JP4726565B2 - 航空機用パレット装置 - Google Patents

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Description

本発明は、航空機の貨物室内に貨物又はコンテナを搭載する際に用いる航空機用パレット装置に関し、詳しくは、航空機の胴体幅に応じて異なるレール幅を有する2種類の貨物搭載レールのいずれにも適合させて長尺物の貨物又は長尺寸法のコンテナを搭載可能とする航空機用パレット装置に係るものである。
従来の航空機用パレットは、縦寸法と横寸法とが異なる矩形状に形成され、航空機の貨物室内の床面にてその長手方向に敷設された2本1組の貨物搭載レールに両側辺のガイド部材が係合して、該レールに沿って移動及び固定可能に構成され、その上面に貨物又は装備品が載置されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−310496号公報
すなわち、図13(A)に示すように、パレット1は、一方の側辺の寸法(例えば横寸法)がa(約270cm程度)とされると共に他方の側辺の寸法(例えば縦寸法)がb(約220cm程度)とされた矩形状に形成され、対向する2組の両側辺にはガイド部材としてのツメ2,2′;3,3′が設けられている。このような大きさのパレット1は、その上面に載置される貨物又はコンテナの大きさがa×b以内の寸法のものを対象としており、標準パレットと呼ばれることがある。
一方、航空機の貨物室内の床面には、その航空機の胴体幅に応じて、図14(A)に示すように、2本1組のレール4を幅a(例えば270cm程度)のレール幅を有して貨物搭載レール5aを敷設した航空機と、図14(B)に示すように、幅b(例えば220cm程度)のレール幅を有して貨物搭載レール5bを敷設した航空機とがある。
このような場合、図14(A)に示す貨物搭載レール5aが敷設された航空機の貨物室内に貨物又はコンテナを搭載する際には、図13(A)に示すパレット1を、図13(B)に示すように90度回動して寸法aの側辺を縦方向にして、上記貨物室内の貨物搭載レール5aに両側辺のツメ3,3′を係合して搭載し、適宜の位置で図示省略の固定具で固定すればよい。
また、図14(B)に示す貨物搭載レール5bが敷設された航空機の貨物室内に貨物又はコンテナを搭載する際には、図13(A)に示すパレット1を、図13(C)に示すようにそのままの状態で寸法bの側辺を縦方向にして、上記貨物室内の貨物搭載レール5bに両側辺のツメ2,2′を係合して搭載し、適宜の位置で図示省略の固定具で固定すればよい。このように、標準パレットと呼ばれるパレット1は、その一方の寸法aと他方の寸法bとを90度回動して使い分けることにより、2種類のレール幅a,bを有する貨物搭載レール5a,5bのいずれにも対応させて共用することができる。
しかし、上面に載置すべき貨物又はコンテナの大きさが前述の寸法a×bよりも大きくなった場合、例えば貨物又はコンテナの長さが図13(A)に示す寸法aよりも大きくなって寸法c(c>a)の長尺物となった場合は、上記パレット1は、図15(A)に示すように、縦寸法がa(例えば270cm程度)で横寸法がcの大きさの長尺パレット1aとし、或いは、図15(B)に示すように、縦寸法がb(例えば220cm程度)で横寸法がcの大きさの長尺パレット1bとする必要がある。この場合は、上記長尺パレット1aは、図14(A)に示す貨物搭載レール5aに対応する専用パレットとなり、また上記長尺パレット1bは、図14(B)に示す貨物搭載レール5bに対応する専用パレットとなる。したがって、航空機の胴体幅に応じて異なるレール幅を有する2種類の貨物搭載レール5a,5bのいずれにも適合させて長尺物の貨物又は長尺寸法のコンテナを搭載することはできないものであった。