JP4730842B2 - 二酸化炭素の吸着要素および吸着装置 - Google Patents

二酸化炭素の吸着要素および吸着装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば航空機などのキャビンにおける空気中の二酸化炭素を吸着するために用いられる二酸化炭素の吸着要素および吸着装置に関する。
例えば航空機においては、二酸化炭素吸着装置によりキャビン内空気の二酸化炭素を低減することで、換気のために機内に取り込む機外空気量を低減し、高々度における低圧の機外空気をキャビン内圧力まで上昇させるのに要する圧縮エネルギを節約することが図られている。そのような二酸化炭素吸着装置において、図17に示すような二酸化炭素吸着要素100を用いることが提案されている。この従来の二酸化炭素吸着要素100は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の金属層101と、金属層101を覆う多孔質の酸化アルミニウム層102と、酸化アルミニウム層102の各孔102aの内面に付着された二酸化炭素吸着用アミン基103とを備えている(特許文献1参照)。
国際公開番号WO/2005/082489号公報
航空機等に搭載される二酸化炭素吸着要素においては、空気中の二酸化炭素を空気流路における圧力損失を大きくすることなく迅速に吸着でき、小型軽量であることが要望されている。しかし、従来の二酸化炭素吸着要素100においては、アミン基103の担体を構成する酸化アルミニウム層102はアルミニウムまたはアルミニウム合金製の金属層101に比べて脆い。そのため、アミン基103の担持量を増大するために酸化アルミニウム層102の厚さを大きくすると、機器への装着等の取り扱いが難しくなる。これを防止するために金属層101の厚さを大きくして強度を増大すると重量が増大してしまう。本発明は、そのような問題を解決することのできる二酸化炭素の吸着要素および吸着装置を提供することを目的とする。
本発明は、空気中の二酸化炭素を吸着するための可撓性を有するフィルム状の二酸化炭素吸着要素であって、フィルム状に二軸延伸させた高分子材製、又は、ポリエチレンテレフタレート製のベースフィルムと、前記ベースフィルムの少なくとも一面に形成される担体フィルムとを備え、前記担体フィルムは、その表層が多孔質の酸化アルミニウム製担持層とされると共に残部がアルミニウムまたはアルミニウム合金製支持層とされるように、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のフォイルの表層を酸化することで形成され、前記担持層の各孔の内面に二酸化炭素吸着用アミン基が付着されている。
これにより、柔軟で可撓性を有する高強度、高靱性の高分子材製のベースフィルムが二酸化炭素吸着要素の強度維持の核となり、アルミニウムやアルミニウム合金を強度維持の核とするのに比べ、二酸化炭素吸着要素を薄く軽量化でき、また、取り扱い容易となる。
ベースフィルムは、高分子材を二軸延伸により薄いフィルム状に延ばすことで形成されるのが好ましく、二軸延伸によって強度向上が図られ、耐熱性に優れたものとなる。その厚さは40μm以下であるのが好ましく、より好ましくは8〜20μm程度であって例えば食品パッケージ用として大量生産されることで入手容易なポリエステルフィルムが良い。そのため、前記高分子材はポリエチレンテレフタレート(PET)であるのが好ましい。
本発明の二酸化炭素吸着装置は、空気通路を構成する第1ダクトと、前記空気通路を通過する空気よりも高温の流体が通過する高温流体通路を構成する第2ダクトと、前記空気通路と前記高温流体通路とを仕切る隔壁とを備え、前記隔壁に開口が形成され、本発明の前記二酸化炭素吸着要素が前記開口を閉鎖するように設けられ、前記二酸化炭素吸着要素は、前記アミン基が前記空気通路内に配置され、前記高温流体通路を高温の流体が通過しない吸着状態と通過する再生状態とに切り換える切換機構が設けられている。
これにより、吸着状態においては、空気通路を通過する空気中に含まれる二酸化炭素がアミン基により吸着される。再生状態においては、高温流体通路を通過する流体によりアミン基が二酸化炭素吸着時より高温に加熱され、吸着した二酸化炭素を空気通路を通過する空気中に放出することで再生される。この場合、隔壁に形成される開口の数や二酸化炭素吸着要素の数は特に限定されない。アミン基が付着された二酸化炭素吸着要素の表層は空気通路を通過する空気の流れ方向に沿うのが好ましい。これにより、二酸化炭素吸着要素が薄くされることと相まって空気通路における圧力損失を大きくすることなく二酸化炭素の吸着を迅速に行うことができる。また、ベースフィルムの一面のみに担体フィルムが形成されるのが好ましい。
本発明の二酸化炭素吸着装置においては、前記二酸化炭素吸着要素により偏平な袋が形成され、前記アミン基が付着された表層が前記袋の外面側とされ、前記アミン基が付着された表層が前記空気通路を通過する空気の流れ方向に沿うように、前記袋は前記空気通路内に配置され、前記再生状態において前記袋の内部に前記高温流体通路を通過する流体が導入されるように、前記袋の開口の周囲部により前記隔壁の開口の周囲部が覆われるのが好ましい。これにより、吸着状態においては偏平な袋の外面が空気通路を通過する空気の流れ方向に沿うので空気通路における圧力損失を大きくすることがなく、再生状態においては袋の内部に高温流体が導入されることでアミン基を迅速に再生できる。また、その袋の数を複数とすることで二酸化炭素の吸着量を増大させることができる。この場合、前記高温流体通路における圧力と前記空気通路における圧力との差を前記再生状態では前記吸着状態におけるよりも増大する機構を備え、その圧力差の増大により前記再生状態では前記袋が膨張されるのが好ましい。これにより、再生状態において袋の内部に高温流体を確実に導入し、アミン基の再生を促進できる。
