JP4724656B2 - 電気泳動チップおよびこれを備えた電気泳動装置 - Google Patents

電気泳動チップおよびこれを備えた電気泳動装置 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、血液成分、タンパク質、核酸等の分析を行う電気泳動チップおよびこれを備えた電気泳動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タンパク質や核酸等について精度の高い分析を行う装置として、電気泳動チップを備えた電気泳動装置が用いられている。
この電気泳動装置が備えている電気泳動チップは、一般的に、同一基板上に形成された電気泳動溝と試料導入溝とを有している(特許文献1参照)。
このような電気泳動チップを用いて試料分析を行う場合には、例えば、電気泳動溝に電気泳動液が充填され、試料導入溝に試料が導入される。そして、試料導入溝の両端に電圧を印加して電気泳動溝との交差部分まで電気泳動によって試料を移動させた後、電気泳動溝の両端に電圧を印加して電気泳動溝の中で試料を移動させる。
このとき、電気泳動溝中を移動する試料に含まれる各成分は、大きさ、イオン組成等に応じて電気泳動速度に差があるため、電気泳動溝内において各成分ごとに分離される。これにより、微量の試料を導入するだけで分離された所望の成分を検出して分析を行うことが可能になる。
【特許文献1】
特開平8−178897号公報(平成8年7月12日公開)
【発明の開示】
【0003】
しかしながら、上記従来の電気泳動チップは、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された電気泳動チップでは、電気泳動溝と試料導入溝とが交差する部分は単純に交差しているだけであって、各溝の間を往来する液体の移動を遮断するような手段は何ら設けられていない。このため、試料を試料導入溝において交差部分まで移動させた後、電気泳動溝において電気泳動させる際には、試料が交差部分から四方に拡散してしまう場合がある。このような試料の拡散は、試料分析時におけるコントラストを低下させるとともに、分解能を低下させる要因となる。
本発明の課題は、試料導入溝と電気泳動溝との交差部分における試料の拡散を抑制してコントラストの低下、分解能の低下を防止することが可能な電気泳動チップおよびこれを備えた電気泳動装置を提供することにある。
第1の発明に係る電気泳動チップは、分析対象となる試料を電気泳動させる電気泳動チップであって、第1試料導入溝と、第2試料導入溝と、第1電気泳動溝と、第2電気泳動溝と、貫通孔とを備えている。第1試料導入溝には、試料が導入される。第2試料導入溝は、試料が導入されるとともに、第1試料導入溝とは異なる平面上に形成されている。第1電気泳動溝は、第1試料導入溝および第2試料導入溝の少なくとも一方に対して交差する向きに配置されている。第2電気泳動溝は、第1試料導入溝および第2試料導入溝の少なくとも一方に対して交差する向きに配置されているとともに、第1電気泳動溝とは異なる平面上に形成されている。貫通孔は、第1試料導入溝と第2試料導入溝とを接続するとともに、第1電気泳動溝と第2電気泳動溝とを接続する。
ここでは、電気泳動溝および試料導入溝について、それぞれ2つに分割し、一方の試料導入溝および電気泳動溝を異なる平面上に形成している。そして、異なる平面上に形成された第1試料導入溝と第2試料導入溝、第1電気泳動溝と第2電気泳動溝とを1つの貫通孔によって接続している。つまり、1つの貫通孔を中心にして、第1試料導入溝、第2試料導入溝、および第1電気泳動溝、第2電気泳動溝が互いに連通されている。
例えば、第1試料導入溝および第2試料導入溝の互いに接続されていない2つ端部(第1・第2試料導入溝を1本の溝と考えた場合の両端)に電圧を印加して一方の端部から分析対象となる試料を導入していくと、試料は貫通穴を介して他方の端部の方へ導入される。次に、第1電気泳動溝および第2電気泳動溝の互いに接続されていない2つの端部(第1・第2電気泳動溝を1本の溝と考えた場合の両端)に電圧を印加すると、第1試料導入溝と第2試料導入溝とを接続しているとともに、第1電気泳動溝と第2電気泳動溝とについても接続している貫通孔内に導入されている試料が電気泳動によって分離される。
このように、第1・第2試料導入溝、第1・第2電気泳動溝をそれぞれ接続する共通の貫通孔内に試料を導入して電気泳動による分離・分析を行うことで、試料導入溝と電気泳動溝とを同一平面上において単純に交差させた従来の電気泳動チップと比較して、貫通孔内に導入された試料の電気泳動液への拡散量を低減することができる。これは、貫通孔を長くすることにより、試料全体に対して泳動液に接する試料の割合が減るためである。よって、電気泳動によって分離された試料を分析する際におけるコントラストの低下や分解能の低下といった問題の発生を防止することができる。
また、貫通孔に導入された試料を用いて電気泳動による分離処理を行うことができるため、試料導入溝と電気泳動溝とを同一平面上において単純に交差させた従来の電気泳動チップと比較して、毎回の試験時においてより安定した量の試料を確保して分離・分析を行うことができる。
第2の発明に係る電気泳動チップは、第1の発明に係る電気泳動チップであって、貫通孔は、その断面における試料の電気泳動による分離方向側の長さが、試料の導入方向の長さよりも短くなるように形成されている。
ここでは、第1・第2試料導入溝および第1・第2電気泳動溝を接続する共通の貫通孔の断面形状について規定している。
具体的には、貫通孔の断面を、試料導入方向と電気泳動による分離方向とに分けて、電気泳動による分離方向における断面形状の長さが試料導入方向よりも短くなるように形成している。
これにより、電気泳動時において、貫通孔内に導入された試料が分離方向以外へ拡散してしまうことを抑制することができる。この結果、より高精度な成分分析が可能になる。
第3の発明に係る電気泳動チップは、第1または第2の発明に係る電気泳動チップであって、第1試料導入溝と第1電気泳動溝とは、同一の基板上に形成されている。
ここでは、第1試料導入溝と第1電気泳動溝とに関する互いの位置関係を規定している。
このように、第1試料導入溝と第1電気泳動溝とを同一の基板上に形成することで、基板の枚数を最少限とすることができ、構成の簡略化が図れるとともにコストダウンが図れる。
第4の発明に係る電気泳動チップは、第1から第3の発明のいずれか1つに係る電気泳動チップであって、第2試料導入溝と前記第2電気泳動溝とは、同一の基板上に形成されている。
ここでは、第2試料導入溝と第2電気泳動溝とに関する互いの位置関係を規定している。
