JP2006117893A - コ−クス炭化炉昇温炉蓋 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭化炉蓋3の炉内ガス燃焼室13に流れ込んだ炉内ガスを燃焼するに必要な量の空気を高感度で送り込む事のできる炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置を設けたコ−クス炭化炉加熱炉蓋を提供する。
【解決手段】空気チャンバ−20内の空気吸引パイプ21と炉内ガス燃焼室13とを吸引空気送出パイプを介して連接し、かつ空気吸引パイプ21の吸入空気吐出口23に下端部を環状台座34で緩嵌保持した圧縮コイルバネ32に閉塞弁盤32を載置した構造の炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置17を、前記炉内ガス燃焼室13に付設したコ−クス炭化炉加熱炉蓋。
【選択図】図2
【解決手段】空気チャンバ−20内の空気吸引パイプ21と炉内ガス燃焼室13とを吸引空気送出パイプを介して連接し、かつ空気吸引パイプ21の吸入空気吐出口23に下端部を環状台座34で緩嵌保持した圧縮コイルバネ32に閉塞弁盤32を載置した構造の炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置17を、前記炉内ガス燃焼室13に付設したコ−クス炭化炉加熱炉蓋。
【選択図】図2
Description
本発明は、石炭粒子を乾留しコ−クスを製造する炭化室(炉)の炉蓋側に装入された石炭粒子を加熱促進せしめるコ−クス炭化炉昇温ドア(炉蓋)に関するものである。
従来からコ−クス炭化炉に装入された石炭粒子の乾留処理を終えたコ−クスを取出す(窯出し)毎にコ−クス炭化炉の出入口を開閉する炉蓋は、高温度の乾留熱に曝されるため、例えば実開平5−56940号公報や実開平7−38156号公報などで紹介される様に、鉄骨構造のフレ−ム体に厚さ400mm程度の大型耐火煉瓦を内張りをし、さらに炭化炉内で石炭粒子から発生した高温度の熱を保有するCH4、C2H6など各種炉内ガスの漏出を防止するため、炉蓋フレ−ムと耐火煉瓦との間に設けた耐熱金属材料のシ−ルプレ−トをその周囲に設けた密封用突条片のナイフエッジ部材を介して炉口枠に押圧する密封構造体に製作したものが、多く使用されている。ところが、耐火煉瓦は炉蓋近傍部に装入された石炭粒子を乾留するに必要な高温度の熱を吸熱するため、炉蓋近傍部に装入された石炭粒子を充分に乾留するに至らず、不良コ−クスが多く窯出しされる問題があった。
この問題に対処して開発されたのが、例えば特公平3−40074号公報(昭和55年出願)や特公昭61−49353号公報(昭和57年出願)で紹介される様に「伝導した熱のもとで装入物から生成する熱い気体を、該装入物と接触する熱伝導性金属隔壁によって分離する遮蔽部材のコ−キングプレ−トと絶縁層と被覆板からなる垂直な中空体炉内ガス通路の遮蔽体を、鋼鉄製炉蓋フレ−ムのコ−クス炭化炉側に設けた炉蓋」である。この様な炉蓋は、発明が目的の炉蓋側に装入された石炭粒子の昇温速度を速め不良コ−クスの発生を少なめる効果を有するが、実用化するに至っていない。その理由は明らかでないが、本発明者らがこれまでの炉蓋実験から推察すれば、炉内ガス通路の遮蔽体が薄い金属板を溶接や曲げ加工を施して成形されるため、炉蓋を開閉する毎に急熱急冷の熱サイクルを受けて歪に変形した遮蔽部材が炭化炉内壁の耐火物を擦り落とす問題、擦り落とされた耐火物の破片が窯出しされるコ−クスに混ざり込む問題、混ざり込んだ耐火物の破片を乾留コ−クスから取り除かなければならないなど、コ−クス製造に支障を来す多くの問題があったものと思われる。
