JP4725510B2 - 酸化チタン微粒子組成物、酸化チタン微粒子分散液及びこれらの製造方法 - Google Patents

酸化チタン微粒子組成物、酸化チタン微粒子分散液及びこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は酸化チタン微粒子組成物、酸化チタン微粒子分散液及びこれらの製造方法に関する。詳しくは、透明性及びその安定性に優れた酸化チタン微粒子分散液、この酸化チタン微粒子分散液から得られる有機溶媒への分散性に優れ、屈折率の高い酸化チタン微粒子組成物、及びこれらの簡便な製造方法に関する。
酸化チタンは、従来より白色顔料として広く使用されており、また、紫外線吸収能、光触媒能を有するので、化粧品等の紫外線吸収剤、光触媒によるセルフクリーニング剤などの用途にも用いられている。
酸化チタンは微粒子化することにより可視光域の散乱を防ぐことが可能であり、またルチル型やアナターゼ型などの結晶性の酸化チタンは屈折率が高いので、結晶性の酸化チタン微粒子は、高い屈折率と光線透過性を有する樹脂成形体を与えうる添加剤として期待されている。
酸化チタン微粒子は、ゾル−ゲル法によって製造することができ、アセチルアセトンなどの錯化剤を含むチタンアルコキシドの有機溶媒溶液に、p−トルエンスルホン酸などの酸や水を加えて加水分解・重縮合させると、安定性のよい酸化チタン微粒子分散液(酸化チタンゾル)が得られ、このゾルから回収される酸化チタン微粒子はアルコールへの溶解性が良好であること(特許文献1、非特許文献1)が知られている。
また、特許文献2には、チタンアルコキシドの有機溶媒溶液中に酢酸を添加して反応液中でチタンと酢酸の予備反応物を生成させ、この予備反応物をp−トルエンスルホン酸などの触媒を用いて加水分解・重縮合させると、酸化チタン含有率が高い酸化チタン微粒子分散液(酸化チタンゾル)がより低温で得られることが開示されている。
特許文献3には、チタンアルコキシドに錯化剤としてアルキルカルボン酸を添加し、さらに水を加えて加圧下で加熱後、得られた白色沈殿をアルコキシオルガノシランのような分散助剤を含む有機溶媒へ加えると、透明度の高い酸化チタン微粒子分散液を得られることが開示されている。
しかしながら、アセチルアセトンのようなβ−ジケトンを錯化剤として用いた場合には、酸化チタン微粒子及びその分散液が着色するという問題がある。また、酢酸や脂肪族カルボン酸などの屈折率の低い錯化剤を用いると、残留する錯化剤により酸化チタン微粒子の屈折率が低下するという問題がある。
また、粒径が20〜30nm程度の市販の酸化チタン微粒子の有機溶媒への分散性を高めるために酸化チタン微粒子をリン酸エステルの溶液に浸漬させて、表面を修飾する方法が提案されている(特許文献4)。この方法で得られた酸化チタン微粒子は、有機溶媒に良好に分散するが、得られる分散液は透明性が不十分であるという問題がある。
特許第2733874号公報 特開2004−203726号公報 特表2002−521305号公報 特開平11−21469号公報 Emmanuel Scolan,Clement Sanchez,Chem.Mater.,1998,10,3217−3223
本発明は、透明性及び安定性に優れた酸化チタン微粒子分散液及び有機溶媒への分散性に優れ、屈折率が高い酸化チタン微粒子組成物、並びにこれらを簡便な方法で製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、分散安定剤が屈折率が1.50以上の有機酸を主成分とするものであって、屈折率が1.50未満のものは含されていないか又は含有されていても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下である酸化チタン微粒子分散液及びこの分散液から回収された酸化チタン微粒子組成物は、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、分散安定剤を含む酸化チタン微粒子の透明な有機溶媒分散液であって、該分散安定剤が屈折率1.50以上の有機酸を主成分とするものであって、屈折率1.50未満のものは含有されていないか又は含有されていても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下しか含有されておらず、かつこの分散液を酸化チタン濃度を1重量%として、波長450nmの光で、光路長1.0cmで測定したときの透過率が80%以上であることを特徴とする酸化チタン微粒子分散液に存する。
本発明によれば、安定性及び光線透過性に優れた酸化チタン微粒子分散液を提供することができる。また、本発明に係る酸化チタン微粒子組成物は、屈折率が高く、有機溶媒への溶解性及びこれを有機溶媒に分散して得られる分散液の光線透過性に優れているので、高い屈折率と光線透過性が求められる光学用途に好適に用いられる。
また、本発明に係る酸化チタン微粒子分散液及び酸化チタン微粒子組成物の製造法によれば、従来のように屈折率が低い錯化安定化剤を用いずとも安定性及び光線透過性に優れる酸化チタン微粒子分散液及び有機溶媒への分散性が良好で光線透過性に優れ、屈折率が高い酸化チタン微粒子組成物を簡単に製造することができる。
以下、本発明につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
[酸化チタン微粒子分散液]
本発明に係る酸化チタン微粒子分散液は、分散安定剤を含む酸化チタン微粒子の透明な有機溶媒分散液である。
[酸化チタン微粒子]
酸化チタン微粒子分散液に含まれる酸化チタン微粒子は、非晶質でも結晶状のものでもよいが、非晶質の酸化チタンに比べて屈折率が高いアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などの結晶状の酸化チタンが好ましく、なかでもアナターゼ型、ルチル型が好ましい。
また、酸化チタンが結晶状である場合、X線回折パターンの101ピークの半価幅及びScherrer式から求められる酸化チタン微粒子の結晶子の大きさは、通常0.5nm以上、好ましくは1nm以上、更に好ましくは1.5nm以上であり、通常15nm以下、好ましくは12nm以下、更に好ましくは10nm以下である。
なお、酸化チタン微粒子分散液に含まれる酸化チタン微粒子の形態は、酸化チタン微粒子分散液に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの塩基性化合物の水溶液などを添加・混合して、酸化チタン微粒子分散液に含まれる酸化チタン微粒子を凝集させ、これを溶媒から回収した後、洗浄、乾燥して得られる酸化チタン微粒子凝集体を、X線回折解析することにより確認することができる。酸化チタン微粒子凝集体は酸化チタン微粒子を凝集させただけのものなので、酸化チタン微粒子凝集体と酸化チタン微粒子とでは、結晶形態や、結晶子の大きさが通常同一である。
