JP4729598B2 - エレベーターの保守点検システム - Google Patents

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本発明は、エレベーターの保守点検システムに係り、特に、エレベーターの利用者がエレベーターの健全度や異常を判断してエレベーターシステムに入力できる機能を盛り込んだエレベーターの保守点検システムに関する。
エレベーターは年に数回の定期保守点検作業を複数人の保守員が現地に出向いて行って性能の維持確保を行う他に、保守点検手段として、エレベーターシステムの各所にセンサを取り付けて、点検部位の物理的変化量などの運転データを収集して保守センタに送付し、当該運転データに基づいて保守点検を行うことが知られていた(特許文献1参照)。
特許3668659号
前記、エレベーターの現地定期保守点検作業は多くても年間4〜6回で、この点検間隔の間に生じた重篤な故障の場合にはエレベーターの制御装置がシステム停止をかけるので大きな問題に発展することはないが、軽微な故障が発生した場合には、次回の点検時まで見過ごされるので、軽微な故障はしばらくの期間放置されて、ブランドイメージに影響を与える問題が生じていた。
そこで、特許文献1に示されるように、点検すべき項目に対して、それぞれの点検箇所に物理的変化量を検出するセンサを設置して、前記故障検出の遅れによるブランドイメージ低下問題を回避する手段を用いると、センサを各点検箇所に応じて多数設置することとなるのでコストが上昇する問題が生じる。そればかりではなく、例えば、エレベーター乗りかごのいる階を表示するようなランプの切れなどは、検出すること自体の困難性もあり、また、エレベーター停止時の乗場床面と乗りかご床面との段差も大きければ、しかるべきセンサが動作して異常を検出するが、微少な段差では、センサが動作しないことが多いという問題もあった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、エレベーターの軽微な故障、不具合(以下「チェック事象」という)を特殊なセンサなどを設けることなく、かつ、発生後遅滞なく検出し、保守側で認識して、保守点検に有用となるシステムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
乗場に設置された呼びボタンと、乗りかごのドアを開又は閉にするドア開閉装置、外部通話装置、行き先登録ボタン等を備えた乗りかごと、乗りかごの運転を制御する制御手段を備えたエレベーターにおいて、
前記乗りかごに、乗客に問いかけるチェック事象を表示する問いかけ器、当該問いかけ器の問いかけに対する応答入力手段である承り器、をさらに備え、
前記制御手段は、予め記憶手段に記憶されている運転モードに対応して発生する可能性のある故障のチェック事象を、乗りかごの走行状態とドアの開閉状態の組合せに基づく運転モードに応じて呼出して、前記問いかけ器に順次問いかけ表示し、当該順次問いかけ表示に際して、前記問いかけ器に表示するチェック事象の表示頻度を均等表示するのではなくて重み付けして表示するものであり、さらに、前記乗りかごの走行状態が、乗りかご停止状態、乗りかご加速走行、乗りかご定格速度走行、乗りかご減速走行に区分けされるものであり、前記ドアの開閉状態が、ドア開状態、ドア閉状態、ドア開・閉動作状態に区分けされるものであり、さらに、前記チェック事象となる故障は、前記制御装置によるエレベーターシステムの停止によって直ちに保守点検が必要とされる故障以外の故障が対象であり、
さらに、前記制御手段は、前記問いかけ表示に対する応答を前記承り器を介して取得し、前記問いかけと前記応答と運転モードとを関連付けて保守センタに伝送する構成とする。
エレベーターの運転モードに対応して発生する可能性のある軽微な故障、不具合事象の問いかけ相手が、エレベーターの保守員だけでなく、一般のエレベーター利用者をも対象としているので、センサを各点検箇所に応じて多数設置する必要がないことからコストの上昇を防止する効果を有する。
