JP3402176B2 - ターボ機械用動翼 - Google Patents

ターボ機械用動翼

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JP3402176B2
JP3402176B2 JP00724898A JP724898A JP3402176B2 JP 3402176 B2 JP3402176 B2 JP 3402176B2 JP 00724898 A JP00724898 A JP 00724898A JP 724898 A JP724898 A JP 724898A JP 3402176 B2 JP3402176 B2 JP 3402176B2
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茂樹 妹尾
芳雄 鹿野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体(空気等)を
圧縮する圧縮機及び流体(燃焼ガス,蒸気,空気等)に
より駆動するタービンに使用されるターボ機械用動翼に
係り、特に、火力発電所及び原子力発電所の蒸気タービ
ン,火力発電所及び航空機のガスタービン,自動車の過
給機等で使用されるターボ機械用動翼に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮機及びタービンに使用されるターボ
機械用動翼(以下、「動翼」と称す。)は、回転軸を中心
とした複数の円筒面上で、又は解析により得た流面に相
当する複数の円錐面上で、二次元の翼型を設計し、その
二次元の翼型を翼長方向に配置して、それら翼長方向の
二次元の翼型間を補間することにより設計する。一般的
に、二次元の翼型の前縁部(動翼に流入する流体の最上
流部)の形状は、前縁部を形成する円弧の半径(以下、
「前縁半径」と称す。)、前縁部を形成する円弧の両端
における接線の挟角(以下、「前縁ウェッジ角」と称
す。)、及び動翼の回転方向の逆方向と前縁方向との挟
角(以下、「入口角」と称す。)をパラメーターとして
決定する。
【0003】入口角は、動翼の任意の二次元の翼型の位
置で、予想される流入角(動翼に流入する流体の流入角
度)に対向するように設計される。しかし、実際に動翼
に流入してくる流れは、動翼の上流側に位置する静翼に
よる損失や、動翼の先端部(翼頂部)及び根元部(翼底
部)における流体の側壁境界層等により、局所的に流体
の流速が低下するため、流体の流入方向が動翼の背面側
(凸側)に対向する方向に偏向することがある。予想し
た流入角(入口角)と実際の流入角との偏差を入射角と
称す。そして、入射角がゼロ又は非常に小さい場合は、
流れのエネルギー損失が小さい。しかし、入射角が大き
くなり、所定値を超えると、流体のエネルギー損失が急
激に増加する。これは、入射角が所定の値を超えると、
動翼の前縁部の特に腹面側で翼面境界層の厚さが増し、
又は流れのはく離が発生するためである。
【0004】このような入射角に依存するエネルギー損
失の増加を抑制するため、従来は、単に前縁半径を大き
くしたり、前縁ウェッジ角を大きくしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特に入口角が小さく、
動翼での圧力降下が小さい動翼は、動翼における流体の
相対流入速度が大きく、周方向に隣接する動翼間に形成
される流路(以下、「翼間流路」と称す。)において流
れを安定化する流れ方向の圧力降下も小さいため、入射
角を有するときのエネルギー損失の増加率が大きい。し
かしながら、前縁半径及び前縁ウェッジ角は、翼型の形
状全体に対する影響が大きく、前述したような入射角特
性だけを考慮して自由に決定することはできない。特
に、入口角が小さく、動翼での圧力降下が小さい翼型に
おいては、流れが安定するように翼間流路の形状を適切
に設計すると、前縁半径を大きくしたり、前縁ウェッジ
角を小さくすることが困難である。
【0006】また、一般に入口角が小さいとされる蒸気
タービンの衝動段の動翼の根元部の翼型において、前縁
半径を大きくすると、ロータの外周表面を発達して流下
してくる側壁境界層と干渉の影響により、馬蹄形渦と称
される二次流れが大きくなり、エネルギー損失が増加す
る。
【0007】従って、入口角が小さく、動翼での圧力降
下が小さい翼型、又は蒸気タービンの衝動段の動翼の根
元部の翼型では、前縁半径を大きくしたり、前縁ウェッ
ジ角を大きくしたりすることが制限され、入射角に依存
するエネルギー損失の増加を抑制することが困難であっ
た。
【0008】本発明の目的は、前縁部の形状を特定する
ことにより、入射角に依存するエネルギー損失の増加を
抑制したターボ機械用動翼を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のターボ機械用動翼は、ロータに固定され
て、流体の流入に伴い前記ロータと共に回転し、かつ、