本発明の二酸化炭素吸着装置において、前記二酸化炭素吸着要素により袋が形成され、前記再生状態において前記袋の内部に前記高温流体通路を通過する流体が導入されるように、前記袋の開口の周囲部により前記隔壁の開口の周囲部が覆われ、前記高温流体通路における圧力と前記空気通路における圧力との差を前記再生状態では前記吸着状態におけるよりも増大する機構を備え、その圧力差の増大により前記再生状態では前記袋が膨張されてもよい。これにより、再生状態において袋の内部に高温流体を確実に導入し、アミン基の再生を促進できる。
本発明の二酸化炭素吸着装置においては、前記高温流体通路を通過する高温の流体として水蒸気が用いられ、前記第2ダクトにおける前記水蒸気の凝縮により生じる水を加熱する加熱装置と、前記加熱装置による水の加熱により生じる水蒸気を前記高温流体通路に還流させる還流通路とが設けられているのが好ましい。高温流体として水蒸気を用いることで、ヒートパイプ方式によりアミン基を加熱し、水蒸気の凝縮により生じる水を回収できる。これにより、消費されることのない熱媒体として水を繰り返し利用できる。特に、二酸化炭素吸着要素により形成される袋が再生状態において膨張する場合、袋に引き込まれた水蒸気が凝縮温度で多量の凝縮熱を発することでアミン基を一気に加熱でき、また必要以上に温度を上昇させることなく短時間で再生を行うことができる。
本発明によれば、取り扱い容易で、破損し難く、薄く軽量の二酸化炭素吸着要素と、大量の二酸化炭素を迅速に吸着し、二酸化炭素吸着用アミン基を均一かつ迅速に再生処理するのに適した二酸化炭素吸着装置を提供できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る二酸化炭素吸着要素1を備える二酸化炭素吸着装置2を航空機用空気調和装置3に適用した場合の構成を示す。空気調和装置3は、航空機のエンジン4からの抽出空気を、温度、圧力、湿度、酸素濃度等を調整した調整空気とした後に航空機のコックピット空間を含むキャビン5に導入し、キャビン5から排出された空気の一部を圧力調整等のために機外に排気し、残部を調整空気とした後に再びキャビン5に還流させる公知のものを用いることができる。なお、航空機が地上にあってエンジン4が停止している時は、エンジン4からの抽出空気に代えて高圧空気供給ユニットにより圧縮された空気が空気調和装置3に供給されてもよい。また、エンジン4に代えて電動モータにより駆動されるコンプレッサーにより圧縮された高温空気を空気調和装置3に供給するようにしてもよい。
空気調和装置3に、第1空気流路6と第2空気流路7を介して導入側切換バルブ8が接続され、導入側切換バルブ8に二酸化炭素吸着装置2の吸着容器14の空気導入口14aが接続され、吸着容器14の空気排出口14bに排出側切換バルブ9を介して第3空気流路10と排気流路11が接続されている。二酸化炭素吸着装置2の吸着容器14は、空気通路を構成するダクトとして機能する。吸着容器14に、空気中の二酸化炭素を吸着するための可撓性を有するフィルム状の二酸化炭素吸着要素1が収納されている。二酸化炭素吸着要素1は、例えばロール状に巻いた状態で吸着容器14に収納することで、空気との接触面積を増大するのが好ましい。
図2に示すように、二酸化炭素吸着要素1は高分子材製のベースフィルム15と、ベースフィルム15の両面に形成される担体フィルム16とを備える。本実施形態のベースフィルム15は二軸延伸ポリエステルフィルムであり、ベースフィルム15を構成する高分子材はポリエチレンテレフタレート(PET)とされている。各担体フィルム16は、その表層が多孔質の酸化アルミニウム(Al2 3 )製担持層16aとされると共に残部がアルミニウムまたはアルミニウム合金製支持層16bとされるように、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のフォイルの表層を酸化することで形成されている。各担持層16aの各孔16a′の内面に二酸化炭素吸着用アミン基17が付着されている。アミン基17は、空気に含まれる二酸化炭素分子を吸着し、吸着時よりも温度が上昇することで吸着した二酸化炭素分子を放出する。担持層16aの各孔16a′の深さ方向は担体フィルム16の厚さ方向(図2の矢印A方向)とされている。担持層16aの厚さは、例えば数μm〜数十μmとされる。担持層16aの各孔16a′の内面に付着されたアミン基17により囲まれた孔の内径は、例えば2nm〜100nmとされる。各孔16a′の開口が閉鎖されていないのは勿論のことである。本実施形態においては、各担体フィルム16はベースフィルム15に接着剤層18を介して接着されている。
図3は二酸化炭素吸着要素1の製造工程の一例を示す。
ノズル20から流出する重合された溶融樹脂21を、凝固させながらローラ22間を通過させることでフィルム状とし、これを二軸延伸装置23を通すことで長手方向と幅方向とに延伸させることで、ベースフィルム15が形成される。二軸延伸装置23は公知のものを用いることができる。
