持部の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部の後面側にスペーサ部を介して背板部が設けられた静電容量型の音響センサチップと、音響センサチップの後面側に配置され音響センサチップとの間に背室を形成するハウジングとを備え、ハウジングは、音響センサチップの後面側に対向配置されるベース基板と、音響センサチップの支持部とベース基板の周部との間に配置される枠状のフレームとで構成されるとともに、ベース基板が半導体基板により形成され、当該半導体基板におけるフレームとの接合面に背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、音響センサチップとハウジングとで囲まれた空間からなる背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が、フレームとともにハウジングを構成するベース基板としての半導体基板におけるフレームとの接合面に形成されているので、音響抵抗を設定する通気用溝を半導体プロセスによって高精度に形成することができ、従来に比べて、音響センサ毎の音響抵抗およびカットオフ周波数のばらつきを小さくすることが可能となり、小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能となる。
請求項4の発明は、枠状の支持部の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部の後面側にスペーサ部を介して背板部が設けられた静電容量型の音響センサチップと、音響センサチップの後面側に配置され音響センサチップとの間に背室を形成するハウジングとを備え、ハウジングは、音響センサチップの後面側に対向配置されるベース基板と、音響センサチップの支持部とベース基板の周部との間に配置される枠状のフレームとで構成されるとともに、フレームが半導体基板により形成され、当該半導体基板におけるベース基板との接合面に背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、音響センサチップとハウジングとで囲まれた空間からなる背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が、ベース基板とともにハウジングを構成するフレームとしての半導体基板におけるベース基板との接合面に形成されているので、音響抵抗を設定する通気用溝を半導体プロセスによって高精度に形成することができ、従来に比べて、音響センサ毎の音響抵抗およびカットオフ周波数のばらつきを小さくすることが可能となり、小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能となる。
請求項1〜4の発明では、小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能となるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の音響センサは、図1に示すように、音波を受波するとともに受波した音波を電気信号である受波信号に変換する受波素子である音響センサチップ1と、音響センサチップ1の後面側(図1における下面側)に配置され音響センサチップ1から出力された受波信号を信号処理する信号処理回路を構成する複数の電子部品(図示せず)が音響センサチップ1との対向面側(図1における上面側)に実装されたプリント基板からなるベース基板2と、ベース基板2との間で受波素子1および各電子部品を囲むようにベース基板2に封着された金属製のシールドケース5とを備えている。なお、電子部品としては、例えば、ノイズ除去回路を構成する表面実装型の抵抗および表面実装型のコンデンサや、増幅回路用のFETなどがある。
本実施形態の音響センサは、図1に示すように、音波を受波するとともに受波した音波を電気信号である受波信号に変換する受波素子である音響センサチップ1と、音響センサチップ1の後面側(図1における下面側)に配置され音響センサチップ1から出力された受波信号を信号処理する信号処理回路を構成する複数の電子部品(図示せず)が音響センサチップ1との対向面側(図1における上面側)に実装されたプリント基板からなるベース基板2と、ベース基板2との間で受波素子1および各電子部品を囲むようにベース基板2に封着された金属製のシールドケース5とを備えている。なお、電子部品としては、例えば、ノイズ除去回路を構成する表面実装型の抵抗および表面実装型のコンデンサや、増幅回路用のFETなどがある。
音響センサチップ1およびベース基板2の外周形状は矩形状であり、シールドケース5は、後面が開口した矩形箱状の形状に形成されており、前壁5aに、音波を導入するための複数の音孔51が形成され、周壁5bの後端縁が、ベース基板2における電子部品の実装面と略面一となるように配置されている。なお、シールドケース5の後端縁とベース基板2の外周縁との間は、封止樹脂(例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など)からなる封止部7により全周に亘って封着されている。また、各音孔51は円形状に開口されている。
