JP4729223B2 - 工具のかみ合い面における凹部及び突出部の形成方法及びその工具 - Google Patents
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Description
本発明は、工具に関し、特にねじ締め付け工具、好適にはねじ回し、レンチ、プライヤ、ものを掴むクランプ、またはヤスリであって、表面に凹部及び突出部を有する工具に関する。
【0002】
また、本発明は、上述したタイプの工具上に作業表面を形成する方法に関する。
【0003】
ドイツ実用新案DE 95 00 780.2 U1には、一般的な工具が開示されている。この実用新案には、プラスねじのためのねじ回しの先端が記載されており、作業表面は凹部と凸部が交互に線状に形成されている。すなわち、溝の両側に突出部があるようなパターンが形成されている。この型のねじ回しの先端を製造するには、まず、全ての突出部が刻みつけられる。それから、工具を硬化する。硬化の際の表面への影響は突出部にも及ぶ。硬い突出部が硬い基盤体から突出する極端にもろい工具の場合には、過剰刻み目効果が生じる。この硬化は下方面を硬くすることによってのみ回避することができる。しかし、そうすることによって、比較的柔らかい突出部が急速に摩耗する。従って、突出部を耐摩耗性のものとすると工具が過剰にもろくなる一方、工具全体としてもろくないようにするには、突出部が柔らかくなり摩耗しやすくなるという問題に直面する。
【0004】
従って、他の方法によって、ねじ回しの表面粗度を増大させている。たとえば、DE 40 29 734 A1及びEP 0 521 256 A2においては、作業表面を摩擦を生じる材料でコーティングしている。GB 950 544及びDE197 20 139 C1においては、表面形状とコーティングを組み合わせている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、一般的な工具であって、特に低脆性で硬い突出部を有する工具及びその製造方法を提供することを課題としている。
【0006】
この目的は、請求項に係る発明によって達成される。
【0007】
請求項1では、工具の作業表面がエネルギー照射を受けることが記載されている。エネルギー照射は、凹部とエッジ突出部が造られるように行われる。表面に近い領域は熔融し、固化してエッジ部に突出部を形成する。このとき、ブランク品の硬化等の熱処理後に問題を生じてはならない。ブランク品は、熱処理中に適切な方法で適正な強さを与えられ、材料のもろさが低下している。この強靱なコア物質はレーザー照射され、溝領域だけが局所的に表面硬化され、溝間領域は表面硬化されない。溶融物は、自己クエンチする。物質の硬化に伴って、3次元構造、特に表面のトポグラフィも変化する。特にエッジ突出部を有する溝状の凹部が形成される。比較的硬い物質のこれらの溝はより柔らかい物質に取り囲まれている。突出部は、摩耗に非常に強く、表面に直角に圧力が加わるとコア物質の中へ弾性的に侵入することができる。さらに、本発明の方法の利点は、凹部の幾何学的形状は、いかようにも選択することができることである。超高度の硬さのエッジ突出部を造ることが好ましい。このようにして凹部及び突出部を形成されたねじ締め付け工具を使用する時、これらの突出部はねじとかみ合わせ開口の壁の中に圧力がかかった状態で侵入し、工具はねじをしっかりつかまえる。曲がった突出部がこのようにねじの中へもぐることは、亜鉛メッキされたねじの場合特に顕著である。照射は、好適には、収束されたレーザーによって実行される。このような凹部及び突出部の形成は、ヤスリにも適している。
【0008】
レーザービームを広げて、物品かみ合い面の領域を通過させることも考えられる。この場合、金属表面は、融点以上に加熱され、大きな温度勾配のために急冷される。金属の溶融及び蒸発に伴って、表面が荒らされる。高エネルギーによって形成されたモルフォロジーが急速に凍結されると、表面は硬化される。レーザー照射により造られた突出部/凹部からなる構造の硬さはそれに隣接する領域の硬さより大きい。従って、これらの構造は、弾性的に支持されている。
【0009】