さらに、エレベーター利用者がセンサの代わりに不具合と感じた情報を得ることが出来るので、利用者ニーズ即した保守点検を行うことが出来る効果を有する。
以下、本発明の一実施形態例を図1乃至図8に基づいて説明する。
図1は本発明の全体構成図の1実施形態例であり、同図に基づいて当該構成を説明する。
乗客が利用する乗りかご1と釣り合いおもり3は、綱車4、そらせ車5を介してメインロープ2にて接続されており、当該綱車4は駆動用電動機6によって駆動され、この電動機6には電力変換装置7から駆動用電力の給電が行われている。
また、当該電動機6にはパルス発生器8が取り付けられ、電動機の回転に応じて発生したパルスは制御装置9に入力されて、乗りかごの速度や乗りかごの鉛直方向位置等の制御諸量が算出される。
乗りかご1内には、乗りかごの位置を示す表示器10C、ドア閉、ドア開等に対応した押しボタン11C、乗りかごLAN局12C、通話装置等周知の装置の他に、問いかけ器15C、承り器16C、が配設されており、当該押し釦11C、当該表示器10C、問いかけ器15C、承り器16Cは、乗りかごLAN局12C、伝送路13、LANホスト局12Hを介して制御装置9とデータのやりとりが行われる。
また、前記制御装置9は、エレベーターの運転及び問いかけ器15C、承り器16Cを制御すると共に、後述するようなチェック事象の問いかけと応答と乗りかごの運転モードとを関連づけて保守センタ14に伝送する。
また、エレベーター乗場には従来と同様に、乗りかごの位置を示す表示器10(N+1),10N,10(N−1)、呼び用の押しボタン11(N+1),11N,11(N−1)等に加えて、さらに、乗場付近のエレベーター利用者が容易に見える位置に問いかけ器15(N+1),15N,15(N−1)、承り器16(N+1),16N,16(N−1)が各階床(N+1)階, N階,(N−1)階毎に設置され、当該表示器10(N+1),10N,10(N−1)、当該呼び用押し釦11(N+1),11N,11(N−1)及び当該問いかけ器15(N+1),15N,15(N−1)、承り器16(N+1),16N,16(N−1)は、各階床(N+1)階, N階,(N−1)階毎に設置された乗場LAN局12(N+1),12N,12(N−1)、伝送路13、LANホスト局12Hを介して制御装置9とデータのやりとりが行われる。
次に、問いかけ器15C、承り器16Cについて説明する。
問いかけ器15C、15(N+1),15N,15(N−1)には、乗りかご1の走行状態、例えば、乗りかごの停止、加速走行、定格速度走行、減速走行の走行状態に応じて顕在化する可能性のある故障部位等のチェック事象が制御装置9により順次表示される
また、承り器16C、16(N+1),16N,16(N−1)には、「不具合あり」、「不具合なし」の二択での回答が入力できるマンマシンインターフェースが設けられており、前記問いかけ器15C、15(N+1),15N,15(N−1)に順次問いかけ表示されるチェック事象と、当該問いかけに対する前記二択の回答と、運転モードMiが制御装置9により関連付けて記憶される。
次に本発明の制御システムの動作について、図2乃至図4のフローチャートに基づいて説明する。
図2に基づいて、図示していないオペレーションシステムにより定期的に起動されるタイマー割り込みについて説明する。
タイマー割り込みが掛かると、まず、ドアが閉じているのか、開いているのか、あるいは開閉動作が進行中なのか等、乗りかごドアの開閉状態を検出し(ステップS100)、次いで乗りかごが停止中なのか、走行中であれば、加速走行か、定格速度走行か、減速走行か、停止直前か等、乗りかごの走行状態を検出する(ステップS200)。
前記ステップS100におけるドア開閉状態検出結果と、ステップS200における乗りかごの走行状態検出結果に基づいて、エレベーターがドアを開けて待機している状態、ドアを閉めて、起動、加速走行、定格走行、減速走行、停止、ドア開状態等の、ドア開閉状態と乗りかごの走行状態との組合せに基づいて運転モードを決定し(ステップS300)、当該ステップS300にて決定された運転モードに応じてエレベーターに発生する可能性のあるチェック事象をエレベーターの利用者に問いかける、問いかけ処理を行う(ステップS400)。
