JP4724144B2 - 推力加工装置及び推力加工方法 - Google Patents
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請求項1に記載の推力加工装置は、基本推力を出力する基本推力発生手段と該基本推力発生手段により発生する基本推力の前後方向に振幅を有する振動推力を出力する振動推力発生手段とを備え、前記基本推力発生手段と前記振動推力発生手段との両推力を合成した合成推力をワークに与えることでワークを加工する推力加工装置であって、前記基本推力発生手段による基本推力を継続出力状態として、前記振動推力発生手段による振動推力を出力期間と停止期間とを繰り返す間欠出力状態に制御するとともに、前記出力期間は前記合成推力の定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域が完了するタイミングを終期とする期間とし、前記停止期間は次の前記出力期間にて前記合成推力が定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域を回復させる期間とする出力制御手段を備えたことを特徴とする。
このように振動推力を間欠出力することにより、基本推力出力中に、合成推力を初期のみでなく繰り返し定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域となるようにすることができ、定常出力レベルよりも高いレベルの合成推力を加工のための推力として高頻度に利用できる。また、このように出力期間の終期を設定することで、定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域を十分に利用できる。これらのことにより、加工装置を大型化することなく、かつワーク側を変形させることなく、高い推力を加工作業に適用できる。
このように振動推力を間欠出力することにより、基本推力出力中に、合成推力を初期のみでなく繰り返し定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域となるようにすることができ、定常出力レベルよりも高いレベルの合成推力を加工のための推力として高頻度に利用できる。また、このように出力期間の終期を設定することで、定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域を利用できる。これらのことにより、加工装置を大型化することなく、かつワーク側を変形させることなく、高い推力を加工作業に適用できる。
振動子としては、超磁歪素子を用いて磁界の時間的変化により振動させることで、十分大きい振動推力を発生させることができる。そして出力制御手段により上述したごとく制御することで、小型の加工装置でも、ワーク側を変形させることなく高い推力を加工作業に効果的に適用できる。
このように超音波振動子を用いて振動推力を発生させても良い。
推力加工装置としてはこのような圧入加工装置に適用できる。したがって圧入加工装置を大型化することなく、かつワーク側を変形させることなく、高い推力にて圧入加工が可能となる。
推力加工装置としてはこのようなプレス加工装置に適用できる。したがってプレス加工装置を大型化することなく、かつワーク側の不要な変形を起こすことなく、高い推力にてプレス加工が可能となる。
請求項14に記載の推力加工方法は、基本推力と該基本推力の前後方向に振幅を有する振動推力とを合成した合成推力をワークに与えることでワークを加工する推力加工方法であって、前記基本推力を継続出力状態として前記振動推力を出力期間と停止期間とを繰り返す間欠出力状態とするとともに、前記出力期間は前記合成推力の定常出力レベルよりも高いレベルとなる推力領域内であって、前記合成推力が極大となった後のタイミングを終期とする期間とし、前記停止期間は次の前記出力期間にて前記合成推力が定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域を回復できる期間とすることを特徴とする。
このように、間欠出力する振動推力の出力期間を、合成推力の定常出力レベルよりも高いレベルとなる推力領域内であって、前記合成推力が極大となった後のタイミングを終期とする期間とし、振動推力の停止期間は次の出力期間にて合成推力が定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域を回復できる期間としている。
このように振動推力を間欠出力することにより、基本推力出力中に、合成推力を初期のみでなく繰り返し定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域となるようにできるので、定常出力レベルよりも高いレベルの合成推力を加工のための推力として高頻度に利用できる。また、このように出力期間の終期を設定することで、定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域を利用できる。これらのことにより、大型の加工装置を用いずに、かつワーク側を変形させることなく、高い推力にて加工作業を実行することが可能となる。
