JP4726561B2 - 外用複合組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧料等の分野で好適に用いることが可能な外用組成物に関する発明である。さらに具体的には、本発明は、水性ゲルの小球が油性ゲル内に分散してなる、新規の外観を有する外用組成物に関する発明である。
化粧料を商品としてとらえた場合、化粧品本来のスキンケア機能やメーキャップ機能等が優れていることは大前提であるが、昨今では、その外観にも特色を持たせることが積極的に試みられている。組成物自体にファッション性等を付与することで、当該組成物を基にした商品の使用意欲を向上させることにつながるからである。
この点を、リップグロス等として用いることが多い油性のゲル〜固化組成物について述べることとする。油性のゲル〜固化組成物は、通常、ワックスと油分を基剤とするか、デキストリン脂肪酸エステル等の固化剤を用いて油分を固化若しくはゲル化した油性化粧料である。そして、これらの組成物の外観に着目すると、ワックスと油分を基剤とする油性化粧料は不透明であり、例えば、縞模様や多層状の模様が認められる組成物を作出することは可能であったが、透明性が組成物の一部又は全部に認められるような外観の組成物を作出することはできなかった。また、デキストリン脂肪酸エステル等の固化剤を用いると、透明な組成物が得られることが知られており(特開平4−149116号公報等)、透明組成物の中に異なる種類の組成物が内包された外観もあり得る(特開2005−89337号公報)が、内相が、外相中に微小な単位となって分散している外観を有する組成物は認められない。それに加えて、デキストリン脂肪酸エステルのゲルはわずかに茶褐色に呈色しているため、外相を無色透明にすることはできなかった。
特開平4−149116号公報 特開2005−89337号公報
本発明が解決すべき課題は、上記のような現状を鑑み、新規の外観を有し、かつ、それに伴う新規な使用感を提供し得る化粧料、特に、メーキャップ化粧料として用い得る外用組成物を提供することにある。
本発明者は、この課題を解決するべく検討を行った結果、外相を構成する油性の組成物に、12-ヒドロキシステアリン酸を含有させることによりゲル化又は固形化を行うことにより、当該外相の透明性を確保し、かつ、当該外相中に固形化させた水性の組成物を微小な小球体群として分散させることが可能であることを見出し、さらに、当該水性の組成物の固形化剤として寒天を含有させることにより、小球を皮膚上で潰したときのみずみずしい感覚を、製品に付与することが可能であることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、12-ヒドロキシステアリン酸を含有するゲル化又は固形化した油性組成物(以下、油性組成物ともいう)中に、寒天を含有する小球状の水性組成物(以下、水性組成物ともいう)が分散してなる、外用複合組成物(本複合組成物ともいう)を提供する発明である。

上述したように、本複合組成物は、元来透明な外観を有する油性組成物を外相として、その中に、肌上の使用に適した硬度(崩壊性)を有する1種類以上の水性組成物の小球が分散した、新規な外観を有し、かつ、独特の優れた使用感を提供し得る、外用複合組成物である。
油性組成物
油性組成物は、上述したように、12-ヒドロキシステアリン酸を含有することを特徴とする組成物である。12-ヒドロキシステアリン酸は、油性組成物のゲル化剤又は固形化剤として働き、かつ、当該組成物の無色透明性を確保させることができる。よって、他のゲル化剤、例えば、デキストリン脂肪酸エステル等は、実質的に配合成分から除外することが好適である。
油性組成物における、12-ヒドロキシステアリン酸の配合量は、油性組成物に対して0.1〜10.0質量%であることが好適である。当該好適配合最低量である0.1質量%は、12-ヒドロキシステアリン酸が油性成分との組み合わせにより、ゲル化剤又は固形化剤としての機能を最適に発揮する目安となる最低量であり、例えば、当該配合量が0.01質量%であると、油性成分は十分にゲル化又は固形化することができない。よって、油性組成物における12-ヒドロキシステアリン酸の配合量は、油性組成物に対して0.01質量%を超えていることが必要である。また、当該好適配合最高量である10.0質量%は、これを超える量の配合も可能であるが、これ以上配合しても配合量に見合った効果を得ることができなくなる傾向がある。
