JP4724034B2 - 軸流タービン - Google Patents

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Description

本発明は、軸流タービンに係り、特に、タービンケーシングのタービン軸(タービンロータ)の軸方向に向って形成された拡開流路内に収容されたタービン段落のうち、タービンノズルの翼効率の向上を図った軸流タービンに関する。
近年、発電プラントにおける原動機、例えば蒸気タービンは、出力増加のため高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンのそれぞれに区分け配置し、蒸気発生源から供給される蒸気の熱エネルギを、各タービンで膨張仕事をさせて回転動力を得ているが、回転動力を得る際、各タービンの段落で如何にして膨張仕事を高めるかは発電効率の改善を図る上で重要な課題になっている。特に、高圧タービンは、取り扱う蒸気の圧力を高くさせ、中圧タービンや低圧タービンよりもより多くの膨張仕事をさせている。
このように、蒸気タービンの中で、高圧タービンの占める割合は高いだけに、高圧タービンの段落当りの出力向上は、タービン全体の出力向上につながる重要な意義を持っている。
従来、高圧タービンは、軸流タイプと称してタービン軸の軸方向に沿って流れる蒸気に膨張仕事をさせるタービン段落を複数列にして備えている。
タービン段落は、タービン軸の周方向に沿って列状にして配置するタービンノズルと、列状配置のタービンノズルに対応させたタービン動翼とを組み合せて構成されている。
このように、タービンノズルとタービン動翼を組み合せてタービン段落を構成する軸流タービンのうち、図2は、一般的な軸流タービンを構成するノズル翼列を示す図であって、ノズル翼10がタービン軸(図示せず)の周方向に複数枚、内輪11と外輪12の間で支持され、配設されている。翼高さが比較的低い高圧タービンにおいては、タービン内部効率を低下させる主要因として二次流れ損失がある。これは、図2に示すタービン内部環状流路において、ノズル翼10の内径側壁面13および外径側壁面14の近傍で、翼面圧力が高い腹側から圧力の低い背側に向かって流体が流れようとする流体力15により発生する二次流れ渦16に起因するとされる。このため、一般的に、図3に示すように、ノズル翼10の高さ方向のエネルギー損失分布は、内外径側壁面13,14の近傍に損失の高い領域が現れる。ただし、この領域の高さ方向範囲は翼高さの増加に拘らず、範囲の変化は微小なため、二次流れ損失による効率低下は翼高さの増加に伴い減少していく。
この二次流れ損失を低減するために、ノズル翼10を流体流出側に湾曲させたタービンノズル(以下、湾曲ノズルという)が広く使用されている。図4に一般的な湾曲ノズル形状を示す。湾曲形状を既定する特徴量の一つとして、翼高さ方向の湾曲範囲が挙げられる。湾曲範囲の設定方法は幾つか有るが、代表例の一つとして、図4のように、翼高さの中央部分を極大にし、翼高さ全域に亘って湾曲させ、翼高さの増加に伴って相似拡大するものである。この場合、翼高さの変化に応じて湾曲範囲の絶対値が変化する。
その一方で、湾曲ノズルへの悪影響として、翼高さ中央部分の性能が低下し、二次流れ損失低減による性能向上を相殺する問題がある。これは、湾曲形状の形成によって、内外輪11,12で形成される内外径側壁面13,14に流体を押し付けることで二次流れ損失を抑制する反面、二次流れの影響を、本来受けていない性能良好な翼高さ中央部分の流量が減少するためである。図5に湾曲ノズルと湾曲させていないノズルとの損失分布変化の比較を示す。
翼高さの低い場合は二次流れの影響を抑える効果があり、翼高さ全体として性能向上が期待できる。しかし、翼高さの増加に伴い湾曲の範囲が増加する従来の形状においては、翼高さ中央部分の流量が減少することによる悪影響が増大し、全体として湾曲ノズルによる性能向上量が小さくなるという問題があった。
