JP4722870B2 - 蒸発燃料処理装置のダストフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、主として、自動車等の車両に装備される蒸発燃料処理装置のダストフィルタに関する。
従来、蒸発燃料処理装置において、キャニスタ内の吸着剤が大気中に含まれる塵埃によって目詰まりをおこすおそれがある。このため、特許文献1のものでは、キャニスタの大気導入開放口に、大気中に含まれるダストいわゆる塵埃を捕集するフィルタが設けられている。
特開2003−252071号公報
前記特許文献1のフィルタによると、大気導入経路を流れる空気に含まれる塵埃を全面的に捕集する発泡材による濾過部材が配置されているだけであった。したがって、濾過部材の目を細かくすると、濾過性能が良くなるが通気抵抗が上昇し、逆に、濾過部材の目を粗くすると、通気抵抗の上昇が抑制されるが濾過性能が低下することになる。このため、濾過性能と通気抵抗の上昇の抑制とを両立することがむつかしいという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、濾過性能を向上しながらも通気抵抗の上昇を抑制することのできる蒸発燃料処理装置のダストフィルタを提供することにある。
前記した課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする蒸発燃料処理装置のダストフィルタにより解決することができる。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1にかかる蒸発燃料処理装置のダストフィルタによると、大気導入経路を流れる空気に含まれる塵埃のうち、大き目の塵埃が上流側の空気通路の濾過通路における上流側の濾過部材により捕集され、かつ、小さ目の塵埃が下流側の空気通路における下流側の濾過部材より捕集される。このため、上流側の濾過部材と下流側の濾過部材とにより、塵埃を段階的に捕集することができ、濾過性能を向上することができる。また、下流側の濾過部材で捕集する塵埃量が減少されることにより、下流側の濾過部材の通気抵抗の上昇を抑制することができる。また、上流側の空気通路に濾過通路を迂回するバイパス通路を備えたことにより、上流側の濾過部材を配置した濾過通路に空気を全面的に流す場合に比べて、通気抵抗の上昇を抑制することができる。したがって、濾過性能を向上しながらも通気抵抗の上昇を抑制することができる。
また、上流側の空気通路には、上流側の空気通路に導入されかつ下流側の空気通路に流れる空気を分流する2つの分岐通路が形成され、2つの分岐通路は、天地方向の天側に配置される分岐通路と、その地側に配置される分岐通路として形成されており、地側に配置される分岐通路は濾過通路とし、濾過通路内には、下流側の濾過部材の目よりも粗い目を有しかつ濾過通路内を流れる空気に含まれる塵埃を捕集する上流側の濾過部材が配置され、天側に配置される分岐通路は、濾過通路を迂回するバイパス通路としている。このため、天地方向の地側に配置される濾過通路の上流側の濾過部材により、重量の大きい塵埃を捕集しやすくすることができ、重量の小さい塵埃をバイパス通路を通じて下流側の空気通路に流すことによって下流側の濾過部材により捕集しやくすることができる。したがって、空気中の塵埃を効率良く捕集することができる。
また、特許請求の範囲の請求項にかかる蒸発燃料処理装置のダストフィルタによると、燃料タンクのインレットパイプの給油口の周囲の少なくとも一部を取り囲む形状に形成されたケーシング内に、濾過通路とバイパス通路とを有する上流側の空気通路、及び、下流側の空気通路が形成され、濾過通路内に上流側の濾過部材が収容されているとともに、下流側の空気通路内に下流側の濾過部材が収容されている。したがって、インレットパイプの給油口をケーシングを利用して衝突時等の衝撃から保護することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について実施例を参照して説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1にかかる蒸発燃料処理装置のダストフィルタを説明する。本実施例では、説明の都合上、蒸発燃料処理装置の概要を説明した後で、ダストフィルタについて説明する。なお、図1は蒸発燃料処理装置を示す構成図である。
