JPH10220202A - 軸流タービン - Google Patents

軸流タービン

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JPH10220202A
JPH10220202A JP2471897A JP2471897A JPH10220202A JP H10220202 A JPH10220202 A JP H10220202A JP 2471897 A JP2471897 A JP 2471897A JP 2471897 A JP2471897 A JP 2471897A JP H10220202 A JPH10220202 A JP H10220202A
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Kiyoshi Segawa
瀬川  清
Yoshio Kano
芳雄 鹿野
Norio Yasugadaira
紀雄 安ヶ平
Yoshiaki Yamazaki
義昭 山崎
Kuniyoshi Tsubouchi
邦良 坪内
Naoaki Shibashita
直昭 柴下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】二次流れや境界層の発達を効果的に抑制するこ
とができ、流体損失の少ない段落を備えた軸流タービン
を提供する。 【解決手段】周方向に湾曲した静翼3または動翼から構
成される段落を軸方向に複数段備えている軸流タービン
において、前記静翼3または動翼の周方向湾曲量δc
1を、前段側では大きく後段側では小さく形成するよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軸流タービンに係わ
り、特に周方向に湾曲した静翼または動翼から構成され
る段落を複数段備えている軸流タービンに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、蒸気タービンやガスタービン等の
軸流タービンでは、翼を3次元的に湾曲させたり捻りを
加えたりする翼構造、いわゆる3次元設計翼が採用され
ている。例えば、軸方向下流側から翼をみたときに、翼
後縁線が半径方向線に対して湾曲した構造がある。一
方、子午面側から翼をみたときに、軸方向上流側に湾曲
した構造がある。これら翼構造を採用することにより、
翼面の法線方向に翼力が作用し、流体が側壁方向に押し
つけられるため、側壁近傍の境界層や二次流れの発達を
抑制することができる。
【0003】この3次元設計翼の従来例としては、静翼
または動翼単体に対して、半径方向のスタッキング方法
を規定したものがある。これらの方法では個々の静翼ま
たは動翼のスタッキング形状は規定できるが、他の段落
に適用したときの形状差(例えば湾曲量)について言及
されていないので、実際のタービンコンポーネントに適
用する際の適用方法については不明であった。
【0004】なお、この種の軸流タービンに関連するも
のとしては、例えば特開昭63−212704号公報あ
るいは特開平8−109803号公報などが挙げられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】軸流タービンの翼間流
路では、流路の曲がりにより遠心力が発生し、これと圧
力勾配との不均衡により二次流れ渦が発生する。すなわ
ち、翼間上下側壁に発達する境界層内では、周方向の圧
力勾配が遠心力を卓越することになり、周方向に速度成
分が生じ一対の渦を形成する。この渦は二次流れ渦と呼
ばれ側壁近傍を中心に発達し、流体損失の原因となる。
【0006】図13の(a)および(b)には、それぞ
れ翼長の短い翼(翼長:H1)および長い翼(翼長:
2)の翼長方向における損失分布の概念が示されてい
る。図中h1,h2は、それぞれ翼長H1,H2に対応した
側壁近傍の二次流れ範囲である。二次流れの翼長方向分
布範囲は、翼列入口境界層の発達状態(境界層厚さや乱
れ度等)や流路の曲率などにより変わってくるが、大ま
かに言えば、図に示されているように翼長が変化しても
二次流れの分布範囲は大きく変わらない、すなわちh1
≒h2としてよい場合が多い。
【0007】例えば蒸気タービンの場合、高中圧タービ
