JP4724416B2 - 分散液およびコーティング液 - Google Patents

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Description

本発明は、光触媒性を有する酸化チタンの分散液およびそれを使用したコーティング液に関し、詳しくは、光触媒性を有する酸化チタンの分散性および得られる塗膜が光触媒性能に優れている分散液およびコーティング液に関する。
従来、光触媒性を有する酸化チタンは、酸化チタンの光触媒活性の性質を利用して、大気や水の環境汚染物質の分解除去、抗菌処理あるいは消臭などの分野で利用が検討されている。これらの光触媒性を有する酸化チタンを使用した分散液やコーティング液は、一般に、チタンのアルコキシドの加水分解で作製したゾルを基材に塗布後焼成して酸化チタン膜を形成する、ゾルゲル法で作製された酸化チタンゾルが使用されている。しかしながら、ゾルゲル法によって作製した酸化チタンゾルは、ゾル中に酸やアルカリあるいは有機物を含有されているために、焼成除去するのに400℃以上の加熱が必要であり、また、コーティングされる材料に対して腐食性を有する。また、ゾルゲル法は工程が煩雑で、有害な有機溶剤を使用するためにゾル液の製造および塗布作業において、溶剤の飛散や臭気など、作業環境や大気汚染などの環境負荷を伴う。
上記のことから、水中に酸化チタンをアニオン分散剤を介して分散した酸化チタンコーティング液および酸化チタンコーティング膜の形成方法(特許文献1)が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示のコーティング液は、コーティング液を中性ないしは弱アルカリ性に調整するために塩基性有機化合物が添加されており、得られる酸化チタンの被膜の光触媒活性および親水性を向上させるためには、コーティング膜を200℃以上の温度で加熱焼成するか、または400nm未満の波長の紫外線を照射して塩基性有機化合物を分解しなければならない。
また、上記のコーティング液の分散に使用されるアニオン分散剤や、その他、公知の有機酸、有機塩基、有機酸塩などの分散剤を使用して、酸化チタンを水溶媒に分散させた分散液やコーティング液は、有機溶媒に分散させたものに比べて、環境上の負荷は伴わないが、該酸化チタンを水溶媒中に安定して分散することが難しく、また、分散されても経時により酸化チタンが分散液中から沈降し、酸化チタン層と水層とに分離する傾向がある。
特開2001−81357号公報
従って、本発明の目的は、光触媒性を有する酸化チタンを水性媒体中に分散し、経時変化のない安定した分散性を有する分散液およびその分散液を使用した光触媒性能が優れているコーティング液を提供することである。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、光触媒性を有する酸化チタンを、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ジヒドロキシビス(ラクタト)チタニウム、ヒドロキシビス(ラクタト)チタニウム、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタニウム、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタニウム、(エチレングリコラート)チタンビス(ジオクチルフォスフェート)およびテトラキス(エチルアセトアセテート)チタニウムから選ばれる少なくとも1種のチタンキレート化合物を含有する水性媒体中に分散してなることを特徴とする分散液およびこれを使用したコーティング液を提供する。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記の光触媒性を有する酸化チタンを上記のチタンキレート化合物を介して水性媒体中に分散した分散液が、上記の酸化チタンを特に微粒子状に分散ができ、該分散液が経時的に安定してその分散性を維持でき、該分散液を使用したコーティング液の塗膜が優れた光触媒性を有することを見出した。
本発明による分散液は、光触媒性を有する酸化チタンが水性媒体中に均一に分散されることによって、従来、時間の経過と共に発生していた該酸化チタンの沈降が発生し難い。また該分散液を用いてコーティング液を作製し、該コーティング液によって形成された塗膜が優れた光触媒性能を有する。
次に本発明を実施するための最良の形態を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明を特徴づける光触媒性を有する酸化チタンを水性媒体中に均一に分散するために使用される水溶性金属キレート化合物は、例えば、チタンキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、スズキレート化合物、マグネシウムキレート化合物およびバナジウムキレート化合物など、好ましくはチタンキレート化合物が挙げられる。