油性組成物中に配合する油分は、通常、化粧料等の外用組成物において用いることが可能な油分の中から選択して配合することができる。例えば、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、バチルアルコール等の高級アルコール;セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルミリステート、ネオペンチルグリコール−2−エチルヘキサノエート、トリオクタン酸グリセリル、テトラオクタン酸ペンタエリスリトール、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、トリオレイン酸グリセリル等のエステル油類;オリーブ油、アボカド油、ホホバ油、ヒマワリ油、サフラワー油、椿油、シア脂、マカデミアナッツ油、ミンク油、ラノリン、液状ラノリン、酢酸ラノリン、ヒマシ油等の油脂;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、高重合度のガム状アミノ変性シリコーン等のシリコーン系油分;パーフロロポリエーテル、パーフロロカーボン等のフッ素油分;等が挙げられる。ただし、本発明における特徴の一つである、油性組成物自体の優れた透明性を損なわない性質を有する油分を選択することが好適である。また、極性油よりも非極性油を選択することが好適である(油性組成物に配合する油分の極性の目安となるI.O.B.値は、配合する油分全体として0.03以下であることが好適である)。
油性組成物中の油分の配合量は、上述した12-ヒドロキシステアリン酸や、他の成分との兼ね合いで適宜選択することが可能であるが、一般的には油性組成物に対して80.0〜99.9質量%であることが好適であり、同95.0質量%以上配合することが特に好適である。
なお、油性組成物は、本来優れた透明性が確保されていることを特徴とするが、必要に応じて、色剤、染料、パール剤、ラメ剤等の呈色成分を配合することも、後述する水性組成物の小球が目視で容易に認められる限度で可能である。なお、本発明に係る油性組成物は、本来、透明性に優れているので、これらの呈色成分を配合した場合においても、濁りの少ない仕上がりにすることが可能である。
また、油性組成物には、必要に応じて、油分に対して相溶性を有する他の成分、例えば、界面活性剤、紫外線防御剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、皮膜形成剤、高分子化合物、香料、油性の薬剤等を配合することが可能である。
水性組成物
水性組成物は、上述したように、寒天を必須成分として含有することを特徴とする、水性成分(水と相溶性を有する成分)を含有する組成物であり、本複合組成物においては、上述した油性組成物を外相として、分散状態の小球状の内相物として用いられる。寒天は、水性組成物の固形化剤として働く。寒天を固形化剤として用いることで、形成される小球の硬度が適度となり、これを肌上でこすりつけても後残りしにくく、かつ、肌上にみずみずしさを与えることができる、という利点がある。
水性組成物における寒天の配合量は、水性組成物に対して0.1質量%を超えて、同10.0質量%までの配合量に止めることが好適であり、同1.0〜4.0質量%が特に好適である。この配合量が水性組成物に対して0.1質量%以下では、水性組成物が軟調で、小球として固化させるのに適当でなく、同10.0質量%を超えると水性組成物が硬くなりすぎ、肌上における崩壊性が劣ってくる傾向がある。
このように、水性組成物に配合する固形化剤を寒天とすることにより、これを基に調製する小球の成形性と崩壊性のバランスを絶妙に保つことが可能となる。すなわち、使用前は堅実に小球状が保たれているが、肌上で使用すると(例えば、指でかるくこする、口唇でこすり合わせる等)、簡単に崩壊して、被膜等が肌上に残ることなく水性成分が肌上に広がり、使用時のさわやかさや、みずみずしさを付与することが容易となる。このように、本複合組成物全体において、上述した油性組成物と水性組成物との組み合わせにより、これらの組成物それぞれの特徴を兼ね備えた性質を発揮させることが可能である。例えば、本複合組成物を、リップグロス等の口唇用化粧料として用いる場合は、油性組成物による「つや感」と、水性組成物による上記の「みずみずしさ」を兼ね備えた口唇用化粧料とすることができる。
水性組成物には、水と寒天の他に、水と相溶性を有する他の溶媒成分、具体的には、エタノール等の低級アルコール(清涼感の付与等に用いられる)や、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール(保湿性の付与等に用いられる)等を配合することが可能であるが、水性組成物自体の極性は高い方が好ましい傾向があり、かかる観点から、水性組成物における水の配合量は、水性組成物に対して50.0質量%以上であることが好適であり、同90.0質量%以上であることが特に好適である。