ンの前段側で使用するような翼で構成される流路では、
後段側で使用するような翼で構成される流路に比べて、
翼長方向に占める二次流れ領域の割合が大きい。軸流タ
ービンコンポーネントでは前段側に配置される翼長の短
い翼の場合、軸方向からみたときの翼根元位置を通る半
径方向放射線からの周方向湾曲形状の最大湾曲量、また
は子午面における翼根元の軸方向位置から軸方向湾曲形
状の最大湾曲量をある程度大きくしないと、翼長方向に
広く発達した二次流れに対して効果が上がらない。
【0008】一方、後段側に配置される翼長の長い翼の
場合、軸方向からみたときの翼根元位置を通る半径方向
放射線からの周方向湾曲形状の最大湾曲量、または子午
面における翼根元の軸方向位置から軸方向湾曲形状の最
大湾曲量を過大にすると、翼中央部付近で二次流れの影
響が少ない場合には損失が増加してしまう恐れがあっ
た。
【0009】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、二次流れや境界層の発達を効果的
に抑制することができるこの種の段落を備えた軸流ター
ビンを提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、周方
向に湾曲した静翼または動翼から構成される段落を軸方
向に複数段備えている軸流タービンにおいて、前記静翼
または動翼の周方向湾曲量を、前段側では大きく後段側
では小さく形成するようにし所期の目的を達成するよう
にしたものである。
【0011】また、周方向に湾曲した翼が並設された段
落を軸方向に複数段備えている軸流タービンにおいて、
前記翼の周方向湾曲量を、前段側では大きく後段側に向
かうにしたがい小さくするようにしたものである。また
この場合、前記静翼または動翼を、軸方向にも湾曲形成
されるようにしたものである。
【0012】また、タービンコンポーネント内に周方向
に湾曲した静翼または動翼から構成される段落を複数段
備えている軸流タービンにおいて、前記静翼または動翼
の周方向湾曲量を、前記タービンコンポーネントの前段
側で大きく、後段側で小さくするようにしたものであ
る。またこの場合、前記1つのタービンコンポーネント
内の前段側と後段側が隣り合わない段落、あるいは前記
1つのタービンコンポーネント内の前段側と後段側が連
続した段落としたものである。
【0013】また、前記タービンコンポーネントを複数
有するとともに、それぞれのタービンコンポーネント内
にそれぞれ前段側と後段側を一つずつもつように形成し
たものである。
【0014】すなわちこのように形成された軸流タービ
ンであると、段落に、周方向に湾曲した三次元設計翼を
適用した場合、前段側で使用するような翼長の短い翼で
は、後段側で使用するような翼長の長い翼に比べて、翼
長方向に占める二次流れ領域の割合が大きいので、前者
では湾曲量を大きく、後者では湾曲量を小さくすること
により、二次流れや境界層の発達を効果的に抑制するこ
とができるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施例を図
1から図6により説明する。図1は典型的な蒸気タービ
ンプラントの主要構成要素の模式図である。図示しない
ポンプで昇圧された給水14は、ボイラ11で高温高圧
の加熱蒸気となり高圧タービンコンポーネント8の入口
16に入る。
【0016】高圧タービンコンポーネント8で仕事をし
た蒸気は、出口17からボイラ11に戻り再度加熱さ
れ、中圧タービンコンポーネント9の入口18に入る。
中圧タービンコンポーネント9で仕事をした蒸気は出口
19から排気され、連絡管を通って低圧タービンコンポ
ーネント10a、10bの入口20に入る。本実施例の
ような複流排気の低圧タービンコンポーネントの場合
は、入口20から左右に蒸気が分流し、最終的にはター
ビン出口21a、21bから蒸気15は復水器へと導か
れる。
【0017】図中13は各タービンコンポーネントをつ
なぐロータで、発電機12を回転させる。ここで、本発
明でいうタービンコンポーネントとは、高圧タービン、
中圧タービン、低圧タービンのいずれかまたはこれらの
組み合わせである。
【0018】図2および図4は本発明タービンに使用さ
れる静翼であり、蒸気タービンを構成する各コンポーネ