このように、第2試料導入溝と第2電気泳動溝とを同一の基板上に形成することで、基板の枚数を最少限とすることができ、構成の簡略化が図れるとともにコストダウンが図れる。特に、第1試料導入溝と第1電気泳動溝とを同一の基板上に形成するとともに、第2試料導入溝と第2電気泳動溝とについても他の同一基板上に形成することで、貫通孔が形成される基板と合わせて3枚の基板によって、本発明の電気泳動チップを構成することができる。
第5の発明に係る電気泳動チップは、第3または第4の発明に係る電気泳動チップであって、基板には、試料の前処理を行う前処理部が形成されている。
ここでは、試料導入溝が形成された基板に試料の前処理を行う前処理部が形成されている。
このため、電気泳動溝の形成部分を考慮せずに前処理部を形成できるため、同一基板上に電気泳動溝と試料導入溝とが形成されている電気泳動チップに前処理部をさらに形成する場合と比較して、電気泳動チップを小型化して集積化された電気泳動チップを得ることができる。
第6の発明に係る電気泳動チップは、電気泳動液が導入された溝の両端に電圧を印加して、分析対象となる試料を電気泳動させる電気泳動チップであって、試料導入溝と、電気泳動溝と、を備えている。試料導入溝は、分析対象となる試料が導入される。電気泳動溝は、試料導入溝に対して交差する向きに配置されており、両端に電圧が印加されると電気泳動させた試料が分離される。そして、試料導入溝と電気泳動溝とは、異なる平面上に配置されている。
ここでは、試料導入溝と電気泳動溝とが、異なる平面上に3次元的に配置されている。
従来の電気泳動チップは、試料導入溝と電気泳動溝とが同一平面上に形成されており、単純に交差している構成が一般的である。このため、試料導入溝に導入された試料と電気泳動溝に充填された電気泳動液とが混合して試料が拡散しやすい。さらに、電気泳動チップを用いた分析を行う前に分析対象となる試料について前処理を行うような場合において、前処理部を同一基板上に形成して集積化したチップを得ようとすると、チップが大型化してしまう。
そこで、本発明の電気泳動チップでは、試料導入溝と電気泳動溝とを同一平面上に配置するのではなく、互いに異なる平面上に配置している。
これにより、試料導入溝と電気泳動溝とを同一平面上において単純に交差させた構成と比較して、試料導入溝と電気泳動溝との交差部分における試料の拡散を抑制することができる。また、試料導入溝と電気泳動溝とを別々の基板上に形成することができるため、前処理部を同一基板上に形成して集積化する場合でも、試料導入溝が形成されている基板上において試料導入溝の形成部分を除く全ての場所に前処理部を形成することができる。この結果、電気泳動溝の形成部分を考慮せずに前処理部を形成できるため、同一平面上に両溝を形成した構成の電気泳動チップと比較して、電気泳動チップを小型化することが可能になる。
第7の発明に係る電気泳動チップは、第6の発明に係る電気泳動チップであって、電気泳動溝と試料導入溝とが平面視において交差する部分に配置されており、電気泳動溝と試料導入溝とを連通させる貫通孔をさらに備えている。
ここでは、異なる平面上に3次元配置された試料導入溝と電気泳動溝との間における連通は、両溝間を連通させる貫通孔を介して行われる。
すなわち、本発明の電気泳動チップを用いて分析を行う場合には、試料導入溝の一端から導入された試料を、試料導入溝の両端に電圧をかけて電気泳動溝と連通している貫通孔との接続部分に移動させる。そして、貫通孔と電気泳動溝との接続部分に試料が分布している状態で、電気泳動溝の両端に電圧を印加する。すると、試料に含まれる各成分が、大きさ、イオン組成によって異なる速さで電気泳動溝を移動していき、電気泳動溝内において各成分を分離することができる。そして、分離された各成分を検出して分析を行うことで、少量の試料を導入するだけで、容易に高精度な分析を行うことが可能になる。
ここで、本発明の電気泳動チップでは、試料導入溝と電気泳動溝とを貫通孔を介して連通させている。これにより、試料導入溝と電気泳動溝との交差部分における試料の拡散をより効果的に抑制することができる。
なお、電気泳動溝の両端に電圧を印加する前段階において、試料導入溝において移動してきた試料が貫通孔において電気泳動溝の方へ移動する必要性を考慮すれば、貫通孔は試料の拡散を防止できる最小限の長さであることがより好ましい。あるいは、試料導入溝が電気泳動溝よりも上部に配置されていることがより好ましい。この構成によれば、試料導入溝における貫通孔との接続部分まで移動してきた試料を、重力もしくは毛管力によって電気泳動溝の方へ移動させることができる。
第8の発明に係る電気泳動チップは、第6または第7の発明に係る電気泳動チップであって、貫通孔は、電気泳動溝に導入される電気泳動液と、試料導入溝に導入される試料との混合を防止する弁機構を備えている。
ここでは、試料導入溝と電気泳動溝との交差部分、例えば、試料導入溝と電気泳動溝とを連通させる貫通孔に設けられた弁機構によって試料と電気泳動液との混合による試料の拡散を防止する。
ここで、異なる平面上に3次元配置された試料導入溝と電気泳動溝とが単純に交差している場合には、試料導入溝において交差部分まで電気注入によって移動してきた試料が、電気泳動溝の両端に電圧を印加する前段階で、電気泳動溝、試料導入溝の四方へ拡散するおそれがある。
そこで、本発明の電気泳動チップでは、両溝の交差部分に配置された貫通孔等に弁機構を設け、電気泳動溝の両端に電圧を印加する直前に弁機構を開状態へ移行させる。これにより、試料の拡散を防止して、電気泳動パターンのコントラスト不良の発生や分解能の低下を防止することができる。
第9の発明に係る電気泳動チップは、電気泳動液が導入された溝の両端に電圧を印加して、分析対象となる試料を電気泳動させる電気泳動チップであって、試料導入溝と、電気泳動溝と、弁機構と、を備えている。試料導入溝は、分析対象となる試料が導入される。電気泳動溝は、試料導入溝に対して交差する向きに配置されており、両端に電圧が印加されて電気泳動させた試料が分離される。弁機構は、電気泳動溝と試料導入溝とが交差する部分に配置されており、電気泳動液と試料との混合を防止する。
ここでは、試料導入溝と電気泳動溝との交差部分における電気泳動液と試料との混合を防止する弁機構を備えている。
従来の電気泳動チップは、同一平面上に形成された試料導入溝と電気泳動溝とが単純に交差している構成である。このため、試料導入溝に導入された試料は、試料導入溝と電気泳動溝との交差部分において四方に拡散するおそれがある。このような試料の拡散は、電気泳動液として水溶液を用いた場合に特に発生しやすく、電気泳動パターンのコントラスト低下、分解能の低下等の問題を発生させる要因となる。
そこで、本発明の電気泳動チップでは、試料導入溝と電気泳動溝との間を仕切るように設けられた弁機構を備えており、試料が電気泳動開始前に拡散することを防止している。これにより、電気泳動溝の両端に電圧を印加する直前に弁機構を開状態へ移行させることで、上記試料の拡散を防止することができる。よって、試料の拡散に起因する電気泳動パターンのコントラスト不良の発生や分解能の低下を防止することができる。