図1に示すように、蒸発燃料処理装置10は、自動車等の車両に搭載される燃料タンク12とエンジン(内燃機関)14の吸気管16とを連通するパージ経路18の途中に設けたキャニスタ20内の吸着材22により蒸発燃料を吸着する。エンジン14の運転状態に応じて、パージ経路18に設けられたパージバルブ24が開閉される。これにより、キャニスタ20内の吸着材22に吸着された蒸発燃料が、パージ経路18を通じて吸気管16内に導入される。
前記燃料タンク12には、給油口31を備えるインレットパイプ30が設けられている。インレットパイプ30は、燃料を給油口31から燃料タンク12内に導入するためのパイプで、給油口31は斜め上方に向けて開放されている。給油口31には、キャップ33が着脱可能に取付けられている。また、インレットパイプ30と燃料タンク12とは、ブリーザ経路35により連通されている。
前記キャニスタ20は、前記燃料タンク12内で発生する蒸発燃料を活性炭等からなる吸着材22で吸着することにより、その蒸発燃料が大気導入経路26を通って大気に放出されることを防止するものである。キャニスタ20に吸着された蒸発燃料は、パージバルブ24が開のとき、パージ経路18を通して吸気管16内に吸気管負圧を利用して導入されることによりエンジン14で燃焼される。その際、大気導入経路26を通して空気が導入される。また、大気導入経路26は、大気から燃料タンク12内に空気を導入したり、燃料タンク12内から大気へ空気を排出したりすることにより、燃料タンク12に発生する圧力変動を緩和する。また、燃料タンク12に発生する圧力変動には、例えば燃料消費、温度低下、パージ等に起因する負圧、及び、温度上昇、燃料揺動等による蒸発燃料の発生に起因する正圧がある。なお、図1中における符号、37はスロットルバルブ、38はエアクリーナ、39はエアクリーナエレメントである。
しかして、前記インレットパイプ30の給油口31には、その給油口31の周囲の少なくとも一部を取り囲む形状のダストフィルタ40が設けられている。本実施例のダストフィルタ40は、前記インレットパイプ30の給油口31の周辺部に配置された大気導入経路26の大気側端部と連通されており、大気導入経路26に導入される空気を濾過することにより、大気中の塵埃を除去するために設けられている。なお、図2はダストフィルタを示す断面図、図3は図2のIII−III線矢視断面図、図4はダストフィルタの概略を示す構成図、図5は同じく大気導入側の概略を示す側断面図、図6は同じく大気導出側の概略を示す側断面図である。また、各図には方位が付記されている。なお、前後左右については適宜変更することができる。
図2および図3に示すように、ダストフィルタ40は、ケーシング42を備えている。ケーシング42は、例えば樹脂製で、前記インレットパイプ30(図1参照。)の給油口31の下半側をほぼ半周に亘って取り囲む半円筒状型をなしており、その内周側空間部が給油口配置部となっている。ケーシング42は、断面半円筒状の内周壁部43と、内周壁部43の外周側に所定の間隔を隔てて平行状をなす断面半円筒状の外周壁部44と、内周壁部43と外周壁部44の周方向の両端面間を閉鎖する両周端壁部45,46(図2参照。)と、内周壁部43及び外周壁部44並びに両周端壁部45,46とにより取り囲まれる中空空間の軸方向(図2において紙面表裏方向)の両開口端面を閉鎖する円弧状の上下の両端板部47,48(図3参照。)とを有しており、その中空部が半円筒型をなす密閉状の内部空間となっている。
前記ケーシング42の周方向の一端側(図2において左端側)における前記内周壁部43と外周壁部44との間には、径方向に架設されかつ軸方向に延びる第1の区画壁部50が形成されている。第1の区画壁部50の上縁部は上側の端板部47に接合され、また、その下縁部は下側の端板部48に対して所定の間隔を隔てて対向されている(図4及び図5参照。)。これにより、ケーシング42の内部空間が、下側の端板部48と第1の区画壁部50との間の空気通路連通部52を通じて相互に連通する上流側の空気通路53と下流側の空気通路54とに区画されている。
