JP4721632B2 - 2液分別塗布型のコンタクト型接着剤およびその使用方法 - Google Patents
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そこで、溶剤を用いない分子内に反応性珪素基を有する高分子化合物を用いた湿気硬化型コンタクト型接着剤が、例えば特許文献1に提案されている。
そこで、上記欠点を解決するために、特定置換尿素基を持つウレタン系樹脂を用いたタック発現までの時間が短く、タック発現直後の接着強さが大きく、タックレンジが長く、貼り合わせ可能時間が長いウレタン樹脂系コンタクト型接着剤が、例えば特許文献2に提案されている。
しかし、このウレタン樹脂系コンタクト型接着剤も、湿気硬化型であることから、作業温度・湿度によりコンタクト接着可能時間が変化してしまう欠点があった。また、硬化途中の化学反応により、コンタクト接着を行うため、溶剤型ゴム系接着剤のように片方の被着材にあらかじめ塗りおきしておくことが不可能であった。
しかし、この1液湿気硬化型ウレタン接着組成物は初期タックの早期発現が優れるものの硬化時に発生する炭酸ガスによる発泡で、タック強度や接着強度が低下する問題があり、コンタクト型接着剤として用いるには不十分であった。
また、上記湿気硬化型以外の溶剤を用いないコンタクト型接着剤としては、ゴムラテックスを主成分とする水性形ゴム系接着剤が知られている。
この水性ゴム系接着剤は、前述のようにゴムポリマーを乳化剤を用いて水中に分散させたゴムラテックスを主成分としているため、従来の溶剤形ゴム系接着剤のように有機溶剤を用いることなく設計が可能な接着剤である。
また、分散媒が水であるがため、水の乾燥に時間を要する。故に乾燥性の非常に良好な有機溶剤を溶媒とする溶剤形ゴム系接着剤と比較して作業性に非常に劣る。
この現象を解決するために石油系ならびにロジン系に代表される粘着付与樹脂を有機溶剤に溶解してラテックス中に強制乳化する方法や、粘着付与樹脂に乳化剤を用いて分散した樹脂エマルジョンを添加する方法、さらには乳化剤を用いずラテックス中で直接樹脂を溶解する方法などで粘着付与樹脂を配合し、コンタクト性を得る方法が提案されているが、依然として広範囲な面積での作業や圧着のできない作業等では充分なコンタクト性能が得られず、さらには接着養生後の耐水性能が溶剤形ゴム系接着剤と比較して劣り、未だ市場に広く流通していないのが現状である。
即ち、本発明は以下の通りのものである。
(1)下記の(I)と(II)を構成要素とすることを特徴とする2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
(I)イ)主鎖がポリオキシアルキレン重合体であり、その分子末端に反応性珪素基を有し、分子中にイソシアネート基と下記一般式(8)で示される化合物(c)が有する第二級アミノ基との反応により生成する置換尿素結合を有するシリル化ウレタン系樹脂(A)及び/又は変成シリコーン樹脂(B)
ロ)ビニル重合体(C)
を含有することを特徴とする第1液
(II)ゴムラテックスを含有することを特徴とする第2液
R2はメチル基を、
Xはメトキシ基を、
nは0又は1を、
Yは炭素数3個以下のアルキレン基、又は下記一般式(9)で表される基を、
それぞれ示す。
R8及びR9は上記一般式(3)で表される基を、それぞれ示す。
(2)さらに、(I)及び/又は(II)に粘着付与樹脂(D)を含有することを特徴と
する(1)に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
(4)上記共役ジエン系ポリマーがクロロプレンの重合体もしくは共重合体であることを特徴とする(3)に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
(5)上記共役ジエン系ポリマーがアクリロニトリルブタジエン共重合体であることを特徴とする(3)に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
(6)上記共役ジエン系ポリマーがスチレンブタジエン共重合体であることを特徴とする(3)に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
(7)上記共役ジエン系ポリマーが天然ゴムであることを特徴とする(3)に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の第1液を塗布した被着体と、第2液を塗布した被着体とを貼り合わせることを特徴とするコンタクト接着方法。
(9)上記第1液を塗布した被着体にタックが発現してから消失するまでの間に貼り合わせることを特徴とする(8)に記載のコンタクト接着方法。
(10)上記第1液を塗布した被着体のタックが消失してから貼り合わせることを特徴とする(8)に記載のコンタクト接着方法。
(I)イ)主鎖がポリオキシアルキレン重合体であり、その分子末端に反応性珪素基を有し、分子中に置換尿素結合を有するシリル化ウレタン系樹脂(A)(以下、単にシリル化ウレタン系樹脂(A)ということがある。)について
このシリル化ウレタン系樹脂(A)は、主鎖がポリオキシアルキレン重合体であり、その分子内に下記一般式(1)で表わされる基及び下記一般式(2)で表される基を有するウレタン系樹脂(A)である。
シリル化ウレタン系樹脂(A)は、主鎖がポリオキシアルキレン重合体であり、その分子内に水酸基、第一級アミノ基若しくは第二級アミノ基から選ばれる基を1個以上有する化合物(以下、化合物(a)ということがある。)とポリイソシアネート化合物(以下、化合物(b)ということがある。)とを反応させてウレタンプレポリマーを製造し、更にウレタンプレポリマーと下記一般式(8)で表される化合物(以下、化合物(c)ということがある。)を反応させることにより製造することができる。(特許第3030020号公報に示される樹脂が含まれる。)
化合物(a)の原料となるポリオキシアルキレン重合体としては、触媒の存在下、開始剤にモノエポキシド等を反応させて製造される水酸基末端のものが好ましい。開始剤としては、1つ以上の水酸基を有するヒドロキシ化合物等が使用できる。