また、シールドケース5内には、音響センサチップ1とベース基板2とを電気的に接続するための配線パターン(電気配線)がメッキ技術およびレーザー加工技術を利用して形成された合成樹脂成形品からなる立体回路基板(MID基板)により構成された枠状(本実施形態では、矩形枠状)のフレーム4が、音響センサチップ1とベース基板2との間に配置されている。ここにおいて、フレーム4の中央部には、各電子部品の収納スペースを確保するとともに、音響センサチップ1の後面側で音響センサチップ1とベース基板2との間に背室6を形成するための開口部42が形成されている。
フレーム4はベース基板2における音響センサチップ1との対向面側に配置されており、フレーム4を構成する立体回路基板の配線パターンがベース基板2の導体パターン(図示せず)と電気的に接続されるとともに、フレーム4の周部とベース基板2の周部との互いの対向面間が封止樹脂により封着されている。
音響センサチップ1は、半導体製造技術を応用したマイクロマシンニング技術を利用して形成された静電容量型の音響センサチップであり、図1および図2に示すように、枠状(本実施形態では、矩形枠状)の支持部11の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部12の後面(背面)側に絶縁層(例えば、二酸化シリコン層)からなる複数のスペーサ部13を介して背板部14が設けられ、振動板部12と背板部14との間に空気層(エアギャップ)15が形成されている。また、背板部14には複数の排気孔14aが厚み方向に貫設されており、振動板部12の振動時に排気孔14aを空気が通過するようにしてある。したがって、振動板部12が音波の圧力を受けて振動する際に振動板部12と背板部14との間の空気層15により過度に制動を受けないようにすることができ、広い周波数帯域にわたる平坦な周波数特性と広いダイナミックレンジとを得ることが可能となる。なお、本実施形態の音響センサチップ1は、厚み方向の中間部にシリコン酸化膜からなる絶縁膜を有する所謂SOIウェハとシリコンウェハとを二酸化シリコン層が介在する形で貼り合わせた後でシリコンウェハを所定厚さ(ここでは、背板部14の設計厚さ)まで研磨した多層構造ウェハを用いて形成されており、SOIウェハの主表面側のシリコン層の一部により形成される振動板部12に予め不純物をドーピングすることで振動板部12に導電性を付与してあって、振動板部12が可動電極を構成し、また、シリコンウェハの一部により形成される背板部14に予め不純物をドーピングすることで背板部14に導電性を付与してあって、背板部14が固定電極を構成している。ここにおいて、音響センサチップ1の基礎となる多層構造ウェハの構造は特に限定するものではなく、例えば、二酸化シリコン層を形成したシリコンウェハと振動板部12の基礎になる高濃度不純物層を形成したシリコンウェハとを貼り合わせたものを用いてもよい。
上述の音響センサチップ1では、振動板部12と背板部14とを電極とするコンデンサが形成されるから、振動板部12が音波の圧力を受けることにより振動板部12と背板部14との間の距離が変化し、振動板部12と背板部14とを電極とするコンデンサの静電容量が変化する。したがって、振動板部12および背板部14に設けたパッド(図示せず)間に直流バイアス電圧を印加しておけば、パッドの間には音波の圧力に応じて微小な電圧変化が生じるから、音波を電気信号に変換することができる。ここで、音響センサチップ1の各パッドと、フレーム4を構成する立体回路基板の配線パターンとは、金属材料(例えば、金など)からなるバンプ(図示せず)を介して電気的に接続されているが、バンプに限らず、異方導電接着剤を用いて接続するようにしてもよい。ここに、フレーム4における開口部42の周部には図1における上面および内側面が開放された凹所43が形成されており、凹所43の内底面に対応する部位で背板部14のパッドと配線パターンとが接続され、凹所43の周部で振動板部12のパッドと配線パターンとが接続されている。また、フレーム4の周部と音響センサチップ1の周部との間には、音響センサチップ1の外周面とシールドケース5の周壁5bの内周面との間の空間および背室6に連通する隙間が形成されている。なお、音響センサチップ1は、振動板部12に導電性を付与せずに導電性材料(例えば、アルミニウムなど)からなる可動電極を積層するとともに、背板部14に導電性を付与せずに導電性材料(例えば、アルミニウムなど)からなる固定電極を積層するようにしてもよい。また、本実施形態では、ベース基板2とフレーム4とで、音響センサチップ1の後面側に配置され音響センサチップ1との間に背室6を形成するハウジングを構成している。
ところで、本実施形態の音響センサでは、音響センサチップ1の支持部11におけるシールドケース5の前壁5aの後面との接合面に背室6と外部との間の音響抵抗を設定する断面V字状の通気用溝9が形成されており、音響センサチップ1の支持部11とシールドケース5の前壁5aとの互いの対向面を接合することによって通気用溝9に対応した通気孔が形成されている。ここにおいて、音響センサチップ1における通気用溝9は、半導体プロセスを利用したマイクロマシンニング技術により音響センサチップ1を製造する際に、例えば、フォトリソグラフィ技術およびアルカリ系溶液(例えば、KOH、TMAHなど)を用いた異方性エッチング技術を利用して形成してある。要するに、通気用溝9は、エッチング速度の結晶方位依存性を利用した異方性エッチングにより形成されているので、製造時にウェハの状態から個々の音響センサチップ1へ分割するダイシング工程を行う前に、通気用溝9を高い位置精度で寸法精度良く形成することができる。ここで、音響センサチップ1における通気用溝9は、深さおよび開口幅を数μm〜20μm、長さを400μmに設定してあるが、これらの数値は限定するものではない。なお、音響センサチップ1の支持部11におけるシールドケース5の前壁5aの後面との接合面は(100)面となっている。また、前壁5aの後面は、平滑面となっている。