さらに上記した炉内ガス通路の遮蔽体内に空気や酸素などを吹込むノズルを設けた炉蓋が、特公平5−38795号公報や特許第2953319号公報などで多く紹介されている。これらの炉蓋も実用化するに至っていない。これらの炉蓋は、遮蔽体内に侵入し通過する炉内ガスを燃焼させて発生する高温度の燃焼熱で、該遮蔽体壁を介して炉蓋近傍に装入された石炭粒子を加熱し昇温促進せしめようとするものであって、前記した特公平3−40074号公報などの炉蓋に較べ、遮蔽体内の温度を上昇させる効果がある。しかしながら、特公平5−38795号公報による昇温炉蓋は、特公平3−40074号公報などの炉内ガス通路の遮蔽体内に空気吹込みノズルを設けたもので、該遮蔽体が歪に変形する問題を解消するものでなかった。また特許第2953319号公報の炉蓋は、補強用ファイバ−を混入したキャスタブルでボックス構造に成形した耐熱部材の複数個を炉蓋本体の炭化炉側に炉内ガス通気隙間を介して炉高方向に配列して構成されたもので、変形する事なく長期間使用できるが、炉蓋近傍を浮遊する超微細な石炭粒子やタ−ル成分が炉内ガスに誘導されて炉内ガス通気隙間で堆積と凝固を繰返して該炉内ガス通気隙間を閉塞し、その目的が達成されない問題があった。
またノズルから吹込む空気などの供給量制御装置は、例えば特開平8−283795号公報の図1で示される様に空気供給源と開閉弁と分岐管からなる一連の装置で、1炉団に数拾基以上が立ち並ぶコ−クス炭化炉の個々に、しかも狭隘な炉体環境で取付けられるものでなかった。また石炭粒子を乾留する際のコ−クス炭化炉の炉内圧力は、初期の高圧域から次第に減少し、乾留中期を過ぎると、正負境界域を上下する微小な振幅の圧力変化を小刻に繰返しながら徐々に低圧域に推移する。ところがこれまでの空気などの供給量制御装置は、この様な圧力変化を無視した高圧域対象の制御技術で、正負圧境界域の低圧域で必要な微小量の空気を確実に送り込む事が出来ない問題から炉内ガスを燃焼させるに至らず、必然的に多量のタ−ルが生成し炉内ガス通路や炉蓋部材に凝固し堆積するなど、厄介な問題があったものと思われる。
特公平3−40074号公報(第3頁 第1図) 特公昭61−49353号公報(第7頁 第8図) 特公平5−38795号公報(第2頁 第1図) 特許第2953319号公報(第3頁 図1) 特開平8−283795号公報(第4頁 図1)
本発明者らは、上記した炉蓋本体の炭化炉側に設けた炉内発生ガス通路の遮蔽体すなわち炉内ガス燃焼室の問題点を解消する事を目的に種々なる炉蓋構造の設計と現場実験を試みる中で、前記した炭化炉内の圧力変化に着目した炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置を設けた炉蓋を先に開発した。さらに本発明は、未燃焼性の炉内ガスを燃焼するに必要な量の空気を、高い感度で炉内ガス燃焼室に送給する炉蓋を開発した。すなわち、本発明は、炉内ガス燃焼室に流入した未燃焼性の炉内ガスを燃焼するに必要な量の空気を、電気的な動作に依らず機械的な動作で送給し、該炉内ガス燃焼室の未燃焼性炉内ガスを燃焼させ、燃焼で上昇した該燃焼室内の高温度の熱で炉蓋側に装入されたコ−クス炭化炉の石炭粒子を加熱促進せしめ、同時に炉蓋または炉蓋近傍部で発生するタ−ルを燃焼分解で消失せしめる、コ−クス炭化炉昇温炉蓋を提供するものである。