上記のチタンキレート化合物としては、例えば、ジヒドロキシビス(ラクタト)チタニウム、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクタト)チタニウム、ヒドロキシビス(ラクタト)チタニウム、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタニウム、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタニウム、(エチレングリコラート)チタンビス(ジオクチルフォスフェート)、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタニウムなど、好ましくはジヒドロキシビス(アンモニウムラクタト)チタニウム[なお、「ラクタト」は「ラクテート」も意味する]が挙げられる。
その他の前記の金属キレート化合物としては、例えば、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;トリス(アセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−プロピルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(アセトアセトナト)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物;モノブチルトリス(エチルアセトアセテート)スズ、モノブチルトリス(アセチルアセトナト)スズなどのスズキレート化合物などが挙げられる。
本発明で使用する光触媒性を有する酸化チタンは、紫外光や可視光など電磁波のバンドギヤップ以上のエネルギーを持つ光を照射すると、OHラジカルやスーパーオキサイドアニオンなどの活性酸素を生成し光触媒作用を有する。この酸化チタンには公知のアナターゼ型、ブルックカイト型、ルチル型などの酸化チタンがあり、好ましくはアナターゼ型の酸化チタンが挙げられ、特に好ましくは可視光型酸化チタンが挙げられる。これらの酸化チタンは、強力な酸化力により有害な化学物質や空気中の化学物質の分解・無害化や、空気浄化、セルフクリーニングなどに効果を発揮するものである。
上記の可視光型酸化チタンは、可視光によって光触媒活性を発揮する公知の酸化チタンが挙げられる。一般に、光触媒性を有する酸化チタンは、波長が380nm以上の光では光触媒性を発揮しないが、上記の可視光型酸化チタンは380nm〜400nmの近紫外光および400nm以上の可視光によって光触媒活性を示し、また紫外光の照射を受けた場合でも光触媒として機能するものである。上記の酸化チタンは、可視光線を照射することによって高い光触媒作用を発揮し、大気中のNOxの分解、悪臭物質やカビなどの分解除去、水中の有機溶剤や農薬および界面活性剤などの環境汚染物質の分解作用の効果がある。上記の可視光型酸化チタンは光触媒性能を有する酸化チタンにクロムなどの金属イオンをドープしたり、窒素をドープするなどによって生成されたものが挙げられる。上記の可視光型酸化チタンの1例は、住友化学工業(株)からTP−S201の商品名で入手して本発明で使用することができる。
前記の酸化チタンは、特定のエネルギーを持つ光の照射で効果のある光触媒性を得るためには、適度の粒径を有することが必要であり、原料の該酸化チタンを水溶性金属キレート化合物を含有する水性媒体中で適宜の分散法によって、微粒子化して分散する。得られる分散液中において、分散している酸化チタンの平均粒径S(nm)が1nm≦S≦500nm、好ましくは10nm≦S≦80nmである。なお、上記の酸化チタンの平均粒径は、MOUNTECH社製のMicrotrac UPAで測定した値である。
上記の酸化チタンの平均粒径Sが大き過ぎると、表面積が減少して光触媒性能が低下し、また、時間の変化とともに酸化チタンが分散液中から沈降して、酸化チタン層と水層とに分離する傾向となり保存安定性が低下する。一方、酸化チタンの平均粒径Sが小さ過ぎると、一次粒径が破壊され光触媒性能を持たないサイトが出現し光触媒性能が低下する。
前記の水性媒体としては、水道水、純水、イオン交換水などの水または該水と親水性有機溶剤との混合物が挙げられ、好ましくはイオン交換水が挙げられる。上記の親水性有機溶剤の水への配合量は、水溶性金属キレート化合物を介しての酸化チタンの分散を妨げない範囲であれば特に限定するものではない。上記の親水性有機溶剤としては、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコール、アセトンなどの親水性有機溶剤が挙げられる。
前記の酸化チタン(a)に対する水溶性金属キレート化合物(b)の配合割合は、b/a=1〜50/100(質量比)である。上記の水溶性金属キレート化合物の配合割合が多過ぎても、それ以上の分散効果が得られず、また酸化チタンの光触媒効果が低下する。一方、水溶性金属キレート化合物の配合割合が少な過ぎると水性媒体中への酸化チタンの分散性が低下する。