つまり、製造時にウェハの状態から個々の音響センサチップ1へ分割するダイシング工程を行う前に、微細な通気孔9を高い位置精度で寸法精度良く形成することができる。
つまり、製造時にウェハの状態から個々の音響センサチップ1へ分割するダイシング工程を行う前に、微細な通気孔9を高い位置精度で寸法精度良く形成することができる。
しかして、本実施形態の音響センサでは、音響センサチップ1と上記ハウジングとで囲まれた空間からなる背室6と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝9が、音響センサチップ1の支持部11におけるシールドケース5の前壁5aの後面との接合面に形成されているので、音響抵抗を設定する通気用溝9を半導体プロセスによって高精度に形成することができ、従来に比べて、音響センサ毎の音響抵抗およびカットオフ周波数のばらつきを小さくすることが可能となり、小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能となる。
(実施形態2)
本実施形態の音響センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図3に示すように音響センサチップ1の支持部11とシールドケース5の前壁5aの後面との互いの対向面を全周に亘って接合するとともに、背室6と外部との間の音響抵抗を設定する断面V字状の通気用溝9を音響センサチップ1の支持部11における上記ハウジングとの接合面に形成してあり、音響センサチップ1の支持部11と上記ハウジングの一部を構成するフレーム4との互いの対向面を接合することによって通気用溝9に対応した通気孔が形成されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の音響センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図3に示すように音響センサチップ1の支持部11とシールドケース5の前壁5aの後面との互いの対向面を全周に亘って接合するとともに、背室6と外部との間の音響抵抗を設定する断面V字状の通気用溝9を音響センサチップ1の支持部11における上記ハウジングとの接合面に形成してあり、音響センサチップ1の支持部11と上記ハウジングの一部を構成するフレーム4との互いの対向面を接合することによって通気用溝9に対応した通気孔が形成されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ところで、実施形態1では、シールドケース5の周壁5bの後端縁とベース基板2の外周縁とが封止樹脂からなる封止部7により全周に亘って封着されているが、本実施形態では、全周に亘って封着せずに一部を開放することでシールドケース5の周壁5bの後端縁とベース基板2の外周縁との間にエアギャップを形成してあり、上記通気孔および当該エアギャップを通して背室6と外部との間で空気が出入りできるようになっている。
また、本実施形態では、音響センサチップ1の基礎となる多層構造ウェハとして、二酸化シリコン層を形成したシリコンウェハと振動板部12の基礎になる高濃度不純物層を形成したシリコンウェハとを貼り合わせたものを用いているが、音響センサチップ1の基礎となる多層構造ウェハの構造は特に限定するものではなく、実施形態1と同様に、厚み方向の中間部にシリコン酸化膜からなる絶縁膜を有する所謂SOIウェハとシリコンウェハとを二酸化シリコン層が介在する形で貼り合わせた後でシリコンウェハを所定厚さ(ここでは、背板部14の設計厚さ)まで研磨した多層構造ウェハを用いて形成してもよい。
以上説明した本実施形態の音響センサでは、音響センサチップ1と上記ハウジングとで囲まれた空間からなる背室6と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝9が、音響センサチップ1の支持部11における上記ハウジングとの接合面に形成されているので、音響抵抗を設定する通気用溝9を半導体プロセスによって高精度に形成することができ、従来に比べて、音響センサ毎の音響抵抗およびカットオフ周波数のばらつきを小さくすることが可能となり、小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能となる。
(実施形態3)