前記ケーシング42の周方向の一端側(図2において左端側)の周端壁部45と前記第1の区画壁部50との間における前記内周壁部43と外周壁部44との間には、径方向に架設されかつ軸方向に延びる第2の区画壁部55が形成されている。第2の区画壁部55の上縁部は上側の端板部47に対して所定の間隔を隔てて対向され、また、その下縁部は下側の端板部48に対して所定の間隔を隔てて対向されている(図4及び図5参照。)。これにより、ケーシング42の上流側の空気通路53が2つの分岐通路に区画されている。2つの分岐通路のうち、第1の区画壁部50側の分岐通路が濾過通路56に設定され、周端壁部45側の分岐通路がバイパス通路57に設定されている。なお、上側の端板部47と第2の区画壁部55との間は上流側の空気通路53の入口側の連通部58とされ、また、下側の端板部48と第2の区画壁部55との間は上流側の空気通路53の出口側の連通部59とされている。出口側の連通部59は、前記空気通路連通部52と連通されている。なお、入口側の連通部58は、本明細書でいう「上流側の濾過部材の上流側」に相当する。また、出口側の連通部59は、本明細書でいう「下流側の濾過部材の上流側」に相当する。
前記ケーシング42の周方向の一端側(図2において左端側)の周端壁部45の上部には、前記入口側の連通部58を大気に開放する空気導入口60が形成されている(図4及び図5参照。)。これにより、大気中の空気が、空気導入口60を通じて入口側の連通部58へ導入されるようになっている(図4及び図5中、矢印Y1参照。)。なお、空気導入口60は、入口側の連通部58に面する壁部であれば任意の位置に設定することができる。
図2に示すように、前記下流側の空気通路54において、前記内周壁部43には、径方向外方へ突出されかつ軸方向に延びる第1の支持片61が、前記第1の区画壁部50に対して所定間隔を隔てて平行状をなすように形成されている。第1の支持片61の先端縁は、前記外周壁部44に対して所定の間隔を隔てて対向されている。また、前記外周壁部44には、径方向内方へ突出されかつ軸方向に延びる第2の支持片62が、前記ケーシング42の周方向の他端側(図2において右端側)の周端壁部46に対して所定間隔を隔てて平行状をなすように形成されている。第2の支持片62の先端縁は、内周壁部43に対して所定の間隔を隔てて対向されている。
前記ケーシング42の周方向の他端側(図2において右端側)の周端壁部46の下部には、下流側の空気通路54の空気導出部66(後述する。)を開口する空気導出口63が形成されている(図2参照。)。この空気導出口63には、前記大気導入経路26(図1参照。)の大気側端部が連通されている。これにより、下流側の空気通路54の空気が、空気導出口63を通じて大気導入経路26(図1参照。)へ流出され、さらにキャニスタ20へ導入されるようになっている。なお、空気導出口63は、ケーシング42における下流側の空気通路54の空気導出部66(後述する。)に面する壁部であれば任意の位置に設定することができる。
図2に示すように、前記下流側の空気通路54内には、下流側の濾過部材64が配置されている。下流側の濾過部材64は、濾過紙、不織布等からなる濾過材料をプリーツ状に折り曲げることにより形成されている。下流側の濾過部材64の周方向の一端部(図2において左端部)64aは、前記第1の支持片61に嵌合された状態で接合されている。また、下流側の濾過部材64の周方向の他端部(図2において右端部)64bは、前記第2の支持片62に嵌合された状態で接合されている。また、下流側の濾過部材64の上縁部は前記上側の端板部47に接合され、また、その下端縁は前記下側の端板部48に接合されている(図3参照。)。これにより、下流側の濾過部材64は、下流側の空気通路54内を全面的に横断している。したがって、下流側の濾過部材64により、下流側の空気通路54が2つの空間部に区画されている。2つの空間部のうち、下流側の濾過部材64の外周側の空間部が前記空気通路連通部52に連通する空気導入部65とされ、また、その内周側の空間部が前記空気導出口63に連通する空気導出部66となっている(図2参照。)。
前記上流側の空気通路53における濾過通路56内には、上流側の濾過部材67が配置されている。上流側の濾過部材67は、通気性を有するウレタン等の発泡材からなる濾過材料によりブロック状に形成されている。また、上流側の濾過部材67は、上流側の空気通路53のうち、濾過通路56内に全面的に装填されている。
しかして、前記下流側の濾過部材64は、メインの濾過部材であって、ケーシング42内を通る空気中に含まれる塵埃を適度に捕集可能な目を有している。また、前記上流側の濾過部材67はサブの濾過部材であって、下流側の濾過部材64の目よりも粗い目すなわちケーシング42内を通る空気中に含まれる塵埃のうちの大き目の塵埃を捕集可能な目を有している。
