JP4956277B2 - ノズル翼翼列、動翼翼列および軸流タービン - Google Patents

ノズル翼翼列、動翼翼列および軸流タービン Download PDF

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Description

本発明は、すみ肉が形成されたノズル翼翼列または動翼翼列、およびこれらを備える軸流タービンに関する。
タービンの効率は、ノズル翼や動翼の形状、各翼間を流れる作動流体における圧力損失等によって影響を受けるため、タービンの効率を向上させるためには、ノズル翼翼列および動翼翼列の最適な設計が重要となる。
図9は、一般的な軸流タービンを構成するノズル翼翼列300を模式的に示す斜視図である。図9に示すように、複数枚のノズル翼301は、内壁302と外壁303との間に周方向に配設されている。図9では、ノズル翼301と内壁302との交差部分304およびノズル翼301と外壁303との交差部分305は直角に交わっている、すなわちすみ肉がない状態で交わっている一例を示している。ここで、すみ肉とは、交差部分304、305に形成された所定の曲率半径を有するR部をいい、例えば、機械加工や溶接接合により形成される。一方、実際のノズル翼翼列や動翼翼列等は、内壁や外壁と一体でけずりだして製作されることがあり、この場合には、図9に示すように、ノズル翼301と内壁302との交差部分304およびノズル翼301と外壁303との交差部分305をすみ肉がない状態に機械加工するのは非常に困難である。
図10は、ノズル翼301と内壁302との交差部分304をすみ肉がない状態、すなわち直角に加工した場合におけるノズル翼翼列の後縁側の斜視図である。図11は、ノズル翼301と内壁302との交差部分304をすみ肉がある状態に加工した場合におけるノズル翼翼列の後縁側の斜視図である。図12は、隣接するノズル翼301間の環状ピッチTとスロート長さSを説明するための断面図である。
上記したように、ノズル翼301と内壁302との交差部分304およびノズル翼301と外壁303との交差部分305をすみ肉がない状態に機械加工するのは非常に困難であるため、図11に示すような、すみ肉310がある状態に加工されることが多い。また、翼列の基本的な設計パラメータであるスロート長さSは、図11に示すような、すみ肉310を有するノズル翼翼列では、図10に示すような、すみ肉がないノズル翼翼列の場合に比べて、局所的に著しく減少する。ここで、図12に示すように、スロート長さSとは、隣接するノズル翼との最短距離をいい、これによって作動流体の流出面積が規定される。また、スロート長さSは、ノズル翼翼列の入口と出口における所望の圧力差、すなわち差圧を確保するための重要なパラメータである。なお、環状ピッチTは、隣接するノズル翼301間の距離である。ここで、図11に示すようにすみ肉を有する場合でも、所定の曲率の範囲ですみ肉を形成することで、タービン段の効率が向上するとの報告がある(例えば、特許文献1参照。)。
図13は、ノズル翼間の翼の高さ方向における従来のスロート長さSの分布を示す図である。なお、図中の破線は設計値であり、実線はすみ肉を考慮したときの値である。図13に示すように、ノズル翼の高さ方向のスロート長さSの分布は、設計値の破線に対し、すみ肉加工を考慮すると、すみ肉の曲率半径Rに相当する翼の高さ範囲にわたって、スロート長さSが減少する。また、内径部では、スロート長さSは最小(例えば、図11のスロート長さS1)となっている。すみ肉の曲率半径Rが翼の高さに対して非常に小さい場合は、このすみ肉が形成されることによる流体流出面積の減少分は無視することができるが、高圧タービンなどのように、翼の高さが比較的低い場合には、流体流出面積の減少分が影響し、設計上の圧力比を満たせなくなることがある。さらに、実際のタービンは、複数のノズル翼翼列や動翼翼列による多段落で構成されるため、各段落における流体流出面積の減少分が積算され、タービン全体として設計どおりの圧力比とならないことがある。
図14は、上記した問題を解決するためになされた、ノズル翼間の翼の高さ方向における従来のスロート長さSの分布を示す図である。この方法では、図14に示すように、翼の高さ方向の全域に渡りスロート長さSを広げて、すみ肉により減少した流体流出面積に相当する面積分を増加させている。