第10の発明に係る電気泳動チップは、第8または第9の発明に係る電気泳動チップであって、弁機構は、機械的、電気的および光的な手段のいずれか1つを用いて開状態に移行可能である。
ここでは、電気泳動溝の両端に電圧を印加するタイミングに併せて機械的、電気的あるいは光的に弁機構を開状態へ移行させることができる。よって、試料と電気泳動液とが混合することに起因する電気泳動パターンのコントラスト不良や分解能の低下の発生を防止することができる。
第11の発明に係る電気泳動チップは、第10の発明に係る電気泳動チップであって、弁機構は、繰り返し開閉可能である。
ここでは、弁機構が機械的、電気的または光的な手段によって繰り返し開閉可能であるため、電気泳動チップを繰り返し使用することができる。よって、高価な電気泳動チップに適用した場合でも、繰り返し使用することでコストを低減できる。
第12の発明に係る電気泳動チップは、第10の発明に係る電気泳動チップであって、弁機構は光開口膜を有している。
ここでは、電気泳動溝の両端に電圧を印加するタイミングに合わせてレーザ等を照射して光開口膜を破ることで、容易に弁機構を開状態へ移行させることができる。よって、試料の拡散に起因する電気泳動パターンのコントラスト不良や分解能の低下の発生を防止することができる。
なお、弁機構として光開口膜を採用した場合には、一度レーザ等を照射して開状態へ移行すると再び閉状態への移行は困難であるため、主として使い捨ての電気泳動チップに適用することが望ましい。
第13の発明に係る電気泳動チップは、第1から第12の発明のいずれか1つに係る電気泳動チップであって、電気泳動液は水溶液である。
通常、電気泳動液として水溶液を用いた場合には、試料導入溝と電気泳動溝との交差部分において試料と電気泳動液とが混合して、特に拡散しやすくなるという問題がある。
しかし、本発明の電気泳動チップでは、試料導入溝と電気泳動溝との交差部分において電気泳動液に試料が拡散しにくい構成であるため、電気泳動液と試料との混合を防止することができる。よって、電気泳動液として水溶液を用いた場合でも、コントラストが高く、高分解能の電気泳動チップを得ることができる。
第14の発明に係る電気泳動チップは、第6から第13の発明のいずれか1つに係る電気泳動チップであって、電気泳動溝が形成された第1の基板と、試料導入溝が形成された第2の基板と、を備えている。
ここでは、電気泳動溝と試料導入溝とが別々の基板上に形成されている。このため、これらの基板を組み合わせることで、試料導入溝と電気泳動溝とが異なる平面上に配置された3次元構造の電気泳動チップを容易に構成することができる。
第15の発明に係る電気泳動チップは、第14の発明に係る電気泳動チップであって、第1の基板と第2の基板とは、平行に配置されている。
ここでは、電気泳動溝が形成されている第1の基板と試料導入溝が形成されている第2の基板とが平行に配置されているため、試料導入溝と電気泳動溝とが異なる平面上に配置された薄型3次元構造の電気泳動チップを形成することができる。
第16の発明に係る電気泳動チップは、第14または第15の発明に係る電気泳動チップであって、第2の基板には、試料の前処理を行う前処理部が形成されている。
ここでは、試料導入溝が形成された第2の基板内に試料の前処理を行う前処理部が形成されている。このため、電気泳動溝の形成部分を考慮せずに前処理部を形成できるため、同一基板上に電気泳動溝と試料導入溝とが形成されている電気泳動チップに前処理部をさらに形成する場合と比較して、電気泳動チップを小型化して集積化された電気泳動チップを得ることができる。
第17の発明に係る電気泳動チップは、第5または第16の発明に係る電気泳動チップであって、前処理部は、血液の赤血球を破壊してヘモグロビンを取り出す処理を行う。
ここでは、前処理として、ヘモグロビンA1cの測定を行う前段階として血液に含まれる赤血球を破壊する処理を行うことができる。これにより、血液を同一チップに導入して電気泳動により各成分を分離するだけで、ヘモグロビンA1cを取り出してヘモグロビンA1cの量を測定することができる。
第18の発明に係る電気泳動装置は、第1から第17の発明のいずれか1つに係る電気泳動チップと、検出部と、分析部と、を備えている。検出部は、電気泳動溝において分離された試料に含まれる成分を検出する。分析部は、検出部において検出された成分を分析する。
ここでは、小型集積化が図れる電気泳動チップを備えているため、電気泳動装置についても小型化が図れる。また、弁機構を備えた電気泳動チップを備えている場合には、例えば、電気泳動液として水溶液を用いた場合でも試料と電気泳動液とが混合することを防止して、コントラスト不良がなく高い分解能を有する電気泳動装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気泳動チップを備えた電気泳動装置の概略的な構成を示す斜視図。
【図2】図1の電気泳動チップの構成を示す斜視図。
【図3】図2の電気泳動チップを各基板ごとに分解した斜視図。
【図4】図2の電気泳動チップが有する弁機構を示す斜視図。
【図5】本発明の他の実施形態に係る電気泳動チップの構成を示す斜視図。
【図6】図5の電気泳動チップを構成する個々の基板を示す斜視図。
【図7】図5の電気泳動チップを構成する個々の基板を示す斜視図。
【図8】図5の電気泳動チップを構成する個々の基板を示す斜視図。
【図9】図5の電気泳動チップの試料導入溝と電気泳動溝との交差部分の拡大図。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係る電気泳動チップの構成を示す斜視図。
【図11】図10の電気泳動チップを構成する各基板を分解した斜視図。
【図12】図10の電気泳動チップに形成された貫通孔を示す拡大図。
【図13】図10の電気泳動チップを用いた処理の流れを示す説明図。
【符号の説明】
【0005】
10 電気泳動チップ
10a 基板(第2の基板)
10b 基板
10c 基板(第1の基板)
11 試料導入溝
11a,11b 開口
12 電気泳動溝
12a,12b 開口
13 貫通孔
14 弁機構
14a 光開口膜
14b 照射部
20 前処理部
21 混合拡散希釈部
22a 前処理液貯留部
22b 電気泳動液貯留部
23 導入孔
24 前処理前試料導入溝
25 前処理液導入溝
26a〜26d 空気穴
27 検出部
30 検出部
31 受光部
32 レーザ照射部
40 分析部
50 電気泳動装置
60 電気泳動チップ
60a 基板(第2の基板)
60b 基板
60c 基板(第1の基板)
61 試料導入溝
62 電気泳動溝
62a,62b 開口
63 貫通孔
70 電気泳動チップ
70a 基板
70b 基板
