JP4729334B2 - 炉蓋側装入石炭粒子の昇温促進用コークス炭化炉蓋 - Google Patents

炉蓋側装入石炭粒子の昇温促進用コークス炭化炉蓋 Download PDF

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Description

本発明は、コークス炭化炉のドア(炉蓋)側に装入された石炭粒子の昇温を促進せしめるコークス炭化炉蓋に関するものである。
技術背景
原料の石炭粒子を装入し高温度で乾留するコークス炭化炉の出入口(コークス押出機側口とコークス排出側口)を開閉する炭化炉蓋は、例えば実開平6−56940号公報の様に、頑丈な鉄骨炉蓋フレーム構造体のコークス炭化炉側に耐火煉瓦を内張して耐熱性を確保し、さらに鉄骨炉蓋フレームと耐火煉瓦との間にコークス炭化炉のドアジャム(炉口枠)を押圧し出入口を閉塞する耐熱金属製のシールプレートを設け炉内ガスを漏洩防止する密封構造に製作されている。しかしながら、耐火煉瓦が高温度の乾留熱を吸収するため、炉蓋付近に装入された石炭粒子が充分に乾留されず、不良コークスを多く窯出しする問題があった。
この問題を解消する炭化炉蓋として開発されたのが、特公昭3−40074号公報で紹介される様に、コークス炭化炉に装入された石炭粒子に接触する少なくとも一つの扉の熱伝導性金属隔壁によって分離される扉の中の垂直な通路に、装入物の石炭粒子から生成する熱い炉内ガスが通じる小さな炉内ガス導入孔を設けた炭化炉蓋である。また実開平5−81252号公報には「炉蓋フレームのコークス炭化炉側に、断熱ボックスを介してコーキングプレートを取付け、炉内ガス通路を形成したコークス炭化炉蓋」もある。さらに特許第2953319号公報や特開平8−283735号公報などの様に、装入された石炭粒子の堆積層から隔離された炉内ガス通路に空気や酸素を吹き込むノズルを設け、炉内ガス通路を流れる乾留中に発生する炉内ガスを燃焼させ、炉内ガス通路の温度を上昇させるコークス炭化炉蓋も開発されている。これらの炭化炉蓋は、上記した耐火煉瓦を内張りした炉蓋に較べ、炉蓋付近に装入された石炭粒子を加熱し乾留速度を速め、不良コークスの発生を少なめる効果を有するが、実用化するに至っていない。この理由は明らかでないが本発明者らの推測によれば、炉内ガス通路を形成する隔離部材が薄鋼板であるため、炉蓋を開閉する毎に急熱急冷の熱サイクルの影響を受けて変形する問題、変形した隔離部材が耐火物構造のコークス炭化炉壁を擦り落とす問題、擦り落ちた耐火物の破片が乾留コークスに混ざり込む問題など、コークス生産に支障を来す多くの問題がある。炉内ガス導入孔が傾斜面の小さな隙間で設けられているため、コークス炭化炉内を浮遊する石炭の微細粒子やタールが炉内ガスの流れに伴って炉内ガス導入孔に堆積し、炉内ガスの導入機能をコークス操業の初期段階で失い、炉蓋側に装入された石炭粒子を昇温促進せしめるに至らない問題があったものと思われる。
そこで本発明者らは、推測したこれらの問題に鑑み、炉蓋近傍に装入された石炭粒子を積極的に加熱し良好なコークスを多く製造する目的から、特開2004−18852号公報で開示する様に「炉蓋構造体のコークス炭化炉側に断熱ボックスを介して、炉高方向を複数段に分割する位置に横体支持枠を設け、該横体支持枠の上下離隔間に石炭粒子遮蔽用の耐熱金属短冊板を左右に通気間隙を設けて縦横に並列かつ着脱自在に吊設して構成した炉内ガス回遊隔離室を設けた昇温促進用コークス炭化炉蓋」を開発した。さらに本発明者らは、炉内ガス回遊隔離室に導入された不完全燃焼(未燃焼)性の炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を、電気的制御に依らず機械的制御で供給し、導入した未燃焼性炉内ガスを燃焼させ、その燃焼熱で炉蓋付近に装入された石炭粒子を加熱する、例えば特開2004−75965号公報の如きノズルを設けたコークス炭化炉蓋を開発した。
