JP4723379B2 - 高い充填剤含有量を有する安定な陽イオン重合性/架橋性歯科用組成物 - Google Patents

高い充填剤含有量を有する安定な陽イオン重合性/架橋性歯科用組成物 Download PDF

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Description

本発明の分野は、歯科用組成物の分野である。より明確に言えば、本発明において開発された歯科用組成物は、義歯を製造するために及び歯の修復のために使用できる。
これらの歯科用組成物は、従来、エポキシ樹脂又は光重合性シリコーン又はフリーラジカル重合性アクリレート樹脂である。これらの組成物は、粒状補強充填剤(例えば、疎水性化シリカの)、光開始剤及び随意として陽イオン性組成物又はフリーラジカル開始剤の場合には光増感剤をさらに含み、そしてさらに顔料又は安定剤のようなその他の機能性添加剤をも含む。これらのものを混合した後に、これらの組成物を成形し、次いで構造が歯の構造に類似する素材に光架橋させる。
充填剤が高い比表面積を有する非常に細かな粒子(〜0.05μm)からなるという事実は、その樹脂への取り込みの程度を制限する要因である。これは、樹脂の吸収能力が制限されるためである。その結果は、このような組成物の充填剤レベルがまれにしか45容量%以上に達しないということである。従って、これは、粒状充填剤に割り当てられた機械的強化機能を損なう。また、この粒状充填剤は、(光)重合性/架橋性種の反応性官能基とも相互作用するため、歯科用組成物の不安定性という問題の根底にあり得る。
米国特許第6306926号は、エポキシ(例えば、ポリテトラヒドロフラン、UVR(商標)6105、EPON(商標)828、GY281(商標))、オキセタン又は、とりわけ、陽イオンで及び放射線照射下で重合性/架橋性であるビニルエーテル樹脂、及び随意としてフリーラジカルで重合し得る(メタ)アクリレート樹脂を基材とする歯科用組成物に関する。光開始剤及び随意としてフリーラジカル開始剤である重合開始剤のほかに、必要に応じて、これらの組成物は、放射線を通さず、且つ、次の金属化合物:酸化物、ハロゲン化物、硼酸塩、燐酸塩、珪酸塩、炭酸塩、ゲルマニウム酸塩、テトラフルオル硼酸塩及びヘキサフルオル燐酸塩から選択され、7以下の等電点を有する微粒子状無機充填剤を含む。この組成物は、そのバーコル硬度が25℃での陽イオン重合の30分後に少なくとも10であるようなものである。
これらの樹脂は、UV−可視化学線重合の化学線活性化放射線に対して完全には透過性でないという欠点を有する。これは、反応速度に有害であり、そのため非常に厚い光架橋材料を得る可能性を制限する。
特許出願FR−A−2784025号は、陽イオンで及び放射線下で、その後に熱後架橋しつつ又はすることなく重合/架橋し得るシリコーン樹脂を基材とする歯科用組成物を提案することによってこれを改善させることを目的としている。これらのシリコーン樹脂は、オキシラン(エポキシド、オキセタンなど)又はビニルエーテル官能基などを含有する。このような組成物は、1種以上の陽イオン重合性及び/又は架橋性ポリジメチルシロキサンであってそれらの末端の少なくとも一つに次式:
Figure 0004723379
の反応性官能基を有するものと、有効量の少なくとも1種の硼酸オニウム開始剤:
Figure 0004723379
と、少なくとも1種の光増感剤と、ポリメタクリル酸メチル又は200m2/gの比表面積を有するヘキサメチルジシラザン処理ヒュームドシリカを基材とする不活性補強充填剤又は歯科用充填剤であって該組成物の総重量に対して少なくとも10重量%の割合で該組成物に存在するものとを含む。これらの歯科用組成物は、義歯又は歯科用装置の製造用である。これらのシリコーンは、UV−可視光に対して非常に透過性であり、そのため>400nmの可視範囲で放射するUVランプによって非常に短時間(1分以内)で光架橋する非常に厚い材料(数ミリメートルの厚さ)を得ることを可能にするという、陽イオンで架橋する有機樹脂以上の利点を有する。しかしながら、これらのシリコーンは、非常に低い粒度のクオーツ又はヒュームドシリカであってその表面シラノール及び/又は残留水が陽イオン性官能基と反応するもののようなルイス酸又はブレンステッド酸の特性を有する補強充填剤と共に処方される。従って、この種のシリコーン処方物は、該組成物の貯蔵中に不安定である。
充填剤によってもたらされるこの不安定性の問題のほかに、これらのシリコーン歯科用組成物は、依然として、充填の割合を増加させるという観点から改善できる余地があり、随意として機械的性質の改善を可能とするように置換され得る余地がある。
また、欧州特許出願EP−A−1050291号を通して、良好な機械的性質に恵まれるように存在し、且つ、0.05〜0.5μmの粒度Φmを有する10〜70容量%の充填剤(例えば、ヒュームドシリカ)(>0.50μmの直径Φを有する50容量%以下の粒子)と、フリーラジカルによって光重合し得るアクリル単量体と、次式:
R−[−CO−(CH25−O−]n−PO32
の燐酸エステル分散剤とを含有する、高度に充填される歯科用組成物も知られている。
フリーラジカル歯科用組成物に関するこの種の教示は、シリコーンを基材とする陽イオン性歯科用組成物には決して置き換えできない。これは、このR−[−CO−(CH25−O−]n−PO32分散剤が、特にオキシラン官能基の存在下で反応し且つ組成物の安定性を損なう重要な酸残基RPO32を含有するため、陽イオン性組成物にとっては好適でないからである。
従って、従来技術は、UV下で陽イオン重合し得る単位(例えば、オキシラン)をベースとする歯科用組成物を安定化させ且つ樹脂中にかなりの量の充填剤を分散させるという二つの問題に対する満足のいく解決法を提供しないことは明らかである。
米国特許第6306926号明細書 仏国特許出願公開第2784025号明細書 欧州特許出願公開第1050291号明細書
従って、本発明の必須の目的の一つは、安定性及び制限された充填割合に関する従来技術の欠点を示さない、UV下で陽イオン重合し得る単位(例えば、オキシラン)をベースとする新規な歯科用組成物を提供することによって、この状況を改善させることである。
本発明の別の必須の目的は、口腔環境中で重合及び/又は架橋し得る新規な陽イオン性歯科用組成物であって、安定で且つ高度に充填される(例えば、≧50%)だけでなく、特に、義歯又は歯の修復用材料を製造するために使用される歯科用組成物の収縮現象が非常に明らかに低減することに関する著しく改善された品質をも有するものを提供することである。
本発明の別の必須の目的は、口腔環境中で重合/架橋し得る新規な陽イオン性歯科用組成物であって、安定で且つ高度に充填される(例えば、≧50%)だけでなく、UV−可視光に対して非常に透過性であり、そのため>400nmの可視範囲で放射するUVランプによって非常に短時間で光架橋する非常に厚い材料(数ミリメートルの厚さ)を得ることを可能にするという利点をも有するものを提供することである。
本発明の別の必須の目的は、口腔環境中で重合/架橋し得る新規な陽イオン性歯科用組成物であって、安定であり且つ高度に充填される(例えば、≧50%)だけでなく、製造するのが容易で且つ経済的でもあるものを提供することである。
これらの目的は、とりわけ、第一に、歯科用組成物であって、
(1)陽イオンで且つ化学線、好ましくは化学線活性化下で反応する少なくとも1種の化合物と、