70c 基板
71a 第1試料導入溝
71b 第2試料導入溝
72a 第1電気泳動溝
72b 第2電気泳動溝
73 貫通孔
74a,74b 開口
75a.75b 開口
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
[実施形態1]
本発明の一実施形態に係る電気泳動チップ10およびこれを備えた電気泳動装置50について、図1〜図4を用いて説明すれば以下の通りである。
[電気泳動装置全体の構成]
本実施形態の電気泳動装置50は、本発明の電気泳動チップ10を搭載し、血液、タンパク質、核酸等の試料について高精度な分析を行うことが可能な分析装置である。
電気泳動装置50は、図1に示すように、電気泳動チップ10、検出部30、分析部40を備えている。
電気泳動チップ10は、図2に示すように、試料導入溝11、電気泳動溝12、貫通孔13を備えており、試料導入溝11の両端に電圧が印加されることで、試料導入溝11内において試料を電気泳動によって移動させて、試料に含まれる各成分を分離する。
なお、電気泳動チップ10の構成については後段にて詳述する。
検出部30は、受光部31、レーザ照射部32を備えている。受光部31は、レーザ照射部32に対して、電気泳動チップ10を挟んで反対側に配置されており、電気泳動溝12の試料に対して照射されたレーザ光の透過光を検出する。レーザ照射部32は、電気泳動溝12において分離された各成分に対してレーザ光を照射する。
分析部40は、図示しないA/D変換器、CPU等を内部に備えている。A/D変換器は、受光部31において検出された後で増幅された透過光の光信号を、デジタル信号に変換する。CPUは、A/D変換器において光信号から変換されたデジタル信号を受信して、分析対象となる成分の分析結果として電気泳動溝12内における分布等をモニタ等に表示させる。
[電気泳動チップの構成]
本実施形態の電気泳動チップ10は、上述のように、異なる平面上に3次元的に配置された試料導入溝11と、電気泳動溝12と、貫通孔13とを備えている(図2参照)。
試料導入溝11、電気泳動溝12、貫通孔13は、図3に示すように、それぞれが別々の基板10a〜10cに形成されており、これらの基板10a〜10cを組み合わせることで、試料導入溝11と電気泳動溝12とを異なる平面上に3次元配置している。
基板(第2の基板)10aには、試料導入溝11、開口11a,11b、開口12a,12bが形成されている。なお、開口11a,11b,12a,12bは、試料導入溝11と同様に、基板10aをエッチング処理する等の方法により形成される。
基板10bには、貫通孔13、開口12a,12bが形成されている。
基板(第1の基板)10cには、基板10aの試料導入溝11と同様に、エッチング等によって電気泳動溝12が形成されている。
試料導入溝11は、エッチング等によって基板10aにおける基板10bとの接触面側に形成されている。そして、基板10aと基板10bとが合わせられることで試料導入溝11部分と基板10bとがキャピラリを形成する。また、試料導入溝11は、基板10aに形成された開口11a,11bと接続されている。開口11a,11bは、分析対象となる試料が圧力または電気注入によって導入される。ここで、電気注入による場合には、試料導入口11の両端に電圧を印加するための電極(図示せず)が接続される。
電気泳動溝12は、試料導入溝11と同様に、エッチング等によって基板10cにおける基板10bとの接触面側に形成されており、開口12a,12bと接続されている。そして、基板10cと基板10bとが合わせられることにより、電気泳動溝12部分と基板10bとがキャピラリを形成する。開口12a,12bは、基板10a,10bにそれぞれ形成されており、両端に電圧を印加するための電極(図示せず)が接続される。
貫通孔13は、試料導入溝11と電気泳動溝12とを連通させるために基板10bに対して垂直方向に貫通した穴である。また、貫通孔13は、試料導入溝11における試料と、電気泳動溝12における電気泳動液との混合、試料の拡散を防止する弁機構14を備えている(図4参照)。
弁機構14は、図4に示すように、試料導入溝11と電気泳動溝12とを仕切る位置に設けられた光開口膜14aと、この光開口膜14aに対してレーザ光を照射する照射部14bとを有している。この弁機構14では、光開口膜14aが色素を含んでおり、開状態へ移行する際には照射部14bから光開口膜14aに対してレーザ光が照射される。そして、光開口膜14aに含まれる色素がレーザ光の熱を吸収して光開口膜14aが破れることで、試料導入溝11と電気泳動溝12とが連通した開状態へと弁機構14を移行させることができる。なお、照射部14bには、検出部30のレーザ照射部32を用いてもよい。
<本電気泳動装置による分析>
本実施形態の電気泳動装置50では、血液成分、タンパク質等の分析を以下のような手順によって行う。
すなわち、まず、試料導入溝11と電気泳動溝12とに電気泳動液を充填した電気泳動チップ10が電気泳動装置50の載置台へセットされ、試料導入溝11の開口11aまたは11bから分析対象となる試料が圧力または電気注入によって導入される。
そして、試料導入溝11の両端の開口11a,11bに電極が接続され、両端に電圧を印加して試料導入溝11と電気泳動溝12との交差部分まで試料を移動させる。このとき、貫通孔13が備えている弁機構14の光開口膜14aに照射部14bからレーザ光を照射して光開口膜14aを破って試料導入溝11と電気泳動溝12とを連通させる。これにより、試料を貫通孔13から電気泳動溝12の方へ移動させることができる。その後、電気泳動溝12の両端の開口12a,12bに電極が接続され、電気泳動溝12の両端に電圧が印加される。これにより、試料導入溝11と電気泳動溝12との交差部分まで移動した試料に含まれる成分を、電気泳動溝12内において分離することができる。
電気泳動溝12の両端に所定時間電圧を印加して試料に含まれる成分を分離した後、分離された成分に対して、検出部30のレーザ照射部32からレーザ光が照射される。照射されたレーザ光は、その成分を透過して受光部31において検出される。そして、受光部31において検出された光信号は、分析部40へ送られる。
分析部40は、受光部31から受信した光信号をデジタル信号に変換し、内蔵されたCPUがデジタル信号に基づく成分分布等の分析結果をモニタ等に表示させる。
本実施形態の電気泳動装置50では、以上のような手順により、試料導入溝11に導入された試料を成分ごとに分離して、成分ごとに分析を行うことができる。
[特徴部分]
(1)
本実施形態の電気泳動チップ10は、試料導入溝11と電気泳動溝12とを異なる平面(基板10a,10c)上に3次元配置している。