また、水性組成物には、これを基に調製される小球に、着色を積極的に行い、本複合組成物に所望の色合いを付与するために、必要に応じて、色剤、染料、パール剤、ラメ剤等の呈色成分を配合することも可能である。これらの呈色成分の配合量は、所望する着色等の程度や用いる呈色成分の種類に応じて自由に選択することが可能であり、特に限定されるものではないが、一般的には0.05〜20.0質量%程度を配合させることが考えられる。
また、水性組成物には、必要に応じて、水に対して相溶性を有する他の成分、例えば、界面活性剤、紫外線防御剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、皮膜形成剤、高分子化合物、増粘剤、香料、水溶性の薬剤等を配合することが可能である。
本複合組成物における、水性組成物の小球の大きさは、製造時の水性組成物に対して与える攪拌力を調整することにより、所望する製品の外観に応じて自由に設定することが可能である(攪拌力を大きくするほど、小球の粒径は小さくなる)が、一般的には、小球の平均粒径は0.05〜5mmであることが好適である。小球の平均粒径が0.05mm未満であると、目視で小球の存在を認めることが難しくなり、5mmを超えると肌上での扱いが不便になる傾向が認められる。
本複合組成物
上述したように、本複合組成物は、ゲル化又は固形化した油性組成物(外相)中に、小球状の水性組成物(内相)が分散してなる、外相と内相が複合化した組成物である。本複合組成物における、油性組成物と水性組成物の質量比は、所望する製品の外観や付与する性質に応じて適宜決定することが可能であり、特に限定されるものではないが、一般的には、油性組成物:水性組成物=2:1〜100:1の範囲であることが好適である。
また、本複合組成物の製造方法は、特に限定されない。例えば、流動油分中に、水性組成物を加熱溶融状態で添加、攪拌して、この攪拌力により小球状の水性組成物を流動油分中に形成させた後(上述したように、この攪拌の速度が大きくなるほど、小球の粒径を小さくすることができる)、当該小球を回収し、これらを、加熱して溶融状態とした油性組成物中に添加して攪拌して均一に分散後、冷却することにより製造することができる。また、溶融状態の油性組成物中に、同じく溶融状態の水性組成物を、適切な温度にて、添加、攪拌して、水性組成物の小球を直接油性組成物中に形成させることも可能である。
本複合組成物は、化粧料等の外用組成物として用いることが可能であり、かつ、好適である。化粧料としては、外相又は内相にスキンケア成分を配合したスキンケア用の化粧料とすることも可能であるが、メーキャップ化粧料として用いることが、その特徴的な外観を製品の価値に直接的に反映させつつ、例えば、水性組成物の小球中に、メーキャップ用の色剤、染料、ラメ剤、パール剤等の呈色成分を含有させて、肌上で呈色を実行することが可能であり、有用である。メーキャップ化粧料としては、例えば、リップグロス等の口唇用化粧料に適しているが、他の態様のメーキャップ化粧料として用いることも可能である。
以下に実施例を開示することにより、本発明をさらに具体的に説明するが、これらの開示は、本発明の範囲を減縮することを意図するものではない。また、本開示における配合量は質量%(油性組成物の配合成分は油性組成物に対する質量%であり、水性組成物の配合成分は水性組成物に対する質量%で、これらの配合量を表した)である。
[試験例1] 12-ヒドロキシステアリン酸を配合することによる透明性・成形性の評価
まず、油性組成物の固化剤の種類と配合量の検討を行った(水相は同一のものに固定した)。
(1)表1に油性組成物、表2に水性組成物の処方を示す。試験品の製造は、下記のごとくに行った。
すなわち、油相組成物については、表1の(1)〜(3)と(4)(5)を、90℃以上に加熱溶解した後、分散させた(試験品A群)。次に、水性組成物については、表2の(1)〜(3)を、90〜95℃で加熱溶解した後、溶融状態で、室温(25℃程度)の流動油分(流動パラフィン)中に添加、攪拌し(400rpm)、平均粒径が1mmの小球を調製し、これを分離して(試験品B群)、前記の油相組成物(60℃)に添加して、攪拌して均一化して、室温まで冷却した(試験品A群とB群の質量比は、A群:B群=20:1である)。
(2)上記のごとく調製した試験品の成形性と透明性に関する試験を、下記の評価基準に従って行い、その結果を表3に示した。
<評価基準>
成形性:上記の製造工程において、最後に試験品を室温まで冷却した時点で、外相となる油相組成物が、ゲル化又は固化しているか否かによって評価した。
○:室温に戻したときにゲル化又は固化しているもの
×:室温に戻したときに流動性が認められるもの