その回転方向の逆方向とその前縁方向との挟角を示す入
口角が45度以下の翼型断面を有する。さらに、前記翼
型断面上で、前記ロータの軸方向でかつ前記流体の流入
方向を正とした向きをx軸、前記回転方向をy軸とした
直交座標系を定義し、前縁部近傍の翼型断面の輪郭で前
記直交座標系のx座標が最小となる点を点A,前縁部近
傍の翼型断面の輪郭で前記直交座標系のy座標が最小と
なる点を点B,前縁部近傍の翼型断面の輪郭で前記点A
と前記直交座標系のy座標が等しい点を点C,前記点B
と前記直交座標系のx座標が等しくかつ線分AC上にあ
る点を点Dとしたとき、線分DCの長さが線分DBの長
さの2倍以上で、かつ、点Bの近傍に形成される円弧状
の翼型断面の輪郭の曲率半径を、前縁部を形成する円弧
状の翼型断面の輪郭の曲率半径より大きくし、翼型表面
BCを変曲点を有さない形状とする
【0010】又は、上記目的を達成するために、本発明
のターボ機械用動翼は、ロータに固定されて、流体の流
入に伴い前記ロータと共に回転し、かつ、その回転方向
の逆方向とその前縁方向との挟角を示す入口角と、前記
回転方向の逆方向とその後縁方向との挟角を示す出口角
とを加算した角度が90度以下の翼型断面を有する。さ
らに、前記翼型断面上で、前記ロータの軸方向でかつ前
記流体の流入方向を正とした向きをx軸、前記回転方向
をy軸とした直交座標系を定義し、前縁部近傍の翼型断
面の輪郭で前記直交座標系のx座標が最小となる点を点
A,前縁部近傍の翼型断面の輪郭で前記直交座標系のy
座標が最小となる点を点B,前縁部近傍の翼型断面の輪
郭で前記点Aと前記直交座標系のy座標が等しい点を点
C,前記点Bと前記直交座標系のx座標が等しくかつ線
分AC上にある点を点Dとしたとき、線分DCの長さが
線分DBの長さの2倍以上で、かつ、点Bの近傍に形成
される円弧状の翼型断面の輪郭の曲率半径を、前縁部を
形成する円弧状の翼型断面の輪郭の曲率半径より大き
し、翼型表面BCを変曲点を有さない形状とする
【0011】又は、上記目的を達成するために、本発明
のターボ機械用動翼は、蒸気タービンの衝動段で使用さ
れるターボ機械用動翼であり、かつ、その翼型断面上
で、前記蒸気タービンのロータの軸方向でかつ前記流体
の流入方向を正とした向きをx軸、前記回転方向をy軸
とした直交座標系を定義し、前縁部近傍の翼型断面の輪
郭で前記直交座標系のx座標が最小となる点を点A,前
縁部近傍の翼型断面の輪郭で前記直交座標系のy座標が
最小となる点を点B,前縁部近傍の翼型断面の輪郭で前
記点Aと前記直交座標系のy座標が等しい点を点C,前
記点Bと前記直交座標系のx座標が等しくかつ線分AC
上にある点を点Dとしたとき、その根元部の翼型断面の
形状が、線分DCの長さが線分DBの長さの2倍以上
で、かつ、点Bの近傍に形成される円弧状の翼型断面の
輪郭の曲率半径が、前縁部を形成する円弧状の翼型断面
の輪郭の曲率半径より大きくし、翼型表面BCを変曲点
を有さない形状とする
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のターボ機械用動翼
の実施の形態を説明する。
【0013】図1に、本発明のターボ機械用動翼を適用
した蒸気タービンの横断面図を示す。図1中、1は蒸気
発生装置(ボイラ等)からの蒸気、2は蒸気1により回
転する動翼(ブレード)、3は回転に伴う動翼1の振動
を抑制するシュラウド、4は動翼2に蒸気1を導く静翼
(ノズル)、5は蒸気タービンのロータ、6は動翼2及
びロータ5の回転軸、7は円環状のダイヤフラム外輪、
8は円環状のダイヤフラム内輪、9は蒸気タービンの車
室、10は回転軸6を中心とした円筒面、11は解析に
より予想される流面に相当する円錐面を示す。
【0014】本実施の形態のターボ機械用動翼は、火力
発電所の蒸気タービンの動翼として使用するものであ
り、特に、その衝動段で使用するものである。静翼4の
翼先端(ロータ5の半径方向に対する外周側)を、ダイ
ヤフラム外輪7を介して、車室9に固定する。一方、周
方向に隣接する静翼4の根元端(ロータ5の半径方向に
対する内周側)を、ダイヤフラム内輪8を用いて夫々連
結(固定)する。また、動翼2の先端にシュラウド3を
設ける。尚、このシュラウド3は、動翼2と一体成型す
る。又は動翼2にテノンかしめにより固定する。一般
に、動翼2と一体成型されるシュラウド3を、「インテ
グラル・シュラウド」又は「インテグラル・カバー」又
は「コンティニュアス・シュラウド」又は「コンティニ
ュアス・カバー」と称す。一方、動翼2の根元端を、ロ
ータ5の外周に固定する。
【0015】動翼2と静翼4との組み合わせを、「段
落」と称す。この段落を、周方向に対し、十数組設け
る。また、段落は、ロータ5の軸方向(回転軸6の軸方
向)に対し、数組設ける。蒸気1の流れが下流に向かう
に従い、動翼2及び静翼4の翼長が大きくなる。
【0016】そして、動翼4において、蒸気1を加速す