また、酸化チタン微粒子分散液に含まれる酸化チタン微粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)による数平均粒径が、通常0.5nm以上、好ましくは1.5nm以上であり、上限は通常15nm以下、好ましくは10nm以下である。数平均粒径が小さすぎると、粒子を形成する原子数が少なすぎるために酸化チタン微粒子組成物が酸化チタンとしての特徴を示さない恐れがあり、一方、数平均粒径が大きすぎると、透明な酸化チタン微粒子分散液が得られない恐れがある。数平均粒径は、酸化チタン微粒子分散液の溶媒を除去して得られる酸化チタン微粒子組成物を、透過型電子顕微鏡を用いて倍率50〜300万倍で観察したときに、粒子の最大長が0.5nm以上である粒子100個以上の最大長を測定することにより求められる。
酸化チタン微粒子は、光触媒能や結晶構造を制御するために、Ti以外の元素をドープしたものであってもよい。ドープする元素としては、Al、Sn、Zr、Zn、Ce、Hf、W、Fe、Co、Ni、Mn、Rh、Nb、Bi、In、Y等が挙げられる。
酸化チタン微粒子分散液に占める酸化チタン微粒子の比率は、通常0.5重量%以上、好ましくは1.0重量%以上、更に好ましくは1.5重量%以上であり、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。酸化チタン微粒子の比率が少なすぎると必要とする酸化チタン微粒子を得るのに大量の分散液を必要とするので経済的ではない。また、酸化チタン微粒子の比率が多すぎると分散液の粘度が高くなり取り扱いが難しくなる。
[分散安定剤の主成分である有機酸]
分散安定剤の主成分である有機酸は、屈折率が1.50以上である。分散安定剤の主成分として用いる有機酸の屈折率が高いと、酸化チタン微粒子分散液から得られる酸化チタン微粒子組成物の屈折率も高くなるので、分散安定剤の主成分である有機酸としてはなるべく屈折率が高いものを用いるのが好ましく、屈折率が1.51以上、特に1.52以上のものが好ましく用いられる。
このような有機酸としては、有機スルホン酸、有機リン酸、有機ホスホン酸、有機ホスフィン酸、有機カルボン酸などが挙げられる。これらのなかでも、酸性度の点で、有機スルホン酸、有機リン酸、有機ホスホン酸が好ましい。なかでも、芳香族基を有する有機酸は、酸化チタン微粒子分散液の安定性を向上させるので好ましい。
具体的には、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、フェニルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸等の芳香族ホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等の芳香族ホスフィン酸、フェニルリン酸、ジフェニルリン酸等の芳香族リン酸等が挙げられる。なかでも、p−トルエンスルホン酸、フェニルホスホン酸、フェニルリン酸が好ましい。
これらの有機酸は、単独で用いても複数を併用してもよい。
酸化チタン微粒子と屈折率が分散安定剤の主成分である有機酸との合計に占める該有機酸の比率は、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、上限は通常90重量以下%、好ましくは80重量%以下、特に好ましくは70重量%以下である。分散安定剤の主成分である有機酸の比率が少なすぎると、光線透過率が低下したり、分散液の安定性が低下する恐れがあり、一方多すぎると、酸化チタン微粒子の屈折率への寄与が小さくなり、得られる酸化チタン微粒子組成物の屈折率が小さくなる恐れがある。
[屈折率が1.50未満の分散安定剤]
本発明に係る酸化チタン微粒子分散液は、屈折率が1.50未満の分散安定剤を含有されていないか、又は含有されていても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下しか含有されていないものである。屈折率が1.50未満の分散安定剤の比率は、好ましくは0.05モル以下、さらに好ましくは0.01モル以下である。最も好ましいのは、屈折率が1.50未満の分散安定剤を含まないものである。
また、分散安定剤が屈折率が1.51以上の有機酸を主成分とする場合は、本発明に係る酸化チタン微粒子分散液は、屈折率が1.51未満の分散安定剤を含有されていないか、又は含有されていても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して分散安定剤が0.1モル以下しか含有されていないものであるのが好ましく、屈折率が1.51未満の分散安定剤の比率は、0.05モル以下、さらには0.01モル以下であるのが特に好ましい。最も好ましいのは、屈折率が1.51未満の分散安定剤を含まないものである。
さらに、分散安定剤が屈折率が1.52以上の有機酸を主成分とする場合は、本発明に係る酸化チタン微粒子分散液は、屈折率が1.52未満の分散安定剤を含有されていないか、又は含有されていても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して分散安定剤が0.1モル以下しか含有されていないものであるのが好ましい。屈折率が1.52未満の分散安定剤の比率は、0.05モル以下、さらには0.01モル以下であるのが特に好ましい。最も好ましいのは、屈折率が1.52未満の分散安定剤を含まないものである。
これらの屈折率が小さい分散安定剤が多すぎると、酸化チタン微粒子分散液から得られる酸化チタン微粒子組成物中に残留し、酸化チタン微粒子の屈折率を低くし、これを樹脂に混合した場合に、樹脂組成物を高屈折率化させるのが困難となる。
本発明において分散安定剤とは、酸化チタン微粒子に共有結合、イオン結合、配位結合、水素結合等の形で結合し得る化合物をいう。具体的には、アルキルスルホン酸又はその塩、アルキルホスホン酸又はその塩、アルキルリン酸又はその塩、酢酸などのアルキルカルボン酸又はその塩、アセチルアセトンなどのβ−ジケトン類又はその塩等が挙げられる。特にアセチルアセトンのようなβ−ジケトン類は酸化チタン微粒子表面に配位すると着色の原因となる恐れがある。
[屈折率]
本発明において屈折率は、アッベの屈折率計により25℃±1℃でD線(589nm)により測定した値を言う。有機酸などの分散安定剤が25℃で液状である場合は直接測定した値、固体である場合は溶媒に溶解して屈折率を測定し、比重1と仮定して推定した値とする。芳香族基を有する有機酸は固体である場合が多く、その場合、分散安定剤の水溶液の屈折率を測定して、固体の屈折率を推定する。例えば、分散安定剤が有機酸の場合、水溶液の体積が水(比重1)と有機酸(比重1と仮定)の体積を足し合わせたものになると仮定し、水溶液中の有機酸の体積%に対して屈折率をプロットして(例えば、0%、4〜6%、8〜12%、17〜23%の4点)、これらを直線で結び、有機酸100%まで外挿した時の値を、その有機酸の屈折率とする。有機酸が水和物の場合は水和物分の重量を水の重量とする。有機酸などの分散安定剤が水に溶媒しない場合、水に代えてアルコール等の分散安定剤が溶解しうる溶媒を用いて同様に算出を行う。このような方法で算出すると、前述した有機酸の屈折率は、p−トルエンスルホン酸:1.523、フェニルホスホン酸:1.521、フェニルリン酸:1.502となる。
[有機溶媒]
酸化チタン微粒子分散液に含まれる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系非プロトン性溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトン、メチルエチルケトン等の脂肪族ケトン類、ピリジン、キノリン等の含窒素芳香族化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル類等が例示される。これらの中でも、アルコール類が好ましく、特にエタノール、2−プロパノール、n−ブタノールが好適に用いられる。