(2)該組成物の総重量に対して少なくとも10重量%の割合で存在する少なくとも1種の歯科用充填剤と、
(3)アミン指数が1グラムの分散剤当たり100mg以下の水酸化カリウムであるものから選択される少なくとも1種の有機重合体又は共重合体を基材とする少なくとも1種の分散剤と、
(4)少なくとも1種の陽イオン性光開始剤と、
(5)随意として少なくとも1種の光増感剤と
を含むものを提供する本発明によって達成される。
驚くべきことに、また予期せぬことに、充填剤の表面を処理することが可能であるため充填剤の割合を増加させることを可能とし、しかして究極的には該材料を該複合物の安定性を損なうことなく強化することを可能とする、賢明に選択された(共)重合体分散剤を処方中に使用することが可能であることを示したことは、本発明者の功績である。この安定性は、数ヶ月又は数年という有用な寿命にかわる。これらの分散剤は、組成物における極めて重要な安定性を保持しつつ、材料を不透明にすることなくこれを流体化させることを可能にする。この本発明の功績の結果として、非常に高レベルの、非常に低い粒度、即ち≧50%の処理充填剤を使用することが可能となる。この技術的な解決は、全て、経済的に実行可能であり、しかも実行するのが容易であるという点で、さらに有益である。同様に、この組成物が重合/架橋後の収縮(これは、もっぱら歯科用組成物でかなりのものである)を制限する点で満足を与えることが分かることも興味深い。
一般的に言えば、光活性化は、UV照射下で実行される。より具体的に言えば、ほぼ200〜500nmの波長を有するUV照射は、義歯を製造するために使用され、そして、400nm以上の波長を有するUV−可視照射は、修復材料を製造するために使用される。400nm以上の波長は、口腔環境中での架橋及び/又は重合を可能にする。
化学線(光化学)活性化は、有利には、熱活性化によって補足(またさらに置換)され得る。
分散剤(3)のアミン指数は、1グラムの分散剤(3)当たり、好ましくは60以上、より好ましくはさらに0.1〜50mgの水酸化カリウムである。
有利には、該分散剤の酸指数は、1グラムの分散剤当たり、200以下、好ましくは100以下、より好ましくは1〜60mgの水酸化カリウムである。
本発明の一つの有利な特徴によれば、歯科用充填剤(2)は、10〜85重量%(又は容量%)で存在する。
本発明に従い、分散剤(3)は、随意としてアルキルアンモニウム塩の形態のポリウレタン/アクリレート共重合体、随意としてアルキルアンモニウム塩の形態のアクリル共重合体、カルボン酸のモノエステル若しくはジエステル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、変性ポリウレタン、ポリオール−ポリアクリレート、それらの共重合体又はそれらの混合物よりなる群から選択される。
商標Disperbyk(Byk社製)又はSolsperse(Avecia社製)の下に販売されている分散剤は、本発明にとって特に好適である。
特に、例としては、次の市販製品:Disperbyk(商標)164、Disperbyk(商標)161、Disperbyk(商標)166、Disperbyk(商標)2070、Disperbyk(商標)9075、Disperbyk(商標)9076が挙げられる。米国特許第5882393号には、ポリウレタン/イミダゾールアクリレート又はエポキシドを基材とする分散剤が記載されている。米国特許第5425900号には、ポリウレタンを基材とする分散剤が記載されている。米国特許第4795796号には、ポリウレタン/ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルを基材とする分散剤が記載されている。国際公開WO−A−99/56864号には、ポリウレタン/ポリ(オキシアルキレン−カルボニル):ε−カプロラクトンとδ−バレロラクトンの誘導体を基材とする分散剤が記載されている。欧州特許第0403197号には、ポリウレタン/ポリビニル/ポリアクリレートランダム共重合体及びポリオキシアルキレンポリエーテルを含むグラフトポリオール−ポリアクリレート分散剤が記載されている。
定量的に言えば、分散剤(3)は、50ppm〜1%、好ましくは100ppm〜5000ppmで存在する。
陽イオン反応性化合物(1)は、好ましくは、エポキシ、ビニルエーテル、オキセタン、スピロオルトカーボネート、スピロオルトエステル及びそれらの組合せよりなる単量体及び/又は(共)重合体の群から選択される。
より好ましくは、陽イオン反応性化合物(1)は、周囲温度で液体であり又は100℃以下の温度で溶融し得る少なくとも1種の架橋性及び/又は重合性シリコーンオリゴマー又は重合体からなり、且つ、
・次式(FS):
Figure 0004723379
(式中、
a=0、1又は2であり、
0は、それぞれ同一又は異なるものであり、そしてアルキル、シクロアルキル、アリール、ビニル、水素又はアルコキシ基、好ましくはC1〜C6低級アルキルを表し、
Zは、それぞれ同一又は異なるものであり、そして少なくとも1種の反応性エポキシ及び/又はアルケニルエーテル及び/又はオキセタン及び/又はジオキソラン及び/又はカーボネート官能基を含有する有機置換基である。)
の少なくとも1個の単位と、
・少なくとも2個の珪素原子と
を含む。
このシリコーン重合体又はオリゴマー(1)は、UV−可視光に対して透過性であるという、陽イオンで架橋する有機樹脂を超える利点を有するため、その使用は、非常に厚い材料であってその光架橋が短時間で起こるものを得ることを可能にする。
該シリコーン重合体又はオリゴマー(1)の反応性官能基Zは、かなり変更できる。しかしながら、特に有利な歯科用組成物は、該シリコーンオリゴマー又は重合体(1)が、少なくとも1個の単位(FS)であってZが少なくとも1個の反応性エポキシ及び/又はジオキソラン官能基、好ましくは少なくとも1個の反応性エポキシ官能基を含有する有機置換基Z1を表すものを含むときに得られる。
本発明の2つの有利な選択肢によれば、少なくとも1個の反応性エポキシ及び/又はジオキソラン官能基Z1、好ましくは少なくとも1種の反応性エポキシ官能基を有するシリコーンオリゴマー又は重合体(1)は、
(i)この(これらの)タイプの反応性官能基Z1のみを含有するか、又は
(ii)反応性アルケニルエーテル、オキセタン及び/又はカーボネート官能基Z2のような他の反応性官能基Zを含有するか
のいずれかであることができる。
第1の選択肢(i)の場合には、歯科用組成物は、アルケニルエーテル、オキセタン及び/又はカーボネート官能基のような他の反応性官能基Z2と、随意として反応性官能基Z1とを含有する他のシリコーンオリゴマー及び/又は重合体を含むこともできる。
反応性官能基Zの例として、これらの官能基は、特に、次の基:
Figure 0004723379
(ここで、R"は、線状又は分岐C1〜C6アルキル基を表す。)
から選択できる。
本発明の第2の有利な変形例によれば、シリコーン重合体又はオリゴマーは、次の平均的な式:
Figure 0004723379
Figure 0004723379
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Figure 0004723379
Figure 0004723379
Figure 0004723379