ると共に、蒸気1の流れ方向を周方向に転向し、動翼2
に導く。動翼2に蒸気1が導かれると、周方向に隣接す
る動翼2間の流路で、蒸気1が加速及び膨張し、動翼2
が固定されるロータ5が回転軸を中心に回転する。ロー
タ5の一端に連結する発電機において、回転エネルギー
(機械的エネルギー)を電気的エネルギーに変換して発
電を行う。
【0017】動翼2及び静翼4は、複数の円筒面10、
又は複数の円錐面11上で、二次元の翼型を設計し、そ
れらの翼型間を補間することにより設計される。動翼2
の円筒面10、又は円錐面11の断面を翼型断面と称
す。
【0018】以下、本実施の形態を説明上に使用する用
語を定義する。
【0019】図2に、本発明のターボ機械用動翼の任意
の横断面の翼型を示す。図2中、19は蒸気1の流入方
向、20は円群、21は反り線(キャンバー線)、22
は前縁、23は後縁、24は前縁円、24aは前縁円
弧、25は後縁円、26は背面、27は腹面、28は翼
弦線、29は前縁接線、30は後縁接線、31は周方向
(動翼2及びロータ5の回転方向)線、αinは入口角、
αout は出口角、βinは流入角、iは入射角、WLEは
前縁ウェッジ角を示す。
【0020】円群20は、翼型に内接する円をいう。反
り線21は、円群20の中心を結んで得られる翼型の中
心線をいう。前縁22は、反り線21と翼表面(翼型の
輪郭)との交点のうち翼型の上流側に位置する交点をい
う。後縁23は、反り線21と翼表面との交点のうち翼
型の下流側に位置する交点をいう。前縁円24は、円群
20のうち前縁22を含む円をいう。前縁円24の半径
を、前縁半径という。前縁円弧24aは、翼表面のうち
前縁円24と重なる円弧をいう。後縁円25は、円群2
0のうち後縁23を含む円をいう。後縁円25の半径
を、後縁半径という。背面26は、反り線21を基準に
翼型の凸側に位置する翼表面をいう。腹面27は、反り
線21を基準に翼型の凹側に位置する翼表面をいう。翼
弦線28は、前縁22と後縁23とを結ぶ線分をいう。
翼弦線28の長さを、翼弦長cという。前縁接線29
は、前縁22における反り線21の接線をいう。前縁接
線29のうち、蒸気1の上流に向かう方向を前縁方向と
いう。後縁接線30は、後縁23における反り線21の
接線をいう。後縁接線30のうち、蒸気1の下流に向か
う方向を後縁方向という。入口角αinは、前縁接線29
の周方向線31からの角(前縁方向と周方向線31との
挟角)をいう。出口角αout は、後縁接線30の周方向
線31からの角(後縁方向と周方向線31との挟角)を
いう。流入角βinは、流入方向19の周方向線31から
の角(流入方向19と周方向線31との挟角)をいう。
入射角iは、入口角αinから流入角βinを減算した角度
(i=αin−βin)をいう。前縁ウェッジ角WLEは、
前縁円弧24aの両端の点における接線同士がなす角を
いう。尚、衝動段に使用する動翼2においては、その根
元部の翼型の入口角αinと出口角αout とを加算した角
度が、一般的には60度〜90度であり、反動段に使用
する動翼のそれに比較して小さい。また、衝動段に使用
する動翼2においては、その根元部の翼型の入口角αin
が45度以下であり、根元部から先端に向かうに伴い、
入口角αinが大きくなる。即ち、根元部から先端に向か
うに伴い翼型がねじれて形成されている。
【0021】以下、動翼2と静翼4との間の蒸気1の流
れの様子について説明する。
【0022】図3,図4に、動翼と静翼との間の一般的
な速度三角形を示す。図3,図4中、c1は静翼4に流
入する蒸気1の速度ベクトル、c2,c2aは静翼4か
ら流出する蒸気1の速度ベクトル、c3動翼2から流出
する蒸気1の速度ベクトル、Uは動翼2の速度ベクト
ル、w2,w2aは動翼2を基準とした動翼2に流入す
る蒸気1の相対的な速度ベクトル、w3は動翼2を基準
とした動翼2から流出する蒸気1の相対的な速度ベクト
ル、速度ベクトルを示す。即ち、矢印の方向は速度の向
きを、矢印の大きさは速度の大きさを示す。また、図
3,図4中、32は動翼2の回転方向(周方向線31)
を示す。
【0023】静翼4に流入した蒸気1の流れ(速度ベク
トルc1)は、静翼4において加速されると共に、回転
方向32に転向させられる(速度ベクトルc2)。動翼
2は、速度ベクトルUで回転しているため、静翼4の蒸
気1の流出速度、即ち動翼2への流入速度の回転座標系
における相対的な蒸気1の流れが速度ベクトルw2とな
る。動翼2の入口角αinが、速度ベクトルw2に合致す
るように、動翼2が設計される。
【0024】ところが、図に示すように、静翼損失や
側壁境界層により、静翼4かの蒸気1の流出速度が、
速度ベクトルc2から速度ベクトルc2aに減速され
る。静翼4の翼面の境界層及び静翼4の後縁の形状に起
因する蒸気1の減速領域は、「静翼後流」と称される。
この蒸気1の減速により、静翼4と動翼2との間の速度