触媒としては、カリウム系化合物やセシウム系化合物等のアルカリ金属触媒、複合金属シアン化合物錯体触媒、金属ポルフィリン触媒が挙げられる。複合金属シアン化合物錯体触媒としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテートを主成分とする錯体、エーテル及び/又はアルコール錯体が好ましい。エーテル及び/又はアルコール錯体の組成は本質的に特公昭46−27250号公報に記載されているものが使用できる。エーテルとしてはエチレングリコールジメチルエーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)等が好ましく、錯体の製造時の取り扱いの点からグライムが特に好ましい。アルコールとしては、例えば特開平4−145123号公報に記載されているものが使用できるが、特にtert−ブタノールが好ましい。
上記原料ポリオキシアルキレン重合体としては、数平均分子量が500〜30,000、特に2,000〜20,000のものを使用するのが好ましい。
化合物(a)は市販されており(例えば、P−2000,P−3000:商品名、旭電化工業社製、PML−3005,PML−3010,PML−3012,PML−4002,PML−4010,PML−5005:商品名、旭硝子社製、Sumiphen3600,Sumiphen3700,SBU−Polyol0319:商品名、住友バイエルウレタン社製等)、本発明ではそれらを用いることができる。又、末端に第1級アミノ基をもつポリオキシプロピレン(ジェファーミンD−230,D−400,D−2000:商品名、サンテクノジャパン社製)若しくは第2級アミノ基をもつポリオキシプロピレン(ジェファーミンD−230,D−400,D−2000(同上)と、α,β−不飽和カルボニル化合物、マレイン酸ジエステル及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させる方法によって得ることができる。)を用いることができる。
脂肪族ジイソシアネート化合物:トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等。
ジイソシアネート化合物を除くポリイソシアネート化合物としては、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物:リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン等。
芳香族ポリイソシアネート化合物:トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、4,4′−ジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等。
その他のポリイソシアネート化合物:フェニルジイソチオシアネート等硫黄原子を含むジイソシアネート類。
(1)R1 が上記一般式(3)で表される基、Yが2価の有機基である化合物
第一級アミノ基及び加水分解性基含有珪素基若しくは水酸基含有珪素基(好ましくは加水分解性基含有珪素基)をそれぞれ一つ持つ化合物(化合物(d))と、それと化学当量のα,β−不飽和カルボニル化合物(化合物(e))、マレイン酸ジエステル(化合物(f))及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させる方法
(2)R1 が上記一般式(3)で示され、Yが上記一般式(9)で示される化合物
第一級アミノ基、第二級アミノ基及び加水分解性基含有珪素基若しくは水酸基含有珪素基(好ましくは加水分解性基含有珪素基)をそれぞれ一つ持つ化合物(化合物(g))と、化合物(g)中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基と化学当量の化合物(e)、化合物(f)及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させる方法
化合物(g)と、化合物(g)中の第一級アミノ基と化学当量の化合物(e)、化合物(f)及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させた後、化合物(g)中の第二級アミノ基と化学当量の式 R7 NCO(R7 は上記と同意義)で表されるモノイソシアネート化合物(化合物(h))を反応させる方法
(4)R1 が上記一般式(4)で示され、Yが2価の有機基である化合物
化合物(g)と、化合物(g)中の第一級アミノ基と化学当量の化合物(h)とを反応させる方法
(5)R1 が上記一般式(5)で示され、かつ一般式(5)中のR8 及びR9 が上記一般式(3)で示され、Yが2価の有機基である化合物
化合物(g)と、化合物(g)中の第一級アミノ基と2化学当量の化合物(e)、化合物(f)及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させる方法
化合物(g)と、化合物(g)中の第一級アミノ基と化学当量の化合物(e)、化合物(f)及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させた後、この反応により生成した第二級アミノ基と化学当量の化合物(h)を反応させる方法。
(7)R1 が上記一般式(6)で示され、Yが2価の有機基である化合物
化合物(d)と、化合物(d)中の第一級アミノ基と化学当量のマレイミド化合物(化合物(i))とを反応させる方法。
ビニルケトン化合物としては、ビニルアセトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等が、ビニルアルデヒド化合物としては、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド等が、その他の化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、クロトン酸、N−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
上記化合物(e)の中でも、反応のし易さ、広く市販され入手の容易さの点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート等が好ましい。この内、速硬化性を付与するにはメチルアクリレート、エチルアクリレートが特に好ましく、柔軟性を付与するには2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレートが特に好ましい。又、化合物(e)は、1種又は2種以上使用できる。