特開平8−74502号公報
上記した、翼の高さ方向の全域に渡りスロート長さSを広げてすみ肉により減少した流体流出面積に相当する面積分を増加させる従来の方法では、流体流出面積については同一となるが、内壁面や外壁面付近で局所的にスロート長さSが急激に減少する分布形状となることについては改善されない。スロート長さSの分布は、ノズル翼翼列の出口における翼列の高さ方向の出口流量分布を決定する重要なパラメータであり、上記した従来の方法では、流体流出面積が同一であっても、設計に対応した出口流量分布等が得られないという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ノズル翼または動翼と壁面との交差部分にすみ肉が形成されたノズル翼翼列または動翼翼列の出口において、すみ肉により減少した流体流出面積に相当する面積分を増加させるとともに、すみ肉形成部分における流体流出面積の急激な減少を回避し、設計に対応した出口流量分布等が得られるノズル翼翼列、動翼翼列および軸流タービンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のノズル翼翼列は、内部環状流路にノズル翼が周方向に複数配設され、前記ノズル翼の内径側および外径側を支持する環状壁面とノズル翼端面との交差部分に所定の曲率半径を有するすみ肉が形成されたノズル翼翼列であって、前記すみ肉が形成された領域であり、前記環状壁面から前記ノズル翼の高さ方向に前記所定の曲率半径に対応した長さに相当する部分に亘る前記ノズル翼の後縁端を、前記すみ肉が形成されることで減少した、隣接するノズル翼の背面との間の距離に対応させて、該隣接するノズル翼の背面との間の距離が増加する方向に広げ、出口における流体流出面積を増加させたことを特徴とする。
このノズル翼翼列によれば、すみ肉が形成された領域のノズル翼の後縁端を広げることで、ノズル翼翼列の出口において、スロート長さを局所的に減少することなく、すみ肉が形成されないときと同一の流体流出面積を維持することができる。
また、本発明のノズル翼翼列は、内部環状流路にノズル翼が周方向に複数配設され、前記ノズル翼の内径側および外径側を支持する環状壁面とノズル翼端面との交差部分に所定の曲率半径Rを有するすみ肉が形成されたノズル翼翼列であって、前記環状壁面における、前記ノズル翼の後縁端と前記ノズル翼に隣接するノズル翼の背面との設計最短距離S0が、前記すみ肉を形成することでS1となる場合において、前記環状壁面における前記隣接するノズル翼の背面との間の距離を増加距離ΔS(0<ΔS≦S0−S1)の範囲で増加させ、かつ前記環状壁面から前記ノズル翼の高さ方向に、高さH(H=(S0−S1)R/ΔS、かつHは前記ノズル翼の高さ以下)に亘って前記ノズル翼の後縁端を、前記増加距離ΔSを線形的に減少させながら、該隣接するノズル翼の背面との間の距離が増加する方向に広げ、出口における流体流出面積を増加させたことを特徴とする。
このノズル翼翼列によれば、すみ肉が形成された領域のノズル翼の後縁端を、ノズル翼の高さ方向に高さHに亘って緩やかに広げることで、スロート長さを局所的に減少することなく、すみ肉が形成されないときと同一の流体流出面積を維持することができる。
本発明の動翼翼列は、内部環状流路に動翼が周方向に複数配設され、前記動翼の内径側および外径側を支持する環状壁面と動翼端面との交差部分に所定の曲率半径を有するすみ肉が形成された動翼翼列であって、前記すみ肉が形成された領域であり、前記環状壁面から前記動翼の高さ方向に前記所定の曲率半径に対応した長さに相当する部分に亘る前記動翼の後縁端を、前記すみ肉が形成されることで減少した、隣接する動翼の背面との間の距離に対応させて、該隣接する動翼の背面との間の距離が増加する方向に広げ、出口における流体流出面積を増加させたことを特徴とする。
この動翼翼列によれば、すみ肉が形成された領域の動翼の後縁端を広げることで、動翼翼列の出口において、スロート長さを局所的に減少することなく、すみ肉が形成されないときと同一の流体流出面積を維持することができる。
