JP4731109B2 - ゲル状組成物およびそれを用いたクリーム組成物 - Google Patents

ゲル状組成物およびそれを用いたクリーム組成物 Download PDF

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本発明は化粧料であるゲル状組成物およびそれを外相に用いたクリーム組成物に関する。さらに詳しくは、一般に製剤の安定性に影響を与えることの多いアスコルビン酸−2−グルコシドを配合しても、高温から低温まで幅広い温度域において安定性が良好で、しかも使用感触の良好な化粧料であるゲル状組成物、およびそれを外相に用いたクリーム組成物に関する。
乳化組成物を調製する方法としては、ノニオン界面活性剤および高級アルコールを用いる方法、アニオン界面活性剤と高級アルコールを用いる方法、カチオン界面活性剤を用いる方法、脂肪酸石鹸を用いる方法、およびそれらを併用する方法などが知られている。
乳化組成物にはアスコルビン酸−2−グルコシドなどの電解質成分を有効成分として配合する場合がある。しかしながら、一般に、電解質の配合によって粘度の低下、水の分離などの現象が起ることが知られており、これに対応するために配合成分を変更する必要があった。具体的には、界面活性剤および高級アルコール、石鹸などの配合量を増加させる方法、電解質により粘度低下を起させないキサンタンガムなどの高分子化合物を配合する方法などが知られている。また、特開2001−2553号公報(特許文献1)にはN−メチルアルキルタウリン塩を非イオン界面活性剤と併用する方法が記載されている。
しかし、界面活性剤および高級アルコール、石鹸などの配合量を増加させるとのびが重く、べたついた望ましくない使用感触を生じ、キサンタンガムなどの高分子化合物の配合によっても同様な問題を生じる。
また、N−メチルアルキルタウリン塩を非イオン界面活性剤と併用する方法では、乳化組成物として必要な十分な粘度が得られない場合があり、高温で保存した場合の安定性も十分でない。
特開2001−2553号公報
本発明は、製剤の安定性に影響を与えることの多いアスコルビン酸−2−グルコシドを配合しても、高温から低温まで幅広い温度域において安定性が良好で、しかも使用感触の良好なゲル状組成物、およびそれを外相に用いたクリーム組成物を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明は、下記(A)〜(D)成分を含み、(B)成分に対する(A)成分の配合比(モル比)が3〜10であり、かつ、下記条件(i)〜(ii)を満足する化粧料であるゲル状組成物を提供する。
(A)成分: 平均アルキル鎖長18以上の高級アルコール。
(B)成分: 下記一般式(I)で表される長鎖アシルスルホン酸塩型陰イオン性界面活性剤。
1CO−a−(CH2nSO31 (I)
〔式(I)中、R1CO−は平均炭素原子数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸残基(アシル基)を示し;aは−O−または−NR2−(ただし、R2は水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す)を示し;M1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を示し;nは1〜3の整数を示す〕
(C)成分: アスコルビン酸−2−グルコシド。
(D)成分: 水。
条件(i): NMR(核磁気共鳴装置)を用いたパルス磁場勾配測定法による水の自己拡散係数の値が1×10-112・s-1下である。
条件(ii): ゲル状組成物の融点が60℃以上である。
また本発明は、(A)成分と(B)成分とのモル比が、(A)成分:(B)成分=4:1〜10:1である、上記ゲル状組成物を提供する。
また本発明は、(C)成分を組成物全量中に1質量%以上含有する、上記ゲル状組成物を提供する。
また本発明は、(B)成分がN−ステアロイル−N−メチルタウリン塩である、上記ゲル状組成物を提供する。
また本発明は、上記ゲル状組成物を外相に用いてなる、クリーム組成物を提供する。
また本発明は、系の粘度が8,000mPa・s(B型粘度計、30℃)以上である、上記クリーム組成物を提供する。
本発明によれば、一般に製剤の安定性に影響を与えることの多いアスコルビン酸−2−グルコシドを配合しても、高温から低温まで幅広い温度域において安定性が良好で、水の分離や高温での低粘度化がなく、かつ使用感触の良好なゲル状組成物、およびそれを外相に用いたクリーム組成物を得ることができる。