上記の化合物(g)の中でも、反応のし易さ、広く市販され入手の容易さの点から、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
化合物(i)としては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、ヒドロキシフェニルモノマレイミド、N−ラウレルマレイミド、ジエチルフェニルモノマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド等が挙げられる。
上記化合物(a)と上記化合物(b)とを反応させて、ウレタンプレポリマ
ーとする方法は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させてウレタンプレポリマーを製造する通常の方法に準じて行えば良い。又、上記化合物(c)とウレタンプレポリマーとを反応させて、シリル化ウレタン系樹脂(A)とする方法は、50〜100℃で、30分間〜3時間行えばよい。
本発明に使用される変成シリコーン樹脂(B)は、分子中に反応性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体(ポリエーテル)であり、特公昭45−36319号、同46−12154号、同特開平3−47825号、同平3−72527号、同3−79627号公報等に記載されている重合体(通常、変成シリコーン樹脂と呼ばれている。)である。
それらは同じであってもよく異なっていてもよい、a は0、1、2または3、b は0、1または2を示す。m個の
白金ブラック、塩化白金酸、白金アルコール化合物、白金オレフィンコンプレックス、白金アルデヒドコンプレックス、白金ケトンコンプレックスなどの白金系化合物を触媒として付加反応させる事により製造することができる。
上記一般式(14)で示されるオレフィン基を有するポリエーテルの具体的製造方としては、特開昭54−6097号公報において提示している方法、あるいはエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のエポキシ化合物を重合する際に、アリルグリシジルエーテル等のオレフィン基含有エポキシ化合物を添加して共重合することにより側鎖にオレフィン基を導入する方法等が例示できる。
R17の具体例としては、−CH2 −、下記一般式(16)で示される基、
ビニル重合体(C)は、重合性ビニル基含有モノマーである化合物(C’)の重合体であり、化合物(C’)としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル(以下、これらを(メタ)アクリレートと記す。)、スチレン系化合物、アクリロニトリル、α−メチルアクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、コハク酸2−メタクリロイルオキシエチル、マレイン酸2−メタクリロイルオキシエチル、フタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン;これら以外のオレフィン、不飽和エステル類、ハロゲン化オレフィン、ビニルエーテル等が挙げられる。
又、化合物(a)として、加水分解性珪素基を有するビニル基含有モノマーも使用することができる。該ビニル基含有モノマーとしては、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられが、これらの中でも3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
シリル化ウレタン系樹脂(A)及び/または変成シリコーン樹脂(B)にビニル重合体(C)を配合する際の配合割合は、シリル化ウレタン系樹脂(A)及/または変成シリコーン樹脂(B)100質量部当り、ビニル重合体(C)5〜500質量部、好ましくは10〜200質量部である。ビニル重合体(C)の配合量が5質量部未満では、第2液との密着性が不足して初期収まり性が悪く、500質量部を超えると、凝集力が不足して初期のおさまり性が悪くなる。
(1)シリル化ウレタン系樹脂(A)及び/または変成シリコーン樹脂(B)中で上記化合物(C’)を重合する方法、
(2)シリル化ウレタン系樹脂(A)を調製する上記の方法において、上記化合物(a)中で上記化合物(C’)を重合した後、上記化合物(b)、更に上記化合物(c)と反応する方法、
(3)シリル化ウレタン系樹脂(A)を調製する上記の方法において、上記化合物(a)と上記化合物(b)を反応してウレタンプレポリマーを得、ウレタンプレポリマー中で上記化合物(C’)を重合した後、上記化合物(c)と反応する方法によっても調製することができる。
粘着性付与樹脂(D)としては特に限定はなく、常温で固体、液体を問わず通常使用されるものを使用することができる。具体例としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂(例えば、カシューオイル変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂等)、テルペンフェノール樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、石油樹脂(例えば、C5 炭化水素樹脂、C9 炭化水素樹脂、C5 C9 炭化水素共重合樹脂等)、水添石油樹脂、テルペン系樹脂、DCPD樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。上記の粘着性付与樹脂の中でも、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、スチレン共重合体樹脂、C9 炭化水素樹脂、水添石油樹脂、テルペン系樹脂が、特に相溶性が良く、粘着特性が良好であるので好ましい。
必要に応じて含むことができる上記硬化触媒として、有機錫化合物、金属錯体、塩基性化合物、三フッ化ホウ素錯塩等のルイス酸、有機燐化合物及び水(空気中の湿気)が使用できる。具体的には、有機錫化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエート、ジブチル錫フタレート、オクチル酸第一錫、ジブチル錫メトキシド、ジブチル錫ジアセチルアセテート、ジブチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドとフタル酸ジエステルとの反応生成物、日東化成社製商品名:U700、U700ES、U303等が挙げられる。