本実施形態のような電気泳動チップ10を用いた分析では、まず、試料導入溝11の両端部に電圧を印加する等の方法により試料導入溝11に導入した試料を、電気泳動溝12との交差部分まで移動させる。このとき、試料導入溝11と電気泳動溝12との交差部分においては、電気泳動溝12の両端に電圧を印加する前の段階で、試料と電気泳動溝12に充填された電気泳動液とが混合して、試料が上記交差部分から四方へ拡散してしまうおそれがある。このような電気泳動開始前の試料の拡散は、分析後の試料の泳動パターンのコントラストを低下させたり、分解能を低下させたりするという問題発生の原因となる。
そこで、本実施形態の電気泳動チップ10では、電気泳動開始前における試料導入溝11と電気泳動溝12との間で試料の拡散を抑制するために、試料導入溝11と電気泳動溝12とを異なる平面上に配置している。
これにより、試料導入溝11と電気泳動溝12とが同一平面上で単純に交差している従来の構成と比較して、電気泳動溝12の両端に電圧を印加して電気泳動を開始する前段階において試料が拡散することを抑制することができる。よって、試料の拡散に起因して発生する泳動パターンのコントラスト不良や分解能の低下等の問題の発生を抑制して、高性能な電気泳動チップ10を得ることができる。
さらに、試料導入溝11と電気泳動溝12とを異なる平面上に3次元的に配置することで、試料導入溝11と電気泳動溝12とを別々の基板10a,10c上に形成することができる。よって、例えば前処理部を集積化した電気泳動チップ10を構成する場合でも、試料導入溝11だけが形成されている基板10aと同じ基板上に前処理部を形成することで、チップの大型化を抑制できる。
(2)
本実施形態の電気泳動チップ10は、試料導入溝11,電気泳動溝12を連通させる貫通孔13を備えている。
これにより、試料導入溝11と電気泳動溝12とを直接交差させた構成と比較して、貫通孔13を介して連通されている分、より効果的に試料の拡散を抑制することができる。よって、試料の拡散に起因する泳動パターンのコントラスト不良や分解能の低下等の問題の発生を抑制することが可能になる。
(3)
本実施形態の電気泳動チップ10は、試料導入溝11と電気泳動溝12との交差部分に設けられた貫通孔13に、試料導入溝11の試料と電気泳動溝12の電気泳動液との混合を防止する弁機構14を備えている。
これにより、試料導入溝11の両端に電圧を印加して電気泳動を開始する前段階において、試料が拡散することを防止することができる。よって、試料の拡散に起因して発生する泳動パターンのコントラスト不良や分解能の低下等の問題を解消して、高性能な電気泳動チップ10を得ることができる。
(4)
本実施形態の電気泳動チップ10では、弁機構14を開状態へ移行させる手段として、光開口膜14aと、レーザ光を照射する照射部14bとを用いている。
このように、光開口膜14aとレーザ光を照射する照射部14bのような光的な手段を用いることで、電気泳動溝12の両端に電圧を印加する直前のタイミングで光開口膜14aに対して照射部14bからレーザ光を照射して、弁機構14を開状態へ移行させることができる。よって、電気泳動開始前の段階における試料と電気泳動液との混合、試料の拡散を防止することができる。
また、試料導入溝11と電気泳動溝12とを仕切る弁として光開口膜14aを用いることで、レーザ光を照射するだけで容易に弁機構14を開状態へ移行させることができる。
(5)
本実施形態の電気泳動チップ10では、試料導入溝11と電気泳動溝12とがそれぞれ別々の基板10a,10cに形成されている。
これにより、容易に3次元構造の電気泳動チップ10を構成することができる。
(6)
本実施形態の電気泳動装置50は、上述した電気泳動チップ10と、電気泳動チップ10において分離された成分を検出する検出部30と、検出部30において検出された成分を分析する分析部40とを備えている。
これにより、電気泳動チップ10によって得られる全ての効果を得ることができる。
[実施形態2]
本発明の電気泳動チップおよびこれを備えた電気泳動装置について、図5〜図9を用いて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施形態1で説明した部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の電気泳動チップ60は、図5に示すように、前処理部20等を基板60a上に備えている点で、実施形態1の電気泳動チップ10とは異なっているが、試料導入溝61および電気泳動溝62、貫通孔63等の基本的な構成については電気泳動チップ10の試料導入溝11等と同様である。
本実施形態の電気泳動チップ60は、図5に示すように、試料導入溝61、電気泳動溝62および貫通孔63が形成された3枚の基板60a〜60cを重ねて構成される3層構造のチップであって、前処理部20が集積化されている。この前処理部20は、例えば、血液と溶血希釈液とを混合して、赤血球を破壊する前処理を行う。
基板60aには、図6に示すように、主として、試料導入溝61、前処理部20、前処理液貯留部22aが形成されている。前処理部20は、前処理液と試料aとを混合して拡散希釈させる混合拡散希釈部21と、電気泳動による分析対象となる試料bの基になる前処理前の試料a(例えば、血液)を導入する導入孔23と、前処理前試料導入溝24と、前処理液導入溝25とを有している。混合拡散希釈部21は、試料導入溝61と前処理液導入溝25との間に設けられており、前処理を行う試料aと前処理液とが混合、拡散、希釈される。導入孔23は、電気泳動チップ60の内部で前処理前試料導入溝24とつながっており、基板60a上から滴下される試料aを電気泳動チップ60の内部へ導入する。前処理前試料導入溝24は、導入孔23から導入された試料aを前処理液導入溝25との交差部分を越えてその先端まで満たす。前処理液貯留部22aには、予め前処理液が封入されており、任意のタイミングで前処理液導入溝25に前処理液を流し込む。前処理液導入溝25は、前処理液貯留部22aと混合拡散希釈部21との間を結ぶ位置に配置されており、上述した前処理前試料導入溝24と交差している。
基板60aでは、以上のような構成により、試料aを前処理液と混合して前処理を行い、その結果得られた試料bを混合拡散希釈部21から試料導入溝61へ送り込むことができる。
なお、基板60aには、試料や前処理液、電気泳動液を任意のタイミングで導入する際に開放される空気穴26a〜26c、電気泳動溝62の両端に電圧を印加するために電極が接続される開口62a,62b、本電気泳動チップ60において分離された試料bの成分を検出する検出部27も形成されている。
基板60bには、異なる平面上に3次元的に配置された試料導入溝61と電気泳動溝62とを連通させる貫通孔63、開口62a,62bおよび基板60cまで貫通する空気穴26c、検出部27等が形成されている。貫通孔63には、実施形態1の貫通孔13と同様に弁機構14が形成されているが、ここでは説明を省略する。