次に、ベースフィルム15の両面に噴霧器24を介して接着剤18Aが噴霧されることで接着剤層18が形成され、ロールから繰り出されるアルミニウム製またはアルミニウム合金製のフォイル16Aがベースフィルム15の両面に接着され、加熱ローラ26により加熱されることで接着剤層18が硬化される。
次に、積層されたベースフィルム15とフォイル16Aは、容器27内の酸性処理液28に導入され、フォイル16Aの表層に陽極酸化処理が施されることで担持層16aが形成される。すなわち、フォイル16Aにおける支持層16bとなる部分を陽極として、例えば希硫酸を主成分とする電解液である酸性処理液28内で電流を流す陽極酸化処理により、そのフォイルの表層に図4に示すように担持層16aが形成される。担持層16aは担体フィルム16の厚さ方向に成長することから、担持層16aにおける各孔16a′の深さ方向は担体フィルム16の厚さ方向になる。酸性処理液28の種類、濃度、温度、印加電流値などのパラメータを管理することで、アミン基17を付着させるのに適した孔16a′を有する均一な品質の担持層16aを生成することができる。このような陽極酸化による担持層16aの生成は公知の工程により行うことができる。
次に、積層されたベースフィルム15と担体フィルム16は、容器29内のアミン基を含む溶液30内に導入され、担持層16aの各孔16a′の内面にアミン基17が付着され、ヒーター25により乾燥させられることで二酸化炭素吸着要素1が製造される。なお、容器29内のアミン基を含む溶液30としては、アミン基17を多数持つ例えばポリエチレンイミンのような高分子剤を揮発性溶剤に溶かしたものを用いることができる。
空気調和装置3は、キャビン5から循環のために排出されるほぼ常温の空気を第1空気流路6から導入側切換バルブ8に導き、また、キャビン5から機外排気のために排出される空気を加熱機構により例えば80℃〜120℃程度まで昇温させた後に減圧弁等を介して第2空気流路7から導入側切換バルブ8に導く。導入側切換バルブ8と排出側切換バルブ9は、吸着容器14の空気導入口14aが第1空気流路6に接続されると共に空気排出口14bが第3空気流路10に接続される吸着状態と、空気導入口14aが第2空気流路7に接続されると共に空気排出口14bが排気流路11に接続される再生状態とに切り換える切換機構を構成する。
上記二酸化炭素吸着装置2によれば、吸着状態においては、キャビン5から流出する空気に含まれる二酸化炭素を吸着し、第3空気流路10を介してキャビン5に二酸化炭素濃度が低減された空気を還流できる。また、再生状態においてはアミン基17は吸着状態におけるよりも高温の空気により加熱され、吸着した二酸化炭素を放出できるのでアミン基17は再生され、アミン基17から放出された二酸化炭素を含む空気は排気流路11を介して機外に排出される。その吸着状態および再生状態において、吸着容器14内の空気流路において二酸化炭素吸着要素1の表面に沿って空気が流れるように二酸化炭素吸着要素1が配置される。これにより、二酸化炭素吸着要素1が薄いことから、その空気の流動に対する抵抗を小さくでき、空気流路における圧力損失を大きくすることなく二酸化炭素の吸着とアミン基17の再生を迅速に行うことができる。また、支持層16bは熱伝導性に優れたアルミニウム製またはアルミニウム合金製であるので、たとえ局所的に加熱されても熱が拡散されることで劣化を生じるような温度上昇は生じず、均一な温度分布となるように加熱され、アミン基17を再生に適した温度に均一かつ迅速に加熱できる。
上記二酸化炭素吸着要素1によれば、柔軟で可撓性を有する高強度、高靱性の高分子材製のベースフィルム15が二酸化炭素吸着要素1の強度維持の核となり、アルミニウムやアルミニウム合金を強度維持の核とするのに比べ、二酸化炭素吸着要素1を薄く軽量化でき、また、取り扱い容易で振動等により破損し難いものにできる。さらに、その高分子材をポリエチレンテレフタレートとし、ベースフィルム15を二軸延伸により薄いフィルム状に延ばすことで形成される入手容易なポリエステルフィルムとすることで、二酸化炭素吸着要素1を強度と耐熱性に優れるものにできる。
なお、陽極酸化処理による担持層16aの形成途中において処理電圧を下げることにより担持層16aの厚さが変化する。これにより、図5の変形例に係る二酸化炭素吸着要素1′に示すように、担持層16aに形成される孔を、表面側の大径孔16a″と、大径孔16a″の底部において開口する複数の小径孔16a′として成長させることができる。この場合、小径孔16a′の内面に付着されたアミン基17が二酸化炭素吸着要素1の表面積の大部分を占めるため、小径孔16a′の内面に付着されたアミン基17により囲まれた孔の内径Dを吸着に適した2nm〜100nmとするのが好ましい。大径孔16a″の内面に付着されたアミン基17により囲まれた孔の内径は100nmを超えてもよい。大径孔16a″の存在により、二酸化炭素吸着要素1の表面に沿う空気の流れに変化を与え、アミン基17により囲まれた孔への二酸化炭素分子の導入を促進できる。
本発明による二酸化炭素吸着要素1の実用可能な諸元の一例を以下に示す。なお、担持層16aの構成は図5の変形例のものとした。
ベースフィルム :厚さ12μm、比重1.40
各担持層 :厚さ30.0μm、比重1.99