本発明の分散液は、前記の水溶性金属キレート化合物を含有する水性媒体中に前記の光触媒性を有する酸化チタンを、公知の湿式分散に使用されるボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどの分散機を使用し、好ましくは分散液中に分散する酸化チタンの平均粒径S(nm)が1nm≦S≦500nmの範囲になるまで適宜なメディア(媒体)を用いて、均一に分散を行い分散液を調製する。該分散液の調製は、例えば、水性媒体中に上記の酸化チタン粉末を公知の方法で均一に懸濁させ、該懸濁液に前記の水溶性金属キレート化合物を配合するか、あるいは、水性媒体中に水溶性金属キレート化合物を溶解しておき酸化チタンを配合して分散する。
上記のメディアとしては、例えば、チルド鋼あるいはニッケル合金などの材質からなるスチールボールやセラミックビーズ、フリント石、磁器、アルミナ、ジルコニアなど好ましくはジルコニアビーズが挙げられる。
本発明では、上記の分散液中に固着剤として無機系および/または有機系のバインダーをさらに配合することによってコーティング液とすることができる。該コーティング液は、壁紙、各種プラスチックフィルム、プラスチック成形品、陶器、金属などの基材に塗布し光触媒塗工物とすることができる。上記のバインダー(A)の分散液(B)中への配合割合は、A/B=50〜250/100(質量比)が好ましい。
上記の無機系バインダーとしては、例えば、シリカ、コロイダルシリカなどの珪素化合物、珪酸ナトリウム、珪酸リチウム、珪酸カリウムなどの珪酸塩、燐酸亜鉛、燐酸アルミニウムなどの燐酸塩など、好ましくは珪素化合物および珪酸塩から選ばれる少なくとも1種であり、具体的には、珪素化合物がシリカおよび/またはコロイダルシリカであり、珪酸塩が珪酸リチウムおよび/または珪酸カリウムが好ましく使用される。
また、上記の有機系バインダーとしては、前記の分散液に分散可能な、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、およびアクリル酸2−エチルヘキシルなどからなるアクリル酸エステル共重合体やメタクリル酸エステル共重合体などのアクリルエマルジョン、スチレンとアクリル酸エステルとの共重合体であるスチレン−アクリルエマルジョン、ポリアクリルアミド、アクリル酸エステルとアクリル酸との共重合体、メタクリル酸エステルとアクリル酸との共重合体などのアクリル樹脂、フッソ系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂など、好ましくはアクリルエマルジョン、スチレン−アクリルエマルジョン、アクリル樹脂が挙げられる。上記のスチレン−アクリルエマルジョンの1例としては星光ポリマー(株)からハイロスX X−2008Lの商品名で入手して本発明で使用することができる。
本発明のコーティング液は、前記の分散液中に、上記の無機系および/または有機系のバインダーと分散液の調製に使用した水性媒体をさらに配合して公知の方法で均一に混合分散し調製する。上記のコーティング液の調製においては、前記の酸化チタン(X)と上記のバインダー(Y)の配合割合(固形分)がX/Y=20〜100/100(質量比)であるのが好ましい。上記の酸化チタンの配合割合が多過ぎると塗膜がもろくなりやすく、一方、酸化チタンの配合が少な過ぎると得られる塗膜の光触媒効果が低下する。
本発明のコーティング液は、必要に応じて、該コーティング液の腐敗の進行抑制のために、さらに防腐剤を添加して使用することができる。該防腐剤(P)の本発明のコーティング液(Q)への配合割合はP/Q=0.1〜1/100(質量比)であることが好ましい。防腐剤の配合量が多過ぎると、酸化チタンの光触媒効果を阻害し、一方、防腐剤の配合量が少な過ぎると、腐敗抑制効果が発現しなくなる。
上記の防腐剤としては、ベンゾイソチアドリン、1,2−ベンゾイソチアドリン−3−オン、硫化窒素およびその誘導体、ハロゲン化窒素およびその誘導体が挙げられ、好ましくは1,2−ベンゾイソチアドリン−3−オンが挙げられる。
上記のコーティング液は、各種基材に対して優れた造膜性を形成し、形成された塗膜は光触媒塗工物として優れた空気浄化、セルフクリーニングなどの光触媒活性効果を発揮する。上記の基材としては、壁紙;各種プラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリオキサベンザゾールフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどのプラスチックフィルム;プラスチック成形品;セラミック;陶器;金属などが挙げられる。なお、各種プラスチックフィルム、プラスチック成形品へのコーティングは、コーティング液の塗膜の光触媒活性化効果が優れているために下地保護の目的で無機系のプライマーを処理するのが好ましい。