本発明における(A)成分としての高級アルコールは、化粧品、医薬品、医薬部外品等の分野において用いられ得るものであれば特に限定されるものでない、例えば、飽和直鎖一価アルコール、不飽和一価アルコールなどが挙げられる。飽和直鎖一価アルコールとしては、ドデカノール(=ラウリルアルコール)、トリデカノール、テトラデカノール(=ミリスチルアルコール)、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(=セチルアルコール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(=ステアリルアルコール)、ノナデカノール、イコサノール(=アラキルアルコール)、ヘンイコサノール、ドコサノール(=ベヘニルアルコール)、トリコサノール、テトラコサノール(=カルナービルアルコール)、ペンタコサノール、ヘキサコサノール(=セリルアルコール)等が挙げられる。不飽和一価アルコールとしてはエライジルアルコール等が挙げられる。本発明では安定性等の点から飽和直鎖一価アルコールが好ましい。
(A)成分は1種または2種以上を用いることができる。本発明では、算術平均により得られる平均アルキル鎖長が18以上のものを用いる。平均鎖長が18未満である場合には、ゲル状組成物、およびそれを外相に用いたクリーム組成物の融点が低くなり、高温安定性が十分でない場合がある。なお平均アルキル鎖長の好適上限値は特に限定されるものではないが、アルキル鎖22程度とするのが好ましい。
本発明の(B)成分としての長鎖アシルスルホン酸塩型陰イオン性界面活性剤は下記一般式(I)で表される。
1CO−a−(CH2nSO31 (I)
一般式(I)中、R1CO−は平均炭素原子数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸残基(アシル基)を表す。R1COとして、C1123CO、C1225CO、C1327CO、C1429CO、C1531CO、C1633CO、C1735CO、ココヤシ脂肪酸残基、パームヤシ脂肪酸残基等が例示される。なお、R1COは、安全性等の点から、その平均炭素原子数が12〜22のものがより好ましい。
aは−O−または−NR−(ただし、Rは水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す)を表す。これらは電子供与性基である。aとしては、−O−、−NH−、−N(CH3)−が好ましい。
1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を表す。M1として、例えばリチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、タウリンナトリウム、N−メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。
nは1〜3の整数を表す。
(B)成分として、上記一般式(I)中、aが−O−を示す化合物、すなわち長鎖アシルイセチオン酸塩型陰イオン性界面活性剤としては、ココイルイセチオン酸塩、ステアロイルイセチオン酸塩、ラウリルイセチオン酸塩、ミリストイルイセチオン酸塩等が例示される。
上記一般式(I)中、aが−NH−を示す化合物、すなわち長鎖アシルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤としては、N−ラウロイルタウリン塩、N−ココイル−N−エタノールタウリン塩、N−ミリストイルタウリン塩、N−ステアロイルタウリン塩等が例示される。
上記一般式(I)中、aが−N(CH3)−を示す化合物、すなわち長鎖アシルメチルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤としては、N−ラウロイル−N−メチルタウリン塩、N−パルミトイル−N−メチルタウリン塩、N−ステアロイル−N−メチルタウリン塩、N−ココイル−N−メチルタウリン塩等が例示される。
中でも、(B)成分として、N−ステアロイル−N−メチルタウリン塩が特に好ましい。(B)成分は1種または2種以上を用いることができる。
本発明における上記(A)成分、(B)成分の好適配合比については後述する。
本発明における(C)成分としてのアスコルビン酸−2−グルコシドはビタミンCの誘導体であり、アスコルビン酸の2位の水酸基とグルコースの間にエーテル結合を生成させ、酸化されにくくし安定化したものである。体内で分解されてビタミンC活性を示す。経皮投与された場合には表皮に存在する常在菌によって分解されるとされている。また各種金属イオンの共存下においても安定性が良好である。アスコルビン酸−2−グルコシドの製造は、バチルス菌由来の酵素であるシクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼを利用して、アスコルビン酸とデキストリンを原料として酵素反応により製造ずる方法が知られているが、これに限定されるものではない。