各支持層 :厚さ5.0μm、比重2.71
各接着剤層 :厚さ2.5μm、比重1.41
二酸化炭素吸着要素:厚さ87.0μm、単位面積当たり重量0.170g/cm2
これに対し、従来例で示した金属層101を覆う多孔質の酸化アルミニウム層102の各孔102aの内面にアミン基103を付着させる二酸化炭素吸着装置100の、実用可能な諸元の一例を以下に示す。
各酸化アルミニウム層:厚さ30.0μm、比重1.99
金属層 :厚さ40.0μm、比重2.71
二酸化炭素吸着装置 :厚さ100.0μm、単位面積当たり重量0.228g/cm2
すなわち、本発明によれば従来に比べ二酸化炭素吸着要素1を薄く軽量にできる。
図6は、第2実施形態に係る二酸化炭素吸着要素1″を備える二酸化炭素吸着装置2″を航空機用空気調和装置3に適用した場合の構成を示す。以下、第1実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。本実施形態の二酸化炭素吸着装置2″は、第1実施形態の吸着容器14に代えて、空気通路31Aを構成する第1ダクト31と、空気通路31Aを通過する空気よりも高温の流体が通過する高温流体通路32Aを構成する第2ダクト32とを備える。導入側切換バルブ8に第1ダクト31の空気導入口31aが接続され、第1ダクト31の空気排出口31bに排出側切換バルブ9を介して第3空気流路10と排気流路11が接続される。
第2ダクト32の流入口32bと流出口32cとを接続する還流通路33が設けられ、還流通路33の途中にタンク34、開閉バルブ35、チェックバルブ36が設けられる。第2ダクト32における高温流体通路32Aを通過する高温の流体として水蒸気が用いられ、第2ダクト32における水蒸気の凝縮により生じる水は残りの水蒸気と共に、還流通路33、チェックバルブ36を介してタンク34に導かれる。タンク34内の水を加熱する加熱装置37が設けられ、加熱装置37による水の加熱により生じる水蒸気は還流通路33、開閉バルブ35を介して高温流体通路32Aに還流される。なお、タンク34への水の流れが促進されるように、水平飛行状態において二酸化炭素吸着装置2″が傾斜するように配置するのが好ましい。
空気調和装置3は、キャビン5から循環のために排出されるほぼ常温の空気を第1空気流路6から導入側切換バルブ8に導き、また、キャビン5から機外排気のために排出される空気を第2空気流路7から導入側切換バルブ8に導く。なお、本実施形態では第2空気流路7から導入側切換バルブ8に導く空気を第1実施形態のように加熱する必要はないが、加熱してもよい。導入側切換バルブ8、排出側切換バルブ9、および開閉バルブ35は、第1ダクト31の空気導入口31aが第1空気流路6に接続され、空気排出口31bが第3空気流路10に接続され、開閉バルブ35が閉鎖される吸着状態と、空気導入口31aが第2空気流路7に接続され、空気排出口31bが排気流路11に接続され、開閉バルブ35が開かれる再生状態とに切り換える切換機構を構成する。吸着状態においては高温流体通路32Aを水蒸気は通過せず、再生状態においては通過する。
図7に示すように、第2実施形態の二酸化炭素吸着要素1″は、ベースフィルム15と、ベースフィルム15の一面のみに形成される担体フィルム16とを備えるものとされている。本実施形態の二酸化炭素吸着要素1″を製造するに際しては、ベースフィルム15の一面にのみ接着剤層18を介してアルミニウム製またはアルミニウム合金製のフォイル16Aが接着される。次に、陽極酸化処理を行う前にベースフィルム15にフォイル16Aを接着した状態の積層フィルムを、図8に示すようにフォイル16Aが外面側となるように筒状に曲げ、長手方向に沿う両縁部を互いに例えばヒータ内蔵ローラ39を介して融着したり接着剤を介して接着することで、筒状に成形する。その筒状とされた積層フィルムの外面側であるフォイル16Aの表層に陽極酸化処理により担持層16aを形成し、担持層16aにおける各孔16a′の内面にアミン基17を付着させることで二酸化炭素吸着要素1″を筒状に成形している。さらに、その筒状の二酸化炭素吸着要素1″を所定の軸方向間隔で切断することで、複数の筒状二酸化炭素吸着要素1″とし、各筒状二酸化炭素吸着要素1″の両端の開口の中の一方を、その開口の周縁同志の融着や接着剤を介する接着等により閉鎖している。これにより、図9に示すように二酸化炭素吸着要素1″により偏平な複数の袋αが形成され、アミン基17が付着された二酸化炭素吸着要素1″の表層が各袋αの外面側とされている。各袋αは一辺にのみ沿う開口38を有し、その開口38の相対応する周縁部それぞれは外方への張出部38′とされている。複数の袋αが、開口38が同一方向を向くと共に厚さ方向に沿って一列に並列され、相隣接する袋αは張出部38′同志が互いに融着されたり接着剤を介して接着されることで連結される。各袋αは第1ダクト31により構成される空気通路31A内に配置される。
第2実施形態の第1ダクト31と第2ダクト32の具体的形態は図10〜図12に示すものとされている。第1ダクト31は、一端側に端部壁を有する円筒状の外筒50、外筒50の他端開口を覆う蓋部材51、外筒50内に配置される両端開口の角筒状の内筒53、導入側ガイドカバー54、および排出側ガイドカバー55により構成され、第2ダクト32は内筒53により構成される。