ステップS400で行った問いかけに対する応答が入力される、承り処理(ステップS500)を行い、当該承った応答の真偽を判定して(ステップS600)、真であるとの判定のときは、問いかけ内容と承り内容と運転モードMiとを関連づけて制御装置9に格納、又は、保守センタに伝送して(ステップS700)次の割り込み待ち状態となって終了する。
一方、ステップS600で偽又は真偽不明との判定のときは、誤報のカウントアップを行い(ステップS800)、所定数以上のときは(ステップS900)警告出力を行って(ステップS1000)、次の割り待ち込状態となって終了する。
次に前記ドア開閉状態検出処理(ステップS100)、乗りかごの走行状態検出処理(ステップS200)、エレベーターの運転モード決定処理(ステップS300)、問いかけ処理(ステップS400)、承り処理(ステップS500)、承り事象が真であるか否か判断(ステップS600)、問いかけ内容と承り内容と運転モードMiとの関連付け、記憶処理(ステップS700)について以下、順次説明する
ドアの開閉状態検出処理(ステップS100)を図3に基づいて以下、説明する。
ドアの開閉状態検出処理(ステップS100)は、図示していないオペレーションシステムによって定期的に起動され、起動の都度、制御装置9は、ドアが開いているか否かを判断し(ステップS101)、NO判定のときは、ドアが閉状態を示すフラグをセットして(ステップS102)図2に戻り、ステップS200に進む。
一方、前記ステップS101でYES判定のときは、ドアが開閉動作を行っている状態か否かさらに判断し(ステップS103)、開閉動作を行っていないNO判定のときは、ドアが開状態であることを示すフラグをセットして(ステップS104)図2に戻り、ステップS200に進む。
また、ステップS103でドア開閉動作を行っているYES判定のときは、当該ドアが開く方向の動作であるか、閉じる方向の動作であるかを判定し(ステップS105)、前者のときは、ドア開動作進行中を示すフラグをセットし(ステップS107)、一方後者のときはドア閉動作進行中を示すフラグをセットして(ステップS106)図2に戻り、ステップS200に進む。
なお、前記定期的な起動は、タイマー割り込み処理ステップS10の中に埋め込まれてもよいし、独立にサイクリックに起動されてもよい。
乗りかごの走行状態検出処理(ステップS200)を図4に基づいて以下、説明する。
乗りかご走行状態検出処理(ステップS200)は、図示していないオペレーションシステムによって定期的に起動され、起動の度に、駆動電動機6の回転に伴って発生するパルス発生器8のパルス列を計数することによってエレベーターが走行中か停止中かの判定を行い(ステップS201)、パルスの発生がなければ乗りかご停止中を示すフラグをセットして(ステップS202)図2に戻り、ステップS300に進む。
一方、ステップS201で乗りかごが走行中と判断されると、定格速度で走行中か否かの判断を行い(ステップS203)、YES判定であれば定格速度で走行中を示すフラグをセットして(ステップS204)図2に戻り、ステップS300に進む。
一方、ステップS203で定格速度で走行中ではないNO判定のときは、微速で走行中か否かの判断を行い(ステップS205)、YES判定であれば、出発直後、あるいは到着直前を示す微速走行中を示すフラグをセットして(ステップS206)図2に戻り、ステップS300に進む。
前記ステップS205の判断において微速走行中ではないとの判定のときは、加速走行中か否かの判定をおこない(ステップS207)、YESであれば加速中を示すフラグをセットし(ステップS208)、NOであれば、減速走行中を示すフラグをセットして(ステップS209)図2に戻り、ステップS300に進む。
エレベーターの運転モード決定処理(ステップS300)について図5を用いて以下、説明する。