塩基性化合物としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンザルコニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩類、三共エアプロダクツ社製のDABCO(登録商標)シリーズ、DABCO BLシリーズ、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン等の複数の窒素を含む直鎖或いは環状の第三級アミン及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。 有機燐化合物としては、モノメチル燐酸、ジ−n−ブチル燐酸、燐酸トリフェニル等が挙げられる。該硬化触媒の配合割合は、第1液の上記シリル化ウレタン系樹脂(A)及び/または変成シリコーン樹脂(B)100質量部当り0.01〜10質量部である。
各種添加剤としては、可塑剤、添加剤、希釈剤、脱水剤等を挙げることができる。
上記可塑剤としては、アジピン酸ジオクチル、セバチン酸ジブチル等の脂肪族カルボン酸エステル等を用いることができる。
上記添加剤としては、老化防止剤、チキソ性付与剤、紫外線吸収剤、顔料、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ビスフェノールA型やビスフェノールF型等のエポキシ樹脂等が挙げられる。シランカップリング剤としては、特にアミノシラン、エポキシシラン、アミノシランとエポキシシランの反応物が好ましい。
上記希釈剤としては、パラフィン系希釈剤、イソパラフィン系希釈剤、ナフテン系希釈剤、αオレフィン系希釈剤等の炭化水素系希釈剤、芳香族系希釈剤、ポリオキシアルキレン系希釈剤、フタル酸エステル系希釈剤、エステル化ひまし油系希釈剤、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル、N−アルキル−2−ピロリドン等、上記シリル化ウレタン系樹脂、変成シリコーン樹脂、ビニル重合体と相溶性がよく水分含有量が500ppm以下であればいずれを用いても良い。
上記脱水剤としては、生石灰、オルト珪酸エステル、無水硫酸ナトリウム、ゼオライト、メチルシリケート、エチルシリケート、各種アルキルアルコキシシラン、各種ビニルアルコキシシラン等が挙げられる。
(1)ゴムラテックスについて
本発明におけるゴムラテックスとは、ゴムの樹などの植物の代謝作用から採取される天然の白色乳状の樹液の他、種々のポリマーが乳化剤を用いることで水中に球状に近い微粒子として安定に分散している不均一系懸濁液のことを指す。具体的には天然ゴムラテックス、乳化重合により合成された合成ゴムラテックス、固形のゴムを水性媒質中に分散した人工ラテックス等がある。特にその組成が安定で入手が容易な合成ゴムラテックスが好ましい。
(2)共役ジエン系ポリマーについて
本発明における共役ジエン系ポリマーとは、イソプレン重合体、ブタジエン重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体等に代表される共役ジエン骨格を持つ重合体を指す。特にクロロプレン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトル−ブタジエン共重合体が好ましい。
本発明におけるクロロプレンの重合体もしくは共重合体とはクロロプレンポリマーを水に乳化分散させたもので、乳化剤と安定剤を含む。固形分としては34.5〜60%のものが使用できる。クロロプレン重合体の乳化系は用途によりアニオン系、カチオン系、ノニオン系のものが存在し、電荷の種類によりラテックス安定性が異なる。いずれの乳化系でも使用可能であるが、その他添加剤の配合の容易さからアニオン系およびノニオン系のラテックスが好ましい。具体例としてはアニオン系クロロプレンラテックスとして東ソー株式会社製スカイプレンラテックスGFL-280 、GFL-820 、GFL-890 、LA-660 電気化学工業株式会社製デンカクロロプレンラテックスLM-50 、LM-60 、LA-50 、ALX-310 住化バイエルウレタン社製ディスパコールC-74、C-84、KA8707 デュポンダウエラストマー社製 aquastik シリーズ等が挙げられる。またカチオン系ラテックスとしては電気化学工業株式会社製デンカクロロプレンラテックスLK-50 等が挙げられる。ノニオン系ラテックスとしては、デュポンダウエラストマー社製aquastik1120 電気化学工業株式会社製デンカクロロプレンゴムラテックスLC-501などが挙げられる。
本発明におけるアクリロニトリル−ブタジエンの共重合体とはアクリロニトリル、ブタジエン、あるいはアクリル酸、メタクリル酸などの反応性モノマーを水中で乳化重合させ得られるものである。固形分としては35〜70%のものが使用できる。アクリロニトリルブタジエンゴムラテックスは結合ニトリルの量によって次のように分類される。(結合ニトリルが25%以下のもの:低ニトリルラテックス、結合ニトリルが25%〜35%のもの:中ニトリルラテックス、結合ニトリルが35%〜40%のもの:高ニトリルラテックス)いずれのラテックスも使用可能であるが、ニトリルゴムラテックスの有する耐油性、耐溶剤性、接着性などの性質を十分発揮するためには中ニトリル及び高ニトリルの範囲のラテックスを使用するのが好ましい。また、カルボキシル基やその他の官能基の有無によっても数種類分類されるが、いずれのタイプも使用可能である。具体例として日本ゼオン株式会社製Nipol 1551、1561、1562、1571、1571C 、1571CL、1577、Nipol LX511 、LX513 、LX517A、LX531 、LX531B、LX540 、LX550 、LX551 、LX552 等が挙げられる。