本発明のコーティング液から形成された塗膜を有する光触媒塗工物は、上記の基材に、本発明のコーティング液を、公知の方法で、好ましくは1.0g/m2〜3.0g/m2(乾燥厚み)に塗布し、乾燥して基材と強固に接着した塗膜を形成する。塗膜の厚みは、特に、限定されるものではないが、光触媒効果が発揮する範囲内である。
上記のコーティング液の塗布方法は、本発明のコーティング液を前記の水性媒体を使用して適宜に希釈して、例えば、スプレイ方式、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、インクジェット方式、エアナイフコート方式、リバースロールコート方式、ダイコート方式、シルクスクリーン方式、スピンコート方式などの方法により、前記の基材に塗布し、20℃以上、好ましくは60℃以上の、基材が劣化しない温度下で乾燥して、基材と強固に接着した塗膜を形成する。
また、上記のコーティング液が塗布された光触媒塗工物は、壁紙などの内装材、その他外装材として使用することができる。その使用例としては、例えば、壁紙用原紙にグラビア印刷された印刷紙の印刷面に本発明のコーティング液をグラビア印刷機を使用して2.0g/m2(乾燥厚み)にグラビアコートし、60℃の乾燥領域で水性媒体を蒸発乾燥して印刷面に塗膜を形成させる。
次に本発明の分散液J1〜J2の実施例と比較例に使用する分散液K1〜K3を挙げ、さらにこれらの分散液を使用した本発明のコーティング液L1〜L3の実施例と比較例のコーティング液M1〜M3を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中の「部」および「%」とあるのは質量基準である。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(分散液J1の調製)
イオン交換水83部に可視光型酸化チタン(住友化学工業(株)製、TP−S201、一次粒子径15nm)15部を配合して公知の方法で懸濁し、該懸濁液にジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム2部を添加し、メディアを使用して分散を行い、分散液中の酸化チタンの平均粒径がメジアン径で40nmである分散液J1を得た。なお、上記のメジアン径は、MOUNTECH社製、Microtrac UPAで測定した値である。
[実施例2]
(分散液J2の調製)
実施例1における分散液J1の調製において、イオン交換水を84部に、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウムを1部に置き換える以外は分散液J1の調製と同様にして、分散液中の酸化チタンの平均粒径がメジアン径で80nmである分散液J2を得た。
[比較例1]
(分散液K1の調製)
実施例1における分散液J1の調製において、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウムを有機物分散剤A(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−154)に置き換える以外は分散液J1の調製と同様にして分散を行い、分散液中の酸化チタンの平均粒径がメジアン径で100nmである比較例の分散液K1を得た。
[比較例2]
(分散液K2の調製)
実施例1における分散液J1の調製において、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウムを有機物分散剤B(エアープロダクツ・ジャパン(株)製、サーフィノールCT−136)に置き換える以外は分散液J1の調製と同様にして分散を行い、分散液中の酸化チタンの平均粒径がメジアン径で140nmである比較例の分散液K2を得た。
[比較例3]
(分散液K3の調製)
実施例1における分散液J1の調製において、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウムを有機物分散剤C(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−187)に置き換える以外は分散液J1の調製と同様にして分散を行い、分散液中の酸化チタンの平均粒径がメジアン径で240nmである比較例の分散液K3を得た。
[実施例3]
(コーティング液L1の調製)
実施例1の分散液J1 33.3部に、シリカゾル41.7部およびイオン交換水25.0部を添加し、公知の方法で均一に混合撹拌し本発明のコーティング液L1を得た。
[実施例4]
(コーティング液L2の調製)
実施例3におけるコーティング液L1の調製において分散液J1を分散液J2に置き換える以外はコーティング液L1の調製と同様にして本発明のコーティング液L2を得た。
[実施例5]
(コーティング液L3の調製)
実施例1の分散液J1 33.3部に、スチレン−アクリルエマルジョン(星光ポリマー(株)製、ハイロスX X−2008L)20部、およびイオン交換水46.7部を添加し、公知の方法で均一に混合撹拌し本発明のコーティング液L3を得た。