三角形が変化し、速度ベクトルw2が速度ベクトルw2
aに変化する。この速度ベクトルw2aの流入角は、速
度ベクトルw2の流入角、即ち動翼2の入口角αinに対
し、負の入射角iを有することになる。そして、負の入
射角iを有すると、動翼2の前縁22の近傍の腹面27
側の蒸気1の流れの境界層が厚くなり、又は蒸気1が腹
面27から容易にはく離するため、動翼2におけるエネ
ルギー損失が急激に増加する。
【0025】以下、動翼2の前縁22の近傍の蒸気1の
流れの様子について説明する。
【0026】図5に、従来型のターボ機械用動翼におけ
る入射角iがゼロのときの前縁近傍の模式図を示す。図
6に、従来型のターボ機械用動翼における入射角iがゼ
ロのときの無次元静圧p/P0と軸方向長さとの関係を
示す。図7に、従来型のターボ機械用動翼における負の
入射角iを有するときの前縁近傍の模式図を示す。図8
に、従来型のターボ機械用動翼における負の入射角iを
有するときの無次元静圧p/P0と軸方向長さとの関係
を示す。尚、無次元静圧p/P0とは、翼面(背面26
及び腹面27)上の静圧pを、流入相対全圧P0で無次
元化したものをいう。また、軸方向長さとは、ロータ5
の軸方向に対する動翼2の長さ(動翼2の翼巾)をい
う。また、従来型のターボ機械用動翼とは、前縁円弧2
4aにおいて、前縁22から背面26側の前縁半径と、
前縁22から腹面27側の前縁半径とがほぼ等しいもの
をいう。図5〜図8中、40は蒸気1の流れの淀み点、
41は前縁22に至るまでの蒸気1の流線、42は背面
26側へ流れた蒸気1の背面側流線、42aは背面26
上の背面上流線、42cは背面26から離れた任意の流
線42と流線42aとの間に形成される背面側流管、4
2dは流管42cの背面側流管断面積、42dmin は前
縁22近傍で断面積42dが極小となる背面側流管断面
極小点、43は腹面27側へ流れた蒸気1の腹面側流
線、43aは腹面27上の腹面上流線、43cは腹面2
7から離れた任意の流線42と流線43aとの間に形成
される腹面側流管、43dは流管43cの腹面側流管断
面積、43dmin は前縁22近傍で断面積43dが極小
となる腹面側流管断面極小点を示す。
【0027】図5に示すように、入射角iがゼロのとき
とは、流入角βinと入口角αinとが一致するときをい
い、即ち、淀み点40と前縁22とが一致するときをい
う。このとき、蒸気1の流線は、背面26側へは背面側
流線42のように、腹面27側へは腹面側流線43のよ
うに、何れも翼面(背面26及び腹面27)に沿って滑
らかである。そのため、背面側流管断面積42d及び腹
面側流管断面積43dは、蒸気1の流れ方向(流線方
向)に対し、局所的に急増している部分がない。
【0028】図6において、p/P0=1.0 となる点
40pが、図5上の淀み点40に相当し、無次元静圧p
/P0がくびれている点42pが、図5上の背面側流管
断面極小点42dmin に相当し、無次元静圧p/P0が
極小となる点43pが、図5上の腹面側流管断面極小点
43dminに相当する。腹面側流管断面極小点43dminの
下流側で、無次元静圧p/P0が上昇しているが、その
上昇量は小さく、動翼2のエネルギー損失が増加する要
因にならない。このことは、先述した腹面側流管断面積
43dが、蒸気1の流れ方向(流線方向)に対し、局所
的に増加していないことと対応している。
【0029】図7において、ロータ5の軸方向(流れ方
向を正)をx軸、動翼2の回転方向32をy軸として、
xy座標系を形成する。図7に示すように、負の入射角
iを有するときとは、淀み点40がx座標が最小となる
点Aの近傍にずれるときをいう。そのため、腹面側流管
断面積43dは、y座標が前縁22の近傍で極小となる
点Bの近傍で極小となり、点B下流で急激に増加する。
【0030】図6と同様に図8において、p/P0=
1.0となる点40pが、図7上の淀み点40に相当
し、無次元静圧p/P0がくびれている点42pが、図
7上の背面側流管断面極小点42dmin に相当し、無次
元静圧p/P0が極小となる点43pが、図7上の腹面
側流管断面極小点43dmin に相当する。図6に比較す
ると、図8においては、腹面側流管断面極小点43dmi
n の下流側で、無次元静圧p/P0が急激に上昇してい
る。この急激な圧力上昇に起因して腹面上流線43a
境界層が急激に厚くなる、又ははく離を生じる。このた
腹面27の近傍の境界層の低エネルギー流体と速度こ
う配のない主流とが混合することによる混合損失が増加
し、翼型損失が増加する。さらに、翼面から流れがはく
離を起こした場合は、流れが非定常になり、急激に翼型
損失が増加する。
【0031】このような、負の入射角iによる翼型損失
の増加は、周方向に隣接する動翼2間に形成される流路
面積の絞り率が小さく(動翼2における蒸気1の加速が
小さく)、動翼2に流入する蒸気1の速度ベクトルw2
が大きく、その入口角αinが45度以下の動翼2で顕著
である。