本実施形態の音響センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、実施形態1では背室6と外部との間の音響抵抗を設定する断面V字状の通気用溝9が音響センサチップ1に形成されていたのに対して、図4に示すように、断面V字状の通気用溝9が音響センサチップ1ではなくて、ベース基板2におけるフレーム4との接合面に形成されており、ベース基板2とフレーム4との互いの対向面を接合することにより通気用溝9に対応した通気孔が形成されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の音響センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、実施形態1では背室6と外部との間の音響抵抗を設定する断面V字状の通気用溝9が音響センサチップ1に形成されていたのに対して、図4に示すように、断面V字状の通気用溝9が音響センサチップ1ではなくて、ベース基板2におけるフレーム4との接合面に形成されており、ベース基板2とフレーム4との互いの対向面を接合することにより通気用溝9に対応した通気孔が形成されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ところで、本実施形態の音響センサでは、ベース基板2がシリコン基板からなる半導体基板により構成されており、ベース基板2における通気用溝9は、例えば、フォトリソグラフィ技術およびアルカリ系溶液(例えば、KOH、TMAHなど)を用いた異方性エッチング技術を利用して形成してある。要するに、通気用溝9は、エッチング速度の結晶方位依存性を利用した異方性エッチングにより形成されているので、製造時にウェハの状態から個々のベース基板2へ分割するダイシング工程を行う前に、通気用溝9を高い位置精度で寸法精度良く形成することができる。なお、ベース基板2におけるフレーム4との接合面は(100)面となっている。また、フレーム4におけるベース基板2との接合面は、平滑面となっている。また、本実施形態では、ベース基板2を半導体基板により構成しているので、当該半導体基板に上述の電子部品や適宜の金属配線や貫通配線などを形成しておけばよい。
また、実施形態1では、シールドケース5の周壁5bの後端縁がベース基板2における電子部品の実装面と略面一となるように配置されていたが、本実施形態では、シールドケース5の周壁5bの後端縁が、通気用溝9よりも前方に位置するように配置され、フレーム4とシールドケース5の後端部との間が、封止樹脂(例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など)からなる封止部7により全周に亘って封着されている。なお、本実施形態の音響センサでは、フレーム4と音響センサチップ1の周部との互いの対向面間が封止樹脂により封着されており、フレーム4と音響センサチップ1の周部との互いの対向面間に封止樹脂からなる封止部8が全周に亘って介在しているが、この封止部8は必ずしも設ける必要はない。
以上説明した本実施形態の音響センサでは、音響センサチップ1と上記ハウジングとで囲まれた空間からなる背室6と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝9が、フレーム4とともに上記ハウジングを構成するベース基板2としての半導体基板におけるフレーム4との接合面に形成されているので、音響抵抗を設定する通気用溝9を半導体プロセスによって高精度に形成することができ、従来に比べて、音響センサ毎の音響抵抗およびカットオフ周波数のばらつきを小さくすることが可能となり、小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能となる。
(実施形態4)
本実施形態の音響センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、実施形態1では背室6と外部との間の音響抵抗を設定する断面V字状の通気用溝9が音響センサチップ1に形成されていたのに対して、図5に示すように、断面V字状の通気用溝9が音響センサチップ1ではなくて、フレーム4におけるベース基板2との接合面に形成されており、フレーム4とベース基板2との互いの対向面を接合することにより通気用溝9に対応した通気孔が形成されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の音響センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、実施形態1では背室6と外部との間の音響抵抗を設定する断面V字状の通気用溝9が音響センサチップ1に形成されていたのに対して、図5に示すように、断面V字状の通気用溝9が音響センサチップ1ではなくて、フレーム4におけるベース基板2との接合面に形成されており、フレーム4とベース基板2との互いの対向面を接合することにより通気用溝9に対応した通気孔が形成されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ところで、本実施形態の音響センサでは、フレーム4がシリコン基板からなる半導体基板により構成されており、フレーム4における通気用溝9は、例えば、フォトリソグラフィ技術およびアルカリ系溶液(例えば、KOH、TMAHなど)を用いた異方性エッチング技術を利用して形成してある。要するに、通気用溝9は、エッチング速度の結晶方位依存性を利用した異方性エッチングにより形成されているので、製造時にウェハの状態から個々のフレーム4へ分割するダイシング工程を行う前に、通気用溝9を高い位置精度で寸法精度良く形成することができる。なお、フレーム4におけるベース基板2との接合面は(100)面となっている。また、ベース基板2におけるフレーム4との接合面は、平滑面となっている。また、本実施形態では、フレーム4を半導体基板により構成しているので、当該半導体基板に適宜の金属配線や貫通配線などを形成しておけばよい。