図1は、上述した発明が適用された圧入加工装置2及びその制御回路を示すブロック図である。圧入加工装置2は、超磁歪振動と空気圧とを利用した圧入装置であり、架台4、エアーシリンダ6(基本推力発生手段及びアクチュエータに相当)及び超磁歪振動子8(振動推力発生手段、振動手段及び振動子に相当)を備えている。架台4は圧入時の応力を受けるためであり、この架台4の上部側基板4aにエアーシリンダ6が固定されている。エアーシリンダ6内のピストンから伸びるピストンロッド6a(駆動部に相当)は上部側基板4aの軸受4bを貫通しており、上部側基板4aと下部側基板4cとの間の空間に配置されている先端部分には超磁歪振動子8を固定している。
次に超磁歪振動子駆動回路22から超磁歪振動子8に対して図3のごとく電流を印加して振動推力を生じさせて、エアーシリンダ6の基本推力に加える(S104)。この超磁歪振動子8の駆動は規定出力期間(t1〜t2)なされる。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
図4はプレス加工装置102及びその制御回路を示すブロック図である。プレス加工装置102は、超磁歪振動と空気圧とを利用したプレス加工装置である。このプレス加工装置102は、架台104、エアーシリンダ106(基本推力発生手段及びアクチュエータに相当)及び超磁歪振動子108(振動推力発生手段、振動手段及び振動子に相当)を備え、これらの各構成は前記実施の形態1の圧入加工装置2(図1)と基本的に同一である。前記実施の形態1と異なるのは、架台104の下部側基板104c上には、ダイ112が配置され、ダイ112上に配置された板状のワーク110を、超磁歪振動子108の加圧端部108aに取り付けたパンチ108bを押し下げて、プレス加工する点である。
(イ).プレス加工においても、前記実施の形態1と同様な効果を生じることができる。
(a).前記各実施の形態においては、基本推力の出力用アクチュエータに、空気圧駆動のアクチュエータに相当するエアーシリンダを用いていたが、この代わりに、液圧駆動のアクチュエータに相当する油圧シリンダを用いても良い。このようなシリンダ型のアクチュエータの代わりに、モータとボールネジとの組み合わせによる圧力装置をアクチュエータとして用いても良い。このようなアクチュエータにおいても超磁歪振動子を支持している構成全体としてダンパー効果が或程度存在する。したがって図2にて述べたごとく振動推力を間欠的に出力することにより、合成推力を高めることができ、推力加工装置を大型化することなく、かつワーク側を変形させることなく、高い推力を加工作業に適用できる。
(c).前記圧入制御処理(図2)において、振動子の規定出力期間の終了と規定停止期間の終了とは、時間経過により判定した。この代わりに、振動子とワークとの間に圧力センサを設けて、この圧力センサにより検出される圧力が、振動子駆動時にダンパー効果により低下した場合に規定出力期間の終了とし、振動子停止時に圧力が回復した場合に規定停止期間の終了と判定しても良い。振動子とワークとの間としては、例えば図1では超磁歪振動子8と加圧端部8aとの間、あるいは加圧端部8aとワーク10との間である。また、圧力センサの配置としては、ワークが受ける圧力を検出できれば良いことから、図1に示した被圧入体12と下部側基板4cとの間に配置しても良い。実施の形態2(図4)の場合では、圧力センサは、超磁歪振動子108と加圧端部108aとの間、加圧端部108aとパンチ108bとの間、あるいはダイ112と下部側基板104cとの間に配置しても良い。
(d).前記圧入制御処理(図2)においては、規定出力期間の終了タイミングは、合成推力の定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域が完了するタイミング(図5のタイミングtc)としていたが、このタイミングtcの前後に近接するタイミングを終期としても良い。
Claims (24)
- 基本推力を出力する基本推力発生手段と該基本推力発生手段により発生する基本推力の前後方向に振幅を有する振動推力を出力する振動推力発生手段とを備え、前記基本推力発生手段と前記振動推力発生手段との両推力を合成した合成推力をワークに与えることでワークを加工する推力加工装置であって、
前記基本推力発生手段による基本推力を継続出力状態として、前記振動推力発生手段による振動推力を出力期間と停止期間とを繰り返す間欠出力状態に制御するとともに、前記出力期間は前記合成推力の定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域が完了するタイミングを終期とする期間とし、前記停止期間は次の前記出力期間にて前記合成推力が定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域を回復させる期間とする出力制御手段を備えたことを特徴とする推力加工装置。 - 基本推力を出力する基本推力発生手段と該基本推力発生手段により発生する基本推力の前後方向に振幅を有する振動推力を出力する振動推力発生手段とを備え、前記基本推力発生手段と前記振動推力発生手段との両推力を合成した合成推力をワークに与えることでワークを加工する推力加工装置であって、
前記基本推力発生手段による基本推力を継続出力状態として、前記振動推力発生手段による振動推力を出力期間と停止期間とを繰り返す間欠出力状態に制御するとともに、前記出力期間は前記合成推力の定常出力レベルよりも高いレベルとなる推力領域内であって、前記合成推力が極大となった後のタイミングを終期とする期間とし、前記停止期間は次の前記出力期間にて前記合成推力が定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域を回復させる期間とする出力制御手段を備えたことを特徴とする推力加工装置。 - 請求項1又は2において、前記基本推力発生手段は、液圧駆動又は空気圧駆動のアクチュエータであり、前記振動推力発生手段は前記アクチュエータの駆動部の先端部分を振動させる振動手段であることを特徴とする推力加工装置。