その目的を達成した本発明の要旨は、下方側を空気吸入口としまた上方側を水平端面な吸入空気吐出口とする空気吸引パイプと、下方側を炭化炉蓋のコ−クス炭化炉側に設けた炉内ガス燃焼室に連通する吸入空気送出口としまた上方側を吸入空気送入口としかつ該吸入空気送入口の上方側に該吸入空気送入口径よりも小さい口径の噴出炉内ガス環流笠部材を1個または2個以上を間欠配置した吸引空気送出パイプとを相方に離隔して空気チャンバ−の底面を貫通して該空気チャンバ−内に突設し、さらに前記空気吸引パイプの吸入空気吐出口に着脱自在な閉塞弁盤を載置しかつ該空気吸引パイプの外周に遊嵌して該閉塞弁盤の搭載自重で圧縮するコイルバネの下方端部を環状台座に緩嵌し保持すると共に、空気吸引パイプの吸入空気吐出口上方に閉塞弁盤飛行制止板を架設しかつ外周上部側に吸入空気整流ガイド板を囲繞した閉塞弁盤昇降ガイドフレ−ムを該空気吸引パイプから圧縮コイルバネを介して離隔する位置に設けて構成した炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置を、前記した炉内ガス燃焼室に付設したコ−クス炭化炉昇温炉蓋である。
本発明のコ−クス炭化炉昇温炉蓋は、コ−クス炭化炉で生成し炉内ガス燃焼室に流込んだ未燃焼性の炉内ガスが燃焼するに必要な量の空気を、機械的動作で高感度に炉内ガス燃焼室へ送給するため、過剰な量の空気を送給による炉内ガス機燃焼室の温度低下がない。従って、炉内ガス燃焼室の炉内ガスが効率的に燃焼するため、炉蓋近傍部に装入された石炭粒子の加熱を促進し、不良コ−クスやタ−ルの発生を著しく低減する。また本発明を構成する炉内ガス燃焼用空気送給制御装置は、炉内ガス燃焼室で一瞬の高圧現象を起こし接続パイプを通って空気チャンバ−に噴出される石炭微粒子やタ−ルの浮遊粒子を、架設された噴出炉内ガス環流笠部材によって堰止められ、次の低圧の際に送給する空気の流れで再び炉内ガス燃焼室へ押し戻す構造に製作されているため、長期間安定してコ−クス操業が行える特長がある。
以下、本発明について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図面は本発明の一実施例を示したもので、図1はコ−クス炭化炉のコ−クス排出側の出入口を閉塞した炭化炉蓋とその近傍のコ−クス炭化炉の断面図を示す。図1において、1はコ−クス炭化炉で、石炭粒子2が装入されている。すなわち、コ−クス炭化炉1は、両側に隣接させた加熱炉(図示せず)で、石炭粒子2を加熱し乾留する炉体構造に設けられている。3は炭化炉蓋である。炭化炉蓋3は、コ−クス炭化炉1の出入口4を押圧する締結機能構造に製作された頑丈な鋼鉄製炉蓋フレ−ム5のコ−クス炭化炉側にスライドプレ−ト6、ナイフエッジ断面部材のフランジ部材7を周設してコ−クス炭化炉1の炉口枠8に当接する耐熱金属製のシ−ルプレ−ト9や炉内プレ−ト10などを介装し、さらにアルミナシリケ−トやセラミックスなど一般に使用される断熱材11を充填した断熱ボックス12を介してコ−クス炭化炉1の出入口4に突出する炉内ガス燃焼室13を設けて構成されている。炉内ガス燃焼室13は、コ−クス炭化炉1で石炭粒子2を乾留する際に発生する炉内ガスが流れ込み易い様に、対面あるいは側面にもガス流通間隙(流通孔)を設けた耐熱製の中空構造体であって、例えば図示する様に、断熱ボックス12の炉高方向を複数段に分割する位置に固定した横体支持枠14に耐熱金属製の短冊板15を左右または上下あるいはその両者にガス流通用間隙16を設けかつ着脱自在な係合手段を利用して縦横に架設した構造体である。また炉内ガス燃焼室13は、多数の環状または不連続環状の耐熱金属製短冊フレ−ムを上下側にガス通気用間隙を設けて多段状に横設したり、炭化炉側を低く断熱ボックス側を高く傾設した中空構造体でもよい。すなわち、本発明において炉内ガス燃焼室13とは、炉内ガスが進入し流通する枠体構造の炉内ガス回遊室構造に設けられたものである。17は炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置で、炭化炉蓋3に付設されかつ接続パイプを介して炉内ガス燃焼室13に接続されている。炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置17は、コ−クス炭化炉1で石炭粒子2から発生しガス流通用間隙16を通って炉内ガス燃焼室13に流れ込んだ炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を吸い込みまた該炉内ガス燃焼室13に送給する装置で、その構造の詳細については後述するが、炭化炉蓋の炉高方向に1基または2基以上が任意な間隔で付設される。図1は、炉高方向に任意な間隔で3基を付設した場合の一実施例を示す。18は閂で、鋼鉄製炉蓋フレ−ム5を炉口枠8に強く押圧し固定するもので、圧縮バルや螺子ボルトなどの締結用部材を組合わせて構成されている。またシ−ルプレ−ト9のフランジ部材7を炉口枠8に押圧シリンダ−やバネなどを使用した進退自在な押圧器具19が設けられている。すなわち、炭化炉蓋3は、コ−クス炭化炉1の出入口4を開閉可能に固定し、炉内ガスを燃焼させる構造に設けられている。
図面は本発明の一実施例を示したもので、図1はコ−クス炭化炉のコ−クス排出側の出入口を閉塞した炭化炉蓋とその近傍のコ−クス炭化炉の断面図を示す。図1において、1はコ−クス炭化炉で、石炭粒子2が装入されている。すなわち、コ−クス炭化炉1は、両側に隣接させた加熱炉(図示せず)で、石炭粒子2を加熱し乾留する炉体構造に設けられている。3は炭化炉蓋である。炭化炉蓋3は、コ−クス炭化炉1の出入口4を押圧する締結機能構造に製作された頑丈な鋼鉄製炉蓋フレ−ム5のコ−クス炭化炉側にスライドプレ−ト6、ナイフエッジ断面部材のフランジ部材7を周設してコ−クス炭化炉1の炉口枠8に当接する耐熱金属製のシ−ルプレ−ト9や炉内プレ−ト10などを介装し、さらにアルミナシリケ−トやセラミックスなど一般に使用される断熱材11を充填した断熱ボックス12を介してコ−クス炭化炉1の出入口4に突出する炉内ガス燃焼室13を設けて構成されている。炉内ガス燃焼室13は、コ−クス炭化炉1で石炭粒子2を乾留する際に発生する炉内ガスが流れ込み易い様に、対面あるいは側面にもガス流通間隙(流通孔)を設けた耐熱製の中空構造体であって、例えば図示する様に、断熱ボックス12の炉高方向を複数段に分割する位置に固定した横体支持枠14に耐熱金属製の短冊板15を左右または上下あるいはその両者にガス流通用間隙16を設けかつ着脱自在な係合手段を利用して縦横に架設した構造体である。また炉内ガス燃焼室13は、多数の環状または不連続環状の耐熱金属製短冊フレ−ムを上下側にガス通気用間隙を設けて多段状に横設したり、炭化炉側を低く断熱ボックス側を高く傾設した中空構造体でもよい。すなわち、本発明において炉内ガス燃焼室13とは、炉内ガスが進入し流通する枠体構造の炉内ガス回遊室構造に設けられたものである。17は炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置で、炭化炉蓋3に付設されかつ接続パイプを介して炉内ガス燃焼室13に接続されている。炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置17は、コ−クス炭化炉1で石炭粒子2から発生しガス流通用間隙16を通って炉内ガス燃焼室13に流れ込んだ炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を吸い込みまた該炉内ガス燃焼室13に送給する装置で、その構造の詳細については後述するが、炭化炉蓋の炉高方向に1基または2基以上が任意な間隔で付設される。図1は、炉高方向に任意な間隔で3基を付設した場合の一実施例を示す。18は閂で、鋼鉄製炉蓋フレ−ム5を炉口枠8に強く押圧し固定するもので、圧縮バルや螺子ボルトなどの締結用部材を組合わせて構成されている。またシ−ルプレ−ト9のフランジ部材7を炉口枠8に押圧シリンダ−やバネなどを使用した進退自在な押圧器具19が設けられている。すなわち、炭化炉蓋3は、コ−クス炭化炉1の出入口4を開閉可能に固定し、炉内ガスを燃焼させる構造に設けられている。