酸化チタン微粒子分散液は、酸化チタン微粒子の分散性を損なわない範囲で水を含んでいてもよく、酸化チタン微粒子分散液に占める水の比率は通常10重量%以下、好ましくは7.5重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。
本発明に係る酸化チタン微粒子分散液は、この分散液を酸化チタンの濃度が1重量%として、波長450nmの光で光路長1.0cmで測定したときの透過率が80%以上であり光線透過性に優れている。透過率は、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。
また、本発明に係る酸化チタン微粒子分散液は、遮光下、室温で30日間保管しても、透過率の変化が5%以下であり、安定性に優れている。
[酸化チタン微粒子分散液の製造方法]
本発明に係る酸化チタン微粒子分散液は、酸触媒及び生成する酸化チタン微粒子の分散安定剤として作用する屈折率が1.50以上の有機酸を含有しており、かつ生成する酸化チタン微粒子の分散安定剤として作用する屈折率が1.50未満の分散安定剤を含有しないか、又は含有するとしても生成する酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下しか含有していない有機溶媒中で、チタン化合物から酸化チタンを生成させることにより製造することができる。
また、分散安定剤の主成分として作用する有機酸の屈折率が1.51以上の場合は、酸化チタン微粒子分散液は、酸触媒及び生成する酸化チタン微粒子の分散安定剤として作用する屈折率が1.51以上の有機酸を含有しており、かつ生成する酸化チタン微粒子の分散安定剤として作用する屈折率が1.51未満の分散安定剤を含有しないか、又は含有するとしても生成する酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下しか含有していない有機溶媒中で、チタン化合物から酸化チタンを生成させる方法で製造するのが好ましい。
さらに、分散安定剤の主成分として作用する有機酸の屈折率が1.52以上の場合は、酸触媒及び生成する酸化チタン微粒子の分散安定剤として作用する屈折率が1.52以上の有機酸を含有しており、かつ生成する酸化チタン微粒子の分散安定剤として作用する屈折率が1.52未満の分散安定剤を含有しないか、又は含有するとしても生成する酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下しか含有していない有機溶媒中で、チタン化合物から酸化チタンを生成させる方法で製造するのが好ましい。
屈折率が1.50以上、好ましくは1.51以上、特に好ましくは1.52以上であり分散安定剤の主成分として作用する有機酸としては、上述の分散安定剤の主成分である有機酸が用いられる。本発明においては、分散安定剤の主成分として作用する有機酸は、チタン化合物の加水分解・縮重合等の反応のための酸触媒としてだけでなく、分散安定剤としても働くので、金属アルコキシドの加水分解・重縮合触媒として従来より用いられている塩酸、硝酸などの無機酸等の酸触媒に比較して安定な酸化チタン微粒子分散液を与えることができる。
分散安定剤の主成分として作用する有機酸は、生成する酸化チタン微粒子と屈折率が1.50以上の有機酸との合計に占める該有機酸の比率が、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、好ましくは20重量%以上であり、上限は通常90重量%以下、好ましくは80重量%以下、特に好ましくは70重量%以下である。分散安定剤の主成分として作用する有機酸の比率が少なすぎると、反応が十分に進まなかったり、光線透過率及び分散液の安定性が低下する恐れがある。一方多すぎると、酸化チタン微粒子の屈折率への寄与が小さくなり酸化チタン微粒子組成物の屈折率が小さくなる恐れがある。また、精製プロセス等に労力を要するので生産上好ましくない。
分散安定剤の主成分として作用する有機酸が屈折率が1.50以上の有機酸である場合には、有機溶媒は、屈折率が1.50未満の分散安定剤を含有しないか、又は含有するとしても生成する酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下である。屈折率が1.50未満の分散安定剤の比率は、好ましくは0.05モル以下、さらに好ましくは0.01モル以下であり、最も好ましくは、屈折率が1.50未満の分散安定剤を含まないものである。
また、分散安定剤の主成分として作用する有機酸が屈折率が1.51以上の有機酸である場合には、有機溶媒は、屈折率が1.51未満の分散安定剤を含有しないか、又は含有するとしても生成する酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下であるのが好ましい。屈折率が1.51未満の分散安定剤の比率は、0.05モル以下、さらには0.01モル以下であるのが好ましく、最も好ましくは、屈折率が1.51未満の分散安定剤を含まないものである。
さらに、分散安定剤の主成分として作用する有機酸が屈折率が1.52以上の有機酸である場合には、有機溶媒は、屈折率が1.52未満の分散安定剤を含有しないか、又は含有するとしても生成する酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下であるのが好ましい。屈折率が1.52未満の分散安定剤の比率は、0.05モル以下、さらには0.01モル以下であるのが好ましい。最も好ましくは、屈折率が1.52未満の分散安定剤を含まないものである。
有機溶媒がこれらの屈折率が小さい分散安定剤を多く含むと、酸化チタン微粒子分散液から得られる酸化チタン微粒子組成物の屈折率が小さくなったり、酸化チタン微粒子分散液が着色したりする恐れがある。
チタン化合物としては、チタンアルコキシド、四塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニル等が挙げられる。中でもチタンアルコキシドが好ましい。チタンアルコキシドとしては、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)n−ブトキシド等が挙げられる。これらのチタンアルコキシドは、一量体、二量体、四量体といった構造を形成していても構わない。チタンアルコキシドは、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
チタン化合物の反応は水の存在下に行うのが好ましい。反応系に水が存在すると生成する酸化チタン微粒子の結晶性を向上させ、屈折率を高くすることができる。具体的には、予めチタン化合物と水とを作用させたものを有機溶媒に混合する方法、水を含有する有機溶媒にチタン化合物を混合する方法などが挙げられる。特にチタン化合物と水を反応させた後に、有機酸を混合する方法が好ましい。
