JP2006063293A - コークス炭化炉用昇温炉蓋 - Google Patents

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今朝夫 山▲崎▼
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Abstract

【課題】炭化炉蓋の炉内ガス燃焼室に空気を送る際に、炉内ガスを燃焼するに必要な量の空気を送り込み、また逆流する炉内ガスに混入する石炭またはタールの浮遊粒子による機能低下を最小限に抑制した炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置を設けたコークス炭化炉用昇温炉蓋を提供する。
【解決手段】空気チャンバー20内に、空気吸引パイプ21と炉内ガス燃焼室13に連通しかつ上部に噴出炉内ガス環流笠部材27を設けた吸引空気送出パイプ24を設けた自己制御動作の炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置17を、コークス炭化炉の炭化炉蓋に設けたコークス炭化炉用昇温炉蓋。
【選択図】図2

Description

本発明は、石炭粒子を乾留しコークスを製造する炭化室(炉)の炉蓋側に装入された石炭粒子を加熱促進せしめるコークス炭化炉用昇温ドア(炉蓋)に関するものである。
技術背景
コークス炭化炉に装入した石炭粒子を乾留処理し製造したコークスを取出す(窯出し)毎に炭化炉の出入口を開閉する炉蓋の殆どが、例えば実開平5−56940号公報や特開2001−288472号公報で紹介される様に、900℃以上の高温度に耐えられる様に鉄骨フレーム構造の炉蓋本体に厚さ400mm程度の大型耐火煉瓦を内張りした頑丈な構造体に製作し、さらには炭化炉内で生成した高温度の熱を保有するCH、Cなど各種炉内ガスが炉蓋から漏れるのを防止するために炉蓋本体と耐火煉瓦との間に設けた耐熱金属材料のシールプレートの周囲を密封条片のナイフエッジ部材を介して炉口枠に押圧する密閉構造体に製作したものが使用されている。
コークス排出側とコークス押出機側の出入口を炉蓋で密閉したコークス炭化炉は、乾留される石炭粒子から発生する炉内ガスによって炉内圧が変動し、石炭粒子の乾留初期は炉内圧が大気圧よりも若干高い正圧で進み乾留時間の経過に低下し、窯出作業直前まで負圧状態に変化する。従って、上記の様に密閉構造で頑丈に製作された炉蓋であっても、高温度に長期間曝されている間に炉口枠やシールプレートの変形や溶損などの原因で炉口枠とシールプレートの端面との間に隙間を生じ、その隙間から乾留中の炉内ガスを漏出し、作業環境を悪化する。また炉蓋近傍部に装入された石炭粒子は、内張耐火煉瓦の吸熱作用と低圧状態時の低温度の外気(空気)を吸込みによって、充分な乾留処理が行えず、不良コークスを多く窯出しする問題があった。
この様な問題に対処して、乾留中の炉内ガスの圧力を低く保って炉蓋からのガス漏れを防止するために、例えば実開昭62−182957号公報や実公平6−43146号公報など多くの特許公報で紹介される様に、「炉蓋本体の炭化炉側に、間隔保持片を介して、U字状断面の遮蔽板を高さ方向に付設したガス通路の遮蔽体で、炉蓋近傍の石炭粒子から生成する炉内ガスをガス通路内で上昇させ、炉頂部の上昇管を経て外部へ誘導するコークス炉の炉蓋」が開発されている。またコークス炉蓋の熱伝導性を利用して炉蓋近傍の石炭粒子をコークス化するために、特公平3−40074号公報では「炭化炉の装入物から生成する熱い気体を、該装入物と接触する少なくとも一つの扉の熱伝導性金属隔壁によって炭化炉の内部と分離する扉の中の垂直な通路を通して送気管へ送り、該通路での上昇と該隔壁の熱伝導性によって、該隔壁を介して該隔壁に接触する上記の上方末端領域に、前記した熱い気体の一部を移して該装入物をコークス化する方法」が開示されている。この方法で開発された装置が、特公昭61−49353号公報である。該公報は「扉の炉内側に、スペース片を介してコーキクングプレートを結合した個々の遮蔽部材が重なり合う炉内ガガス通過用の遮蔽体を取り付けた、コークス炉蓋」である。さらに特開平8−283735公報の様に、炉内ガス通路の遮蔽体に空気または酸素の吹込みノズルを設けた炉蓋もある。これ等いずれの炉蓋も炉内ガス漏れを防止し、炉蓋近傍部に装入された石炭粒子の昇温速度を速め、不良コークスを低減する効果がある。