基板60cには、電気泳動溝62、開口62a,62b、電気泳動液貯留部22b、空気穴26c、検出部27が形成されている。開口62a,62bは、電気泳動溝62の両端に形成されており、電気泳動溝62の両端に電圧を印加するための電極が接続される。電気泳動液貯留部22bは、電気泳動液で満たされており、任意のタイミングで空気穴26cが開放されると電気泳動溝62に電気泳動液を供給する。検出部27は、貫通孔63から降下してきた前処理済の試料bに含まれる電気泳動によって電気泳動溝62において分離された成分を検出する。以下の処理については、実施形態1の電気泳動装置50と同様である。
<本電気泳動装置による分析>
本実施形態の電気泳動チップ60を備えた電気泳動装置では、以下のような手順で試料の前処理から分析までの処理を行う。
すなわち、最初に導入孔23から試料aを導入して、前処理前試料導入溝24に試料aを充填させる。次に、空気穴26b,26dを開放して、前処理液を前処理液貯留部22aから前処理前試料導入溝24に充填された試料aの一部を前処理液とともに混合拡散希釈部21へ送り込む。混合拡散希釈部21へ送られた試料は、前処理液と混合され、ここで拡散希釈される。そして、この試料aを前処理してできた試料bは空気穴26aを開放することにより試料導入溝61へ導入される。一方、基板60cにおいて、空気穴26cが開放されて電気泳動液貯留部22bから電気泳動溝62へ電気泳動液が充填される。
試料bが試料導入溝61に導入されると、図9に示す貫通孔63に形成された光開口膜にレーザ光が照射されて試料導入溝61と電気泳動溝62とが連通され、電気泳動によって分析される試料bを電気泳動溝62まで移動させる。
この状態において、開口62a,62bに電極が接続され、電気泳動溝62の両端に電圧が印加され、電気泳動によって分離された試料bの成分分析を行う。試料bの分離成分の分析は、検出部27において検出されることで行われる。
[特徴部分]
(1)
本実施形態の電気泳動チップ60は、試料導入溝61と電気泳動溝62とが異なる平面上に形成された3次元構造となっている。
従来の電気泳動チップでは、同一平面上に試料導入溝と電気泳動溝とが形成されており、それらが単純に交差している構成が一般的である。しかし、このような構成では、電気泳動による成分分析を行う前に試料を前処理する前処理部を電気泳動チップと同じ基板上に形成する場合には、前処理部を形成する分だけチップの面積が大きくなるという問題を有している。
そこで、本実施形態の電気泳動チップ60では、試料導入溝61と電気泳動溝62とを異なる平面上、つまり異なる基板60a,60cに形成し、3次元構造を形成している。
これにより、試料導入溝61だけが形成されている基板60aに前処理部20を形成することで、試料導入溝61と電気泳動溝62とが同一基板上に形成されている従来の構成と比較して、チップの大型化を抑制することができる。つまり、基板60a上には電気泳動溝62は形成されておらず、試料導入溝61だけが形成されている。このため、電気泳動溝62との位置関係を考慮せずに、試料導入溝61の形成位置だけを考慮して前処理部20を形成することができる。よって、試料導入溝61と電気泳動溝62とが同一基板上に形成されている従来の構成と比較して、チップの大型化を抑制しつつ、集積化された電気泳動チップ60を得ることができる。
(2)
本実施形態の電気泳動チップ60は、電気泳動を行う前に試料に対して前処理を行う前処理部20を有している。
このように、同一基板60a上に前処理部20を形成して電気泳動チップ60を構成することで、多機能化されたチップを得ることができる。
[実施形態3]
本発明の電気泳動チップについて、図10〜図13を用いて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施形態1,2で説明した部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の電気泳動チップ70は、図10および図11に示すように、3枚の基板70a〜70cに、試料導入溝と電気泳動溝とを形成している点では、上記実施形態1の電気泳動チップ10と共通している。しかし、本実施形態の電気泳動チップ70では、試料導入溝、電気泳動溝をそれぞれ2分割し、基板70aに第1試料導入溝71aと第1電気泳動溝72aとを形成しており、基板70cに第2試料導入溝71bと第2電気泳動溝72bとを形成している点で異なっている。
本実施形態の電気泳動チップ70は、上述のように、第1試料導入溝71aと第2試料導入溝71bとが、異なる平面(基板70aおよび基板70c)上に形成されており、その端部において貫通孔73によって互いに連通するように接続されている。
同様に、第1電気泳動溝72aと第2電気泳動溝72bについても、異なる平面(基板70cおよび基板70a)上に形成されており、その端部において貫通孔73によって互いに連通するように接続されている。
すなわち、共通の貫通孔73を介して、第1試料導入溝71a、第2試料導入溝71bおよび第1電気泳動溝72a、第2電気泳動溝72bが互いに連通するように接続されている。
また、貫通孔73は、各溝71a.71b,72a,72bが形成されていない基板70bに形成されている。そして、貫通孔73は、図12に示すように、ほぼ一直線上に形成されている第1・第2試料導入溝71a,71bに沿った試料導入方向と、ほぼ一直線上に形成されている第1・第2電気泳動溝72a,72bに沿った電気泳動による試料の分離方向とで長さが異なる断面を有している。具体的には、貫通孔73の断面は長方形であって、この長方形の短辺側が電気泳動による試料の分離方向、長辺側が試料の導入方向に沿って配置されている。
[特徴]
(1)
本実施形態の電気泳動チップ70では、図10および図11に示すように、第1試料導入溝71aと第2試料導入溝71bとを異なる平面(基板70a,70c)上に配置している。一方、第1電気泳動溝72aと第2電気泳動溝72bについても、異なる平面(基板70c,70a)上に配置している。そして、これらの各溝71a,71b,72a,72bは、貫通孔73を介して互いに連通するように接続されている。
このため、第1・第2試料導入溝71a,71bに導入された試料は、貫通孔73内にも導入されることになるため、試料の導入後に第1・第2電気泳動溝72a,72bの両端に電圧を印加することで、貫通孔73内に導入された一定量の試料を分離して分析を行う。
これにより、共通の貫通孔73に導入された試料を確実に確保して電気泳動による分離・分析を行うことができる。この結果、試料導入溝と電気泳動溝とを同一平面上において単純に交差させた従来の電気泳動チップと比較して、貫通孔73内に導入された試料の電気泳動液への拡散量(拡散比率)を低減することができるとともに、毎回の分析に際して安定した量のサンプルを確保して分離・分析を行うことができる。