レーザーは、工具の鋼基盤体に直接に照射してもよいが、予め電解メッキ等により金属コーティングすることも考えられる。凹部及び突出部の形成は、2段階で行ってもよい。たとえば、まず、表面全体を荒らした後、線状構造を得るためにレーザービームを使用する。第1ステップは省略してもよい。収束されたレーザービームによって線状構造を造るときに、土手状のエッジを有する溝が形成される。物品かみ合い面表面上に土手状エッジが突出し、この土手状エッジが硬くて荒い物品かみ合い面の突出部を形成する。レーザー照射を受ける表面領域が電解メッキされている場合は特に、金属コーティングは、よりコンパクトにされることが分かっている。金属コーティングとしてニッケルを使用することには利点があることが証明されている。また、ニッケル層の中に、ダイヤモンドチップ等の硬い物質の粒子を埋め込むことには特に利点がある。レーザー照射によって、ダイヤモンドチップは物質のマトリクス中にしっかりと保持される。レーザー照射の強度と持続時間を調整して、凹部を形成された領域が、それと隣接する物品かみ合い面であって凹部及び突出部を形成されない表面より少し引っ込むようにする。ビームの方向は表面に対して直角としてもよいが、鋭角であってもよい。これによって、引っ込んだ領域のエッジ側面が、物品かみ合い面の中に鋭角で入り込む。書き込み動作時に、レーザーは表面上に収束され、鋼基盤体物質又はリン化ニッケルコーティングは溶融し、物質の転換が生じる。部分的に溶融した鋼物質は、硬化された微細構造を形成し、部分的に溶融したリン化ニッケル層は鋼基盤体と結合し得る。この型の凹部及び突出部の形成は、ねじ回しの十字状の先端の凹部及び突出部の形成には特に利点がある。凹部及び突出部を形成する線は回転方向に対して傾いていてもよい。これによって、cam−out効果を抑制することができる。工具は、あたかも、ねじの開口を掘り進む。さらに、溝の形のおかげで摩損した物質が溝を埋めることもない。溝は、チップフルート(chip flutes)として働く。
【0010】
高エネルギーの収束ビームを使用することによって、工具の表面は、部分的に短時間で溶融する。部分的溶融は、レーザー等の光、電子ビーム、又はスパッタリングによってもたらされる。表面の部分的溶融は、局所的であり且つ仮想的に自発的であり、物質内に非常に大きな温度勾配が生じる。その結果、たとえばレーザービームが去ってエネルギーの供給がなくなった後、溶融物は、直ちに固化する。溶融中に動力学的な力によって、溶融物のエッジに向かう流れが溶融物の中に生じる。その結果、エッジへ向かうウエーブが形成される。ウエーブは、できる可能な限り急峻な側面を獲得するが、壊れはしない。従って、ウエーブが最適な側面形状を得る時点で、エネルギー照射を突然終わらせなければならない。非常に短時間のエネルギー照射が終わると、溶融物が直ちに固化する。その結果固化した溶融物は大きな硬さを獲得する。その硬さは、62HRC以上であり、64と66HRCの間の値であり得る。約50μm厚の井戸状構造の下方では、バルク物質は、熱により焼き戻される。焼き戻された場所では、物質は柔らかくなる。従って、より硬い物質の井戸は、柔らかい領域の中に埋め込まれている。この柔らかい領域の硬さは増大して行き、基盤物質の硬さに到達する。
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1には、レーザー加工によって先端を加工したねじ回しを示す。
図2には、先端を示す。
図3には、先端の表面の一部を示す。
図4には、図3に対応し第2実施形態の作業片のかみ合い表面の一部を示す。
図5は、本発明の第3実施形態を示す斜視図であり、荒らされた表面の詳細な様子を示す。
図6には、図5に対応し、凹部及び突出部の形成後の表面を示す。
図7は、本発明の実施形態の一つであり、交差する井戸状溝を有する作業表面を示す。
図8は、井戸状溝の断面図である。
図9は、本発明の更にもう一つの実施形態であり、凹部がクレーター形状をしている。
図10には、50μm厚の固化した溶解物及び隣接する30μm厚の焼き戻された部分の典型的な硬さを図式的に示す。
図11は、本発明の更にもう一つの実施形態であり、ブレードを有するねじ回しである。
図12は、本発明の更にもう一つの実施形態であり、ねじ締め付け工具は、ねじ回しと同様であるが、ブレードは多角形であり、多角形の表面はレーザー加工されている。
図13には、工具がヤスリである実施形態を示す。
図14には、鋸歯状リングプライヤの先端を示す。
図15には、鋸歯状リングプライヤの先端の変更したものを示す。
図16には、たとえばプライヤ、ものを掴むクランプ、レンチのための顎であって、本発明によって凹部が形成されている。
【0012】