実開平5−56940号公報(第4頁 図1) 実開昭62−182957号公報(第2頁 図1) 特公平3−40074号公報(第3頁 図1) 特公昭61−49353号公報(第7頁 図8) 特開平8−283735公報(第3頁 図3)
発明を解決しようとする課題
炉蓋本体の炭化炉側に炉内ガス通路の遮蔽体さらに空気等の吹込みノズルを設けた炉蓋すなわち昇温式炭化炉蓋は、現時点においても実用化に至っていない。この理由は定かではないが、本発明者らの実験から推測すれば、次の様な問題があったものと思われる。炉内ガス通路の遮蔽体は、曲げ加工し易い板厚の薄い金属板で成形されているため、乾留される石炭粒子の押圧力を受け、コークス窯出し毎に繰返される高温度から低温度に急速冷却する熱歪みを受けて、変形する問題があった。遮蔽体は窯出し毎に大きく歪に変形し、該遮蔽体に通じるガス流通孔も閉塞されるため、炉内ガスを燃焼させるに至らず、遮蔽体の機能が達成されない問題があった。特に歪に大きく変形した遮蔽体は、炉蓋を開閉する際に、コークス炭化炉壁を擦り落とす問題があったものと思われる。
本発明者らは、炉内ガス通路の遮蔽体すなわち炉内ガス燃焼室を設けた炭化炉側に設けた上記の問題点を解消する事を目的に種々の炉蓋構造について検討しまた現場実験から得た結果を基に、石炭粒子を装入するコークス炭化炉の炉口枠を押圧する炉蓋本体の炭化炉側に、断熱ボックスを介して左右あるいはさらに上下にガス流通間隙を設けて縦横に耐熱金属短冊板を配列した炉内ガス燃焼室を設けた炭化炉用昇温炉蓋を、既に開発した。さらに本発明者らは、コークス炭化炉内圧が乾留時間と共に正圧から負圧へ変化する事に着目し、耐熱金属短冊板のガス流通間隙から炉内ガス燃焼室に流入した未燃焼性の炉内ガスを燃焼させるに必要な量の外気(空気)を、電気的制御や手動操作に依らず、自己制御動作で炉内ガス燃焼室の圧力変化に対応して送入し、かつコークス炭化炉から逆流で進入する石炭またはタールの浮遊粒子による弊害を極力低減する自己制御動作の炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置を、接続パイプを介して、炉内ガス燃焼室に連通したコークス炭化炉用昇温炉蓋を提供する事を目的としたものである。
課題を解決するための手段
その目的を達成した本発明の要旨は、下方側を空気吸入口としまた上方側を水平端面な空気吐出口とする空気吸引パイプと、下方側を炭化炉蓋のコークス炭化炉側に設けた炉内ガス燃焼室に連通する吸引空気送出口としまた上方側を吸引空気送入口としかつ該吸引空気送入口の上方側に該吸引空気送入口径よりも小さい口径の噴出炉内ガス環流笠部材を1個また2個以上を間欠配置した吸引空気送出パイプとを相方に離隔して空気チャンバーの底面を貫通して該空気チャンバー内に突設し、さらに前記空気吸引パイプの空気吐出口に着脱自在な閉塞弁盤を載置しかつ該空気吸引パイプの外周に該閉塞弁盤の搭載自重で圧縮するコイルバネを遊嵌すると共に、空気吸引パイプの空気吐出口上方に閉塞弁盤飛行制止板を架設しかつ外周上部側に吸引空気の整流ガイド板を囲繞した閉塞弁盤昇降ガイドフレームを該空気吸引パイプから圧縮コイルバネを介して離隔する位置に設けて構成した炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置を、前記炉内ガス燃焼室に付設したコークス炭化炉用昇温炉蓋である。
発明の効果
本発明の炭化炉蓋は、コークス炭化炉から炉内ガス燃焼室に流れ込んだ未燃焼性の炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気が、炉圧制御で自己動作の炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置によって、送出される。従って、過剰な量の空気を送り込み炉内ガス燃焼室などの温度降下を招く事もなく、炉蓋近傍部に装入された石炭粒子の乾留を効率的に行う事から不良コークスの発生を著しく低減する。また炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置内に逆流し付着し易い石炭またはタールの浮遊粒子は、架設された噴出炉内ガス環流笠部材によって、炉内ガス燃焼室へ戻す構造に製作されているため、長期間安定したコークス操業が行える特長がある。