特公昭3−40074号公報 特開2004−18852号公報 特開2004−75965号公報
そこで本発明者らは、先に開発した炉蓋側に装入された石炭粒子を昇温促進せしめる上記コークス炭化炉蓋の炉内ガス回遊隔離室すなわち炉内ガス燃焼室に、正圧域と負圧域の炉圧変化を繰り返しながら徐々に低圧化する中で、コークス炭化炉から導入した未燃焼性の炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を、炉内ガス中に混在する石炭やタールなどの浮遊微粒子を導入側で排除しつつ長期間にわたってコークス炭化炉の炉圧変化を敏感に感受しかつ電気的動作に依らず機械的に昇降する閉塞弁盤の開放動作で、供給する炉内ガス燃焼用空気供給制御ノズルを設けたコークス炭化炉蓋を提供するものである。
この課題に対応した本発明の要旨は、空気チャンバー内にガス昇降流通ガイド板を設けて左右に二分する一側の隔壁室には下方側を空気吸入口とし上方側を水平端面な吸入空気吐出口とする空気吸引パイプをまた他側の隔壁室には炭化炉蓋のコークス炭化炉側に設けた炉内ガス燃焼室に連通する吸入空気送出口を下方側としかつ内部に流通邪魔板を設けた吸引空気送出パイプまたは側壁上部側に吸引空気通気孔を穿設し内部に流通邪魔板を設けた吸引空気送出カップを前記空気チャンバーの底板を貫通して該空気チャンバー内に突設し、さらに必要によっては前記空気チャンバー内の吸引空気送出パイプまたは吸引空気送出カップの上方側に炉内ガス淀み空間を形成する大口径の下向き外套カップを被着し、さらに前記した空気吸引パイプの吸入空気吐出口に着脱自在な閉塞弁盤を載置しかつ該空気吸引パイプの外周に遊嵌し該閉塞弁盤の搭載自重で圧縮するコイルバネを空気チャンバーの底板にまたは架台で載置すると共に、空気吸引パイプの吸入空気吐出口上方に閉塞弁盤飛行制止板を架設しかつ吸入空気の気流ガイド板を囲繞した閉塞弁盤昇降ガイドフレームを該空気吸引パイプからコイルバネを介して離隔する位置に設け、さらには閉塞弁盤の空気吸入口側に閉塞弁盤昇降ガイド用のコイルバネ遊嵌リングを設けまた空気チャンバーの底板または架台にコイルバネの下端部側を定着するコイルバネ遊嵌リングを設けて構成した炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズルを、前記炉内ガス燃焼室に付設した炉蓋側装入石炭粒子の昇温促進用コークス炭化炉蓋である。
本発明のコークス炭化炉蓋は、炉圧変化を敏感に感受し機械的に動作する炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズルにより、炉内ガス燃焼室に流入した未燃焼性炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を負圧時に送給するため、炉蓋側に装入された石炭粒子が過熱される事がなく灰分化する事もなく、良好なコークスが高い歩留で製造される。さらに高い炉圧変化で炉内ガス燃焼室から空気チャンバーに逆流する炉内ガスに混在する石炭やタールなどの浮遊微粒子は、吸引空気送出パイプまたは吸引空気送出カップに内設した流通邪魔板に衝突し、分離し落下し、負圧の際に送給される空気の流れで炉内ガス燃焼室へ押し戻される。また炉内ガス燃焼室の高圧化で高速度に吸引空気送出パイプまたは吸引空気送出カップを通り抜けた浮遊微粒子は、ガス昇降流通ガイド板の減速作用で空気チャンバーに落下するため、昇降する閉塞弁盤とその近傍を汚染する事がない。従って、長期にわたって必要量の空気を供給し、安定したコークス操業を行える特長がある。さらに本発明は、炉内ガスの漏洩を防止した気密構造の炭化炉蓋に炉内ガス燃焼室を設けるため、京都議定書の中の炭酸ガスなどの温暖効果ガス削減対策に、大きな役割を果たすものである。