(2)
本実施形態の電気泳動チップ70では、各溝71a,71b,72a,72bを互いに連通するための貫通孔73が、その断面における試料の電気泳動による分離方向側の長さが、試料の導入方向の長さよりも短くなるように形成されている。
このように、試料の分離方向と試料の導入方向とで、断面の長さが異なるように貫通孔73を形成することで、電気泳動による試料の分離を行う際には貫通孔73に導入された試料を他の方向へ拡散させることなく、スムーズに電気泳動方向へと移動させることができる。この結果、検出されるピークの幅が狭くなり、高精度な分析結果を得ることができる。
(3)
本実施形態の電気泳動チップ70では、第1試料導入溝71aと第1電気泳動溝72aとを同一基板70a上に形成し、第2試料導入溝71bと第2電気泳動溝72bとを同一基板70c上に形成している。
これにより、貫通孔73を形成するための基板70bを間に挟みこむように、3枚の基板70a〜70cによって、本実施形態の電気泳動チップ70を構成することができる。この結果、構成を簡略化してコストダウンが図れる。
[実施例1]
ここで、本実施形態の電気泳動チップ70を用いて行なった電気泳動による試料の分離・分析の結果について、図13(a)〜図13(d)を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、試料としては、それぞれの物質の終濃度が、25.0mMメシチルオキシド、12.5mMトリプトファン、25.0mMビタミンB1塩酸塩、0.1mM尿酸一ナトリウムの混合液を用いた。
まず、図13(a)に示すように、電気泳動チップ70の各溝71a,71b,72a,72bにリン酸緩衝液(pH8.7)等の水溶性の電気泳動液を圧力注入する。すると、図13(b)に示すように、各溝71a,71b,72a,72bが電気泳動液で満たされる。
次に、第1試料導入溝71aの端部に形成された開口74a(図11参照)と第2試料導入溝71bの端部に形成された開口75b(図11参照)に電極を接続して1.5kVの電圧を印加して、第1試料導入溝71aの端部に形成された開口74aに滴下された試料を第1試料導入溝71aから貫通孔73を介して第2試料導入溝71bへと導入していく。
試料の導入後、第1・第2試料導入溝71a,71bへの電圧の印加を停止し、第1・第2電気泳動溝72a,72bの両端(開口74b,75a)へ電圧を印加して電気泳動による分離・分析を開始する。電圧印加条件としては、1.5kV×15分とした。
電圧の印加と同時に、基板70cに形成された第2電気泳動溝72bにおける所定の検出部位において、280nmでの検出を実施した。
その結果、4つのピークが検出され、ビタミンB1塩酸塩、メシチルオキシド、トリプトファン、尿酸−ナトリウムの順に検出された。
なお、これらの物質の判定に際しては、別途確認済みの物質ごとの吸収スペクトルを用いて判定を行なった。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態1,2では、試料導入溝11、電気泳動溝12、貫通孔13が、それぞれ別々の基板に形成された後、組み合わされて電気泳動チップ10が構成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、試料導入溝11と貫通孔13とを同一基板に形成してもよいし、電気泳動溝12と貫通孔13とを同一基板上に形成してもよい。さらに、全ての構成を同一基板上に形成してもよい。
(B)
上記実施形態1では、試料導入溝11と電気泳動溝12とが異なる平面上に3次元配置されており、試料導入溝11と電気泳動溝12とを連通させる貫通孔13が弁機構14を備えている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、試料導入溝11と電気泳動溝12とが同一平面上に形成されており、試料導入溝11と電気泳動溝12とが交差する部分に弁機構14を備えている構成であってもよい。
この場合でも、電気泳動溝12の両端に電圧を印加する直前に弁機構14を開状態へ移行させることで、電気泳動開始前の段階における電気泳動液と試料との混合を防止することができる。
(C)
上記実施形態1,2では、電気泳動液として水溶液を用いる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ゲル状の電気泳動液を用いることも可能である。
ただし、貫通孔13が備えている弁機構は、電気泳動液が試料と混合して拡散しやすい水溶液である場合の試料の拡散防止に特に有効であるため、水溶液の電気泳動液を用いることは、本発明をより効果的に使用できるという意味で特に好ましい。
(D)
上記実施形態1,2では、試料導入溝11、電気泳動溝12等をエッチングによって形成している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、機械加工等の他の方法によって、試料導入溝11および/または電気泳動溝12を形成してもよい。ただし、近年のチップの小型化を考慮すると、加工精度の面でエッチングを用いて試料導入溝11,電気泳動溝12等を形成することが望ましい。
(E)
上記実施形態1,2では、弁機構14が光開口膜14aと照射部14bとを備え、照射部14bから照射されるレーザ光によって光開口膜14aを破ることで、弁機構14を開口させる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本実施形態のような光的手段によらず、機械的手段、電気的手段によって膜等の弁を破ることで、開口させるような構成であってもよい。
また、弁機構14は、本実施形態のように1度開口させると閉鎖することができない構成であってもよいし、繰り返し開閉を行うことができるような構成であってもよい。ただし、繰り返し開閉可能な弁機構は、比較的高価な電気泳動チップに適用することで、コストアップを抑制することができるため好ましい。
(F)
上記実施形態1,2では、試料導入溝11と電気泳動溝12とを連通する貫通孔13の断面が円形である例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、断面形状が四角形の貫通孔を用いることも可能である。
(G)
上記実施形態3では、第1試料導入溝71aと第2試料導入溝71b、および第1電気泳動溝72aと第2電気泳動溝72bとを連通する貫通孔73の断面が長方形である例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態1,2で説明した貫通孔13のように、断面形状が円形の貫通孔を用いることもできる。