以下、本発明について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図面は本発明の一実施例を示したもので、図1はコークス炭化炉のコークス排出側(またはコークス押出側)の出入口を閉塞した炭化炉蓋とその近傍のコークス炭化炉の断面図を示す。図1において1はコークス炭化炉で、石炭粒子2が装入されている。すなわち、コークス炭化炉1は、両側に隣接させた加熱炉(図示せず)で、石炭粒子2を乾留する炉体構造に設けられている。3は炭化炉蓋である。炭化炉蓋3は、コークス炭化炉1の出入口4を押圧する締結機能構造で、頑丈に製作された鋼鉄製炉蓋フレーム5のコークス炭化炉側にスライドプレート6、ナイフエッジ断面形状のフランジ部材7を周設しコークス炭化炉1の炉口枠8に当接する耐熱金属製のシールプレート9や炉内プレート10などを介装し、さらにアルミナシリケートやセラミックスなど一般に使用される断熱材11を充填した断熱ボックス12を介してコークス炭化炉1の出入口4に突出する炉内ガス燃焼室13を設けて構成されている。炉内ガス燃焼室13は、コークス炭化炉1で乾留される石炭粒子2から発生する炉内ガスが流れ込み易い様に、対面あるいは側面にもガス流通孔(または間隙)を設けた耐熱製の中空体構造体であって、図示する様に、断熱ボックス12の炉高方向を複数段に分割する位置に固定した横体支持枠14に耐熱金属製の短冊板15を左右または上下あるいはその両者に微小なガス流通用間隙16を設けかつ着脱自在な係合手段を利用して縦横に架設した構造体の他に、多数の環状または不連続環状の耐熱金属製短冊フレームの上下側にガス流通用間隙を設けて多段状に横設し、または炭化炉側を低く断熱ボックス側を高く傾設した構造体であってもよい。すなわち、本発明において、炉内ガス燃焼室13とは、炉内ガスが進入し流通する枠体構造の炉内ガス回遊隔離室構造に設けられたものである。17は炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置で、炭化炉蓋に付設され、かつ接続パイプを介して、炉内ガス燃焼室13に連通されている。炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置17は、コークス炭化炉1で発生しガス流通用間隙16を通って炉内ガス燃焼室13に流入した炉内ガスを燃焼させるに必要な量の空気を吸引しまた該炉内ガス燃焼室13に送り込む空気の送出量制御装置で、その構造については詳細に後述するが、炭化炉蓋に1基または複数基が炉高方向へ任意な間隔を設けて付設される。図1は、炉高方向に任意な間隔にて3基を付設した場合の一実施例を示す。18は閂で、鋼鉄製炉蓋フレーム5を炉口枠8に強く押圧し締結するもので、圧縮バネや螺子ボルトなどの締結用部材を組合わせて構成されている。またシールプレート9のフランジ部材7を炉口枠8に押圧するシリンダーやバネなどを使用した進退自在な押圧機具19が設けられている。すなわち、炭化炉蓋3は、コークス炭化炉1の出入口4を開閉可能に締結し、さらに炉内ガスを燃焼させる構造に設けられている。
図2は、図1において炭化炉蓋3の炉内ガス燃焼室13に取付けられた炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置17の一実施例を、拡大断面図で示す。20は、空気チャンバーである。空気チャンバー20は中空矩形断面、円筒断面など任意な中空断面形状に作られた密閉構造のボックスで、後述する様に、コークス炭化炉1から炉内ガス燃焼室13に流入した炉内ガスを燃焼するに必要な量の外気すなわち空気を送出し、また何らかの原因で炉内ガス燃焼室13の異常高圧を感知したとき、直ちに空気の送出を停止する自己制御動作に設けられている。21は空気吸引パイプで、下方側を空気吸入口22としまた上方側を水平端面な空気吐出口23である。24は吸引空気送出パイプで、下方側を炭化炉蓋3のコークス炭化炉側に設けた炉内ガス燃焼室13に連通する吸引空気送出口25とし、また上方側を吸引空気送入口26とする。また空気吸引パイプ21と吸引空気送出パイプ24は、相方に任意な間を設けて離隔する位置に、空気チャンバー20の底面を垂直に貫通して該空気チャンバー20に突出するが如く設けられている。