また、本発明の動翼翼列は、内部環状流路に動翼が周方向に複数配設され、前記動翼の内径側および外径側を支持する環状壁面と動翼端面との交差部分に所定の曲率半径Rを有するすみ肉が形成された動翼翼列であって、前記環状壁面における、前記動翼の後縁端と前記動翼に隣接する動翼の背面との設計最短距離S0が、前記すみ肉を形成することでS1となる場合において、前記環状壁面における前記隣接する動翼の背面との間の距離を増加距離ΔS(0<ΔS≦S0−S1)の範囲で増加させ、かつ前記環状壁面から前記動翼の高さ方向に、高さH(H=(S0−S1)R/ΔS、かつHは前記動翼の高さ以下)に亘って前記動翼の後縁端を、前記増加距離ΔSを線形的に減少させながら、該隣接する動翼の背面との間の距離が増加する方向に広げ、出口における流体流出面積を増加させたことを特徴とする。
この動翼翼列によれば、すみ肉が形成された領域の動翼の後縁端を、動翼の高さ方向に高さHに亘って緩やかに広げることで、スロート長さを局所的に減少することなく、すみ肉が形成されないときと同一の流体流出面積を維持することができる。
また、上記したノズル翼翼列および/または動翼翼列を備えた軸流タービンを構成してもよい。
本発明のノズル翼翼列、動翼翼列および軸流タービンによれば、ノズル翼または動翼と壁面との交差部分にすみ肉が形成されたノズル翼翼列または動翼翼列の出口において、すみ肉により減少した流体流出面積に相当する面積分を増加させるとともに、すみ肉形成部分における流体流出面積の急激な減少を回避し、設計に対応した出口流量分布等が得られる軸流タービンを提供することを目的とする。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係るノズル翼翼列15および動翼翼列35を備えた軸流タービン100の一部の断面を示す図である。図2は、すみ肉20が形成された領域を含んで、環状壁面11に水平なノズル翼翼列15の断面を示す図である。図3は、図2のA−A断面を示す図である。図4は、本発明の第1の実施の形態に係るノズル翼間の翼の高さ方向におけるスロート長さSの分布を示す図である。
図1に示すように、軸流タービン100において、ケーシング110内にはタービンロータ111が貫設されている。また、ケーシング110の内周面にはノズルダイヤフラム外輪112が多段に接続され、各ノズルダイヤフラム外輪112に対応してノズルダイヤフラム内輪113が設けられている。また、ノズルダイヤフラム外輪112とノズルダイヤフラム内輪113との間には、ノズル翼10が周方向に複数配設され、ノズル翼翼列15を構成している。また、各ノズル翼翼列15に対応して、各ノズル翼翼列15の下流側には、動翼30が周方向に複数配設された動翼翼列35が配設されている。この動翼翼列35は、タービンロータ111のホイール部114に、周方向に複数の動翼30を植設することで構成されている。また、ノズルダイヤフラム内輪113のタービンロータ111側の面には、ノズルラビリンス115が設けられ、蒸気の漏洩を抑制している。
例えば、高圧タービンや中圧タービンなどの軸流タービン100内に流入した蒸気は、図示しないノズルボックスを介してノズル翼翼列15に導かれる。ノズル翼翼列15を通過した蒸気は、動翼翼列35に導かれ、膨張仕事によりタービンロータ111を回転させる。
次に、ノズル翼翼列15の構成について説明する。
上記したように、ノズル翼10は、内部環状流路を構成する、ノズルダイヤフラム外輪112とノズルダイヤフラム内輪113との間に周方向に所定の環状ピッチTで複数配設される。
図2〜図4に示すように、第1の実施の形態に係るノズル翼翼列15は、ノズル翼10の内径側および外径側を支持する環状壁面11(ノズルダイヤフラム外輪112やノズルダイヤフラム内輪113の壁面)とノズル翼端面との交差部分に曲率半径Rを有するすみ肉20が形成されている。そして、すみ肉20が形成された領域であり、環状壁面11からノズル翼10の高さ方向に曲率半径Rに対応した長さに相当する部分H1に亘るノズル翼10の後縁端21を、すみ肉20が形成されることで減少した、隣接するノズル翼10aの背面との間の距離に対応させて、該隣接するノズル翼10aの背面との間の距離が増加する方向(図2の矢印の方向)に広げ、出口における流体流出面積を増加させている。なお、図2および図3には、ノズル翼10の後縁端21を広げる前の位置を破線で示している。また、図4には、設計値を破線で示し、横軸の内径側端面は、ノズル翼の内径側の翼端面と環状壁面(ノズルダイヤフラム内輪113の壁面)との接面を意味し、横軸の外径側端面は、ノズル翼の外径側の翼端面と環状壁面(ノズルダイヤフラム外輪112の壁面)との接面を意味する。