水の割合は、チタン化合物1モルに対して、通常0.1モル以上、好ましくは1モル以上であり、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。水は少なすぎると結晶性を向上させる効果が十分に得られず、一方、多すぎると光線透過率が低下したり、分散液の安定性が低下する恐れがある。
反応温度は、チタン化合物及び有機溶媒の種類にもよるが、通常−50℃以上、好ましくは0℃以上、更に好ましくは20℃以上、特に好ましくは60℃以上であり、通常500℃以下、好ましくは300℃以下、更に好ましくは150℃以下である。60〜150℃で反応を行うことにより酸化チタン微粒子の結晶性を向上させることができる。
反応時間は、通常1分以上、好ましくは30分以上であり、通常100時間以下、好ましくは50時間以下である。反応は、空気雰囲気下で行っても、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。また、反応は常圧で行っても、オートクレーブ等により加圧した状態で行ってもよい。
このようにして得られる酸化チタン微粒子分散液に、更に、チタン化合物及び必要に応じて水、屈折率1.5以上の有機酸を加えて反応を行うと、酸化チタン微粒子上に更に酸化チタンが析出するので、酸化チタン微粒子の粒径を増大させることができる。
[酸化チタン微粒子組成物の製造方法]
本発明の酸化チタン微粒子組成物は、上述の酸化チタン微粒子分散液を使用して製造することが好ましい。
上述の酸化チタン微粒子分散液の溶媒を除去することにより、酸化チタン微粒子組成物を得ることができる。酸化チタン微粒子分散液の溶媒を除去する方法としては、エバポレーター等により溶媒を留去する方法、酸化チタン微粒子組成物を析出させて固液分離する方法などが挙げられる。
また、酸化チタン微粒子分散液に屈折率1.50以上の有機酸を加えることで、酸化チタン微粒子の沈殿を生じさせ、酸化チタン微粒子組成物を得ることも可能である。有機酸としては前述した屈折率1.50以上の有機酸が挙げられる。屈折率1.50以上の有機酸としては、分散安定剤とは異なる有機酸が好ましい。また、屈折率1.50以上の有機酸を添加後、沈殿が生じ易いように、他の溶媒を加える場合もある。
別の酸化チタン微粒子組成物の製造方法としては、水やエタノール等の親水性溶媒にチタン化合物を加え、そこへ塩酸等の無機酸を加えることにより、粒子表面の電荷の反発により分散した酸化チタン微粒子分散液の製造方法が挙げられる。このようにして製造した液に、屈折率1.50以上の有機酸を加えることで、酸化チタン微粒子の沈殿を生じさせ、酸化チタン微粒子組成物を得ることも可能である。
得られた酸化チタン微粒子組成物は、溶剤で洗浄することにより酸化チタン微粒子組成物に含まれる酸化チタン微粒子と結合していない遊離の分散安定剤の主成分である有機酸を除去したり、酸化チタン微粒子と結合している分散安定剤の主成分である有機酸の量を減少させることができる。
[酸化チタン微粒子組成物]
上述の方法により得られる酸化チタン微粒子組成物は、酸化チタン微粒子及び分散安定剤として作用する屈折率が1.50以上の有機酸を含み、かつ屈折率が1.50未満の分散安定剤を含まないか、含むとしても酸化チタン微粒子中に含まれるチタン原子1モルに対して0.1モル以下のものである。屈折率が1.50未満の分散安定剤の比率は、好ましくは0.05モル以下、さらに好ましくは0.01モル以下である。最も好ましいのは、屈折率が1.50未満の分散安定剤を含まないものである。
なかでも、酸化チタン微粒子及び分散安定剤として作用する屈折率が1.51以上の有機酸を含み、かつ屈折率が1.51未満の分散安定剤を含まないか、含むとしても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下のものが好ましい。この場合、屈折率が1.51未満の分散安定剤の比率は、0.05モル以下、さらには0.01モル以下であるのが特に好ましい。最も好ましいのは、屈折率が1.51未満の分散安定剤を含まないものであるのが好ましい。
とりわけ、酸化チタン微粒子及び分散安定剤として作用する屈折率が1.52以上の有機酸を含み、かつ屈折率が1.52未満の分散安定剤を含まないか、含むとしても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下のものが好ましい。この場合、屈折率が1.52未満の分散安定剤の比率は、0.05モル以下、さらには0.01モル以下であるのが特に好ましい。最も好ましいのは、屈折率が1.52未満の分散安定剤を含まないものであるのが好ましい。
屈折率が小さい分散安定剤が多すぎると、この分散安定剤が酸化チタン微粒子組成物中に残留し、酸化チタン微粒子の屈折率を低くし、酸化チタン微粒子組成物を樹脂に混合した場合に、得られる樹脂組成物を高屈折率化させるのが困難となる。
分散安定化剤の主成分として作用する有機酸の少なくとも一部は、チタン原子と配位結合、酸化チタン微粒子表面に存在する水酸基と水素結合、酸化チタン微粒子表面のチタン原子又は酸素原子と共有結合等の各種結合により酸化チタン微粒子に結合しているものと推察される。これらの結合はX線光電子分光スペクトル、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトルなどにより確認することができる。
酸化チタン微粒子組成物の酸化チタン微粒子と分散安定剤の主成分として作用する有機酸の合計に対する該有機酸の比率に占める比率は、酸化チタン微粒子の粒径や表面積にもよるが、通常5重量%以上、好ましくは15重量%以上、更に好ましくは20重量%以上であり、通常90重量%以下、好ましくは80重量%以下、更に好ましくは70重量%以下である。
酸化チタン微粒子組成物を構成する酸化チタン微粒子は、非晶質でも結晶状のものでもよいが、非晶質の酸化チタンに比べて屈折率が高いアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などの結晶状の酸化チタンが好ましく、なかでもアナターゼ型、ルチル型が好ましい。
また、酸化チタンが結晶状である場合、X線回折パターンの101ピークの半価幅及びScherrer式から求められる酸化チタン微粒子の結晶子の大きさは、通常0.5nm以上、好ましくは1nm以上、更に好ましくは1.5nm以上であり、通常15nm以下、好ましくは12nm以下、更に好ましくは10nm以下である。
また、酸化チタン微粒子組成物を構成する酸化チタン微粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)による数平均粒径が、通常0.5nm以上、好ましくは1.5nm以上であり、上限は通常15nm以下、好ましくは10nm以下である。数平均粒径が小さすぎると、粒子を形成する原子数が少なすぎるために酸化チタン微粒子組成物が酸化チタンとしての特徴を示さない恐れがあり、一方、数平均粒径が大きすぎると、有機溶媒に分散させたときに透明な分散液を形成できない恐れがある。数平均粒径は、酸化チタン微粒子組成物を、透過型電子顕微鏡を用いて倍率50〜300万倍で観察したときに、粒子の最大長が0.5nm以上である粒子100個以上の最大長を測定することにより求められる。
