JP4731435B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルト式無段変速機の変速制御装置に関し、特に被牽引後、エンジンを始動する場合のベルトの滑りを防止する技術に関するものである。
ベルト式無段変速機は、変速制御弁でプライマリプーリに供給されるプライマリ圧を増減してプライマリプーリの溝幅を変更し、プライマリプーリとセカンダリプーリとの径比を変えることによって変速比を無段階に変更する。変速制御弁は変速リンクの中央に連結され、変速リンクの両端にはそれぞれプライマリプーリの可動フランジとステップモータとが連結され、これにより変速比のメカニカルフィードバック機構を構成している。
また、プライマリプーリ側にリターンスプリングを配置し、被牽引時の変速比が最LoよりもHi側になるようにし、被牽引中の無潤滑高回転によるプーリ破損を防止している。
しかしながら、かかる構成の無段変速機では、被牽引後にエンジンを始動する場合、プーリが最Lo位置にない一方で、ステップモータはイニシャライズ動作により最Lo位置にあるため、変速リンクによって変速制御弁がドレンポートとプライマリポートとを連通させる位置になる。このため、車両が走行してステップモータがHi側へ送られるまでプライマリ圧が供給されず、プライマリ圧不足によるベルト滑りが発生するおそれがある。
そこで、特許文献1では、エンジン始動後、所定時間内にプライマリ圧が所定圧に到達しなかった場合は、被牽引後のエンジン始動と判定し、プライマリ圧が所定圧に到達するまでHi側へ移動させている。これにより、プライマリプーリが被牽引等によって最Lo位置よりもHi側に位置していた場合であっても、車両が発進してステップモータがHi側へ送られるまでプライマリ圧が供給されないことによるベルトの滑りを抑えている。
特開2004−125037公報
しかしながら、上記特許文献1が開示する方法ではベルト滑りを抑えることができるものの、低温時、被牽引後のエンジン始動か否かの判定精度が十分でなかった。被牽引後でないにもかかわらず被牽引後のエンジン始動と誤判定してステップモータをHi側に送ってしまうと、変速比がHi側に変更され、発進性を悪化させてしまう。これは、外気温が低いときは変速機の作動油の粘度が高いため、プライマリ圧の上昇が遅れてしまうところ、上記従来技術1の方法では、このプライマリ圧の上昇遅れを被牽引によるものと判定してしまうからである。
さらに、上記方法では、被牽引後のエンジン始動と判定した場合は、ステップモータの目標位置を現在位置よりもHi側に設定してステップモータをHi側に送っていき、プライマリ圧が立ち上がって所定圧に達したところでステップモータを停止させるとしているが、駆動速度が速いため、結局、ステップモータは目標位置まで送られてしまい、発進性を悪化させる原因となっていた。目標位置まで送られたステップモータをLo側に戻そうとしても、変化速度の上限を規制する別の制御と干渉し、速やかに戻すこともできない。
本発明は、このような従来の技術的課題を鑑みてなされたもので、被牽引後のエンジン始動を高い精度で判定し、誤判定による発進性の悪化を防止することを目的とする。さらに、被牽引後のエンジン始動と判定されて変速アクチュエータをHi側に移動させる場合に、移動量を最小限に抑え、発進性の悪化を抑えることを目的とする。
本発明は、プライマリプーリに供給されるプライマリ圧を制御する変速制御弁を変速リンクの中央に連結し、前記プライマリプーリの可動フランジを前記変速リンクの一端に連結し、目標変速比に対応する位置に移動する変速アクチュエータを前記変速リンクの他端に連結することで、変速比を前記目標変速比に制御するメカニカルフィードバック機構と、前記可動フランジを対向する固定フランジに向けて付勢し、被牽引時の変速比を最LoよりもHi側にする付勢手段と、を備えた無段変速機の変速制御装置に係り、前記変速機の油温が低いほどHi側の変速比に対応する位置を前記変速アクチュエータの目標位置に設定する手段と、エンジン始動後、前記変速アクチュエータを前記目標位置まで移動させる手段と、前記変速アクチュエータを前記目標位置まで移動させてから所定の待ち時間が経過するまでに前記プライマリ圧が所定圧に到達しなかった場合、前記変速アクチュエータを前記目標位置からさらにHi側の変速比に対応する位置に向けて移動させる手段と、を備える。