図1及び図2に示す実施形態は、ハンドル1とブレード2を有するねじ回しである。ブレード2は先端3を持つ。この先端3は、かみ合い面8を有する。本実施形態においては、かみ合い面は、十字型である。このかみ合い面8上をレーザービームを多重に平行に通過させれば、互いに平行な線状部分6が形成される。鋼コア4に金属コーティング5を施せば、材料を強化できる。かみ合い面の線状部分6の領域では、表面の硬さが、約100%増大される。線状部分6の領域にはエネルギーが加えられ、その領域を取り囲む領域であってエネルギーが加えられない領域に比べて少したわむ。レーザービームの経路に従って溶融物が形成される。バルク材料に比べて非常に大きな温度勾配のために、その溶融物は急冷される。固化した溝の硬さは、その溝を取り囲む材料に比べて、かなり大きい。収束レーザービームは、案内され方向付けられ、溶解物は土手のように盛り上がり、盛り上がった突出部のエッジ部はアニールされる。エッジ部のウエーブ上の物質は、ウエーブの間に横たわる凹部に由来する。突出部のエッジは、溶融物の熱動力学的流れによって形成される。物質は、溶融物の中心からエッジへ向かって流れそこで固化する。
【0013】
エネルギーは、収束されたレーザービームを使用して加えられる。レーザービーム源は、書き込みレーザー、特に高出力ダイオードレーザーであってもよい。図3に示す実施形態においては、鋼コア4上に、たとえばリン化ニッケルの金属コーティング5を施す。書き込みのために表面を案内されるレーザービームは、局所的、部分的に層5を溶融するだけでなく、隣接する鋼基盤体すなわち鋼コア4も溶融する。溶融物は、急激に固化する。固化する過程で、クレーターは溝9となる。この溝9は、金属コーティング5の表面から突出した2つの土手のようなエッジ10を有する。これによって、表面が荒らされる。部分的に溶融され急冷された物質はより硬さが大きくなっている。この物質は、非晶質マルテンサイトである。
【0014】
図4に示す実施形態においては、ダイヤモンドチップ7がニッケルコーティング5の中に付加され、コーティング表面から突出している。レーザービームによる局所加熱によって線形で帯状の凹部及び突出部をもつ線状部分6が形成される。この帯状の凹部及び突出部をもつ線状部分6は、表面から突出したエッジ側ウエーブ10を有する溝9を形成する。局所加熱の最中には、金属材料が部分的に溶融されるだけではなく、蒸発も行われる。ダイヤモンドチップ7にもエネルギーが加えられ、相変化が生じる。ダイヤモンドチップ7は、酸化され、丸みを帯びる。線状部分6のダイヤモンドチップ7’はもはや線状部分6から突出することはない。
【0015】
図5に示す実施形態においては、鋼コア4はコーティングされていない。その表面に、たとえばダイオードレーザーを照射すると、表面11は、部分的に溶融する。この過程で形成された泡は急激な固化によって凍結され、これによって表面11が荒らされる。
【0016】
図6に示す実施形態においては、鋼コア4の表面11は、図5に示したように前処理され、収束レーザービームの書き込み作用によって処理される。この過程で、線状構造が表面に形成される。鋼基盤体すなわち鋼コア4の物質は部分的に溶融しエッジへ向かって移動し、表面11から突出した土手のような構造10が溝9の両側に形成される。
【0017】
図1及び図2に示したように、本発明を好適に適用している部分は、ねじ回しの先端である。そこでは、線状構造が斜めに設けられている。ねじを締め付ける先端のかみ合い面8は、ねじ頭につっこまれる。これによって、cam−out効果を緩和する。溝は、ねじ頭から摩損してきた金属によってふさがれるようなことはない。溝は、チップフルートと同様に作用する。
【0018】
局所的粗面化と同時に、表面の局所的硬化を行うことは特に有利であると考えられる。
【0019】
先端を処理する前に、ブレード2全体をクロムメッキしてもよい。クロムメッキはレーザービーム処理によって、完全に又は部分的に、先端から再度除去される。それによって、先端の色は、ブレード2の残りの部分と区別できるようになる。
【0020】
溝の形、方向、配置は、ねじ締め付け工具の力−出力特性に合わせる。たとえば、溝は、ダイヤモンド形状であってもよいし、魚の骨のようであってもよい。溝は、ブレード2の長手方向に対して横の方向又は平行の方向に走ってもよい。金型離脱の問題がないため、表面構造が刻まれるときには溝の形状にはほとんどなにも制限がない。
【0021】
かみ合い面8において土手のようなエッジが少し突出しているため、ねじ締め付け工具は、ねじの開口に良く刺さる。これは、土手の存在によって寸法が大きくなっているからである。ねじ回し上に置かれたねじは、たとえば磁力のような付加的な力を要せずに、ねじ回し上に保持される。