なお、酸化チタン微粒子組成物は、酸化チタン微粒子分散液の溶媒を除去して得たものであるので、通常は、酸化チタン微粒子分散液に含まれる酸化チタン微粒子と、それから得られる酸化チタン微粒子組成物に含まれる酸化チタン微粒子とでは、結晶形態、結晶粒径などは通常同一である。
本願に係る酸化チタン微粒子組成物は有機溶媒への分散性が良好であり、かつ、得られる分散液は透明性が高く、酸化チタン微粒子組成物を炭素数1〜10のアルコール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン、ピリジン、キノリン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ヘキサンから選ばれる少なくとも1種の有機溶媒に1重量%濃度で分散させたときに、透明な分散液を形成することができる。また、この分散液を波長450nmの光で光路長1.0cmで測定したときの透過率が80%以上、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上であり、透明性に優れている。
酸化チタン微粒子組成物は、これらの有機溶媒のなかでも炭素数1〜10のアルコール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドなどへの分散性がよく、得られる分散液の透明性が良好である。
本発明の酸化チタン微粒子組成物は、屈折率が通常1.6以上、好ましくは1.7以上と高い屈折率を持ち、透明性に優れているため、様々な用途で有用である。例えば、樹脂やモノマーの屈折率を向上させるための高屈折率添加剤として用いることができる。また、酸化チタン微粒子分散液を基板等の表面に塗布・乾燥させることにより高屈折率層を形成することができる。高屈折率添加剤や高屈折率層は、具体的には光学レンズ、調光フィルム、フレネルレンズ、反射防止コーティング、光ディスク、拡散フィルム、ホログラフィ基板等の光学製品に有用である。また、酸化チタンの紫外線を吸収する特性を生かして、特に透明性が求められる紫外線カット剤や紫外線カット層として用いてもよい。さらに、光触媒としても用いてもよい。
以下に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
[吸収スペクトル及び透過率の測定]
酸化チタン微粒子分散液の吸収スペクトル及び透過率は、ヒューレットパッカード社製HP8453型紫外・可視吸光光度計にて光路長1.0cmの石英製セルを用いて室温で測定した。ブランクは酸化チタン微粒子分散液中に最も多く含まれる溶媒を用いた。
[粉末X線回折(XRD)パターンの測定]
粉末X線回折パターンは、オランダPANalytical(旧Philips)社製PW1700を用いて測定した。測定条件は、X線出力(CuKα):40kV,30mA、走査軸:θ/2θ、走査範囲(2θ):10.0−90.0°、測定モード:Continuous、読込幅:0.05°、走査速度:3.0°/min、スリット DS:
1°、SS:1°、RS:0.2mmとした。
結晶子サイズ(D)は式(1)で表されるScherrer式に基づき算出した。なお、Scherrer定数(K)=0.9、X線(CuKα1)波長(λ)=1.54056Åとし、CuKα1線由来のブラッグ角(θ)及びCuKα1線由来の半価幅(β0)はMDI社製のJADE5.0+を用いてプロファイルフィッティング法(Peason−VII関数)により算出した。また、計算に用いた試料由来のCuKα1線由来の半価幅
(β)はあらかじめ標準Siにより求めておいたCuKα1線由来の回折角(2θ)とCuKα1線由来の装置由来半価幅の回帰曲線からβiを算出し、式(2)を用いて補正した。
Scherrer式
D=K・λ/β・cosθ 式(1)
半価幅補正式
β=(β0−βi1/2 (式2)
[屈折率の測定]
屈折率は25±1℃となるように恒温槽の水を循環させた(株)アタゴ製多波長アッベ屈折計DR−M2を用い、D線(589nm)による値を測定した。
<p−トルエンスルホン酸の屈折率の測定>
p−トルエンスルホン酸一水和物(和光純薬工業(株)製)0.0524g、0.1121g、0.2217gをそれぞれ測り取り、それぞれに脱塩水を超純水装置Milli−Q Labo(日本ミリポア(株)製)により精製した超純水を加え、1.0009g、0.9968g、1.0769gとした。溶解後、屈折率を測定すると、それぞれ1.3413、1.3515、1.3680であった。超純水の屈折率は1.3324であった。測定時の屈折計の示す温度は25.5℃であった。水の比重を1.0、p−トルエンスルホン酸の比重を1とし、水和物分は水に換算し、溶解による体積の減少は無視し(溶液が水及びp−トルエンスルホン酸それぞれの体積を足した体積になっているとする)、p−トルエンスルホン酸の体積%に対して水溶液の屈折率をプロットした。線形近似によりプロットした点を直線で結び、p−トルエンスルホン酸の体積が100%になるまで外挿した値は1.523となり、これをp−トルエンスルホン酸の屈折率とした。
<フェニルホスホン酸の屈折率の測定>
p−トルエンスルホン酸一水和物と同様にして、フェニルホスホン酸(東京化成工業(株)製)の屈折率を測定すると、1.521となり、これをフェニルホスホン酸の屈折率とした。
[熱重量分析(TG)]
セイコーインスツルメンツ(株)社製TG−DTA320を用い、200mL/分の空気気流下、アルミニウム製皿上で測定を行った。加熱条件は、室温から130℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、130℃で30分間保持した後、130℃から595℃まで昇温速度10℃/分で昇温した。
<実施例1>
ナスフラスコ(500mL)にn−ブタノール(純正化学(株)製)150g及び超純水4.64gを加えて溶解するまで攪拌した。これにチタン(IV)n−ブトキシド(キシダ化学(株)製「チタン(IV)n−ブトキシド・モノマー」)11.85g(水/チタン(IV)n−ブトキシド=7.4(モル比))を攪拌しながら加えたところ溶液は白濁した。30秒間攪拌した後、p−トルエンスルホン酸一水和物1.723g(p−トルエンスルホン酸/チタン(IV)n−ブトキシド=0.26(モル比))をn−ブタノール25mLに溶かした溶液を攪拌しながら加えたところ、溶液は無色透明になった。室温で1時間攪拌した後、水冷式冷却管を装着して110℃に保持したオイルバス中で攪拌しながら6時間加熱した後、放冷して無色透明の酸化チタン微粒子分散液を得た。
得られた分散液の吸収スペクトルを測定したところ、400nm付近から立ち上がる酸化チタン特有の吸収スペクトルが確認された。また、得られた分散液は、チタン(IV)n−ブトキシドの仕込み量から計算して酸化チタンが1重量%となるように、n−ブタノールで希釈して、波長450nm、光路長1.0cmで透過率を測定したところ、97%であった。得られた分散液は、室温・遮光状態で保管したところ、数ヵ月立っても沈殿等が生じておらず、無色透明の溶液であった。
また、得られた分散液10mLにエタノール5mL及び1Nの水酸化ナトリウム水溶液を1mL加えて沈殿物を生成させた。生成した沈殿物を遠心分離により回収し、脱塩水及びアセトンで洗浄した後、真空乾燥し、白色固体を得た。得られた白色固体をXRD測定した結果、アナターゼ型酸化チタンであることが確認された。また、101ピークについてプロファイルフィッティングを行い、結晶子サイズを計算したところ34Åであった。