なおアスコルビン酸−2−グルコシドは、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム等と比較して、光、熱に対する安定性が高く良好な性質を示す。
アスコルビン酸−2−グルコシドの水溶液は酸性を示すが、酸性下においては安定性上の問題があるため、中和してpH5〜7程度で用いることが望ましい。中和剤としては、特に限定されるものでなく、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。水酸化ナトリウムにより中和を行った場合には、アスコルビン酸−2−グルコシドの3位の水酸基の水素イオンがナトリウムイオンに置換されるが、pH5〜7程度の水溶液中においては、アスコルビン酸−2−グルコシドの3位のナトリウムが解離し、電解質としての挙動を示すことが知られている。
(C)成分の配合量はゲル状組成物中に1質量%以上であることが望ましい。1質量%未満では、(C)成分としての機能を十分に発揮することができない。(C)成分配合量の上限は特に限定されるものではないが、あまり多すぎても配合量の増加に見合う効果が得られず、またべたついた望ましくない使用感を与えるため、10質量%程度以下とするのが好ましい。
本発明のゲル状組成物は、水((D)成分)との共存下において(B)成分が(A)成分とともに、ラメラ状の2分子膜からなる会合体を形成しており、いわゆるα−ゲルの状態をとっている。α−ゲルは、界面活性剤および高級アルコールを高温下で溶解し、水と混合した後に冷却するか、高級アルコールを高温で融解し、界面活性剤を溶解した水と混合した後に冷却することで得られる白色、高粘度のゲルである。
すなわち本発明のゲル状組成物の製造は、具体的には、(A)成分、(B)成分を高温下で溶解し、これを(D)成分と混合した後、冷却し、次いで(C)成分を加える方法や、(B)成分を(D)成分に加えて溶解し、ここに高温で溶解した(A)成分を加えて混合した後、次いで(C)成分を加える方法、等により行うことができる。
本発明のゲル状組成物は、高粘度で、高温から低温まで幅広い温度域において安定性が良好で、水の分離や高温での低粘度化がない。また使用感触に優れる。ゲル状組成物の粘度が高いと、該ゲル状組成物を用いてクリーム組成物(後述)を調製したときの粘度も高く良好なものができる。これは、クリーム組成物が、ゲル状組成物の塑性流動的な性質が油粒子を保持することにより得られるためである。
本発明のクリーム組成物は、上記ゲル状組成物の構成成分に油分を加えることにより調製することができる。この場合の調製法としては、(A)成分、(B)成分、および油分を高温で溶解し、(D)成分と混合した後に冷却し、次いで(C)成分を配合する方法、(A)成分と油分を高温で溶解し、これを(B)成分を(D)成分に溶解した水溶液と混合した後に冷却し、次いで(C)成分を配合する方法、等が挙げられるが、これら方法に限定されるものではない。
なお、本発明のクリーム組成物は乳化組成物であり、乳化の型が「水中油型(O/W)」であることは、電気伝導性を測定することで確認することができる。
また本発明において「クリーム」とは、ガラス瓶に組成物を充填した場合に、瓶を傾けても流動しない程度の粘度を有することで定義される。具体的には、B型粘度計(ローター番号3番、ローター回転数12rpm)で8,000mPa・s(30℃)以上であることが好ましく、より好ましくは20,000mPa・s(30℃)以上である。なお粘度の上限は特に限定されるものでないが、あまり高粘度に過ぎると使用性の点で劣ることから、概ね200,000mPa・s(30℃)以下とするのが好ましいが、剤型により適宜変更し得る。
クリーム組成物を構成する油分としては、一般に化粧品に用いられているものの中から安定性を損なわない範囲で選ぶことができる。望ましい油分としては、炭化水素油分などの無極性油分あるいはシリコーン油が好ましい。無極性油分とは分子構造中にエーテル結合、エステル結合、アミド結合、水酸基、カルボキシル基等の水和性の官能基を含まないことを意味している。
炭化水素油としては、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、イソパラフィン、セレシン等が使用できる。
シリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン;3次元網目構造を形成しているシリコ−ン樹脂、シリコーンゴムなどが例示される。
液体油脂としては、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アルモンド油、ナタネ油、ゴマ油、大豆油、落花生油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等がある。
エステル油としては、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソパルミチン酸オクチル、オレイン酸イソデシル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、コハク酸2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル等がある。
油分の配合量としては、特に限定されるものではないが、組成物全量に対し5〜30質量%程度配合するのが好ましい。5質量%未満ではクリームとしての皮膚に対する有用性を十分に発揮できないおそれがあり、一方、30質量%超では油粒子の合一などによる不安定化が懸念されるとともに、油っぽい使用感となりがちである。
本発明のゲル状組成物およびそれを外相に用いたクリーム組成物は、水の分離がなく良好な安定性を示す。これは以下の理由によるものと考えられる。
α−ゲル中において、水は2種類の場所に存在することが可能である。まず第1に、α−ゲルは2分子膜の親水基間に水を取り込むことができる。2分子膜の親水基間の距離は数1〜数10nm程度である。この親水基間の水は平衡的に取り込まれた水と考えられ、長期保存によっても分離する可能性がない水である。第2に、α−ゲルのマトリックス中に水を保持することができる。α−ゲルは細かなマトリックスを形成しており、マトリックス中に水をプールして抱え込むことが可能である。このマトリックスは共存成分などにより状態が変化すると考えられ、条件によっては水が分離され、不安定化を引き起こす可能性があると考えられている。
これに対し、本発明のゲル状組成物、およびそれを外相に用いたクリーム組成物は、NMR(核磁気共鳴装置)を用いたパルス磁場勾配測定法による水の自己拡散係数の値が1×10-112・s-1以下のものに限定される。かかる自己拡散係数を有する水を含むα−ゲルは、以下に説明するとおり、水分離に対する安定性を有する。
NMRを用いたパルス磁場勾配測定法(以下、パルス磁場勾配NMR法という)による自己拡散係数の測定方法について詳細に説明する。パルス磁場勾配NMR法を利用した分子拡散の測定においては、分子がt時間後に初めの位置からΔzだけ移動している確率は、下記数1に示すガウス関数で表される。数1に示す式中、Dが分子の自己拡散係数である
Figure 0004731109
図1は、パルス磁場勾配NMR法で自己拡散係数を測定するためのパルスシーケンスの基本型である。図中のXは観測磁場パルス(90°、180°)、Gzはz軸の磁場勾配パルスを示す。90°パルスによって生じた横磁化は、初めは位相が揃った(コヒーレント)状態にある。このコヒーレンスを最初の磁場勾配(PFG:強度G、長さδ)によって位相を乱すことで消失させた後(dephase)、次のPFGによって乱れた位相を元に直し、180°パルスによって再びコヒーレンスを浮かび上がらせ(rephase)、NMR信号を得る。この2つのPFGの間の拡散時間(Δ)中に分子拡散が起こると、rephaseされた時に得られる信号強度は減少する。なおこれに関しては、E.O.Stejskal,J.E.Tanner,"J.Chem.Phys.",42,288(1965)、J.E.Tanner,"J.Chem.Phys.",52,2523(1970)に詳しく記載されている。
矩形波状の磁場勾配パルスを使用した場合、磁場勾配強度をG、磁場勾配パルスの長さをδ、核磁気回転比をγとすると、最終的な位相変調の大きさはφ=γGΔzδとなり、位相変調の分布関数は数2に示す式で表される。
Figure 0004731109
このとき、2つの磁場勾配パルスの間(時間Δ)分子は拡散し、γGδに依存して位相変調が起こるため、信号強度は数3に示す式で表される。
Figure 0004731109
ここで、I(0、Δ)は、G=0の場合の信号強度である。ゆえに、磁場勾配強度G、磁場勾配パルス幅δ、磁場勾配パルス間の時間Δのいずれかを変化させることによって、自己拡散係数Dを求めることができる。なお、磁場勾配強度は、各温度における蒸留水の自己拡散係数測定を行い、J.H.Simpson,H.Y.Carr,Phys.Rev.,111,1201(1958)に記載の値を用い、キャリブレーションする。