これを改善する方法として、隣接するタービンノズルにより形成される流路断面形状において、内外輪11,12により形成される内外径側壁面13,14の近傍に限定した曲面で形成する方法が提案されている(特許文献1)。
この手法は、湾曲しない領域が翼高さ中央部にあるため、全体を湾曲させた場合に比較して、翼高さ中央部の流量減少に伴う性能低下を抑制する効果が期待できる。ただし、この手法も湾曲範囲を翼高さに対する比率として定義しており、翼高さの増加に伴い湾曲範囲が広がり、翼高さ中央部の流量減少に伴う性能向上量の低下があると考えられる。
逆に、翼高さの低い場合は湾曲範囲が減少するが、上述の通り、翼高さに拘らず、略一定の範囲の二次流れ領域が存在するため、湾曲範囲の不足により十分な二次流れ抑制効果が得られない問題点が残ると考えられる。
特表2002−517666号公報
上述した通り、比較的翼高さの低い高圧タービンの内部効率を低下させる主な要因として、タービンノズルの根元および先端の壁面近傍に発生する二次流れ渦に起因する損失に着目した。
二次流れ損失を低減する方法として、湾曲ノズルが従来から使用されている。その形状特徴量の一つとして、翼高さ方向の湾曲範囲があるが、決定方法については幾つかの方法が提案されてきた。一つの方法として、翼高さ方向全域に亘り湾曲させ、翼高さの増加に応じて相似拡大する方法である。
このような形状の湾曲ノズルは、上下壁面近傍において、流体を壁面に押し付け、二次流れ損失を抑制する反面、翼高さ中央部では流量が減少し、二次流れの影響を受けていない性能良好な中央部の寄与が低下し、全体として性能向上量を小さくさせる問題点があった。
また二次流れ損失の影響の範囲が翼高さによらず、変化が微小であるにも拘らず、翼高さに応じて湾曲範囲の絶対値が変化してしまう従来の手法では、翼高さの増加に伴い、タービンノズルの出口における流量の分布は著しく内外輪11,12の壁面付近に偏ることとなり、上述した湾曲ノズルの悪影響が増大する問題があった。
その解決方法の一つとして、隣接するタービンノズルによって形成される流路形状を内外輪11,12の上下壁面近傍のみ湾曲させる方法が提案されている(特許文献1)。この形状を用いれば、翼高さ方向における内外輪11,12の上下壁面近傍にのみ湾曲範囲を限定することで、二次流れ損失を抑制しながら、翼高さ中央部分の流量減少を抑制し、全域を湾曲させたノズル翼の欠点を補うことができると考えられる。但し、この手法においても、曲線の範囲は翼高さに対する比率で与えられる。
したがって、翼高さの高い時は、湾曲範囲も広くなり、少なからず翼高さ中央部の流量減少による悪影響が残る。また翼高さの低い時は、湾曲範囲も狭くなるが、二次損失の影響範囲は翼高さによらず、略一定の高さ存在するため、湾曲範囲が不足し、二次損失の抑制効果が十分に得られないことが考えられる。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、内外輪によって支持されるノズル翼の内外径側壁面に生成される二次流れ渦に伴う二次流れ損失を抑制するとともに、ノズル翼の翼高さ中央により多くの流体を流し、より一層の性能向上を図ったタービンノズルを使用する軸流タービンを提供することを目的とする。
本発明に係る軸流タービンは、上述した課題を解決するため、請求項1に記載したように、軸流方向に向って段落を備え、段落をタービンノズルとタービン動翼とで構成し、前記タービンノズルのノズル翼の両端をダイアフラム内輪およびダイアフラム外輪で支持するとともに、流路を上流段落から下流段落に向って拡開路に形成した軸流タービンにおいて、前記ダイアフラム内輪およびダイアフラム外輪で支持された前記ノズル翼の両支持端側の後縁を、軸方向の下流側から見て周方向の流体流出側に向って湾曲形成するとともに、軸方向の下流側から見た前記後縁の中間部分を直線で形成し、かつ、周方向の流体流出側に向う湾曲のうち、ダイアフラム外輪で支持されたダイアフラム外輪支持端側の湾曲高さをHtとし、ダイアフラム内輪で支持されたダイアフラム内輪支持端側の湾曲高さをHrとするとき、ダイアフラム外輪支持端側の湾曲高さHtとダイアフラム内輪支持端側の湾曲高さHrとを、Ht>Hrの関係式を満たす構成としたものである。