また後者の該吸引空気送入口26には、上方側が拡口径の切頭逆円錐形状をしたラッパーパイプ27が設けられている。ラッパーパイプ27は、吸引空気送出パイプ24の吸引空気送入口26の間口を拡径にする事によって、空気チャンバー20の吸引空気の乱流を防止しつつ該吸引空気送出パイプ24の円滑な流動性を確保し、炉内ガス燃焼室13から噴出される石炭またはタールの浮遊粒子の流速を弱めるものであって、吸引空気の流動性を無視する場合は特に設ける必要がない。図2は、本発明における最良の形態を示したものである。すなわち、空気吸引パイプ21から吸引され空気チャンバー20に流れ込んだ吸引空気は、ラッパーパイプ27、吸引空気送出パイプ24を経て炉内ガス燃焼室13に導入される構造に設けられている。また吸引空気送出パイプ24は、コークス炭化炉1まで連通する構造に設けられるため、コークス炭化炉1で発生する炉内ガスの異常高圧の影響を受けて炉内ガス燃焼室13から流れる未燃焼性炉内ガスに混じった石炭またはタールの浮遊粒子を噴出し、空気チャンバー20を汚し、他の可動部材に付着し、その機能を著しく損なう事がある。本発明はこの問題にも対処するため、吸引空気送出パイプ24の吸引空気送入口26の上方側に、該吸引空気送入パイプ24の口径またはラッパーパイプ27の上方側拡口径よりも小さい間口径に製作された噴出炉内ガス環流笠部材28の1個または2個以上を、同一垂直線上で上下段に離隔し、吸引空気送出パイプ24またはラッパーパイプ27に架設する。図2は、2個の噴出炉内ガス環流笠部材28を上下段に離隔し、吸引空気送出パイプ24の吸引空気送入口26の周囲を取り囲む様に固定したラッパーパイプ27の上方側に、下段側の噴出炉内ガス環流笠部材28をV字形断面の継手部材29を介して架設し、さらに上段側の別の噴出炉内ガス環流笠部材28をボルトナット継手部材30を介して下段側の噴出炉内ガス環流笠部材28に架設した場合の一実施例を示す。すなわち、噴出炉内ガス環流笠部材28は、吸引空気送出パイプ24を逆流し吸引空気送入口26から噴出された炉内ガスに混じった石炭などの浮遊粒子を、衝突させ、該笠部材の斜面に沿って環流する炉内ガスの流速を利用して吸引空気送出パイプ24に戻し、さらに次工程の吸引空気送出時に炉内ガス燃焼室13に送り戻して燃焼除去しようするものである。このときにラッパーパイプ27の拡口径形状と噴出炉内ガス環流笠部材28の狭隘な空間で炉内ガスの逆流速度を減じ、石炭などの浮遊粒子は、噴出炉内ガス環流笠部材28に強く衝突する事もなく、吸引空気送出パイプ24に帰還する。本発明においては、噴出炉内ガス環流笠部材28の1個でもその目的の機能を充分に果たせるが、2個以上を使用する事でその目的が満足に達成される。また本発明においては、図2の様に、2個の噴出炉内ガス環流笠部材28を上下段に離隔して架設する場合、吸引空気送入口径またはラッパーパイプ27の上方側拡口径よりも小さい間口径で、かつ上段側に設けるほど大きい間口径の噴出炉内ガス環流笠部材28を設ける事が好ましい。
31は空気誘導用接続パイプで、吸引空気送出パイプ24と炉内ガス燃焼室13を連通するものであって、直管でも湾曲でもよく、さらに該パイプ内をクリナー作業できる様に分解組立構造の継手パイプに設けてもよい。