本発明におけるスチレン−ブタジエンの共重合体とはスチレン、ブタジエンモノマーを界面活性剤で水に乳化分散したものにラジカル重合触媒を加えて重合し得られるものである。固形分としては30〜75%のものが使用できる。スチレン−ブタジエンラテックスは結合スチレン量によって次のように分類される。(結合スチレンが40%以下のもの:低スチレンラテックス、結合スチレンが40〜50%のもの:中スチレンラテックス、結合スチレンが50%以上のもの:高スチレンラテックス)また、ラテックスの安定性、接着性向上を目的として不飽和カルボン酸を共重合した製品も多数上市されている。本発明ではこれらいずれの分類のラテックスも使用可能であるが、幅広い接着性を有し、取り扱いの容易な低スチレンラ及び中スチレンスの範囲のラテックスを使用するのが好ましい。具体例として日本ゼオン株式会社製 Nipol LX407K シリーズ、Nipol LX407AS シリーズ、Nipol LX407Sシリーズ、Nipol LX407BP シリーズ、Nipol V1004 シリーズ、低スチレングレード(非変性)Nipol 4850A 、LX110 、LX112 、LX119 、LX139 、中スチレングレード(非変性)Nipol LX206 、LX209 、中スチレングレード(変性)Nipol LX426 、LX432A、LX473B、
LX476 、LX435 、LX438C、2750X5、LX410 、LX415A、LX430 、LX433C、高スチレングレード(非変性)Nipol 2507、2507H 、高スチレングレード(変性)Nipol LX416 、LX382
旭化成株式会社製 低スチレングレード(非変性)DL-460、低スチレングレード(変性)DL-620、DL-670、L-2301、L-5702、L-1638、L-1162、L-1225、L-1235、L-1260、L-1338、L-1432、L-1622、L-1924、中スチレングレード(非変性)DL-612、中スチレングレード(変性)DL-636、L-2923、L-1151、L-1295、L-1876、高スチレングレード(変性)L-2337、L-7850
日本合成ゴム株式会社製 (非変性グレード)JSR0561 、JSR2108 、JSR0670 、JSR0602 、(変性グレード)JSR0650 、JSR0668 、JSR0691 、JSR0692 、JSR0693 、JSR0695 、JSR0592 、JSR0591 等が挙げられる。
本発明における天然ゴムラテックスはヘベア・ ブラジリエンス樹から採取され、凝固防止のために少量のアンモニアと保存剤を添加後、濃縮され、得られたものである。濃縮方法には遠心分離法、クリーミング法、蒸発法があり、さらに保存剤の種類により次に示す分類の製品が上市されている。HA( 保存剤:0.7%アンモニア) 、LA-SPP( 保存剤:0.2%アンモニア、0.2%SPP)、LA-ZDC( 保存剤:0.2%アンモニア、0.1%ZDC 、0.05% ラウリン酸) 、LA-BA(保存剤:0.2%アンモニア、0.24% 硼酸、0.05% ラウリン酸) 、LA-TZ(保存剤:0.2%アンモニア、0.013%ZnO 、0.013%TMTD、0.05% ラウリン酸) 、KHS(保存剤:0.75%KOH、石けん) 、KLS(0.8%KOH 、石けん)本発明ではこれらいずれのタイプの天然ゴムラテックスも使用することができる。中でも生産量が多く、入手が容易な事からLA-TZ タイプを使用するのが好ましい。
また、天然ゴムラテックスの被膜強度及び耐候性の向上を目的としてMMA にてグラフトした製品も市販化されているがグラフト率にかかわらずこれらについても使用可能である。
本発明における第2液は請求項3〜7に示されるようなラテックスのみの使用で効果を発現するが、さらに種々の被着材への接着性を向上させる目的で該ラテックスに粘着付与樹脂を添加できる。
(8)粘着付与樹脂について
粘着性付与樹脂としては第1液と同様に特に限定はなく、常温で固体、液体を問わず通常使用されるものを使用することができる。具体例としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂(例えば、カシューオイル変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂等)、テルペンフェノール樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、石油樹脂(例えば、C5 炭化水素樹脂、C9 炭化水素樹脂、C5 C9 炭化水素共重合樹脂等)、水添石油樹脂、テルペン系樹脂、DCPD樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。上記の粘着性付与樹脂の中でも、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、C9 炭化水素樹脂、水添石油樹脂、テルペン系樹脂が、粘着特性良好であるので好ましい。
固形樹脂である粘着付与樹脂を請求項3〜7記載のラテックスに配合する方法としては、粘着付与樹脂を有機溶剤に溶解、又は微粉砕した後、乳化剤、水を加えて粘着付与樹脂のエマルジョンを作成し、これを添加する方法や軟化点が80℃以下の粘着付与樹脂を熱溶融して乳化剤、水を加えて有機溶剤を含まない粘着付与樹脂エマルジョンを作成し、これを添加する方法、さらには市販の樹脂エマルジョンを添加する方法がある。
市販の樹脂エマルジョンとしては主にアルキルフェノール系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、石油樹脂等をエマルジョン化したものが知られており、これら樹脂エマルジョンの種類、組成に限定されることなく使用することができる。
樹脂エマルジョンの具体例として、荒川化学工業社製 スーパーエステルE-720 、E-730-55、E-650 、E-786-60(いずれもロジンエステル樹脂)、タマノルE-100 (テルペンフェノール樹脂)、エマルジョンAM-1002 (水素化石油樹脂)、エマルジョンSE-50 (水素化ロジンエステル) ハリマ化成株式会社製 SK-501(液状ロジンエステル)、SK-70D、SK-90D-55 (安定化ロジンエステル)、SK-508、SK-508H 、SK-532D 、SK-816(重合ロジン変性ロジンエステル)SK-218N (安定化ロジンエステル) ヤスハラケミカル株式会社製 ナノレットG1250 (テルペン樹脂)が挙げられる。
本発明では請求項3〜7にしめす成分のラテックス単独での使用の他、2種以上を任意に混合して使用しても良い。また、請求項3〜7に示す成分のラテックスと他のポリマーエマルジョンとを混合して使用することもできる。請求項に示す成分の2種以上のラテックス同士または混合する他のポリマーエマルジョンは、混合時にゲル化することが無く安定であれば使用することができる。ポリマーエマルジョンの例としてはアクリル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、アスファルト等のエマルジョンがあるが、これらに限定されるものではなく、前記の条件を満足するものであれば、いずれのポリマーエマルジョンの1種又は2種以上の使用が可能である。