- 請求項3において、前記アクチュエータはピストンロッドを駆動するエアーシリンダであり、前記振動手段は前記ピストンロッドの先端部分に設けられた振動子であることを特徴とする推力加工装置。
- 請求項4において、前記振動子は、超磁歪素子に対する磁界の時間的変化により振動するものであることを特徴とする推力加工装置。
- 請求項4において、前記振動子は、超音波振動子であることを特徴とする推力加工装置。
- 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記出力制御手段は、前記出力期間と前記停止期間との終了を、経過時間により判定していることを特徴とする推力加工装置。
- 請求項1〜6のいずれかにおいて、ワークが受ける圧力を検出する圧力センサを備え、前記出力制御手段は、前記出力期間と前記停止期間との終了を、前記圧力センサによる圧力変化に基づいて判定することを特徴とする推力加工装置。
- 請求項1〜6のいずれかにおいて、ワークとの間の接触状態を検出する接触センサを備え、前記出力制御手段は、前記出力期間と前記停止期間との終了を、前記接触センサによる接触状態の変化に基づいて判定することを特徴とする推力加工装置。
- 請求項1〜9のいずれかにおいて、ワークを圧入する圧入加工装置として構成されていることを特徴とする推力加工装置。
- 請求項1〜9のいずれかにおいて、ワークをプレスするプレス加工装置として構成されていることを特徴とする推力加工装置。
- 請求項1〜11のいずれかにおいて、ワークに対する加工量検出手段を備え、前記出力制御手段は、前記振動推力の間欠出力回数が基準回数に到達した状態にて前記加工量検出手段が加工完了を示す加工量を検出していない場合には、前記基本推力発生手段による基本推力出力と前記振動推力発生手段による振動推力出力とを停止することを特徴とする推力加工装置。
- 基本推力と該基本推力の前後方向に振幅を有する振動推力とを合成した合成推力をワークに与えることでワークを加工する推力加工方法であって、
前記基本推力を継続出力状態として前記振動推力を出力期間と停止期間とを繰り返す間欠出力状態とするとともに、前記出力期間は前記合成推力の定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域が完了するタイミングを終期とする期間とし、前記停止期間は次の前記出力期間にて前記合成推力が定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域を回復できる期間とすることを特徴とする推力加工方法。 - 基本推力と該基本推力の前後方向に振幅を有する振動推力とを合成した合成推力をワークに与えることでワークを加工する推力加工方法であって、
前記基本推力を継続出力状態として前記振動推力を出力期間と停止期間とを繰り返す間欠出力状態とするとともに、前記出力期間は前記合成推力の定常出力レベルよりも高いレベルとなる推力領域内であって、前記合成推力が極大となった後のタイミングを終期とする期間とし、前記停止期間は次の前記出力期間にて前記合成推力が定常出力レベルよりも高いレベルの推力領域を回復できる期間とすることを特徴とする推力加工方法。 - 請求項13又は14において、前記基本推力は、液圧駆動又は空気圧駆動のアクチュエータにより出力され、前記振動推力は前記アクチュエータの駆動部の先端部分を振動させる振動手段により発生させられることを特徴とする推力加工方法。
- 請求項15において、前記アクチュエータはピストンロッドを駆動するエアーシリンダであり、前記振動手段は前記ピストンロッドの先端部分に設けられた振動子であることを特徴とする推力加工方法。
- 請求項16において、前記振動子は、超磁歪素子に対する磁界の時間的変化により振動するものであることを特徴とする推力加工方法。
- 請求項16において、前記振動子は、超音波振動子であることを特徴とする推力加工方法。
- 請求項13〜18のいずれかにおいて、前記出力期間と前記停止期間との終了を、経過時間により判定していることを特徴とする推力加工方法。
- 請求項13〜18のいずれかにおいて、ワークが受ける圧力を検出する圧力センサによりワークが受ける圧力を検出し、前記出力期間と前記停止期間との終了を、前記ワークが受ける圧力の変化に基づいて判定することを特徴とする推力加工方法。
- 請求項13〜18のいずれかにおいて、ワークとの間の接触状態を検出する接触センサによりワークとの間の接触状態を検出し、前記出力期間と前記停止期間との終了を、ワークとの間の接触状態の変化に基づいて判定することを特徴とする推力加工方法。
- 請求項13〜21のいずれかにおいて、ワークを圧入する圧入加工方法として適用されることを特徴とする推力加工方法。
- 請求項13〜21のいずれかにおいて、ワークをプレスするプレス加工方法として適用されることを特徴とする推力加工方法。
- 請求項13〜23のいずれかにおいて、ワークに対する加工量を検出し、前記振動推力の間欠出力回数が基準回数に到達した状態にて加工完了を示す加工量が検出されていない場合には、前記基本推力の出力と前記振動推力の出力とを停止することを特徴とする推力加工方法。
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