本発明に係る軸流タービンは、上述した目的を解決するため、請求項に記載したように、ダイアフラム外輪支持端側の湾曲高さHtは、
[数1]
5mm≦Ht≦50mm
の範囲内に設定したものである。
また、本発明に係る軸流タービンは、上述した目的を解決するため、請求項に記載したように、ダイアフラム内輪支持端側の湾曲高さHrは、
[数2]
5mm≦Hr≦40mm
の範囲内に設定したものである。
また、本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、ノズル翼は、周方向の流体流出側に向う湾曲のうち、ダイアフラム外輪で支持されたダイアフラム外輪支持端側の湾曲と隣接する湾曲とのピッチをTtとし、ダイアフラム内輪で支持されるダイアフラム内輪支持端側の湾曲と隣接する湾曲とのビッチをTrとするとき、ダイアフラム外輪支持端側のビッチTtと、ダイアフラム内輪支持端側ピッチTrとは、Tt>Trの関係式を満たす構成にしたものである。
また、本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、請求項1記載の軸流タービンにおいて、前記ノズル翼の後縁と隣接するノズル翼の背側とのスロートピッチ比の最大値の位置を翼高中央に設定したものである。
また、本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、請求項1〜記載のノズル翼を高圧タービンに適用するものである。
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、請求項1〜5のいずれか1項に記載のノズル翼を適用する高圧タービンは、全ての段落であることを特徴とする。
また、本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、請求項1〜のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、ノズル翼の後縁は、根元部から先端部にかけて、前記軸流タービンの軸流方向に傾斜していることを特徴とする。
また、本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、請求項1〜のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、ノズル翼の後縁は、根元部から先端部にかけて、前記軸流タービンの軸流方向に湾曲していることを特徴とする。
本発明に係る軸流タービンは、ダイアフラム内輪およびダイアフラム外輪で支持されるノズル翼の両支持端側の後縁を流体流出側に湾曲させるとともに、後縁の中間部分を直線で形成し、湾曲の高さ範囲をダイアフラム内輪支持端側に較べてダイアフラム外輪支持端側を高く設定し、翼中央部により多くの流体流量を流す構成にしたので、ノズル翼の両支持端側に生成される二次流れ損失を抑制することと相俟って、より多く増加させた流体流量の下、より多くの膨張仕事をさせ、ノズル性能向上量をより一層増加させることができる。
以下、本発明に係る軸流タービンの実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
図1は、本発明に係る軸流タービンのうち、タービンノズルを抜き出した実施形態を示すもので、タービンノズルの出口側の後縁から見た概念図である。
なお、軸流タービンは、図示しないが、タービンノズルとタービン動翼を組み合せたタービン段落をタービン軸の周方向に沿って配置するとともに、タービン軸の周方向に沿って配置したタービン段落をタービン軸の軸方向に向って軸流配置し、流体流路を上流側から下流側に向って拡開形状に構成したものである。
図1において、ダイアフラム外輪3とダイアフラム内輪2との間に形成される環状の流路4には、複数の翼高さHを有するノズル翼1が周方向に向い、かつ翼高さ中央部でのピッチTの間隔を置いて列状に配設される。