ただし、上記実施形態3のように、断面が試料の電気泳動(分離)方向に短い長方形とすることで、上述のように電気泳動中における試料の拡散を低減してより高精度な検出が可能になる。
(H)
上記実施形態では、試料導入溝71aと電気泳動溝72aとが同一平面(基板70a)上に形成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、試料導入溝71aと電気泳動溝72aとが異なる平面上に形成されていてもよい。
(I)
上記実施形態3では、第1試料導入溝71aと第2試料導入溝71b、および第1電気泳動溝72aと第2電気泳動溝72bとがほぼ一直線上に配置されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図3に示す電気泳動チップ10を用いて、試料導入時には開口11aと開口12bとに電圧を印加して試料導入溝11の半分と電気泳動溝12の半分に試料を導入し、分離処理時には開口11bと開口12aとに電圧を印加して電気泳動による分離を行ってもよい。つまり、図3に示す試料導入溝11の一部と電気泳動溝12の一部を試料導入溝として利用し、試料導入溝11のもう一方の一部と電気泳動溝12の他方の一部とで電気泳動溝として利用してもよい。
このように、試料導入溝および電気泳動溝が途中から曲がるように形成されている場合でも、貫通孔13内に導入された試料の拡散を抑制するとともに、毎回貫通孔13内に導入された安定した量の試料を用いて分離処理を行うことができる。
(J)
上記実施形態3では、基板70a〜70c上に、第1・第2試料導入溝71a,71b、第1・第2電気泳動溝72a,72bおよび貫通孔73が形成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図6に示すような前処理部20が基板70aに形成されていてもよい。この場合には、電気泳動チップ上において分析対象となる試料の前処理も同時に行うことができる。
(K)
上記実施形態1〜3では、試料導入溝と電気泳動溝とがクロスした、いわゆるクロス型の電気泳動チップを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、2本の試料導入溝が1本の電気泳動溝に対して異なる部分で接続されている、いわゆるダブルT型の電気泳動チップに対しても本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0007】
本発明は、血液成分、タンパク質、核酸等の分析を行う電気泳動チップおよびこれを備えた電気泳動装置に関する。

Claims (13)

  1. 分析対象となる試料を電気泳動させる電気泳動チップであって、
    前記試料が導入される第1試料導入溝と、
    前記試料が導入されるとともに、前記第1試料導入溝とは異なる平面上に形成された第2試料導入溝と、
    前記第1試料導入溝および前記第2試料導入溝の少なくとも一方に対して交差する向きに配置されている第1電気泳動溝と、
    前記第1試料導入溝および前記第2試料導入溝の少なくとも一方に対して交差する向きに配置されているとともに、前記第1電気泳動溝とは異なる平面上に形成された第2電気泳動溝と、
    前記第1試料導入溝と前記第2試料導入溝とを接続するとともに、前記第1電気泳動溝と前記第2電気泳動溝とを接続する貫通孔と、
    を備えている電気泳動チップ。
  2. 前記貫通孔は、その断面における前記試料の電気泳動による分離方向側の長さが、前記試料の導入方向の長さよりも短くなるように形成されている、
    請求項1に記載の電気泳動チップ。
  3. 前記第1試料導入溝と前記第1電気泳動溝とは、同一の基板上に形成されている、
    請求項1または2に記載の電気泳動チップ。
  4. 前記第2試料導入溝と前記第2電気泳動溝とは、同一の基板上に形成されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電気泳動チップ。
  5. 前記基板には、前記試料の前処理を行う前処理部が形成されている、
    請求項3または4に記載の電気泳動チップ。
  6. 電気泳動液が導入された溝の両端に電圧を印加して、分析対象となる試料を電気泳動させる電気泳動チップであって、
    前記試料が導入される試料導入溝と、
    前記試料導入溝に対して交差する向きに配置されており、両端に電圧が印加されると電気泳動させた前記試料が分離される電気泳動溝と、
    前記電気泳動溝と前記試料導入溝とが平面視において交差する部分に配置されており、前記電気泳動溝と前記試料導入溝とを連通させる貫通孔と、
    前記試料である血液の赤血球を破壊してヘモグロビンを取り出す処理を行う前処理部と、
    を備え、
    前記電気泳動溝と前記試料導入溝とが異なる平面上に配置され、
    ヘモグロビンA1cの量を測定する、
    電気泳動チップ。
  7. 前記電気泳動溝と前記試料導入溝との平面視における交差部分において、前記電気泳動溝に導入される電気泳動液と前記試料導入溝に導入される試料との混合を防止する弁機構を備えている、
    請求項6記載の電気泳動チップ。
  8. 電気泳動液が導入された溝の両端に電圧を印加して、分析対象となる試料を電気泳動させる電気泳動チップであって、
    前記試料が導入される試料導入溝と、
    前記試料導入溝と異なる平面上において、前記試料導入溝に対して交差する向きに配置されており、両端に電圧が印加されると電気泳動させた前記試料が分離される電気泳動溝と、
    前記電気泳動溝と前記試料導入溝とが平面視において交差する部分に配置されており、前記電気泳動溝と前記試料導入溝とを連通させる貫通孔と、
    を備え、
    前記貫通孔は、前記電気泳動液と前記試料との混合を防止する弁機構を有する
    電気泳動チップ。
  9. 前記弁機構は、機械的、電気的および光学的な手段のいずれか1つを用いて開状態に移行可能である、
    請求項またはに記載の電気泳動チップ。
  10. 前記弁機構は、繰り返し開閉可能である、
    請求項に記載の電気泳動チップ。
  11. 前記弁機構は、光開口膜を有している、
    請求項に記載の電気泳動チップ。
  12. 前記前処理部は、血液の赤血球を破壊してヘモグロビンを取り出す処理を行う、
    請求項5に記載の電気泳動チップ。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の電気泳動チップと、
    前記電気泳動溝において分離された前記試料に含まれる成分を検出する検出部と、
    前記検出部において検出された成分を分析する分析部と、
    を備えている、
    電気泳動装置。
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