また、実施形態1では、シールドケース5の周壁5bの後端縁がベース基板2における電子部品の実装面と略面一となるように配置されていたが、本実施形態では、シールドケース5の周壁5bの後端縁が、通気用溝9よりも前方に位置するように配置され、フレーム4とシールドケース5の後端部との間が、封止樹脂(例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など)からなる封止部7により全周に亘って封着されている。なお、本実施形態の音響センサでは、フレーム4と音響センサチップ1の周部との互いの対向面間が封止樹脂により封着されており、フレーム4と音響センサチップ1の周部との互いの対向面間に封止樹脂からなる封止部8が全周に亘って介在しているが、この封止部8は必ずしも設ける必要はない。
以上説明した本実施形態の音響センサでは、音響センサチップ1と上記ハウジングとで囲まれた空間からなる背室6と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝9が、ベース基板2とともに上記ハウジングを構成するフレーム4としての半導体基板におけるベース基板2との接合面に形成されているので、音響抵抗を設定する通気用溝9を半導体プロセスによって高精度に形成することができ、従来に比べて、音響センサ毎の音響抵抗およびカットオフ周波数のばらつきを小さくすることが可能となり、小型化を図りながらも所望の周波数特性を再現性良く得ることが可能であり、しかも、従来に比べて音響抵抗を大きくすることができ、カットオフ周波数を低くすることが可能となる。
1 音響センサチップ
2 ベース基板
4 フレーム
5 シールドケース
5a 前壁
5b 周壁
6 背室
7 封止部
9 通気用溝
11 支持部
12 振動板部
13 スペーサ部
14 背板部
14a 排気孔
15 空気層
51 音孔
2 ベース基板
4 フレーム
5 シールドケース
5a 前壁
5b 周壁
6 背室
7 封止部
9 通気用溝
11 支持部
12 振動板部
13 スペーサ部
14 背板部
14a 排気孔
15 空気層
51 音孔
Claims (4)
- 枠状の支持部の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部の後面側にスペーサ部を介して背板部が設けられた静電容量型の音響センサチップと、音響センサチップの後面側に配置され音響センサチップとの間に背室を形成するハウジングと、ハウジングとの間で音響センサチップを囲むようにハウジングに封着されたシールドケースとを備え、シールドケースは、音響センサチップの振動板部に対向する前壁に音孔が形成され、音響センサチップは、支持部におけるシールドケースの前壁の後面との接合面に背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が形成されてなることを特徴とする音響センサ。
- 枠状の支持部の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部の後面側にスペーサ部を介して背板部が設けられた静電容量型の音響センサチップと、音響センサチップの後面側に配置され音響センサチップとの間に背室を形成するハウジングとを備え、音響センサチップは、支持部におけるハウジングとの接合面に背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が形成されてなることを特徴とする音響センサ。
- 枠状の支持部の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部の後面側にスペーサ部を介して背板部が設けられた静電容量型の音響センサチップと、音響センサチップの後面側に配置され音響センサチップとの間に背室を形成するハウジングとを備え、ハウジングは、音響センサチップの後面側に対向配置されるベース基板と、音響センサチップの支持部とベース基板の周部との間に配置される枠状のフレームとで構成されるとともに、ベース基板が半導体基板により形成され、当該半導体基板におけるフレームとの接合面に背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が形成されてなることを特徴とする音響センサ。
- 枠状の支持部の内側に連続一体に形成されたダイヤフラム状の振動板部の後面側にスペーサ部を介して背板部が設けられた静電容量型の音響センサチップと、音響センサチップの後面側に配置され音響センサチップとの間に背室を形成するハウジングとを備え、ハウジングは、音響センサチップの後面側に対向配置されるベース基板と、音響センサチップの支持部とベース基板の周部との間に配置される枠状のフレームとで構成されるとともに、フレームが半導体基板により形成され、当該半導体基板におけるベース基板との接合面に背室と外部との間の音響抵抗を設定する通気用溝が形成されてなることを特徴とする音響センサ。
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-
2005
- 2005-05-23 JP JP2005149984A patent/JP2006332799A/ja not_active Withdrawn
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