【0032】以上の考慮して、本実施の形態では、動翼
2の前縁22の形状を特定することにより、負の入射角
iに依存するエネルギー損失の増加を抑制した。
【0033】図9に、本発明のターボ機械用動翼の翼型
の模式図を示す。円内は、前縁22を拡大したものであ
る。図9に示すように、蒸気1の流入方向19を正の向
きとして、軸方向の長さをx軸、動翼2の回転方向32
の長さをy軸として、xy座標系をとる。図9中、点A
は翼型においてx座標が最小となる点、点Bは翼型の前
縁22の近傍でy座標が極小となる点、点Cは点Aとy
座標が等しい腹面27上の点、点Dは点Bとx座標が等
しい線分AC上の点を示す。本実施の形態は、線分DC
の長さを線分DBの長さの2倍以上とし、かつ点Bでの
曲率半径を前縁22の曲率半径より大きくしたことを特
徴とする。
【0034】負の入射角iに依存するエネルギー損失の
増加の原因は、前縁22の近傍の腹面側流管断面積43
dが、点B付近で急激に減少し、点Bから腹面27の下
流側へ向かって急激に増加することにより、強い逆圧力
勾配が生じることにある。この強い逆圧力勾配を抑制す
るためには、点Bの下流側の腹面27上の翼型表面BC
の曲率半径を大きくしてやる必要がある。そのため、ま
ず点Bでの曲率半径を、前縁22の曲率半径より大きく
する。点Bは、翼型の前縁22の近傍で座標が極小と
なる点であるため、勾配(dy/dx)Bはゼロとな
る。よって、腹面27上の翼型表面BCの平均曲率は線
分BCの勾配(DC/DB)を与えることで、近似的に
決定することが可能である。そして、腹面27上の翼型
表面BCの曲率半径を、負の入射角iによるエネルギー
損失を抑制するのに十分大きくするためには、線分BC
の勾配(DC/DB)が所定のしきい値より大きい必要
がある。そして、経験上、本実施の形態では、その所定
のしきい値を2とする。一方、線分BCの勾配(DC/
DB)の上限は、例えば、周方向線31に隣接する動翼
2の間に形成される流路の設計において、(DC/D
B)を大きくしすぎると入口流路が狭くなるために、そ
の流路を、単調な絞り流路とすることにより決定され
る。
【0035】図10に、本発明のターボ機械用動翼の翼
型の前縁の近傍を拡大した模式図を示す。図10中、点
Bを原点、動翼2の回転方向32の長さをy軸、軸方向
の長さを線分DBの長さで無次元化したものをx軸とし
て、xy座標系をとる。翼型表面BCは、線分BCとし
て近似できる。よって、線分BCを、半径rの円弧とす
ると、点Bの勾配(dy/dx)Bがゼロであることよ
り、翼型表面BCは
【0036】
【数1】 x2+(y−r)2=r2 …(数1) で表せる。更に点Cの座標を(xc,1)とおくと、半
径rと、xc即ち勾配(DC/DB)との関係は、
【0037】
【数2】
【0038】で表せる。本実施の形態のように、勾配
(DC/DB)=xc=2の場合、r=2.5 となる。
これは、翼型表面BCの平均曲率が、線分DBの長さの
約2.5倍になることを示している。このように大きな
曲率半径を、翼型表面BCで有することにより、蒸気1
の流入方向19が、負の入射角iを持つ場合に、前縁2
2の近傍の腹面27側で、大きな逆圧力勾配が生じるの
を抑制することができ、エネルギー損失の増加を抑制す
ることが可能となる。
【0039】図11に、本発明のターボ機械用動翼にお
ける負の入射角iを有するときの無次元静圧p/P0と
軸方向長さとの関係を示す。本発明のターボ機械用動翼
(本実施の形態の動翼2)は、腹面側流管断面積43d
が局所的に減少するのを抑制できるため、腹面側流管断
面極小点43dmin の下流側、即ち無次元静圧p/P0
が極小となる点43pの下流側で発生する逆圧力勾配の
大きさを小さくすることができる。これにより、動翼2
が負の入射角iを有するときでも、腹面27側で蒸気1
の流れの境界層が急激に厚くなることを防止し、又は蒸
気1の流れが腹面27からはく離することを防止できる
ため、動翼2が負の入射角iを有するときにエネルギー
損失が急激に増加するのを抑制するという効果を奏す
る。
【0040】図12に、本発明のタービン機械用動翼に
おける流入角とエネルギー損失との関係を示す。図12
中、入口角αinと流入角βinとの偏差が入射角iであ
り、入口角αinの値よりも流入角βinの値が大きいとき
に負の入射角iを有する。またエネルギー損失の最小値
をE(従来型では、βin=αinのときのエネルギー損失
に相当する。)とし、エネルギー損失がEの2倍即ち2
Eのときの大きい方の流入角の値をγinとしたとき、H
_αinは、エネルギー損失がEのときの流入角とγinと
の偏差を示す入射角マージンを示す。
【0041】図12によれば、本発明では、エネルギー
損失の最小となる流入角より大きな流入角に対する、即
ち負の入射角を有する場合のエネルギー損失が、従来型
のエネルギー損失に比べ小さい。
【0042】図13は、本発明のタービン機械用動翼に