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、航空機の胴体幅に応じて異なるレール幅を有する2種類の貨物搭載レールのいずれにも適合させて長尺物の貨物又は長尺寸法のコンテナを搭載可能とする航空機用パレット装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による航空機用パレット装置は、縦寸法と横寸法とが異なる矩形状に形成され、航空機内の床面にて該航空機の胴体幅に応じて上記縦寸法又は横寸法と同じレール幅を有してその長手方向に敷設された2本1組の貨物搭載レールに両側辺のガイド部材が係合して、該貨物搭載レールに沿って移動及び固定可能に構成された複数個のパレットと、上記複数個のパレットの上面側に取り付けられ、少なくとも2個のパレットの縦寸法又は横寸法同士を加算した長さと同等又はそれ以上の長さに形成され貨物又はコンテナを上面に載置する長尺の架台と、上記各パレットの中央部に設けられ、上記架台の長手方向の中心軸上の所定位置に形成された孔に嵌合して上記架台に対して各パレットを回動可能に結合するピボット軸と、上記各パレットの上面又は架台の下面に設けられ、上記架台に対して回動された各パレットをその縦寸法又は横寸法と同じレール幅を有する貨物搭載レールに適合させて固定するストッパ手段と、を備えて成るものである。
このような構成により、縦寸法と横寸法とが異なる矩形状に形成された複数個のパレットを、航空機内の床面にて該航空機の胴体幅に応じて上記縦寸法又は横寸法と同じレール幅を有してその長手方向に敷設された2本1組の貨物搭載レールに両側辺のガイド部材を係合して、該レールに沿って移動及び固定可能に組み合わせ、上記複数個のパレットの上面側に取り付けられ、少なくとも2個のパレットの縦寸法又は横寸法同士を加算した長さと同等又はそれ以上の長さに形成された長尺の架台の上面に貨物又はコンテナを載置し、上記各パレットの中央部に設けられたピボット軸を、上記架台の長手方向の中心軸上の所定位置に形成された孔に嵌合して上記架台に対して各パレットを回動可能に結合し、上記各パレットの上面又は架台の下面に設けられたストッパ手段で、上記架台に対して回動された各パレットを上記貨物搭載レールのレール幅に適合させて固定する
さらに、上記架台の所定位置に形成された孔は、該架台の長手方向の中心軸に沿って所定の長さだけ延びて形成され、各パレットが架台に対して長手方向に移動可能とされたものである。これにより、上記架台の長手方向の中心軸に沿って所定の長さだけ延びて形成された長孔で、各パレットが架台に対して長手方向に移動可能とされる。
請求項1に係る発明によれば、縦寸法と横寸法とが異なる矩形状に形成され、航空機内の床面にて該航空機の胴体幅に応じて上記縦寸法又は横寸法と同じレール幅を有してその長手方向に敷設された2本1組の貨物搭載レールに沿って移動及び固定可能に構成された複数個のパレットの中央部に設けられたピボット軸を、上記複数個のパレットの上面側に取り付けられ、貨物又はコンテナを上面に載置する長尺の架台の長手方向の中心軸上の所定位置に形成された孔に嵌合して上記架台に対して各パレットを回動可能に結合し、上記各パレットの上面又は架台の下面に設けられたストッパ手段で、上記架台に対して回動された各パレットを上記貨物搭載レールのレール幅に適合させて固定することができる。したがって、航空機の胴体幅に応じて異なるレール幅を有する2種類の貨物搭載レールのいずれにも適合させて長尺物の貨物又は長尺寸法のコンテナを搭載可能とすることができる。また、上記ストッパ手段により、長尺の架台に対して各パレットの前後、左右方向の位置決めができると共に、貨物搭載レール上で架台を移動する際の荷重伝達を可能とすることができる。
また、請求項に係る発明によれば、長尺の架台の長手方向の中心軸に沿って所定の長さだけ延びて形成された長孔で、各パレットが架台に対して長手方向に移動可能とすることができる。したがって、長尺の架台の長手方向において、複数個のパレットの間隔を拡げたり、或いは狭めたり、または複数個のパレットを一方側に偏移させたりすることができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明による航空機用パレット装置の実施形態を示す図である。この航空機用パレット装置は、航空機の貨物室内に長尺物の貨物又は長尺寸法のコンテナを搭載する際に用いるもので、複数個のパレット10a,10bと、架台11と、ピボット軸12と、ストッパ手段(17,18)とを備えて成る。
パレット10a,10bは、後述の架台11と共にその上面側に貨物又はコンテナを搭載するもので、縦寸法と横寸法とが異なる矩形状に形成され、航空機内の床面にてその長手方向に敷設された2本1組の貨物搭載レールに両側辺のガイド部材が係合して、該レールに沿って移動及び固定可能に構成されている。すなわち、上記パレット10a,10bは、一方の側辺の寸法(例えば横寸法)がa(例えば約270cm程度)とされると共に他方の側辺の寸法(例えば縦寸法)がb(例えば約220cm程度)とされた矩形状に形成され、対向する2組の両側辺にはガイド部材としてのツメ13,13′;14,14′が設けられている。