本発明によれば、車両のエンジン始動時(キーオン時)に変速アクチュエータを変速機の油温に応じてHi側に所定量送り、披牽引判定を行う際に変速アクチュエータがHi側にあるようにしたことにより、低温時であってもプライマリ圧が立ち上がりやすくなり、低温時のプライマリ圧の立ち上がり遅れを牽引によるものと誤判定してしまうのを防止できる。
誤判定により被牽引後制御が行われると変速アクチュエータがHi側に移動し、発進性が悪化するところ、本発明によればかかる誤判定による弊害を回避することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、変速比小側ないし高速側を「Hi側」、変速比大側ないし低速側を「Lo側」と表現する。
図1は本発明に係る変速制御装置を備えたベルト式無段変速機1の構成概略を示す。
ベルト式無段変速機1は、両者のV溝が整列するように配置されたプライマリプーリ2とセカンダリプーリ3を備え、これらプーリ2、3の間にはベルト4が掛け渡されている。また、エンジン5はプライマリプーリ2と同軸に配置され、エンジン5とプライマリプーリ2との間には、エンジン5の側から順次ロックアップトルクコンバータ6、前後進切り換え機構7が設けられている。
前後進切り換え機構7は、ダブルピニオン遊星歯車組7aを主たる構成要素とし、サンギヤがトルクコンバータ6を介してエンジン5に結合され、キャリアがプライマリプーリ2に結合される。前後進切り換え機構7は更に、ダブルピニオン遊星歯車組7aのサンギヤおよびキャリア間を直結する前進クラッチ7b、およびリングギヤを固定する後進ブレーキ7cを備え、前進クラッチ7bの締結時には、エンジン5からトルクコンバータ6を経由して入力される回転をそのままプライマリプーリ2に伝達し、後進ブレーキ7cの締結時には、エンジン5からトルクコンバータ6を経由して入力される回転を逆転減速してプライマリプーリ2へ伝達する。
プライマリプーリ2への回転はベルト4を介してセカンダリプーリ3に伝達される。セカンダリプーリ3の回転はその後、出力軸8、歯車組9およびディファレンシャルギヤ装置10を経て図示しない駆動輪へと伝達される。上記の動力伝達中にプライマリプーリ2とセカンダリプーリ3との間における回転伝動比(変速比)を変更可能にするために、プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3の溝を形成するフランジのうち一方を固定フランジ2a、3aとし、他方のフランジ2b、3bを軸線方向へ変位可能な可動フランジとする。これら可動フランジ2b、3bはそれぞれ、ライン圧を元圧として作り出したプライマリ圧Ppriおよびセカンダリ圧Psecをプライマリプーリ室2cおよびセカンダリプーリ室3cに供給することにより固定フランジ2a、3aに向けて付勢され、これによりベルト4をプーリフランジに摩擦係合させてプライマリプーリ2とセカンダリプーリ3との間での前記動力伝達を可能にする。
また、プライマリプーリ室2c内にリターンスプリング2d(付勢手段)を配置し、セカンダリプーリ室3c内にリターンスプリング3dを配置することで、可動フランジ2b、3bを対向する固定フランジ2a、3aに向けて付勢し、油圧の変動や抜け等による溝幅の変動を防ぐとともに、被牽引時における変速比が最LoよりもHi側の変速比に維持されるよう、リターンスプリング2dの付勢力をリターンスプリング3dの付勢力よりも大きく設定している。
変速に際しては、後述のごとく目標変速比に対応させて発生させたプライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecの差圧によりプーリ2、3の溝幅を変更し、プーリ2、3に対するベルト4の巻き掛け円弧径を連続的に変化させることで目標変速比を実現する。