【0022】
図7には、本発明の更に一つの実施形態を示す。ここでも、エッジ突出部10は収束レーザービームによって形成される。溝状凹部9が互いに交差しているのは、交差点においてエッジ突出部10の領域で4つの凸部を形成するためである。
【0023】
側面が図8に示されている。エッジ突出部10の側面は比較的急峻である。エッジ突出部10は、エネルギーが加えられたときに発展するウエーブの結果形成される。ウエーブは、壊れる前に固化する。
【0024】
図9に示す実施形態においては、作業表面は、いくつかの点におけるレーザービーム照射によってリング状のエッジ突出部10が生じている。
【0025】
図10は、典型的な硬さ曲線である。硬さはロックウェル単位による。ゼロから50μm(井戸)で硬さは実質的に一定である。この領域は固化した溶融物に対応する。ここでは、硬さは65HRCである。50から80μmの領域では、固化した溶融物の下で焼き戻された領域である。実施形態における隣接バルク物質の硬さは60HRCである。焼き戻しのために、焼き戻された領域の硬さは、50HRCから60HRCに上昇している。
【0026】
図11に示す実施形態は、平坦な先端を有するねじ回しである。平坦な先端3の背後には、線状部分6を設けた平坦な表面11が形成されている。この平坦な表面11は、ヤスリがけに使用する。この配置で、一つの工具がねじ回しとヤスリがけ両用の工具となる。
【0027】
同様のヤスリがけは図12に示す実施形態でも可能である。ブレード2は、角度の付いた四角形断面を有する。この場合も、多角形の面12には、ブレード2の長手方向に対して斜めに向き互いに平行な線状部分6が設けられている。線状部分6は、突出構造をしており、これらの面がヤスリとして機能する。先端3にも、突出部が設けられる。
【0028】
図13に示す実施形態は、ヤスリである。この工具の特徴は、ヤスリのブレードがL型をしていることである。キャビティ表面は、帯状の凹部及び突出部をもつ線状部分6で覆われている。さらに、頂上部には、レーザー照射によって得られた線状部分6が設けられている。この工具によって、1回の操作でバリ取りを行うことができる。ブレードはハンドル付きシャンク14に接続されている。
【0029】
図14に示す実施形態は、鋸歯リングプライヤの先端16である。プライヤの2つの先端は円錐状である。外側に面した側方に凹部及び突出部をもつ線状部分6が設けられ、先端が鋸歯リングの開口から滑り出すことができないようにしている。
【0030】
図15は、変形例を示す。凹部及び突出部をもつ線状部分6は、お互いに軸状の距離が同じ場所での円状リングとして形成される。
【0031】
図16には、本発明に従って凹部及び突出部をもつ線状部分6を形成された顎17を示す。この顎はプライヤに使用される。プライヤは、互いに向き合い且つ凹部及び突出部を形成された線が互いに交差するような2つの顎を有する。このような顎は、ものを掴むクランプに使用してもよい。レンチの顎開口部も同様の構造にしてよい。
【0032】
特に、この型の顎は調節可能なねじ締め付け工具、たとえばモンキーレンチに設けてもよい。
【0033】
開示された全ての特徴は本発明に固有のものである。優先権書類(先の出願のコピー)の開示内容は本願の開示の中に全部取り入れられており、本願の請求項の中にこれらの書類に記載された特徴が取り入れられている。
Claims (20)
- ねじ回し、レンチ、プライヤ、クランプ又はヤスリである工具のかみ合い面(8)に、凹部及び突出部を形成する方法であって、
前記かみ合い面(8)にエネルギー照射を行い、照射された該かみ合い面(8)を溶融させた後に固化させることにより、凹部(9)と該凹部のエッジに位置する突出部(10)とを形成することを特徴とする、工具のかみ合い面における凹部及び突出部の形成方法。 - 前記エネルギー照射は、レーザービーム又は電子ビームを使用して行われることを特徴とする請求項1記載の、工具のかみ合い面における凹部及び突出部の形成方法。
- 前記レーザービームを使用したエネルギー照射であるレーザー照射が2段階で行われ、第1のレーザー照射により前記工具のかみ合い面(8)を荒らした後、第2のレーザー照射により前記凹部(9)及び前記突出部(10)を形成することを特徴とする請求項2記載の、工具のかみ合い面における凹部及び突出部の形成方法。
- 前記レーザービームを使用したエネルギー照射であるレーザー照射は、前記かみ合い面(8)に対して鋭角に向けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の、工具のかみ合い面における凹部及び突出部の形成方法。