ント内の前段側に用いるものである。一方、図3および
図5は本発明タービンに使用される静翼であり、蒸気タ
ービンを構成する各コンポーネント内の後段側に用いる
ものである。
【0019】この図2および図3は、本発明の蒸気ター
ビンコンポーネントで使用される静翼を下流側の軸方向
からみたときの静翼後縁線の図であり、図4および図5
は、本発明の蒸気タービンコンポーネントで使用される
静翼を子午面からみたときの翼の前縁線と後縁線の図で
ある。これらの図に示されているように、静翼後縁線3
は動翼回転方向4に向かい、静翼圧力面側に突き出すう
ように周方向に湾曲している。静翼前縁線5は、図4お
よび図5に示すように上流側に突き出すように軸方向に
湾曲している。
【0020】このような翼形状を採用することにより、
根元と先端付近で流れを側壁方向に押しつけ、側壁に発
達した境界層や二次流れの発達を抑制することができ
る。ただし、図2および図3で示す実施例において、周
方向湾曲量をいたずらに大きくすることは、側壁近傍の
流れの流出角を設計点から軸方向に偏向させることにな
り、流出角の観点からは好ましいことではない。
【0021】これを改善するために、図4および図5で
は周方向に湾曲せずに、軸方向のみに湾曲させることに
より、翼出口部での流出角に影響を与えずに側壁に発達
した境界層や二次流れの発達を抑制することができる。
したがって、周方向と軸方向の湾曲を組み合わせた翼の
方が流出角の偏向を最小限に押さえつつ、二次流れを効
果的に抑制できる。
【0022】軸方向からみたときの翼根元位置を通る半
径方向放射線からの周方向湾曲形状の最大湾曲量を、前
段側、後段側でそれぞれδc1、δc2、子午面における翼
根元の軸方向位置から軸方向湾曲形状の最大湾曲量を、
前段側、後段側でそれぞれδc3、δc4とする。与えられ
た翼長に対して過大な周方向または軸方向の最大湾曲量
を与えると損失が増大する。すなわち、翼長に対して適
切な周方向の最大湾曲量(この場合δc1またはδc2)ま
たは軸方向の最大湾曲量(この場合δc3またはδc4)を
与える必要がある。
【0023】本発明では、図2および図3に示すよう
に、前段側で使用するような翼長の短い翼の周方向の最
大湾曲量δc1と、後段側で使用するような翼長の長い翼
の周方向の最大湾曲量δc2は、δc1>δc2なる関係を満
たすが必要がある。一方、図4および図5に示すよう
に、前段側で使用するような翼長の短い翼の軸方向の最
大湾曲量δc3、後段側で使用するような翼長の長い翼の
軸方向の最大湾曲量δc4は、δc3>δc4なる関係を満た
すが必要がある。
【0024】これにより、前段側で使用するような翼長
の短い翼では、後段側で使用するような翼長の長い翼に
比べて、翼長方向に占める二次流れ領域の割合が大きい
ので、前者ではδc1またはδc3を大きく、後者ではδc2
またはδc4を小さくして二次流れや境界層の発達を効果
的に抑制することができる。
【0025】図6に、図2から図5で示した静翼を、実
際の蒸気タービンの高圧タービンコンポーネントに適用
した実施例を示す。図に示すようにボイラを出た蒸気が
高圧タービンコンポーネント34の入口22に達し、各
段落で仕事をした後、出口23から排気される。図の斜
線部28、29は、タービンコンポーネント34内の静
翼および動翼からなる一段落を示し、それぞれ前段側2
8、後段側29を表している。
【0026】本実施例は、前段側28と後段側29が1
つのタービンコンポーネント内で隣り合わない場合であ
る。本実施例によると、前段側28に図2または図4で
示した静翼を適用し、後段側29に図3または図5で示
した静翼を適用する。
【0027】図6で示すような1タービンコンポーネン
ト内の二つの段落28、29内に用いる静翼は、前段側
より後段側の方が翼長が長いので、周方向および軸方向
の湾曲量を比較すると、δc1>δc2またはδc3>δc4な
る関係を満たす必要がある。以上のような構成にする
と、1タービンコンポーネント内において、二次流れの
翼長方向分布に応じた周方向または軸方向の湾曲量を規
定できるという効果がある。
【0028】本発明による第2の実施例を図7を用いて
説明する。図7に、図2から図5で示した静翼を、実際
の蒸気タービンの高圧タービンコンポーネントに適用し