本発明のゲル状組成物、およびそれを外相に用いた乳化組成物の水の自己拡散係数を測定した1H−NMRスペクトル例を図2に示す。図2中の4.7ppmの信号が水の信号である。
磁場勾配パルス幅δを変化させる方法で試料中の水の自己拡散係数を測定したときの信号強度の減衰曲線を図3に示す。
この減衰曲線から数3に示す式を用いて自己拡散係数を算出した結果、α−ゲルサンプル中の水は、自由水(2.46×10-92・s-1;30℃)に比べて非常に遅い値(1×10-112・s-1;30℃)が得られた。α−ゲルに取り込まれた水が、動きが制限され、自己拡散係数の小さい値を示したと考えられる。また、同一サンプル中に2種類の水が存在する場合には、信号強度の減衰曲線は変極点をもち、変極点前後に対して与えられる2つの式(数3)を解くことで、2種類の水の自己拡散係数を得ることができる。
本発明では、この水の自己拡散係数は、上記した2種類の水が存在する場合、両者の水ともその自己拡散係数の値が上記範囲を満足する必要がある。
なお水は1種類の水が存在する方が望ましい。2種類目の水は平衡的に(親水基間に)取り込まれたものではないので保存による分離の可能性があるためである。もし2種類の水が存在しても、2種類目の水の値が十分小さければ水の存在場所は網目の密なマトリックスによって囲まれていることから、分離の可能性が低くなる。
次に、パルス磁場勾配NMR法によりα−ゲル中の水の自己拡散係数を測定した例を図4〜図5に示す。
図4は、α−ゲルへの水配合量と自己拡散係数の関係を示すグラフで、横軸は水配合量(質量%)、縦軸は水の自己拡散係数(m2・s-1)を示す。α−ゲルとして、ベヘニルアルコール/N―ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム/水系を用いた。該α−ゲルにおいて、ベヘニルアルコールとN―ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウムのモル比を3/1に固定し、水の配合量を変化させた場合のα−ゲルの自己拡散係数の変化を示す。同図に示されるように、水の配合量が80質量%以下では自己拡散係数は1×10-112・s-1以下の値のみが測定された。水の配合量が85質量%を超えると1×10-112・s-1を超える自己拡散係数の値が同時に測定された。
図5には、図4で用いたものと同じα−ゲルサンプルを用いて、遠心分離45000Gにて1時間を行った場合の、α−ゲル相からの水の分離を示すグラフである。横軸は水配合量(質量%)、縦軸は分離した水の容積(容量%)を示す。同図に示されるように、水の配合量が85質量%を超えると遠心分離により水が分離することがわかる。すなわち、1×10-112・s-1を超える自己拡散係数を示すサンプルは、遠心分離により水を分離するサンプルと一致した。このことからもパルス磁場勾配NMR法により得られるα−ゲル中の水の自己拡散係数が小さいことが、水分離に対する高い安定性を有することを間接的に示していると判断することができる。
したがって、図4、5に示した組成のゲル状組成物においては、水((D)成分)の配合量は、全組成中、80質量%以下とするのが好ましい。図4、5に示す以外の他の組成を用いた場合には、α−ゲルの形成する微小構造は異なってくるため、好ましい水の配合量はこの限りではない。
さらに、本発明のゲル状組成物およびそれを外相に用いたクリーム組成物は融点が60℃以上であることを要し、65℃以上であるのが好ましい。クリーム組成物、特に化粧料として用いられるクリーム組成物は、低温から高温まで状態が変化しないことが求められ、特に高温側について安定性が維持できることが必要である。本発明を構成するα−ゲルは融点を有し、融点以上の温度では低粘度化が起こり、長期間保存すると、ついには比重の異なる成分が完全に分離する。α−ゲルの融点は高級アルコールの種類および高級アルコールと界面活性剤のモル比に依存して変化することは、福島正二著「セチルアルコールの物理化学」(フレグランスジャーナル社、1992年)に記載されている。
すなわち、高級アルコールと界面活性剤および水から形成されるα−ゲルは、その構成成分である高級アルコールおよび界面活性剤の単独の融点を示すことが普通である。高級アルコール/界面活性剤比が小さいときには、高級アルコール比の増加にしたがってα−ゲルの融点は徐々に高温側に変化し、高級アルコール/界面活性剤比が3:1に達すると融点が変化しなくなることが知られている。