本発明の第2液成分には必要に応じて、水溶性高分子、充填剤、増粘剤、湿潤剤、防腐剤、防錆剤、酸吸収剤、老化防止剤、着色剤、pH 調整剤、消泡剤及びシラン、チタン等のカップリング剤を添加しても良い。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
(製造例1)
(1)数平均分子量4,000のポリオキシプロピレンジオール(タケラックP−28、商品名:武田薬品工業社製)を1,000g、数平均分子量4,000の分子末端25%ポリオキシエチレン付加型ポリオキシプロピレンジオール(PML−5005、商品名:旭硝子社製)を1,000g、スミジュールT−80(商品名:住友バイエルウレタン社製、トリレンジイソシアネート)を174.2gの割合で反応器に入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながら90℃で3時間反応させてウレタンプレポリマー(PUR−1)を得た。
(2)KBM903(商品名:信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を179.3g、メチルアクリレートを86.1gの割合で混合し、23℃で7日間反応させて反応物(AS−1)を得た。
(3)KBM902(商品名:信越化学工業社製、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)を163.3g、2−エチルヘキシルアクリレートを184.3gの割合で混合し、23℃で7日間反応させて反応物(AS−2)を得た。
(5)シリル化ウレタン樹脂(1)500gを反応器に入れ、窒素雰囲気下100℃に加熱し、メチルメタクリレートを250g、n−ラウリルメタクリレートを250g、KBM503(商品名:信越化学工業社製、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン)を50g、KBM803(商品名:信越化学工業社製、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)を5g、ラウリルメルカプタンを5g及びアゾビスイソブチロニトリルを5gの割合で混合した混合溶液を5時間かけて滴下し、更に100℃で2時間反応させてビニル重合体とシリル化ウレタン系樹脂の混合物(1−1)を得た。
(6)ビニル重合体とシリル化ウレタン系樹脂の混合物(1−1)を1,000g、NS400(商品名:日東粉化工業社製、炭酸カルシウム)を500gの割合でプラネタリーミキサーに入れ、減圧下100℃で加熱脱水した後、室温まで冷却し、KBM903(商品名:信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を50g、KBM403(商品名:信越化学工業社製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を30g及びスタンNo.918(商品名:三共有機合成社製、有機錫触媒)を40g混練して、第1液(1)を得た。
(1)ビニル重合体と変成シリコーン樹脂の混合物の市販品として、エクセスターES−GX3406a(商品名:旭硝子社製、ビニル基含有モノマー重合物含有分子末端トリメトキシシリル型変成シリコーン樹脂)を200g、サイリルMA430(商品名:鐘淵化学工業社製、ビニル基含有モノマー重合物含有分子末端ジメトキシシリル型変成シリコーン樹脂)を800g、NS400(商品名:日東粉化工業社製、炭酸カルシウム)を500gの割合でプラネタリーミキサーに入れ、減圧下100℃で加熱脱水した後、室温まで冷却し、KBM903(商品名:信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を50g、KBM403(商品名:信越化学工業社製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を30g及びスタンNo.918(商品名:三共有機合成社製、有機錫触媒)を40g混練して、第1液(2)を得た。
(1)製造例1で合成したビニル重合体とシリル化ウレタン系樹脂の混合物(1−1)を500g、エクセスターES−GX3406a(商品名:旭硝子社製、ビニル基含有モノマー重合物含有分子末端トリメトキシシリル型変成シリコーン樹脂)を100g、サイリルMA430(商品名:鐘淵化学工業社製、ビニル基含有モノマー重合物含有分子末端ジメトキシシリル型変成シリコーン樹脂)を400g、NS400(商品名:日東粉化工業社製、炭酸カルシウム)を500gの割合でプラネタリーミキサーに入れ、減圧下100℃で加熱脱水した後、室温まで冷却し、KBM903(商品名:信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を50g、KBM403(商品名:信越化学工業社製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を30g及びスタンNo.918(商品名:三共有機合成社製、有機錫触媒)を40g混練して、第1液(3)を得た。
(1)製造例1で合成したビニル重合体とシリル化ウレタン系樹脂の混合物(1−1)を1, 000g、YSポリスターT100(商品名:ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂)を300g、NS400(商品名:日東粉化工業社製、炭酸カルシウム)を500gの割合でプラネタリーミキサーに入れ、減圧下100℃で加熱脱水した後、室温まで冷却し、KBM903(商品名:信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を50g、KBM403(商品名:信越化学工業社製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を30g及びスタンNo.918(商品名:三共有機合成社製、有機錫触媒)を40g混練して、第1液(4)を得た。