このノズル翼1は翼断面の後縁5を周方向流体流出側に湾曲させたことを特徴とする湾曲ノズルであり、ダイアフラム内輪2側で翼高さ方向の湾曲高さ範囲Hr(mm)、ダイアフラム外輪3側で湾曲範囲Ht(mm)を有し、その他の高さ範囲H−(Hr+Ht)では湾曲させず直線のままとなるよう形成されている。
このような構成を備えた本発明に係る軸流タービンと、図6に示す従来の、翼高さ方向全域を湾曲させた、いわゆるコンパウンドリーンタイプのタービンノズルとのノズルエネルギ損失値を比較してみると、そのエネルギ損失値は、図7に示すように、翼高さ全域湾曲ノズルが、ダイアフラム内外輪2,3の上下壁面近傍(翼根元部、翼先端部)で二次流れ損失の極大値が低下しているものの、翼高さ中央部分の二次流れ損失が上昇している。なお、図6は、ダイアフラム内外輪2,3で支持されたノズル翼1の後縁1aを示し、タービンノズルの出口側から見た図である。
これに対し、本実施形態に係る軸流タービンは、ダイアフラム内外輪2,3の上下壁面近傍(翼根元部および翼先端部)で二次流れ損失を低減させながら、翼高さ中央部分でも二次流れ損失の上昇を抑えている。
したがって、二次流れ損失を低減させるには、翼高さ全域に亘って湾曲させる必要がなく、湾曲の高さ範囲をダイアフラム内外輪2,3近傍に設定するだけで足ることが分かる。
また、二次流れ損失の範囲は、ノズル翼1,1間のピッチTの増加とともに広がる関係があり、図1で示したノズル翼1の翼先端部のピッチTtとし、ノズル翼1の翼根元部のピッチTrとすると、翼先端部ピッチTtと翼根元部のピッチTrとの関係式は、Tr<Ttになる。
このような事象を踏まえてノズルエネルギ損失分布を考察すると、二次流れ渦の影響に伴うエネルギ損失範囲は、図3に示すように、ノズル翼1の翼根元部に較べて翼先端部の方が広くなっていることが分かった。
したがって、本実施形態では、二次流れ損失を最低限の湾曲高さ範囲で最大限に抑制するために、翼根元部湾曲高さ範囲Hrと翼先端部湾曲高さ範囲Htとの関係式を、HtHrの範囲で設定される。
図8は、ノズル翼1の翼根元部湾曲高さ範囲Hrを独立に変化させたときのノズル性能向上量を表わす線図である。
この線図から、範囲M、つまり最低5mmの湾曲高さ範囲を確保しなければノズル性能向上量が低く、また、40mm以上の湾曲高さ範囲を設定してもノズル性能向上量が減少していることが理解される。
また、二次流れ渦に伴う二次流れ損失の低減化は、図9のノズル性能向上量線図に示すように、翼根元部湾曲高さ範囲Hrがどれだけ広くなっても、ある一定の量に漸近すると考えられる。また、翼高さ中央部分の流量減少に伴うノズル効率低下は、湾曲高さ範囲が長過ぎることにより、負の要因として支配的になっていくと考えられる。
図10は、ノズル翼1の翼先端部湾曲高さ範囲Htを独立に変化させたときのノズル性能向上量を表わす線図である。
この線図から、範囲N、つまり最低5mmの湾曲高さ範囲を確保しなければノズル性能向上量が低く、また、50mm以上の湾曲高さ範囲を設定してもノズル性能向上量が減少していることが理解される。
翼先端部では、翼根元部に較べて相対的に広い範囲の湾曲でもノズル性能向上が得られている。これは、上述のとおり、ノズル翼1,1間のピッチが翼根元部に較べて広くなる翼先端部で二次流れ範囲がもともと広くなることと関係付けて理解される。
さらに、図11に、ノズル翼長(翼高さ)を変化させ、高圧タービン初段落、中間段落、最終段落の各段落における翼長を模擬した解析によるノズルエネルギ損失分布の比較を示す。
この図から、ノズル翼1の翼根元部および翼先端部の翼長に対する二次流れ損失範囲の変化は微少であることが分った。
すなわち、高圧タービンの全段落に湾曲を備えたノズル翼を適用した場合、ある翼高さ(翼長)の段落でのノズル翼1の翼根元部および翼先端部での二次流れ影響範囲を三次元流体解析や試験結果等から確定すれば、その範囲から決定したノズル翼1の湾曲範囲は、翼高さの異なる段落へ適用する場合においても、殆ど変更する必要性がないことを示している。
この特性を巧みに利用することで、細かく幾何学的条件の異なる多段落で構成される軸流タービンの各段落に適正なノズル翼1の湾曲を探索する手間を省くことができる。