融点の測定にはDSC(示差走査熱量計)を用いることができる。図6に、DSCを用いて、ベヘニルアルコールとN―ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウムのモル比を変化させたときのα−ゲルサンプルの融点、転移点を測定した結果を示す。同図中、横軸は高級アルコール/N―ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム(SMT)のモル比を示し、縦軸は温度(℃)を示す。同図から明らかなように、高級アルコール、界面活性剤の両者および水を混合して得られる試料の吸熱ピークは、それぞれを単独に水に溶解または分散させた試料で得られる吸熱ピークよりも高温側に単一のピークを示しているが、高級アルコール比が小さい(高級アルコールが少ない)場合は会合体の吸熱ピークの温度は低く、その温度は高級アルコール比の増大とともに上昇し、モル比で3:1の組成のとき会合体構造が完成され、10:1に達するまで融点に変化はなく、10:1を超えて高級アルコール比が増加し、高級アルコールが過剰(α−ゲルの形成に関与しない)になると過剰な高級アルコールのピークが出現する。このとき過剰な高級アルコールはα−ゲル中に微細な結晶として分散しており、粘度の維持に有効な役割を担うことが知られている。しかし、非常に過剰な状態においては、高級アルコールが水和結晶として成長し、α−ゲル系を破壊するため望ましくない。
かかる知見から、本発明のゲル状組成物およびそれを外相に用いたクリーム組成物における(A)成分:(B)成分の望ましいモル比は3:1以上、すなわち(A)/(B)のモル比が3以上であり、好ましくは4:1以上、特に好ましくは4:1〜10:1である。上記モル比が3:1未満ではα−ゲルの融点が十分に上昇しておらず、高温安定性が十分でない。一方、10:1を超える共存する高級アルコールの結晶が成長し、α−ゲルが不安定化するおそれがあり、望ましくない。
本発明のゲル状組成物およびそれを外相に用いたクリーム組成物は、通常化粧品に用いられる各種成分を安定性を損なわない範囲で配合することができる。これらの成分としては一価アルコール、多価アルコール、水溶性高分子、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、香料、色素、粉末等を挙げることができるが、これら例示に限定されるものではない。
本発明のゲル状組成物およびそれを外相に用いたクリーム組成物は、保湿クリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、エッセンス等のスキンケア化粧料、ヘアクリーム等のヘアケア化粧料、サンスクリーン、ボディクリーム等のボデイケア化粧料、ゲル状ファンデーション等のリンス等の洗浄料等、可能なすべての化粧料に利用することができる。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
[状態]
各試料の状態を目視により観察した。
[粘度]
B型粘度計(ローター番号3番、ローター回転数12rpm)を用い、30℃における粘度を測定した。
[融点]
DSC(示差走査熱量計)により測定した。
[水の自己拡散係数]
数3に示す式に基づき、各試料のパルス磁場勾配NMR法による水の自己拡散係数を算出した。
[安定性試験]
実施例、比較例で得た試料を用いて、50℃、1ヶ月保存後の粘度変化(B型粘度計、30℃)、および低温サイクル試験1ヶ月保存後の水分離測定による安定性試験を行った。なお、低温サイクル試験は、−10℃で3時間保持した後、3時間かけて20℃まで昇温させ、20℃で3時間保持した後、3時間かけて−10℃まで降温させるようプログラムされた恒温槽中に保存する試験をさす。
〈安定性の判断基準〉
(50℃、1ヶ月保存後の粘度変化)
○: 保存後の試料の粘度を、調製直後の試料の粘度で除した値が、0.9以上1.1未満
△: 保存後の試料の粘度を、調製直後の試料の粘度で除した値が、0.6以上0.9未満、または1.1以上1.4未満
×: 保存後の試料の粘度を、調製直後の試料の粘度で除した値が、0.6未満、または1.4超
(低温サイクル試験における水分離)
○: 水の分離が全く認められない
△: 水の分離が僅かに認められる
×: 水の分離が明確に認められる
実施例1、比較例1)
下記表1に示す成分を用いて組成物を調製し、得られた組成物について、上記に示した試験方法・評価方法により評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004731109
表1より、実施例1の組成物はクリームとして十分な粘度を有し、保存後も粘度変化、水分離がみられず、保存安定性も良好なことがわかる。また、使用感触はべたつきがなく、良好であった。比較例1は粘度も十分でなく、保存安定性も十分とはいえない。