<実施例2>
実施例1と同様にして製造した酸化チタン微粒子分散液の溶媒をエバポレーターにより留去し、さらに真空乾燥して粉末状の酸化チタン微粒子組成物を得た。
得られた粉末状の酸化チタン微粒子組成物の熱重量分析を行った。130〜596℃の減量を有機物の燃焼に基づくものとし、残渣を酸化チタン微粒子組成物中の無機物とし、酸化チタン微粒子組成物中の有機物:無機物の重量比を求めたところ0.59:1であった。また、酸化チタン微粒子組成物中の有機物は全てp−トルエンスルホン酸、無機物は酸化チタンであり、p−トルエンスルホン酸の比重を1、屈折率を1.523、アナターゼ型の酸化チタンの比重を3.90、屈折率を2.52(「酸化チタン−物性と応用技術」清野学著(1991年)技報堂出版(株)参照)として計算すると、この酸化チタン微粒子組成物の屈折率は1.825であった。
また、この酸化チタン微粒子組成物をエタノール、n−ブタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、テトラヒドロフランにそれぞれ酸化チタンが1
重量%となるように添加したところいずれも透明な溶液となった。
これらの溶液について波長450nm、光路長1.0cmで透過率を測定したところ、それぞれ、97%(エタノール)、95%(n−ブタノール)、95%(アセトン)、94%(N,N−ジメチルホルムアミド)、89%(クロロホルム)、93%(テトラヒドロフラン)であった。
<実施例3>
実施例1と同様にして製造した酸化チタン微粒子分散液の全量に、n−ブタノールを加えて250mLにし、そのうち75mLをナスフラスコ(300mL)に入れた。これにn−ブタノール36.1mL及び超純水2.78g加え、溶解するまで攪拌した。ここへチタン(IV)n−ブトキシド(キシダ化学(株)製「チタン(VI)n−ブトキシド・モノマー」)7.11g及びp−トルエンスルホン酸一水和物1.034gをn−ブタノール15mLに溶かした溶液を攪拌しながら加えた。室温で1時間攪拌した後、水冷式冷却管を装着して110℃に保持したオイルバス中で攪拌しながら6時間加熱した後、放冷したところ、やや青白い透明な酸化チタン微粒子分散液が得られた。
得られた分散液の吸収スペクトルを測定すると、400nm付近から立ち上がる酸化チタン特有の吸収スペクトルが得られた。
得られた分散液は、チタン(IV)n−ブトキシドの仕込み量から計算して酸化チタンが1重量%となるように、n−ブタノールで希釈して、波長450nm、光路長1.0cmで透過率を測定したところ、90%であった。
得られた分散液5mLにエタノール2.5mL及び1Nの水酸化ナトリウム水溶液を0.5mL加えて微粒子を凝集させて沈殿物を生成させた。生成した沈殿を遠心分離により回収し、脱塩水及びアセトンで洗浄した後、真空乾燥し、白色固体を得た。
得られた白色固体をXRD測定した結果、アナターゼ型酸化チタンであることが確認された。また、101ピークについてプロファイルフィッティングを行い、結晶子サイズを計算したところ42Åであった。
<実施例4>
ナスフラスコ(50mL)にn−ブタノール15g及び超純水0.464gを加えて、溶解するまで攪拌した。これにチタン(IV)イソプロポキシド(キシダ化学(株)製)0.990gを攪拌しながら加えたところ溶液は白濁した。30秒間攪拌した後、p−トルエンスルホン酸一水和物0.173gをn−ブタノール2.5mLに溶かした溶液を攪拌しながら加えたところ溶液は無色透明になった。室温で1時間攪拌した後に、水冷式冷却管を装着して110℃に保持したオイルバス中で攪拌しながら6時間加熱した後、放冷して無色透明の酸化チタン微粒子分散液を得た。
得られた分散液の吸収スペクトルを測定すると、400nm付近から立ち上がる酸化チタン特有の吸収スペクトルが確認された。また、得られた分散液は、チタン(IV)イソプロポキシドの仕込み量から計算して酸化チタンが1重量%となるように、n−ブタノールで希釈して、波長450nm、光路長1.0cmで透過率を測定したところ、98%であった。得られた分散液は、室温・遮光状態で保管したところ、数ヶ月経っても沈殿等が生じておらず無色透明の溶液であった。
また、得られた分散液10mLにエタノール10mL及び1Nの水酸化ナトリウム水溶液を1mL加えて微粒子を凝集させて沈殿物を生成させた。生成した沈殿物を遠心分離により回収し、脱塩水及びアセトンで洗浄した後、真空乾燥し、白色固体を得た。
得られた白色固体をXRD測定した結果、アナターゼ型酸化チタンであることが確認された。また、101ピークについてプロファイルフィッティングを行い、結晶子サイズを計算したところ32Åであった。
<実施例5>
ナスフラスコ(50mL)にn−ブタノール15g及び超純水0.464gを加えて、溶解するまで攪拌した。これにチタン(IV)エトキシド(キシダ化学(株)製)0.794gを攪拌しながら加えたところ溶液は白濁した。30秒間攪拌した後、p−トルエンスルホン酸一水和物0.173gをn−ブタノール2.5mLに溶かした溶液を攪拌しながら加えたところ溶液は無色透明になった。室温で1時間攪拌した後に、水冷式冷却管を装着して110℃に保持したオイルバスで攪拌しながら6時間加熱した後、放冷して無色透明な酸化チタン微粒子分散液を得た。
得られた分散液の吸収スペクトルを測定したところ、400nm付近から立ち上がる酸化チタン特有の吸収スペクトルが確認された。また、得られた分散液は、チタン(IV)エトキシドの仕込み量から計算して酸化チタンが1重量%となるように、n−ブタノールで希釈して、波長450nm、光路長1.0cmで透過率を測定したところ、98%であった得られた分散液は、室温・遮光状態で保管したところ、数ヶ月経っても沈殿等が生じておらず無色透明の溶液であった。
また、得られた分散液10mLにエタノール10mL及び1Nの水酸化ナトリウム水溶液を1mL加えて微粒子を凝集させて沈殿物を生成させた。生成した沈殿物を遠心分離により回収し、脱塩水及びアセトンで洗浄した後、真空乾燥し、白色固体を得た。
得られた白色固体をXRD測定した結果、アナターゼ型酸化チタンであることが確認された。また、101ピークについてプロファイルフィッティングを行い、結晶子サイズを計算したところ33Åであった。
<実施例6>
ナスフラスコ(200mL)にn−ブタノール60g及び超純水6.27gを加えて溶解するまで攪拌した。これにチタン(IV)n−ブトキシド4.74g(水/チタン(IV)n−ブトキシド=25(モル比))を攪拌しながら加えたところ溶液は白濁した。30秒間攪拌した後、p−トルエンスルホン酸一水和物0.689g(p−トルエンスルホン酸/チタン(IV)n−ブトキシド=0.26(モル比))をn−ブタノール10mLに溶かした溶液を攪拌しながら加え、室温で1時間攪拌した。その後、水冷式冷却管を装着して110℃に保持したオイルバス中で攪拌しながら6時間加熱した。加熱と共に溶液は透明になっていった。放冷してやや青白い透明であるが、若干白い不溶物含む酸化チタン微粒子分散液を得た。
得られた分散液の吸収スペクトルを測定すると、400nm付近から立ち上がる酸化チタン特有の吸収スペクトルが得られた。
この溶液45mLを遠心分離にかけ、少量生じた白色沈殿を除去し、上澄みからエバポレーションにより溶媒を留去し、さらに真空乾燥して粉末状の酸化チタン微粒子組成物を得た。