を有する少なくとも1種のシリコーンからなる。
本発明に従う組成物を製造するために、異なるタイプの充填剤(2)を使用することができる。これらの充填剤は、歯科用組成物の最終用途に応じて選択される:これらのものは、該歯科用組成物の架橋及び/又は重合後に得られる材料の外観、UV放射の透過並びに機械的性質及び物性のような重要な特性に影響を及ぼす。
補強充填剤としては、処理済み又は未処理焼成シリカ充填剤、非晶質シリカ充填剤、クオーツ、ガラス充填剤又は酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化弗素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ボロシリケート、アルミノシリケート、タルク、スフェロシル、三弗化イッテルビウムをベースとする非ガラス質充填剤、不活性若しくは官能化ポリメタクリル酸メチル及びポリエポキシド又はポリカーボネートのような摩砕粉末状の重合体をベースとする充填剤が使用できる。
例としては、
・歯科分野において使用でき且つピンク色に着色される、UGL社製のポリメタクリル酸メチルベースのLuxaself不活性充填剤、
・200m2/gの比表面積を有するヘキサメチルジシラザン処理ヒュームドシリカ充填剤、
・未処理ヒュームドシリカ充填剤(デグッサ社によって販売されているAerosil AE200)、
・クオーツ又は酸化珪素ガラス
が挙げられる。
本発明の一つの有利な変形例によれば、充填剤、特にシリカ充填剤は、使用前に、次式(XXIII):
Figure 0004723379
の少なくとも1個の単位であってZ'はZと同一の定義を有し、a=0、1又は2であるようなものを、少なくとも1個の珪素原子と共に含有する10%(w/w)以下の量のシリコーンで120℃で処理される。
陽イオン光開始剤は、周期律表[Chem.& Eng.News,63巻,No.5,26,1985年2月4日]の第15族〜17族元素又は周期律表[同一の文献]の第4〜10族元素の有機金属錯体の硼酸オニウム(単独で又は混合物として得られる)から選択される。
この硼酸塩の陽イオン部分は、
(1)次式(I):
[(R1n−A−(R2m+ (I)
(式中、
・Aは、例えば、I、S、Se、P又はNのような第15〜17族元素を表し、
・R1は、C6〜C20複素環式又は炭素環式アリール基を表し、ここで、該複素環式基は、ヘテロ原子として窒素又は硫黄を含有することができ、
・R2は、R1又はC1〜C30線状又は分岐アルキル又はアルケニル基を表し、ここで、R1及びR2基は、C1〜C25アルコキシ、C1〜C25アルキル、ニトロ、クロル、ブロム、シアノ、カルボキシル、エステル又はメルカプト基で置換されていてよく、
・nは1〜v+1の範囲の整数であり、ここで、vは元素Aの原子価であり、
・mは0〜v−1の範囲の整数であり、ここで、n+m=v+1である。)
のオニウム塩、
(2)国際公開WO90/11303号に記載されたオキソイソチオクロマニウム塩、特に、2−エチル−4−オキソイソチオクロマニウム又は2−ドデシル−4−オキソイソチオクロマニウムのスルホニウム塩、
(3)次式(III):
(L123M)+q
(式中、
・Mは第4〜10族の金属、特に、鉄、マンガン、クロム又はコバルトを表し、
・L1は、π電子によって金属Mに結合する1個の配位子を表し、ここで、該配位子は、η3−アルキル、η5−シクロペンタジエニル及びη7−シクロヘプタトリエニル配位子並びに随意として置換されたη6−ベンゼン配位子及び2〜4個の縮合環であってそれぞれの環が3〜8個のπ電子によって金属Mの原子価殻に貢献し得るものを有する化合物から選択されるη6−芳香族化合物から選択されるものとし、
・L2は、π電子によって金属Mに結合する1個の配位子を表し、ここで、該配位子は、η7−シクロヘプタトリエニル配位子並びに随意として置換されたη6−ベンゼン配位子及び2〜4個の縮合環であってそれぞれの環が6又は7個のπ電子によって金属Mの原子価殻に貢献し得るものを有する化合物から選択されるη6−芳香族化合物から選択されるものとし、
・L3は、σ電子によって金属Mに結合する0〜3個の同一又は異なる配位子を表し、且つ、CO及びNO2 +から選択され、ここで、L1、L2及びL3が貢献する該錯体の全電子電荷q及び金属Mのイオン電荷は正であり、しかも1又は2である。)
の有機金属塩
から選択される。
陰イオン硼酸塩部分の式は、
[BXab-
(式中、
・a及びbは、aについては0〜3の範囲の整数であり、そしてbについては1〜4の範囲の整数であり、ここで、a+b=4であり、
・記号Xは、ハロゲン原子(塩素、弗素)(a=0〜3)、OH官能基(a=0〜2)を表し、
・記号Rは同一又は異なるものであり、そして
・陽イオン部分が第15〜17族元素のオニウムである場合には、例えば、OCF3、CF3、NO2若しくはCNのような少なくとも1個の電子求引基によって、及び/又は少なくとも2個のハロゲン原子(特に弗素)によって置換されたフェニル基、
・陽イオン部分が第4〜10族元素の有機金属錯体である場合には、少なくとも1個の電子求引元素又は電子求引基、特にハロゲン原子(特に弗素)、CF3、OCF3、NO2又はCNによって置換されたフェニル基、
・陽イオン部分に関わりなく、例えばビフェニル、ナフチルのような少なくとも2個の芳香核を含有するアリール基であって、少なくとも1個の電子求引元素又は電子求引基、特にハロゲン原子(具体的には弗素)、OCF3、CF3、NO2又はCNによって置換されていてよいもの
を表す。)
である。
限定ではないが、以下の本文は、本発明に従って使用する際に特に好ましい硼酸オニウム及び硼酸有機金属塩のサブクラス関する多数のさらなる詳細を含む。
本発明の第1の好ましい変形例によれば、特に好適な陰イオン硼酸塩部分の種は、次の通りである:
1':[B(C654-、2':[(C652BF2-、3':[B(C64CF34-、4':[B(C64OCF34-、5':[B(C63(CF324-、6':[B(C6324-、7':[C65BF3-
本発明の第2の好ましい変形例によれば、使用できるオニウム塩(1)は、多数の文献、具体的には、米国特許第4026705号、同4032673号、同4069056号、同4136102号及び同4173476号に記載されている。これらの塩のうち、次の陽イオン:
[(Φ)2I]+;[C817−O−Φ−I−Φ]+;[CH3−Φ−I−Φ−CH2CH(CH32+;[C1225−Φ−I−Φ]+;[(C817−O−Φ)2I]+;[(C817−O−Φ−I−Φ)]+;[(Φ)3S]+;[(Φ)2−S−Φ−O−C817+;[(CH3−Φ−I−Φ−CH(CH32+;[Φ−S−Φ−S−(Φ)2+;[(C1225−Φ)2I]+;[(CH3−Φ−I−Φ−OC25)]+;[(C1225−Φ−I−Φ−CH(CH32+
が特に好ましい。
第3の好ましい変形例によれば、使用できる有機金属塩は、米国特許第4973722号、米国特許第4992572号、欧州特許第203829号、欧州特許第323584号及び欧州特許第354181号に記載されている。本発明に従って最も望ましく保持される有機金属塩は、特に、
・(η5−シクロペンタジエニル)(η6−トルエン)Fe+
・(η5−シクロペンタジエニル)(η6−メチル−1−ナフタリン)Fe+
・(η5−シクロペンタジエニル)(η6−クメン)Fe+
・ビス(η6−メシチレン)Fe+