なお、前記ケーシング42は、複数の分割体による結合構造をなしており、下流側の濾過部材64及び上流側の濾過部材67を収容するように、複数の分割体を相互に結合することにより構成されている。また、ケーシング42は、給油口配置部を前記インレットパイプ30の給油口31に嵌合した状態で、その給油口31に図示しないねじ止め手段、クリップ手段等の適宜の固定手段をもって固定される。また、給油口31が斜め上方に向けて開放されている関係上、ケーシング42も給油口31に沿って傾斜状に設けられる(図3、図5、図6参照。)。したがって、車両に対するダストフィルタ40の搭載上、下流側の濾過部材64が内周側(図2及び図3において上側)を天側(上側)に向け、外周側(図2及び図3において下側)を地側(下側)に設けて配置される(図2参照。)。これとともに、バイパス通路57が天側(上側)に配置され、上流側の濾過部材67を配置する濾過通路56が地側(下側)に配置される(図2及び図5参照。)。
前記ダストフィルタ40において、大気すなわち空気は、空気導入口60を通じて、上流側の空気通路53の入口側の連通部58内へ流入する(図2、図4及び図5中、矢印Y1参照。)。その空気は、濾過通路56とバイパス通路57とに分流されて流れる。濾過通路56を流れる空気(図4及び図5中、Y2参照。)は、上流側の濾過部材67を通過することにより濾過されて出口側の連通部59に流出する。このとき、上流側の濾過部材67により、上流側の空気通路53内を通る空気中に含まれる塵埃のうちの大き目の塵埃が捕集される。また、上流側の空気通路53を流れる空気の一部、すなわち濾過通路56を流れる空気以外の空気(図4及び図5中、Y3参照。)は、バイパス通路57を迂回して流れることにより出口側の連通部59に流出する。
前記濾過通路56及び前記バイパス通路57をそれぞれ通過した空気(図4及び図5中、Y2、Y3参照。)は、出口側の連通部59において合流した後、空気通路連通部52を通じて、下流側の空気通路54の空気導入部65内へ流入する。その空気は、下流側の濾過部材64を外周側から内周側へ径方向に向けて通過することにより濾過されて、空気導出部66へ流出する(図2中、矢印Y4参照。)。このとき、下流側の濾過部材64により、下流側の空気通路53内を通る空気中に含まれる小さ目の塵埃が捕集される。さらに、その濾過された空気は、空気導出口63を通じて流出する(図2、図4及び図6中、矢印Y5参照。)。その空気は、図1に示すように、大気導入経路26を通じてキャニスタ20へ導入される。
上記した蒸発燃料処理装置10のダストフィルタ40によると、大気導入経路26を流れる空気に含まれる塵埃のうち、大き目の塵埃が上流側の濾過部材67により捕集され、かつ、小さ目の塵埃が下流側の濾過部材64より捕集される(図4参照。)。このため、上流側の濾過部材67と下流側の濾過部材64とにより、塵埃を段階的に捕集することができ、濾過性能を向上することができる。また、下流側の濾過部材64で捕集する塵埃量が減少されることにより、下流側の濾過部材64の通気抵抗の上昇を抑制することができる。
また、上流側の空気通路53において、上流側の濾過部材67の上流側である入口側の連通部58から、下流側の濾過部材64の上流側である出口側の連通部59へ流れる空気の一部を迂回させるバイパス通路57を備えている(図4参照。)。これにより、上流側の濾過部材67に空気を全面的に流す場合に比べて、通気抵抗の上昇を抑制することができる。したがって、濾過性能を向上しながらも通気抵抗の上昇を抑制することができる。
また、バイパス通路57に対して、上流側の濾過部材67を配置する濾過通路56が天地方向の地側に形成されている(図5参照。)。このため、天地方向の地側に配置される濾過通路56の上流側の濾過部材67により、重量の大きい塵埃を捕集しやすくすることができ、重量の小さい塵埃をバイパス通路57を通じて下流側の濾過部材64により捕集しやくすることができる。したがって、空気中の塵埃を効率良く捕集することができる。