エレベーターの現在の運転モードを、ドアを開いて利用者を待っているとき、あるいは、乗客が乗り降りしているときは、ドアは開状態であり、乗りかごは停止中であるときに運転モードM1とし、以下同様に、ドア閉動作進行中で、かつ乗りかごが停止中のときを運転モードM2とし、ドア閉動作完了で、かつ乗りかごが加速走行のときを運転モードM3とし、ドア閉動作完了で、かつ乗りかごが定格速度走行のときを運転モードM4とし、ドア閉完了で、かつ乗りかごが減速走行のときを運転モードM5とし、ドア開動作進行中で、かつ乗りかごが微速走行(停止直前)のときを運転モードM6とし、ドア開動作進行中で、かつ乗りかごが停止中(到着直後)のときを運転モードM7とする、7つの運転モードM1〜M7(以下「運転モードM1〜M7」を「運転モードMi」と記載する)に分類し、当該各運転モードMiには顕在化しやすいチェック事象が対応して登録されており、当該運転モードMiに応じたチェック事象が問いかけ事象として問いかけ器15に表示される。
さらに図5を用いて、各運転モードMiに対応するチェック事象について以下、説明する。
全ての運転モードMiには、「ランプ切れ」と「ボタン故障」を登録してあるが、「ランプ切れ」及び「ボタン故障」は特定の運転モードMiに依存せずに発生する可能性があり、しかも発見できる可能性が高いとの理由である。
運転モードM1においては、乗りかご1は停止しており、ドアも開閉動作していないので、チェック事象として生じる可能性のある、床段差狂いの補正が「ランプ切れ」及び「ボタン故障」以外に登録される。
運転モードM2においては、乗りかご1は停止中であるが、ドアが閉動作を開始した時には、ドア閉めに伴いドアの部位曲りなどによって異音が発生することや、閉め動作が遅い、閉め完了時に衝撃がある等のドア閉じ動作に強く関係する事象が「ランプ切れ」及び「ボタン故障」以外に登録される。
運転モードM3においては、乗りかご1はドアが閉状態で加速走行であり、加速走行では図示していないブレーキを開放する前に釣り合いおもりと乗りかごとの不平衡荷重による飛び出しや反転を防止するため、電動機にプリトルクを発生させる負荷保障制御をかけるが、これが不調だとスタート時に起動ショックが発生し、さらに、加速に伴って走行騒音や振動が顕在化するので、当該起動ショック、走行音、乗りかごの縦・横振動が「ランプ切れ」及び「ボタン故障」以外に登録される。
運転モードM4においては、乗りかご1はドアが閉状態で定格速度走行であるので、前記起動ショックは発生しないが、走行に伴って生じる走行騒音や振動が「ランプ切れ」及び「ボタン故障」以外に登録されている。
運転モードM5においては、乗りかご1はドアが閉状態で減速走行であるので、定格速度走行と同様に、起動ショックは発生しないが、走行に伴って生じる走行騒音や振動が「ランプ切れ」及び「ボタン故障」以外に登録される。
運転モードM6においては、乗りかご1は停止直前の微速走行であるが、ドアの開動作が行われるので、ドア開騒音、ドア開き時の動作の円滑さ等のドア開動作に強く関係する事象が「ランプ切れ」及び「ボタン故障」以外に登録される。
運転モードM7においては、乗りかご1が停止したことによる、乗りかご1の停止ショック、床段差が「ランプ切れ」及び「ボタン故障」以外に登録される。
図6は、上記運転モードMiと乗りかご速度との対応関係を示す図であり、図7,図8は、運転モードMiと、運転モードMiに登録されているチェック事象の問いかけ順序、内容を示す図である。
当該図7,図8に基づいて、運転モードNiと、チェック事象の問いかけ順序、内容ついて以下、説明する。
運転モードM1においては、「床狂い補正」の頻度を「ランプ切れ」や「ボタン故障」よりも高めているが、これは、エレベーター利用者の乗降によって生じる「床狂い補正動作」は時間的に実行時間が短く、しかも頻繁に行われるので問いかけ頻度が少ないと「承り」漏れが生じる虞があるためである。
このように、一つの運転モード中の「チェック事象」を問いかけ器15に表示する際に、チェック事象を均等表示するのではなく重みを付けして表示すると、漏れなく、タイムリーに利用者から「承り」情報を入手できる。