(1)エクセスターES−GX3406a(商品名:旭硝子社製、ビニル基含有モノマー重合物含有分子末端トリメトキシシリル型変成シリコーン樹脂)を200g、サイリルMA430(商品名:鐘淵化学工業社製、ビニル基含有モノマー重合物含有分子末端ジメトキシシリル型変成シリコーン樹脂)を800g、YSポリスターT100(商品名:ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂)を300g、NS400(商品名:日東粉化工業社製、炭酸カルシウム)を500gの割合でプラネタリーミキサーに入れ、減圧下100℃で加熱脱水した後、室温まで冷却し、KBM903(商品名:信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を50g、KBM403(商品名:信越化学工業社製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を30g及びスタンNo.918(商品名:三共有機合成社製、有機錫触媒)を40g混練して、第1液(5)を得た。
(1)製造例1で合成したビニル重合体とシリル化ウレタン系樹脂の混合物(1−1)を500g、エクセスターES−GX3406a(商品名:旭硝子社製、ビニル基含有モノマー重合物含有分子末端トリメトキシシリル型変成シリコーン樹脂)を100g、サイリルMA430(商品名:鐘淵化学工業社製、ビニル基含有モノマー重合物含有分子末端ジメトキシシリル型変成シリコーン樹脂)を400g、YSポリスターT100(商品名:ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂)を300g、NS400(商品名:日東粉化工業社製、炭酸カルシウム)を500gの割合でプラネタリーミキサーに入れ、減圧下100℃で加熱脱水した後、室温まで冷却し、KBM903(商品名:信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を50g、KBM403(商品名:信越化学工業社製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を30g及びスタンNo.918(商品名:三共有機合成社製、有機錫触媒)を40g混練して、第1液(6)を得た。
・「ボンド S・ Uスーパークリヤー」(商品名:コニシ社製、ビニル重合体とシリル化ウレタン樹脂を主成分とした1液型接着剤)を第1液(7)とした。
・「CEMEDINE・スーパーXNo. 8008」(商品名:セメダイン社製、ビニル基含有モノマー重合物含有変成シリコーン樹脂(特開昭63−112642号公報に記載の樹脂)を主成分とした1液型接着剤(特開平3−263478号公報の実施品))を第1液(8)とした。
・ノニオン系クロロプレンゴムラテックスAquastik1120(商品名:デュポンダウエラストマージャパン、カルボキシル基含有クロロプレンゴムラテックス、固形分47%、pH7.0)を第2液(1)とした
・アニオン系クロロプレンゴムラテックスディスパコールC−84(商品名:住化バイエルウレタン株式会社製、カルボキシル基含有クロロプレンゴムラテックス、固形分50%、pH13.0)を第2液(2)とした。
・アニオン系クロロプレンゴムラテックスGFL−280(商品名:東ソー株式会社製、クロロプレン/メタクリル酸共重合体、固形分52%、pH2.5)を第2液(3)とした。
・カチオン系クロロプレンゴムラテックスLK−50(商品名:電気化学工業株式会社、クロロプレンゴムラテックス、固形分50%、pH9.0)を第2液(4)とした。
・アニオン系SBRラテックス LX−430(商品名:日本ゼオン株式会社、スチレンブタジエンゴムラテックス、固形分49.0%、pH7. 0)を第2液(5)とした。
・アニオン系NBRラテックスLX−550(商品名:日本ゼオン株式会社、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、固形分45%、pH8.5)を第2液(6)とした。
・「ボンド WG22」(商品名:コニシ社製、クロロプレンゴムラテックスとロジン系樹脂からなる接着剤、固形分55%、pH8.0)を第2液(8)とした。
・「ボンド WG59」(商品名:コニシ社製、クロロプレンゴムラテックスとロジン系樹脂からなる接着剤、固形分55%、pH7.0)を第2液(9)とした。
・「ボンド CR500」(商品名:コニシ社製、天然ゴムラテックス系接着剤、固形分60%、pH9.0)を第2液(10)とした。
ノニオン系クロロプレンゴムラテックスAquastik1120の100gに対し、粘着付与樹脂を乳化剤を用いて水中に樹脂を分散させた樹脂エマルジョンであるタマノルE−100(商品名:荒川化学工業株式会社製、テルペンフェノール樹脂、アニオン乳化系、不揮発分50%、pH7.0)を50g添加し、攪拌混合し、第2液(11)を得た。
(製造例6)
アニオン系クロロプレンゴムラテックスディスパコールC−84の100gに対し、樹脂エマルジョンタマノルE−100を50g添加し、攪拌混合し、第2液(12)を得た。
(製造例7)
アニオン系クロロプレンゴムラテックスGFL−280の100gに対し、樹脂エマルジョンタマノルE−100を50g添加し、攪拌混合し、第2液(13)を得た。
アニオン系スチレンブタジエンゴムラテックスLX−430の100gに対し、樹脂エマルジョンタマノルE−100を50g添加し、攪拌混合し、第2液(14)を得た。
(製造例9)
アニオン系アクリロニトリルブタジエンゴムラテックスLX550の100gに対し、樹脂エマルジョンタマノルE−100を50g添加し、攪拌混合し、第2液(15)を得た。
・「アイカエコエコボンド RA−300」(商品名:アイカ工業社製、クロロプレンラテックス系接着剤)を第2液(16)とした。
表1(1)〜表1(2)に記載の下地材と仕上げ材に塗布する第1液と第2液の組み合わせを用いて、下記の条件で試験を行った。
・試 験 条 件 :
JIS K 7100の23℃±2℃、湿度50±10%RH(以下、標準条件という。)で試験を行った。
・引張接着強さ試験:
JIS A 5538 壁・天井ボード用接着剤に準じて行った。
・引 張 速 度 :
3mm/ min
・被 着 材 :
下地材 木材(ひのき)
仕上材 合板
・接着剤の塗布 :
下地材に第1液を200g/ m2 となる様に塗布を行った。
仕上材に第2液を100g/ m2 となる様に塗布を行った。
・試験体の作成 :