ここで、すみ肉20が形成されることで減少した、隣接するノズル翼10aの背面との間の距離とは、すみ肉20が形成されない場合のノズル翼10の後縁端21とこのノズル翼10に隣接するノズル翼10aの背面との設計最短距離(すなわち、設計上のスロート長さ)から、すみ肉20が形成された場合のノズル翼10の後縁端21とこのノズル翼10に隣接するノズル翼10aの背面との最短距離(すなわち、実際のスロート長さ)を減じた値である。なお、ノズル翼10の高さ方向における位置によって、これらの距離の差は変化するため、この距離の差に対応させて、ノズル翼10の後縁端21を該隣接するノズル翼10aの背面との間の距離が増加する方向に広げている。
例えば、図3に示すように、環状壁面11において、すみ肉20が形成されないときのノズル翼10の後縁端21とこのノズル翼10に隣接するノズル翼10aの背面との設計最短距離をS0とし、すみ肉20が形成されたときのノズル翼10の後縁端21とこのノズル翼10に隣接するノズル翼10aの背面との最短距離をS1とした場合には、すみ肉20が形成されることで減少した、隣接するノズル翼10aの背面との間の距離は、「S0−S1」となる。すなわち、環状壁面11(ノズル翼の高さ方向に0の位置)では、この減少した距離(S0−S1)分、ノズル翼10の後縁端21は、隣接するノズル翼10aの背面との間の距離が増加する方向(図2の矢印の方向)に広げられる(図4の横軸の内径側端面または外径側端面を参照)。
上記したように、第1の実施の形態のノズル翼翼列15では、すみ肉20が形成された領域である、環状壁面11からノズル翼10の高さ方向に曲率半径Rに対応した長さに相当する部分H1に亘るノズル翼10の後縁端21を広げることで、ノズル翼翼列15の出口において、スロート長さを局所的に減少することなく、すみ肉20が形成されないときと同一の流体流出面積を維持することができる。これによって、ノズル翼翼列15の入口と出口における所望の圧力差、すなわち差圧を確保することができる。さらに、第1の実施の形態のノズル翼翼列15を備えることで、軸流タービン全体として所定の圧力比を維持することができ、タービンの効率を維持することができる。また、設計に対応した出口流量分布等を得ることができる。
なお、ここでは、ノズル翼翼列15について説明したが、動翼翼列35についてもノズル翼翼列15と同様の構成を採用することができる。また、ノズル翼翼列15と同様の構成を採用することで、動翼翼列35において上記したノズル翼翼列15における効果と同様の効果を得ることができる。また、動翼翼列35の場合には、環状壁面として、内径側は動翼30が植設される、タービンロータ111のホイール部114の壁面が、外径側は動翼30の先端に設けられるシュラウドの壁面が機能する。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るノズル翼間の翼の高さ方向におけるスロート長さSの分布を示す図である。図6は、環状壁面においてノズル翼の後縁端を広げる増加距離と段落性能向上量との関係を示す図である。図7は、図2のA−A断面に対応する位置、すなわちノズル翼の後縁端のすみ肉最先端部をとおり隣接するノズル翼の背面と最短距離となる位置における、第2の実施の形態に係るノズル翼翼列の断面を示す図である。なお、第1の実施の形態に係るノズル翼翼列と同一の構成部分には同一の符号を付して重複する説明を省略または簡略する。