また、本実施形態に係る軸流タービンの全段落で充分な二次流れ損失の低減化を図ることで、二次流れの影響の小さい翼高さ中央部分に与える湾曲ノズルはノズル性能低下を最小限にとどめることができる。
また、ノズル翼1の湾曲範囲を翼高さに対する比で与えれば、折角確定した必要最低限の湾曲範囲が段落毎に変化してしまうことになり、翼高の低いところでは湾曲範囲も狭くなり、翼高の高いところでは広くなる。翼高さの高低によっても殆ど二次流れ影響範囲の変化しないノズル翼1に対し、このような湾曲範囲設定方法を採用すれば、翼高の低いところで湾曲範囲の不足、翼高の高いところで過大な湾曲範囲にすることが考えられ、ある翼高さで決定した最良の形態が、他の段落で実現できない可能性がある。
しかし、本実施形態に係る湾曲を備えたノズル翼1は、他の翼形状を組み合せてもノズル性能が向上すると考えられる。
すなわち、例えば、図12に示すように、ノズル翼1の後縁5と隣接するノズル翼1の背側6との最短距離Sと、ノズル翼1,1間のピッチTとのノズルスロート比S/Tの最大値位置を翼高さ中央部に設定するノズル翼1では、出口流量分布をより多くして、ノズル性能をより高く維持させている。
このような翼配置形状に、本実施形態に係る湾曲を備えたノズル翼を組み合せれば、図13に示すように、従来のノズル翼に較べ湾曲による翼高さ中央部の流量低下を補うことができ、さらに高い性能向上量のノズル翼を実現することができる。
図14、図15は、本実施の形態に係る湾曲を備えたノズル翼を適用することが可能な種々の軸流タービンの段落に関する子午面における断面図を示したものである。図14および図15においては、1はノズル翼、2はノズルダイアフラム内輪、3はノズルダイアフラム外輪、17はタービンロータ(ロータディスク)、18はタービン動翼を示す。
図14に示したノズル翼1においては、子午面、つまりタービンロータ105の回転軸を含む断面における後縁線が、その根元部から先端部にかけて、タービンロータ105の軸方向、つまり軸流方向に対して傾斜している。
また、図15に示したノズル翼1においては、同様に子午面におけるノズル翼1の後縁線が、軸流方向に下流側へ湾曲している。
本実施の形態に係る湾曲は流体流出方向、つまり軸流タービンの円周方向に湾曲を形成するものであるから、図14や図15で示した軸流方向への傾斜や湾曲を有するノズル翼1と組み合せることが可能であり、このようなノズル翼1とすることでより性能を向上することができる。
このように、本実施形態は、ダイアフラム内輪およびダイアフラム外輪で支持されるノズル翼の両支持端側の後縁を流体流出側に湾曲させるとともに、後縁の中間部分を直線に形成する一方、湾曲高さ範囲をダイアフラム内輪支持端側に較べてダイアフラム外輪支持端側を高く設定したので、二次流れ損失の抑制とともに翼中央部への流体流量の増加の下、より多くの膨張仕事をさせ、ノズル性能向上をより一層増加させることができる。
本発明に係る軸流タービンに適用するノズル翼であり、ノズル翼の出口側から見た概念図。 従来の軸流タービンにおいて、ノズル翼を通過する流体の挙動を示す図。 従来の軸流タービンに適用するノズル翼のエネルギ損失を示す線図。 従来の軸流タービンに適用するノズル翼を示す概念図。 従来の軸流タービンに適用する他のノズル翼のエネルギ損失を示す線図。 従来の軸流タービンに適用する他のノズル翼を示す概念図。 従来の軸流タービンに適用するノズル翼のエネルギ損失と、本発明に係る軸流タービンに適用するノズル翼のエネルギ損失とを比較するノズルエネルギ損失比較線図。 本発明に係る軸流タービンに適用するノズル翼の翼根元部に湾曲を形成したときのノズル効率向上量を示す線図。 ノズル翼の翼根元部に湾曲を形成したときのノズル性能変化の要因を分解する図。 本発明に係る軸流タービンに適用するノズル翼の翼先端部に湾曲を形成したときのノズル効率向上量を示す線図。 タービンの初段落、中間段落、最終段落の各段落におけるノズル翼高さ変化とノズルエネルギ損失との関係を示す図。 ノズル翼と隣接するノズル翼とのノズルスロート比を説明する図。 従来の軸流タービンに適用するノズル翼の翼根元部から翼先端部に至るまでのスロートを通る流体量と本発明に係る軸流タービンに適用するノズル翼の翼根元部から翼先端部に至るまでのスロートを通る流体量とを比較する線図。 本発明に係る軸流タービンを適用することが可能なノズル翼を備えるタービン段落の子午面における断面図。 本発明に係る軸流タービンを適用することが可能な別のノズル翼を備えるタービン段落の子午面における断面図。