プライマリ圧Ppriおよびセカンダリ圧Psecは、前進走行レンジの選択時に締結される前進クラッチ7b、後進走行レンジの選択時に締結される後進ブレーキ7cへの供給油圧と共に、変速制御油圧回路11によって制御される。
変速機コントローラ12には、プライマリプーリ回転速度Npriを検出するプライマリプーリ回転速度センサ13からの信号と、セカンダリプーリ回転速度Nsecを検出するセカンダリプーリ回転速度センサ14からの信号と、プライマリ圧Ppriを検出するプライマリ圧センサ15からの信号と、セカンダリ圧Psecを検出するセカンダリ圧センサ16からの信号と、アクセルペダル位置APPを検出するアクセルペダル位置センサ17からの信号と、インヒビタスイッチ18からの選択レンジ信号と、変速機油温TMPを検出する油温センサ19からの信号と、エンジン5を制御するエンジンコントローラ20からの変速機入力トルクに関連する信号(エンジン回転速度や燃料噴時間)とが入力される。
図2に示すように、変速制御油圧回路11は、エンジン5によって駆動されるオイルポンプ21を備える。オイルポンプ21から油路22に圧送される作動油は、プレッシャレギュレータ弁23によってライン圧PLに調圧される。油路22のライン圧PLは、一方で減圧弁24によりセカンダリ圧Psecに調圧されてセカンダリプーリ室3cに供給され、他方で変速制御弁25によりプライマリ圧Ppriに調圧されてプライマリプーリ室2cに供給される。プレッシャレギュレータ弁23は、ソレノイド23aへの駆動デューティーによりライン圧PLを制御し、減圧弁24は、ソレノイド24aへの駆動デューティーによりセカンダリ圧Psecを制御する。
変速制御弁25は、中立位置25aと、増圧位置25bと、減圧位置25cとを有し、変速リンク26の中央に連結される。変速リンク26の一端には、変速アクチュエータとしてのステップモータ27が連結され、他端にはプライマリプーリ2の可動フランジ2bが連結される。ステップモータ27が目標変速比に対応した位置に送られると、変速リンク26が可動フランジ2bとの連結部を支点にして揺動し、変速制御弁25を中立位置25aから増圧位置25bまたは減圧位置25cに変位させる。
その結果、目標変速比がそのときの変速比よりもHi側である場合にはライン圧ポートがプライマリ圧ポートと連通し、一方Lo側である場合にはプライマリ圧ポートがドレンポートと連通する。これにより、プライマリ圧Ppriがライン圧PLを元圧として増圧され、またはドレンにより減圧され、セカンダリ圧Psecとの差圧が変化することでHi側への変速またはLo側への変速が行われる。
当該変速の進行は、プライマリプーリ2の可動フランジ2bを介して変速リンク26にフィードバックされ、変速リンク26はステップモータ27との連結部を支点にして揺動し、変速制御弁25を増圧位置25bまたは減圧位置25cから中立位置25aに向けて変位させる。これにより、目標変速比が達成される時には変速制御弁25が中立位置25aに戻され、目標変速比が維持される。
プレッシャレギュレータ弁23のソレノイド駆動デューティー、減圧弁24のソレノイド駆動デューティー、およびステップモータ27への目標変速比に応じた指令は、図1に示す前進クラッチ7bおよび後進ブレーキ7cへの供給油圧の制御と共に変速機コントローラ12により決定する。
変速機コントローラ12は、図2に示すように、圧力制御部12aおよび変速制御部12bで構成される。
圧力制御部12aは、プレッシャレギュレータ弁23のソレノイド駆動デューティー、および減圧弁24のソレノイド駆動デューティーを決定する。
変速制御部12bは、セカンダリプーリ回転速度Nsecとアクセルペダル位置APPに基づき所定の変速マップを参照して目標とする入力回転速度を求め、これをセカンダリプーリ回転速度Nsecで除算することにより、変速比の最終的な目標値である到達変速比を求める。そして、変速比を所望の応答性で到達変速比に近づけるための目標変速比を演算し、この目標変速比を実現するためのステップモータ27の位置(ステップ数)を求め、これをステップモータ27に指令する。