一方、航空機の貨物室内の床面には、その航空機の胴体幅に応じて、図3(A)に示すように、2本1組のレール4を幅a(例えば270cm程度)のレール幅を有して貨物搭載レール5aを敷設した航空機と、図3(B)に示すように、幅b(例えば220cm程度)のレール幅を有して貨物搭載レール5bを敷設した航空機とがある。この場合、上記パレット10a,10bの寸法aの側辺を縦方向にした状態で、両側辺のツメ14,14′が上記貨物搭載レール5aに係合し、寸法bの側辺を縦方向にした状態で、両側辺のツメ13,13′が上記貨物搭載レール5bに係合するようになっている。
上記複数個のパレット10a,10bの上面側には、架台11が取り付けられている。この架台11は、その上面に貨物又はコンテナ(図2の符号15参照)を載置するもので、少なくとも2個のパレット10a,10bの縦寸法(例えば)又は横寸法(例えば)同士を加算した長さと略同等又はそれ以上の長さの長尺寸法に形成されている。すなわち、図1の例においては、架台11の縦寸法はbと略同等とされ、横寸法は2a又は2b以上の長さとされている。
上記各パレット10a,10bの略中央部には、ピボット軸12が設けられている。このピボット軸12は、上記架台11に対して各パレット10a,10bを回動可能に結合するもので、上記架台11の長手方向の中心軸上の所定位置、例えば図1においては両側部がわにそれぞれ形成された二つの孔に嵌合している。すなわち、図2に示すように、架台11の下面に円形の孔16が開けられ、各パレット10a,10bの上面にはピボット軸12が突設されており、上記孔16にピボット軸12が嵌合し、該ピボット軸12の上端部の突部が係合して、抜け止め状態とされて結合している。
なお、図2に示すように、上記各パレット10a,10bの上面にて上記ピボット軸12を中心とする正方形の四頂点部の位置にそれぞれストッパピン17が上向きに突設され、上記架台11の下面にて上記ストッパピン17に対応する正方形の四頂点部の位置には、円形の係止孔18がそれぞれ開けられている。そして、上記パレット10a,10bを上に持ち上げて架台11の係止孔18にストッパピン17を挿入することにより、上記各パレット10a,10bが回動しないようにする。このストッパピン17と係止孔18とで、上記架台11に対して各パレット10a,10bの回動を固定するストッパ手段を構成している。また、図2において、符号19は、架台11に対して各パレット10a,10bが上下に動かないように止めるパレット固定装置を示している。
このように構成された航空機用パレット装置を航空機の貨物室内の貨物搭載レールに係合して搭載する状態について、図3を参照して説明する。まず、図3(A)に示すように、架台11にピボット軸12で回動可能に結合された各パレット10a,10bを、図2に示すパレット固定装置19を外して寸法aの側辺が縦方向となるように回動して上記ストッパ手段(17,18)で固定し、幅a(例えば270cm程度)のレール幅を有する貨物搭載レール5aに軸線を合わせて矢印Aのように移動し、両側辺のツメ14,14′を上記貨物搭載レール5aに係合して搭載し、適宜の位置まで移動させて床面に設けられた公知の固定具(フック状の金具)で固定すればよい。
また、図3(B)に示すように、同じくピボット軸12で回動可能に結合された各パレット10a,10bを、寸法bの側辺が縦方向となるように回動して上記ストッパ手段(17,18)で固定し、幅b(例えば220cm程度)のレール幅を有する貨物搭載レール5bに軸線を合わせて矢印Bのように移動し、両側辺のツメ13,13′を上記貨物搭載レール5bに係合して搭載し、適宜の位置まで移動させて床面に設けられた公知の固定具(フック状の金具)で固定すればよい。このような航空機用パレット装置を用いることにより、航空機の胴体幅に応じて異なるレール幅a,bを有する2種類の貨物搭載レール5a,5bのいずれにも適合させて長尺物の貨物又は長尺寸法のコンテナを搭載可能とすることができる。
しかし、上述の構成の航空機用パレット装置でも、次の点で改善の余地がある。すなわち、図4に示すように、架台11にピボット軸12で回動可能に結合された各パレット10a,10bの間隔が狭い場合は、一方のパレット10aが固定された状態で他方のパレット10bを回動させようとすると、他方のパレット10bの角部が一方のパレット10aの一部に当たって回動できない状態となる。したがって、図3(A),(B)に示すように、レール幅の異なる2種類の貨物搭載レール5a,5bの一方には適合できるが、いずれにも適合させて航空機用パレット装置を係合して搭載することができなくなる。