得られた粉末をXRD測定した結果、アナターゼ型酸化チタンであることが確認された。また、101ピークについてプロファイルフィッティングを行い、結晶子サイズを計算したところ35Åであった。
得られた粉末状の酸化チタン微粒子組成物の熱重量分析を行った。130〜596℃の減量を有機物の燃焼に基づくものとし、残渣を酸化チタン微粒子組成物中の無機物とし、酸化チタン微粒子組成物中の有機物:無機物の重量比を求めたところ0.49:1であった。
この酸化チタン微粒子組成物をN,N−ジメチルホルムアミドに酸化チタンが1重量%
となるように添加したところ透明な溶液となった。
この溶液について波長450nm、光路長1.0cmで透過率を測定したところ、88%であった。
<実施例7>
実施例1と同様にして製造した酸化チタン微粒子分散液をn−ブタノールで250mLに希釈した。その溶液50mLにフェニルホスホン酸0.30gをエタノール20mLに溶解した溶液に攪拌しながら加えた。添加後すぐに溶液の白濁が起こった。30分間攪拌後、エタノール20mL、脱塩水100mLを加え、さらに15分間攪拌した。遠心分離により白色沈殿を回収し、上澄みをデカンテーションにより除去した。沈殿を、エタノール12mL/脱塩水180mLで1回、エタノール60mLで1回洗浄し、得られた沈殿を真空乾燥して酸化チタン微粒子組成物を得た。
得られた粉末状の酸化チタン微粒子組成物の熱重量分析を行った。130〜596℃の減量を有機物の燃焼に基づくものとし、残渣を酸化チタン微粒子組成物中の無機物とし、酸化チタン微粒子組成物中の有機物:無機物の重量比を求めたところ0.20:1であった。
この酸化チタン微粒子組成物をN,N−ジメチルホルムアミドに酸化チタンが1重量%
となるように添加したところ透明な溶液となった。
この溶液について波長450nm、光路長1.0cmで透過率を測定したところ、90%であった。
また、得られた粉末状の酸化チタン微粒子組成物の元素分析を行なったところ、Ti:S:P=1:0.0004:0.17(モル比)であることが分かった。Tiがチタン(IV)n−ブトキシド、Sがp−トルエンスルホン酸、Pがフェニルホスホン酸由来であり、仕込比は、チタン(IV)n−ブトキシド:p−トルエンスルホン酸:フェニルホスホン酸=1:0.26:0.27(モル比)であることから、大部分のp−トルエンスルホン酸がフェニルホスホン酸に置換されていることが確認された。
<比較例1>
ナスフラスコ(100mL)にn−ブタノール17.5g及び超純水0.384gを加えて溶解するまで攪拌した。これにチタン(IV)n−ブトキシド1.186gを攪拌しながら加えた。30秒間攪拌した後、攪拌しながら塩酸(塩化水素35%、関東化学(株)製)79.7μLを加え、室温で1時間攪拌したところ無色透明の溶液が得られた。水冷式冷却管を装着して100℃に保持したオイルバスで攪拌しながら加熱したところ、30分後に濁り始め、1時間後には真っ白になっていた。これより酸触媒として塩酸を用いると分散安定性の悪い分散液となることが分かる。
<比較例2>
ナスフラスコ(100mL)にn−ブタノール21mL及び超純水0.251gを加えて溶解するまで攪拌した。これにチタン(IV)n−ブトキシド1.186gを攪拌しながら加えた。30秒間攪拌した後、酢酸(関東化学(株)製、屈折率1.370(測定温度25.3℃))52.1μLを攪拌しながら加え、室温で1時間攪拌したところ無色透明の溶液が得られた。水冷式冷却管を装着して110℃に保持したオイルバスで攪拌しながら加熱したところ、30分後に濁り始め、1.5時間後には真っ白になっていた。これより酸触媒として酢酸を用いると分散安定性の悪い分散液となることが分かる。
<比較例3>
ナスフラスコ(100mL)にn−ブタノール30g、アセチルアセトン0.697g(和光純薬工業(株)製、屈折率1.449(測定温度25.3℃))及びチタン(IV)n−ブトキシド2.37g(アセチルアセトン/チタン(IV)n−ブトキシド=1(モル比))を加えて30分攪拌したところ薄黄色透明な溶液が得られた。超純水0.928gを加えて溶解するまで攪拌した後、p−トルエンスルホン酸一水和物0.344gをn−ブタノール5mLに溶かした溶液を攪拌しながら加えたところ、溶液は黄色(透明)になった。室温で1時間攪拌した後、水冷式冷却管を装着して110℃に保持したオイルバスで攪拌しながら6時間加熱した後、放冷して黄色に着色した酸化チタン微粒子分散液を得た。
得られた分散液の吸収スペクトルを測定すると、480nm付近から立ち上がる吸収スペクトルが得られた。これはアセチルアセトンが酸化チタン微粒子に配位したためと考えられる。また、得られた分散液は、チタン(IV)n−ブトキシドの仕込み量から計算して酸化チタンが1重量%となるように、n−ブタノールで希釈して、波長450nm、光路長1.0cmで透過率を測定したところ、39%であった。
得られた分散液の溶媒をエバポレーターにより留去し、さらに真空乾燥して粉末状の酸化チタン微粒子組成物を得た。得られた粉末状の酸化チタン微粒子組成物の熱重量分析を行なった。130〜594℃の減量を有機物の燃焼に基づくものとし、残渣を酸化チタン微粒子組成物中の無機物とし、減量分及び残渣の量から、酸化チタン微粒子中の有機物:無機物の重量比は0.77:1であった。
実施例1及び比較例3で製造した酸化チタン微粒子分散液を、酸化チタン濃度が1重量%となるようにn−ブタノールで希釈した溶液の透過スペクトル。

Claims (26)

  1. 分散安定剤を含む酸化チタン微粒子の透明な有機溶媒分散液であって、該分散安定剤が屈折率1.50以上の有機酸を主成分とするものであって、屈折率1.50未満のものは含有されていないか又は含有されていても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下しか含有されておらず、かつこの分散液を酸化チタン濃度を1重量%として、波長450nmの光で、光路長1.0cmで測定したときの透過率が80%以上であることを特徴とする酸化チタン微粒子分散液。
  2. 分散安定剤を含む酸化チタン微粒子の透明な有機溶媒分散液であって、該分散安定剤が屈折率1.51以上の有機酸を主成分とするものであって、屈折率1.51未満のものは含有されていないか又は含有されていても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下しか含有されておらず、かつこの分散液を酸化チタン濃度を1重量%として、波長450nmの光で、光路長1.0cmで測定したときの透過率が80%以上であることを特徴とする酸化チタン微粒子分散液。
  3. 酸化チタン微粒子が、アナターゼ型、ルチル型又はブルッカイト型の酸化チタンからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化チタン微粒子分散液。
  4. 透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液。
  5. 遮光下、室温で30日間保管しても透過率の変化が5%以内であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液。