運転モードM2においては、「ランプ切れ」や「ボタン故障」の提示頻度を非常に低く設定しているが、当該「ランプ切れ」や「ボタン故障」は運転モードM1においてチェックされているので不具合となる可能性は低いと判断出来、ドア閉に伴う事項を出発間際の場面に集中的に「承る」ことを狙うためである。
運転モードM3においても「ランプ切れ」や「ボタン故障」の提示頻度を非常に低く設定したのは運転モードM2同様の理由である。
また、図7では表現し切れていないが、「起動ショック」などは「加速走行中」の場面の中でも起動直後に高頻度で提示して、ある程度乗りかご速度が上昇したら、「不具合候補」から除外して、その占有期間を「騒音や振動」に関する問いかけに割り振って、その頻度を増加してもよい。
このように運転モードMiに対応して登録されているチェック事象を、問いかけ器15に表示する表示順序の設定、表示頻度を増加、減少、ゼロにする等の表示内容を適宜切り替えて、当該運転モードMiで発生する可能性の低い「チェック事象」の表示を制限することにより、問いかけ、承り関する無駄な行為が回避される。
図8に示す運転モードM4〜運転モードM7についても、前記と同様である。
問いかけ処理(ステップS400)、承り処理(ステップS500)について以下、説明する。
ステップS400における問いかけ処理は、図7,図8に示すように、複数の問いかけを直列的に順次表示するものであるから、承り処理(ステップS500)は、問いかけ処理(ステップS400)と対にしてサイクリックに繰り返すことになる。
また、問いかけ処理として、運転モードMiに応じて、問いかけ事象を単数又は複数を並列的に一度に提示する問いかけ処理でも良い。
また、乗場問いかけ器15(N−1)、15N、15(N+1)が問いかけるチェック事象は、図5に示す起動ショック、乗りかご停止ショックなどの乗りかご内の利用客のみ対応可能な特有事項は含まれず、乗場の利用客が対応可能な、例えば、ランプ切れ、ボタン故障、走行騒音等が問いかけ事象となる。
承り事象の真偽判断(ステップS600)について以下、説明する。
承った不具合の真偽の判断は、善意の入力以外に、いたずら入力も考えられ、その真偽の判断手法としては、例えば、同一又は類似の承り事項が予め設定した設定数を超えた場合は真と判定し、また、乗りかごの承りと、乗場の承りとが一致している場合、例えば、ドア開閉騒音の問いかけに対する応答が一致している場合は真と判定し、一方、エレベーターの荷重検出値の変動が無いにも係わらず短期間に承りの数が異常多いときは偽と判断したり、また、エレベーターシステムで把握できる事象との突き合わせが出来る場合、例えば、電流の脈動と不具合事象としての「乗りかごの振動」承りの存否、パルス発生器8の出力から把握できる乗りかご位置情報と、不具合事象としての「床段差」承りの存否による判断が考えられる。
また、誤報のカウント数が所定値以上のときに発せられる警告出力が存在するときは、判断レベルを引き上げる修正を加えても良い。
問いかけ内容と承り応答との関連付け、記憶処理(ステップS700)について、以下説明する。
問いかけたチェック事象とそれに対する応答、例えば、起動ショックの有無の問いかけに対して、承りが当該ショック無しの応答であれば、起動ショック−無と記憶し、当該ショック有りの応答であれば、起動ショック−有と記憶し、そのときの運転モードと関連付けて保守点検情報として保守センタに伝送する。
保守センタでは、当該伝送された類似の保守点検情報の有無、数等に応じて保守点検の警告を発し、保守点検情報を時系列的に一覧表示する。
すると、チェック事象が早期認識可能となり、当該認識基づき、保守点検すべき事項が明らかになるので、早期に保守点検を実行してブランドイメージの低下を防止できる。
以上の実施例によれば、次の効果を奏する。
(1).年配者や車いす利用者にとっては、乗り降りに障害になるが、センサが動作しないことが多い、乗場床面と停止時の乗りかご床面との床段差が10mm未満のような微少段差も、「問いかけ」に対する利用者からの「承り」情報に基づいて、利用者ニーズに沿った保守点検を行える効果を奏する。