図2は、図1において炭化炉蓋3の炉内ガス燃焼室13に取付けられた炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置17の一実施例を、拡大断面図で示す。20は、空気チャンバ−である。空気チャンバ−20は、中空矩形断面、円筒断面など任意な中空断面形状に製作された密閉構造のボックスで、コ−クス炭化炉1から炉内ガス燃焼室13に流れ込む未燃焼性の炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を吸い込みまた送給する本体が組み込まれる。21は空気吸引パイプで、下方側を空気吸入口22としまた上方側を水平端面な吸入空気吐出口23である。24は吸入空気送出パイプで、下方側を炭化炉蓋3のコ−クス炭化炉側に設けた炉内ガス燃焼室13に連通する吸入空気送出口25とし、また上方側を吸入空気送入口26とする。また空気吸引パイプ21と吸引空気送出パイプ24は、相方に任意な間を設けて離隔する位置で、それぞれパイプの上端部が空気チャンバ−20の底面を垂直に貫通して空気チャンバ−20内に突出する如く設けている。
また吸引空気送出パイプ24の吸入空気送入口26には、上方側が拡口径の切頭逆円錐形状をしたラッパ−パイプ27を設けている。ラッパ−パイプ27は、吸引空気送出パイプ24の吸引空気送入口26の間口を拡径形状にする事によって、空気チャンバ−20内の吸引空気の乱流を防止しつつ吸引空気送出パイプ24への流動性を確保し、また炉内ガス燃焼室13から噴出される石炭微粒子やタ−ルの浮遊粒子の流速を弱めて散乱による汚染を防止するものであって、吸入空気の流動性や石炭粒子などの噴出を無視したコ−クス操業を行う場合は特に設ける必要がない。図2は、本発明における最良の形態を示したものである。すなわち、空気吸引パイプ21から吸入し空気チャンバ−20に流れ込んだ吸入空気は、ラッパ−パイプ27と吸引空気送出パイプ24を経て、炉内ガス燃焼室13に送給する構造に設けられている。また吸引空気送出パイプ24は、コ−クス炭化炉1に連通する構造に設けられているため、コ−クス炭化炉1で発生する炉内ガスの異常高圧の影響を受けて炉内ガス燃焼室13から流される炉内ガスに混じって石炭微粒子やタ−ルの浮遊粒子を噴出し、空気チャンバ−20を汚し、他の可動部材に付着し、その機能を損なう事がある。本発明はこの問題にも対処するため、吸引空気送出パイプ24の吸入空気送入口26の上方側またはラッパ−パイプ27の上方側に、該吸引空気送出パイプ24の口径またはラッパ−パイプ27の口径よりも小さい間口径に製作された噴出炉内ガス環流笠部材28の1個、または2個以上を同一垂直線上を上下段に離隔して、架設する。図2は、2個の噴出炉内ガス環流笠部材28を上下段に離隔し、吸引空気送出パイプ24の吸入空気送入口26の周囲に継ぎ足す様に固定したラッパ−パイプ27の上方側に、下段側の噴出炉内ガス環流笠部材28をV字形断面の継手部材29を介して架設し、さらに上段側の噴出炉内ガス環流笠部材28をボルトナット継手部材30を介して下段側の噴出炉内ガス環流笠部材28に架設した場合の一実施例を示す。すなわち、噴出炉内ガス環流笠部材28は、吸引空気送出パイプ24の吸入空気送入口26から逆流で噴出された炉内ガスに混じった石炭微粒子やタ−ルの浮遊粒子を衝突させ、該笠部材の内斜面に沿って環流する炉内ガスの流速を利用して吸引空気送出パイプ24に戻し、さらに次工程の吸入空気送給時に炉内ガス燃焼室13に送り込み燃焼除去しようとするものである。