[比較例4〜6]
(コーティング液M1〜M3の調製)
比較例の分散液K1〜K3の各々33.3部にスチレン−アクリルエマルジョン(星光ポリマー(株)製、ハイロスX X−2008L)50部、およびイオン交換水16.7部を添加し、公知の方法で均一に混合撹拌し比較例のコーティング液M1〜M3を得た。
上記で得られた各々の分散液およびコーティング液を使用して分散液の分散安定性およびコーティング液の光触媒性能に関して下記の測定方法により評価した。評価結果を表1および表2に示す。
(分散安定性)
上記の各々の分散液を水で希釈して可視光型酸化チタンの固形分を1.5%にする。これら溶液を30mlのラボランスクリュー管瓶に20ml入れ、室温で放置し、1週間後の可視光型酸化チタンの沈降度合いを目視にて確認し、下記の判定基準により評価した。
◎:酸化チタンの沈降が、認められない。
○:酸化チタンの沈降が、僅かに認められるが分散液層(下部)と水層(上部)との分離がない。
△:酸化チタンの沈降が、僅かに認められ、液層の分離がある。
×:酸化チタンが完全に沈降している。
(光触媒性能)
上記の各々のコーティング液を10cm×20cmPETフィルム全体に塗布(乾燥厚み2.0g/m2)して乾燥させる。次に、これを5Lテドラーバックに詰めたのち、2.9Lの空気を注入する。空気注入後、6,000ppmのアセトアルデヒドを0.1L注入し、30分間放置して酸化チタンにアセトアルデヒドを十分に吸着させる。このときのアセトアルデヒド濃度を初期濃度とし、これを室温で2,500ルクス(lx)の蛍光灯に当て、経時のアセトアルデヒド濃度を測定し、下記の判定基準によりアセトアルデヒドの分解性により光触媒性能を評価した。なお、測定にはガステック社製のガステック検知管を使用した。
◎:48時間以内にアセトアルデヒドが、ほぼ100%分解している。
○:48時間以内にアセトアルデヒドが、70%分解している。
△:48時間以内にアセトアルデヒドが、50%分解している。
×:48時間以内ではアセトアルデヒドが、分解していない。
Figure 0004724416
Figure 0004724416
上記の評価結果から本発明の分散液は従来の分散液に比べて、光触媒性を有する酸化チタンが経時変化しても沈降せず、安定して分散されており、これを使用して調製されたコーティング液から形成される光触媒塗工物に優れた光触媒性を付与するコーティング液であることが実証されている。
本発明によれば、本発明の分散液およびこれを使用したコーティング液は、各種基材にコーティングすることにより、優れた光触媒効果を有する塗工物として有効に使用することができる。

Claims (9)

  1. 光触媒性を有する酸化チタンを、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ジヒドロキシビス(ラクタト)チタニウム、ヒドロキシビス(ラクタト)チタニウム、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタニウム、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタニウム、(エチレングリコラート)チタンビス(ジオクチルフォスフェート)およびテトラキス(エチルアセトアセテート)チタニウムから選ばれる少なくとも1種のチタンキレート化合物を含有する水性媒体中に分散してなることを特徴とする分散液。
  2. 分散液中に分散している前記酸化チタンの平均粒径S(nm)が、1nm≦S≦500nmである請求項1に記載の分散液。
  3. 前記の酸化チタン(a)に対する水溶性金属キレート化合物(b)の配合割合が、b/a=1〜50/100(質量比)である請求項1または2に記載の分散液。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の分散液中に、さらに無機系および/または有機系のバインダーを配合してなることを特徴とするコーティング液。
  5. 前記無機系バインダーが、珪素化合物および珪酸塩から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載のコーティング液。
  6. 前記珪素化合物が、シリカおよび/またはコロイダルシリカである請求項に記載のコーティング液。
  7. 前記珪酸塩が、珪酸リチウムおよび/または珪酸カリウムである請求項に記載のコーティング液。
  8. 前記有機系バインダーが、アクリルエマルジョン、スチレン−アクリルエマルジョンおよびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載のコーティング液。
  9. 請求項のいずれか1項に記載のコーティング液から形成された塗膜を有することを特徴とする光触媒塗工物。
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