また、燃料タンク12のインレットパイプ30の給油口31の下半側をほぼ半周に亘ってを取り囲む形状に形成されたケーシング42内に、下流側の濾過部材64及び上流側の濾過部材67が収容されている(図2及び図3参照。)。したがって、インレットパイプ30の給油口31をケーシングを利用して衝突時等の衝撃から保護することができる。なお、ケーシング42を、インレットパイプ30の給油口31を全周に亘って取り囲む円筒状、角筒状等の筒状型に変更とすることにより、衝突時等の衝撃に対するインレットパイプ30の給油口31の保護性能を一層向上することができる。この場合、ケーシング42を、半円筒型とする他、C型、円筒型、角筒型、D型等の適宜の形状に設定することができる。
また、下流側の濾過部材64を断面円弧状に形成し、下流側の濾過部材64の外周側から内周側への径方向に空気を流して濾過する構成としたものである(図2中、矢印Y4参照。)。すなわち、断面円弧状に形成された下流側の濾過部材64の外周側に塵埃を捕集する面を設定したことにより、下流側の濾過部材64の塵埃を捕集する面の面積を大きくすることができる。
また、ダストフィルタ40の設置上、下流側の濾過部材64の外周側すなわち塵埃を捕集する面が天地方向の地側に向けられている(図2及び図3参照。)。これにより、下流側の濾過部材64の外周側に捕集された塵埃が、重力、車両振動、給油時の正圧等により、下流側の濾過部材64の外周側から剥離すなわち落下しやすくなるため、下流側の濾過部材64の通気抵抗の上昇を抑制することができる。
[実施例2]
本発明の実施例2を説明する。本実施例は前記実施例1のダストフィルタ40(図2〜図5参照。)における上流側の濾過部材67を含む上流側の空気通路53の構成を変更したものであるからその変更点について詳述し、重複する説明を省略する。なお、図7はダストフィルタを示す断面図、図8はダストフィルタの概略を示す構成図である。
すなわち、図7に示すように、ケーシング42において、第1の区画壁部50及び第2の区画壁部55が省略されている。これにより、上流側の空気通路(符号、153を付す。)が、ケーシング42の外周壁部44と下流側の濾過部材64の一端部(図7において左端部)64aとの間を空気通路連通部(符号、152を付す。)として、下流側の空気通路54の空気導入部65に連通されている。
図8に示すように、前記上流側の空気通路153の上下方向の中間部には、上流側の濾過部材(符号、167を付す。)が配置されている。上流側の濾過部材167は、通気性を有するウレタン等の発泡材からなる濾過材料によりブロック状に形成されている。また、上流側の濾過部材167は、上流側の空気通路153の上下方向の中間部内に全面的に装填されている。これにより、上流側の空気通路153が2つの分岐通路に区画されている。2つの分岐通路のうち、上流側の濾過部材167を含む下方空間は、出口側の連通部を兼ねる濾過通路(符号、156を付す。)に設定され、その上流側の濾過部材167の上方空間が入口側の連通部を兼ねるバイパス通路(符号、157を付す。)に設定されている。なお、上流側の濾過部材167の上方空間は、本明細書でいう「上流側の濾過部材の上流側」に相当する。また、上流側の濾過部材167の下方空間は、本明細書でいう「下流側の濾過部材の上流側」に相当する。
前記ダストフィルタ(符号、140を付す。)において、大気すなわち空気は、空気導入口60を通じて、上流側の濾過部材167の上方空間すなわちバイパス通路157内へ流入する(図7及び図8中、矢印Y1´参照。)。その空気の一部は、濾過通路156に分流される。濾過通路156を流れる空気(図8中、Y2´参照。)は、上流側の濾過部材167を通過することにより濾過される。このとき、上流側の濾過部材167により、上流側の空気通路153内を通る空気中に含まれる塵埃のうちの大き目の塵埃が捕集される。そして、上流側の濾過部材167を通過した空気は、上流側の濾過部材167の下方空間を経由して下流側の空気通路54の空気導入部65に流出する。また、上流側の濾過部材167を通過する空気の一部は、上流側の濾過部材167の下方空間を経由することなく下流側の空気通路54の空気導入部65に流出する(図8中、Y2´´参照。)。また、バイパス通路157内へ流入した空気の一部すなわち濾過通路156を流れる空気以外の空気(図8中、Y3´参照。)は、バイパス通路157から下流側の空気通路54の空気導入部65に流出する。