符号の説明
1 ノズル翼
1a 後縁
2 ダイアフラム内輪
3 ダイアフラム外輪
4 流路
5 後縁
6 背側
10 ノズル翼
11 内輪
12 外輪
13 内径側側面
14 外径側側面
15 流体力
16 二次流れ渦
17 タービンロータ(ロータディスク)
18 タービン動翼

Claims (9)

  1. 軸流方向に向って段落を備え、段落をタービンノズルとタービン動翼とで構成し、前記タービンノズルのノズル翼の両端をダイアフラム内輪およびダイアフラム外輪で支持するとともに、流路を上流段落から下流段落に向って拡開路に形成した軸流タービンにおいて、前記ダイアフラム内輪およびダイアフラム外輪で支持された前記ノズル翼の両支持端側の後縁を、軸方向の下流側から見て周方向の流体流出側に向って湾曲形成するとともに、軸方向の下流側から見た前記後縁の中間部分を直線で形成し、かつ、
    周方向の流体流出側に向う湾曲のうち、ダイアフラム外輪で支持されたダイアフラム外輪支持端側の湾曲高さをHtとし、ダイアフラム内輪で支持されたダイアフラム内輪支持端側の湾曲高さをHrとするとき、ダイアフラム外輪支持端側の湾曲高さHtとダイアフラム内輪支持端側の湾曲高さHrとを、Ht>Hrの関係式を満たす構成としたことを特徴とする軸流タービン。
  2. ダイアフラム外輪支持端側の湾曲高さHtは、
    5mm≦Ht≦50mm
    の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1記載の軸流タービン。
  3. ダイアフラム輪支持端側の湾曲高さHrは、
    5mm≦Hr40mm
    の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1又は2載の軸流タービン。
  4. ノズル翼は、周方向の流体流出側に向う湾曲のうち、ダイアフラム外輪で支持されたダイアフラム外輪支持端側の湾曲と隣接する湾曲とのピッチをTtとし、ダイアフラム内輪で支持されるダイアフラム内輪支持端側の湾曲と隣接する湾曲とのビッチをTrとするとき、ダイアフラム外輪支持端側のビッチTtと、ダイアフラム内輪支持端側ピッチTrとは、Tt>Trの関係式を満たす構成にしたことを特徴とする請求項記載の軸流タービン。
  5. 請求項1記載の軸流タービンにおいて、前記ノズル翼の後縁と隣接するノズル翼の背側とのスロートピッチ比の最大値の位置を翼高中央に設定したことを特徴とする軸流タービン。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のノズル翼を高圧タービンに適用することを特徴とする軸流タービン。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項記載のノズル翼を適用する高圧タービンは、全ての段落であることを特徴とする軸流タービン。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、ノズル翼の後縁は、根元部から先端部にかけて、前記軸流タービンの軸流方向に傾斜していることを特徴とする軸流タービン。
  9. 請求項1〜のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、ノズル翼の後縁は、根元部から先端部にかけて、前記軸流タービンの軸流方向に湾曲していることを特徴とする軸流タービン。
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