図6に示すように、流体流出面積欠損分(図5の斜線で示した部分)と等価面積分を補うように、環状壁面においてノズル翼の後縁端を広げる増加距離ΔSを0<ΔS≦S0−S1の範囲で変化させた場合、段落性能向上量は上に凸の分布となる。ここで、図6の横軸の左端は、増加距離ΔSが0の場合、すなわち図11に示すような、すみ肉が形成されるときでも、ノズル翼の後縁端を広げて流路の調整をしない場合を意味し、この場合の段落性能向上量を0としている。図6に示す関係から、第1の実施の形態で説明した、環状壁面からノズル翼の高さ方向に曲率半径Rに対応した長さに相当する部分H1に亘るノズル翼の後縁端を、該隣接するノズル翼の背面との間の距離が増加する方向に広げる場合(図6の横軸が「S0−S1」の場合)においても段落性能向上量は向上するが、さらに好適な増加距離を設定することができる。具体的には、環状壁面からノズル翼の高さ方向に曲率半径Rに対応した長さに相当する部分H1に亘るようにノズル翼の後縁端を広げるよりも、環状壁面からノズル翼の高さ方向に曲率半径Rに対応した長さ以上の長さを有する部分に亘ようにノズル翼の後縁端を広げる方が好適となることがある。
そこで、本発明の第2の実施の形態では、すみ肉を設けることで、ノズル翼および動翼の後縁端で減少する流体流出面積欠損分(図5の斜線で示した部分)と等価面積分を、環状壁面からノズル翼の高さ方向に曲率半径Rに対応した長さ以上の長さを有する部分H2に亘るノズル翼の後縁端において補う構成を備えるノズル翼翼列および動翼翼列について説明する。ここでも、上記した第1の実施の形態の場合と同様に、ノズル翼翼列を例に説明する。
図7に示すように、第2の実施の形態に係るノズル翼翼列45は、ノズル翼40の内径側および外径側を支持する環状壁面11(ノズルダイヤフラム外輪112やノズルダイヤフラム内輪113の壁面)とノズル翼端面との交差部分に曲率半径Rを有するすみ肉20が形成されている。そして、環状壁面11における、ノズル翼40の後縁端50とノズル翼40に隣接するノズル翼40aの背面との設計最短距離S0が、すみ肉20を形成することでS1となる場合において、環状壁面11における隣接するノズル翼40aの背面との間の距離を増加距離ΔS(0<ΔS≦S0−S1)の範囲で増加させ、かつ環状壁面11からノズル翼40の高さ方向に、高さH2(H2=(S0−S1)R/ΔS、かつH2はノズル翼40の高さ以下)に亘ってノズル翼40の後縁端50を、増加距離ΔSを線形的に減少させながら、該隣接するノズル翼40aの背面との間の距離が増加する方向に広げ、出口における流体流出面積を増加させている。なお、図7には、ノズル翼40の後縁端50を広げる前の位置を破線で示している。
ここで、増加距離ΔSを0<ΔS≦S0−S1の範囲に設定したのは、増加距離ΔSが0以下であると、環状壁面11における隣接するノズル翼40aの背面との間の距離を増加することができないため、すみ肉20を形成することで生じるノズル翼翼列45の出口における流体流出面積の減少分を補うことができないからである。また、増加距離ΔSが「S0−S1」を超えると、ノズル翼翼列45の出口における流体流出面積が設計面積よりも大きくなり、設計流体流出面積を維持できないからである。また、増加距離ΔSを線形的に減少させるとは、図5に示すように、増加距離ΔSを、環状壁面11からノズル翼40の高さ方向に向かって直線的に減少させることを意味している。なお、図5には、設計値を破線で示し、横軸の内径側端面は、ノズル翼の内径側の翼端面と環状壁面(ノズルダイヤフラム内輪113の壁面)との接面を意味し、横軸の外径側端面は、ノズル翼の外径側の翼端面と環状壁面(ノズルダイヤフラム外輪112の壁面)との接面を意味する。
また、上記したように、第2の実施の形態に係るノズル翼翼列45では、ノズル翼40の後縁端50で減少する流体流出面積欠損分(図5の斜線で示した部分)と等価面積分を、環状壁面からノズル翼の高さ方向に曲率半径Rに対応した長さ以上の長さを有する部分H2に亘るノズル翼40の後縁端50において補う構成を備えるものである。ここで、内径側端面および外径側端面における流体流出面積欠損分を三角形に近似し、これらの部分の面積Mは、それそれ次の式(1)で算出される。
M=(S0−S1)R/2 …式(1)
また、環状壁面11における隣接するノズル翼40aの背面との間の距離を増加距離ΔSとした場合に、この面積Mと等しくなるように、H2は、それぞれ次の式(2)で近似的に算出される。
H2=(S0−S1)R/ΔS …式(2)
なお、H2は、ノズル翼40の高さ以下とする。