た実施例を示す。蒸気の流れは、図6の場合と同様であ
り、第1の実施例と異なる点は前段側および後段側の位
置である。本実施例は前段側30と後段側31が連続す
る場合である。図の斜線部30、31は、タービンコン
ポーネント35内の静翼および動翼からなる一段落を示
し、それぞれ前段側30、後段側31を表している。
【0029】本実施例によると、前段側30に図2また
は図4で示した静翼を適用し、後段側31に図3または
図5で示した静翼を適用する。図7で示すような1ター
ビンコンポーネント内の2つの連続する段落30、31
内に用いる静翼は、前段側より後段側の方が翼長が長い
ので、周方向および軸方向の湾曲量を比較すると、δc1
>δc2またはδc3>δc4なる関係を満たす必要がある。
本実施例は、第1の実施例と同様な効果がある。
【0030】上記第1および第2の実施例は、蒸気ター
ビンの高圧タービンに関するものであるが、蒸気タービ
ンの中圧タービンに適用しても同様な効果が得られる。
また本実施例を適用すれば、蒸気タービンに限らずガス
タービン等の他の軸流タービンコンポーネントに対して
も同様な効果が得られる。図2から図5は軸流タービン
の静翼を例にとったが、動翼に適用しても本実施例と同
様な効果が得られる。本実施例では周方向湾曲した翼と
軸方向に湾曲した翼を別々に扱ったが、これらを組み合
わせた翼を適用しても本実施例と同様な効果が得られ
る。
【0031】本発明による第3の実施例を図8を用いて
説明する。図8に、図2から図5で示した静翼を、実際
の蒸気タービンの高圧および中圧タービンコンポーネン
トに適用した実施例を示す。図に示すようにボイラ11
を出た蒸気が高圧タービンコンポーネント36の入口2
4に達し、各段落で仕事をした後、出口25から排気さ
れ、再びボイラ11で加熱され、中圧タービンコンポー
ネント37の入口26に入る。
【0032】中圧タービンコンポーネント37で仕事を
した蒸気は出口27から排気され、図示しない低圧ター
ビンコンポーネントに入る。本実施例は、前段側33と
後段側32が2つのタービンコンポーネントに分かれる
場合である。図8の斜線部32、33は、それぞれ高圧
タービンコンポーネントおよび中圧タービンコンポーネ
ントにおけるそれぞれのコンポーネント内の静翼および
動翼からなる一段落を示している。
【0033】この場合翼長の短い方を前段側、翼長の長
い方を後段側と定義すると、第1の実施例または第2の
実施例で述べたことがそのまま当てはまる。すなわち、
前段側33に図2または図4で示した静翼を適用し、後
段側32に図3または図5で示した静翼を適用する。前
段側より後段側の方が翼長が長いので、周方向および軸
方向の湾曲量を比較すると、δc1>δc2またはδc3>δ
c4なる関係を満たす必要がある。以上のような構成にす
ると、2つのタービンコンポーネントに前段側と後段側
が分かれて存在しても、他の実施例と同様に、二次流れ
の翼長方向分布に応じた周方向または軸方向の湾曲量を
規定できるという効果がある。
【0034】上記第3の実施例は、蒸気タービンの高圧
および中圧タービンに関するものであるが、蒸気タービ
ン以外のガスタービン等の軸流タービンコンポーネント
に適用しても同様な効果が得られる。図2から図5は軸
流タービンの静翼を例にとったが、動翼に適用しても本
実施例と同様な効果が得られる。本実施例では周方向湾
曲した翼と軸方向に湾曲した翼を別々に扱ったが、これ
らを組み合わせた翼を適用しても本実施例と同様な効果
が得られる。
【0035】本発明による第4の実施例を図9から図1
2により説明する。図9および図11は本発明に使用さ
れる静翼であり、蒸気タービンを構成する各コンポーネ
ント内の前段側に用いるものである。一方、図10およ
び図12は本発明に使用される静翼であり、蒸気タービ
ンを構成する各コンポーネント内の後段側に用いるもの
である。
【0036】図9および図10は、本発明の蒸気タービ
ンコンポーネントで使用される静翼を下流側の軸方向か
らみたときの静翼後縁線の図である。一方、図11およ
び図12は、本発明の蒸気タービンコンポーネントで使
用される静翼を子午面からみたときの翼の前縁線と後縁
線の図である。
【0037】図2から図5を用いた実施例では、根元と