前記濾過通路156及び前記バイパス通路157をそれぞれ通過して下流側の空気通路54の空気導入部65に流出した空気(図8中、Y2´、Y2´´、Y3´参照。)は、前記実施例1と同様に、下流側の濾過部材64を外周側から内周側へ径方向に向けて通過することにより濾過されて、空気導出部66へ流出した後(図7及び図8中、矢印Y4参照。)、空気導出口63を通じて流出される(図7及び図8中、矢印Y5参照。)。
上記したダストフィルタ140によっても、前記実施例1のダストフィルタ40と同様の作用・効果を得ることができる。
また、ケーシング42において、第1の区画壁部50及び第2の区画壁部55が省略されていることにより、ケーシング42の構成を簡素化することができる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明のダストフィルタ40,140は、蒸発燃料処理装置10の大気導入経路上であれば任意の位置に設けることが可能である。また、下流側の濾過部材64には、濾過紙、不織布等の濾過材料の他、ウレタン等の発泡材等の濾過材料を用いることができる。また、上流側の濾過部材67,167には、ウレタン等の発泡材の濾過材料の他、濾過紙、不織布等の濾過材料を用いることができる。また、下流側の濾過部材64と上流側の濾過部材67,167には、目の異なる濾過材料を用いればよく、異なる材料の濾過部材に限らず、同一の材質の濾過材料を用いることもできる。また、下流側の濾過部材64及び/又は上流側の濾過部材67,167は、それぞれ単層に限らず、2層、3層等に複層化することもできる。また、ケーシング42、下流側の濾過部材64、上流側の濾過部材67,167等については、前記実施例のものに限らず、適宜の形状に変更することができる。
本発明の実施例1にかかる蒸発燃料処理装置を示す構成図である。 ダストフィルタを示す断面図である。 図2のIII−III線矢視断面図である。 ダストフィルタの概略を示す構成図である。 ダストフィルタの空気導入側の概略を示す側断面図である。 ダストフィルタの空気導出口側の概略を示す側断面図である。 本発明の実施例2にかかるダストフィルタを示す断面図である。 ダストフィルタの概略を示す構成図である。
符号の説明
10 蒸発燃料処理装置
12 燃料タンク
26 大気導入経路
30 インレットパイプ
31 給油口
40 ダストフィルタ
42 ケーシング
56 濾過通路
57 バイパス通路
64 下流側の濾過部材
67 上流側の濾過部材
140 ダストフィルタ
156 濾過通路
157 バイパス通路
167 上流側の濾過部材

Claims (2)

  1. 蒸発燃料処理装置における大気導入経路上に設けられる蒸発燃料処理装置のダストフィルタであって、
    空気導入口に上流端が連通された上流側の空気通路と、
    前記上流側の空気通路の下流端に上流端が連通されかつ空気導出口に下流端が連通された下流側の空気通路と、
    前記下流側の空気通路内に配置されかつ該下流側の空気通路内を流れる空気に含まれる塵埃を捕集する下流側の濾過部材と
    を備え、
    前記上流側の空気通路には、該上流側の空気通路に導入されかつ前記下流側の空気通路に流れる空気を分流する2つの分岐通路が形成され、
    前記2つの分岐通路は、天地方向の天側に配置される分岐通路と、その地側に配置される分岐通路として形成されており、
    前記地側に配置される分岐通路は濾過通路とし、
    前記濾過通路内には、前記下流側の濾過部材の目よりも粗い目を有しかつ該濾過通路内を流れる空気に含まれる塵埃を捕集する上流側の濾過部材が配置され、
    前記天側に配置される分岐通路は、前記濾過通路を迂回するバイパス通路とした
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置のダストフィルタ。
  2. 請求項に記載の蒸発燃料処理装置のダストフィルタであって、
    燃料タンクのインレットパイプの給油口の周囲の少なくとも一部を取り囲む形状に形成されたケーシング内に、前記濾過通路と前記バイパス通路とを有する上流側の空気通路、及び、前記下流側の空気通路が形成され、前記濾過通路内に前記上流側の濾過部材が収容されているとともに、前記下流側の空気通路内に前記下流側の濾過部材が収容されていることを特徴とする蒸発燃料処理装置のダストフィルタ。
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