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、コークス炭化炉のコークス排出側(またはコークス押出側)の出入口を閉塞した炭化炉蓋とその近傍のコークス炭化炉の断面図を示す。1はコークス炭化炉で、石炭粒子2が装入されている。すなわち、コークス炭化炉1は、両側に隣接した加熱炉(図示せず)で、石炭粒子2を加熱し乾留する炉体構造に設けられている。3は炭化炉蓋である。炭化炉蓋3は、コークス炭化炉1の炉口枠4を押圧する締結機能構造に製作された頑丈な鋼鉄製炉蓋フレーム5のコークス炭化炉側にスライドプレート6、ナイフエッジ断面形状のフランジ部材7を周設してコークス炭化炉1の炉口枠4に当接する耐熱金属のシールプレート8や炉内プレート9などを介装してコークス炭化炉内を気密保持する構造に設け、さらにアルミナシリケートやセラミックスファイバーなど一般に使用される断熱材10を充填した断熱ボックス11を介してコークス炭化炉1の出入口12に突出する炉内ガス燃焼室13を設けて構成されている。炉内ガス燃焼室13は、コークス炭化炉1で石炭粒子2を乾留する際に発生する炉内ガスが流れ込み易い様に、対面また側面あるいはその両者に狭隘なガス流通隙間(またはガス流通孔)を設けた耐熱金属製の中空構造物であって、例えば図示する様に、断熱ボックス11の炉高方向を複数段に分割する位置に固定した横支持枠14に、耐熱金属製の短冊板15を、左右または上下あるいはその両者にガス流通隙間16を設けかつ着脱自在な係合手段を利用して縦横に架設した構造体である。また炉内ガス燃焼室13は、環状または不連続環状の形状に成形した多数の耐熱金属製短冊フレームの上下側にガス流通隙間を設けて多段状に横設したり、コークス炭化炉側を低く断熱ボックス側を高く傾設した短冊フレームの中空構造体であってもよい。すなわち、本発明において炉内ガス燃焼室13とは、炉内ガスが流れ込む枠体構造の炉内ガス流通構造に設けたもので、その形状と構造については特に限定するものでない。17は炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズルで、炭化炉蓋3に付設され、接続パイプを介して炉内ガス燃焼室13に連通する構造に設けられている。炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズル17は、コークス炭化炉1からガス流通隙間16を通って炉内ガス燃焼室13に流れ込んだ炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を吸い込み該炉内ガス燃焼室13に送給する装置で、その構造の詳細については後述するが、炭化炉蓋3の炉高方向へ1基または任意な間隔を設けて2基以上が付設される。18は閂である。閂18は、炭化炉蓋3を炉口枠4に強く押圧するもので、圧縮バネや螺子ボルトなどの締結部材を組み合わせて製作されている。また炭化炉蓋3には、出入口12を封着するシールプレート8のフランジ部材7を炉口枠4に押圧するシリンダーやバネなどを使用した進退自在な押圧機構に設けられている。すなわち本発明における炭化炉蓋3は、コークス炭化炉1の出入口12を開閉可能に設け、かつ気密性を保持しつつ炉内ガスを炉内ガス燃焼室13で燃焼させる構造に設けられている。