おける勾配(DC/DB)と入射角マージンとの関係を
示す。入射角マージンH_αinは、勾配(DC/DB)
が2付近を超える位置で急激に増加する。また、静翼4
には構造上必ず後縁厚みがあり、その後縁厚みにより引
き起こされる負の入射角には最小値45が存在する。本
発明の前記勾配(DC/DB)の下限値2に対する入射
角マージンH_αinは、図13に示したように負の入射
角の最小値45よりも大きい。動翼2の設計時には、前
記勾配(DC/DB)を2以上の所定の値に設定する必
要がある。そして、その所定の値は、動翼2の上流に位
置する静翼4及び側壁等により引き起こされる最大入射
角に比べ、入射角マージンH_αinの方が大きな値とな
るように、図13を用いて決定される。そして、勾配
(DC/DB)の所定の値は、設計上、3〜5程度であ
ることが好ましい。
【0043】図14に、本発明のタービン機械用動翼に
おける段落損失分布の実験結果を示す。図15に、静
翼,動翼及び段落損失の計測点の位置関係を示す。図1
5中、46は段落損失を計測する計測点、47は静翼後
流(静翼4と後縁と動翼2の前縁22との間の蒸気1の
流れ)、48は動翼後流(動翼2の後縁23と計測点4
6との間の蒸気1の流れ)を示す。段落損失とは、静翼
4の前縁から動翼2の後縁まで(段落内)のエネルギー
損失をいう。
【0044】段落損失は、動翼2の後縁23の下流に位
置する計測点46で計測する。計測点46は、静翼4に
対して、静翼後流47が動翼2の前縁22と干渉したと
きに、動翼後流48を計測できる位置とする。静翼4と
計測点46との相対的な位置関係は変化しないが、動翼
2が回転軸6の周りを回転していることから、動翼2と
計測点46との相対的な位置関係は、周方向に変化す
る。そして、計測点46では、動翼2の回転に伴う段落
損失の時間的変化が得られる。尚、図14では、その時
間軸を、動翼2に固定した座標系の周方向に置き換えて
ある。図14中、段落損失が低いところ即ち段落損失の
分布が一定のところが、動翼後流48に相当する。ま
た、段落損失が高いところ即ち段落損失の分布が山状の
ところが、前縁22に対する静翼後流47の相対的な偏
向によって、動翼2に負の入射角が発生し、エネルギー
損失が増加することを示す。図14によれば、本発明
は、従来型に比較して、負の入射角によるエネルギー損
失が小さい。即ち、本発明によれば、負の入射角による
エネルギー損失を減少し、これにより、段落損失を低減
し、段落性能を向上し、蒸気タービン又はガスタービン
等のターボ機械の効率を向上するという効果を奏する。
【0045】本実施の形態によれば、従来技術の動翼の
前縁半径を大きくしたり、前縁ウェッジ角を大きくする
ことに比べ、負の入射角によるエネルギー損失の増加の
物理的な機構を踏まえているため、従来技術に比べ、効
果的に負の入射角によるエネルギー損失の増加を抑制す
るという効果を奏する。また、形状の特徴を無次元の形
式で与えているために、翼型全体に対する影響も小さ
い。そのため、前縁半径を大きくすることができなかっ
た動翼2の根元近傍に対しても、本実施の形態を適用す
ることができ、負の入射角によるエネルギー損失の増加
を抑制するという効果を奏する。
【0046】図16に、本発明のターボ機械用動翼の前
縁近傍の表面の勾配(dy/dx)の変化を示す。図1
7に、本発明のターボ機械用動翼の前縁近傍の模式図を
示す。図16中の曲線50及び図17(a)は、翼型表
面BCが変曲点を有さない場合を示す。図16中の曲線
51及び図17(b)は、翼型表面BCが変曲点Eを有
する場合を示す。尚、図16中のx軸は、図9中のx軸
に相当する。
【0047】点Cの勾配(dy/dx)Cは、隣接する
動翼2間に形成される流路の形状から制限されるため、
点Cでの勾配(dy/dx)Cを一定とする。また、前
述のように、点Bの勾配(dy/dx)Bは、定義より
ゼロである。このように両端の勾配が固定されている翼
型表面BCが変曲点Eを有する場合は、翼型表面BCが
変曲点Eを有さない場合に比べ、翼型表面BCの勾配
(dy/dx)が一時的に大きくなる部分が生じる。即
ち、図16に示すように、翼型表面BCが変曲点Eを有
さない曲線50では、翼型表面BCの勾配(dy/d
x)の最大値が点Cの勾配(dy/dx)Cであるのに
対し、翼型表面BCが変曲点Eを有する曲線51は、翼
型表面BC上の変曲点Eの勾配(dy/dx)Eが、点C
の勾配(dy/dx)Cよりも大きくなり、曲線51中
の最大値となる。また、図17に示すように、翼型表面
BCが変曲点E有する場合は、変曲点Eの近傍で勾配
(dy/dx)Eが大きくなるために、腹面側流管断面
積43dの広がりが大きくなり、逆圧力勾配が大きくな
る。このように、変曲点Eの近傍で逆方向勾配が大きく
なることにより、翼型表面BCの境界層が厚くなり、又
ははく離するため動翼2のエネルギー損失が増加する。
また、流れは凸面上を流れるほうが、凹面上を流れるよ