エンジン5の始動後(キーオン後)、変速機コントローラ12はステップモータ27の初期化(イニシャライズ動作)を行う。一般に、このイニシャライズ動作においてはステップモータ27を最Lo位置まで送られるが、本実施形態においては、これに加え、被牽引後のエンジン始動時におけるベルト滑りを防止するため、以下に説明する制御を行う。
図3は、変速機コントローラ12がエンジン始動時に行う制御内容を示したフローチャートである。
これによると、まずステップS11では、エンジン回転速度が所定値以上(例えば、450rpm以上)か判断し、所定値以上である場合はエンジン5が始動した状態であると判断してステップS12に進む。そうでない場合は処理を終了する。
ステップS12では油温センサ19で検出された変速機油温TMPを読み込む。
ステップS13では、ステップモータ27のイニシャライズ動作後に行われるプリチャージ動作におけるステップモータ27の目標位置(第1の目標位置)を設定する。第1の目標位置は変速機油温TMPに応じて設定され、変速機油温TMPが低いほどHi側の変速比に対応する位置が設定される。第1の目標位置は、例えば変速機油温TMPに応じて2段階に設定され、変速機油温TMPが極低温時(−20℃以下)の場合はそうでない場合よりもHi側の変速比に対応する位置が設定される。
ステップS14では、ステップモータ27を第1の目標位置まで送り、プライマリ圧Ppriを上昇させるプリチャージ動作を開始する。
ステップS15ではタイマ値Tをセットする。このタイマ値Tはプリチャージ動作を開始してからの経過時間を計測するものである。タイマ値Tは図4に示すテーブルを参照して設定される。タイマ値Tは変速機油温TMPが低温領域にあるときに大きな値に設定され、変速機油温TMPが高くなるにつれ徐々に小さな値が設定され、変速機油温TMPが所定温度に達した後は一定値が設定される。
ステップS16では、プライマリ圧Ppriが所定圧に達しているか判定する。所定圧は、例えば0.3MPaに設定される。プライマリ圧Ppriが所定圧に達してなければステップS17に進む。一方、プライマリ圧Ppriが所定圧に達していれば、プライマリポートとドレンポートが連通する減圧位置25cに変速制御弁25がなく、被牽引後ではないと判断されるので、そのまま処理を終了する。
ステップS17ではタイマ値Tを現在の値からΔTだけ減少させる。
ステップS18ではタイマ値Tがゼロ以下になったか、すなわち、プリチャージ動作を開始してから所定の待ち時間が経過したか判断する。タイマ値Tがゼロよりも小さくなっている場合は、プリチャージ動作を開始してから所定の待ち時間が経過しており、かつ、プライマリ圧Ppriが所定圧まで上昇していない場合であるので、被牽引後であると判断してステップS19に進み、プライマリ圧Ppriが所定圧に到達するまでステップモータ27をよりHi側の位置に送る被牽引後制御を実行する。被牽引後制御の詳細については後述する。
タイマ値Tがゼロ以下になっていない場合はプリチャージ動作を開始してからまだ所定の待ち時間が経過していないのでステップS16に戻る。
図5は、前述の図3のステップS19で実行される被牽引後制御の詳細を示したフローチャートである。
まずステップS21ではステップモータ27の目標位置を現在位置(第1の目標位置)よりもHi側の変速比に対応する所定位置(第2の目標位置)に設定し、第2の目標位置に向けてステップモータ27を送り始める。第2の目標位置は、車両の発進性を損なわない変速比に対応する位置であり、例えば、1.5程度の変速比に相当する。
ステップS22ではステップモータ27の現在位置が第2の目標位置よりもHi側になったか判断する。Hi側になっている場合は、これ以上ステップモータ27をHi側に送ると発進性能を悪化させるので、ステップS24に進んでステップモータ2を現在位置で停止させる。ステップモータ27を現在位置で停止させるために、ステップS24では、ステップモータ27の目標位置を現在位置に更新、すなわち、目標位置と現在位置のずれをゼロにし、これによってステップモータ27を瞬時に現在位置に停止させる。