このときに吸引空気送出パイプ24またはラッパ−パイプ27の拡口径形状と噴出炉内ガス環流笠部材28の空間で炉内ガスの噴出速度が弱められ、石炭などの浮遊粒子は、噴出炉内ガス環流笠部材28に強く衝突する事もなく、吸引空気送出パイプ24に戻される。本発明においては、噴出炉内ガス環流笠部材28が1個でも十分な作用機能を果たせるが、2個以上を使用する事でその機能が十二分が発揮される。また2個の噴出炉内ガス環流笠部材28を上下段に離隔して架設する場合、下段側は吸引空気送出パイプ24の吸入空気送入口径またはラッパ−パイプ27の上方側口径よりも小さい間口径で、上段側は下段側よりも幾分大きい間口径の噴出炉内ガス環流笠部材28を架設する事が好ましい。
図1に示す31は吸引空気送給用接続パイプで、吸引空気送出パイプ24と炉内ガス燃焼室13を接続するものであって、直通管でも湾曲管でもよく、さらに該パイプ内がクリナ−作業できる様に分割組立構造の継手パイプに設けてもよい。
さらに本発明においては、炉内ガス燃焼室13に送給する吸入空気の吸引量(または送給量)を制御するために、炉内ガス燃焼室13の正負圧境界域で振幅する微小な圧力変化に昇降する軽量な閉塞弁盤32を空気吸引パイプ21の吸入空気吐出口23の上端面に着脱自在に載置すると共に、閉塞弁盤32が炉内ガス燃焼室13の圧力変化に対応して高感度に昇降できる様に空気吸引パイプ21の外周上方側に閉塞弁盤32の搭載自重で圧縮するコイルバネ33を遊嵌し、かつ該圧縮コイルバネ33の伸縮作用が垂直線方向で確実に繰り返す様に環状板の内周側または外周側にフランジ部材を設けた環状台座34で圧縮コイルバネ33の下方端部を緩嵌保持し、さらに空気吸引パイプ21の吸入空気吐出口23から上方側に離隔する位置に閉塞弁盤乱飛行制止板35を架設した閉塞弁盤昇降用ガイドフレ−ム36が圧縮コイルバネ33の周囲を取り囲む様に架台37または空気チャンバ−20の底面に固定されている。すなわち、乾留初期の間は、閉塞弁盤32が炉内ガス燃焼室13からの高いガス圧に抑えられて空気吸引パイプ21の吸入空気吐出口23を閉塞し、外気の吸入を断ち、乾留中期を過ぎると、炉内ガス圧の発生量が減少し小刻みな振幅を繰り返す正負圧境界域の低圧域で、閉塞弁盤32が吸い上げられる様に浮上しまた圧縮コイルバネの伸長作用も相まって空気吸引パイプ21の吸入空気吐出口23を開放し、吸い込んだ空気をチャンバー20から炉内ガス燃焼室13に送給し、炉内ガスを燃焼させ、このときの一時的な高圧化の影響を受けて閉塞弁盤32が空気吸引パイプ21の吸入空気吐出口23を閉塞する。つまり、閉塞弁盤32は、炉内ガス燃焼室13が低圧域に転じたとき、空気吸引パイプ21の吸入空気吐出口23を開放し、炉内ガスが燃焼するに必要な量の空気を送給し、炉内ガスの燃焼で炉内ガス燃焼室13が高圧域に上昇したとき降下し、吸入空気吐出口23を閉塞する構造に設けられている。また本発明においては、閉塞弁盤32の浮上動作を高感度に駆動させるにはガラス板、軽金属板、雲母板や合成樹脂など軽量材料を使用する。中でもガラス板が、ガスや使用温度に変質する事がなく、平坦性にも優れているため、他の部材よりも適している。また閉塞弁盤32を搭載昇降する圧縮コイルバネ33の伸縮程度を選ぶ事によって、空気の吸引感度を調整する事ができる。