透明性:上記の製造工程において、最後に試験品を室温まで冷却した時点で、油性組成物の透明性を、水性組成物の小球が目視で明瞭に判別できるか否かによって評価した。
○:水性組成物の小球が目視で容易に認められるもの
△:水性組成物の小球が目視で認められるが、油性組成物の濁りでぼんやりとしているもの
×:水性組成物の小球が、油性組成物の濁りにより、目視では殆ど認められないもの
表3に示した結果より、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル配合系では、成形性、透明性両方を満足する組成物は得られなかった。また、デキストリン脂肪酸エステルを固化剤に用いた場合は、成形性は良好であったが、透明性においては劣るものであった。
したがって、油性組成物のゲル化剤又は固形化剤は、12-ヒドロキシステアリン酸が好適であり、その好適な配合量は、少なくとも、油性組成物に対して0.1〜10.0質量%の範囲にあることがわかった。
[試験例2] 水性組成物の固形化剤種の検討
(1)表4に、上述した試験品B1の処方と共に、固形化剤を試験品B1の寒天に代えて、他の固形化剤[(2)〜(5)]を用いた試験品B2〜7の処方を記載し、これらの処方を基に、上記試験例1における水性組成物の小球B1の調製工程と同様の要領で、水性組成物の小球を流動油分である流動パラフィンの中での調製を試みた(最終的には室温とする)。
次いで、調製された小球の成形性と崩壊性に関する試験を、下記の評価基準に従って行い、その結果も表4に示した。
<評価基準>
成形性:試験例1で行った成形性試験と同様に行った。
崩壊性:女性パネル10人の唇上に試験品の小球を一粒載せて唇をこすり合わせた場合の小球の崩壊度合いを評価した。
○:唇上で小球が容易に崩壊すると評価したパネルが8名以上である。
△:唇上で小球が容易に崩壊すると評価したパネルが5名以上である。
×:唇上で小球が容易に崩壊すると評価したパネルが4名以下である。
−:水性組成物の小球が形成されず、試験を行うことができなかった。
表4の結果より、寒天、ポリエチレングリコール、ジェランガムを用いた水性組成物は、良好な成形性を達成することができた。しかしながら、崩壊性を評価した結果、寒天を用いた試験品B1の小球のみが良好な崩壊性を示した。
(2)実使用試験
上記試験(1)と同一の女性パネル10名に対して、「つや」と「みずみずしさ」を官能指標とした実使用試験を行った。すなわち、上記A群の油性組成物と、B群の水性組成物をいくつかピックアップして、本複合組成物の発明品と比較品を下記表5の組み合わせにて調製し、これらの試験品を女性パネル各々の口唇上に塗布し、水相(小球)を、唇をこすり合わせることで、当該小球の崩壊させて、その場合の当該女性パネルの口唇の「つや」と「みずみずしさ」についての官能評価を、下記の基準で判定した。判定結果も併せて表5に示す。各試験品の調製方法は、試験例1に示した方法に準じて行った。すなわち、60℃のA群の油性組成物中に、流動パラフィン中で造粒したB群の水性組成物(B1)の小球を、A群:B群=20:1(質量比)で混合して、各試験品を調製した。なお、B群の試験対象として、成形性と崩壊性が劣っているものは、そもそも本実使用試験の対象とはならない(「つや」と「みずみずしさ」を判断する以前の問題であるので、すべて、寒天を含有するB1の水性組成物(小球状)を用いた)。
<評価基準>
つや
○:唇上につやが付与されたと評価したパネルが8名以上である。
△:唇上につやが付与されたと評価したパネルが5〜7名である。
×:唇上につやが付与されたと評価したパネルが4名以下である。
みずみずしさ
○:唇上にみずみずしさが付与されたと評価したパネルが8名以上である。
△:唇上にみずみずしさが付与されたと評価したパネルが5〜7名である。
×:唇上にみずみずしさが付与されたと評価したパネルが4名以下である。
この結果より、同一の寒天を含有させた水性組成物の小球に対しても、いかなる油性組成物を組み合わせて用いるかにより、その実使用性において差異が認められることが明らかになった。すなわち、油性成分としては、特定範囲量の12−ヒドロキシステアリン酸を用いることが好適であり、特定範囲外の量の12−ヒドロキシステアリン酸や、ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルや、パルミチン酸デキストリンを用いた系では、実使用性が劣ってしまうことが明らかになった。
[試験例3] 水性組成物における寒天の配合量の検討
次に、水性組成物における固形化剤として用いられる寒天の好適な配合量の検討を行った。
すなわち、上述した試験品B1の処方において、寒天の配合量を変更した試験品B2〜5(表6)の水性組成物の小球を調製し(調製方法は、試験例2に準じた)、試験例2と同様の成形性についての試験と、崩壊性についての試験を行った。その試験結果も併せて表6に示した。