図2は、図1における炭化炉蓋3の炉内ガス燃焼室13に付設する炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズル17の一実施例を、拡大断面図で示す。19は空気チャンバーである。空気チャンバー19は、底板20と天板21と側面板22を中空状の矩形断面、円筒断面など任意な中空断面形状に組立てた密閉構造のボックスで、コークス炭化炉1から炉内ガス燃焼室13に流れ込んだ未燃焼の炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を吸い込みまた炉内ガス燃焼室13に送給する空気制御機能が組み込まれている。空気チャンバー19には、任意な位置にガス昇降流通ガイド板23を設けて該室内を左右に二分する隔離室Aと隔離室Bに分離すると共に、一側の隔離室A(またはB)には下方側を空気吸入口24としまた上方側を水平端面な吸入空気吐出口25とする空気吸引パイプ26を、また他側の隔離室B(またはA)には、下方側を炉内ガス燃焼室13に連通する吸入空気送出口27としかつ上方側を吸入空気流入口28としかつ内部に流通邪魔板29を設けた吸引空気送出パイプ30が、または図3で示す様な下方側を炉内ガス燃焼室13に連通する吸入空気送出口27としかつ側壁上方側に吸引空気通気孔(または炉内ガス通気孔)31を穿設し内部に流通邪魔板29を設けた下方側開口の吸引空気送出カップ32が、空気チャンバー19の底板20を貫通して該空気チャンバー19内に突出させて設けられている。前記したガス昇降流通ガイド板23は、炉内ガス燃焼室13が高圧のとき、該炉内ガス燃焼室13から隔離室Bの吸引空気送出パイプ30または吸引空気送出カップ32を経て隔離室Aの空気吸引パイプ26に逆流する炉内ガスを蛇行させ減圧しながら、該ガス中に混在する石炭などの浮遊微流子を吸引空気送出パイプ30または吸引空気送出カップ32あるいは空気チャンバー19の任意な位置に落下させながら分離し除去し清浄化するものであって、空気チャンバー19の上下間長さよりも短いガス流堰板33の1枚のときは底板20または天板21に固定し、あるいは該ガス流堰板33が2枚以上のときはその隣接間に炉内ガス流通間隙34を設けて空気チャンバー19の底板20または天板21との間を交互に固定して構成したものである。またガス流堰板33には平板断面、弧状断面、波状断面など各種断面板部材の単一形状材あるいはこれらを任意に組合わせた複合形状材が使用される。さらに炉内ガス流通間隙34には、間隙堰板を設け、炉内ガスが空気チャンバー19内を上下の蛇行を繰り返しながら流通する構造に設けてもよい。また前記した流通邪魔板29は、炉内ガス燃焼室13から吸引空気送出パイプ30または吸引空気送出カップ32を上昇する炉内ガスを減速しつつ該炉内ガス中に混在する石炭などの浮遊粒子を衝突させ分離除去するものであって、例えば図示する様に、吸引空気送出パイプ30または吸引空気送出カップ32の上端部に架台であるいは天板21に固定した懸吊軸35の周囲に螺旋羽根36を設けたもの、懸吊軸35の外周や吸引空気送出パイプ30または吸入空気送出カップ32の内壁面に平羽根や傾き羽根などの板羽根を炉内ガス流通空間を設けて螺旋状に設けたものを使用してもよい。本発明において、ガス昇降流通ガイド板23や流通邪魔板29の形状と構造については、特に限定するものでない。
さらに本発明においては、炉内ガス燃焼室13に送給する空気の吸引量(または送出量)を必要量に制御するため、空気吸引パイプ26の吸入空気吐出口25に着脱自在な閉塞弁盤37を載置し、空気吸引パイプ26の外周には該閉塞弁盤37の搭載自重で圧縮するコイルバネ38を遊嵌し空気チャンバー19の底板20または架台39に載置すると共に、空気吸引パイプ26の吸入空気吐出口25から過剰な高さに浮上する閉塞弁盤37の飛行を制止する円板や環状板あるいはリボン状など任意な形状を成した閉塞弁盤飛行制止板40を架設しかつ空気吸引パイプ26を囲繞するコイルバネ38を介して該空気吸引パイプ26を取り囲む離隔位置に立設する2本または3本以上のガイド棒からなる枠体構造の閉塞昇降用ガイドフレーム41が、閉塞弁盤37の昇降動作を阻害しない間隙を設けて底板20または架台39に固定されている。