閉塞弁盤昇降用ガイドフレ−ム36の上方に架設した閉塞弁盤飛行制止板35は、過剰な高さに浮上する閉塞弁盤32の飛行を制止するものであって、その形状は円板や環状板あるいはリボン状板など任意な条物が使用される。また閉塞弁盤昇降用ガイドフレ−ム36、閉塞弁盤32の浮上動作を阻害しない程度の隙間を設け、しかも空気吸引パイプ21から吸引された空気が空気チャンバ−20を自由に流動し易い様に、空気吸引パイプ21を取り囲む離隔位置に2本または3本以上のガイドフレ−ム棒を立設する枠組構造に設けられている。また空気吸引パイプ21から吸い込まれた吸引空気が空気チャンバ−20を環流状に流出し易い様に、閉塞弁盤昇降用ガイドフレ−ム36の外周上部側を囲繞する整流ガイド板38を設けている。
さらに上記した本発明における炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置17は、図1で示す様に、吸引空気送出パイプ24と炉内ガス燃焼室13に内設される空気ノズルパイプ39とを、開閉バルブ40あるいは接続パイプを介して接続して使用される。特に本発明においては、炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置17や各種の接続パイプに目詰まりや損傷などを起こした場合に分解補修作業様や部品交換作業などに都合がよい様に、ネジ継手法による組立工法が便利である。また開閉バルブ40を使用する事によって空気を人為的に送出停止する場合に便利である。また空気ノズルパイプ39のノズル形状については、特に限定するものでなくパイプ孔、分散ノズルパイプなど任意な形状のノズル孔でもよい。
上記の様に構成された本発明のコ−クス炭化炉昇温炉蓋は、前記した従来の炉蓋同様のコ−クス製造作業に倣って行われる石炭粒子2の乾留初期においては、石炭粒子2から発生した未燃焼性ガスを含有した高圧の炉内ガスは上方の排気口(図示せず)から流れ出るが、その一部が炉内ガス燃焼室13に流れ込んで該炉内ガス燃焼室13を高圧にする。このときの炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置17は、炉内ガス燃焼室13の高圧の影響を受けて空気チャンバ−20の閉塞弁盤32が空気吸引パイプ21の吸入空気吐出口23を押圧する様に閉塞し、外気の吸引を遮断する。乾留中期を過ぎれば石炭粒子2から発生する炉内ガスの量も徐々に減少し、炉内ガス燃焼室13は、正負圧境界域を微小な振幅の圧力変化を小刻みに繰返しながら徐々に低圧域に推移する。この現象が起因する理由は現時点では実証するまでに至っていないが、本発明者らの推測によれば、石炭粒子2から発生する炉内ガス生成量の減少でコ−クス炭化炉1と炉内ガス燃焼室13との間のガス流出経路の変化によるものと考えられる。この様に炉内ガス燃焼室13の圧力が正負圧境界域を越える圧力変化を起こすと、吸引空気送出パイプ24を介して空気チャンバ−20も同様の圧力変化を示し、閉塞弁盤32の浮上して空気吸引パイプ21の空気吐出口23を開放し、必要な量の空気を吸い込んで炉内ガス燃焼室13の炉内ガスが燃焼を起こし、上昇する圧力変化で閉塞弁盤32が空気吸引パイプ21の吸入空気吐出口23を閉塞し、空気の吸引を断つ。この現象を繰り返しながら炉内ガス燃焼室13は高温度に上昇し、この高い熱でコ−クス炭化炉1の炉蓋近傍に装入された石炭粒子2を加熱する。この様な挙動は、石炭粒子2が乾留を終えまで、自己制御動作で行われる。
さらに本発明は、コ−クス乾留中に何かの原因で、炉内ガス燃焼室13で炉内ガスを燃焼させるに必要な量以上の空気を吸い込んで局部的に小爆発を起こす危険性を感じたときは、開閉バルブ40を閉める事によって、空気の送給を完全に停止し、小爆発を未然に防止する構造に設けられている。
世界的にコ−クス供給量の不足が叫ばれる中で、本発明のコ−クス炭化炉昇温炉蓋は、コ−クス生産歩留を向上するだけでなく、石炭粒子の乾留速度を速め、タ−ルの発生を著しく低減するなど多くの利点から実用化される可能性が高い。