先端付近で流れを側壁方向に押しつけ、側壁に発達した
境界層や二次流れの発達を抑制できることはすでに述べ
たが、側壁以外の翼中央部付近で二次流れの影響が少な
い場合、多少損失を増加させる傾向があった。
【0038】これを改善するために、本実施例では、図
9および図10に示すように、静翼後縁線3は動翼回転
方向4に向かうように、上下側壁近傍のみ周方向に湾曲
形状をし、翼長中央部を挟んだその他の部分は少なくと
も一区間直線形状をもつような形状にする。図11およ
び図12に示すように、静翼前縁線5上流側に突出する
ように、上下側壁近傍のみ軸方向に湾曲形状をし、翼長
中央部を挟んだその他の部分は少なくとも一区間直線形
状をもつような形状にする。
【0039】このような翼形状を採用することにより、
翼長中央部付近で損失の増加を招くことなく、根元と先
端付近で流れを側壁方向に押しつけ、側壁に発達した境
界層や二次流れの発達を抑制することができる。ここ
で、軸方向からみたときの翼根元位置を通る半径方向放
射線からの周方向湾曲形状の最大湾曲量を、前段側、後
段側でそれぞれδc5、δc6、子午面における翼根元の軸
方向位置から軸方向湾曲形状の最大湾曲量を、前段側、
後段側でそれぞれδc7、δc8とする。
【0040】与えられた翼長に対して過大な周方向また
は軸方向の最大湾曲量を与えると損失が増大する。すな
わち、翼長に対して適切な周方向の最大湾曲量(この場
合δc5またはδc6)または軸方向の最大湾曲量(この場
合δc7またはδc8)を与える必要がある。本発明では、
図9および図10に示すように、前段側で使用するよう
な翼長の短い翼の周方向の最大湾曲量δc5と、後段側で
使用するような翼長の長い翼の周方向の最大湾曲量δc6
は、δc5>δc6なる関係を満たすが必要がある。
【0041】一方、図11および図12に示すように、
前段側で使用するような翼長の短い翼の軸方向の最大湾
曲量δc7、後段側で使用するような翼長の長い翼の軸方
向の最大湾曲量δc8は、δc7>δc8なる関係を満たすが
必要がある。これにより、前段側で使用するような翼長
の短い翼では、後段側で使用するような翼長の長い翼に
比べて、翼長方向に占める二次流れ領域の割合が大きい
ので、前者ではδc5またはδc7を大きく、後者ではδc6
またはδc8を小さくして二次流れや境界層の発達を効果
的に抑制することができる。
【0042】本実施例は、第1、第2および第3の実施
例と同様、蒸気タービンの高圧タービンまたは中圧ター
ビンに適用しても同様な効果が得られる。また本実施例
を適用すれば、蒸気タービンに限らずガスタービン等の
他の軸流タービンコンポーネントに対しても同様な効果
が得られる。図9から図12は軸流タービンの静翼を例
にとったが、動翼に適用しても本実施例と同様な効果が
得られる。本実施例では周方向湾曲した翼と軸方向に湾
曲した翼を別々に扱ったが、これらを組み合わせた翼を
適用しても本実施例と同様な効果が得られる。
【0043】以上説明してきたようにこのように形成さ
れた軸流タービンであると、タービンコンポーネント内
の2つの段落に、周方向または軸方向に湾曲した三次元
設計翼を適用した場合、前段側で使用するような翼長の
短い翼では、後段側で使用するような翼長の長い翼に比
べて、翼長方向に占める二次流れ領域の割合が大きいの
で、前者では湾曲量を大きく、後者では湾曲量を小さく
することにより、二次流れや境界層の発達を効果的に抑
制することができる。
【0044】またこのとき、前段側より後段側の方が翼
長が長いので、周方向または軸方向の湾曲量は、前段側
の方を大きくする必要がある。以上のような構成にする
と、タービンコンポーネント内において、二次流れの翼
長方向分布に応じた周方向または軸方向の湾曲量を規定
できるという効果がある。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、二次流れや境界層の発達を効果的に抑制することが
でき、流体損失の少ない段落を備えた軸流タービンを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸流タービンコンポーネントの主要構
成要素の模式図である。
【図2】本発明に使用する静翼を下流側の軸方向からみ