また閉塞弁盤37は外気と炉内ガス燃焼室13の微小な差圧でも感度よく昇降させるために、空気チャンバー19の隔離室Aで局部的に淀む空気または炉内ガスの影響を避けるために、気流空間を形成する気流ガイド42が、閉塞昇降用ガイドフレーム41の外周上方側を囲繞する様にパイプ状に設けられている。また気流ガイド42の上端部は、閉塞弁盤飛行制止板40に接近または一体物に接着してもよい。さらに閉塞弁盤37には同一垂直線上を昇降できる様に、閉塞弁盤37の空気吸引パイプ側にはコイルバネ38の上端部側を遊嵌するコイルバネ遊嵌リング43を設け、空気チャンバー19の底板20または架台39にはコイルバネ38の下端部側を遊嵌するコイルバネ遊嵌リング44を設けている。つまり、コイルバネ遊嵌リング43は、昇降する閉塞弁盤37が降下したときに、コイルバネ38に片乗りする事もなく、定位置に搭載するためのガイド用リングである。コイルバネ遊嵌リング44は、閉塞弁盤37が昇降する度に伸縮するコイルバネ38を横移動させる事なく、定位置に安置させるものである。
上記の様に組立てられた本発明における炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズル17の本体は、炉内ガス燃焼室13が正圧の場合は連通する空気チャンバー19も正圧になり、閉塞弁盤37の上面に圧力が掛かってコイルバネ38を圧縮し、閉塞弁盤37が空気吸引パイプ26の上端面に押さえ付けられる様に載置し、空気の吸引を制止する。その反対に、炉内ガス燃焼室13が負圧に転じた場合は空気チャンバー19も負圧になり、閉塞弁盤37が吸い上げられる様に浮上し、伸長するコイルバネ38にも押し上げられながら、空気吸引パイプ26の吸入空気吐出口25を開放し、その間に空気を吸引する。この様に閉塞弁盤37が炉内ガス燃焼室13の炉圧状況に追従する開閉動作を繰り返しながら、炉内ガス燃焼室13に流入した炉内ガスを燃焼するに必要な量の空気を、空気チャンバー19を介して、該炉内ガス燃焼室13に送り込む機械的構造に設けられている。
尚、上記した炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズル17において、閉塞弁盤37の昇降動作を効果的に駆動させるにはガラス板、金属板、雲母板や合成樹脂などの軽量材料を使用するとよい。中でもガラス板は、炉内ガスに変質する事がなく、使用温度に変形する事がなく、平坦性にも優れているため、他の材料よりも適している。
さらに本発明は、炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズル17において図2および図3において、45は大口径の下向き外套カップで、必要に応じて設けられる。下向き外套カップ44は、吸引空気送出パイプ30または吸引空気送出カップ32の上方側に炉内ガスが淀む噴留空間室Sを設ける様に被せる事によって、吸引空気送出パイプ30の吸入空気流入口28あるいは下方側開口の吸引空気送出カップ32の吸引空気空気孔31から噴出する炉内ガスの噴出速度を減速し、該炉内ガスに混在する石炭などの浮遊粒子を噴出付近で落下除去し、ガス昇降流通ガイド板23と相まって、閉塞弁盤37の昇降付近の汚染化を防止して吸引空気の流通性を確保すると共に、良好なコークスの製造歩留りを向上する効果を奏する。
上記した炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズル17は、図1で示す様に、吸引空気送出パイプ30または吸引空気送出カップ32と炉内ガス燃焼室13に内設される空気噴出ノズルパイプ46が、吸入空気誘導パイプ(別名、噴出炉内ガス誘導パイプ)47や開閉バルブ47を介して接続される。本発明においては、炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズル17また接続パイプ間で目詰まりや損傷など空気また炉内ガスの流通に支障を来す問題を起こした場合に、分解補修作業や部品交換作業に都合のよいネジ継手法による組立工法が便利である。また開閉バルブ48を設ける事は、急遽不必要になった空気を人為的に送給停止する場合に便利である。また空気噴出ノズルパイプ46のノズル部分については、特に限定するものでなくパイプ孔、分散ノズル孔など任意な形状のノズル孔を使用してもよい。