3 炭化炉蓋
13 炉内ガス燃焼室
17 炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置
20 空気チャンバ−
21 空気吸引パイプ
22 空気吸入口
23 吸入空気吐出口
24 吸引空気送出パイプ
25 吸入空気送出口
26 吸入空気送入口
28 噴出炉内ガス環流笠部材
32 閉塞弁盤
33 圧縮コイルバネ
34 環状台座
35 閉塞弁盤飛行制止板
36 閉塞弁盤昇降用ガイドフレ−ム
13 炉内ガス燃焼室
17 炉内ガス燃焼用空気送給量制御装置
20 空気チャンバ−
21 空気吸引パイプ
22 空気吸入口
23 吸入空気吐出口
24 吸引空気送出パイプ
25 吸入空気送出口
26 吸入空気送入口
28 噴出炉内ガス環流笠部材
32 閉塞弁盤
33 圧縮コイルバネ
34 環状台座
35 閉塞弁盤飛行制止板
36 閉塞弁盤昇降用ガイドフレ−ム
Claims (1)
- 下方側を空気吸入口としまた上方側を水平端面な吸入空気吐出口とする空気吸引パイプと、下方側を炭化炉蓋のコ−クス炭化炉側に設けた炉内ガス燃焼室に連通する吸入空気送出口としまた上方側を吸入空気送入口としかつ該吸入空気送入口の上方側に該吸入空気送入口径よりも小さい口径の噴出炉内ガス環流笠部材を1個または2個以上を間欠配置した吸引空気送出パイプとを相方に離隔して空気チャンバ−の底面を貫通して該空気チャンバ−内に突設し、さらに前記空気吸引パイプの吸入空気吐出口に着脱自在な閉塞弁盤を載置しかつ該空気吸引パイプの外周に遊嵌して該閉塞弁盤の搭載自重で圧縮するコイルバネの下方端部を環状台座に緩嵌し保持すると共に、空気吸引パイプの吸入空気吐出口上方に閉塞弁盤飛行制止板を架設しかつ外周上部側に吸入空気整流ガイド板を囲繞した閉塞弁盤昇降ガイドフレ−ムを該空気吸引パイプから圧縮コイルバネを介して離隔する位置に設けて構成した炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置を、前記炉内ガス燃焼室に付設した事を特徴とするコ−クス炭化炉昇温炉蓋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004333740A JP2006117893A (ja) | 2004-10-19 | 2004-10-19 | コ−クス炭化炉昇温炉蓋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004333740A JP2006117893A (ja) | 2004-10-19 | 2004-10-19 | コ−クス炭化炉昇温炉蓋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006117893A true JP2006117893A (ja) | 2006-05-11 |
Family
ID=36536069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004333740A Pending JP2006117893A (ja) | 2004-10-19 | 2004-10-19 | コ−クス炭化炉昇温炉蓋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006117893A (ja) |
-
2004
- 2004-10-19 JP JP2004333740A patent/JP2006117893A/ja active Pending
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