また、図5に示すように、架台11にピボット軸12で結合された各パレット10a,10bの間隔が広すぎる場合は、上記架台11の両側端部において二つのパレット10a,10bの外側端部が架台11の外方にはみ出して、或る架台11に隣接する他の架台11に結合された各パレット10a,10bの端部に近接するような状態となる。この場合は、或る架台11の外側端と、隣接する他の架台11の対向する外側端との間の距離dを大きくとらなければならず、航空機の貨物室内で無駄な空間を使うこととなる。
そこで、このような点を改善するために、上記架台11の所定位置に形成された孔16は、該架台11の長手方向の中心軸に沿って所定の長さだけ延びて形成され、各パレット10a,10bが架台11に対して長手方向に移動可能とされている。すなわち、図6に示すように、上記架台11の下面両側端がわに形成された孔16を、該架台11の長手方向の中心軸に沿って所定の長さだけ延ばして長円形の長孔16′とし、この長孔16′に各パレット10a,10bのピボット軸12が嵌合している。なお、図6においては、一つのパレット10aだけを図示し、他のパレットは省略してある。
これにより、図4に示すように、架台11に回動可能に結合された各パレット10a,10bの間隔が狭い場合であっても、図7(A)に示すように、該架台11の長孔16′にピボット軸12で結合された各パレット10a,10bを、上記長孔16′内でそれぞれのピボット軸12を外側方にスライドして矢印C,D方向に移動させ、各パレット10a,10bの間隔を広げる。そして、この状態では、各パレット10a,10bが当たることなく例えば90度回動できる。その後、図7(B)に示すように、各パレット10a,10bを、上記長孔16′内でそれぞれのピボット軸12を内側方にスライドして矢印E,F方向に移動させ、各パレット10a,10bの間隔を狭くする。この結果、上述のような問題点を改善して、図3(A),(B)に示すように、レール幅の異なる2種類の貨物搭載レール5a,5bのいずれにも適合させて航空機用パレット装置を係合して搭載することができる。
なお、図7(B)に示す状態では、各パレット10a,10bが接近してその間隔が狭くなるので、図5に示すような或る架台11の外側端と、隣接する他の架台11の対向する外側端との間の距離dを大きくとる必要がなく、航空機の貨物室内で無駄な空間を使うことがなくなる。また、図7(B)に示す状態では、各パレット10a,10bが接近してその間隔が狭くなるので、航空機用パレット装置としての全長を短い状態にすることができ、地上の格納庫又は倉庫等で保管する際、或いは輸送用車両で地上輸送する際に、保管又は搭載のスペースを節約することができる。
次に、図6及び図7に示すように架台11の長孔16′にピボット軸12で結合された各パレット10a,10bを回動したり、移動する手順について、図8及び図9を参照して説明する。まず、図8(A)において、架台11に対して二つのパレット10a,10bを寸法aの側辺が縦方向となるように位置させて、図2に示すストッパ手段(17,18)で回動を固定すると共に、パレット固定装置19を操作して上下に動かないように止めてあるとする。この状態では、図8(B)に示すように、架台11に対して二つのパレット10a,10bは、上に持ち上げられた位置にある。
次に、図8(D)において、図2に示すパレット固定装置19を外して、架台11に対する二つのパレット10a,10bの上下移動を解除し、該パレット10a,10bを上記架台11に対して矢印Gのように下に移動させて、架台11の係止孔18から各パレット10a,10bのストッパピン17を抜け出させる。これにより、上記各パレット10a,10bは、移動及び回動可能になる。このとき、二つのパレット10a,10bの平面状態は、図8(C)に示すように、図8(A)の状態と全く同様である。
次に、図8(E),(F)において、架台11の長孔16′にピボット軸12で結合された各パレット10a,10bを、上記長孔16′内でそれぞれのピボット軸12を外側方にスライドして矢印C,D方向に移動させ、各パレット10a,10bの間隔を広げる。その後、架台11にピボット軸12で回動可能に結合された各パレット10a,10bを、図8(E)に示すように、それぞれ矢印H,Jのように90度回動する。これにより、図9(A),(B)に示すように、架台11に対して二つのパレット10a,10bが、寸法bの側辺が縦方向となるように位置される。