・ビス(η6−ベンゼン)Cr+
である。
これら3つの好ましい変形例によれば、硼酸オニウム光開始剤の例として、次の物質:
[(C817)−O−Φ−I−Φ]+・[B(C654-
[C1225−Φ−I−Φ]+・[B(C654-
[(C817−O−Φ)2I]+・[B(C654-
[(C817)−O−Φ−I−Φ)]+・[B(C654-
[(Φ)2S−Φ−O−C817+・[B(C64CF34-
[(C1225−Φ)2I]+・[B(C654-
[(CH3−Φ−I−Φ−CH(CH32+・[B(C654-
(η5−シクロペンタジエニル)(η6−トルエン)Fe+・[B(C654-
(η5−シクロペンタジエニル)(η6−メチル−1−ナフタリン)Fe+・[B(C654-
(η5−シクロペンタジエニル)(η6−クメン)Fe+・[B(C654-
[(C1225−Φ)2I]+・[B(C63(CF32)]-
[CH3−Φ−I−Φ−CH2CH(CH32+・[B(C654-
[CH3−Φ−I−Φ−CH2CH(CH32+・[B(C63(CF324-
が挙げられる。
硼酸オニウム(1)及び(2)並びに硼酸有機金属塩を定義するための別の参考文献としては、欧州特許出願第0562897号及び同0562922号の明細書全体が挙げられる。この内容は、引用によって全部本明細書に加えるものとする。
光開始剤として使用できるオニウム塩の別の例としては、米国特許第4138255号及び米国特許第4310469号に開示されているものが挙げられる。
また、その他の陽イオン光開始剤、例えば、
−[CH3−Φ−I−Φ−CH(CH32+・[PF6-
−[CH3−Φ−I−Φ−CH2CH(CH32+・[PF6-
−[(C1225−Φ)2−I]+・[PF6-
のようなヘキサフルオロ燐酸ヨードニウム若しくはヘキサフルオロアンチモン酸塩、
又はこれらの様々な陰イオンのフェロセニウム塩
を使用することも可能である。
本発明に従う歯科用組成物内に存在する光増感剤は、性質の点でかなり変更できる。本発明において、このものは、特に次式(IV)〜(XXII):
・式(IV):
Figure 0004723379
(式中、
・n=1のときに、Ar1は、6〜18個の炭素原子を含有するアリール基、テトラヒドロナフチル、チエニル、ピリジル若しくはフリル基又はフェニル基であってF、Cl、Br、CN、OH、線状若しくは分岐C1〜C12アルキル、−CF3、−OR6、−Oフェニル、−SR6、−Sフェニル、−SO2フェニル、−COOR6、−O−(CH2−CH=CH2)、−O(CH24−O)m−H、−O(C36O)m−H(ここで、mは1〜100である)よりなる群から選択される1個以上の置換基を有するものを表し、
・n=2のときに、Ar1は、C6〜C12アリーレン基又はフェニレン−T−フェニレン基(式中、Tは、−O−、−S−、−SO2−又は−CH2−を表す)を表し、
・xは、−OR7若しくは−OSiR8(R92基を表し、又はR4と共に−O−CH(R10)−基を形成し、
・R4は、線状又は分岐C1〜C8アルキル基であって非置換されていないもの又はOH、−OR6、C2〜C8アシルオキシ、−CF3若しくは−CN基を有するもの、C3又はC4アルケニル基、C6〜C18アリール基或いはC7〜C9フェニルアルキル基を表し、
・R5は、R4について与えた意味のうちの一つを有し、又は−CH2CH211基を表し、或いはR4と共にC2〜C8アルキレン基又はC3〜C9オキサアルキレン若しくはアザアルキレン基を形成し、
・R6は、1〜12個の炭素原子を含有する低級アルキル基を表し、
・R7は、水素原子、C1〜C12アルキル基、C2〜C6アルキル基であって−OH、−OR6又はCN基を有するもの、C3〜C6アルケニル基、シクロヘキシル又はベンジル基、随意として塩素原子によって置換されたフェニル基又は線状若しくは分岐C1〜C12アルキル基又は2−テトラヒドロピラニル基を表し、
・R8及びR9は同一又は異なるものであり、そしてそれぞれC1〜C4アルキル基又はフェニル基を表し、
・R10は、水素原子、C1〜C8アルキル基又はフェニル基を表し、
・R11は、−CONH2、−CONHR6、−CON(R62、−P(O)(OR62又は2−ピリジルを表す。)
・式(V):
Figure 0004723379
(式中、
・Ar2は、n=1である場合には式(IV)におけるAr1と同一の意味を有し、
・R15は、基Ar2、線状又は分岐C1〜C12アルキル基、C6〜C12シクロアルキル基及びケトンの炭素又は基Ar2の炭素と共にC6〜C12環を形成するシクロアルキル基から選択される基を表し、ここで、これらの基は、−F、−Cl、−Br、−CN、−OH、−CF3、−OR6、−SR6、−COOR6、線状又は分岐C1〜C12アルキル基であって随意として−OH、−OR6及び/又は−CN基を有するもの並びに線状又は分岐C1〜C8アルケニル基よりなる群から選択される1個以上の置換基によって置換されていてよい。)
・式(VI):
Figure 0004723379
(式中、
・Ar3は、n=1である場合には式(IV)におけるAr1と同一の意味を有し、
・R16は、それぞれ同一又は異なるものであり、そしてAr3基、−(C=O)−Ar3基、線状又は分岐C1〜C12アルキル基、C6〜C12シクロアルキル基よりなる群から選択される基を表し、ここで、これらの基は、−F、−Cl、−Br、−CN、−OH、−CF3、−OR6、−SR6、−COOR6、線状又は分岐C1〜C12アルキル基であって随意として−OH、−OR6及び/又は−CN基を有するもの並びに線状又は分岐C1〜C8アルケニル基よりなる群から選択される1個以上の置換基によって置換されていてよい。)
・式(VII):
Figure 0004723379
(式中、
・R5は、それぞれ同一又は異なるものであり、そして式(III)におけると同一の意味を有し、
・Yは、それぞれ同一又は異なるものであり、X及び/又はR4を表し、
・Zは、
・直接結合、
・2価のC1〜C6アルキレン基又はフェニレン、ジフェニレン若しくはフェニレン−T−フェニレン基(T:線状又は分岐C1〜C12アルキル)
を表し、或いは2個の置換基R5及びこれらの置換基を保持する2個の炭素原子と共にシクロペンタン又はシクロヘキサン核、2価の基−O−R12−O−、−O−SiR89−O−SiR89−O−又は−O−SiR89−O−(ここで、R12は、C2〜C8アルキレン、C4〜C6アルケニレン又はキシリレン基を表す)を形成し、
・或いは、実体:
Figure 0004723379
は、−O−O−に相当し、
・Ar4は、n=1である場合には式(IV)におけるAr1と同一の意味を有する。)
・式(VIII)のチオキサントンの部類:
Figure 0004723379
(式中、
・m=0〜8であり、
・R17は、芳香環上の同一又は異なる置換基であり、そして線状若しくは分岐C1〜C12アルキル基、C6〜C12シクロアルキル基、Ar1基、ハロゲン原子又は−OH、−CN、−NO2若しくは−COOR6基、−CHO、−Oフェニル、−CF3、−SR6、−Sフェニル、−SO2フェニル、−Oアルケニル又は−SiR6 3を表す。)
・式(IX)のキサンテンの部類:
Figure 0004723379
(n=0〜8である。)
・式(X)のキサントンの部類:
Figure 0004723379
(p=0〜8である。)
・式(XI)のナフタリンの部類:
Figure 0004723379