(2).綱車4とメインロープ2を介してつり下げられている乗りかご1の真の速度や位置に関しては、綱車4とメインロープ2との間の粘着駆動の影響や、数百m級の超高層ビルのエレベーターにおける走行中の乗りかごの加減速度の変化によってメインロープの長さの伸縮変化の影響などによる乗りかご位置の微少誤差の発生に対しても「承り」情報に基づいて、利用者ニーズに沿った保守点検を行える効果を奏する。
(3).各運転モードにおいて、走行に応じて発生する可能性の高いチェック事象から順次問いかけ器に表示する直列方式なので、承り器は「不具合あり」、「不具合なし」の二択での回答が可能となり、承り器を簡素化できる効果有する。
(4).「問いかけ」に対する「承り」をエレベーターの保守員だけでなく、一般のエレベーター利用者も行うので、エレベーターに関連する軽微な故障、不具合の発見、報知が高価なセンサを格別に設置しなくとも、人の繊細な感性力の協力を得て、軽微な故障、不具合を効率よく収集出来るので、エレベーターシステムを常によい状態に保守維持することができる効果を有する。そればかりではなく、ドア開閉時や乗りかご走行時の異音発生は、それ自体はすぐさま問題にはならない軽微な故障、不具合ではあるが、大きな故障に発展する可能性もあるので、大きな故障の兆候を事前に知ることが出来る効果を奏する。
(5).「チェック事象」の表示をエレベーターの運転モードに応じて、表示内容、表示頻度、エレベーターの走行に伴って生じる可能性が強まってくる事象、可能性が減少する事象等に基づいて適宜切り替えるものであるから、不具合情報の取り漏らしがなく、かつ、発生場面のないものは無駄に提示することなく効率的に「承り」を取り込めることが出来る効果がある。
上記実施形態例の他の例として、次のものでも良い。
(1).上記実施形態例においては、問いかけ器として表示器を例にしたが、音声による問いかけ器としても良い。
(2).上記実施形態例においては、問いかけ処理に対して「承り」応答がなかった場合については記載していないが、記憶エリアの効率化、伝送データ量削減のため「問いかけ内容」は廃棄処理しても良い。
(3).記憶エリアの効率化、伝送データ量の削減のためにデータを圧縮しても良い。
(4).上記実施形態例においては、保守点検情報は、運転モードとチェック事象の問いかけ、応答と関係付けられているが、さらに、時刻、付加条件、階床、出発階、到着階、走行速度などの外部要因等と関連付けて不具合箇所特定の迅速化を図っても良い。
(5).チェック事象の内、重大な故障につながる可能性が高いチェック事象を「承り」情報として得たときは、保守センタにおける修理処置要請として、早期点検を図っても良い。
(6).上記実施形態例おいてはチェック事象を運転モードにあわせて順次問いかけ表示したが、チェック事象一覧を一括して並列的に問いかけ表示し、その中から故障や不具合にそれぞれ該当する部位名を個別に取り込むようにしても良い。
(7).上記実施形態例においては、運転モードを7としたが運転モードを統合して少なくしたり、逆に、乗りかご走行状態、ドア開閉状態をさらに細分して増加したりして保守点検に最適な運転モードの設定を図っても良い。
(8).上記実施形態例においては、問いかけ器15と承り器16を別体構成としたが、タッチパネルなどにより一体化してスペースファクタの向上を図っても良い。
本発明のシステムは、エレベーターに限らず、利用客が存在する電車、バス等輸送機関の保守点システムとして適用できることは明らかである。
本発明の実施形態例における全体構成図 本発明の実施形態例におけるタイマータスクのフローチャート 本発明の実施形態例におけるドア開閉状態検出処理のフローチャート 本発明の実施形態例における乗りかごの走行状態検出処理のフローチャート 本発明の実施形態例における運転モードの内容を示す図 本発明の実施形態例における運転モードと乗りかご速度の対応関係を示す図 本発明の実施形態例における運転モードと当該モードに対応するチェック事象の問いかけ順序、内容を示す図 本発明の実施形態例における運転モードと当該モードに対応するチェック事象の問いかけ順序、内容を示す図