以上の様に構成された本発明の昇温促進用コークス炭化炉蓋は、前記した従来の炉蓋と同様に取扱われ、コークス製造作業が行われる。石炭粒子2の乾留初期においては、該石炭粒子2から発生した未燃焼ガスを含有した多量の炉内ガスがコークス炭化炉1の上方排気口(図示せず)から流れ出しその一部が炉内ガス燃焼室13に流れ込み、コークス炭化炉1も炉内ガス燃焼室13も正圧になる。このときの炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズル17は、炉内ガス燃焼室13の正圧に連動し、空気チャンバー19の閉塞弁盤36が空気吸引パイプ26の吸入空気吐出口25を押圧する様に降下し、空気の吸引を遮断する。乾留時間の経過に炉内ガスの発生量が徐々に減少し、炉内ガス燃焼室13の正負圧境界域を交互に上下を繰り返しながら乾留末期まで続く。この現象が起因する理由は明らかでないが、本発明者らの推察によれば、石炭粒子2から発生する炉内ガスの発生量の減少とコークス炭化炉1と炉内ガス燃焼室13との間で起こるガス流通経路の変化で起こるものと考える。正負圧境界域で変化する炉内ガス燃焼室13が負圧化する毎に空気チャンバー19も負圧化し、閉塞弁盤37が空気吸引パイプ26の吸入空気吐出口25から吸い上げられる様に浮上し、浮上時間に見合った量の空気すなわち炉内ガス燃焼室13に流れ込んだ炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を送り込み、未燃焼ガスを燃焼させる。燃焼した際の熱圧で炉内ガス燃焼室13も空気チャンバー19も正圧になり、閉塞弁盤36は、空気吸引パイプ26の吸入空気吐出口25を閉塞し、空気の吸引を絶つ。このときに燃焼圧の影響を受けて炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズル17を逆流する炉内ガスは、吸引空気送出パイプ30または吸引空気送出カップ32を通過する際に流通邪魔板29に衝突しまた減速され、該炉内ガス中を飛行する石炭などの浮遊微粒子の一部が落とされ、さらにガス昇降流通ガイド板23を通過中に残りの浮遊微粒子が排除される。従って、空気チャンバー19をガス昇降流通ガイド板23で隔離された隔離室Aは炉内ガスに含まれる浮遊微粒子で汚染される事がなく、閉塞弁盤37は、炉内ガス燃焼室13に流れ込んだ炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を長期間安定して送給する。
さらに本発明は、石炭粒子の乾留中に何らかの原因で、炉内ガス燃焼室13の炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を吸い込んで必要以上に過熱しまた局部的に小爆発を起こす危険性を察したときは、開閉バルブ48を閉める事によって、空気の供給を遮断し、小爆発を未然に防止する事ができる。
世界的にコークス供給量の不足が叫ばれる中で、本発明のコークス炭化炉蓋は、時代の要求に叶った装置として国内外で益々使用される可能性が極めて高い。
本発明の一実施例で、コークス炭化炉のコークス排出側(またはコークス押出側)の出入口を閉塞した炭化炉蓋とその近傍のコークス炭化炉の断面図を示す。 本発明における炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズルの一実施例を、詳細拡大図で示す。 本発明における炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズルで、他の一実施例を詳細拡大図で示す。