(実施例2、比較例2〜3)
下記表2に示す成分を用いて組成物を調製し、得られた組成物について、上記に示した試験方法・評価方法により評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004731109
表2より、実施例2の組成物は十分な粘度を有し、保存安定性も良好なことがわかる。比較例2、3は、粘度は十分であるが、保存安定性が十分ではない。
(実施例3、比較例4〜5)
下記表3に示す成分を用いて組成物を調製し、得られた組成物について、上記に示した試験方法・評価方法により評価した。結果を表3に示す。
Figure 0004731109
表3より、実施例3の組成物は十分な粘度を有し、保存安定性も良好なことがわかる。比較例4および5は粘度が不十分であり、保存安定性も十分ではない。
(比較例6、7)
下記表4に示す成分を用いて組成物を調製し、得られた組成物について、上記に示した試験方法・評価方法により評価した。結果を表4に示す。
Figure 0004731109
表4より、比較例6および7の組成物は十分な粘度を有するが、50℃における保存安定性に欠けることがわかる。
NMRを用いたパルス磁場勾配測定法による水の自己拡散係数を測定するためのパルスシーケンスの基本型を示す図である。 乳化組成物中の水の自己拡散係数を測定した1H−NMRスペクトルの例である。 パルス幅を変化させる方法で水の自己拡散係数を測定したときの信号強度の減衰曲線の例である。 α−ゲルへの水の配合量と自己拡散係数との関係を示すグラフである。 水の配合量と遠心分離によりα−ゲルから分離する水の量との関係を示すグラフである。 DSC(示差走査熱量計)による高級アルコール(ベヘニルアルコール)とN−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム(SMT)とのモル比と組成物の融点との関係を示すグラフである。
本発明により得られるゲル状組成物、およびこれを外相に用いたクリーム組成物は、一般に製剤の安定性に影響を与えることの多いアスコルビン酸−2−グルコシドを配合しても高温から低温まで安定性が良好で、水の分離や高温での低粘度化がなく、使用感触が良好なので、これを皮膚外用剤、化粧料として好適に適用される。

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(D)成分を含み、(B)成分に対する(A)成分の配合比(モル比)が3〜10であり、かつ、下記条件(i)〜(ii)を満足する、ゲル状化粧料。
    (A)成分: 平均アルキル鎖長18以上の高級アルコール。
    (B)成分: 下記一般式(I)で表される長鎖アシルスルホン酸塩型陰イオン性界面活性剤。
    1CO−a−(CH2nSO31 (I)
    〔式(I)中、R1CO−は平均炭素原子数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸残基(アシル基)を示し;aは−O−または−NR2−(ただし、R2は水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す)を示し;M1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を示し;nは1〜3の整数を示す〕
    (C)成分: アスコルビン酸−2−グルコシド。
    (D)成分: 水。
    条件(i): NMR(核磁気共鳴装置)を用いたパルス磁場勾配測定法による水の自己拡散係数の値が1×10-112・s-1下である。
    条件(ii): ゲル状化粧料の融点が60℃以上である。
  2. (A)成分と(B)成分とのモル比が、(A)成分:(B)成分=4:1〜10:1である、請求項1記載のゲル状化粧料。
  3. (C)成分を化粧料全量中に1質量%以上含有する、請求項1または2記載のゲル状化粧料。
  4. (B)成分がN−ステアロイル−N−メチルタウリン塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状化粧料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲル状化粧料を外相に用いてなる、クリーム化粧料。
  6. 系の粘度が8,000mPa・s(B型粘度計、30℃)以上である、請求項5記載のクリーム化粧料。
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