蓋部材51は、外筒50の他端開口を覆うように、外筒50の他端に形成されたフランジ50fにネジ等の固定手段(図示省略)によって着脱可能に取り付けられ、外筒50の他端面と蓋部材51との間には環状シール部材56が挟み込まれる。外筒50の周壁に複数の導入用開口50aが軸方向に沿って並列するように設けられ、導入用開口50aを覆うように導入側ガイドカバー54が外筒50の外周に融着等により取り付けられ、導入側ガイドカバー54に導入用開口50aに通じる空気導入口31aが設けられている。導入用開口50aに対向する位置において外筒50の周壁に複数の排出用開口50bが軸方向に沿って並列するように設けられ、排出用開口50bを覆うように排出側ガイドカバー55が外筒50の外周に融着等により取り付けられ、排出側ガイドカバー55に排出用開口50bに通じる空気排出口31bが設けられている。
内筒53は、幅が高さよりも大きくされ、幅方向に沿う一対の主部53a、53bと、高さ方向に沿う一対のサイド部53c、53dとを有し、2つの部材53A、53Bを融着等により連結することで形成されている。一方の部材53Aは一方の主部53aと、両サイド部53c、53dにおける一方の主部53a側部分とを構成し、他方の部材53Bは他方の主部53bと、両サイド部53c、53dにおける他方の主部53a側部分とを構成する。内筒53の一端は、外筒50の一端の端部壁に形成された外方突出部50dの内面により支持され、外方突出部50dに流出口32cが内筒53の一端開口に通じるように設けられている。内筒53の一端面と外方突出部50dの内面との間に環状シール部材57が挟み込まれる。内筒53の他端は、蓋部材51に形成された外方突出部51aの内面により支持され、外方突出部51aに流入口32bが内筒53の他端開口に通じるように設けられている。内筒53の他端面と外方突出部51aの内面との間に環状シール部材58が挟み込まれる。
これにより、外筒50と蓋部材51と内筒53により囲まれた空間を空気通路31Aとする第1ダクト31が構成され、内筒53により囲まれた空間を高温流体通路32Aとする第2ダクト32が構成され、空気通路31Aに空気が外筒50の径方向から導入され、高温流体通路32Aに水蒸気が外筒50の軸方向から導入される。
内筒53は、空気通路31Aと高温流体通路32Aとを仕切る隔壁として機能する。本実施形態では、内筒53の各主部53a、53bそれぞれにより、開口40aが形成される隔壁40が構成される。隔壁40の開口40aが袋αを構成する二酸化炭素吸着要素1″により閉鎖されるように覆われる。すなわち、隔壁40の開口40aは、連結された複数の袋αと同数のスリット状とされ、各スリット状開口40aの幅は小さく(例えば数mm)長さは袋αの幅と略同一とされ、袋αの並列間隔に対応する間隔で外筒50の軸方向に沿って一列に並列される。隔壁40の開口40aそれぞれに袋αそれぞれが挿入され、各袋αの開口38の周囲部により隔壁40の開口40aの周囲部が覆われ、しかる後に2部材53A、53Bの連結により形成された内筒53を外筒50内に配置することで、各袋αは空気通路31A内に配置される。なお、2部材53A、53Bの連結は各連結端に形成されたフランジにおいて融着等により行なえばよい。これにより、再生状態において袋αの内部に高温流体通路32Aを通過する水蒸気が導入される。なお、袋αの開口38の周囲部と隔壁40の開口40aの周囲部との間は、空気や水蒸気が洩れないようにシールするのが好ましく、例えば接着剤の層をシールとして設ける。
空気通路31Aに空気が外筒50の径方向から導入され、隔壁40におけるスリット状の開口40aの長手方向は外筒50の径方向に沿うものとされ、アミン基17が付着された二酸化炭素吸着要素1″の表層が各袋αの外面側となるように各袋αは空気通路31Aに配置されている。これにより、アミン基17は空気通路31A内に位置し、二酸化炭素吸着要素1″におけるアミン基17が付着された表層は空気通路31Aを通過する空気の流れ方向に沿う。
吸着状態においては、空気調和装置3はキャビン5から流出する空気を第1ダクト31の空気通路31Aを通過した後に再びキャビン5に還流させるので、第1ダクト31における空気の圧力は空気調和装置3により圧力調整されたキャビン5の圧力と同等とされている。再生状態においては、空気通路31Aは排気流路11を介して機外に通じることから、航空機が高々度を飛行する場合は空気通路31Aにおける圧力はキャビン5の圧力よりも低下する。一方、第2ダクト32の高温流体通路32Aにおける圧力は、再生状態においては水蒸気が導入されることから吸着状態におけるよりも高圧になる。すなわち、吸着状態と再生状態とに切り換える切換機構が、高温流体通路32Aにおける圧力と空気通路31Aにおける圧力との差を再生状態では吸着状態におけるよりも増大する機構を構成する。各袋αを空気通路31Aに配置するための組み立ては常圧下で行なわれることから、その圧力差の増大により再生状態では袋αが吸着状態におけるよりも膨張される。他の構成は第1実施形態と同様とされる。