表6に示した結果より、寒天の配合量が0.1質量%では小球の成形性が確保できず、また10.0質量%では崩壊性が劣る傾向が認められた。しかし、1.0〜4.0質量%の配合量においては成形性、崩壊性ともに好適であった。
[試験例4] 油性組成物に用いる油分の極性の検討
本試験例では、油性組成物において、12-ヒドロキシステアリン酸と共に配合する油分の極性の検討を行った。油分としては、試験品A6で用いた非極性油分であるポリブテン(I.O.B.:0)と重質流動イソパラフィン(I.O.B.:0)、極性油分であるリンゴ酸ジイソステアリル(I.O.B.:0.27)を用いて検討を行った(試験品A6、A8〜11)。これらの油性組成物の試験品の処方を表7に示す。これらの処方に基づき、試験例1に示した方法に準じた方法で、各々の油性組成物の試験品を製造し、これらに上述した水性組成物の小球(試験品B1)を、質量比をA群:B群=20:1として、当該小球を油性組成物中に分散させて、複合組成物の成形性と安定性についての試験を行った。複合組成物の成形性は、試験例1に示した方法に基づいて評価した。また、複合組成物の安定性は、各々の試験品を高温(50℃)で3日間保存し、その後、室温(25℃)に戻したときの透明性を基に、以下の基準で評価した。当該試験の結果と、本試験を行った各油相のI.O.B.値を併せて表7に示した。
<評価基準>
○:目視において外相が一見して透明である。
△:目視において外相に濁りが若干認められる。
×:目視において外相に一見して濁りが認められる。
表7により、油性組成物に配合する油分は、非極性油分であることが好適であり、極性油分を用いる場合においても少量に止めることが好ましいことが判明した。
以下に、本複合組成物の処方例を示す。これらの処方例は、油性組成物中に水性組成物の小球が分散した状態が経時的に持続し、かつ、目視で当該小球を容易に認めることができた。さらに、これらを唇上に載せて唇をこすり合わせた場合、容易に小球は崩壊し配合されたパール剤を容易に唇上に塗布することが可能であり、さらに、唇上につやとみずみずしさが付与されたことが確認された。なお、これらの処方例の製法は、試験例1に示した方法に準じた(流動油分の回転数、油性組成物と水性組成物の配合質量比も試験例1と同様である)。
[処方例1] メーキャップ化粧料(リップグロス)
配合成分 配合量(質量%)
油性組成物
12-ヒドロキシステアリン酸 0.3
ポリブテン 50.0
重質流動イソパラフィン 残余
水性組成物
寒天(寒天CS-110、伊奈寒天社製) 2.0
パール剤(コロロンレッドゴールド、メルク社製) 5.0
エタノール 5.0
イオン交換水 残余
[処方例2] メーキャップ化粧料(リップグロス)
配合成分 配合量(質量%)
油性組成物
12-ヒドロキシステアリン酸 0.5
ポリブテン 60.0
重質流動イソパラフィン 残余
水性組成物
寒天(寒天CS-110、伊奈寒天社製) 4.0
パール剤(コロロンレッドゴールド、メルク社製) 5.0
エタノール 適量
イオン交換水 残余

Claims (9)

12-ヒドロキシステアリン酸を含有するゲル化又は固形化した油性組成物中に、寒天を含有する小球状の水性組成物が分散してなる、外用複合組成物。
前記外用複合組成物において、12-ヒドロキシステアリン酸の含有量が、油性組成物に対して0.1〜10.0質量%である、請求項1記載の外用複合組成物。
前記外用複合組成物において、寒天の含有量が、水性組成物に対して1.0〜10.0質量%である、請求項1又は2記載の外用複合組成物。
前記外用複合組成物において、油性組成物と水性組成物の質量比が、油性組成物:水性組成物=2:1〜100:1の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の外用複合組成物。
前記外用複合組成物において、油性組成物に含有される油分が非極性の油分である、請求項1〜4のいずれかに記載の外用複合組成物。
前記外用複合組成物において、非極性の油分のI.O.B.値が0.03以下である、請求項5記載の外用複合組成物。
前記外用複合組成物において、水性組成物の小球の平均粒径が0.05〜5mmである、請求項1〜6のいずれかに記載の外用複合組成物。
前記外用複合組成物において、水性組成物に呈色成分が含有されている、請求項1〜7のいずれかに記載の外用複合組成物。
前記外用複合組成物がメーキャップ化粧料である、請求項1〜8のいずれかに記載の外用複合組成物。
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