  6. 酸化チタン微粒子と分散安定剤の主成分である有機酸との合計に占める該有機酸の比率が5〜90重量%であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液。
  7. 酸化チタン微粒子と分散安定剤の主成分である有機酸の合計に占める有機酸の比率が10〜70重量%であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液。
  8. 酸化チタン微粒子の透過型電子顕微鏡による数平均粒径が0.5〜15nmであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液。
  9. 酸化チタン微粒子の透過型電子顕微鏡による数平均粒径が1.5〜10nmであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液。
  10. 分散安定剤の主成分である有機酸が芳香族基を有する有機酸であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液。
  11. 分散安定剤の主成分である有機酸が有機スルホン酸、有機ホスホン酸又は有機リン酸であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液。
  12. 分散液に占める酸化チタン微粒子の比率が0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液。
  13. 酸触媒及び生成する酸化チタン微粒子の分散安定剤として作用する屈折率が1.50以上の有機酸を含有しており、かつ生成する酸化チタン微粒子の分散安定剤として作用する
    屈折率が1.50未満の化合物は含有しないか又は含有するとしても生成する酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下しか含有していない有機溶媒中で、チタン化合物から酸化チタンを生成させることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液の製造方法。
  14. 酸触媒及び生成する酸化チタン微粒子の分散安定剤として作用する屈折率が1.51以上の有機酸を含有しており、かつ生成する酸化チタン微粒子の分散安定剤として作用する屈折率が1.51未満の化合物は含有しないか又は含有するとしても生成する酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下しか含有していない有機溶媒中で、チタン化合物から酸化チタンを生成させることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液の製造方法。
  15. チタン化合物から酸化チタンへの生成反応を、予めチタン化合物と水とを作用させたものを有機溶媒と混合することにより行うことを特徴とする請求項13又は14に記載の酸化チタン微粒子分散液の製造方法。
  16. チタン化合物から酸化チタンへの生成反応を、水を含有する有機溶媒にチタン化合物を混合することにより行うことを特徴とする請求項13又は14に記載の酸化チタン微粒子分散液の製造方法。
  17. チタン化合物がチタンアルコキシド、四塩化チタン、硫酸チタニル又は硫酸チタンであることを特徴とする請求項13ないし16のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液の製造方法。
  18. 分散安定剤の主成分である有機酸が芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸又は芳香族リン酸であることを特徴とする請求項13ないし17のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液の製造方法。
  19. チタン化合物から酸化チタンへの生成反応を、60〜150℃で行うことを特徴とする請求項13ないし18のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液の製造方法。
  20. 請求項1ないし12のいずれかに記載の酸化チタン微粒子分散液から溶媒を除去することを特徴とする酸化チタン微粒子組成物の製造方法。
  21. 酸化チタン微粒子及び分散安定剤として作用する屈折率が1.50以上の有機酸を含み、かつ屈折率が1.50未満の分散安定剤を含まないか又は含むとしても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下である酸化チタン微粒子組成物であって、この酸化チタン微粒子組成物を下記から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒に1重量%濃度で分散させたときに透明な分散液を形成することができ、かつこの分散液を波長450nmの光で、光路長1.0cmで測定したときの溶媒に対する透過率が80%以上であることを特徴とする酸化チタン微粒子組成物。
    有機溶媒:炭素数1〜10のアルコール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン、ピリジン、キノリン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ヘキサン
  22. 酸化チタン微粒子及び分散安定剤として作用する屈折率が1.51以上の有機酸を含み、かつ屈折率が1.51未満の分散安定剤を含まないか又は含むとしても酸化チタン微粒子中のチタン原子1モルに対して0.1モル以下である酸化チタン微粒子組成物であって、この酸化チタン微粒子組成物を下記から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒に1重量%濃度で分散させたときに透明な分散液を形成することができ、かつこの分散液を波長450nmの光で、光路長1.0cmで測定したときの溶媒に対する透過率が80%以上であることを特徴とする酸化チタン微粒子組成物。
    有機溶媒:炭素数1〜10のアルコール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン、ピリジン、キノリン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ヘキサン
  23. 分散安定剤の主成分として作用する有機酸が芳香族基を有する有機酸であることを特徴とする請求項21又は22に記載の酸化チタン微粒子組成物。
  24. 分散安定剤の主成分として作用する有機酸が有機スルホン酸、有機ホスホン酸又は有機リン酸であることを特徴とする請求項21又は22に記載の酸化チタン微粒子組成物。
  25. 酸化チタン微粒子と屈折率が分散安定剤の主成分として作用する有機酸の合計に対する該有機酸の比率が5〜90重量%であることを特徴とする請求項21ないし24のいずれかに記載の酸化チタン微粒子組成物。
  26. 請求項13ないし19で得られた酸化チタン微粒子分散液を使用することを特徴とする酸化チタン微粒子組成物の製造方法。
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