さらに本発明においては空気の吸引量(または送出量)を制御するため、空気吸引パイプ21の空気吐出口23の上端面に着脱自在な閉塞弁盤32を載置し、かつ空気吸引パイプ21の外周上方側に閉塞弁盤32の搭載自重で圧縮するコイルバネ33を遊嵌すると共に、該空気吸引パイプ21の外周から離隔する位置に閉塞弁盤飛行制止板34を架設した閉塞弁盤昇降用ガイドフレーム35が架台または空気チャンバー20の床面に固定されている。閉塞弁盤31は、炉内ガス燃焼室13に流れ込んだ炉内ガスの量と燃焼によって正圧と負圧が繰返される空気チャンバー20の圧力変化に対応し、昇降する。炉内ガス燃焼室13が正圧の場合は、空気チャンバー20も正圧になり、閉塞弁盤31の上面に圧力が掛かって圧縮コイルバネ33を縮めながら空気吸引パイプ21の上端面に吸着される様に載着し、空気の吸引を制止する。その反対に空気チャンバー20が負圧の場合は、閉塞弁盤32が吸上げられる様に浮上し圧縮コイルバネ33も伸長し、空気吸引パイプ21の空気吐出口23を開放し、空気を吸引する。つまり、本発明において、炉内ガス燃焼室13に流入した炉内ガスを燃焼するに必要な量の空気を、空気チャンバー20を介して、該炉内ガス燃焼室13に送り込む構造に設けられている。閉塞弁盤32の昇降動作を効果的に駆動させるにはガラス板、金属板、雲母板や合成樹脂など軽量材料を使用するとよい。中でもガラス板が、ガスや使用温度に変質する事がなく平坦性にも優れているため、他の材料よりも適している。圧縮コイルバネ33は、閉塞弁盤32の浮上作用を助けまた落下時の衝撃を吸収するもので、閉塞弁盤32の搭載自重を担う程度の圧縮力と伸長力を有するバネを使用する必要がある。
閉塞弁盤昇降用ガイドフレーム35の上方に架設した閉塞弁盤飛行制止板34は、過剰の高さに浮上する閉塞弁盤32の飛行を制止するものであって、その形状は円板や環状板あるいはリボン状板など任意な形状の板物や条物が使用される。また閉塞弁盤昇降用ガイドフレーム35そのものは、閉塞弁盤32の昇降動作に阻害しない程度の隙間を設け、しかも空気吸引パイプ21から吸い込まれた空気が空気チャンバー20を自由に流動し易い様に、空気吸引パイプ21を取り囲む離隔位置に2本または3本以上のガイドフレーム棒を立設する枠組み構造に設けられている。さらに空気吸引パイプ21から吸い込んだ吸引空気が空気チャンバー20内を環流状で均一に流出される様に、閉塞弁盤昇降用ガイドフレーム35の外周上部側を囲繞する整流ガイド板36を設けている。
さらに上記した本発明における炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置17は、図1で示す様に、吸引空気送出パイプ24と炉内ガス燃焼室13に内設される空気噴出ノズルパイプ37とを、空気誘導用接続パイプ31あるいは開閉バルブ38を介して接続して使用される。特に本発明においては、炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置17や各種の接続パイプで目詰まりや損傷などを起こした場合に分解補修作業や部品交換作業などに都合がよい様にネジ継手法による組立工法が便利である。また開閉バルブ38を使用する事によって、急遽不必要になった空気を人為的に送出停止する場合に便利である。また空気噴出ノズルパイプ37のノズル形状については、特に限定するものでなくパイプ孔、分散ノズルパイプなど任意な形状のノズル孔を設けてもよい。
以上の様に構成された本発明のコークス炭化炉用昇温度炉蓋は、前記した従来の炉蓋同様のコークス製造作業に倣って行われる。石炭粒子2の乾留初期においては、石炭粒子2から発生した未燃焼ガスを含有した正圧の炉内ガスが上方の排気口(図示せず)から流れ出るが、その一部が炉内ガス燃焼室13に流れ込んで該炉内ガス燃焼室13を正圧にする。この時の炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置17は、炉内ガス燃焼室13の正圧の影響を受けて空気チャンバー20の閉塞弁盤31が空気吸引パイプ21の空気吐出口23に押圧する様に降下し、外気の空気の吸引を遮断する。乾留時間の経過に石炭粒子2から発生する炉内ガスの生成量が徐々に減少し、炉内ガス燃焼室13も負圧傾向へと変化する。さらに乾留時間の経過すると炉内ガスの生成量を減じ、炉内ガス燃焼室13は、正負圧領域を交互に繰り返しながら乾留末期まで続く。この現象が起因する理由は現時点で実証する出来ないが、本発明者らの推測によれば、石炭粒子2から発生する炉内ガス生成量の減少でコークス炭化炉1と炉内ガス燃焼室13との間のガス流出経路の変化によるものと考える。