(q=0〜8である。)
・式(XII)のアントラセンの部類:
Figure 0004723379
(r=0〜10である。)
・式(XIII)のフェナントレンの部類:
Figure 0004723379
(s=0〜10である。)
・式(XIV)のピレンの部類:
Figure 0004723379
(t=0〜10である。)
・式(XV)のフルオレンの部類:
Figure 0004723379
(u=0〜9である。)
・式(XVI)のフルオランテンの部類:
Figure 0004723379
(v=0〜10である。)
・式(XVII)のクリセンの部類:
Figure 0004723379
(w=0〜12である。)
・式(XVIII)のフルオレンの部類:
Figure 0004723379
(x=0〜8であり、例えば、2,7−ジニトロ−9−フルオレンである。)
・式(XIX)のクロメンの部類:
Figure 0004723379
(y=0〜6である。)
・式(XX)のエオシンの部類:
Figure 0004723379
(z=0〜5(左)、z=0〜6(右)である。)
・式(XXI)のエリトロシンの部類:
Figure 0004723379
(z=0〜5(左)であり、z=0〜6(右)である。)
・式(XXII)のビスクマリンの部類:
Figure 0004723379
(R18は、それぞれ同一又は異なるものであり、R17と同一の意味を有し、又は基−NR6 2を表す。例えば、3,3'−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)及び3,3'−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)である。)
の一つに相当する。
その他の増感剤が使用できる。特に、米国特許第4939069号、米国特許第4278751号及び米国特許第4147552号に記載されている光増感剤を使用することができる。
本発明において、光増感剤は、義歯の製造のために、200〜500nm、好ましくは400〜500nmのUV光の残存吸収を有する。歯の修復については、400nm以上のUVの残存吸収を有する光増感剤が好ましいであろう。
一つの好ましい変形例によれば、光増感剤は、部類(IV)、(VI)、(VII)及び(VIII)のものから選択されるであろう。例としては、次の光増感剤:
・4,4'−ジメトキシベンゾイン、
・2,4−ジエチルチオキサントン、
・2−エチルアントラキノン、
・2−メチルアントラキノン、
・1,8−ジヒドロキシアントラキノン、
・過酸化ジベンゾイル、
・2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン;ベンゾイン、
・2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン;ベンズアルデヒド、
・4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルケトン、
・ベンゾイルアセトン、

Figure 0004723379
・2−イソプロピルチオキサントン、
・1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、
・4−イソプロピルチオキサントン、

Figure 0004723379

Figure 0004723379
・及びそれらの混合物
が挙げられる。
珪素含有充填剤、特にシリカをこのタイプの重合体で処理する場合には、架橋後に得られる物質は、著しく改善した機械的強度、弾性率及び圧縮強度を示す。
補強充填剤のほかに、使用目的及び民族集団に応じて歯科用組成物を着色するために顔料を使用することができる。
例えば、血管をシミュレートするために、赤色の顔料を義歯製造用の歯科用組成物のために超極細繊維の存在下で使用する。
また、修復材料製造用の歯科用組成物のために酸化金属(酸化鉄及び/又は酸化チタン及び/又は酸化アルミニウム及び/又は酸化ジルコニウムなど)をベースとする顔料を使用して象牙色の架橋材料を与えることもできる。
その他の添加剤を本発明に従う歯科用組成物内に取り入れることができる。例としては、殺生物剤、安定剤、香味剤、可塑剤及び接着促進剤が挙げられる。
考慮できる添加剤のなかでは、有利には、架橋性及び/又は重合性の有機共反応剤が使用されるであろう。これらの共反応剤は、周囲温度で液体であり、又は100℃以下の温度で溶融できるものであり、そしてそれぞれの共反応剤は、オキセタン−アルコキシ、オキセタン−ヒドロキシル、オキセタン−アルコキシシリル、カルボキシル−オキセタン、オキセタン−オキセタン、アルケニルエーテル−ヒドロキシル、アルケニルエーテル−アルコキシシリル、エポキシ−アルコキシ、エポキシ−アルコキシシリル、ジオキソラン−ジオキソラン−アルコールなどを含む。
本発明に従う歯科用組成物は、多数の歯科用途のために、特に、義歯の分野、歯の修復の分野及び仮歯の分野で使用できる。
本発明に従う歯科用組成物は、好ましくは、様々な成分を含む単一の製品(「一成分」)の形態であり、それによって特に義歯の分野での利用を促す。適切な場合には、この製品の安定性を、特許文献WO98/07798号の教示に従うアミン官能性有機誘導体の手段によって確実にすることができる。
義歯の分野では、この「一成分」型の製品は、石膏模型上に又はコア内に直接シリンジを使用することによって付着できる。次いで、このものをUVランプ(可視光スペクトル200〜500nm)を使用して重合させる(見込まれる連続層による重合)。
一般に、審美的で且つ耐久性のある義歯を10〜15分で製造することが可能である。
本発明に従う歯科用組成物から得られた製品は非多孔性であることに留意すべきである。従って、随意としての布ブラシによる研磨の後に、例えば、得られた義歯の表面は滑らかで且つ輝いているため、ワニスを使用する必要がない。
義歯の分野における用途は、本質的には、2つのタイプ:
・歯が全くない患者の場合には総義歯、
・仮歯又は骨格装具のいずれかを生じさせる、数本の歯の欠落のための部分義歯
に分類できる、取付型義歯の用途である。
歯の修復の分野では、本発明に従う歯科用組成物は、異なる色(例えば、「VITA」色)の前歯及び臼歯に詰め物をするための材料として使用でき、しかもこれは短時間であり、使用しやすい。
この歯科用組成物は非毒性で、しかも厚い層で重合できるため、該材料を連続層で重合させることは必須ではない。一般に、歯科用組成物の単回注入で十分である。
義歯及び修復材料のための製造は、斯界の通常の技術に従って実施される。
歯科用組成物を歯に適用する場合には、その歯を接着プライマーで予備処理することができ、又は該歯科用組成物をその使用前に接着プライマーとの混合物として製造することができる。
以下の実施例及び試験は、例示として与える。これらは、特に、本発明をより明確に理解し、その利点のいくつかを強調し、そしてその多数の具体例を例示することを可能にする。
図面の説明
添付した図面は、保存期間(日)の関数としての粘度(Pa.s-1)変化の曲線を表している。この図の凡例は次の通りである:
---◆--- 対照1
---・--- 対照2
−▲− 本発明の処方物1(例2.2)
------ 本発明の処方物2(例2.3)
- - ・---- 本発明の処方物3(例2.4)。
例及び試験
エポキシ官能基Zを含有し且つ例で使用されるシリコーン(1)は、(A):