上記したように、第2の実施の形態のノズル翼翼列45では、すみ肉20が形成された領域のノズル翼40の後縁端50を、ノズル翼40の高さ方向に亘って緩やかに広げることで、スロート長さが局所的に減少することがなく、ノズル翼翼列45の出口における環状壁面11近傍の流体流出面積を緩やかに増加させることができる。さらに、ノズル翼翼列45の出口において、すみ肉20が形成されないときと同一の流体流出面積を維持することができる。これらによって、性能劣化を回避することができ、段落性能向上量をさらに向上させることができる。また、ノズル翼翼列45の入口と出口における所望の圧力差、すなわち差圧を確保することができる。さらに、第2の実施の形態のノズル翼翼列45を備えることで、軸流タービン全体として所定の圧力比を維持することができ、タービンの効率を維持することができる。
なお、ここでは、ノズル翼翼列45について説明したが、動翼翼列35についてもノズル翼翼列45と同様の構成を採用することができる。また、ノズル翼翼列45と同様の構成を採用することで、動翼翼列35において上記したノズル翼翼列45における効果と同様の効果を得ることができる。また、動翼翼列35の場合には、環状壁面として、内径側は動翼30が植設される、タービンロータ111のホイール部114の壁面が、外径側は動翼30の先端に設けられるシュラウドの壁面が機能する。
以上、本発明を実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記した本発明に係るノズル翼翼列や動翼翼列の構成は、他の手段によりノズル翼翼列や動翼翼列の性能の向上が図られた、すみ肉を有するノズル翼翼列や動翼翼列にも採用することができる。なお、ここでもノズル翼翼列を例に説明するが、上記同様、動翼翼列にも適用でき、さらに同様の効果を得ることができる。
図8には、ノズル翼の出口面積がノズル翼の高さ方向の中央部で最大となるノズル翼翼列に本発明を適用したときの、ノズル翼間の翼の高さ方向におけるスロート長さSの分布を示す図である。図8の縦軸は、スロート長さSを環状ピッチTで除した値(S/T)を示している。また、図8には、設計値を破線で示し、横軸の内径側端面は、ノズル翼の内径側の翼端面と環状壁面(ノズルダイヤフラム内輪113の壁面)との接面を意味し、横軸の外径側端面は、ノズル翼の外径側の翼端面と環状壁面(ノズルダイヤフラム外輪112の壁面)との接面を意味する。
このノズル翼翼列は、上記した第1および2の実施の形態に係るノズル翼翼列と同様に、ノズル翼の内径側および外径側を支持する環状壁面とノズル翼端面との交差部分に曲率半径Rを有するすみ肉が形成されている。また、図8に示すように、このノズル翼翼列では、上記したS/T値がノズル翼の高さ方向の中央部で最大となるように形成することで、良好な出口流量分布が得られている。しかしながら、このノズル翼翼列においても、すみ肉を備えることで、図8に点線で示した設計S/T分布に比べ、図示はしていないが、ノズル翼の内径側端面および外形側端面の近傍でS/Tが著しく減少する。
そこで、このようなノズル翼翼列に、上記した本発明の構成を採用し、図8に実線で示すS/Tとすることで、ノズル翼の内径側端面および外形側端面の近傍における出口断面積の減少が回避され、ノズル翼翼列の入口において所望の流量分布を実現することができる。
本発明に係るノズル翼翼列および動翼翼列を備えた軸流タービンの一部の断面を示す図。 本発明の第1の実施の形態に係る、すみ肉が形成された領域を含んで、環状壁面に水平なノズル翼翼列の断面を示す図。 図2のA−A断面を示す図。 本発明の第1の実施の形態に係るノズル翼間の翼の高さ方向におけるスロート長さSの分布を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係るノズル翼間の翼の高さ方向におけるスロート長さSの分布を示す図。 環状壁面においてノズル翼の後縁端を広げる増加距離と段落性能向上量との関係を示す図。 図2のA−A断面に対応する位置における第2の実施の形態に係るノズル翼翼列の断面を示す図。 ノズル翼の出口面積がノズル翼の高さ方向の中央部で最大となるノズル翼翼列に本発明を適用したときの、ノズル翼間の翼の高さ方向におけるスロート長さSの分布を示す図。 一般的な軸流タービンを構成するノズル翼翼列を模式的に示す斜視図。 ノズル翼と内壁との交差部分をすみ肉がない状態、すなわち直角に加工した場合におけるノズル翼翼列の後縁側の斜視図。 ノズル翼と内壁との交差部分をすみ肉がある状態に加工した場合におけるノズル翼翼列の後縁側の斜視図。 隣接するノズル翼間の環状ピッチTとスロート長さSを説明するための断面図。 ノズル翼間の翼の高さ方向における従来のスロート長さSの分布を示す図。 ノズル翼間の翼の高さ方向における従来のスロート長さSの分布を示す図。