第2実施形態の二酸化炭素吸着要素1″と二酸化炭素吸着装置2″によれば第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、吸着状態においては偏平な袋αの外面が空気通路31Aを通過する空気の流れ方向に沿うので空気通路31Aにおける圧力損失を大きくすることがなく、袋αの数を複数とすることで二酸化炭素の吸着量を増大させることができる。再生状態においては、袋αの内部に高温流体が導入されることでアミン基17を迅速に再生でき、この際、袋αが膨張することで確実に高温流体を導入できる。その高温流体として水蒸気を用いることで、ヒートパイプ方式によりアミン基17を加熱し、水蒸気の凝縮により生じる水を回収できる。これにより、消費されることのない熱媒体として水を繰り返し利用できる。特に、袋αが再生状態において膨張する場合、袋αに引き込まれた水蒸気が凝縮熱を発することでアミン基17を一気に加熱でき、必要以上に温度を上昇させることなく短時間で再生を行うことができる。
図13〜図15は、第2実施形態の第1変形例に係る第1ダクト31′と第2ダクト32′を示す。以下、第2実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。本変形例の第1ダクト31′は、両端開口の円筒状の内筒53′により構成され、第2ダクト32′は、一端側に壁を有する円筒状の外筒50′、外筒50′の他端開口を覆う蓋部材51′、および内筒53′により構成され、内筒53′は外筒50′内に配置される。
蓋部材51′は、外筒50′の他端開口を覆うようにネジ等の固定手段(図示省略)によって外筒50′に着脱可能に取り付けられ、外筒50′の他端面と蓋部材51′との間には環状シール部材56′が挟み込まれる。外筒50′の周壁に流入口32bが設けられている。流入口32bに対向する位置において外筒50′の周壁に流出口32cが設けられている。
内筒53′は一端にフランジ53f′を有し、そのフランジ53f′を介して外筒50′の一端の端部壁に形成された外方突出部50d′の内面により支持され、外方突出部50dに空気排出口31bが内筒53′の一端開口に通じるように設けられている。内筒53′の一端面と外方突出部50d′の内面との間に環状シール部材57′が挟み込まれる。内筒53′の他端は、蓋部材51′に形成された外方突出部51a′の内面により支持され、外方突出部51a′に空気導入口31aが内筒53′の他端開口に通じるように設けられている。内筒53′の他端面と外方突出部51a′の内面との間に環状シール部材58′が挟み込まれる。
これにより、内筒53′により囲まれた空間を空気通路31Aとする第1ダクト31′が構成され、外筒50′と蓋部材51′と内筒53′により囲まれた空間を高温流体通路32Aとする第2ダクト32′が構成され、空気通路31Aに空気が外筒50′の軸方向から導入され、高温流体通路32Aに水蒸気が外筒50′の径方向から導入される。
内筒53′は、空気通路31Aと高温流体通路32Aとを仕切る隔壁として機能する。本変形例では、内筒53′の周壁により、開口40a′が形成される隔壁40′が構成される。隔壁40′の開口40a′が、第2実施形態と同様の袋αを構成する二酸化炭素吸着要素1″により閉鎖されるように覆われる。すなわち、隔壁40′の開口40a′は、内筒53′の軸方向に沿うスリット状とされ、内筒53′の周壁の一端から他端にわたり形成され、その数は連結された複数の袋αと同数とされ、各スリット状開口40a′の幅は小さく(例えば数mm)、袋αの並列間隔に対応する間隔で周方向に沿って一列に並列され、外周から内周に向かうに従い内筒53′の径方向に対して傾斜する。図14に示すように、連結された複数の袋αは、各開口38が内筒53′の外周に沿い、開口38の反対側の辺が内筒53′の軸心に沿うように巻かれた状態で、隔壁40′の開口40a′それぞれに袋αそれぞれが挿入され、しかる後に内筒53′は外筒50′内に配置される。これにより、各袋αの開口38の周囲部により隔壁40′の開口40a′の周囲部が覆われ、各袋αは空気通路31A内に配置される。なお、袋αの開口38の周囲部と隔壁40′の開口40a′の周囲部との間は、空気や水蒸気が洩れないようにシールするのが好ましく、例えば接着剤の層をシールとして設ける。しかる後に内筒53′が外筒50′内に収納され、第1ダクト31′と第2ダクト32′が構成される。これにより、再生状態において袋αの内部に高温流体通路32Aを通過する水蒸気が導入される。
空気通路31Aに空気が外筒50′の軸方向から導入され、隔壁40′におけるスリット状の開口40a′の長手方向は内筒53′の軸方向に沿うものとされ、アミン基17が付着された二酸化炭素吸着要素1″の表層が各袋αの外面側とされ、各袋αは空気通路31Aに配置されている。これにより、アミン基17は空気通路31A内に位置し、二酸化炭素吸着要素1″におけるアミン基17が付着された表層は空気通路31Aを通過する空気の流れ方向に沿う。本変形例の他の構成は第2実施形態と同様とされ、第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
図16は、第2実施形態の第2変形例に係る第1ダクト31″と第2ダクト32″を示す。以下、第2実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。