たときの静翼の傾きを示す図である。
【図3】本発明に使用する静翼を下流側の軸方向からみ
たときの静翼の傾きを示す図である。
【図4】本発明の静翼を子午面からみた図である。
【図5】本発明の静翼を子午面からみた図である。
【図6】本発明のタービンコンポーネントを示す図であ
る。
【図7】本発明のタービンコンポーネントを示す図であ
る。
【図8】本発明のタービンコンポーネントを示す図であ
る。
【図9】本発明に使用する静翼を下流側の軸方向からみ
たときの静翼の傾きを示す図である。
【図10】本発明に使用する静翼を下流側の軸方向から
みたときの静翼の傾きを示す図である。
【図11】本発明の静翼を子午面からみた図である。
【図12】本発明の静翼を子午面からみた図である。
【図13】翼長方向の損失分布の比較を示す図である。
【符号の説明】
1…上部ダイヤフラム、2…下部ダイヤフラム、3…静
翼、4…動翼回転方向、5…静翼前縁、6…静翼後縁、
7…流れ方向、8…高圧タービン、9…中圧タービン、
10a…低圧タービン、10b…低圧タービン、11…
ボイラ、12…発電機、13…タービンロータ、14…
給水、15…復水器へ向かう蒸気、16…高圧タービン
入口、17…高圧タービン出口、18…中圧タービン入
口、19…中圧タービン出口、20…低圧タービン入
口、21a…低圧タービン出口、21b…低圧タービン
出口、22…タービン入口、23…タービン出口、24
…タービン入口、25…タービン出口、26…タービン
入口、27…タービン出口、28…前段側、29…後段
側、30…前段側、31…後段側、32…後段側、33
…前段側、34…タービンコンポーネント、35…ター
ビンコンポーネント、36…タービンコンポーネント、
37…タービンコンポーネント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 義昭 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 坪内 邦良 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 柴下 直昭 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に湾曲した翼が並設された段落を
    軸方向に複数段備えている軸流タービンにおいて、 前記翼の周方向湾曲量を、前段側では大きく後段側では
    小さく形成するようにしたことを特徴とする軸流タービ
    ン。
  2. 【請求項2】 周方向に湾曲した翼が並設された段落を
    軸方向に複数段備えている軸流タービンにおいて、 前記翼の周方向湾曲量を、前段側では大きく後段側に向
    かうにしたがい小さくするようにしたことを特徴とする
    軸流タービン。
  3. 【請求項3】 タービンコンポーネント内に周方向に湾
    曲した静翼または動翼から構成される段落を複数段備え
    ている軸流タービンにおいて、 前記静翼または動翼の周方向湾曲量を、前記タービンコ
    ンポーネントの前段側で大きく、後段側で小さくするよ
    うにしたことを特徴とする軸流タービン。
  4. 【請求項4】 前記静翼または動翼が、軸方向にも湾曲
    形成されたものである請求項3記載の軸流タービン。
  5. 【請求項5】 前記前段側に配置されている翼の翼長は
    短かく、後段側に配置されている翼の翼長が長く形成さ
    れている請求項3または4記載の軸流タービン。
  6. 【請求項6】 前記1つのタービンコンポーネント内の
    前段側と後段側が隣り合わない段落である請求項3,4
    または5記載の軸流タービン。
  7. 【請求項7】 前記1つのタービンコンポーネント内の
    前段側と後段側が連続した段落である請求項3,4また
    は5記載の軸流タービン。
  8. 【請求項8】 前記タービンコンポーネントを複数有す
    るとともに、それぞれのタービンコンポーネント内にそ
    れぞれ前段側と後段側を一つずつもつ請求項3,4また
    は5記載の軸流タービン。
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