Figure 0004723379
である。
このものを、ユニオン・カーバイド(商標)によって販売されている4−ビニルクロルヘキサンエポキシド(VCMX)(使用前に意図的に蒸留される)及びロディア・シリコーンズ社によって使用され且つ製造されたテトラメチルヒドロジシロキサン(M'2)(このものも使用前に蒸留される)から、整理番号33,015−9の下にオールドリッチ社によって販売されている湿潤Ptブラック触媒2Sの存在下で得る。白金含有量は1.2重量%である。水分含量は50重量%である。使用される官能化助剤は、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)である。共通する操作プロトコールは次の通りである:
100mLの反応器に66g(531ミリモル=1.05当量)のVCMX、Ptブラック触媒2Sとしての白金の必要量及び随意として水と炭酸水素ナトリウムを装入する。その後、この反応混合物を90℃に加熱する。次いで、34g(506ミリモル=1当量)のM'2を該反応器に滴下で5時間にわたって流し込む。合成の最中に、この反応の進行を、≡SiH単位の消失及び、必要に応じて、エポキシ官能基の消失(これは電位差測定法によって監視される)によって決定する。≡SiH単位の全てが反応を受けたときに、この反応混合物を濾過し、次いで炭酸水素ナトリウムの存在下又は非存在下で7時間にわたって減圧下で高温で揮発分除去する。エポキシド官能基の欠失と直接関連のある粘度を、揮発分除去の前後で測定する。得られた生成物は、上記式(A)及びCAS RN18724.32のシリコーン(1)を85〜99%含有していた。
UV下でエポキシ基の重合を開始させるために使用される硼酸オニウム光開始剤(3)は、欧州特許第0562897号に記載されている。
Figure 0004723379
使用される充填剤(2)は、整理番号G018−066の下にショット社によって販売されている、0.7μm、1.5μm、3.5μm又は5μmの粒度を有するクオーツである。
これらのクオーツを拡散反射によって赤外部で分析し、そして3つのシラノールバンド帯域を3300〜4000cm-1の間で記録する(遊離シラノール、共役シラノール1及び共役シラノール2)。活性シラノール部位の濃度は、得られる表面積と共に増加し、そして粒度が減少すると増加する。
例1
1.1:分散剤を有しない対照処方物1の製造
Hauschild(商標)遠心分離ミキサーに、5μmの粒度を有する25gのクオーツ(SiO2>99%)(ショット社製)と、3gの三弗化イッテルビウムと、10gのシロキサン樹脂(A)であって>90%含有量の単量体を有するもの(上記のような製造方法に従ってVCMXをヒドロシリル化させることによって得られる)とを装入する。
撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施し、次いで、30%の光開始剤P1及びクロルプロポキシチオキサントンCPTXをベースとする0.23%のLambson社製光開始剤を含有する1.25gの光開始剤系を、全て溶媒無しの樹脂(A)の溶液の状態で添加する。撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施する。次いで、5gのヒュームドシリカ(SiO2>99%)を添加し、次いで該混合物を16秒間撹拌する。5.75gのヒュームドシリカを添加し、次いで該混合物を16秒間撹拌する。
このヒュームドシリカは、商品名OX−50の下にデグッサ社によって販売されている、40m2/gの比表面積を有するシリカである。粘度変化の曲線を添付図面に与えている。
この製造物は、20℃で保管したときに1月後にゲル化する。
1.2:分散剤を有しない対照処方物2の製造
Hauschild(商標)遠心分離ミキサーに、3μmの粒度を有するクオーツ(SiO2>99%)(ショット社製)と、3gの三弗化イッテルビウムと、10gのシロキサン樹脂(A)であって>90%含有量の単量体を有するもの(上記のように、VCMXをヒドロシリル化させることによって得られる)とを装入する。
撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施し、次いで、30%の光開始剤P1及びクロルプロポキシチオキサントンCPTXをベースとする0.23%の光開始剤(4)(Lambson社製)を含有する、(A)に溶解してなる1.25gの光開始剤系を添加する。撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施する。次いで、5gのヒュームドシリカ(SiO2>99%)を添加し、次いで該混合物を16秒間撹拌する。5.75gのヒュームドシリカを添加し、次いでこの混合物を16秒間撹拌する。このヒュームドシリカは、商品名OX−50の下にデグッサ社によって販売されている、40m2/gの比表面積を有するシリカである。粘度変化の曲線を添付図面に与えている。
この製造物は、20℃で保管したときに48時間後にゲル化する。
例2
2.1:本発明に従う製造
分散剤Byk(商標)164(8g)を樹脂(A)に4%で溶解させ、その後、該溶液を、ロータリーエバポレーターで3時間にわたり60℃で10mmHgの減圧下で加熱することによって、該分散剤中に存在する酢酸ブチルを除去するように揮発分除去する。
この活性物質の濃度は2.4%である。
2.2:分散剤を有する処方物1の製造
Hauschild(商標)遠心分離ミキサーに、5μmの粒度を有するクオーツ(SiO2>99%)25gと、三弗化イッテルビウム3gと、上記のように揮発分除去された分散剤Byk(商標)の樹脂(A)溶液1.25gとを装入し、そして撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施する。9gの樹脂(A)を添加する。
撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施し、次いで、30%の光開始剤P1及び0.23%の光増感剤CPTXを含有し、(A)に溶解してなる1.25gの光開始剤系を添加する。撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施する。次いで、5gのヒュームドシリカ(SiO2>99%)を添加し、そして該混合物を16秒間撹拌する。5.5gのヒュームドシリカを添加し、次いで該混合物を16秒間撹拌する。
粘度の変化を経時的に監視する。
この製造物は、20℃で保管したときに1月後でもゲル化しなかった。
粘度変化の曲線を添付図面に与えている。
2.3:分散剤を有する処方物2の製造
Hauschild(商標)遠心分離ミキサーに、3μmの粒度を有するショット社製クオーツ(SiO2>99%)25gと、三弗化イッテルビウム3gと、揮発分除去された分散剤Byk(商標)164の樹脂(A)溶液1.25gとを装入し、そして撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施する。9gの樹脂(A)を添加する。
撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施し、次いで、30%の光開始剤P1及び0.23%の光増感剤CPTXを含有し、(A)に溶解してなる1.25gの光開始剤系を添加する。撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施する。次いで、5gのヒュームドシリカ(SiO2>99%)を添加し、そして該混合物を16秒間撹拌する。5.5gのヒュームドシリカを添加し、次いで該混合物を16秒間撹拌する。
粘度の変化を経時的に監視する。
この製造物は、20℃で保管したときに1月後でもゲル化しなかった。
粘度変化の曲線を添付図面に与えている。
2.4:分散剤を有する処方物3の製造
Hauschild(商標)遠心分離ミキサーに、1.5μmの粒度を有するクオーツ(ショット社製)(SiO2>99%)25gと、三弗化イッテルビウム3gと、揮発分除去された分散剤Byk(商標)の樹脂(A)溶液1.25gとを装入し、そして撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施する。9gの樹脂(A)を添加する。
撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施し、次いで、30%の光開始剤P1及び0.23%のクロルプロポキシチオキサントンCPTXベース光増感剤を含有し(A)に溶解してなる1.25gの光開始剤系を添加する。撹拌を遠心分離ミキサーで16秒間実施する。
次いで、5gのヒュームドシリカ(SiO2>99%)を添加し、そして該混合物を16秒間撹拌する。
5.5gのヒュームドシリカを添加し、次いで該混合物を16秒間撹拌する。
粘度の変化を経時的に監視する。
この製造物は、20℃で保管したときに1月後でもゲル化しなかった。
粘度変化の曲線を添付図面に与えている。
この粘度は、該複合物のペーストをレオメーターのプレート間にある間隙内に置き、且つ、4s-1の剪断速度で測定する。該組成物は、分散剤の添加と共にニュートン特性を呈する。この粘度は、高剪断速度でさえも変化しない。
例3
歯の修復用処方物1、2及び3(上記§2.2、2.3及び2.4)の光重合
これらの処方物は、Optilux(商標)Demetronランプによる照射の40秒以内で3mmの厚さで架橋する。光架橋後に測定されるビッカース硬度は、3種の処方物のそれぞれについて50である。基準法ISO4049に従って測定される曲げ弾性率及び曲げ強度は、それぞれ5Gpa及び80MPaである。
例4
4.1:ホスフェート分散剤を有する(830ppm)処方物の製造:比較例4
三重羽根ミキサーに、125gの単量体(A)及び15gのAVECM社製Solsperse(商標)36000の単量体A溶液(4%濃度)をゆっくりと撹拌(<10回転/分)しながら装入する。混合を5分間実施する。30%の光開始剤P1及び0.23%のクロルプロポキシチオキサントンCPTXベース光増感剤を含有する18gの光開始剤系を添加する。これらの成分を周囲温度で5分間撹拌する。
3.5μmの粒度を有するショット社製クオーツ(SiO2>99%)を378.5gの量で添加し、そして45gの三弗化イッテルビウムを添加する。混合物を、均質な流動性の粘稠混合物が得られるまでほぼ1時間にわたって周囲温度で混合する。137gのOX50ヒュームドシリカを、15gの連続添加により、2時間にわたって徐々に添加する。この混合物を、25℃の状態調整領域内で充填した後に5gのカートリッジ内で保存する。
4.2ホスフェートではない分散剤を有する(830ppm)処方物の製造:例4
上記と同一の操作を繰り返したが、ただし、15gのSolsperse(商標)36000溶液を、アミン指数が1gの分散剤当たり20mgのKOH/gである15gのDisperbyk(商標)164(0.4%)で置き換える。
次いで、何ヶ月経過した後にカートリッジの形で保存された該製品がゲル化を受けるのかを確認するために観察を実施する。
ホスフェート分散剤を有する保存製品は、25℃で3ヶ月以内にゲル化した。1年後に、アミン指数が≦100mgの水酸化カリウム/g分散剤である分散剤を有する製品は、なお使用することができ、しかもゲル化していなかった。このものは、1分以内に3mm以上で架橋し、曲げ弾性率は、ほぼ10GPaであり、そして曲げ強度は80MPaであった。
保存期間(日)の関数としての粘度(Pa.s-1)変化の曲線を示す図である。

Claims (16)

  1. 歯科用組成物であって、
    (1)陽イオンで且つ化学線下で反応する少なくとも1種の化合物と、
    (2)該組成物の総重量に対して少なくとも10重量%の割合で存在する少なくとも1種の歯科用充填剤と、
    (3)アルキルアンモニウム塩の状態にあってよいポリウレタン/アクリレート共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種の分散剤と、
    (4)少なくとも1種の陽イオン性光開始剤と、
    (5)随意として少なくとも1種の光増感剤と
    を含む、歯科用組成物。
  2. 歯科用充填剤(2)が10〜85重量%で存在することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 分散剤(3)が前記組成物の総重量に対して50ppm〜1%で存在することを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の歯科用組成物。
  4. 陽イオン反応性化合物(1)がエポキシ、ビニルエーテル、オキセタン、スピロオルトカーボネート、スピロオルトエステル及びそれらの組合せよりなる単量体及び/又は(共)重合体の群から選択されることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の歯科用組成物。
  5. 陽イオン反応性化合物(1)が、周囲温度で液体であり又は100℃以下の温度で溶融し得る少なくとも1種の架橋性及び/又は重合性シリコーンオリゴマー又は重合体からなり、且つ、
    ・次式(FS):
    Figure 0004723379
    (式中、
    a=0、1又は2であり、
    0は、それぞれ同一又は異なるものであり、そしてアルキル、シクロアルキル、アリール、ビニル、水素又はアルコキシ基を表し、
    Zは、それぞれ同一又は異なるものであり、そして少なくとも1種の反応性エポキシ及び/又はアルケニルエーテル及び/又はオキセタン及び/又はジオキソラン及び/又はカーボネート官能基を含有する有機置換基である)
    の少なくとも1個の単位と、
    ・少なくとも2個の珪素原子と
    を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の歯科用組成物。
  6. Zが、少なくとも1個の反応性エポキシ及び/又はジオキソラン官能基を含有する有機置換基Z1であることを特徴とする、請求項に記載の歯科用組成物。
  7. オリゴマー又は重合体(1)が、反応性アルケニルエーテル、オキセタン及び/又はカーボネート官能基Z2から選択される他の反応性官能基Zをさらに含有することを特徴とする、請求項又はに記載の組成物。
  8. 反応性官能基Z1が次の基:
    Figure 0004723379
    から選択されることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  9. 光開始剤が、硼酸塩光開始剤であり、且つ、次式のものであって、