次に、図9(C),(D)において、架台11の長孔16′にピボット軸12で結合された各パレット10a,10bを、上記長孔16′内でそれぞれのピボット軸12を内側方にスライドして矢印E,F方向に移動させ、各パレット10a,10bの間隔を狭くする。
その後、図9(F)において、各パレット10a,10bを上記架台11に対して矢印Kのように上に移動させて、図2に示す架台11の係止孔18に各パレット10a,10bのストッパピン17を挿入する。また、図2に示すパレット固定装置19で架台11に対する二つのパレット10a,10bの上下移動を固定する。これにより、上記各パレット10a,10bは、上下移動及び回動が固定される。このとき、二つのパレット10a,10bの平面状態は、図9(E)に示すように、寸法bの側辺が縦方向となるように位置して固定される。
このような図8(A)〜(F)及び図9(A)〜(F)の手順により、各パレット10a,10bの寸法aの側辺が縦方向に位置した状態から、寸法bの側辺が縦方向に位置する状態まで任意に変更することができる。なお、上記と逆に寸法bの側辺が縦方向に位置した状態から、寸法aの側辺が縦方向に位置する状態まで変更する際も、上述と同様の手順で操作すればよい。したがって、航空機用パレット装置において、貨物搭載レール5a,5bに係合させる各パレット10a,10bの幅寸法(ツメ13,13′;14,14′の間隔)を任意に切り換えることができる。このことから、航空機の胴体幅に応じて異なるレール幅を有する2種類の貨物搭載レール5a,5bのいずれにも適合させて長尺物の貨物又は長尺寸法のコンテナを搭載可能とすることができる。
図10は、本発明の航空機用パレット装置の他の実施形態を示す平面図である。この実施形態は、架台11の下面に開けられた円形の係止孔18を、各パレット10a,10bの上面に突設されたストッパピン17の1個に対して複数個形成したものである。すなわち、図2において各パレット10a,10bの四隅部に突設された1個ずつのストッパピン17に対して、それぞれ2個の係止孔18,18′を適宜の間隔で形成している。この場合、正方形の四頂点部に位置する4個の係止孔18,18,…が1組をなし、他の正方形の四頂点部に位置する4個の係止孔18′,18′,…が他の1組をなしている。そして、架台11の長孔16′を利用して各パレット10a,10bを長手方向に移動させる際に、上記2組の係止孔18又は18′のいずれかにストッパピン17を挿入することで、上記パレット10a,10bを固定する位置を適宜選択することができる。なお、上記係止孔18は、ストッパピン17の1個に対して3個以上形成してもよい。この場合は、上記パレット10a,10bを固定する位置を増やすことができる。
図11は、本発明の航空機用パレット装置を航空機の貨物室内に固定する他の実施形態を示す説明図である。この実施形態は、貨物室内に敷設された貨物搭載レール5a,5bのレール長さLが、複数個の架台11a,11b,11cのそれぞれのパレット10a,10bを係合して固定するのにギリギリの長さであるが、貨物室内の空間の長さMは、上記レール長さLよりも大きい場合の固定の仕方を工夫したものである。この場合は、図11(B)において、真中の架台11bについては対応するパレット10a,10bに対して中央位置に固定し、左右の架台11a,11cについては対応するパレット10a,10bに対してそれぞれ左右両側端がわに寄せて固定する。すなわち、左側の架台11aは矢印Pのように左側端がわに寄せて固定し、右側の架台11cは矢印Qのように右側端がわに寄せて固定する。これにより、図11(A)に示すように、例えば真中の架台11b上に搭載されたコンテナ15bと、右側の架台11c上に搭載されたコンテナ15cとの間の空間Rが大きくなり、この空間Rをコンテナ間の作業スペースとして確保することができる。なお、左側の架台11a上に搭載されたコンテナ15aとの間にも、上記と同様の空間Rができる。