本変形例の第1ダクト31″は、両端に壁を有する外筒50″と両端開口の円筒状の内筒53″により構成され、第2ダクト32″は内筒53″により構成され、内筒53″は外筒50″内に配置され、両軸心は平行とされる。外筒50″の一端の端部壁に複数の空気導入口31aが設けられ、他端の端部壁に複数の空気排出口31bが設けられている。内筒53″の両端は外筒50″の両端の端部壁に形成された開口の内面によりシール部材(図示省略)を介して支持され、外筒50″の一端の端部壁に流入口32bが内筒53″の一端開口に通じるように設けられ、外筒50″の他端の端部壁に流出口32cが内筒53″の他端開口に通じるように設けられている。これにより、外筒50″と内筒53″により囲まれた空間を空気通路31Aとする第1ダクト31″が構成され、内筒53″により囲まれた空間を高温流体通路32Aとする第2ダクト32″が構成され、空気通路31Aに空気が外筒50″の軸方向から導入され、高温流体通路32Aに水蒸気が外筒50″の軸方向から導入される。
内筒53″の周壁により、開口40a″が形成される隔壁40″が構成される。隔壁40″の開口40a″が二酸化炭素吸着要素1″により閉鎖されるように覆われる。本変形例においては、二酸化炭素吸着要素1″は両端開口の円筒状に成形され、アミン基17が付着された表層は外周側とされ、内筒53″に嵌め合わされることで隔壁40″の開口40a″を覆う。隔壁40″の開口40a″の形状は特に限定されず、例えば内筒53″の軸方向に沿うスリット状の複数の開口を周方向間隔をおいて形成してもよいし、複数の丸孔状の開口40a″としてもよい。なお、筒状の二酸化炭素吸着要素1″の両端内周と内筒53″の両端外周との間は、空気や水蒸気が洩れないようにシールするのが好ましく、例えば接着剤の層をシールとして設ける。空気通路31Aに空気が外筒50″の軸方向から導入され、筒状とされた二酸化炭素吸着要素1″の軸方向は外筒50″の軸方向に沿い、アミン基17が付着された二酸化炭素吸着要素1″の表層は外周側とされることで空気通路31Aに配置されている。これにより、アミン基17は空気通路31A内に位置し、二酸化炭素吸着要素1″におけるアミン基17が付着された表層が空気通路31Aを通過する空気の流れ方向に沿う。本変形例の他の構成は第2実施形態と同様とされる。
本変形例によれば、吸着状態においては、キャビン5から流出する空気に含まれる二酸化炭素を吸着し、第3空気流路10を介してキャビン5に二酸化炭素濃度が低減された空気を還流できる。また、再生状態においてはアミン基17は吸着状態におけるよりも高温の空気により加熱され、吸着した二酸化炭素を放出できるのでアミン基17は再生され、アミン基17から放出された二酸化炭素を含む空気は排気流路11を介して機外に排出される。二酸化炭素吸着要素1″の支持層16bは熱伝導性に優れたアルミニウム製またはアルミニウム合金製であるので、たとえ局所的に加熱されても熱が拡散されることで劣化を生じるような温度上昇は生じず、均一な温度分布となるように加熱され、アミン基17を再生に適した温度に均一かつ迅速に加熱できる。さらに、高温流体として水蒸気を用いることで、ヒートパイプ方式によりアミン基17を加熱し、水蒸気の凝縮により生じる水を回収できる。これにより、消費されることのない熱媒体として水を繰り返し利用できる。なお、本変形例における空気導入口31aと流入口32bとを入れ替え、空気排出口31bと流出口32cとを入れ替え、筒状とされた二酸化炭素吸着要素1″のアミン基17が付着された表層を内周側とし、外筒50″と内筒53″により囲まれた空間を高温流体通路32Aとし、内筒53″により囲まれた空間を空気通路31Aとしてもよい。また、外筒50″内に複数の内筒53″を収納してもよい。
本発明は上記各実施形態や各変形例に限定されない。例えば、第2実施形態の二酸化炭素吸着要素1″における担持層16aを、図5の変形例と同様に大径孔16a″と小径孔16a′とを有するものとしてもよい。第1実施形態における吸着容器14や、第2実施形態やその変形例における各ダクト31、31′、31″、32、32′、32″を複数としてもよい。高温流体通路32Aを通過する高温流体として水蒸気以外の流体を用いてもよく、例えば空気通路を通過する空気よりも高温の空気を用いてもよい。ベースフィルムの成型方法も特に限定されない。例えば、空気通路と高温流体通路とを仕切る隔壁と、隔壁の開口の周縁から張り出す袋状部分とを一体成型し、しかる後に、その袋状部分を延伸することによって袋状のベースフィルムを構成してもよい。この場合、隔壁と袋状のベースフィルムを後で連結する必要がなく、製作が容易になる上、その気密性も容易に確保される。また、ベースフィルムと担体フィルムとの一体化手段は接着剤を介するものに限定されず、例えば担体フィルムにベースフィルムを融着させてもよい。あるいは、ベースフィルムを真空槽の中に入れてアルミを蒸着することによって、ベースフィルム上にアルミ層を形成し、そのアルミ層の表層を酸化することで担体フィルムとしてもよい。ベースフィルムの材質としてポリエチレンテレフタレート以外の柔軟で可撓性を有する高強度、高靱性な高分子材を用いてもよい。さらに、本発明による二酸化炭素吸着要素と二酸化炭素吸着装置を航空機以外の空間における空気中の二酸化炭素を吸着するために用いてもよい。