ステップモータ27の現在位置が第2の目標位置よりもHi側になっていない場合は、ステップS23に進み、プライマリ圧Ppriが所定圧に達しているか判断する。プライマリ圧Ppriが所定圧に達している場合は、ライン圧ポートとプライマリ圧ポートとが連通する状態になったと判断されるので、ステップS24に進んでステップモータ27を現在位置で停止させる。ステップモータ27を現在位置で停止させる手法は上記の通りである。プライマリ圧Ppriが所定圧に達していない場合はステップS21に戻って、ステップモータ27を更にHi側に送る。
これにより、被牽引後のエンジン始動である場合は、プライマリ圧Ppriが所定圧に到達するまでステップモータ27がHi側に送られていき、プライマリ圧Ppriが所定圧に到達したらそのときの位置にステップモータ27が停止する。
図6は被牽引後にエンジン5が始動されたときの様子を示したタイムチャートである。比較のため被牽引後でない場合を破線で合わせて示してある。
時刻t1でイグニッションキーがOFFからONになると、エンジン5が始動され、ステップモータ27を最Lo位置まで送るイニシャライズ動作が行われる。
ステップモータ27のイニシャライズ動作終了後、ステップモータ27が変速機油温TMPに応じて設定される第1の目標位置まで送られ(時刻t2)、プライマリプーリ室2cへの油圧のプリチャージが開始される。
被牽引後でない場合は破線で示すように所定の待ち時間(タイマ値T)が経過するまでにプライマリ圧Ppriが所定圧まで上昇するが、被牽引後はドレンポートとプライマリ圧ポートとが連通する位置に変速制御弁25があるので、プリチャージ動作を行ってもプライマリ圧がドレンされ、この図に示すように所定の待ち時間が経過してもプライマリ圧Ppriが所定圧まで上昇しない。
この例では、所定の待ち時間が経過した時刻t3で被牽引後であると判断され、被牽引後制御が実行される。被牽引後制御では、ステップモータ27の目標位置が現在位置よりもさらにHi側の変速比に対応する第2の目標位置に設定され、ステップモータ27が第2の目標位置に向けて送られる。
ステップモータ27がHi側に送られていくと、変速リンク26が可動フランジ2bとの連結点を支点に揺動して変速制御弁25を変位させ、ライン圧ポートとプライマリ圧ポートが連通する増圧位置25bまで変位させる。変速制御弁25が増圧位置25bまで変位まで変位するとプライマリ圧Ppriが上昇し始め、プライマリ圧Ppriが所定圧に到達した時刻t4でステップモータ27の現在位置を目標位置に設定し、ステップモータ27を直ちに停止させる。これにより、ステップモータ27が必要以上にHi側に送られ、発進時の変速比がHi側になって発進性が悪化するのを回避している。
上記制御を行うことによる作用効果をまとめると次の通りである。
変速機コントローラ12は、変速機油温TMPが低いほどHi側の変速比に対応する位置を第1の目標位置に設定し(S13)、エンジン始動後、ステップモータ27を目標位置(第1の目標位置)まで送る(S14)。そして、ステップモータ27を目標位置まで送ってから所定の待ち時間が経過するまでにプライマリ圧Ppriが所定圧に到達しなかった場合は、ステップモータ27を目標位置からさらにHi側の変速比に対応する位置に向けて送る(S21)。
車両のエンジン始動時(キーオン時)にステップモータ27を変速機油温TMPに応じてHi側に所定量送り、披牽引判定を行う際にステップモータ27がHi側にあるようにしたことで、低温時であってもプリチャージ動作中にプライマリ圧Ppriが立ち上がりやすくなり、被牽引後でないのに被牽引後であると誤判定されるのを防止できる。誤判定により被牽引後制御が行われるとステップモータ27が不必要にHi側に送られて発進性が悪化するが、本発明によればかかる誤判定による発進性の悪化を回避することができる(請求項1に記載の発明の効果)。