    ・その陽イオン硼酸塩部分が
    (1)次式(I):
    [(R1n−A−(R2m+ (I)
    (式中、
    Aは、I、S、Se、P及びから選択される元素を表し、
    1は、C6〜C20複素環式又は炭素環式アリール基を表し、ここで、該複素環式基は、ヘテロ原子として窒素又は硫黄を含有することができ、
    2は、R1又はC1〜C30線状若しくは分岐アルキル若しくはアルケニル基を表し、ここで、該R1及びR2基は、C1〜C25アルコキシ、C1〜C25アルキル、ニトロ、クロル、ブロム、シアノ、カルボキシル、エステル又はメルカプト基で置換されていてよく、
    nは1〜v+1の範囲の整数であり、ここで、vは元素Aの原子価であり、
    mは0〜v−1の範囲の整数であり、ここで、n+m=v+1である)
    のオニウム塩、
    (2)オキソイソチオクロマニウム塩、
    (3)次式(III):
    (L123M)+q
    (式中、
    は鉄、マンガン、クロム及びコバルトから選択される金属を表し、
    1は、π電子によって金属Mに結合する1個の配位子を表し、ここで、該配位子は、η3−アルキル、η5−シクロペンタジエニル及びη7−シクロヘプタトリエニル配位子並びに随意として置換されたη6−ベンゼン配位子及び2〜4個の縮合環であってそれぞれの環が3〜8個のπ電子によって金属Mの原子価殻に貢献し得るものを有する化合物から選択されるη6−芳香族化合物から選択されるものとし、
    2は、π電子によって金属Mに結合する1個の配位子を表し、ここで、該配位子は、η7−シクロヘプタトリエニル配位子並びに随意として置換されたη6−ベンゼン配位子及び2〜4個の縮合環であってそれぞれの環が6又は7個のπ電子によって金属Mの原子価殻に貢献し得るものを有する化合物から選択されるη6−芳香族化合物から選択されるものとし、
    3は、σ電子によって金属Mに結合する0〜3個の同一又は異なる配位子を表し、且つ、CO及びNO2 +から選択され、ここで、L1、L2及びL3が貢献する該錯体の全電子電荷q及び金属Mのイオン電荷は正であり、しかも1又は2である)
    の有機金属塩
    から選択され、そして
    ・その陰イオン硼酸塩部分が次式:
    [BXab-
    (式中、
    a及びbは、aについては0〜3の範囲の整数であり、そしてbについては1〜4の範囲の整数であり、ここで、a+b=4であり、
    記号Xは、塩若しくは弗素(a=0〜3)、又はOH官能基(a=0〜2)を表し、
    記号Rは同一又は異なるものであり、そして
    ・陽イオン部分が第15〜17族元素のオニウムである場合には、OCF3、CF3、NO2 及びCNから選択される少なくとも1個の電子求引基によって、及び/又は少なくとも2個の弗原子によって置換されたフェニル基、
    ・陽イオン部分が第4〜10族元素の有機金属錯体である場合には、弗素原子、CF 3 、OCF 3 、NO 2 及びCNから選択される少なくとも1個の電子求引元素又は電子求引基によって置換されたフェニル基、
    ・陽イオン部分に関わりなく、弗素原子、OCF 3 、CF 3 、NO 2 及びCNから選択される少なくとも1個の電子求引元素又は電子求引基によって置換されていてよいビフェニル又はナフチル
    を表す)
    を有するもの
    から選択されることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の歯科用組成物。
  10. 光開始剤が、[(C817)−O−Φ−I−Φ]+・[B(C654-
    [C1225−Φ−I−Φ]+・[B(C654-
    [(C817−O−Φ)2I]+・[B(C654-
    [(C817)−O−Φ−I−Φ)]+・[B(C654-
    [(Φ)2S−Φ−O−C817+・[B(C64CF34-
    [(C1225−Φ)2I]+・[B(C654-
    [(CH3−Φ−I−Φ−CH(CH32+・[B(C654-
    (η5−シクロペンタジエニル)(η6−トルエン)Fe+・[B(C654-
    (η5−シクロペンタジエニル)(η6−メチル−1−ナフタリン)Fe+・[B(C654-
    (η5−シクロペンタジエニル)(η6−クメン)Fe+・[B(C654-
    [(C1225−Φ)2I]+・[B(C63(CF32)]-
    [CH3−Φ−I−Φ−CH2CH(CH32+・[B(C654-
    [CH3−Φ−I−Φ−CH2CH(CH32+・[B(C63(CF324-
    (ここで、記号Φはフェニルを表す。)
    から選択されることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  11. 1個以上の置換又は非置換芳香核を含有し且つ200〜500nmの光の残存吸収を有する芳香族炭化水素光増感剤(5)を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の歯科用組成物。
  12. 光増感剤が、
    ・4,4'−ジメトキシベンゾイン、
    ・2,4−ジエチルチオキサントン、
    ・2−エチルアントラキノン、
    ・2−メチルアントラキノン、
    ・1,8−ジヒドロキシアントラキノン、
    ・過酸化ジベンゾイル、
    ・2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン;ベンゾイン、
    ・2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン;ベンズアルデヒド、
    ・4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルケトン、
    ・ベンゾイルアセトン、

    Figure 0004723379
    ・2−イソプロピルチオキサントン、
    ・1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、
    ・4−イソプロピルチオキサントン、

    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    ・及びそれらの混合物
    よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
  13. シリコーンオリゴマー及び/又は重合体(1)が、次式
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    Figure 0004723379
    を有する少なくとも1種のシリコーンからなることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の歯科用組成物。
  14. 義歯を製造するための、請求項1〜13のいずれかに記載の歯科用組成物の使用。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載の組成物から得られる義歯。
  16. 請求項1〜13のいずれかに記載の組成物から得られる歯の修復用材料。
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