各接着剤を下地材、仕上材れぞれに塗布後、30分、60分、3時間及び24時間標準条件で塗りおきをした後に、仕上材を下地材の中央に載せ、質量1kgのおもりを5秒間載せた後取り除いて試験体とした。
・養 生 時 間 :
作成した試験体を標準条件で0分、10分、24時間養生し(表1〜2では、夫々直後、10分後、1日後と表記した。)、引張接着強さを測定した。
・水中浸せき試験 :
塗りおき60分で作成した試験体を48時間養生した後、23℃±2℃の静水中に168時間浸せきした後に取り出して、引張接着強さを測定した。
表2に記載の下地材と仕上げ材に塗布する接着剤の組み合わせを用いて、上記の条件で試験を行った。
尚、表2中比較例1の「G10」は、クロロプレンゴム系溶剤型接着剤(コニシ社製、商品名:「ボンド G10」)であり、比較例4の「1液ウレタン」は、次の製法により得られた無溶剤形である1液湿気硬化ウレタン接着剤である。
○比較例4の1液ウレタンについて
特開平11−263963の実施例2に従い1液湿気硬化型ウレタン接着剤を合成し、これを表中の1液ウレタンとした。
すなわち、5Lプラネタリーミキサーに、予め脱水した分子量2000の2官能ポリプロピレングリコール(商品名タケラックP−21:武田薬品工業社製)500質量部、分子量3000の3官能ポリプロピレングリコール(商品名タケラックP−31:武田薬品工業社製)100質量部、分子量2000の2官能ポリエステル系ポリオール(商品名アデカニューエースF7−67:旭電化工業社製)200質量部を仕込み、さらに水酸基含有のキシレン樹脂(商品名ニカノールH:三菱ガス化学社製)200質量部を加え、さらに4,4−MDIと2,4’−MDIの混合物(商品名ルプラネートMI:ビーエーエスエフジャパン社製)591質量部を添加し、90℃で4時間ウレタン化反応を行った。この時のウレタン化反応条件は、NCO含有率が10%、NCO/OH比は5.1であった。室温まで冷却した後、予め脱水した炭酸カルシウム(商品名カルファイン100:丸尾カルシウム社製)1000質量部、DOP100質量部及びN−メチル−2−ピロリドン1000質量部を加え、さらにビス(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル(商品名U−CAT2041:サンアプロ社製)10質量部を加えて、無溶剤形である1液湿気硬化ウレタン接着剤(1液ウレタン)を得た。
○実施例、比較例の評価
表1(1)〜表1(2)から明らかなように、実施例1〜33は、コンタクト接着発現時間、コンタクト接着可能時間、初期収まり性、塗りおき性、耐水性、臭気と安全性のすべてにおいて、良好か、又は優れている。
比較例1は従来の溶剤型ゴム系接着剤を用いたコンタクト接着の結果であり、コンタクト接着発現時間、コンタクト接着可能時間、初期収まり性、塗りおき性、耐水性すべてにおいて優れるが、臭気と安全性に劣る。
比較例2は水性ゴム系接着剤を用いたコンタクト接着の結果であり、溶剤ゴム系より若干劣るが比較的良好であり、臭気・安全性に優れる。ただし、耐水性が非常に劣る。
比較例3はウレタン樹脂系コンタクト形接着剤を用いたコンタクト接着の結果であり、コンタクト接着発現時間、コンタクト接着可能時間、初期収まり性、耐水性、臭気・安全性に優れるが、塗りおき性に劣る。
比較例4は、1液湿気硬化型ウレタン接着剤を用いたコンタクト接着の結果であり、コンタクト接着可能時間、耐水性、臭気・安全性に優れるが、初期収まり性に劣り、塗りおき性は非常に劣る。
比較例5は変成シリコーン系接着剤を用いたコンタクト接着の結果であり、耐水性、臭気・安全性に優れるが、塗りおき性が非常に劣る。
Claims (10)
- 下記の(I)と(II)を構成要素とすることを特徴とする2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
(I)イ)主鎖がポリオキシアルキレン重合体であり、その分子末端に反応性珪素基を有し、分子中にイソシアネート基と下記一般式(8)で示される化合物(c)が有する第二級アミノ基との反応により生成する置換尿素結合を有するシリル化ウレタン系樹脂(A)及び/又は変成シリコーン樹脂(B)
ロ)ビニル重合体(C)
を含有することを特徴とする第1液
(II)ゴムラテックスを含有することを特徴とする第2液
R2はメチル基を、
Xはメトキシ基を、
nは0又は1を、
Yは炭素数3個以下のアルキレン基、又は下記一般式(9)で表される基を、
それぞれ示す。
R8及びR9は上記一般式(3)で表される基を、それぞれ示す。
- さらに、(I)及び/又は(II)に粘着付与樹脂(D)を含有することを特徴とする請求項1に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
- 上記ゴムラテックスの主成分が共役ジエン系ポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
- 上記共役ジエン系ポリマーがクロロプレンの重合体もしくは共重合体であることを特徴とする請求項3に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
- 上記共役ジエン系ポリマーがアクリロニトリルブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項3に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
- 上記共役ジエン系ポリマーがスチレンブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項3に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
- 上記共役ジエン系ポリマーが天然ゴムであることを特徴とする請求項3に記載の2液分別塗布型のコンタクト型接着剤。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の第1液を塗布した被着体と、第2液を塗布した被着体とを貼り合わせることを特徴とするコンタクト接着方法。
- 上記第1液を塗布した被着体にタックが発現してから消失するまでの間に貼り合わせることを特徴とする請求項8に記載のコンタクト接着方法。
- 上記第1液を塗布した被着体のタックが消失してから貼り合わせることを特徴とする請求項8に記載のコンタクト接着方法。
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