所定の待ち時間は、変速機油温TMPが低いほど長く設定されるので(S15、図4)、低温時でプライマリ圧Ppriの立ち上がりが多少遅れたとしても、被牽引後でない場合は所定の待ち時間が経過するまでにプライマリ圧Ppriが立ち上がるようになり、被牽引後でないのに被牽引後であると誤判定されるのをさらに防止することができる(請求項2に記載の発明の効果)。
また、被牽引後制御でステップモータ27をさらにHi側の変速比に対応した位置に向けて送ったことによりプライマリ圧Ppriが所定圧に到達したときは、ステップモータ27をプライマリ圧Ppriが所定圧に到達したときの位置に停止させる(S24)。これにより、必要以上にステップモータ27の位置をHi側に送ることがなくなり、被牽引後制御による発進性の悪化を最小限にとどめることができる(請求項3に記載の発明の効果)。
このとき、プライマリ圧Ppriが所定圧に到達したときステップモータ27の位置をその目標位置に設定することでステップモータ27を停止させるので、ステップモータ27をプライマリ圧Ppriが所定圧に到達したときの位置に直ちに停止させることができる(請求項4に記載の発明の効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
本発明に係る変速制御装置を備えたベルト式無段変速機の概略構成図である。 変速機コントローラ、変速制御油圧回路の構成図である。 変速機コントローラがエンジン始動時に行う制御の内容を示したフローチャートである。 変速機コントローラが行う被牽引後制御の内容を示したフローチャートである。 変速機油温からタイマ値を設定するためのテーブルである。 被牽引後にエンジンが始動される時の様子を示したタイムチャートである。
符号の説明
2 プライマリプーリ
2a 固定フランジ
2b 可動フランジ
12 変速機コントローラ
25 変速制御弁
26 変速リンク
27 ステップモータ(変速アクチュエータ)

Claims (4)

  1. プライマリプーリに供給されるプライマリ圧を制御する変速制御弁を変速リンクの中央に連結し、前記プライマリプーリの可動フランジを前記変速リンクの一端に連結し、目標変速比に対応する位置に移動する変速アクチュエータを前記変速リンクの他端に連結することで、変速比を前記目標変速比に制御するメカニカルフィードバック機構と、前記可動フランジを対向する固定フランジに向けて付勢し、被牽引時の変速比を最LoよりもHi側にする付勢手段と、を備えた無段変速機の変速制御装置において、
    前記変速機の油温が低いほどHi側の変速比に対応する位置を前記変速アクチュエータの目標位置に設定する手段と、
    エンジン始動後、前記変速アクチュエータを前記目標位置まで移動させる手段と、
    前記変速アクチュエータを前記目標位置まで移動させてから所定の待ち時間が経過するまでに前記プライマリ圧が所定圧に到達しなかった場合、前記変速アクチュエータを前記目標位置からさらにHi側の変速比に対応する位置に向けて移動させる手段と、
    を備えたことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 前記所定の待ち時間は、前記変速機の油温が低いほど長く設定されることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
  3. 前記変速アクチュエータをさらにHi側の変速比に対応した位置に向けて移動させたことで前記プライマリ圧が前記所定圧に到達したときは、前記変速アクチュエータを前記プライマリ圧が前記所定圧に到達したときの位置に停止させる変速アクチュエータ停止手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機の変速制御装置。
  4. 変速アクチュエータ停止手段は、前記プライマリ圧が前記所定圧に到達したときの前記変速アクチュエータの位置を前記変速アクチュエータの目標位置に設定することで前記変速アクチュエータを停止させることを特徴とする請求項3に記載の無段変速機の変速制御装置。
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