この様に炉内ガス燃焼室13が負圧化すると、吸引空気送出パイプ24を介して空気チャンバー20内も負圧化し、閉塞弁盤32の浮上高さと浮上時間に見合った量の空気すなわち炉内ガス燃焼室13に流れ込んだ炉内ガスが燃焼するに必要な量の空気が、空気吸引パイプ21、空気チャンバー20、吸引空気送出パイプ24を経て空気誘導用接続パイプ31の空気噴出ノズルパイプ37から炉内ガス燃焼室13に送り込まれ、未燃焼ガスが燃焼する。燃焼した炉内ガスの発熱で周囲の温度を上昇させ、コークス炭化炉1の近傍に装入された石炭粒子2を加熱し、発熱の際に生じる膨張によって炉内ガス燃焼室13を正圧化し、閉塞弁盤31を空気吸引パイプ21の空気吐出口23に押下げ、空気の吸引を断つ。また炉内ガス燃焼室13の正圧化で勢いよく空気チャンバー20に逆流する炉内ガスに噴出される石炭またはタールの浮遊粒子は、空気チャンバー20内に飛散する事なく噴出炉内ガス環流笠部材28に衝突しまたその付近を浮遊しながら、次の吸引空気送出の際に炉内ガス燃焼室13に吹き戻され、燃焼する。この様な挙動は、石炭粒子2の乾留を終えコークスが窯出しされるまで、自己制御動作で行われる。
さらに本発明は、コークス乾留中に何らかの原因で、炉内ガス燃焼室13に炉内ガスを燃焼させるに必要な量以上の空気を吸い込んで局部的に小爆発を起こす危険性を感じたとき、開閉バルブ38を閉める事によって、空気の送出を完全に停止し、小爆発を未然に防止する構造に設けられている。
世界的にコースの供給量が不足すると叫ばれる中で、本発明のコークス炉の炭化炉蓋は、コークス生産歩留を向上するだけでなく、石炭粒子の乾留速度を速め、タールの発生を著しく低減するなど多くの利点から、コークス技術水準を高める。
本発明の一実施例を示したもので、コークス炭化炉のコークス排出側(またはコークス押出側)の出入口を閉塞した炭化炉蓋とその近傍のコークス炭化炉の縦断面図を示す。 本発明における炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置の一実施例を、詳細拡大断面図で示す。
符号の説明
1 コークス炭化炉
13 炉内ガス燃焼室
17 炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置
20 空気チャンバー
21 空気吸引パイプ
22 空気吸入口
23 空気吐出口
24 吸引空気送出パイプ
25 吸引空気送出口
26 吸引空気送入口
27 ラッパーパイプ
28 噴出炉内ガス環流笠部材
31 空気誘導用接続パイプ
32 閉塞弁盤
33 圧縮コイルバネ
34 閉塞弁盤飛行制止板
35 閉塞弁盤昇降用ガイドフレーム
36 整流ガイド板

Claims (1)

  1. 下方側を空気吸入口としまた上方側を水平端面な空気吐出口とする空気吸引パイプと、下方側を炭化炉蓋のコークス炭化炉側に設けた炉内ガス燃焼室に連通する吸引空気送出口としまた上方側を吸引空気送入口としかつ該吸引空気送入口の上方側に該吸引空気送入口径よりも小さい口径の噴出炉内ガス環流笠部材を1個または2個以上を間欠配置した吸引空気送出パイプとを相方に離隔して空気チャンバーの底面を貫通して該空気チャンバー内に突設し、さらに前記空気吸引パイプの空気吐出口に着脱自在な閉塞弁盤を載置しかつ該空気吸引パイプの外周に該閉塞弁盤の搭載自重で圧縮するコイルバネを遊嵌すると共に、空気吸引パイプの空気吐出口上方に閉塞弁盤飛行制止板を架設しかつ外周上部側に吸引空気の整流ガイド板を囲繞した閉塞弁盤昇降ガイドフレームを該空気吸引パイプから圧縮コイルバネを介して離隔する位置に設けて構成した炉内ガス燃焼用空気送出量制御装置を、前記炉内ガス燃焼室に付設した事を特徴とするコークス炭化炉用昇温炉蓋。
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JP2006265509A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Yamazaki Sangyo:Kk 炉蓋側装入石炭粒子の昇温促進用コークス炭化炉蓋

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