りも安定である。以上のことを考慮すると、動翼2の前
縁22の近傍の翼型形状として、線分DCの長さが線分
DBの長さの2倍以上とし、かつ点Bでの曲率半径を前
縁22の曲率半径より大きくすることに加え、翼型表面
BCを変曲点Eを有さない形状とすることにより、動翼
2に対し負の入射角を持って蒸気1が流入してくる場合
において、動翼2の前縁22の付近で境界層が厚くな
り、又ははく離することを抑制することがより効果的に
なり、段落損失を低減することができる。
【0048】上記実施の形態では、二次元翼型として述
べたが、線分DCの長さが線分DBの長さの2倍以上と
し、かつ点Bでの曲率半径を前縁の曲率半径より大きく
するという基準を、三次元動翼のすべての設計断面翼型
に適用しても同様の効果を奏する。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、翼型断面上で、前記ロ
ータの軸方向でかつ前記流体の流入方向を正とした向き
をx軸、回転方向をy軸とした直交座標系を定義し、前
縁部近傍の翼型断面の輪郭で前記直交座標系のx座標が
最小となる点を点A、前縁部近傍の翼型表面の輪郭で前
記直交座標系のy座標が最小となる点を点B、前縁部近
傍の翼型断面の輪郭で前記点Aと前記直交座標系のy座
標が等しい点を点C、前記点Bと前記直交座標系のx座
標が等しくかつ線分AC上にある点を点Dとしたとき、
線分DCの長さが線分DBの長さの2倍以上で、かつ、
点Bの近傍に形成される円弧状の翼型断面の輪郭の曲率
半径を、前縁部を形成する円弧状の翼型断面の輪郭の曲
率半径より大きくすることにより、負の入射角を有する
場合に、動翼の前縁部の腹面側で、流体の翼面境界層の
厚さが増加するのを抑制し、又は流体のはく離を抑制
し、これにより、入射角に依存するエネルギー損失の増
加を抑制するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のターボ機械用動翼を適用した蒸気ター
ビンの横断面図。
【図2】本発明のターボ機械用動翼の任意の横断面の翼
型を示す図。
【図3】動翼と静翼との間の一般的な速度三角形を示す
図。
【図4】動翼と静翼との間の一般的な速度三角形を示す
図。
【図5】従来型のターボ機械用動翼における入射角iが
ゼロのときの前縁近傍の模式図。
【図6】従来型のターボ機械用動翼における入射角iが
ゼロのときの無次元静圧p/P0と軸方向長さとの関係
を示す図。
【図7】従来型のターボ機械用動翼における負の入射角
iを有するときの前縁近傍の模式図。
【図8】従来型のターボ機械用動翼における負の入射角
iを有するときの無次元静圧p/P0と軸方向長さとの
関係を示す図。
【図9】本発明のターボ機械用動翼の翼型の模式図。
【図10】本発明のターボ機械用動翼の翼型の前縁の近
傍を拡大した模式図。
【図11】本発明のターボ機械用動翼における負の入射
角iを有するときの無次元静圧p/P0と軸方向長さと
の関係を示す。
【図12】本発明のタービン機械用動翼における流入角
とエネルギー損失との関係を示す図。
【図13】本発明のタービン機械用動翼における勾配
(DC/DB)と入射角マージンとの関係を示す図。
【図14】本発明のタービン機械用動翼における段落損
失分布の実験結果を示す。
【図15】静翼,動翼及び段落損失の計測点の位置関係
を示す図。
【図16】本発明のターボ機械用動翼の前縁近傍の表面
の勾配(dy/dx)の変化を示す図。
【図17】本発明のターボ機械用動翼の前縁近傍の模式
図。
【符号の説明】
1…蒸気、2…動翼、3…シュラウド、4…静翼、5…
ロータ、6…回転軸、7…ダイヤフラム外輪、8…ダイ
ヤフラム内輪、9…車室、10…円筒面、11…円錐
面、19…流入方向、20…円群、21…反り線、22
…前縁、23…後縁、24…前縁円、24a…前縁円
弧、25…後縁円、26…背面、27…腹面、28…翼
弦線、29…前縁接線、30…後縁接線、31…周方向
線、40…流れの淀み点、41…流線、42…背面側流
線、42a…背面上流線、42c…背面側流管、42d
…背面側流管断面積、42dmin …背面側流管断面極小
点、43…腹面側流線、43a…腹面上流線、43c…
腹面側流管、43d…流管43cの腹面側流管断面積、
43dmin …腹面側流管断面極小点、45…負の入射角
の最小値、46…段落損失を計測する計測点、47…静
翼後流、48…動翼後流、αin…入口角、αout …出口
角、βin…流入角、i…入射角、WLE…前縁ウェッジ