図12は、本発明の航空機用パレット装置の更に他の実施形態を示す平面図である。この実施形態は、一つの長い架台11′に対して、3個又は4個のパレット10a,10b,10c,10dを回動可能に結合したものである。まず、一つの長い架台11′に対して、3個のパレット10a,10b,10cを結合した航空機用パレット装置20aについては、上記架台11′に対して真中のパレット10bは、ピボット軸12bで横移動しない状態で回動可能に結合し、左右のパレット10a,10cは、それぞれのピボット軸12a,12cが架台11′の対応する長孔16a,16cに嵌合して、各々矢印C方向又はD方向に横移動し得る状態で回動可能に結合されている。
また、一つの長い架台11′に対して、4個のパレット10a,10b,10c,10dを結合した航空機用パレット装置20bについては、上記の3個のパレット10a,10b,10cの更に外側に第4のパレット10dを、ピボット軸12dが架台11′の対応する長孔16dに嵌合させて、更に矢印D′方向に横移動し得る状態で回動可能に結合されている。この場合、第4のパレット10dが横移動するための長孔16dは、第1又は第3のパレット10a,10cが横移動するための長孔16a,16cよりも長い寸法とされている。これにより、例えば第3のパレット10cと第4のパレット10dが隣接する端部同士でぶつからないようにすることができる。なお、航空機の貨物室内の状況に応じて、一つの長い架台11′に対して5個以上のパレットを結合してもよい。
本発明による航空機用パレット装置の実施形態を示す平面図である。 上記航空機用パレット装置の拡大横断面図である。 上記航空機用パレット装置を異なるレール幅を有する貨物搭載レールに適合させて挿入する状態を示す平面図である。 架台に回動可能に結合された各パレットの間隔が狭い場合に改善余地があることを示す説明図である。 架台に回動可能に結合された各パレットの間隔が広すぎる場合に改善余地があることを示す説明図である。 架台に形成された長孔を示す分解斜視図である。 図6に示す長孔により問題点を改善して架台に対して各パレットを回動可能とした状態を示す平面図である。 図6及び図7に示すように架台の長孔にピボット軸で結合された各パレットを回動したり、移動する手順を示す説明図である。 図6及び図7に示すように架台の長孔にピボット軸で結合された各パレットを回動したり、移動する手順を示す説明図である。 本発明の航空機用パレット装置の他の実施形態を示す平面図である。 本発明の航空機用パレット装置を航空機の貨物室内に固定する他の実施形態を示す説明図である。 本発明の航空機用パレット装置の更に他の実施形態を示す平面図である。 従来の航空機用パレットを示す平面図である。 航空機の貨物室内の床面に敷設された異なるレール幅を有する貨物搭載レールを示す平面図である。 従来の航空機用パレットにおいて、長尺物の貨物又は長尺寸法のコンテナを搭載可能とする専用の長尺パレットを示す平面図である。
符号の説明
4…レール
5a,5b…貨物搭載レール
10a,10b…パレット
11,11′…架台
12…ピボット軸
13,13′;14,14′…ツメ
15…貨物又はコンテナ
16…孔
16′…長孔
17…ストッパピン
18,18′…係止孔
19…パレット固定装置

Claims (2)

  1. 縦寸法と横寸法とが異なる矩形状に形成され、航空機内の床面にて該航空機の胴体幅に応じて上記縦寸法又は横寸法と同じレール幅を有してその長手方向に敷設された2本1組の貨物搭載レールに両側辺のガイド部材が係合して、該貨物搭載レールに沿って移動及び固定可能に構成された複数個のパレットと、
    上記複数個のパレットの上面側に取り付けられ、少なくとも2個のパレットの縦寸法又は横寸法同士を加算した長さと同等又はそれ以上の長さに形成され貨物又はコンテナを上面に載置する長尺の架台と、
    上記各パレットの中央部に設けられ、上記架台の長手方向の中心軸上の所定位置に形成された孔に嵌合して上記架台に対して各パレットを回動可能に結合するピボット軸と、
    上記各パレットの上面又は架台の下面に設けられ、上記架台に対して回動された各パレットをその縦寸法又は横寸法と同じレール幅を有する貨物搭載レールに適合させて固定するストッパ手段と、
    を備えて成ることを特徴とする航空機用パレット装置。
  2. 上記架台の所定位置に形成された孔は、該架台の長手方向の中心軸に沿って所定の長さだけ延びて形成され、各パレットが架台に対して長手方向に移動可能とされたことを特徴とする請求項記載の航空機用パレット装置。
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