符号の説明
10,10a…ノズル翼、11…環状壁面、15…ノズル翼翼列、20…すみ肉、21…後縁端、30…動翼、35…動翼翼列、100…軸流タービン、110…ケーシング、111…タービンロータ、112…ノズルダイヤフラム外輪、113…ノズルダイヤフラム内輪、114…ホイール部。

Claims (7)

  1. 内部環状流路にノズル翼が周方向に複数配設され、前記ノズル翼の内径側および外径側を支持する環状壁面とノズル翼端面との交差部分に所定の曲率半径を有するすみ肉が形成されたノズル翼翼列であって、
    前記すみ肉が形成された領域であり、前記環状壁面から前記ノズル翼の高さ方向に前記所定の曲率半径に対応した長さに相当する部分に亘る前記ノズル翼の後縁端を、前記すみ肉が形成されることで減少した、隣接するノズル翼の背面との間の距離に対応させて、該隣接するノズル翼の背面との間の距離が増加する方向に広げ、出口における流体流出面積を増加させたことを特徴とするノズル翼翼列。
  2. 内部環状流路にノズル翼が周方向に複数配設され、前記ノズル翼の内径側および外径側を支持する環状壁面とノズル翼端面との交差部分に所定の曲率半径Rを有するすみ肉が形成されたノズル翼翼列であって、
    前記環状壁面における、前記ノズル翼の後縁端と前記ノズル翼に隣接するノズル翼の背面との設計最短距離S0が、前記すみ肉を形成することでS1となる場合において、前記環状壁面における前記隣接するノズル翼の背面との間の距離を増加距離ΔS(0<ΔS≦S0−S1)の範囲で増加させ、かつ前記環状壁面から前記ノズル翼の高さ方向に、高さH(H=(S0−S1)R/ΔS、かつHは前記ノズル翼の高さ以下)に亘って前記ノズル翼の後縁端を、前記増加距離ΔSを線形的に減少させながら、該隣接するノズル翼の背面との間の距離が増加する方向に広げ、出口における流体流出面積を増加させたことを特徴とするノズル翼翼列。
  3. 内部環状流路に動翼が周方向に複数配設され、前記動翼の内径側および外径側を支持する環状壁面と動翼端面との交差部分に所定の曲率半径を有するすみ肉が形成された動翼翼列であって、
    前記すみ肉が形成された領域であり、前記環状壁面から前記動翼の高さ方向に前記所定の曲率半径に対応した長さに相当する部分に亘る前記動翼の後縁端を、前記すみ肉が形成されることで減少した、隣接する動翼の背面との間の距離に対応させて、該隣接する動翼の背面との間の距離が増加する方向に広げ、出口における流体流出面積を増加させたことを特徴とする動翼翼列。
  4. 内部環状流路に動翼が周方向に複数配設され、前記動翼の内径側および外径側を支持する環状壁面と動翼端面との交差部分に所定の曲率半径Rを有するすみ肉が形成された動翼翼列であって、
    前記環状壁面における、前記動翼の後縁端と前記動翼に隣接する動翼の背面との設計最短距離S0が、前記すみ肉を形成することでS1となる場合において、前記環状壁面における前記隣接する動翼の背面との間の距離を増加距離ΔS(0<ΔS≦S0−S1)の範囲で増加させ、かつ前記環状壁面から前記動翼の高さ方向に、高さH(H=(S0−S1)R/ΔS、かつHは前記動翼の高さ以下)に亘って前記動翼の後縁端を、前記増加距離ΔSを線形的に減少させながら、該隣接する動翼の背面との間の距離が増加する方向に広げ、出口における流体流出面積を増加させたことを特徴とする動翼翼列。
  5. 請求項1または2記載のノズル翼翼列を備えたことを特徴とする軸流タービン。
  6. 請求項3または4記載の動翼翼列を備えたことを特徴とする軸流タービン。
  7. 請求項1または2記載のノズル翼翼列、および請求項3または4記載の動翼翼列を備えたことを特徴とする軸流タービン。
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