角、H_αin…入射角マージン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬川 清 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 電力・電機開発 本部内 (56)参考文献 特開 昭58−124006(JP,A) 特開 昭56−88901(JP,A) 特開 昭55−12253(JP,A) 特開 昭59−131704(JP,A) 特開 昭60−142004(JP,A) 特開 平5−195702(JP,A) 米国特許5286168(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01D 5/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロータに固定されて、流体の流入に伴い前
    記ロータと共に回転し、かつ、その回転方向の逆方向と
    その前縁方向との挟角を示す入口角が45度以下の翼型
    断面を有するターボ機械用動翼において、 前記翼型断面上で、前記ロータの軸方向でかつ前記流体
    の流入方向を正とした向きをx軸、前記回転方向をy軸
    とした直交座標系を定義し、 前縁部近傍の翼型断面の輪郭で前記直交座標系のx座標
    が最小となる点を点A,前縁部近傍の翼型断面の輪郭で
    前記直交座標系のy座標が最小となる点を点B,前縁部
    近傍の翼型断面の輪郭で前記点Aと前記直交座標系のy
    座標が等しい点を点C,前記点Bと前記直交座標系のx
    座標が等しくかつ線分AC上にある点を点Dとしたと
    き、 線分DCの長さが線分DBの長さの2倍以上で、かつ、
    点Bの近傍に形成される円弧状の翼型断面の輪郭の曲率
    半径を、前縁部を形成する円弧状の翼型断面の輪郭の曲
    率半径より大きくし、翼型表面BCを変曲点を有さない
    形状とすることを特徴とするターボ機械用動翼。
  2. 【請求項2】ロータに固定されて、流体の流入に伴い前
    記ロータと共に回転し、かつ、その回転方向の逆方向と
    その前縁方向との挟角を示す入口角と、前記回転方向の
    逆方向とその後縁方向との挟角を示す出口角とを加算し
    た角度が90度以下の翼型断面を有するターボ機械用動
    翼において、 前記翼型断面上で、前記ロータの軸方向でかつ前記流体
    の流入方向を正とした向きをx軸、前記回転方向をy軸
    とした直交座標系を定義し、 前縁部近傍の翼型断面の輪郭で前記直交座標系のx座標
    が最小となる点を点A,前縁部近傍の翼型断面の輪郭で
    前記直交座標系のy座標が最小となる点を点B,前縁部
    近傍の翼型断面の輪郭で前記点Aと前記直交座標系のy
    座標が等しい点を点C,前記点Bと前記直交座標系のx
    座標が等しくかつ線分AC上にある点を点Dとしたと
    き、 線分DCの長さが線分DBの長さの2倍以上で、かつ、
    点Bの近傍に形成される円弧状の翼型断面の輪郭の曲率
    半径を、前縁部を形成する円弧状の翼型断面の輪郭の曲
    率半径より大きくし、翼型表面BCを変曲点を有さない
    形状とすることを特徴とするターボ機械用動翼。
  3. 【請求項3】蒸気タービンの衝動段で使用されるターボ
    機械用動翼において、 その翼型断面上で、前記蒸気タービンのロータの軸方向
    でかつ前記流体の流入方向を正とした向きをx軸、前記
    回転方向をy軸とした直交座標系を定義し、 前縁部近傍の翼型断面の輪郭で前記直交座標系のx座標
    が最小となる点を点A,前縁部近傍の翼型断面の輪郭で
    前記直交座標系のy座標が最小となる点を点B,前縁部
    近傍の翼型断面の輪郭で前記点Aと前記直交座標系のy
    座標が等しい点を点C,前記点Bと前記直交座標系のx
    座標が等しくかつ線分AC上にある点を点Dとしたと
    き、 その根元部の翼型断面の形状が、線分DCの長さが線分
    DBの長さの2倍以上で、かつ、点Bの近傍に形成され
    る円弧状の翼型断面の輪郭の曲率半径が、前縁部を形成
    する円弧状の翼型断面の輪郭の曲率半径より大きくし、
    翼型表面BCを変曲点を有さない形状とすることを特徴
    とするターボ機械用動翼。
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DE102008031781B4 (de) * 2008-07-04 2020-06-10 Man Energy Solutions Se Schaufelgitter für eine Strömungsmaschine und Strömungsmaschine mit einem solchen Schaufelgitter
JP5386433B2 (ja) * 2010-05-10 2014-01-15 株式会社日立製作所 翼設計装置,翼設計手法,それを用いて設計された翼,及びその翼を用いたターボ機械
JP2016017491A (ja) * 2014-07-10 2016-02-01 株式会社Ihi タービン動翼
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