符号の説明
1 コークス炭化炉
3 炭化炉蓋
13 炉内ガス燃焼室
17 炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズル
19 空気チャンバー
23 ガス昇降流通ガイド板
26 空気吸引パイプ
29 流通邪魔板
30 吸引空気送出パイプ
32 吸引空気送出カップ
37 閉塞弁盤
38 コイルバネ
40 閉塞弁盤飛行制止板
41 閉塞昇降用ガイドフレーム
45 下向き外套カップ
A 隔離室
B 隔離室
S 噴留空間室

Claims (2)

  1. 空気チャンバー内にガス昇降流通ガイド板を設けて左右に二分する一側の隔壁室には下方側を空気吸入口とし上方側を水平端面な吸入空気吐出口とする空気吸引パイプをまた他側の隔壁室には炭化炉蓋のコークス炭化炉側に設けた炉内ガス燃焼室に連通する吸入空気送出口を下方側としかつ内部に流通邪魔板を設けた吸引空気送出パイプまたは側壁上部側に吸引空気通気孔を穿設し内部に流通邪魔板を設けた吸引空気送出カップを前記空気チャンバーの底板を貫通して該空気チャンバー内に突設し、さらに前記空気吸引パイプの吸入空気吐出口に着脱自在な閉塞弁盤を載置しかつ該空気吸引パイプの外周に遊嵌し該閉塞弁盤の搭載自重で圧縮するコイルバネを空気チャンバーの底板にまたは架台で載置すると共に、空気吸引パイプの吸入空気吐出口上方に閉塞弁盤飛行制止板を架設しかつ吸入空気の気流ガイド板を囲繞した閉塞弁盤昇降ガイドフレームを該空気吸引パイプからコイルバネを介して離隔する位置に設け、さらには閉塞弁盤の空気吸入口側に閉塞弁盤昇降ガイド用のコイルバネ遊嵌リングを設けまた空気チャンバーの底板または架台にコイルバネの下端部側を定着するコイルバネ遊嵌リングを設けて構成した炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズルを、前記炉内ガス燃焼室に付設した事を特徴とする炉蓋側装入石炭粒子の昇温促進用コークス炭化炉蓋。
  2. 空気チャンバー内にガス昇降流通ガイド板を設けて左右に二分する一側の隔壁室には下方側を空気吸入口とし上方側を水平端面な吸入空気吐出口とする空気吸引パイプをまた他側の隔壁室には炭化炉蓋のコークス炭化炉側に設けた炉内ガス燃焼室に連通する吸入空気送出口を下方側としかつ内部に流通邪魔板を設けた吸引空気送出パイプまたは側壁上部側に吸引空気通気孔を穿設し内部に流通邪魔板を設けた吸引空気送出カップを前記空気チャンバーの底板を貫通して該空気チャンバー内に突設し、さらに前記空気チャンバー内の吸引空気パイプまたは吸引空気送出カップの上方側に炉内ガス淀み空間を形成する大口径の下向き外套カップを被着しまた前記した空気吸引パイプの吸入空気吐出口に着脱自在な閉塞弁盤を載置しかつ該空気吸引パイプの外周に遊嵌し該閉塞弁盤の搭載自重で圧縮するコイルバネを空気チャンバーの底板にまたは架台で載置すると共に、空気吸引カップの吸入空気吐出口上方に閉塞弁盤飛行制止板を架設しかつ吸入空気の気流ガイド板を囲繞した閉塞弁盤昇降ガイドフレームを該空気吸引パイプからコイルバネを介して離隔する位置に設け、さらには閉塞弁盤の空気吸入口側に閉塞弁盤昇降ガイド用のコイルバネ遊嵌リングを設けまた空気チャンバーの底板または架台にコイルバネの下端部側を定着するコイルバネ遊嵌リングを設けて構成した炉内ガス燃焼用空気送出量制御ノズルを、前記炉内ガス燃焼室に付設した事を特徴とする炉蓋側装入石炭粒子の昇温促進用コークス炭化炉蓋。
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