本発明の第1実施形態に係る二酸化炭素吸着要素を備える二酸化炭素吸着装置を航空機用空気調和装置に適用した場合の構成を示す図 本発明の第1実施形態に係る二酸化炭素吸着要素の部分拡大断面図 本発明の第1実施形態に係る二酸化炭素吸着要素の成形方法を示す図 本発明の第1実施形態に係る二酸化炭素吸着要素の成形途中の状態を示す部分拡大断面図 本発明の変形例に係る二酸化炭素吸着要素の部分拡大断面図 本発明の第2実施形態に係る二酸化炭素吸着要素を備える二酸化炭素吸着装置を航空機用空気調和装置に適用した場合の構成を示す図 本発明の第2実施形態に係る二酸化炭素吸着要素の部分拡大断面図 本発明の第2実施形態に係る二酸化炭素吸着要素による袋の形成途中の状態を示す斜視図 本発明の第2実施形態に係る二酸化炭素吸着要素により形成される袋の連結状態を示す図 本発明の第2実施形態における第1ダクトと第2ダクトの具体的形態を示す分解斜視図 本発明の第2実施形態における第1ダクトと第2ダクトの具体的形態を示す横断面図 本発明の第2実施形態における第1ダクトと第2ダクトの具体的形態を示す軸方向に沿った部分断面図 本発明の第2実施形態の第1変形例に係る二酸化炭素吸着装置の断面図 本発明の第2実施形態の第1変形例に係る二酸化炭素吸着要素と内筒の分解斜視図 本発明の第2実施形態の第1変形例に係る内筒と二酸化炭素吸着要素の部分拡大断面図 本発明の第2実施形態の第2変形例に係る第1ダクトと第2ダクトを示す断面図 従来例の二酸化炭素吸着要素の部分拡大断面図
符号の説明
1、1′、1″ 二酸化炭素吸着要素
2、2′、2″ 二酸化炭素吸着装置
8 導入側切換バルブ(切換機構)
9 排出側切換バルブ(切換機構)
15 ベースフィルム
16 担体フィルム
16a 担持層
16b 支持層
16a′ 孔
17 アミン基
31、31′、31″ 第1ダクト
31A 空気通路
32、32′、32″ 第2ダクト
32A 高温流体通路
33 還流通路
35 開閉バルブ(切換機構)
37 加熱装置
40、40′、40″ 隔壁
40a、40a′、40a″ 開口
α 袋

Claims (7)

  1. 空気中の二酸化炭素を吸着するための可撓性を有するフィルム状の二酸化炭素吸着要素であって、
    フィルム状に二軸延伸させた高分子材製のベースフィルムと、
    前記ベースフィルムの少なくとも一面に形成される担体フィルムとを備え、
    前記担体フィルムは、その表層が多孔質の酸化アルミニウム製担持層とされると共に残部がアルミニウムまたはアルミニウム合金製支持層とされるように、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のフォイルの表層を酸化することで形成され、
    前記担持層の各孔の内面に二酸化炭素吸着用アミン基が付着されている二酸化炭素吸着要素。
  2. 空気中の二酸化炭素を吸着するための可撓性を有するフィルム状の二酸化炭素吸着要素であって、
    高分子材製のベースフィルムと、
    前記ベースフィルムの少なくとも一面に形成される担体フィルムとを備え、
    前記担体フィルムは、その表層が多孔質の酸化アルミニウム製担持層とされると共に残部がアルミニウムまたはアルミニウム合金製支持層とされるように、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のフォイルの表層を酸化することで形成され、
    前記担持層の各孔の内面に二酸化炭素吸着用アミン基が付着され、
    前記高分子材がポリエチレンテレフタレートである二酸化炭素吸着要素。
  3. 空気通路を構成する第1ダクトと、
    前記空気通路を通過する空気よりも高温の流体が通過する高温流体通路を構成する第2ダクトと、
    前記空気通路と前記高温流体通路とを仕切る隔壁とを備え、
    前記隔壁に開口が形成され、
    請求項1または2に記載の前記二酸化炭素吸着要素が前記開口を閉鎖するように設けられ、
    前記二酸化炭素吸着要素は、前記アミン基が前記空気通路内に配置され、
    前記高温流体通路を高温の流体が通過しない吸着状態と通過する再生状態とに切り換える切換機構が設けられている二酸化炭素吸着装置。
  4. 前記二酸化炭素吸着要素により偏平な袋が形成され、
    前記アミン基が付着された表層が前記袋の外面側とされ、
    前記アミン基が付着された表層が前記空気通路を通過する空気の流れ方向に沿うように、前記袋は前記空気通路内に配置され、
    前記再生状態において前記袋の内部に前記高温流体通路を通過する流体が導入されるように、前記袋の開口の周囲部により前記隔壁の開口の周囲部が覆われる請求項3に記載の二酸化炭素吸着装置。
  5. 前記高温流体通路における圧力と前記空気通路における圧力との差を前記再生状態では前記吸着状態におけるよりも増大する機構を備え、その圧力差の増大により前記再生状態では前記袋が膨張される請求項4に記載の二酸化炭素吸着装置。
  6. 前記二酸化炭素吸着要素により袋が形成され、
    前記再生状態において前記袋の内部に前記高温流体通路を通過する流体が導入されるように、前記袋の開口の周囲部により前記隔壁の開口の周囲部が覆われ、
    前記高温流体通路における圧力と前記空気通路における圧力との差を前記再生状態では前記吸着状態におけるよりも増大する機構を備え、その圧力差の増大により前記再生状態では前記袋が膨張される請求項3に記載の二酸化炭素吸着装置。
  7. 前記高温流体通路を通過する高温の流体として水蒸気が用いられ、
    前記第2ダクトにおける前記水蒸気の凝縮により生じる水を加熱する加熱装置と、
    前記加熱装置による水の加熱により生じる水蒸気を前記高温流体通路に還流させる還流通路とが設けられている請求項3〜6の中の何れか1項に記載の二酸化炭素吸着装置。
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