- 前記レーザービームを使用したエネルギー照射であるレーザー照射の前に、前記かみ合い面(8)を金属コーティングするか又はクロムメッキすることを特徴とする請求項2乃至4いずれか記載の、工具のかみ合い面における凹部及び突出部の形成方法。
- 前記レーザービームを使用したエネルギー照射であるレーザー照射のエネルギーを調整することによって、前記レーザービームが前記かみ合い面(8)を通過するとき、該かみ合い面(8)の表面の部分的な溶融の結果、又は、該かみ合い面(8)の表面の部分的な溶融及び蒸発の結果、前記凹部(9)は、非結質マルテンサイトからなる溝として形成され、これらの溝のエッジに位置する前記突出部(10)は、隣接するレーザー照射されていない領域上に突出して形成されることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか記載の、工具のかみ合い面における凹部及び突出部の形成方法。
- 前記工具の鋼コア(4)に埋め込まれたダイヤモンド(7)が、前記レーザービームを使用したエネルギー照射であるレーザー照射によって部分的に丸みを帯びることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか記載の、工具のかみ合い面における凹部及び突出部の形成方法。
- 前記レーザービームを使用したエネルギー照射であるレーザー照射のエネルギーと通過速度を調整することによって、照射された領域のエッジに向かって移動する溶融物中のウエーブが、崩れる前に固化することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか記載の、工具のかみ合い面における凹部及び突出部の形成方法。
- ねじ回し、レンチ、プライヤ、クランプ、又はヤスリである工具において、エネルギー照射によってかみ合い面(8)を溶融させた後に固化させることにより、該かみ合い面(8)に凹部(9)と該凹部のエッジに位置する突出部(10)とを形成されていることを特徴とする工具。
- 前記突出部(10)の頂部から前記凹部(9)の底部までの厚さは50μmであり、前記凹部(9)及び前記突出部(10)の部分は、該部分を取り囲むエネルギー照射されていない部分より硬く、前記凹部(9)及び前記突出部(10)の部分の硬さは、62HRC以上であることを特徴とする請求項9記載の工具。
- 前記凹部(9)の底部より下の焼き戻された領域の厚さは30μmであり、該焼き戻された領域の硬さは深さが増すにつれて50HRCから60HRに増大し、前記工具の鋼コア(4)の硬さに到達することを特徴とする請求項10記載の工具。
- 前記かみ合い面(8)が金属コーティング(5)を施されていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか記載の工具。
- 前記金属コーティング(5)は、電解メッキによる、クロミウム層、ニッケル層又はリン化ニッケル層であることを特徴とする請求項12記載の工具。
- ダイヤモンドチップを前記金属コーティング(5)に導入することを特徴とする請求項12又は13記載の工具。
- 前記凹部(9)及び前記突出部(10)の部分は、該部分を取り囲むエネルギー照射されていない部分の2倍の、表面の硬さを有することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか記載の工具。
- 前記凹部(9)が、リング状の突出部(10)をもつクレーター状であることを特徴とする請求項9乃至15のいずれか記載の工具。
- 前記かみ合い面(8)は、ねじ回しのブレード(2)の先端(3)であることを特徴とする請求項9乃至15のいずれか記載の工具。
- ねじ回しの先端(3)に隣接する表面が平坦面とされ且つ帯状に前記凹部(9)及び前記突出部(10)が形成され、前記平坦面は、スロット付きのねじ回しの先端に隣接する平坦化された部分であるか又は多面体ブレードの多面体面(12)であることを特徴とする請求項17記載の工具。
- 前記工具は、ヤスリであることを特徴とする請求項9乃至15のいずれか記載の工具。
- 前記ヤスリがL型のブレードを有し、該L型の表面及び該L型の頂上部の長手方向の面(15)に前記凹部(9)及び前記突出部(10)が形成されていることを特徴とする請求項19記載の工具。
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