符号の説明
1 乗りかご
2 メインロープ
3 釣り合いおもり
4 綱車
5 そらせ車
6 駆動電動機
7 電力変換器
8 パルス発生器
9 制御装置
10N 表示器
10(N-1) 表示器
10(N+1) 表示器
10C 表示器
11N 押しボタン
11(N-1) 押しボタン
11(N+1) 押しボタン
11C 押しボタン
12(N-1) 乗場LAN局
12N 乗場LAN局
12(N+1) 乗場LAN局
12C 乗りかごLAN局
12H LANホスト局
13 伝送路
14 保守センタ
15(N-1) 問いかけ器
15N 問いかけ器
15(N+1) 問いかけ器
15C 問いかけ器
16(N-1) 承り器
6N 承り器
16(N+1) 承り器
16C 承り器

Claims (6)

  1. 乗場に設置された呼びボタンと、乗りかごのドアを開又は閉にするドア開閉装置、外部通話装置、行き先登録ボタン等を備えた乗りかごと、乗りかごの運転を制御する制御手段を備えたエレベーターにおいて、
    前記乗りかごに、乗客に問いかけるチェック事象を表示する問いかけ器、当該問いかけ器の問いかけに対する応答入力手段である承り器をさらに備え、
    前記制御手段は、予め記憶手段に記憶されている運転モードに対応して発生する可能性のある故障のチェック事象を、乗りかごの走行状態とドアの開閉状態の組合せに基づく運転モードに応じて呼出して、前記問いかけ器に順次問いかけ表示し、当該順次問いかけ表示に際して、前記問いかけ器に表示するチェック事象の表示頻度を均等表示するのではなくて重み付けして表示するものであり、さらに、前記乗りかごの走行状態が、乗りかご停止状態、乗りかご加速走行、乗りかご定格速度走行、乗りかご減速走行に区分けされるものであり、前記ドアの開閉状態が、ドア開状態、ドア閉状態、ドア開・閉動作状態に区分けされるものであり、さらに、前記チェック事象となる故障は、前記制御装置によるエレベーターシステムの停止によって直ちに保守点検が必要とされる故障以外の故障が対象であり、
    さらに、前記制御手段は、前記問いかけ表示に対する応答を前記承り器を介して取得し、前記問いかけと前記応答と運転モードとを関連付けて保守センタに伝送する
    ことを特徴とするエレベーターの保守点検システム。
  2. 請求項1において、
    前記乗りかごの走行状態が乗りかご停止状態であり且つ前記ドアの開閉状態がドア開状態のときに、前記問いかけ器に表示するチェック事象として、床段差狂い補正を重み付けして高頻度表示する
    ことを特徴とするエレベーターの保守点検システム。
  3. 請求項1にいて、
    前記乗りかごの走行状態が乗りかご停止状態であり且つ前記ドアの開閉状態がドア閉動作状態のときに、前記問いかけ器に表示するチェック事象として、ドア閉時の騒音とドア閉時の円滑さを重み付けして高頻度表示する
    ことを特徴とするエレベーターの保守点検システム。
  4. 請求項1において、
    前記乗りかごの走行状態が乗りかご加速走行であり且つ前記ドアの開閉状態がドア閉状態のときに、前記問いかけ器に表示するチェック事象として、起動ショック、走行騒音及び乗りかご振動を重み付けして高頻度表示する
    ことを特徴とするエレベーターの保守点検システム。
  5. 請求項1において、
    前記乗りかごの走行状態が乗りかご定格速度走行であり且つ前記ドアの開閉状態がドア閉状態のときに、前記問いかけ器に表示するチェック事象として、走行騒音と乗りかご振動を重み付けして高頻度表示する
    ことを特徴とするエレベーターの保守点検システム。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項において、
    前記制御手段は、さらに時刻と階床を関連付けて前記保守センタに伝送することを特徴とするエレベーターの保守点検システム。
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